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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 成熟産業に所属する政府企業株式上場(IPO)と技術経 営 Author(s) 矢野, 博之 Citation 年次学術大会講演要旨集, 28: 54-57 Issue Date 2013-11-02Type Conference Paper
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URL http://hdl.handle.net/10119/11665
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成熟産業に所属する政府企業株式上場(IPO)と技術経営
○矢野博之(財務省主計局) 1. 序論 こ れ ま で 独 占 的 経 営 を 行 っ て き た 政 府 企 業 が 民 間 活 力 の 活 用 や 効 率 的 な 企 業 経 営 を 目 指 し て 民 営 化 さ れ 、 そ の 最 終 目 標 と し て 株 式 上 場 ( IPO) が 行 わ れ て き た ( NTT,JR,JT 等 )。 ま た 最 近 は 、 JAL の よ う に 倒 産 等 で 一 旦 国 有 化 さ れ た 企 業 が 企 業 再 生 の 最 終 目 標 で 株 式 上 場( IPO) さ れ る 例 も あ る 。一 方 で 、民 営 化 は し た も の の 業 績 が 長 く 低 迷 し た ま ま 推 移 し 、株 式 上 場 ま で た ど り 着 け な い 場 合 も あ る( JR 三 島 貨 物 会 社1)。 こ の よ う な 問 題 を 解 決 す る に は ど の よ う な 有 効 な 手 法( 技 術 経 営 )が 考 え ら れ る の か 。成 熟 産 業 に 所 属 す る 2 つ の 企 業 ( NTT、 JR) を 対 比 し て 企 業 の 成 長 ス テ ー ジ 、会 社 分 割 と 株 式 上 場 の 関 係 、経 営 環 境( 競 争 、独 占 )等 か ら 分 析 し 、 有 効 な 技 術 経 営 に つ い て 考 察 す る 。 2. 方法 3. で日本の主な会社の成長ステー ジ を俯 瞰 し、 分 析 対 象 と す る 2 社 (NTT、JR)のポジショニ ン グ を 確 認 す る 。4.で旧 NTT の会社分割と株式 上 場 の 関 係 、5.で旧国鉄の会社分割と株式上場 の 関 係 を 分 析 し 、そ の 相 違 を 可 視 化 す る 。そ の 上 で 6.で技術経営を展開する NTT を比較対象 モ デ ル と し て 考 察 し 、JR 三島貨物会社への応用 可 能 性 に つ い て ま と め る こ と と し た い 。 3.日本の主な会社の成長ステージと若返り 【 図 表 1 】は 、主 な 会 社 の 成 長 ス テ ー ジ を 表 現 し た も の で あ る 。全 国 の 上 場 企 業 2,418 社(2013 年 度 決 算( 予 ))を 人 間 の 成 長 に な ぞ ら え て「 離 陸 期 」「 成 長 期 」「 安 定 成 長 期 」「 成 熟 期 」 に 分 類 し た も の で あ る 。2013 年度決算(予)を基に ( = 過 去 5 ヶ年遡及し統計処理)計算した経営 1 JR 北 海 道 、 JR 四 国 、 JR 九 州 及 び JR 貨 物 を 指 す 。 財 務 指 標( ① 増 収 率 ② 自 己 資 本 経 常 利 益 率 ③ 総 資 産 経 常 利 益 率 )を も と に 各 業 種 別 に ラ ン キ ン グ を 行 い 、全 体 の 中 央 に 位 置 す る 企 業 を 安 定 成 長 期 の 入 口 に 置 い た も の で あ る 。 そ の 結 果 、 全 体 的 に 赤 点 枠 に あ る 通 り 、 通 信 ・ ネ ッ ト 業 界 は 「 離 陸 期 」「 成 長 期 」 に 位 置 す る 企 業 が 多 く 、成 長 ス テ ー ジ は 若 い 。NTT は 唯 一 安 定 成 長 期 の 入 口 に 位 置 す る 。一 方 、J R が 所 属 す る 運 輸 業 界 で あ る が 、青 点 枠 に あ る 通 り そ の ほ と ん ど が「 安 定 成 長 期 」に 所 属 し 、元 祖 LCC のスカイマークが唯一成長期の入口と い う 若 い ス テ ー ジ に 位 置 す る 。J R 各 社 は 、J R 東 海 が「 安 定 成 長 期 」の 入 口 に 位 置 し 、J R 東 日 本 は 「 安 定 成 長 期 」 の 真 ん 中 に 位 置 す る 。 J R 三 島 貨 物 会 社 は 、こ の 表 に は 記 載 さ れ て い な い が 、安 定 成 長 期 の 後 方 又 は 成 熟 期 に 属 す る と 考 え ら れ る 。 富士重★ ★ ★トヨタ ★デンソー ★日産自 ★三菱自 ★スズキ ★ホンダ マツダ ★ ★ キーエンス★ ★村田製 ★東芝 任天堂★★シャープ★パナソニック 日電産★ ★キャノン ★ニコン ★日立 カカクコム ★ガンホー ★ ヤフー★★WNIウェザ KDDI ★ ★NTT ★一休 NTTドコモ★ ★ソフトB 楽天 ★ ユニチャーム 花王 ★エムスリー ★ ★ ★第一三共 ★Dr.シーラボ 沢井★ アステラス★★武田 ★ピジョン ★エーザイ ファストリ★★Uアローズ ★ローソン ★ヤマダ電 ★高島屋 ★ニトリHD ★イオン ★セブン&アイ ★スカイマーク ★ヤマトHD ★JR東 ★★郵船 ★JR東海 ★日通 ★東急 ★ANA ユーグレナ ゼンショー ★ ★ ★伊藤園 ★スターバクス ★マック ★キリンHD ★アサヒ 食品・外食 成熟期 医療・生活 自動車・部 品 電機・精密 通信・ネット 離陸期 小売り 運輸 成長期 安定成長期 主な会社の成長ステージ(2013年度時点) 【出所】日本経済新聞(2013年8月25日付朝刊記事)を抜粋 【図表1】 【 図 表 2 】は 経 営 革 新 を 進 め て 、企 業 が 若 返 り す る こ と を 示 し て い る 。【 図 表 1 】 は 、2013 年 度 決 算( 予 )を 基 に( = 過 去 5 ヶ年遡及し統計 処 理 )企 業 の 成 長 ス テ ー ジ を ラ ン キ ン グ し プ ロ ッ ト し た も の で あ る が 、2008 年度のリーマンショ ッ ク 前 の 2007 年度(=過去 5 ヶ年遡及し統 計 処 理 )と 対 比 し て そ の 変 化 の 度 合 い を 表 現 し た も の で あ る 。 【図表2】 多 く の 企 業 の 成 長 ス テ ー ジ ① 離 陸 期 ② 成 長 期 ③ 安 定 成 長 期 ④ 成 熟 期 IHI 三菱自動車 若返り 富士重工、オリ エンラルランド サンリオ ファストリ パナソニック 郵船 成熟化 2007年度 2013年度 【例】 【出所】日本経済新聞記事(2013年8月25日付朝刊) こ の 表 に よ る と 、パ ナ ソ ニ ッ ク や 日 本 郵 船 な ど 成 熟 化 が 進 展 す る 企 業 が あ る 反 面 、「 成 熟 期 」 に い た IHI や三菱自動車が逆に「安定成長期」 に 若 返 っ た 例 や「 安 定 成 長 期 」に い た 富 士 重 工 業 や オ リ エ ン タ ル ラ ン ド が「 成 長 期 」に 若 返 っ た 例 が 読 み 取 れ る 。 し た が っ て 、そ の 多 く の 企 業 が「 安 定 成 長 期 」 に い る J R 三 島 貨 物 会 社 が 所 属 す る 運 輸 業 に つ い て も 経 営 革 新 を 進 め て い け ば 、よ り 成 長 力 や 収 益 力 を 高 め 、よ り 若 い 成 長 ス テ ー ジ に 移 行 で き る 可 能 性 を 示 唆 し て い る と い え る 。 4. 旧NTT 民営化と株式上場について ( 1 ) 機 能 分 割 と 地 域 分 割 か つ て 政 府 が 独 占 し て い た 電 気 通 信 事 業 は 、日 本 電 信 電 話 公 社 が 1985 年民営化され、NTT と な り 自 由 競 争 が 可 能 と な っ た 。 翌 1986 年(昭 和 61 年)に同社は株式上場し政府が保有して い た 株 式 は 公 開 さ れ る こ と に な っ た 。た だ 、民 営 化 さ れ た と は い え 、そ の 事 業 範 囲 の 広 大 さ と 経 済 へ の 影 響 力 の 大 き さ か ら 組 織 形 態・規 模 に つ い て 引 き 続 き 検 討 さ れ 、紆 余 曲 折 の 結 果 、結 局 、本 体 は 持 株 会 社 へ 移 行 し 、現 在 の NTT グル ー プ と な っ た 。 よ り 詳 細 に 具 体 的 に 敷 衍 す る と 以 下 の 通 り 。 電 気 通 信 市 場 が 民 営 化・自 由 化 さ れ 、こ れ ま で 政 府 が 独 占 し て い た 市 場 が 透 明 性 高 く 、活 力 あ る 競 争 性 の あ る 市 場 に 変 貌 で き た か ど う か が 問 わ れ る が 、ポ イ ン ト と し て は ① 新 規 算 入 す る 民 間 企 業 が 何 社 か 出 現 で き る く ら い 参 入 障 壁 が 十 分 下 げ ら れ て い る か ど う か( = 供 給 者 側 の 視 点 )② こ れ ま で の 独 占 価 格 の 低 下 や 創 意 工 夫 あ ふ れ る 安 価 で 質 の 高 い 商 品 や サ ー ビ ス が 提 供 さ れ る よ う に な っ た か ( = 消 費 者 側 の 視 点 ) こ れ ら の 点 が 審 議 さ れ 、1997 年には、独占禁止 法 が 改 正 さ れ て 持 株 会 社 が 解 禁 さ れ た の を 契 機 に NTT は NTT グループの持株会社に移行し た 。 NTT 株式上場後、その組織がどのように分割 さ れ て き た の か を 分 析 し た も の が【 図 表 3 】で あ る 。普 通 の 民 間 企 業 と 互 角 に 自 由 競 争 で き る か ど う か の 条 件 整 備 ( = イ コ ー ル フ ッ テ ィ ン グ )を 考 慮 し な が ら 会 社 の 事 業 範 囲 を 限 定 し て い く こ と に な る が 、以 下 は 、そ の 会 社 分 割 を 地 域 分 割 と 機 能 分 割 に 分 け て 分 析 し た も の で あ る 。 機能統一 地域分割 全国統一 機能分割 旧NTT民営化(地域分割と機能分割)と株式上場の関係について NTT 東日本 NTT 西日本 地域分割 地 域 通 信 事 業 デ ー タ 通 信 事 業 N T T コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ ( 株 ) N T T デ ー タ ( 株 ) 移 動 体 通 信 事 業 旧N T T N T T ド コ モ ( 株 ) 新 事 業 開 拓 N T T フ ァ イ ナ ン ス ( 株 ) 、 N T T 都 市 開 発 ( 株 ) 子会社上場 上場 長 距 離 ・ 国 際 通 信 事 業 経 営 資 源 活 用 会 社 N T T コ ム ウ ェ ア ( 株 ) ・ ( 株 ) N T T フ ァ シ リ テ ィ ー 機 能 分 割 子会社上場 【図表3】 【出所】筆者作成 (凡例) ★親会社上場 ★子会社上場 未上場 縦 軸 に 機 能 統 一 ( 上 ) と 機 能 分 割 ( 下 )、 横 軸 に 地 域 分 割 ( 左 ) と 全 国 統 一 ( 右 ) を と る 。 も と も と の 旧 NTT は機能的には、①地域通信事 業 ② 長 距 離・国 際 通 信 事 業 ③ デ ー タ 通 信 事 業 ④ 移 動 体 通 信 事 業 ⑤ 経 営 資 源 活 用 ⑥ 新 事 業 開 拓 の 6 分 類 さ れ る 。こ れ が 分 割・子 会 社 化 さ れ る こ と に な る で あ る が 、① は 、地 域 分 割 す な わ ち NTT 東日本、NTT 西日本の2社に分割され(第 Ⅱ 象 限 )、 ② ~ ⑥ は 機 能 分 割 さ れ る 。 そ れ ぞ れ ② は NTT コミュニケーションズ(株)③は NTT デ ー タ ( 株 ) ④ は NTT ドコモ(株)⑤は NTT
コ ム ウ ェ ア( 株 )、( 株 )NTT ファシリティーな ど ⑥ は NTT ファイナンス(株)、NTT 都市開発 ( 株 ) 等 で あ る ( 第 Ⅳ 象 限 )。 こ の う ち NTT デ ー タ( 株 )、NTT ドコモ(株)及び NTT 都市開 発 ( 株 ) の 3 社 は 子 会 社 上 場 を 果 た し て い る 。 特 長 的 な こ と は 、分 割 の 方 法 は 機 能 分 割 が 多 用 さ れ 、地 域 分 割 は 1 つ し か な く 、NTT は持株会 社 に 移 行 し 、 競 争 力 を 保 持 し て い る 。 5. 旧国鉄分割・民営化と株式上場について ( 1 ) 機 能 分 割 と 地 域 分 割 下 記【 図 表 4 】は 旧 国 鉄 の 分 割・ 民 営 化 と 株 式 上 場 と の 関 係 を 分 析 し た も の で あ る 。 縦 軸 に 機 能 統 一 ( 上 ) と 機 能 分 割 ( 下 )、 横 軸 に 地 域 分 割 ( 左 ) と 全 国 統 一 ( 右 ) を と る 。 第 Ⅰ 象 限 を み て 頂 く と 、 も と も と 旧 国 鉄 に は 、 旅 客 部 門 と 貨 物 部 門 が あ っ た が 、旅 客 部 門 は J R 東 日 本 、J R 西 日 本 、J R 東 海 、J R 北 海 道 、 J R 四 国 、 J R 九 州 の 6 社 に 地 域 分 割 さ れ た ( 第 Ⅱ 象 限 )。 一 方 、 貨 物 部 門 で あ る が 、 こ れ は 地 域 分 割 さ れ ず に 全 国 組 織 と し て ま と ま っ た 形 で 機 能 分 割 さ れ た ( 第 Ⅳ 象 限 )。 な お 、 J R は NTT と異なり、持株会社制はとっていない。 機能統一 機能分割 JR東日本 JR西日本 JR東海 JR北海道 JR四国 JR九州 旅客部門 貨物部門 旅客部門 貨物部門 旧国鉄 地域分割 機能分割 J R 貨 物 中長距離 短距離 上場★ 上場★ 上場★ ▲ ▲ 関連事業 + 上場★? 地域分割 (不動産事業等) 全国統一 旧国鉄分割民営化(地域分割と機能分割)と株式上場の関係について 【出所】筆者作成 【図表4】 ○ × ▲ 【注】旧国鉄には、旅客、貨物部門以外にも通信、システ ム、研究などの部門があり、これらも分割されたが、政府 株式売却とは直接関係ないため、省略した。 上 場 と の 関 係 で あ る が 、NTT と異なり、分割 後 の 上 場 で あ っ た た め 、業 績 が 良 く 東 証 上 場 の 条 件 を ク リ ア し た J R 本 州 3 社2に つ い て は 、上 場 を 達 成 し 、 政 府 株 式 売 却 業 務 は 終 了 し た 。 し か し な が ら 業 績 が 芳 し く な い J R 三 島 貨 物 会 社 に つ い て は 、 上 場 を 達 成 し て い な い 。 た だ 、J R 九 州 に つ い て は 、一 昨 年 、九 州 新 幹 線 が 全 線 開 通 し 鉄 道 事 業 も 業 績 が 好 転 し 始 め 、不 動 産 事 業 を 中 心 と し た 関 連 事 業 も あ わ せ る と 黒 字 を 確 保 し て お り 、近 い 将 来 の 上 場 も 見 え 始 め て い る 。 ( 2 ) 旧 NTT との比較 NTT 政府株式売却業務は、政府保有分 32.6% を 除 い て 全 て 終 了 し て い る 。 一 方 、旧 国 鉄 の 方 は 、J R 本 州 3 社 に つ い て は 各 社 と も す で に 上 場 を 達 成 し 、政 府 株 式 売 却 業 務 は 終 了 し て い る 。し か し な が ら 、J R 三 島 貨 物 会 社 に つ い て は 、未 だ 上 場 出 来 ず 、政 府 株 式 売 却 は 実 現 し て お ら ず( 政 府 保 有 の ま ま )政 府 か ら の 財 政 支 援 等 が 今 も 継 続 し て い る 。 政 府 株 式 売 却 と い う 観 点 か ら 述 べ る と 旧 NTT の方が成功したといえるかもしれない。そ う な っ た 理 由 と し て 旧 NTT は①電気通信業で あ り 鉄 道 業 よ り も 成 長 産 業 で あ る こ と 、② 分 割 前 に 上 場 し た こ と 、③ 地 域 分 割 を 極 力 避 け 、機 能 分 割 を 多 用 し た こ と 、④ 本 体 は 持 株 会 社 へ 移 行 し た こ と 等 が 以 上 の 分 析 で 明 ら か に な っ た が 、 果 た し て そ れ だ け で あ ろ う か 。 ま ず ① の 所 属 す る 業 種 に つ い て は 、 上 記 3. で 述 べ た と お り 成 熟 産 業 に 所 属 し て い た と し て も「 若 返 り 」の 事 例 が 多 く 判 明 し て い る と こ ろ で あ る し 、② ③ ④ 以 外 の 要 因 に つ い て も 、現 在 の NTT の技術経営をもう少し掘り下げ、学ぶ べ き 点 は な い か J R 3 島 貨 物 会 社 の 経 営 へ の 応 用 可 能 性 に つ い て 検 討 し て い く こ と し た い 。 6. NTT ひかり電話事業の技術経営 ( 1 ) 光 通 信 の 研 究 開 発 、 実 用 化 及 び 普 及 最 初 の 理 論 的 な 発 見 は 1966 年なので現在ま で 47 年の歴史を刻んでいることになるが、2001 年 、NTT が一般家庭光通信(FTTH)B フレッ ツ サ ー ビ ス と し て 開 始 し 、2007 年、加入者数で FTTH が ADSL を追い抜き、現在、Bフレッツ サ ー ビ ス は ひ か り 電 話 (IP 電話)、インターネ ッ ト 接 続 、映 像 配 信 の ト リ プ ル プ レ イ を 実 現 し 2 JR 東日本、JR 西日本及び JR 東海を指す。
て い る 。(【 図 表 5 】 参 照 ) 【図表5】 1966年 カオ博士、導波路構造をもたせた特殊なガラス体が低損失となる 可能性を示唆するり理論研究発表 1970年 米コーニング社、カオ博士の理論研究をもとに光ファイバー(原型)の製造 を発表 1974年 ベル研究所、MCVD(内付気相堆積)を開発し、量産化へ 1977年 日本電信電話公社(現NTT)VAD(気相軸付け)法を開発し、純国産技術で 量産に成功 1979年 NTT 光ファイバーの損失値0.20dB/kmを実現 1981年 NTT VAD法で継ぎ目なしで100km長の光ファイバーの製造に成功 1986年 NTT 理論限界値に迫る0.154dB/kmを実現 2002年 住友電工 超低損失値0.148dB/kmを達成 低損失値開発が進む一方で光ケーブル構造化や接続方法など周辺技術 の実用化が進む。 1978年 台東区と目黒区を光ファイバーケーブルで結ぶ本格的な現場試験実施 1981年 伝送容量32Mbit/s及び100Mbit/sが実現 1985年 光ケーブル化 旭川から鹿児島まで縦貫するネットワークへ発展 1989年 同 太平洋横断海底ケーブルシステム完成 2001年 NTT 一般家庭光通信(FTTH)がBフレッツサービスとして開始 ISDNが160kbit/s に対してFTTHが100Mbit/s しかしながら、安価で導入が簡単なADSLが急速に普及 2007年 加入者数でFTTHがADSLを追い抜く 現在 Bフレッツサービスはひかり電話(IP電話)、インターネット接続、映像配信 のトリプルプレイを実現 【出所】NTTホームページ「研究開発の歴史」Vol.2より筆者が作表 一般家庭での光通信の普及 光通信の研究開発、実用化及び普及の主な年表 1970年は光ファイバーのビックバン 低損失光ファイバーの実現と開発競争 光ファイバーケーブルの実用化 ( 2 ) NTT ひかり電話事業の技術経営 上 記( 1 )の 通 り 長 い 研 究 開 発 及 び 実 用 化 試 験 を 経 て 2001 年ひかり電話事業は、一般家庭に サ ー ビ ス を 開 始 す る こ と に な る が 、 も と も と NTT は固定電話で約 6,000 万人の顧客基盤を抱 え て お り 、地 域 通 信 事 業 は ほ ぼ 独 占 状 態 と な っ て い る 。こ れ ら 顧 客 基 盤 を「 固 定 電 話( 加 入 )」 か ら 光 通 信 技 術 を 使 っ た「 ひ か り 電 話 」( =0ABJ 型 IP 電話)にそっくりそのまま置換え・移行(シ フ ト )を 実 現 し 、新 た な 独 占 状 態 を 作 る こ と に 成 功 し て い る 。3そ し て さ ら に そ の 基 盤 の 上 に 「 ひ か り 電 話 」と セ ッ ト で 新 規 事 業 と し て ① イ ン タ ー ネ ッ ト 事 業 ② 映 像 配 信 事 業 を 横 展 開 し 、 「 B フ レ ッ ツ 3 プ レ イ 」を 実 現 し て い る 。事 業 収 益 面 に お い て は 、も と も と 独 占 状 態 で あ っ た 既 存 事 業 は さ ら に 原 価 低 減 に よ り 収 益 力 が 向 上 す る と と も に 、新 規 事 業 と し て ① ② が プ ラ ス さ れ 、さ ら に 収 益 力 が 向 上 し て い る 。(【 図 表 6 】 参 照 ) 光 通 信 技 術 の イ ノ ベ ー シ ョ ン に 成 功 し 一 般 家 庭 で も 高 速 か つ 大 容 量 の 通 信 が 可 能 と な っ た が 、そ の 成 果 を う ま く 取 り 込 み 、地 域 通 信 と い う 独 占 基 盤 の 上 で 固 定 ( メ タ ル ) か ら 固 定 ( 光 )へ う ま く 技 術 の 世 代 交 代( シ フ ト )を 行 い 、か つ 、そ の 独 占 に ぶ ら 下 が る 格 好 で 上 記 ① 3 置 換・移 行( シ フ ト )は 現 在 も 進 行 中 で あ り 、0ABJ 型IP 電話の固定電話市場全体( 5,681 万契約/24’末) に 占 め る シ ェ ア は 42.4%となっている。(H25 年版 情 報 通 信 白 書 ( 総 務 省 ) 参 照 ) ② の 新 規 事 業 も セ ッ ト で 横 展 開 し た ビ ジ ネ ス モ デ ル こ そ 注 目 に 値 す る も の で は な い か 。 N T T 加 入 固 定 電 話 N T T ひ か り 固 定 電 話 独占(旧) イノベーション 独占(新) 置換え・移行 ▲ □インターネット事業 □映像配信事業 <新規> <新規> B フ レ ッ ツ 3 プ レ イ 実 現 ! 既存事業 原価低減 収益力向上 新規事業 ▲ 他社移管 他社移管 (プラス) +収益力向上 新たな独占形態である 「ひかり電話」とセット で横展開を実現 【出所】筆者作成 NTT ひかり電話事業 地域通信独占事業を有効活用したビジネス展開 【図表6】 7.まとめ―JR三島貨物会社への応用可能性― 以 上 の ポ イ ン ト を ま と め る と ① 会社の中で独占的事業基盤の抽出把握 ② ①上に技術革新の成果の反映と置換シフト ③ 新規事業の独占事業基盤へのリンクを意識 鉄 道 事 業 は 、成 熟 産 業 に 属 し て い る が ゆ え イ ノ ベ ー シ ョ ン が 起 こ り に く い と 考 え が ち で あ る が 、「 若 返 る 」ケ ー ス も 数 多 く 報 告 さ れ て い る 。 (【 図 表 2 】 参 照 ) ま た 、政 府 企 業 は 、も と も と 強 い 規 制 が あ り 、 一 定 の 公 益 的 義 務 の 見 返 り に 厚 い 独 占 利 益 が 認 め ら れ て い る ケ ー ス が 多 い 。民 営 化 さ れ た と は い え 、規 制 箇 所 は 広 範 な 事 業 の 中 で 必 ず 残 っ て い る は ず で あ る 。J R 三 島 貨 物 会 社 に お い て も 応 用 可 能 性 が 十 分 あ り 、再 生 の ヒ ン ト に な る と 考 え る 。 【 参 考 文 献 】 〔1〕 野 田 由 美 子 ( 2004)「 民 営 化 の 手 法 PFI か ら PPP へ」(日本経済新聞社) 〔2〕 平成 25 年版 情報通信白書(総務省) 〔3〕 日本電信電話株式会社有価証券報告書 (2012 年度決算) 〔4〕 石井晴夫(1995)「交通産業の多角化戦 略 」( 交 通 新 聞 社 ) 〔5〕 矢野博之(2009)「ファイナンス」財務 省 2009.1 Vol.44 NO.10