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東北農業の将来展望と農村経済研究の役割

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【記念講演】

東北農業の将来展望と農村経済研究の役割

佐藤了 (秋田県立大学)

RolesofRuralSociety-EconomicStudiestoclearthefUtureofTohokuRegion'sAgriculture

SatoruSATO(AkitaPrefbcturalUmversitv) Weaknessofthelocallabormarket,manymiddlescalefarmhouses,agriculturalimportpolicy,becoming giganticofthefbodretailindustry,tie"upbetweenfarmersandconsumerstocreatenewrelationsfbr ruralsustainabihty 1 )東北農業の構造的特質 東北地域においては,第二次大戦後,東京巨帯 都市圏・東海圏。京阪圏の経済発展に伴う 「出稼 ぎ」の発生, 70年代以降も相対的に低位な地域労 働市場に直面するなど,水稲単作的傾向と相俟っ て兼業化が進んでも農外収入だけで生計を賄えず に農業収入もあてにせざるを得ない農家(中間層) を多くした. このことが, さらに地代を押し上げ て農地貸借による流動化の形成を弱くし,農家間 の分化・分解が抑制されて作業受委託の関係形成 に留める傾向が見られた. こうして農作業受委託 は進むが,借地による農地流動化は進みにくい構 造が形成されることとなった2) . 2) 2000年代以降の変化の特徴 以下では,その構造の変化に関するいくつかの 兆候を確認しておこう. 第1は, 2000年代以降,地域労働市場の動向を 包括的に示すと思われる有効求人倍率をみると, それは,1990年代まで東北にも全国より倍率が高 い県もあったが, 2000年代に入ると,東北6県 全てで全国平均を下回る傾向が明らかになってい ることで(2010年度まで,図1) ,地域労働市場 における地帯間格差が東北地域に不利なかたちで 固定化しているのではないかと推測される点であ る. 1 . はじめに 表題の「東北農業の将来展望と農村経済研究の 役割」という課題は筆者にとってあまりに大きい. が, さいわい東北農業経済学会の沿革や今後の課 題についてはすでに, 先学の2論文によって包括 的な解明がなされている.学会の40周年を前に 取りまとめられた加藤功論文と50周年を前に取 りまとめられた青柳斉論文である】 ) .いまの私に はこれらの総括に加えるべきものがない. そこでこの際自分の研究フィールドと自認す る水田農業論で学んできたことから課題接近を試 みさせて頂く.水田農業は,これまで政策的な「構 造改革」のターゲットにされながら容易に改革さ れず,いままた「農政改革」の集中砲火を浴びて いる.本来は,第2次大戦後, とくに本学会が歩 んだこの50年の総括を試みるべきであろうが, 筆者にはその準備がない. そこで以下では,主と して2000年代以降の東北地域の水田農業を念頭 に, その構造的特質と変化, 「農政改革」による 与件変化,市場・流通変化,地域における連携の 課題について述べながら, 日本・東北にふさわし い農業・農村の道筋とは何かを考え,農村経済研 究の役割に言及を試みたい. 2.東北における地域農業の構造的特質と変化

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2. 0 ①農業の規模構成 東北地域において規模上層を占める有ノノ層の検 出と課題提起も活発に行われてきた研究であった たとえば1980年代までの東北大規模水田作経営 と言えば, 中核農業地帯を中心に,①山形県庄内 地域の比較的大規模な自作農系譜の集団栽培事例, ②宮城県仙北平野の稲作機械化に対応した個別経 営展開と生産組織事例,③青森県津軽地域の個別 規模拡大事例,@1960年代に誕生した秋田県大潟 村などが本学会員などにより注目されてきた. だが, こうした大規模経営体の形成動向はどう なったのか,継続しているのか変わったのか. 2010年センサス結果を見てみよう.表2によると, 東北地域では,第1に福島県を除く各県が個人経 営体・組織経営体とも都府県平均以上に集積が進 展していること,第2に5ha以上の個人経営体 (28%)が組織経営体(14%)の2倍の面積集積 など,個人経営体の集積に特徴が認められる.第 3にその集積を主導するのは10ha前後の個人経 営体で, 20ha以上の個人経営体の集積は3.9%と 少ないことにも注意を払う必要がある(組織経営 体は,統計上,一戸一法人形態経営体含む) . こ のことから示唆されるのは, 中大規模の個人経営 体を伸ばしていくことが東北地域農業の重要課題 の一つということである. 最近の規模構成という観点から見てとくに注目 されるのは次の2つの動向,第1は大規模農家数 ヘ ー青森 ・…. , 。- ・岩手 一一一宮城 1 .5 1 .0 0.5 0. 0 .;・---〒・・言・''-¥一一--- “”‘‐苧.-舎宇・ ‘ ・・¥"" ‘2 ・ ‘ ・ ‘・ :・ ・ ・ ・判 ・" ・吋‘ ・・マ・““.. . :・ ・ ・ . ., . . ・ ・サ." ・ぜ. ・ ・ . ' . .…" . ‐. ・、…'−. −. :” ・ ・・ :−.−−.. Y・・・・ f'---…・ ‐ j980 1982 1984 .暴一一.暴一一 一暴一一 .内?2 1994 1996 1998200020022004 200620082010 図 ’ 有効求人倍率の推移 資料:厚生労働省「一般職藁紹介状況(職業安定業務減計)」 より作成。 注:新規学卒者を除き、パートタイムを含む。 第2は,MA(ミニマム・アクセス)米の固定 化の下で行われた2004年を頂点とする米政策改 革により,東北地域の"転作強化"が実質的に進ん だことであり (表1) ,栽培学上一毛作地帯が圧 表 ’ 愚作目標率の推移 (単位:%) 増減 2.0 4− 9 2. 5 4. 】 4.9 1, 7 4.8 1 . 3 0.0 −0. 7 3. 0 1 .4 2004年’ 2005年’ 2006年’ 2007年’ 2008年’ 20()9年’ 2010年 銅需箒翫祁岬濡一搾副訓露露 7 0 5 0 6 3 9 2 7 5 8 0 8 6 3 3 3 2 3 2 2 0 3 3 4 3 4 3 3 7 5 7 0 7 8 3 3 3 2 3 2 2 3 3 2 0 0 4 2 4 9 6 9 1 7 1 3 3 3 2 3 2 3 4 2 8 7 6 8 8 4 1 7 1 0 8 1 3 4 3 3 3 2 3 0 1 1 6 9 1 7 5 2 8 3 3 0 1 3 4 3 3 3 3 3 7 1 0 1 9 8 8 4 2 8 2 4 9 1 3 4 3 3 3 2 3 ﹃ I Q ︾ n U 1 F 。 Q ︾ ﹃ ︺ 4 . 1 8 2 5 9 , 1 つ u 4 q ︾ ︽ ﹄ 、 。 、 坐 冗 凸 9 8 9 0 8 5 8 7 6 8 2 2 2 2 2 0 7 8 4 8 7 9 6 7 8 2 2 2 2 2 5 ↑ 、 5 2 2 6 9 5 7 8 2 2 2 2 2 1 5 4 1 2 8 9 6 7 8 2 つ ﹄ 2 2 2 5 0 7 2 9 5 9 6 5 6 2 2 2 2 2 7 0 6 7 7 4 9 6 6 9 2 2 2 2 2 8 5 1 1 8 6 9 7 4 6 2 2 2 2 2 資料:農林水産省「都道府県別の需給調整の取組状択」 、農林水産省「作物統計」 、 より作成。 注I :転作目標率=1−米の生産目標数量(面積換算)/田面積(畦畔除く) 2 :増減は2010年の値から2004年の値を差し引いた値である。 倒的に多い東北地域では「作れるものがない」状 態が広範に広がったもの見られる点である. 稲作構造変動が起きる経済的要件として「大規 模層の稲作剰余>小規模層の稲作所得」の統計事 実が重視されてきたが3) ,長く,東北地域におい てはその事実関係が確認されてこなかった.だが, 第3は, 2005年以降,東北地域でも急速な収益減 少の中でではあるが確認されたのであって(図 2) ,いかにこれを評価していくかをわれわれに 提起している点である. 以上,要するに,東北地域の地域労働市場の一 層の逼迫,転作強化, その中での構造変動を促す 条件の出現が後退的傾向を伴いながら認められる 点などに注目される. 3)東北地域における農業の規模構成と地帯構 成 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 加 8 6 4 2 ︵圧︶麗頓曇荊g一 年産 図 2 稲作の収益性格差の動向(東北) 木土屋云唾LLよつ・ 階用は水稲作付面稽 稲作尉余=租収益一費用合計 祖収益にはキ識塁.稲得、担経.集円対策含む(1998-2006年.その後は麦章なし) 。 2010年は戸男'所得補償モデル本業の交付15, 100円/lO1含む 斜123 資性 増加率の鈍化,第2は集落営農の増加である. 200罪2010年のセンサス上の変化で特に目立っ たのは349.7%(328-→1,475) という稲作組織経 営体数の増加で, これは端的に言えば,個別5ha 以上・集団20ha以上という経営所得安定対策の

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園芸・畜産。複合,④漁業兼業の4つに区分した 宇佐美は, いわゆる一連の戦後改革を「労働力の 自立化基礎」を与えるものと評価しつつ,実際の 日本経済の展開の中で,東北地域の各地帯は「労 働力の自立化」に向かわず, 「底辺労働力市場」 と 「与党の集票機構」の中に組み込まれるに至っ たと見ている5) . では,今日,東北地域においてもっぱら農業解 体的な傾向が強まっているのか, それとも農業の 再編や進展の動きがあるとすれば, それは, どう いう場所の, どういう条件のところから, いかに して生まれつつあるのか.解体か進展か,現場で は,解体への必死の抵抗を含む"つばぜり合い"が 起きている. こうした問いに答えていくには,成 功的経営のポジティブな動きをもっぱら経営者の 企業者活動のあらわれとして見なしていく前に, たとえば彼ら彼女らの主体領域の特徴を, “労働力 市場等を含むローカル市場への対応"や"集票機構 への対応"の仕方を含めてヴィヴィッドに捉える とともに,それらを取り巻く客体的諸条件の双方 をそれ自体として捉え,双方の関連から理論構成 を考えていくことが必要だと思われる. 2000年以降,東北水田農業内部でも,後述する ように"水田作周縁地帯”から「転作受託」系譜の 超大規模経営が現出してきている 収益悪化や世 代交代を機に,都市近郊や中山間地域など"水田作 周縁地帯"から小規模層の脱農化傾向がいち早く 始まり, 『転作受託』等から数十haから百ha規 模への急速な拡大事例があらわれるなど,間尺の 大きな変化は周縁部からあらわれ, 中核部の動向 とは様相を異にしているのである. こうした新たな経済・社会現象が現れてきたと き, それは他のどこでも現出し得る現象なのか, それともその現象が起きる地帯の条件規定と関連 する現象なのかを判断するためのツールでもあ り,いわば普遍化と個性的課題化に欠かせない論 点をなす. それは,都合のよい事例を都合よく取 り上げて政策提言して恥じない一部のトレンドを 放置せず,その前に吟味すべき諸条件に関する論 点を提供する.地帯構成論がこのようなものであ るならば, “農村経済研究"を標傍する東北農業経 表 2 経営募泡蓋積の集積状況(”10年、卓症 3h毛!上 |塾hヨ製_二 ,a以上│ 3cha碁二 公一今器一 二二二二 ● 一 逵 袴 壁 , r ハ ヱ 壱 一 鱈 轌 戸.今 刻 呆 ヒー凸 叫 ↑、

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2009年度までの「米政策改革」政策の実施過程) を振り返ると, この間生産調整の弛緩が大きな 要因となって, 6年のうち4年の不作年を含めて 米価は低落傾向を辿った.生産目標数量に対する 米の作付け過剰率(実作付面積の超過面積から算 定)は, 「改革」実施直前の2003年0.1%であっ たが, 04年1.5%, 05年2.3%, 06年4.3%, 07 年4.5%と年々拡大し,国行政は,ペナルティ まで復活させて生産調整の引き締めに躍起になっ たが, 08年3.5%, 09年32%と生産調整への復 帰は1%増程度に止まり8) ,選択制下での米の需 給調整はきわめて困難なことを立証した. 大規模層の増加率は2000年前半(00年∼05 年)から後半(05年∼10年)に,戸数で5ha以 上層16.1%→14.5%, 15ha以上層46.9%→39.4% などと減速し, 「米政策改革」の目標に反する結果 になった. 2004年と09年の水田作経営の農業所 得・地代負担力・支払い小作料の関係は,農業所 得の低下は零細規模層ほど大きく, 自分で農業す るよりも低下した小作料を受け取った方が有利と いう関係がl.0未満層以下で確認できるが,大規 模層の地代負担力は,政府助成を加えても大きく 低下し, 2009年にはかろうじて20ha以上の最上 層だけがかろうじてプラスである (表3) . 2) 「戸別所得補償」農政の効果と課題 われわれはすでに, もう一つの経験をした 2010年度から民主党政権によって行われた戸別 所得補償制度である. この政策への加入率は 0.5ha以下層の58%から,規模が大きくなるにつ れて高まり, 5ha以上層では96%に達する高さ で,米の生産調整をめぐって分立してきた秋田県 済学会が果たす役割の一つとして,今後, ますま す重要な論点になってくるものと思われる. 3.農政改革による与件変化と課題 1 ) 「米改革」農政の効果と課題 94年の食糧法制定により川下の流通面での規 制緩和が急速に進んだ反面,食管制度下で川上に 作られたシステムを象徴する減反政策の抜本的見 直しと米経済の新たな政策体系の確立をめざした のが02年の生産調整研究会で,その報告を受け て農水省は「米政策改革大綱」を内外に明らかに し,農業者団体が配分を行う新たな生産調整方式 への移行方針を示した6) . その後米農政が混迷 の度を深めたが,その理由はどこにあったのか・ 政治や政局要因が取りざたされてきたが,筆者は その混迷には「約130 110万トンという安定した需 要量がある加工原料用米市場においてMA(ミニ マム.アクセス)米の構成比率を高めて主食用米 裾モノの安定需要先を奪うことが,事実上,転作 の強化に結びついてきた」 という歴史的基礎があ り,その枠組みの中で政治・政局がダッチ・ロー ルしていると捉える必要があると考える. さらに 言えば, "MA米は心理的影響のみで,生産調整 の数量.国内産米価格に影響なし"とする94年の G・U(ガット ・ウルグアイ・ラウンド)の受入 ならびに生産調整研究会の仮構性を問うことから 米農政は再構築されるべきだと考える7) ‐ 結果, 「生産調整を緩和・廃止するだけでは農業 構造改革を促すどころか大規模層も成り立たなく なり,小規模層にも破壊的に作用する」 7) .米の 生産調整への選択制導入の経験(2004年度から 水田作経営〈健別経営>の農業所得・地代負担力・支払い小作料の関係変化〈都府県) 10a当たり簔業所得(円> │10a当たり支払い小作料〈円> │晨業所得く支払い小作料 │0.5ha未満0.5∼1.0hal .0∼2.0hj0.5ha未満0.5∼1.0hal.0∼20h40.5ha未満0,5∼1."31 .0∼20ha 表3 ○○ ○○ 年年 4 9 曲” 2 2 4 8 5 5 7 6 6 1 1 2 1 5 2 0 9 8 2 1 3 1 3 7 3 5 句等 3 8 1 7 6 2 4 7 3 29 1 13,000 12044 8 0 1 1 β3 1 9 1 1 × × 10a当たり支払い小作料〈円〉 10∼15ha l5∼20ha20ha以上 10a当たり地代負担力(円〉 10∼15ha l5∼20ha20ha以上 地代負担力>支払い小作料 10∼15ha l5∼20ha20ha以上○× ○○ 年年 4 9 ㈹” 2 2 15,909 13.827 2 8 3 6 5 7 33 1 1 8 4 9 4 0 2 4 3 1 1 9 1 9 2 5 9 3 2 2 1 1 1 6 1 1 2 46 2 1 1 6 3 6 7 6 1 8 1 − × × 資料:磯田宏「TPP参加は日本震業の樗造差化に資するか」(「簔業と経済」2013.9、p62)より引用作成. 原資料は農水省「農業経営統計調査報告。宮簔類型別統計』、厚労省「毎月勤労統計年報」各年 注1地代負担力=農業粗収釜(十水田簔業硅立助成推算拳>一(壹業経営費一支払小作料一自営農業家族 時間×評価労賃単価)/経営耕地面積。評価労賃は「毎月動労統計年報jの全国・謂査産業計・従業員規模5 上平均で、時間当たり2004年2,199円、2009年2.183円、 注2:「農業所得く支払い小作料」、「地代負担力>支払い小作料」が成立は○、不成立は×と表記.

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大潟村でもほぼ同様の高さであった (平均 79.3%,表4) . また,支給額シェアをみると,受 給者数で9割以上を占める2ha以下層全体で4割 程度,受給者数3.5%の5ha以上層だけで1人当 たり約188万円の4割強と上層に厚い. この制度は,集荷円滑化対策など米価下落への 歯止めの廃止下で実施され,農林予算削減の中で 独自財源を確保できずに土地改良予算などを削っ て財源調達し, また定額交付金1万5千円も標準 生産費用から家族労賃の2割自作地地代, 自己 資本利子をカットしての算定など9) ,多くの制約, 暫定性,不安定性を残したまま実行されたとは いえ,農家経済に即して言えば,一定の"合理性。 妥当性"があったことに注意が必要である. とくに 経営規模が数ヘクタールの中大規模層が多い東北 地域では,次の経営展開への足がかりを提供する という点で適合性の高い政策であったと見ること ができる. 注目したいのは,その直接所得補償による収益 性改善効果である.それを東北地域2010 11年平 均で稲作付面積規模別に検討した結果, 2 3ha層 で支払利子・地代算入生産費を差し引いた稲作余 剰を10a当たり2,969円から17,370円に改善し, 農業所得による家計費充足率を3 5ha層で36% から49%へ, 5 7ha層で57%から78%z- , 7 10ha層で91%から119% , 10ha以上層で 145%から186%への改善が認められた1 0) .要す るに, より小規模層からの規模拡大意欲形成につ ながる可能性があったと考えられる. その反面,単純な面積当たり直接支払方式は大 規模層ほど青天井で収入を増やし,不平等問題を 引き起こす. 2012年度の農業所得に対する共済 金・補助金等受取額をみると, 3∼5haをボトム に上下層で比率が高まり, その受取額は20ha以 上層で1千万円を優に超えた! 】 ) .農業経営の規 模拡大意欲形成と公正性問題の克服を両立させる 制度設計が求められる. 3) ‘‘ポストTPP・戦後レジーム脱却農政"12) の登場 2013年, 自民党・公明党政権はTPP交渉参加 に踏み切り: 一気にポストTPPの体制整備を図 った その構図は, まず, TPPで低価格米が輸入 されることを想堆して米の生産調整と直接支払い を廃止する‘結果, <米価>下落が起き,集落営 農(法人)が経営難に直面し,離農が多発するが, 離農した土地持ち非農家も政権基盤につなぎ止め る多面的機能支払を広く薄く手当てする. その … 方でく米価>下藩を米コスト4割ダウンで受け止 め得る35haの6万経営に8割集積するため,農 地管理を農業委員会管理から県管理に移し,農地 中間管理機構を設けてこれを促進し,農地の自主 的集団的管理を疎外す-る. 2014年になると, 子岩盤規制の撤廃』を通じて 推進する歴史修正主義に基づく 「戦後レジームか らの脱却農政」の旗印がより鮮明になった.農地 法・農業委員会法・農協法は第2次大戦後の民主 化措置だが, この際,その「戦後レジーム」 (岩盤 規制)を--気に撤廃し,農外企業の活動条件を整 備する.生産調整の廃止で農協は不要化するから 総合農協・系統を解体してく農外企業による6次 産業化>を進め,農業委員会・同系統を解体し, 農生法人の要件緩和を通じてく農外企業による農 地取得>を進めようというのである. 2014年産米価(全銘柄平均, 9月末)は前年比 83.9%の12,481円と破格の下落幅で.懸念と不 安が現実のものとなっている. 2010年度からl0 a ].万5000円だった固定支払いが14∼17年産 7500円, 18年以降はゼロ,変動支払補てんは ア 琴 率 ︾ ︾ 汽 吟 ■ f 二 ・ 主 国 拘 華 這 霊 雪曜 巨 厚 ら 一 f h 輯 、 一 、 唖 ﹃ 1 c 汎 禮 電 錘 ︼ ↑ 玩 望 室 秦 認 到 犀 一 ﹂ 今 坤 ⋮ で I 己 令 型 こ う 選 阜 J ︾ 吟 恥 帽 蕊 罷 ↑ ︾ ︾ 一 塁 1 1 4 準 ﹂ 一 ︸ 粍 ・ 1 ︽ ず ﹄ ︽ 参 ﹃ ・ ﹃ 一 ﹃ ぜ ︻ 瞳 一 口 幻 ︾ 斗 葬 湾 雑 舞 一 米 一 津 幡 陛 琴 ︾ 璽 郵 4 : 傘 表 雰 欝 ↑ ﹃ 翫 燭 病 繰 葬 ゞ . 哩 嶬 支 宙 本 則 陸 舷 室 と 二 喜 弓 藍 1 ﹄ ・ ● ︶ ・ 鄭 亨 霊 剖 遮 ・ F − ﹁﹃銅,九舞二 ﹃ 画 ■ ﹃ ︺ 己 ロ ー ヨ 小 室 。 一 揖 昔 一 . 、 一 ﹃ 夢 ﹄ 一 一 章 誰 1 − 龍 一 一 陀 一 鐸 諒 一 率 一 権 2∼ 肖b qn& 鈴 轌 一 錨 一 一 謎 一 鶴 一 誼 稗⋮準一唾一輝一窪一癖 奉塞一睡一嘩一唖 ミヨ 苧P壷 竜一幅一串 対主書T人 当芝ぅ支払 罰:2千斗← 唇今 連星木梧弊書躯入壺舞・含於達、裡料珂牽&半跨雷圭恐ご組工噂圭呉唇皆吾笈琴-て-,造 .童頁 ¥ず串 鉾 T・園2 3と弓 ニエ 一 党﹄ 卓 ﹃画 1−罠マ貢 官畔堀鉾才窪拶盲=z4年察・晶鯉巷容量霊司揮軒堂命支唾衝二言.<』藍!と旱曽冨謹巳さ.j割貝停窪

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14年以降廃」'二である. 「9割補てん」が喧伝され る収入減少影響緩和対策くナラシ>は, その1/4 7jift産者拠出だから実質補てん689もの制度で‘ 2014度現在, 生産調整実施者の41%,加入件数 で7%に過ぎない.米価暴落を来す制度を導入し, いまになって与党議員が対策不十分を主張する. は可能か 構造改革と地域農業再編の展望は長年の論点で あった.たとえば, 1983年度の日本農業経済学会 大会では,構造改革には①農地.耕地の分散問題 ②農地・農道・水路等地域資源管理の困難性,③ 高定住社会の社会的承認の困難などが指摘された 1 5) .筆者らも, 高定住社会と地域資源管理問題 等を組み込んだ再編・連携を追求すべきだという 考えから, 「担い手の農業内自立」 と 「土地利用 秩序形成」 2軸からアプローチを試みてきたⅢ 7) . 近年,大区画整備や農民の分化.分解と構造改 革の帰結を考えて「大規模経営だけで地域資源管 理対応が可能か」を立ち入って検討する研究も現 れている. たとえば自集落での拡大もしくは大区 画整備農地・水・環境保全対策の支援により可 能になることもあるという見方’8)や,農地の借 り手市場下では「高定住社会」維持のため,農地 の希少な受け手として大規模借地経営の展開を 「承認」せざるを得ない状況が生じ,貸し手増加 とともに各地での大区画圃場整備により農地の面 的集積進行による農地.耕地の分散問題の縮小, 農地の受け手たる借地経営維持のために集落が 「地域資源管理」を積極的に引き受ける事態の発 生が見込まれるという見解がある1 9) . だが,その一方で未整備な農地基盤のところで は水路の泥あげなど管理作業に時間と手間が必要 で,農地・水保全管理交付金に取り組んでいなけ れば担い手の負担が増すことが予想され20), そ の場合には「地域農業における土地と水との正常 な「つきあい」方が壊され,農業が持つ地域資源 管理機能の後退さらには国土保全機能の後退が 生じる」 2’ )おそれがある. 「高定住社会」, 「地域資源管理」 , 「農地分散」 という上述の論点は,確かに農地基盤整備の進展 や社会の変容などの中で,かつてと大きく様相を 変えつつある.その意味で,各研究者の仮説の成 否とともに, たとえば農地基盤整備のどの部分が どれだけ効いているのか,社会のどの部分がどれ だけ変化しつつあるのかという,量的な程度を含 む問題として具体的に検討されるべき段階に逢着 したと言うべきであろう. 4.市場・流通の変化と農業・農村における連携 の課題 1 )食糧法の制定・改定と市場・流通の変化 ①食糧法の制定・改定による川下の変化 食糧法の制定・改定により米をめぐる川下事情 は大きく変化した.統計的に連続性はないが,食 糧法制定直前の1994年と2012年の米小売業の概 要を把握すると次の数値を得る. 米穀小売店 39.1%→4.2%(−−),スーパーマーケット17。7% →45.1%(++) ,生協・購買8.4%→7.8%(+-), デイスカウントストア1.9%→3.4%(十) ,百貨 店0.7%→1.0%(十一),通信販売0.5%→7.4% (+), コンビニエンスストア04%→0.3%(十 一) ,その他31.4%→39.8%(+)で, 消費者の 米購入先は米小売店からスーパーマーケットに大 きく変わった]3) .要するに食糧法制定.改定は 規制緩和によりスーパー等小売の巨大化をもたら し,川下の影響力を大幅に拡大させた. ②川上における 「効率」 と 「安定」の乖離 「効率的かつ安定的」経営は1999年に制定さ れた食料・農業・農村基本法において育成すべき 農業経営の目標であるが,現実に進んでいるのは, 効率的経営でも安定的経営にならない】4) という 事態である.稲作生産の技術的な「最小適正規模」 は「15haかそれ以上」になっているのに,後継 者確保の必要条件を1人あたり家族労働報酬が製 造業平均賃金450万円として算定した「最小必要 規模」は, 15ha以上経営でも及ばず,最適効率 でも後継者確保の必要条件に達しない要するに, 最適効率の家族経営であっても世代継承が成り立 たず, さらに一方的に規模拡大が強いられる市場 状態に至っている]5) . 2)農業・農村における連携の課題 ①構造改革による地域農業再編を展望すること

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②集落営農の進化で大規模経営展開の矛盾を克 服できるのか 集落営農も進化している. 1階部分では,集落 内の全農家による農地の共同管理など地域資源管 理にかかわるより基礎的, あるいは非経済的問題 の調整を行い,その基礎の上に2階部分では個別 の大規模農家等による農業活動や女性, 高齢者等 のグループ活動など多様な組織形態による多様な 個別的目的追求が行われる22) . だが, 同時に集落営農の限界,課題を示す指摘 もある.①「集落営農組織に一切を任せた集落の 人たちが農業に無関心になり,集落営農の後継者 が生まれず,集落営農が集落で孤立する問題」 = 「集落営農のジレンマ」 23),②このジレンマを 数集落にわたる大きな集落営農組織を作って,大 規模化と効率化によって乗り越えようとする動き もあるが, それだけでは,一般農家のレベルで無 関心層の増加を一層進め,地域の一般農家には使 用収益を目論む営農組織自体が畦畔,農道,水路 の管理を自分でやるべきだという意見を強める一 方,集落営農組織でも対応できないほどの急速な 受託面積が増加し,人手を増やすと経営赤字が膨 らむといった矛盾を拡大しがちである. これに対 しては,単に機能分担を進めるのではなくむしろ, 1階部分で可能な限り営農を担当し, 2階部分で は法人経理や企画・営農など補完的業務を担当す る方式が,条件の悪いところほど有効である24) 要するに, 1階部分が正常に機能して初めて使用 収益活動が成り立つということであり, そのため には農業とくに水田農業の社会的評価を確立して いくことが急務となっている、 ③地域のキャパシティを拡大・深化させる方策 先に見たように東北地域の就業機会はますます 狭くなっている. こうした中で問われてくるのは 女性, 高齢者を含む農家世帯のビジネス (Farm FamUyBusiness)戦略の立て直しである その 就業機会の狭除化を超える農家世帯のビジネス戦 略の展開に注目すると,地域の生産者たちは消費 生活者たちと「地産地消」, 「身士不二」 , 「スロー・

フード」 , CSA (Commumty Supported

Agriculture)など独自な価値や文化を持つ「商品」 を作り出し,グローバル市場の隙間に 「こだわり のローカル市場」を拓きつつあることが浮かび上 がってくる. その魅力の源泉はどこにあり, どのようにして 生まれてくるのだろうか. このことについて池上 惇は, 文化経済学の立場から,つまるところ「ル ーラル」な「晨山漁村風」の生活, 自然と人間の 関わりの「生命や生活のありかた=マナーと生活 の質を創りだし享受する人間」のあり方25)にあ るとみる. そのような自然と人間の関係人間と 人間の関係が都市と農村のネットワークの形成を 通じてつくられ発展することは,資本主義的経済 の発展と燗熟が見られた一方で農山漁村風の‘営 み,や働きが再評価され,前進した英国ビクトリア 朝時代以来観察されるというのである. こうした文脈から上述の「ローカル市場」の賑 わいを振り返るとき, われわれは,今日の情報通 信革命や交通革命等によってそのネットワーク形 成の促進契機が量的にも質的にも拡大してきてい ることに改めて注目する必要がある.というのは, rural sustamabilityを持続的に再生していくに は,創り出す側と享受する側の双方をつなぐ手段 がないと成立しないからであり,成果を「享受す る (都市生活者等の)人々の力量を持続的に再生 産すること」があってはじめて, 「農山漁村風の営 み,や働きを景観。産業・生活から創造的に再生し, 生産人の職人技,技術やデザインにおける創造性」 を発揮していくことができる26)からである. さ らに都市生活者は,一方では, 巨大化していくグ ローバル化に対応するビジネス等に集中し,それ らに翻弄されて囚われ,身近な自然との触れ合い やゆったりとした人間同士の付き合いを失い,人 間性を疲弊させていく側面を持っているのかも知 れない.そうだとすれば,彼らが農山漁村風の‘営 み'や働きに触れ,それを享受することは,都市生 活のグローバル化に向けた暴走を制御することに もつながっていく可能性があることにもなる. 筆者がこうした農家世帯のビジネスの原点を示 すと考えているのは,中山間地域で父母と本人(女 性)の世帯で800坪のハウスほうれん草と50aの 田んぽで農家民宿をしている一事例である. 当主

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再生産・雑草防除体系」にどのように結びついて いくのかを検討すべき局面に入りつつあるのでは ないかという点である. 第2は, 中核地帯も周縁地帯も雇用賃金水準で は同等であるが,中核地帯が10a当たり2.8万円 に対して周縁地帯が1.2万円という,相当に大き な地代格差が認められることである この地代格 差を反映して,経営の規模拡大テンポには,周縁 地帯の大きさに対して中核地帯は小さいという差 異をもたらし,それが経営戦略等のあり方や姿に 少なからぬ影響をもたらすことである. そのうち周縁地帯に立地するM経営の実績と課 題を摘記する. 同経営は, グレンドリル播カル チパッカ鎮圧などの小麦作と同じ体系の乾田直播 稲を14ha余,移植稲作の約半分の投下労働時間 で600kgを上回る単収水準ならびに60kg当たり 費用を東北平均の54∼69%という実績を上げた だが,少なくとも3つの課題,①減水深20mmを 越える漏水田には不適で,播種期雨天続きになっ たときの代替技術として湛水直播などの準備が必 要なこと,有機栽培や除草剤抑制栽培の技術とし ては移植栽培技術に及ばず,大規模畑作機械体系 の装備の下で近未来の大規模稲作技術の中核にな り得るが,同時に代替的な稲作栽培技術の存在が 不可欠である,②この方式は,大規模な畑作物(転 作物)主体の作付構成を産婆役に生まれたが,事 例では,畑作物は洪積台地水田に,水稲作は沖積 水田に作付けされており,水稲作と畑作を融合し た作付け方式には到達していない.新たな作付け 順序体系の成立には,経営が立地する農地基盤の 汎用化・高度化が改めて問われ, その条件の改変 が課題となってくる,③この方式は,圃場の排水 性が改善され, 圃場での稲わらの乾燥や収集が容 易になってその活用の幅を広げる面があるが,新 たな地力再生産方式の形成には至らず,課題が残 っている.事例では,秋口に発酵鶏糞を投入する など地力酒養に努めているものの,有機物の安定 的確保には,畜産経営との類型間補完など地力再 生産方式としての向上方策が課題となってくる. は「ほうれん草はJAに出荷するが,直売所など を通じて説明付きでPRして全部販売するから規 格外になっても捨てるものはない かたちの悪い ものは農家民宿にも利用し, 自分でも食べるから ひとつも余さず,規模を拡大するより収入もあが る. また,お客さんが来て観光してくれるので, 観られることで農村の景観も住民の意識も前向き に変わる」 と指摘する. 東北地域は,農産物の商品経済化の遅れが指摘 される一方,農村生活の仕方様式や文化行事など に「自給的農村生活」の名残「農村風」 「田舎風」 の色彩がある.何もかもが近代化していく中で, 自然に向き合い, 自然に沿った生活を成り立たせ ていること,経済活動とコミュニティ活動を一体 として追求していることは,実は,最大の持ち味. 魅力の一つなのではないかと思われる. こうした原点を発展させていくには,一方で「グ リーンツーリズムと農家レストランの中元パッ ク」などのプロジュースや,カット野菜,米ピザ, 米粉パンなど1.5次加工し,ひと手間かけて継続 的な利益を確保していくには加工施設等,新たな ノウハウや投資人と資金が必要になる.要する に,農家世帯のビジネスが厚みを持って展開する ことが地域のキャパシティを拡大・深化させるこ とにつながるのではないかと考えられるのである ④土地利用型農業革新の胎動 だが, こうした取組にもかかわらず,高齢化や 採算面の制約などから機械作業ができなくなり, 農業からリタイアする人が生まれることも避けら れない.そこで,東北地域に現れつつある土地利 用型農業革新につながると目される,大規模借地 営農の胎動に注目することにしたい. 紙幅の制約から詳細は省略するが27) , この胎 動を捉えようとするとき,筆者は次の2点に留意 すべきだと考える.第1は,水田集積.経営規模 拡大の共通端緒が転作対応にあり,それが中大型 機械化技術による大豆作,麦作から出発している ことである. あえて言えば, この間の転作対応を 契機に,"中型稲作技術'と言われてきた1960年代 以降の稲作機械化の水準を超す『労働手段体系』 が現出しつつあり, それが『作付体系』や『地力 5. おわりに−農村経済研究の役割一

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二つ述べたい.一つは,東北農業経済学会が「東 北農業経済研究」から 「農村経済研究」への誌名 変更について. それは"ルーラル"=農山漁村風を 強調した本稿もその枠内にあり, 「地域風土」 , 「高付加価値等」 , 「担い手」 , 「支援機関」 4 セッションの論点進化にも期待される.今後は 林・魚・エネルギー等も視野に収めていくことも 考えてもらいたい. 二つは,持続可能な新"ルーラル"の掘り起こし と理論化について.それには各論横断的な連携が 要求されるが,本学会の東北という格好の対象, 大小過ぎない学会規模に注目される. 料, 2014.7. 11)柳村俊介「経営安定対策の動向と新対策の特徴」 2014年4月臨時増刊号, p20∼31. 12)田代洋一『戦後レジームからの脱却農政』筑波書房, 2014を参照 13) 1994年数値は小野雅之「米小売業の再編と競争構 造」(2007),原資料は総務省「全国消費実態調査報告」, 2012年の数値は米穀安定供給確保支援機構(米ネッ ト) ,米の消費動向調査より作成(五十嵐果林・中村勝 則, 2014))。 14)梶井功「近ごろ,思っていること」農業経済研究 第78巻第2号, p71∼75, 2006. 15)新山陽子「『家族経営』『企業経営』の概念と農業 経営の持続条件」農業と経済2014年9月号, p5∼16. 16)高橋正郎「規模問題と構造政策の視点」農業経済研 究第55巻第3号, pll5∼122, 1983,永田惠十郎「規 模問題と稲作の生産組織」同, pl31∼139. 17)佐藤了「「地域水田農業』の研究目的と分析概念一 分析概念と類型化指標」東北農業試験場農村計画部, 東北農業経営・農村生活研究資料No.2, P.6∼13, 1990 いま, これらに「市場・流通対応・連携」を加える必 要があるかも知れない, 18)安藤光義編著『大規模経営の成立条件一日本型農場 制農業のダイナミズムと苦悩一』農山漁村文化協会, 2013. 19)細山隆夫, 「北陸地域における大規模借地経営の形 成。展開と地域的村立条件」堀口健治・梅本雅編『大 規模営農の形成史」農林統計協会,戦後日本の食料・ 農業・農村第13巻2015. 20)椿真一, 「法人による規模拡大と地域資源」農業と 経済2014年6月号, p43∼50, 2014. 21)永田惠十郎「同上論文」 . 22)楠本雅弘『進化する集落営農一新しい「社会的協 同経営体」と農協の役割一』農山漁村文化協会, 2010. 23)伊庭治彦「集落営農のジレンマー農業の効率化と 非農家化の進行」安藤光義[農業構造変動の地域分析] 農山漁村文化協会, p226 235, 2012. 24)森本秀樹「集落営農の取り組みと普及の役割」農 業普及研究第19巻第1号, pl8 22, 2014. 25),26)池上惇「農村地域の創造環境と文化資本再生一 持続可能な農村の理念・実現の根拠・政策−,農村計画 注: 1)加藤功「東北農業経済学会の成果と今後の課 題」東北農業経済研究第22巻第1号, p80-84, 2004, 青柳斉「東北農業経済学会の沿革,現状と課題」農村 経済研究第30巻第2号, p52-64, 2012年. 2)梅本雅『水田作経営の構造と管理』日本経済評論 社, p25-61, 1997. 3)今村奈良臣『稲作の階層間格差』日本の農業一あす への歩み−62号,農政調査委員会, 1968. 4)磯辺俊彦『日本農業の土地問題」東京大学出版会, p497-547, 1985. 5)宇佐美繁「東北農業の地帯構成と村落構造」 ,河 相一成・宇佐美繁編著『みちの<からの農業再構成』 日本経済評論社, p215-242, 1985. 6)生源寺眞一「混迷の農政と生産調整問題」農業と 経済2009年9月号, p76-86, 2009. 7)佐藤了「コメの生産調整シミュレーションの向こ うに見えてくるもの」農業と経済2009年9月号, p 87-97,小池恒男「事故米穀はこうして発生した」農業 と経済2009年4月号, p87-97,横山英信「食糧法・ 新基本法下における農政展開と『経営所得安定対策等 大綱』−米政策を中軸に据えて−」アルテス・ リベラリ ス(岩手大学人文社会科学部紀要)第79号, p43-65, 2006. 8)磯田宏「TPP参加は日本農業の構造強化に資する か」農業と経済2013年9月号, p59∼70. 9)佐藤了「米戸別所得補償制度への注文」,現代農業 2010年4月号, p350∼353. 10)平林光幸・小野智昭東北農業研究センター報告資

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課題」 ,堀口健治・梅本雅編戦後日本の食料・農業・農 村第13巻, p.179∼224, 2015. 学会誌VOL29NO.1, p、12 20, 2010. 27〉佐藤了・渡部岳陽・中村勝則。上田賢悦・角田毅 「東北地域における大規模借地営農の形成と直面する 要旨:東北地域は,第二次大戦後, 日本資本主義の強蓄積に伴い,東京巨帯都市圏等への労働力と農産物等 一次産品の供給源として位置づけられ,農外収入だけで生計を賄えずに農業収入もあてにせざるを得ない農 家層を多くした.それでも1980年代までは農業の「進展」が見られたが,輸入依存を強める国際化農政の下, 2000年代に入ると地域労働市場の一層の逼迫と 「水田転作」の強化が顕著になり,後退的構造変動を促す一 部条件が出現した.結果, “水田作周縁地帯”からいち早く小規模層の脱晨化傾向と『転作受託』等から数 十haから百ha規模への急速な拡大事例の出現など大きな変化があらわれている. 2000年代からの米政策は, 「ミニマム・アクセス米は心理的影響のみ」 という仮構性の上に米の生産調整 に選択制を導入して米価暴落を招いた. その後の民主党政権による戸別所得補償政策は大規模層に収益性改 善効果を持ったが,公正性や財源などに課題を残した. 2012年からの第二次安倍政権は,ポストTPPを想 定して強権的手法で人・農地・組織に係る戦後民主化諸措置を撤廃して農業・農村を農外企業の活動の場に 変えようとして矛盾を深める一方,食糧法制定・改定の規制緩和によるスーパー等小売の巨大化,川下の影 響力拡大は凄まじい, こうした中で,東北農業の将来展望をいかに切り拓いていくのか. 1 構造改革問題では, とかく先端的経営の規模拡大の大きさに目を奪われがちであるが,経営内部的な 合理性とともに,大きな状況変化があるとはいえ, 高定住社会,地域資源管理農地分散問題との関連が依 然として重要であり,それらを踏まえてその適切性や妥当性が論じられるべきである. 2集落営農は農業構造の現局面の経営面と社会面との解決形態の一つとして注目され,近年,資源管理 に関わる基礎的領域とその上で行われる農業活動やグループ活動に長足の深化が認められているが,他方で は集落営農組織に一切を任せた集落の人たちが農業に無関心になる傾向があらわになることもあり,将来に 向けてはこうした矛盾をいかに克服していけるかを問うべきである. 3 東北地域の就業機会の狭院化が進む中で, それを超える女性, 高齢者を含む農家世帯のビジネス

(FarmFamilyBusmess)戦略の立て直しがきわめて重要である.地域の生産者たちは地域内外の消費生

活者たちと 「地産地消」, 「身土不二」, 「スロー・フード」, CSA(CommumtySupportedAgriculture)な ど独自な価値や文化を持つ「商品」を作り出し, グローバル市場の隙間に「こだわりのローカル市場」を拓

きつつある. そのruralsustainabilityの持続的な再生には,創り出す側と享受する側の双方をつなぐ情報

通信や交通等手段のあり方,成果を享受する都市生活者等の力量の持続的な再生産のあり方,生産者の職人 技,技術やデザインにおける創造性の発揮、営み'や働きの創造的な再生の仕方等,簡便。的確な情報整理・ 創造が必要である このことは,都市生活のグローバル化に向けた暴走の制御にもつながる可能性がある. 4 こうした取組にもかかわらず,高齢化や採算面などから農業からリタイアする人の発生は避けられな いから,土地利用型農業革新につながる大規模借地営農の胎動を積極的に掘り起こす必要がある.その場合, 1で述べた論点に加え、 ‘‘中型稲作技術"を超す「労働手段体系』, 『作付体系』や「地力再生産・雑草防除体 系』の検討, ならびにその現象が水田作周縁地帯から現れていることと相俟って畜産経営との類型間補完の 成立などの意義を積極的に論じていくべきである キーワード:地域労働市場の脆弱性,厚い中規模農家層,輸入依存の国際化農政,食品小売業の巨大化,農 業者と消費者の提携による農村の持続性向上

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