第17回群馬県 CT・MRI研究会
日 時:平成 28年 9月 10日
会 場:群馬大学医学部臨床中講堂
当番世話人:須藤 高行(群馬大医・附属病院・放射線部)
共 催:群馬県 CT・MRI研究会/群馬県診療放射線技師会/エーザイ株式会社
セッション >
座長:武田 久(伊勢崎市民病院 中央放射線科)
1.CT検査における腎機能障害患者の造影剤腎症の発生
と危険因子
福島 康宏,宮澤 仁美,中村 潤平
福田 淳也,須藤 高行
(群馬大医・附属病院・放射線部)
対馬 義人
(群馬大院・医・放射線診断核医学)
【目 的】 腎機能障害患者の造影 CT検査による造影剤腎
症 (contrast-induced nephropathy;CIN)の発生について後
ろ向きに調査し,その危険因子について検討した.【方
法】 2011年 1月 1日から 2016年 3月 31日の間に,検査
前の推算糸球体濾過量 (eGFR)<60 ml/min/1.73 mであ
り,ヨード量 420または 480 mgI/kgで造影 CT検査を実施
した入院患者 337例を対象とした.対象患者の造影 CT検
査前と造影後 3日以内の最も高い血清クレアチニン (SCr)
値を調べ,CIN(72時間以内に SCr値が前値より 0.5 mg/dl
以上または 25%以上増加)の発生頻度を求めた.CINの危
険因子として,中・高度腎機能低下 (eGFR<30および 45)
の有無,高齢 (70歳以上),糖尿病の有無,補液の有無,心疾
患の有無 (心エコーの左室駆出率 60%未満),ICU入室の有
無を調べた.CINの発生と危険因子の関連を Fisherの正確
確率検定で評価し,有意だった危険因子でロジスティック
回帰 析を行った.有意水準は p<0.05とした.【結 果】
造影 CT検査後, 3日以内に腎機能検査が行われた患者は
216/337例 (64.1%)で,CINは 11/216例 (5.1%)であった.
CINの発生との関連は,中・高度腎機能低下,高齢,糖尿病,
補液では認められず,心疾患の存在と ICU入室が有意で
あった. ロジスティック回帰 析の結果は心疾患の存在
(オッズ比 6.540, 95%信頼区間 1.090−39.300,p=0.040),
ICU入室 (オッズ比 11.500, 95%信頼区間 2.050−64.100,
p=0.005)であった.【結 論】 CINの発生と中・高度腎
機能低下の存在との間には意外にも関連性が認められず,
心疾患の存在と ICU入室が危険因子であった.
2.CTヨード造影剤の急速静注時に感じる匂いと味につ
いて
山口 直人,福島 康宏,福田 淳也
須藤 高行(群馬大医・附属病院・放射線部)
山口 藍子(群馬大院・医・
バイオイメージング情報解析学)
対馬 義人
(群馬大院・医・放射線診断核医学)
【目 的】 造影 CT検査におけるヨード造影剤急速静注時
に患者が感じる匂いと味について,その発生頻度と原因に
ついて検討することである.【方 法】 比較した造影剤
はイオプ ロ ミ ド (富 士 フィル ム RIファーマ),イ オ メ プ
ロール (エーザイ),イオパミドール (バイエル薬品),イオ
ヘキソール (第一三共),イオベルソール (富士製薬)であ
る.まず造影剤を直接嗅ぎ,匂いの有無を調べた.次に造影
剤静注時に感じた匂いと味の有無とその種類を患者に質問
した.対象は当院で造影 CT検査 (600 mgI/kg)を行った患
者連続 737名とした. さらに造影剤の親水性に関与する
OH基の数が匂いと味の有無にも関与するのかどうかを検
証した.統計解析には Fisherの正確確率検定で多重比較を
行った.有意水準は p<0.05とした.【結 果】 イオプロ
ミドのみ直接匂いを感じたが,これはエーテル基が含まれ
るためである.静注時に匂いあるいは味を感じた頻度はイ
オプロミドが最も高く,味は 24.3%で匂いは 18.9%であっ
た.その他の造影剤では差がなかった.OH基が少ないほど
匂いと味を感じる頻度が高かった.匂いの種類で最も多い
のがアルコール (39%)で,味では苦味 (55%)であった.匂
いと味を感じることと急性副作用の発生には明確な関係を
見出せなかった.【結 論】 造影剤の種類によって患者
が匂いまたは味を感じる頻度には差があり,イオプロミド
に最も高頻度に認められた.この違いは造影剤のエーテル
基と親水性の違いによると推定された.
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抄 録
2017;67:67∼69