通信教育併習による小学校教員の「養成」--その2: 近畿大学における通信教育提携プログラムの発足
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(2) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). 「本 学 に入 学 す る以 上 、 他 の 大 学 に は入 学 す るな」 と い っ た学 生 の利 益 を 無 視 す る大 学 側 の 発 想 が 、 二 重 学 籍 禁 止 の 考 え の 根 底 に あ る とす れ ば問 題 で あ る。 他 の 高 等 教 育 機 関 との 単 位 交 換 や 、 海 外 の 大 学 へ の 留 学(特. に交 換 留 学)な. どの 場 合 、 複 数. の 教 育 機 関 に お いて 学 生 は学 習 す る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 の 場 合 、 二 重 学 籍 を 避 け るた め に、 通 信 教 育 課 程 に は科 目等 履 修 生 と して 参 加 す る。 しか しそ も そ も科 目等 履 修 生 の 制 度 と は、 免 許 取 得 に必 要 な単 位 な どの 一 部 だ けを 、 科 目 ご と に取 得 す る た め に本 来 設 けた 制 度 で あ ろ う。 小 学 校 の 免 許 に必 要 な 単 位 を 一括 して 全 部 、 科 目等 履 修 生 で 取 得 す る と い う方 式 は、 科 目等 履 修 制 度 の 本 来 の 趣 旨か らは若 干 外 れ た もの で あ る。 教 職 課 程 の 単 位 を 丸 ご と履 修 す るの で あれ ば、 「課 程 履 修 生 」 と い う表 現 の 方 が 適 切 で あ ろ う。 実 は小 学 校 プ ロ グ ラ ム で、 通 信 教 育 課 程 に科 目等 履 修 生 と して 参 加 させ る形 を と る こ と は、 他 大 学 に在 籍 す る大 学 生 に二 重 学 籍 を 避 け て 小 学 校 の 教 員 免 許 を与 え る た めの 便 法 な の で あ る。 通 信 教 育 の 併 習 プ ロ グ ラ ムで は、 通 信 教 育 を 提 供 す る機 関 が 、 その 学 習(小 学 校 プ ロ グ ラ ム の 場 合 、 小 学 校 教 諭 一一 種 免 許 取 得 の た めの 学 習)に 関 す る法 的 ま た は制 度 上 の 責 任 を 負 う。 し か し責 任 を 負 う大 学 だ け が学 生 に 指 導 で き る と考 え るべ きか ど う か は、 検 討 す る必 要 が あ る。 つ ま り小 学 校 の 教 師 にな る た めの 学 習 を 、 通 信 教 育 へ の 「入 学 」(2)を 斡 旋 ・紹 介 した だ けで 、 通 信 教 育 の 提 携 先 の 大 学 に一切 任 せ て 、 学 生 が 在 籍 す る大 学 が 全 く無 関 心 で 学 生 を 放 任 して い い の で あ ろ うか 。 片 方 の 機 関 が 責 任 を負 うの だ か ら、 も う一 方 の 機 関 が そ の 教 育 内容 に無 関 心 で い い と い う考 え は、 教 育 行 政 機 構 に あ りが ちな 縄 張 り意 識 の 表 れ か も しれ な い。 学 生 の 立 場 に 立 ち、 学 生 を良 い教 員 に育 て る た め に は、 両 方 の 機 関 が 協 力 す る こ と も大 切 で あ ろ う。 も ち ろ ん 二 つ の 機 関 の 間 の 役 割 分 担 を明 確 にす る こ と も、 重 要 で あ る。 学 生 が 在 籍 す る機 関(本 稿 に お いて 分 析 す る近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 場 合 は、 近 畿 大 学)が 指 導 ・援 助 す べ き こ と は 何 で 、 逆 に通 信 教 育 を 提 供 す る機 関(聖 徳 大 学)の 指 導 に対 して 絶 対 に干 渉 して はな らな い こ と は何 な の か を明 らか に しな い と い けな い。 つ ま り単 な る制 度 上 の 責 任 の 所 在 を 確 認 す るの み な らず 、 学 生 の 学 習 の 実 態 に即 して 、 あ るべ き指 導 の 姿 を 求 めて 検 討 す る必 要 が あ る。. (2)通 信 教 育 制 度 の 意 義 、 役 割 の 分 析 働 き な が ら勉 強 が で き る制 度 と して 、 勤 労 青 年 を主 な 対 象 に設 定 して通 信 教 育 は発 達 した。 ま た遠 隔 地 に居 住 して 高 等 教 育 機 関 に通 え な い者 に対 して 、 学 習 の 機 会 を 提 供 す る役 割 も担 っ て き た。 さ らに近 年 で は専 業 主 婦 や 定 年 退 職 者 を 含 む 社 会 人 全 般 へ 、 学 習 機 会 を 提 供 す る生 涯. 2.
(3) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. 学 習 の役 割 も大 き い。 学 び た い者 に 学 びの 場 を提 供 す るの は、 高 等 教 育 の崇 高 な 使 命 で あ る。 社 会 が 成 熟 し、 科 学 技 術 の 進 歩 が 激 しい今 日の 日本 社 会 で は、 学 校 を 卒 業 して か ら も学 習 の 必 要 性 が 絶 え 間 な く続 く。 それ ゆえ 社 会 人 に と って 学 習 が しや す い通 信 教 育 は、 社 会 の ニ ー ズ に 適 して い る。 ま た他 方 、 学 歴 社 会 か ら資 格 社 会 へ と変 化 して い く世 の 中 に あ って 、 手 軽 に 「資 格 」 を 獲 得 す る手 段 と して 、 通 信 教 育 が 実 利 的 に利 用 され て 発 展 して き たの も事 実 で あ る。 わ ざわ ざ一 か ら新 入 生 と して 大 学(通 学 制)に 入 学 し直 さな くて も、 通 信 教 育 で 取 りた い資 格 や 免 許 が とれ る。 大 学 か ら遠 方 に居 住 す る者 に と って は、 通 信 教 育 で 学 習 す れ ば、 毎 日大 学 に通 う必 要 が な くな り、 転 居 を しな くて 済 む 。 ま た時 間 上 の 利 点 も あ る。 平 日の 昼 間 に授 業 に 出席 す る必 要 が な く仕 事 に専 念 で き る。 そ して 週 末 や 夏 休 み な ど に集 中的 に学 習 す れ ば よ い。 つ ま り通 信 教 育 で は、 時 間 の 融 通 が 利 くの で あ る。 さ らに通 信 教 育 を 行 う機 関 に と って は、 経 営 上 の 動 機 が あ る。 現 在 多 くの 大 学 ・短 大 が 通 信 教 育 課 程 を 開 設 して い る。 しか も大 半 が 私 立 の大 学 ・短 大 で あ る(3)。 これ らの うち、 果 た して どれ だ けの 大 学 ・短 大 が 、 教 育 機 関 と して の 使 命 感 、 つ ま り学 び た い者 に教 育 を 提 供 す る と い う純 粋 な 動 機 の み で 、 通 信 教 育 課 程 を 設 置 して い るの で あ ろ うか 。 そ こ に は経 営 上 の 理 由 も あ る はず で あ る。 通 信 教 育 課 程 を 、 既 存 の 学 部 ・学 科 に併 設 した場 合 、 現 存 の 教 員 が 兼 任 で 教 え れ ば済 む 。 その た め教 員 の 新 規 雇 用 や 追 加 雇 用 は最 小 限 で 済 む 。 また ス クー リン グ に使 用 す る 施 設 ・設 備(特. に教 室)は 、 既 存 の 施 設 ・設 備 を その ま ま利 用 で き る。 通 学 部 が 使 用 しな い休. 日や 長 期 休 暇(夏 休 み 、 春 休 み)に 、 授 業 を 集 中す れ ば良 い。 その た め既 存 の 高 等 教 育 機 関 に 通 信 教 育 課 程 を設 け る場 合 、 人 件 費 や 施 設 ・設 備 に対 す る初 期 投 資 が 少 な くて 済 む 。 そ の 結 果 通 信 教 育 課 程 に一 定 人 数 以 上 の 学 生 が 入 学 す れ ば、 大 学 に利 益 を もた らす こ と にな る。 この よ う に通 信 教 育 の 学 習 が 普 及 す る要 因 に は、 建 前(誰 で も学 びた い時 に学 べ る)と 実 利 (学生 が手 軽 に資 格 を取 得 で き る、大 学 の経 営 を助 け る)の 双 方 が あ る。 現 実 の 通 信 教 育 の 運 営 は この よ うな 建 前 を 掲 げな が ら、 学 生 と大 学 双 方 に実 利 を も た ら しな が ら展 開 され て い る と思 わ れ る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム は、2校 の 大 学 間 の 提 携 に よ り行 わ れ る もの で 、 双 方 の 大 学 の 実 利 が 絡 ん で い る。 そ こで この よ うな 通 信 教 育 の 意 義(建 前)と 実 利 の 関 連 を 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム で の 学 生 の 学 習 支 援 の 実 践 を 通 じて 、 明 らか に して い き た い。. 3.
(4) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). (3)通 信 教 育 制 度 の 学 習 の 問 題 点 の 分 析 高 等 教 育 の 学 習(授 業)の 形 態 は、 講 義 、 演 習 、 実 技 ・実 験 の3種 類 に大 別 され る。 通 信 教 育 で は、 演 習 、 実 技 ・実 験 に関 して は、 ど う して も対 面 指 導 が 不 可 欠 な の で 、 ス クー リン グ と い う形 で 、 授 業 を開 講 して 学 生 に 出席 を 求 めて い る。 この 点 に関 して 、 通 学 制 の 学 習 との 大 き な 相 違 はな い。 通 学 制 と通 信 制 の 教 育 の 学 習 の 最 大 の 違 い は、 講 義 科 目 に あ る。 通 信 教 育 で は 講 義 科 目の 一 部 ま た は全 部 を 「通 信 教 科」 と して、授 業 に 出席 しな くて もよ い代 わ りに、 レポー トの 作 成 と提 出 を させ て 単 位 を 与 え て い る。 通 学 制 で は授 業 は、 教 室 また はそ れ に準 ず る場 所 で 、 教 育 者(教 師)と 被 教 育 者(受 講 生)の 間 の 学 び に関 す るや りと りの 形 を 通 常 と る。 しか し学 習 者 と教 師 と の対 面 の や り と り④ は、 テ キ ス トを参 考 に して レポ ー トを作 成 して 提 出す る 形 の 通 信 制 の 通 信 教 科 の 学 習 形 態 に はな い。 レポ ー ト中心 の 通 信 教 科 の 学 習 は、 自学 自習 を 原 則 と して い る。 自学 自習 と いえ ば き こえ は よ いが 、 指 示 待 ちの 傾 向 の 強 い現 代 の 若 者 に い きな り自学 自習 を させ る こ と に は、 現 実 上 困 難 が 伴 う。 ま た レポ ー ト作 成 の 学 習 は文 章 表 現 の 勉 強 に はな る けれ ど も、 実 践 的 な 知 識 や 技 能 が 受 講 生 に十 分 身 につ くか ど うか は疑 問 で あ る。 この 点 が 通 信 教 育 の 学 習 の 根 本 的 な 問 題 だ と思 わ れ る。 それ ゆえ 学 生 の 指 導 を 通 じて 、 通 信 教 科 の 学 習 の 問 題 点 と改 善 策 と を特 に検 討 す る必 要 が あ る。. 2.近. 畿 大 学 にお け る小 学 校 プ ログ ラム の 提 唱. (1)発 足 まで の 経 緯 近 畿 大 学 に お いて 小 学 校 プ ロ グ ラ ム を開 設 した最 大 の 要 因 は、 近 年 の 大 都 市 圏(特 圏)の. に京 阪 神. 自治 体 に よ る小 学 校 教 員 の 大 量 採 用 で あ る。 近 畿 大 学 で は小 学 校 の 教 員 免 許 の 課 程 認 定. を受 けて い な いの で 、 学 生 は小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 で きな い。 しか しな が ら特 に地 元 の 大 阪 府 を は じめ と して 近 隣 の 自治 体 で 、 小 学 校 の 教 員 の 新 規 採 用 が 大 量 に見 込 まれ る 中、 学 生 の 就 職 先 と して み す み す 見 過 ごす の も惜 しい。 その よ う に考 え た大 学 当局 が 、 全 学 的 な 視 点 か ら学 内で 教 員 養 成 を担 当す る教 職 教 育 部 に対 して 、 聖 徳 大 学 通 信 教 育 部 との 提 携 を 指 示 した と聞 い て い る。 著 者 の 知 る限 りに お いて 、 教 職 教 育 部 の 内部 か ら小 学 校 プ ロ グ ラ ムを 発 足 させ よ う とす る意 見 は聞 いて い な い。 しか し上 か らの 指 示 や 号 令 で あ る制 度 を 導 入 した 場 合 、 実 際 業 務 を 担 当 す る こ と にな る担 当者 が 、 急 な 話 に対 して 時 間 の 不 足 な どか ら十 分 な 準 備 が で きな か った り、 ま. 4.
(5) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. た担 当者 の 意 見 が 新 しい制 度 の 創 設 に十 分 反 映 され ず に、 実 務 面 で 不 備 な 点 を 抱 え な が ら見 切 り発 車 で 実 施 され て しま う恐 れ も あ る。 この 点 近 畿 大 学 の 場 合 、 問 題 はな か った の で あ ろ うか 。. (2)複 雑 な 学 内 事 情 まず 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 内の 担 当部 門 につ いて は、 近 畿 大 学 で は少 し事 情 が 複 雑 で あ った 。 この プ ロ グ ラ ムの 発 足 当時 、 近 畿 大 学 内(東 大 阪 キ ャ ンパ ス)で は、 教 員 養 成 に関 して3つ の 部 門 が 携 わ って い たか らで あ る。 まず 各 学 部 が 関 わ って い る。 教 員 免 許 の 課 程 認 定 を 学 部 ・学 科 単 位 で 受 けて い るか らで あ る。 しか しな が ら総 合 大 学 の 利 点 を いか し、 教 職 課 程 の カ リキ ュ ラ ムの 編 成 、 単 位 認 定 、 教 育 実 習 、 介 護 等 体 験 な ど、 教 員 養 成 に関 す る教 育 指 導 は教 職 教 育 部 が 、 そ して そ の事 務 を学 務 部 第 一 課(5)が、 全 学 共 通 に担 当 して い る。 つ ま り各 学 部 、 教 職 教 育 部 、 事 務 部 の3部 局 が 関 わ って い る。 その た め小 学 校 プ ロ グ ラ ム に関 して は、 各 学 部 は教 職 教 育 部 よ り小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 開 設 と その 内容 の 骨 子 の 報 告 を 受 けて 、 承 認 す るだ けで あ った(6)。 た だ し教 員 採 用 試 験 に関 して は、 高 大 連 携 室(7)とい う部 局 が 別途 担 当 して い た。 高 大 連 携 室 が 教 員 採 用 に関 す る業 務 を担 当す る に至 っ た経 緯 につ いて は、 筆 者 は詳 しい事 情 を知 らな い。 推 察 す る に次 の よ うな事 情 が あ った の で あ ろ うか 。 近 畿 大 学 の 高 大 連 携 室 で は、 大 阪 府 立 高 校 の 校 長 経 験 者 で あ りか つ 教 育 委 員 会 の 管 理 職 の 経 験 者 を 、 複 数 名 ス タ ッフ に迎 え て い た。 地 元 大 阪 の 高 校 との 人 的 な つ な が りを重 視 した た めで あ ろ う。 と こ ろで 教 員 採 用 試 験 は都 道 府 県 と政 令 指 定 都 市 の 教 育 委 員 会 が 実 施 す る。 近 畿 大 学 の 学 生 に は、 大 阪 府 の 教 員 採 用 試 験 を受 験 す る者 が 当然 多 い。 その よ うな 事 情 か ら、 教 員 採 用 に関 す る業 務 が 、 大 阪 府 教 育 委 員 会 出身 者 を擁 す る高 大 連 携 室 の 所 管 事 項 にな っ た よ うで あ る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に関 す る近 畿 大 学 の 学 内の 関 連 の 機 構 を 整 理 す る と、 次 の よ う にな る。 プ ロ グ ラ ムが 発 足 した平 成17年 度 当時 、 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 は各 学 部(農 学 部 、 理 工 学 部 、 法 学 部 、 経 済 学 部 、 経 営 学 部 、 文 芸 学 部)に 所 属 し、 そ こで 専 門 の 教 育 を 受 けて いた 。 そ して 学 生 が 専 門 領 域 の 学 習 に加 え る形 で 取 得 す る教 員 免 許 に関 す る教 育 を 、 教 職 教 育 部 が 担 当 した 。 た だ し教 員 へ の 就 職(教 員 採 用 試 験)の 指 導 は、 高 大 連 携 室 が 担 当 して いた 。 つ ま りプ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 の 教 育 に関 す る業 務 の 所 管 が 、 三 層 構 造 にな って いた 。 そ して この こ とが 同 プ ロ グ ラ ムの 実 施 後 に、 さ ま ざ まな トラ ブル を 生 じる も と とな る。. 5.
(6) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). (3)通 信 教 育 の 学 習 の 困 難 さ に対 す る無 理 解 小 学 校 プ ロ グ ラ ム は、 その 創 設 の 目的 は小 学 校 の 教 員 免 許 を 学 生 に取 得 させ る こ とだ けで は な い。 採 用 試 験 を受 験 し合 格 して 、 小 学 校 の 教 員 と して 学 生 に就 職 して も ら いた い と い うね ら いで 開 始 され た。 その た め この プ ロ グ ラ ムの 創 設 に、 教 員 採 用 を 所 管 す る高 大 連 携 室 が 関 わ っ た もの と思 わ れ る。 そ して 実 の 所 高 大 連 携 室 の 関 係 者 が 、 大 学 の 理 事 に小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 開 設 を働 きか け た よ うで あ る。 プ ロ グ ラ ム発 足 当初 高 大 連 携 室 の 関 係 者 は、 近 畿 大 学 で も小 学 校 の 教 員 免 許 を取 れ る と、 学 内関 係 者 、 高 校 の 進 路 指 導 関 係 者 、 教 育 委 員 会 等 に頻 繁 に宣 伝 を し た。 まず 通 信 教 育 併 習 の 制 度 を立 ち上 げれ ば、 あ と は学 生 が 自力 で 学 習 して 小 学 校 の 教 員 免 許 を容 易 に とれ る と安 易 に考 え たの で あ ろ うか 。 現 実 に は、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムを 立 ち上 げて 学 生 を小 学 校 の 教 員 と して 就 職 させ る まで の プ ロセ ス に は、 通 信 教 育 提 携 先 との 交 渉 と プ ロ グ ラ ム の 詳 細 な 内容 の 策 定 、 プ ロ グ ラ ム開 始 後 の 通 信 教 育 の 学 習 に伴 う膨 大 な 事 務 作 業 、 難 解 な 課 題 に立 ち 向か う学 生 へ の 途 方 もな い学 習 支 援 な ど、 山 ほ ど仕 事 が あ る。 そ もそ も通 信 教 育 の 学 習 の 大 変 さ と困 難 は、 世 間 一般 な らび に大 学 関 係 者 に は あ ま り知 られ て いな い。 実 際 に通 信 教 育 の 学 習 を した体 験 者 が 少 な いか らで あ る。 通 信 教 育 の 困 難 を理 解 して いな い者 の 中 に は、 通 信 教 育 に入 学 の 手 続 きを す れ ば、 授 業 に も 出席 せ ず に い と も簡 単 に小 学 校 の 教 員 免 許 が 取 得 で き る と考 え た者 も、 い たか も知 れ な い。. (4)小 学 校 の 教 員 免 許 取 得 の 大 変 さ に対 す る無 理 解 ま た小 学 校 の 教 員 免 許 その もの の 取 得 自体 も大 変 で あ る。 特 に小 学 校 の 教 員 免 許 の 課 程 認 定 を受 けて いな い大 学 で は、 小 学 校 の 教 員 免 許 の 取 得 に必 要 な カ リキ ュ ラ ムが な いわ けで あ るか ら、 その 大 変 さ を理 解 して いな い方 が 多 くお られ る。 教 職 教 育 部 の 教 員(大 半 は、 小 学 校 の 教 員 免 許 を取 得 して いな い)の 中 に も その よ うな 方 が いな い と も限 らな い。 しか し中学 校 や 高 校 の 教 員 免 許 に比 べ て 、 む しろ小 学 校 の 教 員 免 許 の 方 が 、 大 学 生 に と って 免 許 の 取 得 の た め に履 修 す る単 位 数 は多 い。 特 に教 科 教 育 法 の 履 修 が 大 変 で あ る。 中学 や 高 校 の 一 種 免 許 で は、 免 許 を取 る科 目の 教 科 教 育 法(例:英. 語 科 教 育 法)の 法 定 単 位(免 許 取 得 に必 要 な 、 教 職 員 免 許 法. に規 定 され る最 低 限 の 単 位 数)は 、 わ ず か3単 位 で あ る。 しか し小 学 校 の 教 師 は全 教 科 教 え な い と い け な い の で、9教. 科(国 語 、 社 会 、 算 数 、理 科 、 生 活 、 音 楽 、 図画 工 作 、 体 育 、 家 庭). の 教 科 教 育 法 の 単 位(法 定 単 位2単 位)を 、 す べ て 取 得 しな い と い けな い。 これ だ けで18単 位 の 取 得 が 必 要 とな り、 中学 ・高 校 の 教 科 教 育 法 の 法 定 単 位 よ りも15単 位 上 回 る。. 6.
(7) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. ま た教 科 に関 す る科 目(法 定 単 位8単 位)に 関 して も、 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す る学 生 の 場 合 、 中学 ・高 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す る学 生 よ りも、 通 常 多 くの 単 位 を 取 得 す る。 教 科 に関 す る科 目 につ いて は、 中学 ・高 校 の 教 員 免 許 の 場 合 、 学 部 で 履 修 す る専 門 科 目(卒 業 単 位 に算 定 され る)を 読 み 替 え る こ とが 可 能 で あ る。 例 え ば文 学 部 の 国 文 学 専 攻 の 学 生 は、 文 学 部 で 専 門 科 目 と して 履 修 した国 文 学 関 連 の 単 位 を、 小 学 校 の 国 語 科 の 教 科 専 門 科 目の 単 位 と して 読 み 替 え る こ とが で き る。 この 専 門 科 目の 単 位 の 読 み 替 え は、 学 部 ・学 科 や 教 科 に よ り、 ケ ー スバ イ ケ ー スで 行 わ れ る。 法 定 単 位 の8単 位 を す べ て 、 学 部 の 卒 業 単 位 と して 履 修 す る科 目で 読 み 替 え る場 合 が 大 半 で あ る。 それ に対 して 小 学 校 の 教 員 免 許 を教 員 養 成 の 学 部 ・学 科 で 取 得 す る場 合 、 教 科 に 関 す る科 目(国 語 、 算 数 な どの前 述9科. 目)の 単 位 は、 通 常 一 か ら新 た に履 修 す る。. この よ うに小 学校 の教 員 免 許 の方 が、 中学 校 や 高 校 の 教 員 免 許 を取 得 す る よ り、 取 得 に要 す る 単 位 数 つ ま り学 習 量 が は るか に多 い。 当然 な が ら小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 の 学 習 上 の 負 担 は、 大 変 重 くな る。. (5)悲 劇 の 根 源 本 稿 と今 後 執 筆 を 予 定 して い る一 連 の 論 稿 に お いて 、 一 般 学 部 の 大 学 生 が 通 信 教 育 との 併 習 に よ り小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す るの が いか に困 難 で あ るか 、 ま た教 職 員 に よ る支 援 が いか に 必 要 不 可 欠 か を、 実 例 を も と に具 体 的 に明 らか に して い き た い。 近 畿 大 学 の 場 合 、 通 信 教 育 部 が あ る こ とか ら、 通 信 教 育 の 大 変 さを 理 解 す る者 は、 理 事 を 含 めて 大 学 関 係 者 の 中 に は一 定 数 い た。 しか しな が ら事 実 上 この プ ロ グ ラ ムを 提 唱 した と考 え られ る高 大 連 携 室 の 関 係 者 は、 入 試 部 と人 的 な 関 係 が 強 く、 通 信 教 育 部 と は あ ま り業 務 上 の つ な が りはな か った 。 ま た高 大 連 携 室 に所 属 す る教 育 現 場 の 出身 者 が 、 全 員 大 阪 府 の 公 立 高 校 の 校 長 経 験 者 で あ り、 小 学 校 に関 して は高 校 に関 す る ほ ど は詳 し くな か っ た。 そ して 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 して も いな か っ た。 も ち ろん 近 畿 大 学 の 学 生 に も小 学 校 の 免 許 を取 らせ て あ げた い と い う、 善 意 に基 づ いて 小 学 校 プ ロ グ ラ ムを 提 唱 した に違 いな い。 しか し前 途 に生 じる数 々の 問 題 を 、 事 前 に詳 細 にわ た り予 期 す る こ と は大 変 困 難 で あ っ た。 通 信 教 育 の 学 習 が 容 易 で あ る と い う偏 見 が 学 内で 流 布 して い る状 況 下 で あ った た め、 プ ロ グ ラ ム提 携 を提 唱 した者 の 功 績 が 、 学 内で は高 く評 価 され る こ と とな った 。 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムつ ま り小 学 校 の 教 員 免 許 の 通 信 教 育 併 習 に よ る取 得 は、 その 仕 組 み を 提 唱 した 高 大 連 携 室 の お手 柄 と され た。 一一 方 聖 徳 大 学 と プ ロ グ ラ ム策 定 の 交 渉 に あた った 事 務 局(学 務 部 学 務. 7.
(8) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). 第 一 課)の 努 力 は、 十 分 に は認 知 され な か っ た。 そ して 学 生 の 学 習 を プ ロ グ ラ ム開 始 後 に実 際 に支 援 した教 員 達 の 苦 労 も、 学 内で は知 られ る こ とが な か っ た。. 3.小. 学 校 プ ロ グ ラム の 発 足 の 決 定. (1)プ. ロ グ ラム 発 足 の 経 緯. 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 成 立 まで に は、 学 内の 調 整 ・合 議 、 提 携 先 との 交 渉 、 他 大 学 の 動 向の 調 査 な ど、 数 々の プ ロセ スを 経 た。 筆 者 は これ らの 交 渉 事 に は一 切 タ ッチ して いな い こ と も あ り、 本 稿 で は近 畿 大 学 に お け る プ ロ グ ラ ムの 成 立 まで の 主 な 経 緯 の み を 、 と りあえ ず 次 に述 べ る。 まず2004年4月. に立 命 館 大 学 が 、 聖 徳 大 学 と提 携 して 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 養 成. を開 始 した。 奇 し くも 同時 期 の 同年4月. に、 近 畿 大 学 で は高 大 連 携 室 が 組 織 され た 。 そ して こ. の 年 の 夏 に行 わ れ た教 員 採 用 試 験 で 、 大 阪 府 が 特 に小 学 校 教 員 の 試 験 区 分 で 大 量 の 合 格 者(最 終 合 格 者1,092名)を. 出 した。 これ に よ り近 畿 大 学 の学 内 で も、学 生 の 就 職 先 と して 小 学 校 教 員. に対 す る関 心 が 高 ま っ た。. (2)キ ー パ ー ソ ンの 存 在 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ム の 発 足 に は、 重 要 な役 割 を 果 た した人 物 が2名. い る。 第1は 、. 石 川 俊 一 教 職 教 育 部 元 教 授 で あ る。 石 川 氏 は大 阪 府 立 高 校 の 教 員 を 経 て 、 教 育 委 員 会 事 務 局 管 理 職 、 府 立 高 校 校 長 、 大 阪 府 の 公 立 高 校 の 校 長 会 の 会 長 を 歴 任 した方 で 、 大 阪 府 下 の 教 育 界 に 幅 広 い人 脈 を持 つ 。 その 後2002年 度 に、 近 畿 大 学 の 入 試 部 に迎 え られ た 。 石 川 氏 は特 に学 生 募 集 の 高 校 訪 問 に大 きな 成 果 を 挙 げて 、 入 試 受 験 者 の 増 加 に功 績 が あ った と大 学 内で 高 く評 価 さ れ て い る。 石 川 氏 は入 試 業 務 を 通 じて 、 近 畿 大 学 で も小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 で きれ ば、 高 校 生 に強 くア ピール で き入 試 の 受 験 者 が 増 加 す る と肌 で 感 じて い た よ うで あ る。 偶 然 で は あ るが その 石 川 氏 が 、 聖 徳 大 学 と提 携 して 立 命 館 大 学 が 小 学 校 教 員 の 養 成 に乗 り出 した2004年4月. に、. 教 職 教 育 部 の 特 任 教 授 に任 命 され た。 立 命 館 大 学 に対 抗 す る た め に、 近 畿 大 学 で も小 学 校 教 員 の 養 成 が 必 要 で あ る と、 石 川 氏 が 学 内で 恐 ら く最 も真 剣 に考 え て いた で あ ろ う。 この よ うな 状 況 下 に教 員 の 大 量 採 用 の 時 代 が 到 来 して 、 教 職 教 育 部 に明 る い希 望 が わ き、 教 員 採 用 の 対 策 を 2004年 度 よ り開始 す る こ と に な った(8)。 ま た学 務 部 学 務 第 一一 課(2004年. 当 時)(8)の南 孝 之 介 課 長 も、近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 発. 8.
(9) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. 足 と運 営 に は 欠 か せ な い人 物 で あ った 。 南 氏 は近 畿 大 学 の 通 信 教 育 部 に長 ら く勤 務 して お り、 通 信 教 育 の 仕 組 み に詳 し く、 ま た その 実 務 に精 通 して い た。 南 氏 自身 は通 信 教 育 に詳 しいた め、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 導 入 の 折 りに は、 数 々の 困 難 が 生 じる こ とを 懸 念 して お られ 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 運 営 と その 成 果 に対 して 、 楽 観 視 は して いな か っ た よ うで あ る。 しか し小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 実 施 が 大 学 の 方 針 で 決 ま る と、 聖 徳 大 学 との 事 務 交 渉 に あ た り、 近 畿 大 学 の 学 生 に と っ て 少 しで も学 習 しや す くな る よ う に と、 次 に述 べ る よ うな 努 力 と工 夫 を 惜 しまな か った 。 南 氏 が い た おか げで 小 学 校 プ ロ グ ラ ムが 無 事 発 足 した と言 え る。 た ま た ま2人 の 優 れ た人 物 が 教 職 教 育 部 と事 務 担 当部 局(学 務 部 学 務 第 一 課)に. いた こ とが 、. 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 実 現 と無 難 な 滑 り出 しを 可 能 に した。 しか し2名 の 傑 出 した 人 物 の 存 在 だ けで 、 偶 然 に プ ロ グ ラ ムが 実 現 したわ けで はな い。 教 育 委 員 会 か ら高 校 の 校 長 経 験 者 を教 職 教 育 部 に招 き、 教 育 現 場 との 関 係 の 強 化 を重 視 す る近 畿 大 学 の 教 職 課 程 の 運 営 方 針 と、 通 信 教 育 部 を持 ち長 年 の 通 信 教 育 に お け る実 績 とが 、 近 畿 大 学 に お いて 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 養 成 を、 日本 で2番. 目 に開 始 す るの を 可 能 に した と考 え るべ きで あ ろ う。. (3)不 熱 心 な 提 携 先 と こ ろで 意 外 な こ と に通 信 教 育 で 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 る こ と に関 して 、 提 携 先 の 聖 徳 大 学 は必 ず しも積 極 的 に各 大 学 に宣 伝 や 広 報 の 活 動 を したわ けで はな い。 小 学 校 プ ロ グ ラ ムを 開 始 して 、 聖 徳 大 学 の 事 務 局 や 教 員 へ の 対 応 や 彼 らとの や りと りを 重 ね る 中で 、 相 手 の プ ロ グ ラ ム に対 す るや る気 の な さを 、 嫌 と い う ほ ど思 い知 らされ る こ と にな る。 実 際 に は、 小 学 校 の 教 員 免 許 を学 生 に取 得 させ た い各 大 学 側 か ら、 聖 徳 大 学 に提 携 を 申 し込 ん だの で あ る。21世 紀 に入 り高 等 教 育 機 関 、 特 に私 立 大 学 は18歳 人 口の 減 少 の 中で 、 学 生 確 保 の た め に激 しい学 生 募 集 の 競 争 を 繰 り広 げ る よ う にな って い た。 しか しな が ら大 学 ・短 大 の 通 信 教 育 に関 して は、 まだ まだ 供 給(大 学 数 、 定 員)に 対 して 需 要(入 学 希 望 者)が 十 分 あ る よ うで あ っ た。 特 に小 学 校 の 教 員 免 許 に関 して は、 通 信 教 育 で 一 種 免 許 を 取 得 で き る大 学 は、 ご くわず か で あ った(9)。 例 え ば2004年 度 に お い て 首 都 圏 以 外 の大 学 で 、 小 学 校 の 教 員 免 許 を 通 信 教 育 で 取 得 で き る大 学 は佛 教 大 学 の み で あ っ た。 経 営 が 安 定 して 、 ブ ラ ン ドカ の あ る大 学(通 信 教 育 課 程 を 併 設 して い る)の 場 合 は、 二 重 学 籍 と も と られ か ね な い他 大 学 の 学 生 の 受 け入 れ に は消 極 的 で あ った 。 また そ もそ も 同業 者 の 競 争 相 手 で あ る他 大 学 に在 籍 す る学 生 に、 わ ざわ ざ便 宜 を 図 って 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 させ る. 9.
(10) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). こ と に反 対 す る大 学 も あ る。 例 え ば関 西 の 大 学 を 卒 業 して 、 通 信 教 育 で 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す る者 は、 関西 に在 住 す る限 り当 時 は ほ ぼ100%佛. 教 大 学 の 通 信 教 育 課 程 に入 った⑩。 首 都 圏. の 大 学 の 通 信 教 育 課 程 に入 学 す る と、 ス ク ー リ ングを 受 講 す る た め何 度 も往 復 す る必 要 が 生 じ るか らで あ る。 それ ゆえ 佛 教 大 学 が 、 他 の 関 西 の 私 立 大 学 に在 学 中の 学 生 に対 して 、 わ ざわ ざ 小 学 校 の 教 員 免 許 を取 得 させ る必 要 はな か っ た。 卒 業 後 に学 生 は確 実 に 自校 の 通 信 教 育 課 程 に 入 学 して くるの で あ るか ら、 同業 他 者 の 競 争 相 手 で あ る他 の 私 立 大 学 に、 あえ て 便 宜 を 図 る必 要 な どな いわ け だ。 その た め2004年 時 点 で 、 科 目等 履 修 生 と い う形 にせ よ、 通 信 教 育 課 程 に他 大 学 の学 生 を 受 け入 れ よ う とい う大 学 は そ れ ほ ど多 くは な か った 。 結 果 と して2004年 度 、2005 年 度 は聖 徳 大 学 だ けが 、 この よ うな 受 け入 れ を した。. (4)交 渉 の 開 始 近 畿 大 学 で は、 理 事 長 自 ら聖 徳 大 学 の 理 事 長 に連 絡 して 、 通 信 教 育 の 受 け入 れ を 依 頼 した と い う。 そ して 副 学 長 の 上 野 秀 夫 教 職 教 育 部 長(当 時)と 佐 々木 敏 文 学 務 部 長 が 、 聖 徳 大 学 に挨 拶 に 出か け た と聞 いて い る。 その 後 学 務 第 一 課(当 時)の 南 課 長 が 窓 口 とな り、 履 修 科 目、 ス ク ー リ ングや 試 験 の 会 場 、 受 け入 れ 定 員 、 入 学 時 期 、 各 種 事 務 手 続 きの 時 期 とそ の 進 め方 な ど の 、 プ ロ グ ラ ム実 施 に必 要 な 詳 細 項 目の 打 ち合 わ せ を 、 聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 部 の 事 務 局 と交 渉 した。 近 畿 大 学 が 聖 徳 大 学 との 提 携 を決 め たの が2004年 の9月 か10月 頃 で 、 実 務 の 詳 細 な 交 渉 は 同年 の 年 末 あ た りか ら開 始 した と思 わ れ る。 教 職 教 育 部 の 教 員 に対 して は、 同年12月 の 同部 の 全 体 会 議 で 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムを 翌 年 度 よ り開 始 す る 旨の 報 告 が 初 めて あ った 。. (5)広 島 修 道 大 学 の 情 報 の 収 集 聖 徳 大 学 との 提 携 に関 して は、 まず2004年 当時 聖 徳 大 学 と通 信 教 育 の 併 習 プ ロ グ ラ ムを 唯 一 実 施 して い た立 命 館 大 学 に事 務 局 が コ ンタ ク トを 取 り、 募 集 要 項(IDを取 り寄 せ て 、 履 修 科 目の 詳 細 、 配 当年 次 、 ス クー リン グの 実 施 方 法 、 授 業 料 な どを 確 認 した よ うで あ る。 また2005年 度 よ り同 じ く聖 徳 大 学 との 提 携 プ ロ グ ラ ムを 開 始 す る予 定 の 広 島修 道 大 学 か ら、2004年12月16日 に 同 プ ロ グ ラ ム の学 生 向 け の募 集 要 項 ⑫ を入 手 して い る。 そ して 同大 学 が2005年 度 か ら小 学 校 プ ロ グ ラ ム を開 始 す る こ とを 知 って 、 通 信 教 育 併 習 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムが そ の 後 多 くの 大 学 で も開 始 され る見 込 み が 高 い と い う感 触 を 、 近 畿 大 学 の 関 係 者 は も った よ うで あ る。. 10.
(11) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 表1受. 講 科 目一 覧(近 畿 大 学 の 聖 徳 大 学 提 携 の 小 学 校 プ ログ ラ ム). 聖. 法定 単位. 1. ① 教 職 の 意 義 等 に関 す る科 目. 2. ② 教 育 の 基 礎 理 論 に関 す る科 目. 6. ③教育課程及 び指導法 に関す る 科目. 22. 教 職 に 関 す る 科 目 ④生徒指導、教育相談及び進路 指 導 等 に関 す る科 目. 4. ⑤総合演習. 2. ⑥教育実習 1教. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. 5. 職 に関 す る科 目合 計. 8. **. 2** 6**. 教育課程論 国語科教育法 社会科教育法 算数科教育法 理科教育法 生活科教育法. 2. 音楽科教育法 図画工作科教育法 体育科教育法 家庭科教育法 道徳教育の研究 特別活動 教育方法学 小 計 生徒指導. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 1. 1. 2. 2. 2. 2. 2. 2 17. 小. 2. 皿. 科 に関 す る科 目合 計 教 科 又 は 教 職 に関 す る科 目. 総. 合. 計. 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修 必修. ① ② ② ② ② ② ② ② ② ② ① ① ①. 選択 必修. ② ②. 26 2. 2**. 2 2**. 事 前 ・事 後 指 導. 1. 1. 教育実習 小 計. 2. 2. 3. 3. 21. 31. 19. 国 語1. 2. 2. 書 写 ・書 道. 2. 2. 社 会1. 1. 数 学1. 2. 理 科1. 2. 1. 2 2. 図 画 工 作1. 2. 家 庭1*. 2*. 音 楽 実 技1*. 2*. 音 楽 実 技II*. 2*. 音 楽 理 論1*. 2*. 8. 2 2. 生 活1. 4. 必修 必修. ③ ③. 2**. 14**. 必修 必修 必修 必修 必修. ① ① ① ① ①. 選択 必修. ①. 2*. 専 門 体 育1* ]1教. 2 9. 2 2. 計. 2. 1. 相 談 ・援 助 の 心 理 学. 41. H 教 科 に 関 す る 科 目. 開講科 目. 徳 大 学 振替 通信 面接 配当 単位 小計 区分 科目 科目 年次. 9. 5. 14. 28. 17. 45. 10 59. *選択 せ ず 履 修 しな い選 択 必 修 の科 目 とそ の単 位 数 **近畿 大 学 で取 得 す る単 位 で振 替 可 能 の た め 、 聖 徳 大 学 の通 信 教 育 で は履 修 しな い科 目 の単 位 数. 11. 14**.
(12) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). (6)教 育 委 員 会 の 承 認 の 取 り付 け 近 畿 大 学 は大 阪 府 に あ るの で 、 近 畿 大 学 の 学 生 は大 阪 府 の 教 育 委 員 会 に教 員 免 許 の 交 付 を 申 請 す る。 そ こで 近 畿 大 学 の 事 務 局 か ら大 阪 府 の 教 育 委 員 会 の 担 当部 局 に対 して 、 本 プ ロ グ ラ ム の 開 設 の 趣 旨 を2004年 度 内 に報 告 して 、 了 承 を 得 た。 これ に よ り小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る 学 生 は、 近 畿 大 学 で 取 得 した単 位 と、 本 プ ロ グ ラ ム に よ り聖 徳 大 学 通 信 教 育 部 で 科 目等 履 修 生 と して 取 得 した単 位 とを 合 わ せ て 申請 す れ ば、 近 畿 大 学 卒 業 時 に小 学 校 教 員 の 一 種 免 許 を 取 得 で き る見 通 しが 立 っ た。. 4.小. 学 校 プ ロ グ ラム の 概 要 とそ の 決 定. (1)プ. ロ グ ラム 実 施 に対 す る教 員 の 考 え. カ リキ ュ ラ ム を は じめ とす る プ ロ グ ラ ムの 詳 細 は、 事 務 局(学 務 部 学 務 第 一 課)が 策 定 した 。 主 と して 前 述 の 学 務 第 一 課 長 の 南 氏 が 中心 とな り作 業 を 進 め た。 教 員 サ イ ドはそ の 過 程 に ほ と ん ど ノ ー タ ッチで あ っ た。 プ ロ グ ラ ム実 施 の 詳 細 が 決 ま って か ら教 職 教 育 部 の 全 体 会 議(2004 年12月)に. 、 プ ロ グ ラ ム の 募 集 要 項 の案 ⑬ が報 告 事 項(審 議 事 項 で は な く、 教 員 側 に この プ. ロ グ ラ ム その もの に反 対 す るか 、 ま た は その 内容 を 修 正 す る機 会 は与 え られ な か った)と. して. 示 され た だ けで あ る。 ただ し教 員 に通 信 教 育 の 詳 細 に詳 しい者 もお らず 、 現 実 に は プ ロ グ ラ ム の 立 案 と聖 徳 大 学 との 交 渉 や 、 学 内の 他 の 部 局 との 連 絡 や 協 議 な ど煩 雑 な 作 業 を 、 事 務 局 に任 せ る しか 方 法 が な か っ た。 ま た その よ うな 面 倒 な こ と に首 を 突 っ込 む こ とを 、 あえ て 希 望 す る 教 員 もい な か った 。 会 議 に お け る教 員 の 意 見 の大 半 は、 「本 学 の学 生 が 小 学 校 の教 員 免 許 を 取 れ るの は結 構 だ」 と い っ た楽 観 的 に歓 迎 す る もの で あ っ た。 ただ し筆 者 が 個 人 的 に知 る限 りに お いて 、 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す る プ ロ グ ラ ムの 創 設 につ いて 、 個 人 的 に強 い反 対 意 見 を 持 つ 教 員 も若 干 い た よ うで あ る。 しか し彼 らが 会 議 で 反 対 意 見 を 述 べ る こ と はな か った 。. (2)受 講 科 目の 決 定 教 職 員 免 許 法 に規 定 され る小 学 校 教 諭 の 一 種 免 許 に必 要 な 最 低 限 度 の 単 位 数(法 定 単 位)は 、 教 職 に関 す る科 目が41単 位 、 教 科 に関 す る単 位 が8単 位 、 教 科 また は教 職 に関 す る単 位 が10単 位 で、(教 職 員 免 許 法 施 行 規 則 第66条 の6に 定 め る 「日本 国 憲 法 」、 「体 育 」、 「外 国 語 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン」、 「情 報 機 器 の 操 作 」 の 計8単 位 を 除 くと)合 計59単 位 で あ る。 こ の 内 中学 校 の 教 員 免 許 の取 得 の た め に近 畿 大 学 で 履 修 す る教 職 科 目の 内 、 『教 職 員 免 許 法. 12.
(13) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 施 行 規 則 第6条. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. に関 わ る備 考 の12』 に よ り流 用 で き る単 位 を 、 最 大 限14単 位 振 り替 え る こ と と. した。 その 結 果 聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 課 程 で は、 合 計45単 位 を 履 修 す る こ と にな った 。 これ らの 受 講 科 目の 一 覧 を表1(11頁)に. ま と め た。. 同免 許 法 の 規 定 に よ り、 聖 徳 大 学 の 開 講 科 目の ほ とん どの 科 目が 必 修 とな り、 近 畿 大 学 が そ の 裁 量 で 選 択 で き る科 目 は極 めて 少 な い。 選 択 の 余 地 が あ っ たの は、 教 職 に関 す る科 目の ④ 生 徒 指 導 ・教 育 相 談 及 び 進 路 指 導 等 に 関 す る科 目 と、 教 科 に 関 す る科 目の2領 域 の み で あ った (表1参 照)。 前 者 は 「生 徒 指 導(進 路 指 導 を 含 む)」 か 「相 談 ・援 助 の 心 理 学 」 の どち らか1 科 目の 選 択 が 可 能 で あ る。 これ につ いて は その ま ま、 プ ロ グ ラ ム参 加 時 に学 生 に ど ち らか1科 目 を選 択 させ て 履 修 手 続 きを させ る こ と に した⑭。 教 科 に関 す る科 目 につ いて は、 聖 徳 大 学 の カ リキ ュ ラ ムで は 「国 語1」 、 「書 写 ・書 道 」、 「社 会1」 、 「数 学1」 、 「理 科1」 の5科 作1」(2単. 位)、 「生 活1」(2単. 「専 門 体 育1」(2単. 目10単 位 は 必 修 で あ った 。 選 択 必 修 の4単 位 は、 「図 画 工. 位)、 「音 楽 実 技1」 「音 楽 実 技H」. 位)、 「家 庭1」(2単. 位)の 、 以 上7科. にな る。 近 畿 大 学 の 事 務 局 は、 結 局 「生 活1」. 「音 楽 理 論1」(各2単. 位)、. 目の 中 か ら2科 目以 上 を選 ぶ こ と. と 「図 画 工 作 」 の2科. 目だ けを 履 修 科 目 に選 び、. 事 実 上 必 修 科 目 に した。. (3)選 択 必 修 科 目の 選 定 ス ク ー リ ング科 目 は、 千 葉 県 の 聖 徳 大 学 まで 学 生 が 通 う負 担 を 避 け るた め、 近 畿 大 学 か らの 強 い要 求 に よ り、 近 畿 大 学 で 開 講 す る こ と にな っ た。 その た め聖 徳 大 学 に は、 大 阪 の 近 畿 大 学 に派 遣 す る講 師 の 人 件 費 や 旅 費 の 負 担 が か か る。 ま た会 場 校 とな る近 畿 大 学 も、 教 室 の 準 備 な ど に手 間 が か か る。 仮 に ス クー リン グの 選 択 必 修 科 目を 全 科 目開 講 す る と、 そ の 分 聖 徳 大 学 に は講 師 派 遣 の 経 費 が か さみ 、 近 畿 大 学 に は教 室 手 配 等 準 備 の 手 間 が か か る。 両 者 の 思 惑 が 一 致 す る の で、 必 要 最 小 限 度 の2科. 目だ け の 開講 に して 、 と りあ え ず 「生 活1」. と 「図 画 工 作1」. の 開 講 と したの で あ ろ う。 それ で は何 故 選 択 必 修 の7科. 目の 内か ら、 これ らの2科. 目を 選 定 した の で あ ろ うか 。 この 選. 択 は近 畿 大 学 側 の 要 望 に沿 っ た もの だ と聞 いて い る。 選 択 必 修 科 目 にお け る近 畿 大 学 の 事 務 当 局 の 最 大 の ね らい は、 音 楽3科. 目(音 楽 実 技1、 音 楽 実 技II、 音 楽 理 論1)を. 除 外 した こ と に. あ る よ う だ。 聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 課 程 は、 ピア ノの レ ッス ン授 業 の 合 格 が 難 しい こ とで 有 名 で あ る。 た ま た ま近 畿 大 学 の姉 妹 校 ⑮で あ る近 畿 大 学 豊 岡短 期 大 学 の子 ど も学 科 の通 信 教 育 課 程. 13.
(14) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). (幼稚 園 教 諭 免 許 と保 育 士 資 格 を取 得 で き る)に 、 聖 徳 大 学 の通 信 教 育 課 程 を音 楽 の 授 業(内 容 は ピア ノの 実 技 指 導)の 単 位 が 得 られ な い た め に 中退 した学 生 が 、 数 多 く入 学 して いた 。 そ こで 同短 大 の 関 係 者 よ り学 務 第 一 課 長 の 南 氏 が 、 聖 徳 大 学 の 音 楽 の 単 位 取 得 が 困 難 で あ る と い う情 報 を得 て い た と思 わ れ る。 と にか く学 生 が 単 位 を 取 得 で きな けれ ば、 小 学 校 の 教 員 免 許 も 取 得 で きず 、 学 生 が 小 学 校 の 教 師 にな れ な くな って しま う。 選 択 必 修 か ら音 楽 関 係 の 科 目を 外 した こ と を、 学 生 の 学 習 の 負 担 と リス クを 減 らす と い う観 点 か ら高 く評 価 しな い と い けな い。 7科 目か ら音 楽3科 1」 と 「専 門 体 育1」. 目を 除 外 す る と、 残 り4科 目 とな る。 南 課 長 が 残 り4科. 目か ら 「家 庭. を除 外 した理 由 は明 らか で はな いが 、 音 楽 を 除 外 した よ うな 明 確 な 理 由. は なか っ た と思 わ れ る。 しいて 推 察 す れ ば、「専 門体 育1」 は運 動 場 や 体 育 館 の 確 保 が 面 倒 で あ る こ と と、 「家 庭1」. の場 合 近 畿 大 学 で は家 政 系 の 学 部 が な くて、 調 理 室 な ど の実 習 施 設 の 確. 保 が しに くい と い う教 室 確 保 の 問 題 が あ っ たの で はな いだ ろ うか 。 小 学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 す る場 合 、 教 職 員 免 許 法 の 規 定 の 関 係 で 、 科 目を 選 択 す る余 地 は限 定 され て い る。 しか しプ ロ グ ラ ム発 足 時 に、 提 携 先 の 通 信 教 育 課 程 を 開 講 す る大 学 と交 渉 す る に は、 通 信 教 育 の 学 習 全 般 の 実 情 に対 す る理 解 、 提 携 先 の 個 々の 科 目の 単 位 の 取 得 の 難 易 に関 す る情 報 、 教 職 員 免 許 法 の 規 定 に関 す る基 礎 知 識 、 教 職 課 程 の カ リキ ュ ラ ム に関 す る深 い理 解 な どの 幅 広 い知 識 が 必 要 で あ る。 交 渉 担 当者 に この よ うな 知 識 が 備 わ り絶 え 間 な い努 力 を して 始 めて 、 通 信 教 育 の 提 携 プ ロ グ ラ ム に参 加 した学 生 が 、 安 心 して 学 習 で き る と い う こ と を忘 れ て はな らな い。. (4)学 習 の 形 態 履 修 す る科 目 は、 レポー トを作 成 ・提 出 して 合 格 して か ら試 験(聖 徳 大 学 で は 『科 目終 了 試 験 』 と呼 ぶ)を 受 け る通 信 科 目 と、 夏 休 み 等 に通 学 制 の 大 学 と 同様 に授 業(ス. クー リン グ と呼. ぶ)を 受 け る面 接 科 目、 そ して 教 育 実 習 の3種 類 が あ る。 同一 科 目で 通 信 学 習 と面 接 学 習 の 双 方 か ら学 習 内容 が 構 成 され る場 合 も あ る(本 プ ロ グ ラ ムで は、 教 科 教 育 法 の9科 計10科 目)。例 え ば社会1(2単. 目 と社 会1の. 位)で は、通 信 単位 が1単 位(提 出す る レポー トの課 題 は1題 で、. 科 目終 了試 験 の 受 験 は不 要)で 、 面 接 単 位 が1単 位(1日. 半 の ス ク ー リ ン グを 受 講)で. あ る。. 小 学 校 プ ロ グ ラ ム で は 、 通 信 学 習 が 合 計28単 位 で 、 面 接 学 習 は17単 位 で あ る。 総 単 位 数 の 約 62%が 通 信 単 位 で あ り、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 に お いて レポー ト作 成 の 比 重 が 高 い こ とが 分 か る。. 14.
(15) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. (5)学 習 の 分 量 単 位 数 だ けで は具 体 的 な 学 習 の 負 担 を イ メー ジ しに くい。 そ こで これ らの 単 位 の 取 得 に必 要 な学 習 の 量 を、 具 体 的 な 表 現 に言 い換 え て み よ う。 聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 の 場 合 、 通 信 科 目1単 位 に つ き、 原 則1,600字 程 度 の レポ ー トの 作 成 が 義 務 づ け られ る。 す る と通 信 科 目の総 計28単 位 を取 得 す るた あ に作 成 す る レ ポ ー トの 字 数 の 合 計 は、28×1,600-44,800字. とな る。 これ は. 400字 詰 め原 稿 用 紙 の丁 度112枚 分 とな る。 ち ょっ と した小 冊 子 が で き る ぐら いの 分 量 で あ る し、 大 学 生 の 平 均 的 な 卒 業 論 文 の 分 量 よ り多 いか も知 れ な い。 結 構 大 変 な 量 で あ る。 科 目終 了 試 験 は、 通 信 単 位 が2単 位 の 科 目だ け受 験 し、 通 信 単 位 と面 接 単 位 が そ れ ぞ れ1単 位 ず つ の 科 目で は、 受 験 は不 要 で あ る。 その た め小 学 校 プ ロ グ ラ ムで は、 合 計9科 受 験 す る こ と にな る。3年 間 の プ ロ グ ラ ムで9科. 目の 試 験 を. 目の 試 験 の 受 験 は、 科 目数 だ けみ れ ば、 そ れ. ほ ど大 きな 負 担 で はな い と思 わ れ る。 ス ク ー リ ング は、1単 位 につ き1日 半(例 え ば1日 目 に9時 ∼17時 まで8時 間 授 業 し、2日 目 に9時 ∼13時 まで の4時 間 授 業 を す る)授 業 を 受 け る。 面 接17単 位 と い う こ と は、12×17= 204時 間 の 授 業 を 受 け る こ と に な る。 これ は大 学 の 授 業 を 朝 か ら夕 方 ま で 全 部 受 講 した 場 合 、 (土 日を 休 み と して)約1ケ. 月 分 の 授 業 量 に相 当 す る。3年. 間 の プ ロ グ ラ ム に よ り1ケ 月 分 授. 業 の 出席 が 増 加 す る こ と は、 それ 相 応 の 負 担 にな る と思 わ れ る。 さ ら に ス クー リン グ に加 え て 、 小 学 校 の 教 育 実 習 に最 低 限2週 間 行 か な い と い けな い。 学 生 に と って は、 これ も結 構 な 負 担 と な る。. (6)多 難 な 小 学 校 教 員 へ の 道 プ ロ グ ラ ム参 加 者 は、 教 育 学 部 で はな く一 般 の 学 部(経 済 学 部 、 法 学 部 等)に 在 籍 し、 そ れ ぞれ の 学 部 を卒 業 す る た めの 勉 強 を しな くて はな らな い。 それ に加 え て 中学 校 の 教 員 免 許 を 取 得 しな い と い けな い。 これ らだ けで もか な り忙 しい学 生 生 活 にな る。 さ ら に小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 して 、 レポ ー ト、 試 験 、 ス クー リ ン グ、 教 育 実 習 を こ な さ な い と い け な い。 中 で も レ ポ ー トの 分 量 は、 平 均 的 な 卒 業 論 文 よ りも多 い もの で あ る。 それ ゆえ 小 学 校 の 教 員 免 許 が 通 信 教 育 で 安 易 に取 得 で き る と は、 到 底 思 え な い。 ま た教 員 免 許 を取 得 す るだ けで は、 小 学 校 の 教 員 に はな れ な い。 採 用 試 験 に合 格 しな い と い け な い。 そ こで 採 用 試 験 の 受 験 準 備 もす る必 要 が あ る。 最 近 の 教 員 採 用 試 験 で は、 現 場 で の 実 践 力 や 対 人 コ ミュニ ケ ー シ ョ ン能 力 な ど、 知 識 よ り も人 物 が 重 視 され る傾 向 に あ る。 学 生 は. 15.
(16) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). ペ ーパ ー試 験 の 準 備 だ けで な く、 採 用 試 験 の 面 接 に備 え て 面 接 の 練 習 を 繰 り返 し、 試 験 の 内容 に よ って は模 擬 授 業 の 練 習 も しな い と い けな い。 そ して 学 校 現 場 へ の ボ ラ ン テ ィ ア活 動 な ど に も在 学 中 に参 加 す る。 な お一 部 自治 体 で は、 現 役 の 大 学 生(主. に3年 生)を 相 手 に、 教 師 塾 な. どの 名 称 の 研 修 プ ロ グ ラ ムを 開 催 して い る。 この 研 修 は、 秋 ・冬 の 土 曜 日の 午 後 に毎 週 も し く は隔 週 で 開 か れ る場 合 が 多 い。 教 員 を採 用 す る教 育 委 員 会 が 自 ら主 催 す るの で あ るか ら、 積 極 的 に参 加 す る学 生 が 当然 な が ら結 構 い る。 研 修 に は準 備 も必 要 で あ る し、 会 場 まで の 往 復 の 時 間 もか か るの で 、 丸 一一日使 う よ う にな る。 だ か らこの 種 の 研 修 に参 加 す る学 生 は、3年 生 の 後 期 の 土 曜 日の 予 定 が 、 ほ ぼ埋 ま る こ と にな る。. (7)配 当 年 次 近 畿 大 学 で は2年 次 か らこの プ ロ グ ラ ム に学 生 を参 加 させ る こ と と した 。 表1(11頁)に す よ うに、1年. 次(大 学2年 在 学 時)に 教 職 に 関す る科 目8単 位(通 信8単. 示. 位)、 教 科 に 関 す. る科 目14単 位(通 信9単 位 、 面 接5単 位)の 計22単 位 、2年 次(大 学3年 在 学 時)に 教 職 に関 す る科 目20単 位(通 信11単 位 、 面 接9単 位)、3年. 次(大. 学4年 在 学 時)に 教 育 実 習3単. 位を. 履 修 す る配 当年 次 にな って い る。 最 終 学 年 の 配 当が 教 育 実 習 だ けで あ るの は、4年 次 に教 員 採 用 試 験 が あ る こ とを 考 慮 した た めで あ ろ う。 ま た1年 次 に2年 次 よ りも配 当単 位 を若 干 増 や して い るの も、 学 生 にで き るだ け 早 く単 位 を習 得 させ る た めの 配 慮 で あ る。 ま た教 科 に関 す る科 目を1年 次 に、 教 職 に関 す る科 目 の教 科 教 育 法9科. 目 をす べ て2年 次 に配 当 して い る。1年. 次 と2年 次 の配 当 科 目の 区分 は、. 分 か りや す い。. (8)定. 員. 最 初 に聖 徳 大 学 と提 携 した立 命 館 大 学 は、 プ ロ グ ラ ムの 定 員 は60名 で あ った 。 近 畿 大 学 の 場 合 も、 同程 度 の 定 員 を 期 待 して い た と こ ろ、 聖 徳 大 学 が 示 した プ ロ グ ラ ムの 定 員 はわ ず か20名 で あ っ た。 立 命 館 大 学 と近 畿 大 学 の 規 模 や 学 生 数 が ほ ぼ変 わ らな い こ とを 考 え る と、 これ は意 外 な 数 字 で あ る。 この プ ロ グ ラ ムの 提 携 に あ た り、 ス クー リン グ(17単 位)を 、 近 畿 大 学 の キ ャ ンパ スで 開 講 す る こ と を条 件 と して 近 畿 大 学 は 申 し入 れ た。 ス ク ー リ ングの 講 師 は、 聖 徳 大 学 の 専 任 も し く は非 常 勤 の 講 師 を恐 ら く派 遣 す る もの と思 わ れ る。 講 師 に支 払 う授 業 の 報 酬 に加 え て 、 東 京 と. 16.
(17) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. 大 阪 の 間 の 交 通 費 並 び に大 阪 で の 宿 泊 費 を 負 担 す る必 要 が 、 聖 徳 大 学 に生 じる。 そ の た め経 営 的 な 観 点 か らは、 受 講 生 を1人 で も増 や して 収 入 の 増 大 を 図 りた い と考 え る はず で あ る。 も ち ろん 教 育 上 の 観 点 か ら、 ス ク ー リ ングの 受 講 生 の 人 数 に上 限 を 定 め る必 要 も あ る。 しか しな が ら小 学 校 の 教 員 養 成 に お いて は、 ピア ノの レ ッス ン以 外 は、 特 に人 数 を 極 端 に少 人 数 に制 限 す る必 要 の あ る科 目 はな い。 設 備 、 教 室 の サ イ ズな ど を考 慮 に入 れ て も、30∼40名 程 度 の 受 講 生 を相 手 に ス ク ー リ ング(授 業)を 行 う こ と は、 十 分 に可 能 な はず で あ る。 恐 ら くは近 畿 大 学 との 提 携 を 交 渉 して い る段 階 で 、 他 の 大 学 の 併 習 学 生 を 近 畿 大 学 の キ ャ ン パ スで 同時 に受 講 させ よ う と、 聖 徳 大 学 の 担 当者 が 考 え て い たの で あ ろ う。2004年 度 に聖 徳 大 学 は、 近 畿 大 学 と 同時 に広 島修 道 大 学 か らも、 プ ロ グ ラ ムの 提 携 の 申 し入 れ を 受 けて いた 。 近 畿 大 学 の 定 員20名 と広 島修 道 大 学 の 定 員20名 を 合 計 す れ ば40名 とな り、1つ の 教 室 で ス クー リ ング を行 う 「適 正 規 模 」 にな る。 そ して 現 実 に2005年 度 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ム開 始 後 の 最 初 の 夏 期 ス ク ー リン グ(8月. 下 旬 に 開 講 、 科 目 は 「生 活1」)で. 、 広 島修 道 大 学 の 学 生 約15名 が大 阪. に宿 泊 を して 、 近 畿 大 学 の ス ク ー リン グ に参 加 した。 も ち ろ ん 例 え ば 両 大 学 と も に定 員 を 倍 に して 、 そ れ ぞ れ40名 の 定 員 を 与 え る こ と も可 能 で あ っ た。 そ うす れ ば学 生 が 支 払 う学 費 は倍 増 し、 大 学 の 収 入 が 増 え る こ と にな る。 しか し聖 徳 大 学 は、 その よ うな こ と は しな か っ た。 それ ゆえ 少 な くと も プ ロ グ ラ ム開 始 の 交 渉 に あた って い た2004年 当時 、 聖 徳 大 学 は この プ ロ グ ラ ム を ビジネ ス拡 大 の チ ャ ン ス と は と らえ て いな か っ た と思 わ れ る。 それ よ りも通 信 教 育 の 学 生 が 増 加 す る と、 レポー トの 採 点 枚 数 や 事 務 手 続 きな どの 業 務 が 膨 大 にな る恐 れ が あ る。 その こ とを 懸 念 す る教 職 員 が 、 聖 徳 大 学 の 内部 に いた の か も知 れ な い。. (9)学 ①. 費. 大 きな 負 担 学 費 が どれ だ けか か るの か は、 学 生 の プ ロ グ ラ ム参 加 を 決 定 す る大 変 重 要 な 要 素 で あ る。 私 立 大 学 に お いて は、 文 科 系 の 学 部 で は年 間 約100万 円、 理 科 系 の 学 部(除. 年 間 約150万 円程 度 の授 業 料(含. く医薬 系)で. は. む設 備 費 等)を 、 学 生(保 護 者)が 毎 年 納 付 して い る。. 多 くの 家 庭 に と って は、 これ だ けで 大 変 な 経 済 的 な 負 担 で あ る。 そ れ に加 え て 多 額 の 授 業 料 を通 信 教 育 の 学 費 と して あえ て 支 払 う家 庭 は、 それ ほ ど多 くはな い と考 え られ る。. 17.
(18) 近畿大学教育論叢. ②. 第21巻 第1号(2009・9). ス ク ー リ ング受 講 料 は倍 額 聖 徳 大 学 との 提 携 プ ロ グ ラ ムで は、 聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 の 正 科 生 及 び科 目等 履 修 生 が 支 払 う. の と原 則 同 じ料 金 を 支 払 う こ と にな っ た。 ただ しス ク ー リ ング につ いて は、 近 畿 大 学 に聖 徳 大 学 が 講 師 を派 遣 して 行 う こ とか ら、 割 高 な 料 金 を 聖 徳 大 学 は求 めて きた 。 千 葉 の 本 校 で 開 講 さ れ る本 校 ス クー リ ング の場 合 、 受 講 料 は1単 位 当 た り4,000円 ∼6,000円 で あ る。 しか し近 畿 大 学 で の ス ク ー リ ング は、 そ の約2倍. に当 た る1単 位 当 た り10,000円 の受 講 料 を、 聖 徳 大 学 は設. 定 して き た。 小 学 校 プ ロ グ ラ ムで は ス クー リン グの 取 得 単 位 数 が 合 計14単 位 で あ るか ら、 近 畿 大 学 の 学 生 は通 信 教 育 の一 般 生 の 倍 額 の、 約7万 ク ー リ ングで は、 約21日(3週. 円 割 高 な 受 講 料 を 払 う こ と に な る。 しか し14単 位 の ス. 間)の 授 業 を 受 け る こ と にな る。 聖 徳 大 学 本 校 で ス クー リン グ. を受 講 す る と首 都 圏 で 少 な くと も20泊 程 度 す る こ と にな る。 仮 に ビジネ ス ホ テル で 宿 泊 して1 泊 当 た り5千 円宿 泊 費 を 支 払 う とす る と、 それ だ けで10万 円 にな る。 も ち ろん 東 京 まで 何 回 か 往 復 す る こ と にな る。 その 分 の 交 通 費 もか か る。 この よ うな 事 情 を 考 慮 す る と、 結 局 の と こ ろ 恐 ら く5万 円∼10万 円 ぐ らい費 用 が 、 近 畿 大 学 の 学 生 に と って 割 安 にな った の で はな いだ ろ う か。. ③. 費 用 総 額 は、60万 円弱? プ ロ グ ラ ム参 加 希 望 者 に配 布 す る要 項 で は、 プ ロ グ ラ ム参 加 に よ り支 払 う費 用(聖 徳 大 学 に. 振 り込 む額)の 検 定 料1万. 概 算 を 示 して い る(表2参. 円、 入 学 金 ・登 録 料 が5万. 14万 円、 科 目終 了 試 験 の 受 験 料9千. 照)。 そ れ に よ る と総 額56万3千. 円、 受 講 料(全 科 目)29万4千. 円 で あ る。 内 訳 は. 円、 ス クー リン グ受 講 料. 円、 課 程 履 修 費(教 育 実 習 費 を 含 む)6万. 円で あ る。 他 大. 学 の 通 信 教 育 で 小 学 校 教 諭 の 一 種 免 許 を 取 得 す る場 合 の 納 付 額 に比 べ て 、 特 に高 くも低 くもな いQ これ 以 外 に もス クー リン グの 教 材 の 購 入 費 、 レポー トの 郵 送 料 等 が か か る。 科 目終 了 試 験 は、 不 合 格 ま た は未 受 験 の 場 合 、 再 受 験 す る こ と に1回 あ た り千 円が 追 加 され る。 ス クー リン グ も 未 受 講 か も し くは不 合 格 にな る と、 再 度 受 講 が 必 要 とな り、1単 位 あた り1万 円の 追 加 支 出が い る。 けれ ど もス クー リン グの 教 材 に高 額 な 書 籍 を 指 定 され な い限 り、 ス クー リン グの 単 位 を 落 と して 追 加 の 受 講 料 を 支 払 わ な けれ ば、 万 円単 位 の 高 額 な 追 加 支 出 はな い よ うで あ る。 また 全 ス ク ー リ ング を近 畿 大 学 で 開 講 す るの で 、 千 葉 県 松 戸 市 に あ る聖 徳 大 学 の 本 校 に、 わ ざわ ざ. 18.
(19) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」一 そ の2:近. 表2小 項. 費. 目. 学 校 プ ログ ラ ム の 費 用 概 算(近 畿 大 学). 用. 検定料. 10,000円. 入 学 金 ・登 録 料. 50,000円. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラム の 発 足 一. 算. 定. 基. 準. 備. 考. 近畿大学卒業後は、登 録料の追加納付が必要. 受講料. 294,000円. (1単. 位 当 た り)7,000円. ×42単 位. ス クー リン グ受 講 料. 140,000円. (1単. 位 当 た り)10,000円. ×14単 位. (1科. 目 当 た り)1,000円. ×9科. 一部教科では教材費が. 科 目終了試験受験料. 9,000円. 課程履修費. 目. 未 受 験 又 は不 合 格 の 場 合は、再度納付. 実習費を含む. 60,000円. 合計費用. 別途必要. 563,000円. その他の追加費用. ス ク ー リ ン グ の 教 材 費 、 レ ポ ー トの 郵 送 料. 出典:「 平 成18年 度. 小 学 校 教 諭 一 種 免 許 取 得 プ ロ グ ラ ム』 近 畿 大 学 教 職 教 育 部. ス ク ー リ ン グを 受 講 しに 出 向 く必 要 が な い。 もち ろ ん通 信 科 目の レポ ー トを 作 成 す る た め に、 書 籍 を購 入 す る必 要 も あ るだ ろ う。 しか し10冊 以 上 を購 入 す る こ とな どな けれ ば、 多 くと も2 ∼3万. 円以 内で 済 む 。 以 上 の 点 を 考 慮 す る と、 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 は、 規 定 の3年 間 で. 免 許 を取 得 で きれ ば(こ の場 合 追加 の 登録 料 を 支 払 う必 要 が な い)、 まず60万 円弱 の 費 用 で 小 学 校 教 諭 一 種 免 許 を取 得 で き る こ と にな る。. ④. 学費の納入時期 概 算 費 用56万3千. 千 円程 度 、3年. 円の 支 払 い時 期 と納 入 額 の 内訳 は、1年. 円程 度 、2年. 目23万1. 目1万 円程 度 と予 想 され た。 特 に1年 目の プ ロ グ ラ ム参 加 時 まで に、 検 定 料1. 万 円、 入 学 金 ・登 録 料5万 万4千. 目32万2千. 円)15万4千. 円、 受 講 料(1年. 円、 課 程 履 修 費6万. 目 に履 修 す る単 位22単 位 分:7千. 円、 以 上 合 計27万4千. 円 ×22単 位=15. 円 を支 払 わ な い とい け な い。. 「受 講 料 」 の納 付 につ い て は、 聖 徳 大 学 が先 取 りを して不 当 に取 り得 を して い る部 分 が あ る。 特 に プ ロ グ ラ ム に参 加 した学 生 が 学 習 を ほ とん どせ ず に 中途 で や め る場 合 は、 聖 徳 大 学 は テキ ス トと機 関 誌(聖 徳 大 学 の 通 信 教 育 部 は、 機 関 誌 「聖 徳 通 信 」 を毎 月 刊 行 して 在 学 生 に送 付 し て い る)を 送 付 す るだ けで 済 み 、 レポー トの 採 点 を す る必 要 が な い。 レポー トの 採 点 者 に払 う はず の 採 点 料 を、 学 習 を しな いで や め た学 生 の 場 合 は一 切 支 払 わ な くて 済 む 。 そ の 分 大 学 は収 支 の 上 で は助 か る し、 学 生 は払 い損 にな る。 「ス クー リ ング受 講 料 」 と 「科 目終 了試 験 受 講 料 」. 19.
(20) 近畿大学教育論叢. 第21巻 第1号(2009・9). は、 受 講 ま た は受 験 の 申 し込 み 時 に徴 収 す るの で 、 大 学 の 取 り得 と学 生 の 払 い損 は ほ とん ど生 じな い。 ま た訳 の 分 か らな い 「課 程 履 修 費 」 と い う費 目 は、 実 質 教 育 実 習 費 と考 え る こ とが で き る。 通 信 教 育 は 中途 で や め る学 生 が 結 構 多 いの で 、 か な りの 数 の 学 生 が 、 最 終 学 年 に行 わ れ る教 育 実 習 に は結 局 参 加 しな い。 教 育 サ ー ビスの 対 価 の か な りの 分 を プ ロ グ ラ ム参 加 時 に前 取 り徴 収 を して 、 しか も 中途 で や め る学 生 に は払 い戻 しな ど しな いだ ろ うか ら、 学 費 の 適 切 な 徴 収 と い う観 点 か らは、 聖 徳 大 学 の 学 費 の 納 付 時 期 に は大 い に疑 問 が 残 る。 中途 退 学(辞 退)の 学 生 が 多 けれ ば、 皮 肉な こ と に通 信 教 育 が 儲 か る仕 組 み にな って い るの で あ る。. ⑤. アル バ イ ト代 で 学 費 を 賄 うの は事 実 上 困 難 ま た前 述 の 通 り27万4千. 円 もの 高 額 な 学 費 を 、 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 は、 プ ロ グ ラ ム開. 始 時 に一 括 納 入 しな い と い けな い。 これ は保 護 者 が 学 費 を支 払 って くれ な い学 生 の プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 を、 事 実 上 不 可 能 に して い る。 も ち ろん 大 学4年 間 で 、 約60万 円の 学 費 を アル バ イ ト 代 で 支 払 う こ と も十 分 可 能 で あ る。 しか しこの プ ロ グ ラ ムの ガ イ ダ ン ス は、 近 畿 大 学 の 場 合1 年 生 の12月 に行 って い る。 学 費 の 納 入 の 額 と時 期 につ いて 、 その と き学 生 は初 めて 知 る こ と に な る。 上 記 の 学 費 を 大 体 プ ロ グ ラ ム開 始 の 直 前 の3月 か ら4月 にか けて 支 払 わ な い と い けな い の で 、 保 護 者 が 学 費 を 一切 支 払 わ な い学 生 の 場 合 、 わ ず か3ケ 月 間 で30万 円近 い金 額 を 工 面 す る必 要 が 生 じる。 親 が 通 信 教 育 の 学 費 を支 払 わ な い学 生 の 場 合 、 家 庭 に経 済 的 ゆ と りが な く日 頃 の 学 生 生 活 も切 りつ めて 生 活 して い る場 合 が 多 い。 学 生 個 人 に は貯 蓄 な ど は ほ とん どな いだ ろ う。 それ ゆえ 短 期 間 に30万 円近 くの 金 額 な ど は到 底 工 面 で きず 、 事 実 上 通 信 教 育 プ ロ グ ラ ム の 学 費 の 支 払 いが で きな い。 ま た他 大 学(聖 徳 大 学)の 学 費 を支 払 うた め に、 近 畿 大 学 が 奨 学 金 を支 給 した り通 信 教 育 の 学 費 の 免 除 を す る こ と も 当然 な い。 だ か ら小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る に は、 親 の 理 解 と学 費 の 支 払 いが 絶 対 に必 要 とな る。. ⑩. 応募資格 プ ロ グ ラ ム に 出願 す る学 生 に対 して 、 事 務 局 は次 の6つ の 条 件 を す べ て 満 た す こ とを 募 集 要. 項 に明 記 した。 以 下 要 項 の 記 述 を その ま ま引 用 す る。. ①. 近 畿 大 学 の 法 学 部 、 経 済 学 部 、 経 営 学 部 、 理 工 学 部 、 薬 学 部 、 文 芸 学 部 、 農 学 部 にお い て 、1年 次 に在 籍 す る者 。. 20.
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