現 代 制
御
理
論
に よ る車体 屈折式 車両
の自動操 向制御
目
次
第1
章 第H
章 第m
章 第N
章 糸者言.
『.
.
.
.
.卩
.
.
,
,
.
『
.
.
.
,
『
.
.
..
.
.
.
.
.
.
『『
.
.
.
,
.
.
..
.
『
.
.
『呷
.
曾
『
.
.
『
車体 屈折式 車両の操向シス テム.
,
.
.
.
.,
..
.
,
.
.
..
.
.
.
.
,.
.
.
.
.
.
.
第1
節 供 試 車 両とその モ デル 化.
.
.
,,
,
.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
、
第2
節 連 続 時 間 系にお ける車 体 屈 折 式 車 両の数 式モ デ ル.
.
.
第3
節 数 式モ デ ルに よる特 性 解 析と その評 価.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
.
第4
節 摘 要.
.
_ _ .
.
_ .,
.
.
_ .
._ _ ._ _ _ _ .
.
車 体 屈折式 車両の 自動 操向シス テム設計.
.
.
.
..
.
,
.
.
.
..
,
.
.
.
.
.
第1
節離 散 時 間 系にお ける制御
系
の 設計 _ .
_ .
_ _ .
.
.
1 .
制 御 系の連 続 時 間 系から離 散 時 間 系へ の変 換.
b,
.
.
2 .
操向シ ス テム の 自動 制 御 系の構 成理論.
..
.
.
.
.
.
.
3 .
自動 操 向シス テム の 最 適 制 御.
.
..
.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
.
第2
節 最 適 制御モ デ ル の数 値 実 験お よ び考 察,
.
,
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.
..
.
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.
.
.、
第3
節 摘 要.
.
,
.
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.,
.
『
.
.
.
.
.
.
.
.
.
..
.
.
『
.
.
.
■一
.
一
.
一
鹽
一.
.
曾
.
.
..
自動 操 向シス テム の モ デル パ ラメー
タの 推 定_ .
_ _ _ _ .
第1
節 第2
節 第3
節 第4
節 第5
節 車体 屈 折 式車
両の モ デル パ ラメー
タ.
.
..
.
.
..
..
.
.
.
.
.
..
逐 次 最小.
一
乗 法による推 定アル ゴリ ズム.
,
..
、.
.
.
.
.
..
.
モ デ ルパ ラ メー
タ の推 定 実 験.
。
.
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.
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.
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..
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..
..
.
.
.
.
..
.
1 .車
両の 走 行 実 験 方 法.
..
.
.
.
.
.
.
.
.,
.
,
.,
..
.
.
.
.
..
.
2 .
実 験 結 果お よ び考 察.
..
。
.
.
.
.
.
.
..
.
.
..
..
.
.
.
,
.,
.
3 .
モ デ ルパ ラ メー
タ の推 定 結 果.
.
.
.
..
.
.
..
..
.
.
.
.
.,
.
考 察,
▼
呷
.
.
.,
,
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.
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.
,
.
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.
.
..
.
.
.
.
.
.
.
『『
.
,
..
.謄
.
,
.
.
.,
.
摘 要.
.
.
一
.
一.
,
.
■
.
一
.
.
▼
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
.
.
凾,
.
,
..
..
.
.
.
.
.,
.
第V
章 自動 操 向シ ステム にお けるオ ブ ザー
バ の設 計..
.
.
..
..
.
,
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.
.,
.
第1
節 オ ブ ザー
バの 設計.
、
.
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..
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.
.,
..
.
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..
.
.
.
.
.
.
..
.
1 .
オ ブ ザー
バ の構 成 理 論.
.
.
.
.
.
..
..
.
.
..
.
.
.
.
.
.,
.
.
2 .
カル マ ン フィ ル タ による オ ブ ザー
バ の 定 式 化.
.
.
第
2
節オ ブザ
ー
バ の検 証 実 験.
.
.
.
.
.
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.
.
..
.
.
.
.
..
.
。
.
.
..
.
.
.
.
1 .
数 値 実 験に よ るオ ブザー
バ の 検 証..
.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
2 .
走 行 実 験によ る オ ブ ザー
バ の 検 証.
.
.
.
.
..
.
.
,
.
.
.
第3
節 結 果お よび考 察.
..
.
.
.
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..
.
.
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..
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.
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.
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.
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.
第4
節 摘要呷
_ _ ,
.
.
.
.,_ ._ .._ _ _ _ _ ._ .P
第VI
章 総 括..
.
.
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.
.
.,
.
_ .
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,
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.
.
.一
.
.
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.
.
.
..
.
.
幽
.
.
.
.
..
.
.
.
.,
.
.
,
.
.
.,
謝 辞.
.
.
..
.
.
.,
.
,
.
.
..
.
.
.
.
.
.
.
.
斷
.
.
.
.,
,
.
.
.
.
.
.
層『
.
呷
『
.
.
呷
呷.
.
¶
.
P呷P呷
.
.
.
.
..
S
ary.
.
.
.
..
一
.
▼
鹽
..
.
一.
.
.
_ _ _ _ _ _
.
_ _
_ _ _
参 考 文 献.
.
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..
.
.
.
..
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.
一
一
『
.
.
.
.
..
.
.
.
.
.
.
.
..
.
.
.
.
『
.一
.
邑
.
.
.
.
..
.
,
.
.
..
齟
付
録1
付録H
付 録IH
付 録N
付 録V
付 録w
付 録lu
付録棚1333789990248991225577888900124567925791791
1111112222222222233333333344445556
G
第
1
章
緒
言
近 年 農 業分 野に おい て
,
農 業 労 働 力の 高 年 齢 化や農業
労 働 力不足が一
層 進ん でお り,
労働 時間の 短 縮に加え,
農 作 業 強度の軽 減 等 農 業 労 働の 質の 改 善 も強 く要 請さ れてい るt }.
労 働 時 間の 短 縮 化が進ん でい る水 稲 作につ い て現在 広 く普 及し て い る中型機械化 体 系に おい て は,
ほ 場 内 歩 行 作 業を伴 う場 合 は作 業 強 度が大 き く, 乗用 型におい て も苗,
肥 料 等の取 り扱い 方法の 改 善を含めて大 型 機 械 化 体系
へ の 移 行が課 題と なっ てい る.
ま た,
野 菜 作で は, 同 じ姿 勢で長 時 間 行う
選 別・
調 整 作 業 等の労
働負
担 の 大 きな作 業や 作 業強度の 大 きい 収 穫 作 業が,
労 働 時 間の 大き な ウェ イ ト を占め てお り,
機 械によ る省
力 化に加え作 業 強 度の 軽 減 と農 業 労 働の質の改善・
快 適 化 を図る こ と が重 要な課 題と なっ てい る2・.
さ らに,
すで に機 械 化が進 行して い る技術分野につ い ては わ が国農業の 近代 化を目指す農林 行 政の 指 針 として,
高 性 能農業 機 械の計画 的 な 試験研究,
実 用 化 を促 進す るこ とを目的と して 「農 業 機 械 化 促 進 法 」が平 成 5 年 6 月に改 定され,
政策 的な 面 か ら も 農作 業の自動 化,
ロ ボ ッ ト化の 開 発・
実用化が強 化さ れ るこ と となっ だ b.
農 作業
の省
力 化に対 して農 業 機 械の 高 性 能 化と自 動化 は,
現在の農 業におけ る諸問 題 を解 決 する基 本的 な課 題と考 え られる.
農 業 機 械の自動化に 関する研 究の中で
,
自脱コ ン バ イン につ い ては.
刈 り取り 部や脱 穀 部の位 置・
負
荷制 御 を含め たシ ス テ ム全 体に か か わる 自 動 制御の 研 究4’
2°1が行わ れてお り,
す で にこれ らの制 御 装 置が実 装されい る.
そ れ に 対 して トラ ク タ や 田植 機等
の 凹輪の 農用車 両につ い ては,
ロー
タリ・
プ ラ ウ耕 うん時の作業 性に 関する制 御11’
ls ”it
)セ ン シ ン グ技 術を対 象と した各
種の 誘 導 方 法によ る 自 動 操向 制御に関する研究2°−
4S ・が ある.
こ れ らの 自動操 向 制 御に関 する研 究は,
主 と して 車 両 位 置 検 出の セ ン シン グ の研 究が中心 で あ り,
四輪 車 両,
と り わ け 農 用車
両 に おい ては,
自動 操 向シ ス テ ムの 構 築や そ の特 性解 析 にまで言 及 して い る研究 例49 門 ま少な く,
さ らに,
操 向 系における操 縦 性や安
定性 に 関す る問 題は 未 解決の ままになっ てい る.
トラ クタや 田植 機 等の 四輪型の農 用車両の 自動 操 向 制 御を現 実 に適 用 叮 能な技 術に す るに は,
車 両の位 置 検出に関する セン シン グ技術の 研究と車 両の 運 動 特 性を基 礎に した,
制 御 理 論に関す る 研究の , 基 本 的な2
つ の 問 題 が含 まれ る.
四輪型の 農 用
車
両 に おける操 舵 方 式と して考え ら れるもの に,前
輪,
後 輪 操 舵, 四輪 操 舵,
そ して 車 体 屈 折 式 操 舵な ど が あ る,
車 体 屈 折 式 車 両の 線形化され た運 動 方 程 式は,
他の 操 舵 系を有 する車 両 の 運動 方程式と基 本 系は 共 通 と な り,
操 舵 方 式の 違い は,
運 動方 程 式の操 舵 角に関 する項にの み 現れ る.
車 体 屈折式 車 両の特 徴は,
四 輪操舵 方式で あ り, 前 輪,
後 輪 操 舵の 車両と比較 し て旋 回 半 径が 小 さ く, 機 械 的な構造 ピ ア ッ カー
マ ン リン ク機
構 を用い て タイヤを操 作す る 前輪,
後 輪 操 舵お よ び四輪 操舵を有 する車 両と異 な り,
車 体の 前部と後 部をセ ン ター
ピンで結 合して車 体を屈折 し て操 舵を行 う簡単
な機 械 的 構 造を有 し,
今後, 大 型 化 する農 用 機 械に おい て はす ぐれ た操舵 方式 と考 えら れ る.
自動 操 向シス テ ム を構 築す る ための 制 御 理 論と して は
一
般 的 に, 1
入力 1 出 力の 制 御 対 象に 対 し, その 入出力関 係 に着目 し て設 計を行う 伝 達 関数 法が ある.
ま た,
人 出 力 だけで な く制 御 対 象の すべ て の 状 態を表 す 状 態変 数 に着 目し て 制御系
の 設計 を 行 う現 代 制 御理論が あ る.
現代 制 御 理 論は,
伝 達 関 数 法に較べ て 多 変数 制御 系が扱える,
初期状 態 を考
慮 して制 御 系の問 題を論 じ ら れ る, 最 適 制 御 問 題を 時 間領 域で取 り扱え る等
の 利点があ り,
かつ,
デ ィジ タル 計算
機の 発 達に よ り数 値計算
が容 易に行え る今日に お い て はす こ ぶ る 有効な制 御 理 論 と さ れて い る.
そこ で本 研 究では
,
大 型 化 する農 用 車両 の操 舵 方 式と してす ぐれ た方 式で ある車体 屈 折式 車 両を対 象 とし, 他の操 舵 方 式に も 適 用 可能な 臼律 操 向 シ ス テム を実現する上で,
その基礎的 な 技 術の一
つ で あ ると考 えら れ る自動 操 向制御に関 して現 代 制 御理論を 用い,
理論 的な解 析を通じて 考 察を行っ た.
以 上の ような 日的を達成 す る ため本研究は, 以 下の よ うに構成 され てい る
,
まず
,
第U
章で は, 自動 操 向シス テ ム に現 代 制 御 理 論を導入 す る た め,
連 続 時 間 系の車 体 屈折式 車 両の 数 式モ デル を誘導
し,
車 両の状 態 方 程 式を 求め, 特 性 解 析 を行い安 定 性を検 討した,
第皿章では,
状 態空間法に基づ く現 代制 御 理論の 操 向 制御へ の 適用を 試み,
数 値 実 験を行い 制御系
の 応 答 性お よび 安 定性につ い て 検 討 し た.
2
第
N
章で は, 車 体 屈 折 式 車両の 操 舵 系の 制御則 を 決定
す るの に必要な車 両の モ デ ル パ ラ メー
タを推 定 するた め,
操 舵 系の 推 定 すべ きパ ラメー
タを 誘導
し,
操 向 実 験 で得ら れ た 入 出力デー
タを 用い てパ ラメー
タの 推定 を 行っ た.
第
V
章で は,
車 体 屈 折 式 車 両の操 舵 系につ い て,
その制 御 系の 状 態 変 数 を推 定す る た め,
実機の 入 出力デー
タを用い て状 態 変 数の推 定を行い,
数 値 実 験 を通 じて 設計し た 同.
次 元 オ ブ ザー
バ の 有 効 性 を検証 した.
以 上
,
本 研 究は,
車 体 屈 折 式 車両の 自動 操 向シス テム に状 態 空 間 法に基づ く現代制御理論を導入 し て,
その 実現 を 目 指 し た もの で あ る.
車 体 屈折式 車 両の操 舵 系の可 制 御 性・
m∫en
測 性の証 明,
制 御 則 の確立,
さ らに シス テム の安 定 性・
応 答 性 などにつ い て検討 し た.
また,
モ デル パ ラメー
タの決 定に おい ては実 機の 操 向 実 験で得られ た 人出 力デー
タを基にモ デル パ ラ メー
タ を 決定する実用 的 な方 法を 新た に試み た.
さ ら に, 現 代 制御理 論 を 用 い て設計さ れ た車 体 屈 折 式 車両の操 向 制 御を実 現 する ヒ で 状 態 量の観測 が 困 難 な 場合が多
い実
際面で の現 代 制 御理論の適用の 問 題点を考
慮 して , オ ブザー
バ の導
入によ る 問題 解 決 策を示し,
農 用 車 両の操 向 制 御へ の現 代 制 御理論の適用の μ∫能 性につ い て,
車体 屈 折 式 操 向 機 構を有 する田植 機を例に実用性を 目的と した基礎研究 を 行 っ た.
3
第
ll
章
車
体 屈
折
式
車
両
の
操 向
シ
ス テ ム
車
両の操 舵 方 式の一
つ と して一
般 性 を 失 わ ない車
体屈 折式車
両 につ い て,
自 律 操 向シス テ ム を実 現 す る 上で基 礎 的な技 術の一
つ で ある と考え ら れ る自動 操 向シ ス テム に関して,
現代制 御 理 論の 適用の 可 能 性を検 討す る た め,
連続時 間系の 数 式モ デ ルを誘 導 し, その操 舵 系に対 する特 性 解 析を行っ た.
本 章で は , まず 現 代制御理論に基づ い て制御 系 を構 成 するに は車 体 屈 折 式 車 両の 数 式モ デ ルが必 要 で あ り
,
連 続 時間系の車 体 屈 折 式 車 両の 曲線 走 行に関 する 運動 方 程 式を誘導
し た.
次 に, 運 動 方程 式 を状 態 方程 式お よ び観 測 方程 式に変 換し,
シス テム 行 列,
制御ベ ク トル,
観 測行列 を 決定し,
車 体屈 折 式 車 両の操 舵系
に 関 し て特 性 解 析 を行っ た.
さら に,
可 制 御 行 列,
可 観 測 行 列を求め操 向 系の可制 御 性お よび可 観 測 性を明ら かに し た.
第
1
節
供 試 車 両 と そ
の モデ
ル化
制 御 対 象で あ る供 試 車両 は,
車
体屈 折式 車両の 出植 機である.
そ の諸 元を表2−
1に示す.
田植機本
来 の仕 様では,
車体 の前部 に植 え付け部 を取 り付 け,
後 部にエ ンジンをマ ウ ン トする こ とに よ り車 両の 重 心は,
車 両が直 進 状 態で座 席の直下にあ るセ ン ター
ピン の 位 置に あ る が, 本研究で は植 え 付 け 部を 除き車両本体の み を供試 する た め, 車 両の重 心 はセ ン ター
ピン か ら後
部 に向けて30cm
の位置 にある.
車 体 屈折式の
車
両は,
車両の 前 部と後 部が セ ン ター
ピン で接 続さ れ,
前 部と後 部を屈 折さ せ ること に よ っ て操 舵を行 う.
し た が っ て,
操 舵 部分の 機械 的 な構
造 に関 し て リ ン ク機 構を 用い て タイヤ を操 作 する前 輪, 後 輪 操 舵お よ び四輪 操舵の車両 に比較して構造 が簡単
で あ り,
旋回半 径が小さくなる特 徴が あ る.
車両は, 操 舵によっ て横 方 向の 運動を伴い な が ら自 由に進 路を変 更し て地 表な どの 平 面上 を走 行す る
.
例え ば,
車 両が直 進 して い る場 合,
目標 と す るコー
ス に 対 し ての 変 更が 生 じ た とき,
目標に対 す るずれ は 適 切 な 操 舵 を行なわ ない と そのずれ は増 大 する.
こ の意 味におい て車 両 自体の 運動は,
自律
的で はな く不 安 定である.
逆に,
不安 定で あるが ゆ えに適 切 な 操 舵によっ て,
平 面 内を自 由に運動す る ことが で きる.
表 2−
1 供試車両の諸 元 名 称 仕 様 全 長 全 幅 全 高 軸 距 前 輪 輪距 後 輪 輪距 重 量 駆 動輪 数 操向方式 車 輪形式 ブレー
キ 形式 エ ンジン形 式 出力/回転速 度 2900 ( )2300
( ) 1900 (mm ) 1060 ( )1220
( ) 620 (mm ) 430 (kg)4
輪 駆 動 車 体 屈 折 式 ゴム車 輪 左 右 独立機 械 式 (前 輪 ) 空冷4サイ クル ガソ リンエ ン ジン 4.
511500〜
5.
511800 (PSfrpm )第
2
節 連続 時 間 系
に お け る車
体 屈 折 式 車 両
の数 式
モデ
ル車 体屈 折式 車両 の数 式モ デ ル を誘 導す るにあ たっ て次の こ とを 仮定す る
.
まず, 車両 を剛 体とみな し,
車両の 運 動を2 次元平 面 内の 剛 体の運 動と して,
車 両の進行方 向 に 対 し て垂 直な方 向の並 進 運4
図2−
1 車 体屈折式車 両のモ デ ル 動 (車 両の横 方向の 運 動)
,重 心 軸回 りの回転 運 動 (ヨ
ー
イ ン グ運 動 ),
の2つ の 運 動の み を対 象と する.
次 に,車
両の セ ン ター
ピン が車両の 重 心 点 Pを表 す もの とする.
図 2−
1で示さ れるように,
車 両 の進 行 方 向が左か ら右 方 向であ る と す る と, 車両の 前 部 と後
部の な す角を 操 舵角δ, 車両の 重 心 点か ら 前後の 駆 動軸の 中心まで の距 離を そ れ ぞ れe
,,
e,
,
前後 各
駆動 軸 の 中心 を結ん だ直
線とセ ン ター
ピン か ら前 後 各駆動 軸の 中 心を結んだ直 線との なす 角を そ れ ぞ れδ ,,
δ, と す る と,
操舵角6
と 前後各
駆動軸の 中 心の距 離 は そ れ ぞ れ,
δ=
δf 十 δr (2−1
)e − ef
C・S6f
+4
。 COS δ・ (2−
2) とな り,
操舵角
δが161
《1とする と (2−
2)式よ り 車両の ホ イー
ルベー
ス は ほ ぼ一
定であ ると仮 定で きる.
し た がっ て,
車両 が屈折 す るこ とな く前 後の駆 動 軸が駆 動 軸の中心で回転して操 舵 を行 うこと と等 価 な問 題 と して考えるこ と がで き る.
図2−
2で示 さ れるように直 線 路の方 向をX
軸,
そ れに垂 直な方 向をy
軸 と す る 地表面 上に固 定 したX −
y
座標系
を考
へ,X
軸と車両の な す 角 をヨー
角0,
車 両 重 心 点の速 度 方 向がX
軸とな す 角を進 路 角 7,
車 両 重 心 点の 横 すべ り角をβ
とす ると0 =7
+β
が 成 り立つ.車
両重心点 Pの X 軸か らの 横 変 位をyとする.
直 線 路 を一
定の速 度で走 行してい る車 両が,
道 路の外に そ れ ない 範 囲 内の運動を考 える場 合はM
《1,
Iel
《1
が 成 立 す る 運 動 と み なすこ とがで きる.
こ の よ うな横 変 位 y を伴っ て運 動 する車 両の 平 衡 条 件は , 図2−2
に示す ようにコー
ナ リン グフ ォー
スC .
,C
と遠 心 力によっ て成り立っ てい る.
この よ うな仮 定が ノ r 成 り立 ち, 操 舵 角6
を1
δ1
《1
とすれ ば,
前 後一
車 輪に働 くコー
ナ リングフォー
スCi ,C ,
の方 向は ほ ぼ}軸
方 向に一
致 する とみなして よい.
よっ て,
左 右の車 輪は前 後の車 軸の中心 位 置に 二 輪が集 中してい る と考 える こ と がで きる.
し た がっ て,
重 心 点 Pのγ方向の運 動お よ びヨー
イング運 動 は,
m裳
一2
σf +20
, (2−
3)磯
一 2e ∫Cf −
2e.c
, (2−
4) と表 現さ れ,
(2−3
),
(2−4
)式が線 形 化さ れ た 運動 方程 式の基本 系を表
わ してい る.
hl
が 十 分 に小 さ け れ ば, 車 両はその重 心 点P
でX
方 向にVcos・
t≒V,
y
方 向に 吻1d
オ≒i
・Tsin
・
t≒V・
rの速 度 成 分を もっ て並進 運動
を行う
と考
えら れる.
また,lel
が十 分に小さ けれ ば, 前 後車
輪は それぞれ車両の 回転 運 動に よ り,y
方向に さ らにE
,(d
θ1dt
),
e,
(de
!dt
) の 速 度 成分 が付 加さ れ,
図2−2
に示すように前 後 車 輪中心 点の 速度 方 向がX
軸 と なす 角tri
.
7rは,
車 両の 運動を剛 体の 運動 と み な してい る こ と か ら前 後 車輪 中 心点
の速 度 の大きさ は重心点で の速 度に等 しく,
次 式で表
さ れる.
5
y
x
図2−
2車 体屈 折式 車両の 単純 化モ デ ル
ryf
−v
・ +守
(
d
θ/
dt
)
一譏
+皇
髪
(2
−
5’_
v
ツー e
,・
(
d
θ/
dt) _
⊥塑
_
生
塑
(2
−
6)り
yr
−
v
−
v
(
lt
v
dt
前 後 車輪の 向い て い る方向とX 軸の なす 角θ ∫,
e,
は,
θ∫=
θ+δ 厂,
θ尸 θ一
δ,
で あ る か ら , 前 後 車 輪の 横す べ り角 β∫,β,
は 次式で表され る.
,
Bf
一
θf− ・
・f
=
=
e
+ δ厂藩
一
纏
(2
−
7),
Br 一
θ_ ツ。一
θ一
δ r−一
表
豊
+告砦
(2
−
8) し た がっ て, 前 後 車 輪に働くコー
ナ リン グ フ ォー
スC
,,C .
は次 式で表さ れ る.
・,
−
k
・f6f−
kf
(
θ + δプー
諜
一
睾
誓
)
,2
−
・)・
。一
脇一
・(
・−
6
・・一
罅
・鋤
,
2−1
。, (2−9
),
(2−
10)式を車両の 運 動方程 式(2−3
),
(2−4
)式に代入 し て整理 す ると磯
+ 2弊
桐審
・ 2晒ぴ
κ謝窪
一
・(
た・ 縞)
θ=
2(
kfb
’
f一
んT δ
厂
・
) (2−
ll)
6
2(晒
許
勾窪
・瑠
+ 2螺井
嫁)髪
一
2 (
kf4f
−
k7・
6T)
θ=
2(
た∫E
’ fb’
f+
kr4
δr)
(2−12
) 2階の 連立常 微分 方 程式
で表
現され る‘s).
こ こ で’
rn は車 両の 質 量,
lz
は車両の 重 心 軸回 りの 慣性モー・
メ ン ト,kf,
k.
は前 後車
輪 タ イ ヤの コー
ナ リン クパ ワー
である.
(2−
ll).
(2−
12)式に おい て,6,
=
:
O
と す れ ば前 輪 操 舵系を,
δ=0
と す れ ば後 輪 操 舵 系の モ デ ル を表現 して い る、
rこ こで, (2
−
12),
(2−
13)式に おい て, y,=y,
0,=0
を 新 たに定 義し状 態 変 数をm と すれば,
m ’
一
{
〃1θ1
91
θ1
}
(
2−13
) と な り,
操 舵 角δを制 御入力u とすると,
へ画 は次 式で表さ れ る.
δノ
ー
δ庁3
δ 一圭
・(
2−14
) (2−
ll),
(2−
12)式で表さ れ た2 階の 連立常 微 分 方 程 式を,
状態変 数 頗2−
i3)式,
制 御人ノJu
(2−
14)式を 用い 行 列で表 示 する と,
次の 状 態方 程式が 得 ら れ るE ‘・.
血 = ノi
邵 十.blt
rA
=
=
(
A21
A2
/ 一{
l
A
・2−
{
一
゜誰
、}
聯
篇
}
戞 2(A;f 十 A幽
。
} T’
rt 2 〔k厂E丿一
k广
c厂
) ムv1
;
:
箒
辱司
(2−
15) (2−
16)・ 一
{
,9
,}
(2−
17)b
・一
{
薹
}
.
一
方,
この 車体屈折式 車 両 系に対す る観 測 方 程 式は(2−13
)式よ り次式で表す こと がで きる.
!ノ = c2 〕 (2−
18) こ こ で観測ベ ク トル cはc
=
{
1000}
(
2−19
) と表され る.
x は4
次の ベ ク トル,
u はス カ ラ,
Yは ス カラ で あ り,
それぞれ シ ス テム の 状 態 , 入力, 出力7
表2−
2 車 体 屈 折 式 車 両の パ ラメー
タ m今
窃 ム侍
栂y
(
kg)
(
m)
(
m)
(kgf・
m・
sec9) (
kg
/deg
)(
kg/
deg ) (m !sec)4300
.
530.
535002502500
.
35 を表す.
また,A
は4×4
の行 列,b
は4 次の縦ベ ク トル, cは4
次の 横ベ ク トル で あ り, そ れ ぞ れ シス テム 行列,
制御ベ ク トル,
観測ベ ク トル である.
A
’
fは行 列A
の 転置行 列,1,
は2x2 の単位 行 列,
0は2×2の 零 行 列を表わす.
第
3
節 数 式
モデ
ル によ
る特 性 解
析
と そ
の評価
まず
,
車 体 屈 折 式 車 両 系の安 定 性につ い て検 討 する.一
般に(2−
15),
(2−
18)式で記 述され る制 御 系の 安 定問題は, 制 御入力お よび状 態 変 数の初 期 値に対 する 自 由 応 答の 安 定問 題 に 帰 着 さ れ る.
操舵系の 自 由 応 答に対 する漸近安 定の 必要t
’
分 条 件は,
シ ス テム 行 列の 固有 値の 実部が すべ て負
になるこ とで あ り,
固 有 値の実 部が0
でジ ョ ル ダン形 式の重複 固 有 値や実 部が 正になる固有 値が存 在 する とき系は不 安 定になるく
65η.
さ て , 表 2−
2に西村ら「
1〕が供 試 車 両と 同 じ車 両につ い て求め たモ デ ルパ ラ メー
タを 示 す.
こ れ らの パ ラメー
タを (2−
16),
(2−
17)式に代 入して シ ス テ ム行 列A ,
制 御ベ ク ト ルb
を得る.
・一
{
鰹
一
卿
・∴
}
(2−
20) ・一
{
0
0052
,
0
}
( 2−
21> (2−20
),
(2−21
)式
の パ ラメー
タ値
を もつ車
体屈 折式車
両系
の 固有値
は,
λ1 = λ2 = 0 λ3=
− 6.
8
×
10
2
λ4
=
− 1.
55
×
102
(2−
22) であ り,
λi=λ 、 =0
の ように ジョ ル ダン形 式の重 複 固 有 値が存 在 する こ と か ら,
第1
節で述べ た と お り車 両は 自律 的でな く不安 定 な 系である こ とが確か め ら れた.
次に
,
制 御 シス テ ム につ い て,
制 御入力雄 )に よ り ある初 期 状 態か ら希 望の 状 態へ 移 行 する とき,
こ の ようなu(t)の 存 在を 保 証 す る 可 制御性 お よ び,
シス テム の状態 量が直接 測 定で き な くて も 出力の 測 定デー
タか ら すべ て の状 態 量 を 把握で きるこ と を 保証す る可観 測 性につ い て検 討す る.
可制 御 性の定 義は, 制 御 系の
一
般 式として表 現 され る シ ス テ ム(2−
15),
(2−
18)式に おい て, シ ス テ ム行 列 A はn ×n の行 列,
制 御 行 列 B はrl×m の 行 列, 観 測 行 列 C はeXn
の 行 列である とする と,
任 意の 初 期 状態x (O
)=
x 。を,
あ る有限時 刻 tL の 間に,
原 点x (ち)=0
に移 す制 御入力u (t)(O
≦tSt ,)が存 在す る と き シ ス テ ム は 可制 御である.
シス テ ム が 可制 御である た めの必 要 卜分 条 件は,
可 制 御 行 列をE ,
lftとする と,
8
EAc
]= {BAB
…
A
’.
1B}
(2−
23) と表さ れ,
rankE .
,(,
=
n で ある.
こ の と き可 制 御 行 列E
。 、、
はn ×nm 行 列となる.
また , 制 御 行 列がベ ク トル の と き 可 制 御 行 列はn ×nの行 列とな り,
必 要 十 分 条 件はdet
(E .
、。)≠0
と等 価と な る ss).
可観 測 性の定 義は
,
制 御 系の一
般 式として表
現 され る シ ス テ ム(2−
15),(2−
18)式におい て,
シス テム 行 列A
はn ×nの 行 列,
制 御 行 列B
はn ×m の行 列,
観 測 行 列(フはexn
の 行 列 で あ るとする と, ある有 限 時 間 tlまで のy
(のとu(t)の 測 定か らx (0)が唯一
決ま る と き,
シス テムは 可観測である.
シ ステム が可観 測で あるた めの必 要十分 条 件は,
可観測行 列 を E.
,
a 。とするとE
・・一
{
劇
(2−
24) と表され,
rank E,
t θ = n であ る.
この とき可観測行 列E .
,θはenxn
行 列 となる.
ま た,
観 測 行 列がベ ク ト ル の とき可観
測行 列はn ×n の行 列と な り,
必要十 分条
件はdet
(E、
w )≠0
と等 価と なる 5Sl.
本 操 舵
系
シス テム に お け る制 御 行 列お よび観 測 行 列は,
それ ぞ れベ ク トル である た め行 列 式を 用い て可制 御 性お よび 可観測 性 を 判定 し た.
操 舵 系の 可制 御 行 列 E 。。お よ び可 観 測 行 列 E.
,。の行 列 式は (2−
20
),
(2−21
),
(2−23
),(2−
24)式よ りそれ ぞ れde
オ(E
“,
)=−4.
27
×10
’,
det
(E
、。)=5.
41 と な り,車
体屈 折式車
両の 操 舵系
は 可制 御かつ 可観 測で ある こ と が確 認 さ れ た.
その結 果,
本 操舵系
に おい て 現代 制 御理論 を用い て制 御 系を構 成す るこ とが 可 能 とな っ た.
また, 状 態 量がすべ て計 測で き ない 場合 につ い ては オ ブ ザー
バ を 構 成 する こ と が可 能と なっ た.
可 制御 行 列お よび 叮観 測 行 列の行 列 式を求め るプロ グ ラム を付 録1
に記した.
第
4
節 摘要
自動 操 向シス テ ム に現 代 制 御理論を
導
入 す るこを 目 的 と し て,
連 続 時間系の車 体 屈 折 式 車 両の数 式 モ デ ル を誘導
し,車
両の 状 態 方 程 式 を 求め, 特 性 解 析を行っ た結 果は,
以下の ように まと めら れ る.
1
) 車 体 屈 折 式 車 両の数 式モ デ ル を構
築す る ため,
横 変 位 を伴っ て運 動 する車 両の平 衡 条 件から, 車両重 心 点の
Y
方 向の並 進 運 動お よ びヨー
イン グ 運動に対す る車体屈折式 車両の 運 動方 程 式 を 誘
導
した.
2
)2
階の連立常 微 分 方程 式で記 述 され た運 動 方 程 式か ら, 状 態 変 数を導 入 し連 続 時 間 系の 状態 方 程 式お よび観 測 方 程 式を
導
い た.
3
) 操 舵 系シ ス テ ム行 列の固有 値を求め,
ジョ ル ダン形式の 重複固有 値の 存 在を 明 らか にすること で
操
舵系の 不安 定 性 を証 明 した.
4 )
操 舵系
の可 制御行 列 お よび 可観 測 行 列の 行 列 式を求め,
その 系が可 制 御かつ 可 観 測であるこ と を明ら かに し たこ とで
,
車 体 屈折式車
両 に 関 す る自動操 向シ ス テム の制 御 系に 関 して, 現代 制 御理論の適 用の 可能 性を 立証し た
.
9
第
lll
章
車体
屈
折
式 車 両
の
自動
操 向
シ
ス テ ム
設 計
前 章では
,
現 代 制 御理論に基づい て制 御 系を構成 す る に は車
体 屈 折 式 車 両の 数 式モ デル が 必要であ り, 連 続 時 間 系の車
体 屈 折 式 車 両の 曲 線 走行に関する運動方 程式 を誘 導 した.
次に,
運動方程 式 を状 態方程 式お よび観測方 程 式に変 換し,
シス テム行 列, 制 御 ベ ク トル , 観測行 列 を 決 定 し,
車 体 屈折式
車 両の操 舵 系に関して特 性 解析 を行い , 操 舵 系が不安定
性で ある こと を 明 ら か に し た.
さらに,
連 続 時 間 系の シ ス テ ム行 列, 制御 ベ ク トル,
観 測ベ ク トル か ら 可制 御 行 列お よ び 可観測行 列の 行 列 式を求 め,
その 系が 可制 御かつ 可 観 測で あ るこ とを 明らか にし た こと で,
自動 操 向シ ステ ム に対 して 現 代制 御理論 を用い て制 御 系を構
成で きる こと を 立証した,
そこ で 本 章で は, 不安 定な
車
体屈折 式 車 両の操舵系
に 対 して安 定 な 制 御 系を構成 す る た め の制 御 則 を導 くた め,
状態 空 間 法に基づ く現 代制御理論を操 向 制 御に適 用 した.
まず 連 続時 間系の 車 体 屈 折 式車
両の 状 態 方 程 式を離 散時 間系に変 換し,
その 車 両の 特 性 解 析を 離散 時 間 系につ い て も行っ た.
農 作業
における農 用 車 両の走行 経 路は直 線 走 行が 主 であり,
直 線 走 行 時に車 両が受
け る外 乱に対 する操 舵 系の安 定性 が自動 操 向 制 御につ い て重要 な問 題と な る ため,
こ こ で は定 値 目標入力に追 従可能 な 制 御 系につ い て外 乱を考慮 し た制 御 則を 求め,
数 値 実 験を通じて系の応 答 性お よび安 定 性 につ い て検討 し た.
第
1
節
離 散 時 間
系
に お け る制 御 系
の設 計
1 .
制 御 系の連 続 時 間系
か ら離 散 時 間 系へ の変 換前 章の(
2−15
),(2−
18)式で記述 され た連 続 時 間 系の車
体屈折 式 車 両 の 状 態 方 程式
お よび観 測 方 程 式を,
サ ン プ リン グ時間丁でサ ン プル し た離散
系へ 変 換 する.
外乱 を考
慮し た離 散 時 間 系の状態方程 式およ び観 測 方 程 式は,
袒0,
L2
,
…
とすれ ば 記債
十1)=
Px
(
k
)
十qu (
k)
十 v(
k
)
(3−
1)y
(
k)=
cx(
k
)
(3−
2) と表 現さ れ る.
こ こ でv(k
)は操 舵 系の 入力が受ける外 乱で ある.
y (k
)が連 続 時 間 系の 出 力 式y
(t)の 時 点t=
Tk に お ける サ ン プル 値 なら ばy(k・
)はy
(kT
)である こ と を示 し,
x (k
+1
)=
x(hT
+T) , u(ic
)=u (kT
),
y(k
);y
(kD ,
v(k
)=v(k’
1
)は,
そ れ ぞれ サ ン プ リン グ 時 点での 状 態, 入力,
出 力 およ び外 乱である.
状 態 変 数ω (k
)の 要 素は, 連 続 時 間系
と 同様にy
方 向の変 位,
ヨー
角,
y 方 向の速 度,
ヨー
角速度
である.
ま た, 離 散 時 間系
の シ ス テ ム行 列P ,
制御ベ ク トルqは行 列 指 数 関数♂ 厂を用い て以 下 の ように変 換 され る.
観 測ベ ク トルcは,
(2−
19)式と同じであ る.
P =
eAT (3−
3)q =
礁
A『d
‘b
(3−4
) eAT ≒ ∬ ・・AT
+毒
(
AT
)
2 ・ …瑞
(
AT
)
N +…
(3−5
) こ こ で行 列指
数関数♂Tは 以下の よ う に 展 開 され るs“}.
1
は4x4
の単
位 行 列である。
サ ン プ リン グ 時 間Tを0
.
1秒と し た ときの シス テム行 列P
お よ び行 列ベ ク トルqは,
以』
ドの 式 で表
さ れ10
る.
シ ス テム 行 列お よ び制 御ベ ク トル を連 続時間 系か ら離 散 時間系に変換 する プ ロ グラム を付 録H
に 記し た.
P
−
{
1
胃
馴
一
2 ・一
催識
1
≡
i}
9.
966
×10
2
2
3000
0
0
灘
潮
(3−
6)離 散 時 間系シ ス テ ム につ い て も 連続 時 間系シ ステ ム と同様 に, 操 舵 系の 可 制
御
性 お よ び可 観 測 性に つ い て考察
し た.
離散
時間系
シス テム の可 制 御 行 列 E.お よび 可観測行 列E
,v は,
離 散 時間系の シス テ ム 行 列,
制御ベ ク トル お よ び観 測ベ ク トル を用い て (2−23
),
(2−24
)式と同 様に表され,
そ れ ぞ れの 行列 式 はdet
( K’
)=−
6.
33×10.
s,
det(E ,,、)=−
1,
29×IO.
ゆで あ り,
離 散 時間系の自動操 向シス テ ム は可制 御かつ 可 観 測とみ なすこ と がで きる.
こ の結果 よ り,
離 散時間 系の自動 操 向シ ス テ ム に対して現 代 制御理論を用 い て制 御 系を構 成で きる こ と が 明 ら かとなっ た.
2 .
操 向シス テ ム の 自動 制 御 系の構 成 理 論直
線
走 行 時に車 両が受 ける外 乱に対 する操舵系
の安
定 性が 自動 操 向 制 御 におい て 重要な問 題となる ため,
車両 が外乱 を受
けつ つ かつ 直 進 状 態か ら定 値 目標(
ス テ ッ プ関数〉
に追 従で きる こ とを 制御 目 的 とし,
安 定な制 御 系を実 現 する制 御 則 を 求め る.
外乱 に は,
ラ ン ダム な もとの定 値 外乱 の2
つ が考 え ら れ る が,
ラ ンダム な外 乱につ い ての 制御則 を導
くため に は確 率 論的 な定 式 化が必 要で あ り,
こ こ で は定 値 外乱の み を扱う.
例 え ば,
定 値 外 乱と して車両の 斜傾 地 走行 時に受 ける重 力がある.
制 御対
象
は,
(3−6
)式のパ ラメー
タ値をもつ (3−
1),
(3−2
)式で記 述さ れる4 次元 1入力1
出 力系
で あ る.
ま ず,
外 乱 が存 在 し ない 状態,
つ ま り(3−
1)式におい てv(k
)=Oと し た,
定 常 状 態で の 出力をy
,(k
)と する と (3−2
)式か らYl (
k
)=
cx(
k
)
(3−7
) と表さ れ る,
外乱 が存在
し ない 状態における定 常 状 態での 出 力Y1
(k
)を 任意の定 値 目標 値 rに一
致させ ること が 可能か どうか を検 討 する.
その定 常 状 態で の 出力
Y,(k
)を任 意の定 値目標 値 Tに一
致 してい る と して・
そ の と きの状 態 変 数Xs (k)S3
よ びkl
」御人加 、(k
)が存 在 すると 仮定す る と・
x ,( ・)およびu 、(k
)は Cs(
k
)=
PXs
(
k
)
+qUs
(
k
>
(3−8
) r=
q 殊(
k
)
(3−
9) である こ とが必 要であるが,
こ れ は(3−
1),(3−2
)式よ り x・(
k
・
一 :(
E
}
(3−10
)11
u
.
・’(k)= 0
(3
−
11) なるms(k
)とu ,(k
)に よっ て (3−8
).
(3−9
)式が満足 さ れ,
外 乱が存 在 し ない 定 常状態で の 出力四1 を任 意の 定 値 目標 値 rに一
致 さ せる こ と が 可能であ る.
ま た,
その と きのXs (k
)とu ,(k
)に対応 す る ヨー
角θ1は0 と な り, 出 力Y,(k
)がTに収 束し他の状 態 変 数はすべ て0に収 束 する.
状 態 量の 差 分 をとる操 作に よっ て,
定 値 外 乱は完 全に除 去で き,
その値が変 化 する外 乱に対 して も その操 作で外乱の影響 を 軽 減で きる.
外乱 が存 在す る定 常状態でYi(k
)をrに等し く させ る こ とは,
新た に定 義し た変 数 YT(勧を用い て{
甑
,cT
(
k
+ 1)
−
cT(
k)
}
→ 0 筋(
k
)
=y
、(
k)−
r(
k −
・ D。)
(3−
12) (3−
13) と表 すことが で き, まず, (3−
12)式を 達 成 す る制御入力u が存 在する条 件を調 べ る.
こ こ で,
状態 変,
sfam
(k
)の1
刻み差s(k
)と制 御入力u(k
)の1刻み差d
(k
)なる新 しい 状 態 変 数を導入すると,
s(k
),
d
(k
)は,
(3−1
),
(3−2
)式よ りs
(
k)
= x(
k
)
−
x(
k − 1
>
(3−
14)d
(
k
)
=
u(
k)−
u(
k − 1)
(
3−
15) と表さ れ,
次 にY1
(k
)の1
刻 み 差 とs(k・
)を ま とめて そ れ を新しい 状 態変tWMe
(k
)とす れ ば (3−1
),
(3−2
),
(3−
13),(3・
14),
(3−
15)工弋よ り鉐(
k
+1)一 筑
+ ・P
・+ cqd
(
k)
(3
−
16) (3−17
)s
(
k
+1)= Ps (
k)
+qd (
k)
よっ て,
(3−
16),
(3−
17)式を ま と めてMc
(
ic
+1):
=
君亀+
q
,d(k)
(3
−
18) た だ し 電丁= {
所
(
k)
, 5 ア}
君一
{
1
劉
qi −
{
cqq}
(3−19
) (3−20
) である.
(3−
18)式の可 制 御 行 列昭 よ,
(2−23
)式よ り12
v
=
{
q ,P
、qiP
, 2q 、Pl3q
,P
萵
}
(3−
21)5
×5
の行 列と な る.
可 制御 行 列V
の行 列 式は,det
(恥=
4.
84
×10.
1]と な るの で(3−18
),
(3−19
),
(3−20
)式で再 構 成さ れ た操 向 系は 可 制御 とみ な すこ と がで き,
(3−10
).
(3−11
)式は一一
意 に定まる.
し た がっ て,
(3−
18)式 の 安 定 化問題 を解い て(3−
12),
(3−
13)式を成 立さ せ制 御 目 的を達 成 する こと が可 能で ある.
3
.
自動 操向
シス テムの 最適 制 御車 両が外 乱の影 響を受 け 直 進 状 態か ら定 置 目標に追 従さ せ る制 御 目 的を達成する た め
,
(3−
D
式で与 え られ た状態 方 程 式を (3−
18)式に拡 張 し た.
現 代 制御理 論 で は
,
状 態 線 形 フ ィー
ドバ ッ クに よ る漸 近 安 定な 閉ルー
プ 系 を構 成 する こと によっ て,
安 定 な 制 御 系が実 現 され,
こ の 閉ルー
プ系は レギュ レー
タ と呼ば れる.
最 適レ ギュ レー
タと は,
閉ルー
プ系の 極を設 定 する・
・
つ の方 法で,
ある適 当な評 価 関 数を最 小にする ように フ ィー
ドバ ッ クゲ イン を 決 定 する方 法で,
こ の よ う な 制 御は最 適 制 御と呼ばれ る.
また,
最 適レギュ レー
タ問 題で設定さ れ る評 価 関 数に は, 2
次形 式の 評 価 関数が 用い ら れ,
その 評 価 関数を最小に す る最 適 制御入力は,
シ ス テム が 可 制御の と き行 列 リカ ッ チ方 程 式の正定対称 解を 用い て状態 線形 フ ィー
ドバ ッ ク と して与え ら れ る6°,.
こ こで
, 2
次 形 式評価関数を ・一
毒
1{
姻
臨綴
(
k
)
2}
(3−22
) と し,
(3−18
)式に対す る最適 レギュ レー
タ問 題 を解 くこ とを考 える.Wx
は5
×5
の 半正定 行 列,
w は非 負で ある.
拡 張され た状 態 方 程 式(3
−
18)式に対 する観 測 方 程 式はず
=
q x,
,
(
k)
(3−23
) と表され,
こ こ で観 測ベ ク トルc は e q二 {10 0 0 0 }
(3−24
) である.
Wx を観 測ベ ク トルc (3−
24)式を用い て定 義 すると eVK .=
q,
c[1
(3−
25) 評価関数ノは ・;
、凾
2 +雌
)
2}
(3−26
) とな り, 出力の 偏 差と制 御入力の微分 に重み がか かっ た評価関数と な る.
また, 望 ましい応 答 波形 が 得 ら れるωの 決定 方法 は,
試行錯誤的で あ りシ ミュ レー
シ ョ ン の 制御系
の 応答を得て判 断 する必要が ある.
(3
−
26)式を極小化する最適レギュ レー
タ解は , (3−
27)式で表され た行列 リカ ッチ 方程 式 fi°レの 定 常 解をH
とすれ ば,
ゲインベ ク トル(3−
28)式 を用い て 状 態 線形 フ ィー
ドバ ッ ク は13 H