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JAIST Repository: 研究開発投資の最適選択理論の検討

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

研究開発投資の最適選択理論の検討

Author(s)

渡辺, 千仭

Citation

年次学術大会講演要旨集, 15: 102-105

Issue Date

2000-10-21

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5832

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

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研究開発投資の 最適選択理論の 検討

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渡辺 千何 ( 東工大社会理工学 ) 1. 序 論 それを無審査で 容認してきた。 米国が直接資本市場からの 収益性 に対する圧力を 背景に研究開発投資の 生産性や収益性の 評価を かってカルドア (1962) は「成長こそ 最大の技術進歩要因であ 徹底的に行い、 それが選択と 集中の共存をもとに 今日 ff) ニュー エ る 」と指摘した。 技術進歩が戦後の 我が国の成長 ff) 原動力とな コノミ一の基盤となる 創造性と効率性が 両立した産業構造を 実 り、 競争力の源泉をなしたことは 論を待たない。 これは 2@ 世 現した,のと 好 対照であ る。 紀 においてもしかりであ る。 今日、 低成長化に直面し、 また 本稿は、 以上 00 問題意識に立脚して、 最適化理論をべ ー ス とす 高齢化やエネルギー・ 環境制約等各種成長制約の 強まる中、 低 る 研究開発投資の 最適選択理論について 検討する。 第 2 章で分析 成長・技術進歩の 停滞の悪循環の 輪を断ち切るためには 持続的 のフレームワークを 示し、 それを第 3 章で具体的に 実践する。 そ な 技術開発努力が 必要不可欠であ る。 の 結果に基づき、 第 4 章で考察を集約する。 政府は過去の 5 年間で 17 兆円を科学技術に 投資した。 1990 年代のロストディケード と 軌を一にして 低迷した産業の 研究開 2, 分析フレームワーク 発 投資も景気の 復調と共にようやく 回復軌道を示すに 至った。 研究開発投資規模で 見る限り我が 国は文字通り 技術大国であ 2.1 研究開発投資 く I) に 来た。 それは、 第 1 に 力ル ドアの法則に 従った高成長 故 の 技 ) 術 進歩により研究開発投資の 生産性も高いものとの 錯覚が横 技術ストックは 次のように表される (2) く 3)

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ぬ (6) 2.2 新技術商品化の 便益 以上の研究開発投資により、 垢 時点から新技術の 商品化が始ま り 、 同商品の市場の 評価が行われる。 そ or 結果、 ヒット商品の 例

に 見られるよ う に、 当初の売り上げ 想定 S" な はるかに越えた

「成功売り上げ」塊が 期待される場合もあ る。 「成功売り上げ」

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以上の最適軌道関数を 用いて、 1975- 1996 の期間の日本の 製造業代表業種の 研究開発強度 (GDP 当たり研究開発費 ) の 最適レベルと 実績の推移を 比較検証した 結果は図 3 に示す通 りであ る。 図 3 を見ると、 日本の製造業の 研究開発強度は、 1980 年代 央 までは、 最適レベルをはるかに 下回っていたことがわかる。 こ のインバランスは、 たゆまぬ研究開発強度上昇努力等の 結果 着 実に減少し続け、 1980 年代 央 にはほ ほ 最適レベルに 等しいレベ ルに改善するに 至った。 しかし、 バブル経済の 期間に再び逆転 し、 最適レベルより 数 % 低いレベルに 転じた。 この傾向はバブ ル崩壊後も続き、 インバランスは 更に拡大するに 至っている。 主要業種について 見ると、 化学及び電気機械のハイテク 業種 は、 1980 年代以降一貫して 最適レベルを 大きく上回る 研究開発 強度を維持しているが、 それと 好 対照に食料品に 見られるロー テク業種は、 最適レベルをはるかに 下回るレベルにとどまって いることが伺われる。 画業種の好対照は、 ハイテク業種におい ては、 研究開発投資が 収益最大化に 決定的役割を 果たしている のに対し、 ローテク業種においては、 生産投資の方が 重要な役 割を果たしていること 及びハイテク 業種からの技術スピル オ 一 バーへの依存を 示唆するものであ る。

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l975 19 Ⅰ 1979 1 ㏄ ' 何 63 %85 。 ㏄ 7 %89 1 ㏄。 ' ㏄ 3 % ㏄ 一方、 化学、 電気機械の 2 大八イテク業種が 一頁して最適レベ ルを上回る研究開発強度を 維持している 背景には、 イノベーショ ン製品を持続的に 生み出すために 必要不可欠な 部分と同時に、 厳 しい企業間競争の 中で競争相手を 牽制したり、 顧客に対し、 ハイ テクイメージを 植え付けたりする 上で必要な、 ハイテク業種に 固 有な「疑似研究開発強度」 (PseudoR&Dintensity) 部分も含まれ ているものと 思われる 4 。 この割合はバブル 崩壊後低下を 示して いるが、 これについては、 「投資の合理化」という 面と「リスク 不確実性に対するセキュリティ 係数の安易な 削減」という 面の両 面についてさらに 掘り下げた評価・ 検証が必要であ る。 3.3 スピルオーバー 技術の最適活用 グローバル経済化や 情報化の急速な 進展は技術の 国境を越え た スピルオーバーを 加速的に進める。 他方、 技術開発のコストや リスクの高まりの 中で、 自前による開発の 限界が現れつっあ る。 このような中で、 スピルオーバー 技術の効果的活用が 競争力の決 め手になりつつあ る。 スピルオーバー 技術の効果的活用はそれを 認識・峻別・ 吸収・ 体 化する能力すなわち 同化能力 (Assim Ⅱ ation capacity) に依存する。 同化能力は、 同化をねら ぅ 技術との接近 度 (Prox@@ty) に大きく関係し、 それは自らが 有する同関連分野 の技術ストックに 依存し、 それは研究開発強度や 研究開発の多角 化に大きく関係する。 自前による開発の 限界の脱却を 効果的に進 めるためには 相応の自前の 研究開発強度が 必要であ り、 それが実 行されれば、 同化能力の向上 づ スピルオーバー 技術の効果的活用 づ 成長 づ 研究開発強度の 向上の好循環が 期待される。 この因縁関 係も最適化のイシュ 一であ る。 また、 同化能力の向上に 大きく関 係する多角化も 過度に過ぎるとコアコンピタンスを 喪失し、 競争 力をそぐことになりかれない。 これも同様に 最適化のイシュ 一で あ る。 かくのごとくスピルオーバー 技術の最適活用は 図 4 に示すよ うに、 3.2 で見た研究開発投資軌道の 上昇と失速の 岐路を擁する 研究開発投資の 最適選択の重要な 課題であ る,。

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を 越えると逆に 減少することを 示している。 これは過度の 多角化 によるコアコンピタンスの 喪失によるものであ る。 また、 適正 領 域 より下の領域においては、 逆にニッチを 追求した特化が 同化 能 力 を高めることになることを 示している 7 。 以上はいずれも、 研究開発投資の 最適選択を検討する 上で、 ス ピルオーバー 技術活用の最適化黍道を 追求することが 決定的に 重要であ ることを示すものであ

る。

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Pharm も ceu 荻 c 卸 F け m ち (1991-1994) 乃の技術ストックを 有する企業が、 刀巧 ⅠⅡからなる 同種 技術ストックのスピルオーバープールから 巧技術を同化する 能力は、 図 5 のように示される 6 。 この関係に立脚して、 際だってハイテク 性の高い医薬品製造 業について、 先に見た研究開発強度、 同化能力、 生産 ( 売上 ) の「因縁関係」について 理論・実証両面から 検証した結果は 図 6 、 7 に示すとおりであ る。 図 6 から伺われるよ う に、 同化能力 の向上は売り 上げの増大に 繋がる。 従って、 製薬各社は同化能 力の向上を目指して 自前の研究開発強度の 向上に勤しむこと になり、 これが同業種の 研究開発強度を 際だって高いものとす る要因ともなっている。 しかし、 図 7 は、 製薬大手と称される トップ 9 社はその規模に 応じて高い同化能力を 有しているが それは必ずしもそれ 以下の規模の 各社のように 自前の研究開

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4, 考 察 低成長・技術進歩の 停滞の悪循環の 輪を断ち切るためには 持続 的な技術開発努力が 必要不可欠であ る。 これは研究開発投資の 増 大もさることながらその 生産性の向上を 前提に行う必、 要があ る。 しかし、 我が国においては 官民ともにこのような 問題に対するア カウンタビリテ ィ が極めて希薄であ る。 これと 好 対照に米国では 直接資本市場からの 収益性に対する 圧力を背景に 研究開発投資 の 生産性や収益性の 評価が徹底的に 行なわれ、 それが創造性と 効 率性が両立した 産業構造を実現し、 それは更なる 高生産性・収益 性の研究開発投資を 促す 好 循環を形成している。 技術立国が我が 国の必然的選択であ ることを考えれば、 我が国にこのような 面の 好循環構造を 構築することはいわば 歴史の必然であ る。 本稿はこ の ょう な問題意識に 基づき、 最適化理論をべ ー スとする研究開発 投資の最適選択理論の 検討を行い、 日本の製造業代表業種を 対象 に、 最適研究開発投資軌道及びスピルオーバー 技術の最適活用に ついて、 実践的な適用を 試みた。 その結果、 研究開発投資選択に おいて従来看過されていたいく っ かの重要な視点を 浮き彫りに することが出来た。 今後、 引き続き、 更なる広範かっ 実践的な適用を 視座に据えた 分析手法の発展、 その実際的適用の 拡大と適用結果のフィードバ ック 等が課題となる。

参考文献

A ・ M ・ Tarasyev‖nd C ・ Watanabe, "Optimal Control ofヽ&D Investment in a

Techno , Metabolic@System , "@IIASA@Interim@Report , IR-99-01@(1999) [2@ A. M. T 領 ㏄ yev and C 。 Dynamic Model of 錘 Ⅱ m,l

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[4]@ A . M . Tarasyev@ and@ C . Watanabe,@ "Dynami 8@ Optim8iy@ Prin0p@ s@ i Investment@Probl m , Optimal,ontrol、pplications‖nd`ethods・

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参照

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