モバイルバッテリーを活用した非常用可搬型太陽光給電システムの負荷実験
○上平大貴、花田一磨、川又憲
*
八戸工業大学、
*
東北学院大学
1. はじめに
平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災によ
る大規模停電とその後の電力不足・燃料不足を受け、
八戸工業大学では太陽光で発電し、最低限の電力を
供給する非常用可搬型太陽光給電システムの試作が
行われた[1]
。その後、システムの防水化及び可搬性
向上を目指した平成 26 年度八戸工業大学学生チャレン
ジプロジェクト「ソーラーサプライ デザイン計画」に流用された
が、システムが大型化し日常的に使いづらくなると
いう欠点が生じたため、防水化、非常用かつ常用化
を目指し、薄型軽量のセミフレキシブル太陽電池をカーテン
レールに取り付け、モバイルバッテリーに充電して電気を利
用することができる軽量型非常用可搬型太陽光給電
システム(以下、本システムという)の開発を行っ
ている。本稿では東日本大震災以降、熊本地震、大
阪府北部地震等の自然の脅威が続くため、あらため
て本システムのバッテリーと負荷に関する基礎的な
実験を行ったので報告するものである。
2. システム構成
本システムでは薄型軽量のセミフレキシブル太陽電池を
用い従来に比べて可搬性を向上させ、軽量かつ自己
放電の少ないリチウムイオン電池が使用されているモバイルバ
ッテリーを用いていることとしている。ここでバッテリ
ーの入力電圧 DC5V を供給するため、太陽電池とバッ
テリーの間に DCDC コンバータを挿入しており、ま
た、バッテリーの負荷には、バッテリーの出力電圧
DC5V で動作する USB 機器を用いることとしている。
なお、システムの容量は阪神・淡路大震災や熊本地
震の停電率が 20%を切った 1 日間の電力供給を目安
としている。
3. 実験と今後の課題
3.1. 発電・充電・放電実験
図 1 に平成 28 年 1 月 11 日(晴)に行った発電及
びバッテリーの充電・放電実験の測定結果例を示す。
図 1 を見ると太陽電池の最大出力電力に比べて発電
電力が小さいことが確認できる。この結果は冬期で
あるので日射不足等の影響も大きいが、使用してい
るバッテリーの入力電流の制限の影響もあったため
バッテリーの並列化を行うことで太陽電池の出力抑
制を回避することとしている。
3.2. 負荷実験
参考文献[1]
のように非常用の最低限の電力供給お
よび常用のためモバイルバッテリーに DC5V で動作する USB
機器を接続し負荷実験を行った。このときの負荷の
消費電流及び満充電のバッテリーのみでの使用可能
時間の概算値を表 1 に示す。表 1 より、個別の負荷
に対しては十分電力供給が可能であるが、複数組み
合わせて使用する際には供給不足が生じうることが
わかる。このため複数個のモバイルバッテリーを並列化した
ところ各バッテリーの放電電流は不平衡であったも
のの負荷分担を行うことができていたため、3.1.と
同様に問題解決にバッテリーの並列化が有効である
と言える。
3.3. 今後の課題
今後の課題としては、試用を通じ負荷の選定を行
うこと、及びシステムの最適化が挙げられる。
図 1 測定結果例
表 1 負荷実験結果
負荷 消費電流[A] 使用可能時間[h]
LED 電球 0.786 25
扇風機 0.532 37
電気毛布 0.955 20
参考文献
[1] 花田他,「非常用可搬型太陽光給電システムに
よる電力供給可能性の評価」,平成 26 年度電気
関係学会東北支部連合大会,2D05,(2014).
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電力[W]
時刻
発電電力
充電電力
放電電力
平成30 年度電気関係学会東北支部連合大会
1B10