• 検索結果がありません。

ミドル看護師の職業継続要因に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ミドル看護師の職業継続要因に関する研究"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

アカテゴリー】を構成するそれぞれの《サブカテゴリー》〈概念〉は、およそ成人の発達段階 的な階層を示していた。職業継続は個人の問題と思われがちだが他者との関係'性に密接にかか わっており、職業継続の支援には互いに関係しあうなかで成長すること、それは年代で特徴が あることを意識して組織的に取り組むことが必要であると示唆された。

ドル看護師の職業継続要因に関する研究

へ﹃、 武内和子')吉村恵美子')蔵谷範子') 要 旨 40歳以上のミドル(中年)看護師7名への職業継続要因に関する半構成的インタビューを、 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M−GTA)で分析し、ミドル看護師の職業継 続要因を抽出したところから、看護師の職業経験が示す特徴を明らかにした。 その結果、職業継続は職業生活・家庭生活・個人生活全般のさまざまな立場や役割を通して 培われており、その要因として【個としてのカテゴリー】【関係性にもとづくカテゴリー】の が抽出された。2つの【. 2つの【コアカテゴリー】と I・序文 2005年厚生労働省調査によると、就業看護師の総 数は2004年度で797,233人、過去6年間に185,121人 (23.2%)増えており、そのうち40歳以上のミドル(中 年)看護師の割合は37.4%で4.1ポイント上昇してい た')。これは、高齢化社会における看護へのニードに 対 応 す る た め に 、 看 護 師 の 離 職 防 止 と 定 着 促 進 に 向 け、様々な取り組みが行われた成果とも考えられる。 一方、2003年から2005年度の新人看護師の離職率は

3年連続で9.3%2)、結果として新人看護師の早期離

職 が 継 続 す る な か 、 ベ テ ラ ン 看 護 師 が 現 場 を 支 え て い る 現 状 が 垣 間 見 え た 。 少 子 化 社 会 に 傾 く 中 、 看 護 師 の 通 算 就 業 年 数 は 今 後 も 延 長 し て い く 可 能 性 が 高 い。だが、ベテラン看護師、とくに40歳以上のミド ル 看 護 師 の キ ャ リ ア に つ い て 調 べ て い る 研 究 は 極 め て 少 な い 。 職 業 の 継 続 が 看 護 実 践 の 質 向 上 に 不 可 欠 で あ り な が ら も 、 そ の 過 程 に お け る 経 験 を 客 観 的 に 把 握 し 、 肯 定 的 に 意 味 づ け て い く た め の 資 料 が 十 分 に蓄積きれていない。 ミ ド ル 看 護 師 の 職 業 継 続 要 因 か ら 職 業 経 験 の 様 相 を 探 る こ と は 、 将 来 的 に 看 護 の 現 場 を 支 え る 若 手 看 護 師 の 職 業 継 続 の 指 標 と な る も の で あ り 、 そ の 要 因 コア概念:看護が好き(価値観の純化 原 著 キ ー ワ ー ド : ミ ド ル 看 護 師 、 職 業 継 続 要 因 、 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・ セ オ リ ー ・ ア プ ロ ー チ へ の ア プ ロ ー チ を 通 し て 意 図 的 に 将 来 を 見 据 え た 職 場の活性化を促進する基礎的データになりえると考 えられる。 本研究の目的は、病院に就業するミドル看護師を 対象に面接を行い、職業継続要因について、「どのよ う に 重 ね て き た か 」 の 「 質 」 の 現 状 を 捉 え 、 ミ ド ル 看 護 師 の 職 業 経 験 を 説 明 す る 概 念 を 創 出 し 、 そ の 特 徴を明らかにすることである。

Ⅱ、用語の定義

,、ミドル(中年) 今 日 、 人 生 を 8 0 数 年 と し た と き の 「 中 央 」 と 捉 え た 。 生 涯 発 達 論 に お い て は 、 前 と 後 を つ な ぐ 位 置 づ け と し て の ミ ド ル の 発 達 課 題 が あ り 、 エ リ ク ソ ン (EriksonEH)の漸成論では、発達8段階の第7段階 に あ た り 、 生 殖 性 が 発 達 課 題 と な っ て い る 。 生 殖 性 は 新 た な も の を 生 み 出 す こ と や 、 次 世 代 の 成 長 を 助 け る こ と で 、 自 分 か ら 次 へ の 橋 渡 し を う ま く 行 う こ

とを意味している3)。

2.職業経験 主体としての人間が個‘性を発揮し、社会的分業の 一 端 を 担 い 一 定 の 収 入 を 取 得 す る 過 程 に お い て 展 開 し た 、 相 互 行 為 に お け る 事 実 を 主 体 の 側 か ら み た 内 一 一口 ■■■ロ ロ一 一 l)川崎市立看護短期大学 原 著

ミドル看護師の職業継続要因に関する研究

武内和子]} 吉村恵美子]} 蔵谷範子]} 要 旨

4

0

歳以上のミドル(中年)看護師

7

名への職業継続要因に関する半構成的インタビューを、 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ

(M-GTA)

で分析し、ミドル看護師の職業継 続要因を抽出したところから、看護師の職業経験が示す特徴を明らかにした。 その結果、職業継続は職業生活・家庭生活・個人生活全般のさまざまな立場や役割を通して 培われており、その要因として[個としてのカテゴリー] [関係性にもとづくカテゴリー}の

2

つの[コアカテゴリー]とコア概念:看護が好き(価値観の純化)が抽出された。

2

つの[コ アカテゴリー】を構成するそれぞれの《サプカテゴリー} <概念〉は、およそ成人の発達段階 的な階層を示していた。職業継続は個人の問題と思われがちだが他者との関係性に密接にかか わっており、職業継続の支援には互いに関係しあうなかで成長すること、それは年代で特徴が あることを意識して組織的に取り組むことが必要であると示唆された。 キーワード:ミドル看護師、職業継続要因、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ

1.序文

2

0

0

5

年厚生労働省調査によると、就業看護師の総 数は

2

0

0

4

年度で

7

9

7

.

2

3

3

人、過去

6

年間に

1

8

5

.1

2

1

(

2

3

.

2

%

)

増えており、そのうち

4

0

歳以上のミドル(中 年)看護師の割合は

3

7

.4%で

4

.1ポイント上昇してい た]}。これは、高齢化社会における看護へのニードに 対応するために、看護師の離職防止と定着促進に向 け、様々な取り組みが行われた成果とも考えられる。 一方、

2

0

0

3

年から

2

0

0

5

年度の新人看護師の離職率は

3

年連続で

9

.

3

%

2)、結果として新人看護師の早期離 職が継続するなか、ベテラン看護師が現場を支えて いる現状が垣間見えた。少子化社会に傾く中、看護 師の通算就業年数は今後も延長していく可能性が高 い。だが、ベテラン看護師、とくに

4

0

歳以上のミド ル看護師のキャリアについて調べている研究は極め て少ない。職業の継続が看護実践の質向上に不可欠 でありながらも、その過程における経験を客観的に 把握し、肯定的に意味づけていくための資料が十分 に蓄積されていなし、 ミドル看護師の職業継続要因から職業経験の様相 を探ることは、将来的に看護の現場を支える若手看 護師の職業継続の指標となるものであり、その要因 1)川崎市立看護短期大学 へのアプローチを通して意図的に将来を見据えた職 場の活性化を促進する基礎的データになりえると考 えられる。 本研究の目的は、病院に就業するミドル看護師を 対象に面接を行い、職業継続要因について、「どのよ うに重ねてきたか」の「質」の現状を捉え、ミドル 看護師の職業経験を説明する概念を創出し、その特 徴を明らかにすることである。

n

.

用語の定義

1

.

ミドル(中年) 今日、人生を

8

0

数年としたときの「中央」と捉 えた。生涯発達論においては、前と後をつなぐ位置 づけとしてのミドルの発達課題があり、エリクソン

(

E

r

i

k

s

o

n

.

E

H

J

の漸成論では、発達

8

段階の第

7

段階 にあたり、生殖性が発達課題となっている。生殖性 は新たなものを生み出すことや、次世代の成長を助 けることで、自分から次への橋渡しをうまく行うこ とを意味している3)。

2

.

職業経験 主体としての人聞が個性を発揮し、社会的分業の 一端を担い一定の収入を取得する過程において展開 した、相互行為における事実を主体の側からみた内 噌 E A

(2)

容である4)。 Ⅲ、研究方法 1.本研究に適用した研究方法論 研究方法論として修正版グランデッド・セオリー・ アプローチ(以下、M−GTA)を参考にした.GTA は多様な現象を説明する概念を創出する方法論であ る。M−GTAは、GTAの特'性をふまえた上で、作業 の中心に分析ワークシートの作成をおき、分析過程 で 研 究 者 の 判 断 も 方 法 と し て 明 ら か に す る 取 り 組 み 方 で 、 研 究 者 の 主 観 が 不 明 瞭 に な り す ぎ る こ と を 防 ぐ研究方法論である。また、M-GTAはプロセス的性 格 を も つ 現 象 を 対 象 と し た 研 究 に 適 し て い る と さ れ

ており5)、看護師の継続要因を探求する本研究に適し

た研究方法論であると考えた。 2.対象者 看護師の多くは病院に勤務しており、一般的なデー タ と し て 得 る た め 、 本 研 究 の 対 象 者 を 病 院 に 勤 務 す る 看 護 師 と し た 。 ま た 、 看 護 職 業 を 長 く 中 断 し た こ と の あ る 者 、 非 常 勤 で あ る 者 は 、 常 勤 職 員 と は 異 な る経験をしている可能‘性が高いため、対象者から除 外した。その結果、本研究の対象者は①年齢が40歳 以上②長い中断がなく看護に携わっている者③病棟 勤務年数が5年以上(職位は限定せず)④正規職員 として勤務している者⑤研究参加に同意していただ ける者という5項目の条件を満たす看護師とした。 3 . デ ー タ 収 集 l)研究協力の依頼 医療機関看護部に研究対象者の条件に該当する看 護 師 の 紹 介 を 依 頼 し 、 看 護 部 か ら 該 当 者 の 紹 介 を 受 けたあと、研究者が直接に協力を説明、依頼した。 2)データ収集方法 長 年 の 職 業 経 験 を 多 角 的 に 想 起 し や す い 方 法 と し て 、 半 構 成 的 イ ン タ ビ ュ ー と し た 。 個 人 面 接 が 可 能 な職場内の個室を借り、対象者と1対1の面接を行っ た 。 許 可 を 得 て 会 話 内 容 を テ ー プ に 録 音 し た 。 対 象 者 の 勤 務 が 不 規 則 で あ る こ と を 考 慮 し 、 対 象 者 の 希 望 す る 日 時 を 相 談 し て 行 な っ た 。 デ ー タ 収 集 期 間 は 平成20年1月一平成20年2月である。 3)質問項目の決定 半構成的インタビューのための質問項目は、対象 者 が 職 業 経 験 を 全 般 的 に わ た っ て 想 起 し 、 環 境 と の 相 互 行 為 を 反 映 し た 豊 富 な 体 験 を 言 語 化 で き る 内 容 − 2 − と 考 え 、 先 行 研 究 の 結 果 を 検 討 し 、 下 記 の よ う に 決 定した。 質問項目;〈対象者のプロフィール〉年齢、看護基 礎教育課程、婚姻状況、現在の勤務病棟、職位く導 入〉問1.看護基礎教育課程の修了からの経緯、問2. 看護師を希望した動機く職業継続に関する質問項目〉 問3.就職直後の経験、問4.10年目までの経験、 問5.20年目までの経験、問6.それ以降現在まで の経験 4.分析の流れ M-GTAの分析過程にそって、作業の中心に分析 ワ ー ク シ ー ト の 作 成 を お き 、 次 の 流 れ で 行 な っ た 。 な お 、 継 続 比 較 の 仮 の 問 い は 「 看 護 師 の 職 業 継 続 要 因 は 看 護 師 の 職 業 経 験 と い う 視 点 か ら 見 る と ど の よ うなものか」を設定した。①分析の問いと分析焦点 者を照らして、それを1つの具体例(ヴァリエーショ ン)とし、他の類似具体例を説明できると考えられ る概念を生成する。②概念をつくる際に分析ワーク シ ー ト を 作 成 し 、 概 念 名 、 定 義 、 ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン などを記入する。③データ分析をすすめるなかで新 た な 概 念 を 生 成 し 、 分 析 ワ ー ク シ ー ト を 個 々 の 概 念 ごとに作成する。④他の具体例をデータから探し、 ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン 欄 に 追 加 記 入 し て い く 。 具 体 例 が 複 数 出 て こ な け れ ば 、 そ の 概 念 は 有 効 で な い と 判 断 する。⑤生成した概念の完成度は類似例の確認だけ で な く 、 対 極 例 に つ い て の 比 較 の 観 点 か ら デ ー タ を み て い く こ と に よ り 、 解 釈 が 窓 意 的 に 偏 る 危 険 を 防 ぐ 。 そ の 結 果 を ワ ー ク シ ー ト の 理 論 的 メ モ 欄 に 記 入 する。⑥複数の概念の関係からなるカテゴリーを生 成し、カテゴリー相互の関係から分析結果をまとめ、 結果図を作成し、各概念の関係を文章化(ストーリー ライン)する。⑦分析結果を共同研究者と検討し、 解釈のオープン化を徹底する。 5.倫理的配慮 収 集 し た デ ー タ は 本 研 究 以 外 使 用 し な い こ と 、 匿 名 化 を は か り 個 人 が 特 定 で き な い よ う に す る こ と 、 インタビューの途中で中止を希望する場合は申し出 てかまわないこと、ご本人の仕事上の不利益となり 得 な い こ と 、 収 集 し た 録 音 機 器 な ど は 粉 砕 し て 捨 て る こ と 、 学 外 の 研 究 発 表 の 可 能 性 が あ る こ と を 説 明 し、文書で同意を得た。 容である 4)。

m

.

研究方法

1

.本研究に適用した研究方法論 研究方法論として修正版グランデッド・セオリー・ アプローチ(以下、

M-GTA)

を参考にした.

GTA

は多様な現象を説明する概念を創出する方法論であ る。

M-GTA

は、

GTA

の特性をふまえた上で、作業 の中心に分析ワークシートの作成をおき、分析過程 で研究者の判断も方法として明らかにする取り組み 方で、研究者の主観が不明瞭になりすぎることを防 ぐ研究方法論である。また、

M-GTA

はプロセス的性 格をもっ現象を対象とした研究に適しているとされ ておりへ看護師の継続要因を探求する本研究に適し た研究方法論であると考えた。

2

.

対象者 看護師の多くは病院に勤務しており、一般的なデー タとして得るため、本研究の対象者を病院に勤務す る看護師とした。また、看護職業を長く中断したこ とのある者、非常勤である者は、常勤職員とは異な る経験をしている可能性が高いため、対象者から除 外した。その結果、本研究の対象者は①年齢が

4

0

最 以上②長い中断がなく看護に携わっている者③病棟 勤務年数が

5

年以上(職位は限定せず)④正規職員 として勤務している者⑤研究参加に同意していただ ける者という

5

項目の条件を満たす看護師とした。

3

.

データ収集 1)研究協力の依頼 医療機関看護部に研究対象者の条件に該当する看 護師の紹介を依頼し、看護部から該当者の紹介を受 けたあと、研究者が直接に協力を説明、依頼した。

2

)

データ収集方法 長年の職業経験を多角的に想起しやすい方法とし て、半構成的インタビューとした。個人面接が可能 な職場内の個室を借り、対象者と

l

l

の面接を行っ た。許可を得て会話内容をテープに録音した。対象 者の勤務が不規則であることを考慮し、対象者の希 望する日時を相談して行なった。データ収集期間は 平成

2

0

1

月一平成

2

0

2

月である。 3)質問項目の決定 半構成的インタビューのための質問項目は、対象 者が職業経験を全般的にわたって想起し、環境との 相互行為を反映した豊富な体験を言語化できる内容 内 r u と考え、先行研究の結果を検討し、下記のように決 定した。 質問項目:(対象者のプロフイール〉年齢、看護基 礎教育課程、婚姻状況、現在の勤務病棟、職位〈導 入〉問1.看護基礎教育課程の修了からの経緯、問

2

.

看護師を希望した動機〈職業継続に関する質問項目〉 問

3

.

就職直後の経験、問

4

. 1

0

年固までの経験、 問

5

.

2

0

年目までの経験、問

6

.

それ以降現在まで の経験

4

.

分析の流れ

M-GTA

の分析過程にそって、作業の中心に分析 ワークシートの作成をおき、次の流れで行なった。 なお、継続比較の仮の問いは「看護師の職業継続要 因は看護師の職業経験という視点から見るとどのよ うなものかj を設定した。①分析の問いと分析焦点 者を照らして、それを

l

つの具体例(ヴァリエーショ ン)とし、他の類似具体例を説明できると考えられ る概念を生成する。②概念をつくる際に分析ワーク シートを作成し、概念名、定義、ヴァリエーション などを記入する。③データ分析をすすめるなかで新 たな概念を生成し、分析ワークシートを個々の概念 ごとに作成する。④他の具体例をデータから探し、 ヴァリエーション欄に追加記入していく。具体例が 複数出てこなければ、その概念は有効でないと判断 する。⑤生成した概念の完成度は類似例の確認だけ でなく、対極例についての比較の観点からデータを みていくことにより、解釈が恋意的に偏る危険を防 ぐ。その結果をワークシートの理論的メモ欄に記入 する。⑥複数の概念の関係からなるカテゴリーを生 成し、カテゴリー相互の関係から分析結果をまとめ、 結果図を作成し、各概念の関係を文章化(ストーリー ライン)する。⑦分析結果を共同研究者と検討し、 解釈のオープン化を徹底する。

5

.

倫理的配慮 収集したデータは本研究以外使用しないこと、匿 名化をはかり個人が特定できないようにすること、 インタビューの途中で中止を希望する場合は申し出 てかまわないこと、ご本人の仕事上の不利益となり 得ないこと、収集した録音機器などは粉砕して捨て ること、学外の研究発表の可能性があることを説明 し、文書で同意を得た。

(3)

Ⅳ、結果 1.対象者の背景 1 ) 7 名 に 研 究 の 協 力 を 依 頼 し た 結 果 、 全 員 か ら 同 意を得た。7名全員が研究対象としての条件を満たし ていた。1人の面接所要時間は40分から65分であっ た。 2)対象者の特性 対象者は、l市内の400床以上の地域病院2施設 5病棟に勤務する44歳から57歳の女‘性7名で、既 婚 6 名 、 未 婚 1 名 、 最 終 看 護 基 礎 教 育 課 程 は 専 門 学 校6名、短期大学1名、勤続年数は24年から35年、 現在の職位は師長2名、主任1名、副主任2名、スタッ フ2名であった。 2.概念生成の例示 本研究における2つの概念生成過程を例示する。 1つは、出産休暇・育児休暇以外の長い中断はなく、 24年間看護師を継続してきた40歳代看護師の語りの 一部である。 イ ン タ ビ ュ ー の 終 盤 、 対 話 の 流 れ で 出 て き た 「 看 護 師 を 続 け ら れ た 秘 訣 は 何 か 」 の 質 問 に 対 し て 「 先 輩 看 護 師 や 家 族 の サ ポ ー ト が な け れ ば や っ て い け な かった」と答え、それに続けて「自分が思うのは、最近、 相 手 の 痛 み を 考 え な が ら 話 す っ て 言 う こ と が 大 事 な ん じ ゃ な い か な あ っ て 。 そ れ は 4 0 過 ぎ て か ら 、 最 近 すごく感じて。(中略)チームでやってるとそう思う ん で す ね 。 傷 つ く か も し れ な い と 考 え る と 、 相 手 の 気 持 ち を 察 し な が ら 、 痛 み の わ か る 伝 え 方 を し て い きたいなあと、最近思い出しました。」と語った。こ の 部 分 で は 、 対 象 者 が 自 分 が 人 か ら 支 え ら れ て き た こ と の 想 起 を き っ か け に 、 現 在 の 自 分 白 身 の 相 手 へ の あ り 方 に 思 い 至 っ て 、 自 分 が 支 え ら れ る と い う 特 定 の 文 脈 に と ど ま ら ず 、 経 験 に よ っ て 自 分 か ら 他 者 へ の コ ミ ッ ト メ ン ト に 方 向 づ け ら れ て き た こ と が 言 語 化 さ れ て お り 、 相 互 関 係 に 主 体 的 に 関 わ る 段 階 と して関係‘性の成熟が語られていると捉えられた。こ の 解 釈 に も と づ き 、 定 義 を “ 人 か ら 支 え ら れ て き た 個 の 経 験 が 他 者 へ の コ ミ ッ ト メ ン ト へ と 方 向 づ け ら れ 、 相 互 関 係 に 自 ら 関 与 す る こ と ” と し て 、 概 念 名 をく相互関係に主体的にかかわる>とした。 2つめは、例示lの看護師と同様に、出産休暇・育 児休暇以外の長い中断がなく、25年間看護師を継続 してきた40歳代看護師の語りの一部である。 イ ン タ ビ ュ ー の 中 盤 、 2 0 歳 代 後 半 の と き に さ ま ざ ま な 役 割 が 重 な っ て 挫 折 を 感 じ 「 看 護 婦 や め た い と − 3 − 何回も思った」という経験を振り返ったあと、「でも や っ ぱ り 看 護 が 好 き で 看 護 婦 や め た く な い 、 続 け た い っ て い う の が あ る ん で す よ 、 基 本 的 な 中 に は 」 と 語 っ た 。 そ れ に 続 き 、 終 末 期 に あ っ た 患 者 の 笑 顔 に 自分が救われた経験を語り、「いろいろな体験して、 い ろ い ろ な 思 い し な が ら 、 や っ ぱ り 看 護 婦 楽 し 、 今 は 楽 し い っ て 言 え る ん だ と 思 う 。 そ の と き は す ご く つ ら い ん だ と 思 う ん で す よ ね 。 け ど 、 今 は そ う い う ものが積み重なって、自分の歴史の1ページになって、 今 が あ る ん だ ろ う な あ っ て 」 と 語 っ た 。 こ の 部 分 で は 、 仕 事 を 続 け る な か で 挫 折 を 感 じ た こ と も あ る と い う 想 起 を き っ か け に 、 こ れ ま で の つ ら い と 感 じ た さ ま ざ ま な 経 験 に 思 い 至 っ て 、 つ ら い と い う 否 定 的 な 感 覚 に と ど ま ら ず 、 そ の 経 験 を 重 ね て き た な か で 気 づ い た 自 分 の 看 護 に 対 す る 価 値 観 が 言 語 化 さ れ て おり、潔<単純に“看護が好き”“看護が楽しい”と 言 い 切 れ る 段 階 と し て の 価 値 観 の 熟 成 、 現 時 点 に お け る 職 業 人 と し て ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 確 立 感 が 語 ら れていると捉えた。この解釈にもとづき、定義を..さ ま ざ ま な 経 験 に と も な う 価 値 観 の 現 実 的 な 再 吟 味 が 行われ、‘看護が好き,という思いが純化していくこ と”として、概念名をく看護が好き(価値観の純化) >とした。 他 の 概 念 も 同 様 の 手 順 で 抽 出 し た 。 最 終 的 に M-GTAによる分析で23の概念を抽出し、 統合を繰り返した結果、11のサブカテゴリーを経 て、2つのコアカテゴリー【個人としてのカテゴリー】 【関係性にもとづくカテゴリー】と、全データの要と な る 1 つ の コ ア 概 念 : を抽出した。 旨 護 が 好 き ( 価 値 観 の 純 化 3.ストーリーライン・結果図 M−GTAによる分析で生成したカテゴリーと概念な ど を 簡 潔 に 文 章 化 し た ス ト ー リ ー ラ イ ン と 、 結 果 図 (図l)を作成した。 対象者は、明言に差はあるものの、7名全員が、看 護 が 好 き . お も し ろ い . 楽 し い と い う 思 い を も っ て お り 、 時 系 列 で 職 業 経 験 を 語 っ て い く に つ れ 言 葉 に 出 る こ と が 多 く な っ て い っ た 。 そ れ が 結 果 図 の 中 心 に あ る ブ ロ ッ ク 矢 印 上 部 の 旨護が好き(価値観の; 山である。その左が【関係性にもとづくカテゴリー】、 右が【個としてのカテゴリー】であり、それぞれの【コ アカテゴリー】のなかで、およそ発達段階的に、《サ ブカテゴリー》〈概念〉が職業継続要因として積み重 なっていた。

N

.

結果

1

.対象者の背景 1)

7

名に研究の協力を依頼した結果、全員から同 意を得た。

7

名全員が研究対象としての条件を満たし ていた。

1

人の面接所要時間は

4

0

分から

6

5

分であっ た。 2)対象者の特性 対象者は、

1

市内の

4

0

0

床以上の地域病院

2

施 設

5

病棟に勤務する

4

4

歳から

5

7

歳の女性

7

名で、既 婚

6

名、未婚

1

名、最終看護基礎教育課程は専門学 校

6

名、短期大学

1

名、勤続年数は

2

4

年から

3

5

年、 現在の職位は師長

2

名、主任

1

名、副主任

2

名、スタッ フ

2

名であった。

2

.

概念生成の例示 本研究における

2

つの概念生成過程を例示する。

I

つは、出産休暇・育児休暇以外の長い

1

'

1断はなく、

2

4

年間看護師を継続してきた

4

0

歳代看護師の語りの 一部である。 インタビューの終盤、対話の流れで出てきた「看 護師を続けられた秘訣は何か」の質問に対して「先 輩看護師や家族のサポートがなければやっていけな かった」と答え、それに続けて「自分が思うのは、最近、 相手の痛みを考えながら話すって言うことが大事な んじゃないかなあって。それは

4

0

過ぎてから、最近 すごく感じて。(中略)チームでやってるとそう思う んですね。傷つくかもしれないと考えると、相手の 気持ちを察しながら、痛みのわかる伝え方をしてい きたいなぁと、最近思い出しました。

J

と語った。こ の部分では、対象者が自分が人から支えられてきた ことの想起をきっかけに、現在の自分自身の相手へ のあり方に思い至って、自分が支えられるという特 定の文脈にとどまらず、経験によって自分から他者 へのコミットメントに方向づけられてきたことが言 語化されており、相互関係に主体的に関わる段階と して関係性の成熟が語られていると捉えられた。こ の解釈にもとづき、定義を“人から支えられてきた 個の経験が他者へのコミットメントへと方向づけら れ、相互関係に自ら関与すること"として、概念名 を<相互関係に主体的にかかわる>とした。

2

つめは、例示

1

の看護師と同様に、出産休暇・育 児休暇以外の長い中断がなく、

2

5

年間看護師を継続 してきた

4

0

歳代看護師の語りの一部である。 インタビューの中盤、

2

0

歳代後半のときにさまざ まな役割が重なって挫折を感じ「看護婦やめたいと q a 何回も,思った」という経験を振り返ったあと、「でも やっぱり看護が好きで看護婦やめたくない、続けた いっていうのがあるんですよ、基本的な中には」と 語った。それに続き、終末期にあった患者の笑顔に 自分が救われた経験を語り、「いろいろな体験して、 いろいろな思いしながら、やっぱり看護婦楽し、今 は楽しいって言えるんだと思う。そのときはすごく つらいんだと思うんですよね。けど、今はそういう ものが積み重なって、自分の歴史の

1

ページになって、 今があるんだろうなあって

J

と語った。この部分で は、仕事を続けるなかで挫折を感じたこともあると いう想起をきっかけに、これまでのつらいと感じた さまざまな経験に,思い至って、つらいという否定的 な感覚にとどまらず、その経験を重ねてきたなかで 気づいた自分の看護に対する価値観が言語化されて おり、潔く単純に“看護が好き"“看護が楽しい"と 言い切れる段階としての価値観の熟成、現時点にお ける職業人としてアイデンテイテイの確立感が語ら れていると捉えた。この解釈にもとづき、定義を..さ まざまな経験にともなう価値観の現実的な再吟味が 行われ、.看護が好き'という思いが純化していくこ と"として、概念名を<看護が好き(価値観の純化) >とした。 他 の 概 念 も 同 様 の 手 順 で 抽 出 し た 。 最 終 的 に

M-GTA

による分析で

2

3

の概念を抽出し、 統合を繰り返した結果、 11のサプカテゴリーを経 て、

2

つのコアカテゴリー[個人としてのカテゴリー] [関係性にもとづくカテゴリー]と、全データの要と なる

1

つのコア概念:看護が好き(価値観の純化) を抽出した。

3

.

ストーリーライン・結果図

M-GTA

による分析で生成したカテゴリーと概念な どを簡潔に文章化したストーリーラインと、結果図 (図1)を作成した。 対象者は、明言に差はあるものの、 7名全員が、看 護が好き・おもしろい・楽しいという思いをもって おり、時系列で職業経験を語っていくにつれ言葉に 出ることが多くなっていった。それが結果図の中心 にあるブロック矢印上部の看護が好き(価値観の純 生よである。その左が[関係性にもとづくカテゴリート 右が[個としてのカテゴリー}であり、それぞれの[コ アカテゴリー]のなかで、およそ発達段階的に、《サ ブカテゴリー> (概念〉が職業継続要因として積み重 なっていた。

(4)

くホームサポーターの存在> 家事・育児サポート集中型家事・育児家 族 の 理 解

【関係性にもとづくカテゴリー】

【個としてのカテゴリー】

看護が好き︵価値観の純化︶ <引き上げる関わり> く経験で磨かれる> 看 護 技 術 の 熟 成 自 分 は 自 分 で し か な い (自己安定性) く持てる力を発揮する> 仕事をやりぬく達成感・充足感を感じる < 関 係 性 に 磨 か れ る > 相 互 関 係 に 主 体 的 に 関 わ る 発 達 危 機 ( 関 係性)を乗り越える く引き上げられる関わり> 看 護 師 モ デ ル の 存 在 上 司 の 承 認 ・ 支 持 決断のときのアドバイス 図 1 結 果 図 た、 変化・成長を求める︾ <生活構造のバランスをとる> 勤 務 形 態 の 調 整 仕 事 と 家 庭 と 自 分 の バ ラ ン ス を と る 個 人 時 間 の 確 保 ︽患者の存在︾ まず、【個としてのカテゴリー】では、職業人とし ての個の確立に向けて、自分自身の《持てる力を発 揮する》だけでなく、困難なときにこそ《環境を力 にする》外力の後押しを受けて試しの一歩を踏み出 し 、 新 た な 自 分 に 気 づ い て 次 の 進 路 に 進 ん で い た 。 30歳前後に入ると、結婚、子どもの有無という表面 的 な ラ イ フ ス タ イ ル に 関 係 な く 、 こ の ま ま で い ら れ ない自分がそこにあって、トータルに自分の生活を 見直すことになり、自律的に生活時間・空間とそこ での過ごし方を調整する《生活構造のバランスをと る》ことを行なっていた。また、長年の現実経験で 出会う苦楽両極のできごとは、その人に現実対応す る柔軟性をもたらし、〈看護技術の熟成〉〈自分は自 分でしかない(自己安定感)〉という自分を丸ごと使 う《経験で磨かれる》能力をもたらしていた。およ そ30年にわたって職業人としての個を確立する原動 力となっていたのは、“自分の力を試したい”“もっ とよい看護を身につけたい,,といった、経験を踏む に つ れ て 他 者 へ の 関 与 に 内 容 を ス ラ イ ド し つ つ も 、 《変化・成長を求める》成長欲求であった。 次に、【関係性にもとづくカテゴリー】では、入職 当初に多くみられた先輩看護師など尊敬する人に< 引き上げられる関わり>や同世代の仲間や同僚と《と く環境を力にする> 研 修 で 体 験 す る 確 信 構 築 さ れ た 教 育 シ ス テ ム <ともに育つ関わり> 同世代の仲間づくり同僚の仕事サポート もに育つ関わり》を経て、生活構造の変化に伴う< ホ ー ム サ ポ ー タ ー の 存 在 > な ど 、 人 の 支 え ・ 影 響 が あってこそ仕事を続けてくることができた実感が語 られていた。さらに、各年代の経験として予測され るく発達危機(関係'性)を乗り越え>、そこで必然 的に身につける現実対応能力が看護師の仕事にも相 乗 作 用 的 発 達 と し て 組 み 込 ま れ て い た 。 ま た 、 関 係 性における経験は、個と関係'性の調整や統合に向き 合う能力の発達にプラスとなり、仕事の場面でもく 相互関係に主体的に関わる>ようになって《関係性 に磨かれ》いく様相が捉えられた。その後、関係性は、 後進を育てることに意味を感じる《引き上げる関わ り》へと再体制化されていった。看護師としての関 係性の発達のプロセスに継続してみられたのは、“患 者の反応がうれしかった,,“患者と関わることで自分 らしさを取り戻せた,,という看護に直接結びつく患 者 と の 互 恵 的 な 関 係 で あ り 、 そ の ま ま 職 業 継 続 の 要 因として対象者の全員の語りに認められた。 対象者はこれまでの看護経験を振り返り、【個とし てのカテゴリー】と【関係性にもとづくカテゴリー】 の さ ま ざ ま な 経 験 を 思 い 起 こ す な か で 、 看 護 が 好 き と い う 思 い は 経 験 (価値観の純化)−という思いに行きあたっていた。ま − 4 − 旨 護 が 好 き ( 価 値 観 の 純 化

【個としてのカテゴリー】

【関係性にもとづくカテゴリー】

《生活構造のバランスをとる》 勤務形態の調整 仕事と家庭と自分のバ ランスをとる 個人時間の確保 《経験で磨かれる》 看iI妓術の熟成 自分は自分でしかない (自己安定性) 《環境を力にする》 研修で体験する確信 構築された教育シ ステム 《関係性に磨かれる》 相互関係に主体的に関わる 発遺危機(関 係性)を乗り越える 《ともに育つ関わり》 同世代の仲間づくり 同僚の仕事サポート 《ホームサポーターの存在》 家事・宵児サポート集中型家事・育児家 族の理解 《引き上げられる関わり》 看護師モデルの存在 上司の承認・支持 決断のときのアドバイス 《引き上げる関わり》 ︽ 患 者 の 存 在 ︾ もに育つ関わり》を経て、生活構造の変化に伴う〈 ホームサポーターの存在〉など、人の支え・影響が あってこそ仕事を続けてくることができた実感が語 られていた。さらに、各年代の経験として予測され る<発達危機(関係性)を乗り越え>、そこで必然 的に身につける現実対応能力が看護師の仕事にも相 乗作用的発達として組み込まれていた。また、関係 性における経験は、個と関係性の調整や統合に向き 合う能力の発達にプラスとなり、仕事の場面でも< 相互関係に主体的に関わる>ようになって〈関係性 に磨かれ》いく様相が捉えられた。その後、関係性は、 後進を育てることに意味を感じる何│き上げる関わ り〉へと再体制化されていった。看護師としての関 係性の発達のプロセスに継続してみられたのは、“患 者の反応がうれしかった"“患者と関わることで自分 らしさを取り戻せた"という看護に直接結びっく患 者との互恵的な関係であり、そのまま職業継続の要 因として対象者の全員の語りに認められた。 対象者はこれまでの看護経験を振り返り、[個とし てのカテゴリー]と[関係性にもとづくカテゴリー] のさまざまな経験を思い起こすなかで、看護が好き (価値観の純化)という思いに行きあたっていた。ま た、看護が好き(価値観の純化)という思いは経験

-4-結果図 まず、[個としてのカテゴリー]では、職業人とし ての個の確立に向けて、自分自身の《持てる力を発 揮する〉だけでなく、困難なときにこそ〈環境を力 にする》外力の後押しを受けて試しの一歩を踏み出 し、新たな自分に気づいて次の進路に進んでいた。

3

0

歳前後に入ると、結婚、子どもの有無という表面 的なライフスタイルに関係なく、このままでいられ ない自分がそこにあって、 トータルに自分の生活を 見直すことになり、自律的に生活時間・空間とそこ での過ごし方を調整する〈生活構造のバランスをと る〉ことを行なっていた。また、長年の現実経験で 出会う苦楽両極のできごとは、その人に現実対応す る柔軟性をもたらし、〈看護技術の熟成> <自分は自 分でしかない(自己安定感))という自分を丸ごと使 う《経験で磨かれる〉能力をもたらしていた。およ そ

3

0

年にわたって職業人としての個を確立する原動 力となっていたのは、“自分の力を試したい"“もっ とよい看護を身につけたい"といった、経験を踏む につれて他者への関与に内容をスライドしつつも、 《変化・成長を求める〉成長欲求であった。 次に、{関係性にもとづくカテゴリー]では、入職 当初に多くみられた先輩看護師など尊敬する人にく 引き上げられる関わり〉や同世代の仲間や同僚と《と 図1

(5)

& 歩 表1−1コア概念・コアカテゴリー・サブカテゴリー・概念の定義 薄ア概念’ コアf力テ 幻 ゴ リ ー 個 と し て の カ テ ゴ リー サミブ 力 テ ゴ リ 雲 持 て る 力 を 発 揮 す る 環 境 を 力 に する 生 活 構 造 の バ ラ ン ス を とる 経 験 で 磨 か れ る 変 化 ・ 成 長 を 求 め る 概 ( 念 仕事をやりぬく 達成感・充足感を 感 じ る 研 修 で 体 験 す る 確 信 構 築 さ れ た 教 育 シ ス テ ム 勤 務 形 態 の 調 整 仕 事 と 家 庭 と 自 分 の バ ラ ン ス を とる 個 人 時 間 の 確 保 看護技術の熟成 自 分 は 自 分 で し かない(自己安定 感) 定J義 看 護 師 を 辞 め る 選 択 肢 は も た ず 当 然 の こ と の よ う に 一 生 懸 命仕事をやりぬくこと 目 的 的 行 動 に よ る 成 功 体 験 で 達 成 感 ・ 充 足 感 を 感 じ る こ と 学 習 に 専 念 す る 期 間 を 得 て 学 び を 実 感 す る も し く は 自 信 を 回復すること 信頼できる教育システム下に あ っ て 集 中 し て 仕 事 に 取 り 組 め る こ と 生活に合わせて、自律的に勤 務 病 棟 、 勤 務 時 間 の 調 整 を 行 うこと 相 互 作 用 す る 3 つ の 生 活 時 間 ・ 空 間 の 調 整 を は か り 心 身 の バ ラ ン ス を 整 え る こ と 仕事・家庭の役割から離れた 個としての自分の時間・空間 をもち気分転換をはかること 経験で積み重ねた技術が身に つ い て い る こ と 、 そ れ を 言 葉 に で き る こ と まわりの条件で自分が動かさ れ る こ と な く 自 然 体 で 無 理 な く い ら れ る こ と 停滞する'怖さを経験し、自分 を磨きたい、挑戦したい、も っ と よ い ケ ア を 提 供 し た い 気 持 ち を も っ て い る こ と 蝉 … … # Y : 炉 鍍 : 礎 静 蓉 … 具 体 例 必 死 て い う か 、 覚 え な く ち や 、 自 分 は こ の カ ン フ ァ に で れ な いと。(中略)自分がこれを覚えなくちや私は責任もって患 者みれないんだわっていう。 できたときのやったときの手ごたえで、「あ−、よかった」 っ て 思 え る 実 感 が 、 や っ ぱ 、 看 護 楽 し い っ て な っ て く る ん じ やないですかねって私は思ってます。 研 修 が き っ か け で 、 ( 中 略 ) 看 護 そ の も の が 一 番 の ケ ア な ん だなっていうのを学んだから、看護師ってすごい力があるん だって思ったんです。 厳 し い 中 に し っ か り 面 倒 み て 教 え て く れ る っ て い う カ リ キ ュ ラ ム み た い な も の が あ っ た の で 、 厳 し い け れ ど も 、 そ れ は それで当たり前なんだと、教えてもらうのを一生懸命こうや ってたような気がしてて。 夜勤を多くしてくださいってお願いしてたんです。どうして かっていうと、昼間、こども達と一緒にいれるじやないです 力、、夜勤があると。 今、自分がしたいことが楽しくできてるから、仕事も楽しく できるんだと思うんです。(バランスですね)うん。だから、 家庭をすごく我慢してっていうか、こっちの自分のしたいこ とをすごく我'慢してたら、仕事を頑張ってやろうっていう気 にもなんないと思うんですよね。 (夜勤て悪いことばかりではないんですね)気分転換できる んです。自分の時間ていうのが持てるから。(看護師の強み かも)強みかも。夜勤があるから。ずっと外来じや、ほんと、 逆にストレスになつちやうと思います。 (点滴刺入の)積み重ねが今出て、今負けないくらいうまい んですけど(中略)患者さんの診断関係であっても言葉かけ で あ っ て も 、 そ う い う の は ケ ー ス バ イ ケ ー ス だ っ て い う 、 い ろんな患者さんもいらっしやるし、やっぱり経験でいろんな 患 者 さ ん に ぶ つ か り な が ら い ろ ん な 思 い し な が ら や っ て い くことによって自分ができていくんじやないですかね。 わからないことはわからない、間違った時は、ごめんなさい、 すみません。あとは、ありがとうと、謙虚さは、もう、忘れ ないで。わからないことはすぐ聞いたりとか・謙虚さですか ね、心がけているのは。 研修、外部でやっているのがたくさんあるので、そういうの には行くようにして、自分のケアの振り返りとか、新しいも のを、今どんなものをしているかっていうのを、知識をいた だいて、こう役立てて、自分がやりたいケアに近づけて行き たい、自分が近づいていきたいなあと思ってやっています。 を 重 ね る な か で 築 か れ て き た も の で あ り 、 本 人 の 意 識 す る し な い に か か わ ら ず そ の 人 を 看 護 師 と い う 職 業 に 引 き 寄 せ て い た と も 捉 え ら れ た 。 こ の 2 つ の 発 展 的 、 継 続 的 な 視 点 か ら看護が好き(価値観の純化 4.それぞれの定義とヴァリエーションの具体例 コア概念と【コアカテゴリー】《サブカテゴリー》、 およびそれぞれのく概念〉の定義と具体例は、表1 −1,表1−2のとおりである。 をコア概念として位置づけた。 − 5 − 表1-1コア概念・コアカテゴリー・サブカテゴリー・概念の定義 努:コ:=t;'アア概カテ念 サブぞ 可W e'"糸、

ラ 貯

カテゴリー 概 念 定 義 具体例} ゴリー 看護師を辞める選択肢はもた 必死ていうか、覚えなくちゃ、自分はこのカンファにでれな 仕事をやりぬく ず当然のことのように一生懸 いと。(中略)自分がこれを覚えなくちゃ私は責任もって患 持てるカを 命仕事をやりぬくこと 者みれないんだわっていう。 発揮する 達成感・充足感を 目的的行動による成功体験で できたときのやったときの手ごたえで、「あ一、よかった」 感じる 達成感・充足感を感じること って思える実感が、やっぱ、看護楽しいってなってくるんじ ゃないですかねって私は恩ってます。 研修で体験する 学習に専念する期間を得て学 研修がきっかけで、(中略)看護そのものが一番のケアなん 確信 ぴを実感するもしくは自信を だなっていうのを学んだから、看護師ってすごいカがあるん 環境をカに 回復すること だって思ったんです。 する 信頼できる教育システム下に 厳しい中にしっかり面倒みて教えてくれるっていうカリキ 構 築 さ れ た 教 育 あって集中して仕事に取り組 ュラムみたいなものがあったので、厳しいけれども、それは システム めること それで当たり前なんだと、教えてもらうのを一生懸命こうや ってたような気がしてて。 生活に合わせて、自律的に勤 夜勤を多くしてくださいってお願いしてたんです。どうして 勤務形態の調整 務病棟、勤務時間の調整を行 かっていうと、昼間、こども達と一緒にいれるじゃないです うこと か、夜勤があると。 今、自分がしたいことが楽しくできてるから、仕事も楽しく 生活構造の 仕事と家庭と自 相互作用する3つの生活時 できるんだと思うんです。(バランスですね)うん。だから、 個 と し て パランスを 分 の バ ラ ン ス を 問・空間の調整をはかり心身 家庭をすごく我慢してっていうか、こっちの自分のしたいこ の カ テ ゴ とる とる のバランスを整えること とをすごく我慢してたら、仕事を頑張ってやろうっていう気 リー にもなんないと思うんですよね。 仕事・家庭の役割から離れた (夜勤て悪いことばかりではないんですね)気分転換できる 個人時間の確保 個としての自分の時間・空間 んです。自分の時間ていうのが持てるから。(看護師の強み をもち気分転換をはかること かも)強みかも。夜勤があるから。ずっと外来じゃ、ほんと、 逆にストレスになっちゃうと思います。 (点滴刺入の)積み重ねが今出て、今負けないくらいうまい 経験で積み重ねた技術が身に んですけど(中略)患者さんの診断関係であっても言葉かけ 看護技術の熟成 ついていること、それを言葉 であっても、そういうのはケースパイケースだっていう、い にできること ろんな患者さんもいらっしゃるし、やっぱり経験でいろんな 経 験 で 磨 か 患者さんにぶつかりながらいろんな思いしながらやってい れる くことによって自分ができていくんじゃないですかね。 自分は自分でし まわりの条件で自分が動かさ わからないことはわからない、間違った時は、ごめんなさい、 かない(自己安定 れることなく自然体で無理な すみません。あとは、ありがとうと、謙虚さは、もう、忘れ 感) くいられること ないで。わからないことはすぐ聞いたりとか。謙虚さですか ね、心がけているのはc 停滞する怖さを経験し、自分 研修、外部でやっているのがたくさんあるので、そういうの 変化・成長 を磨きたい、挑戦したい、も には行くようにして、自分のケアの振り返りとか、新しいも を求める っとよいケアを提供したい気 のを、今どんなものをしているかっていうのを、知識をいた 持ちをもっていること だいて、こう役立てて、自分がやりたいケアに近づけて行き たい、自分が近づいていきたいなぁと思ってやっています。 を重ねるなかで築かれてきたものであり、本人の意 識するしないにかかわらずその人を看護師という職 業に引き寄せていたとも捉えられた。この

2

つの発 展的、継続的な視点から看護が好き(価値観の純化) をコア概念として位置づけた。

4

.

それぞれの定義とヴァリエーションの具体例 コア概念と[コアカテゴリー

1

<サプカテゴリー》、 およびそれぞれの〈概念〉の定義と具体例は、表1

1

、表

1-2

のとおりである。 F同 U

(6)

− 6 − 表1−2コア概念・コアカテゴリー・サブカテゴリー・概念の定義 コアl概念殿 コア;力fテイ ゴリミ堂 血、ぶぃ.、‘.Ⅷ……樹齢 I士サブ# 力;テ鯵ゴヅ登要 と-− ︾。﹃一J︾一・一 ・少 1.料:'....・・・,、,,…...,.・・+j・数;・・・−....−,,,,,,、;,,.【,;嘩城,11,』 i、1 岬 : 価 一 … f概窪念:J1義;毒 燭ii、 写定蕊義裳琴ば ’’鞭》:E:..‘.'『'I..,,』‘,劉罵‘・‘..、読デら、..、1..− 塞登データ 牽雲冒蕊垂率… 関 係 ' 性 に も と づ く カ テ ゴ リ 引 き 上 げ ら れ る 関 わ り と も に 育 つ 関わり ホ ー ム サ ポ ー タ ー の 存 在 関 係 性 で 磨 か れ る 引 き 上 げ る 関わり 患者の存在 看 護 師 モ デ ル の 存在 上 司 の 承 認 ・ 支 持 決 断 の と き の ア ドバイス 同 世 代 の 仲 間 づ くり 同 僚 の 仕 事 サ ポ − 卜 家事・育児サポー ト 集中型家事・育児 家族の理解 発 達 危 機 ( 関 係 性)を乗り越える 相 互 関 係 に 主 体 的 に か か わ る 目標となる先輩看護師が身近 にいて、仕事を肯定的に受け と め る 保 証 に な っ て い る こ と 専門性の高い人からの承認. 支 持 で 苦 し い と き を 乗 り 越 え られたと実感していること 進路に迷う転機に、相談でき る 相 手 が い て 心 に す っ と 入 る 一言があって決断できたこと 同じ問題や状況がある同年代 の仲間と交流する相互支援が あ っ た こ と 苦しいときに実務を含めた同 僚のサポートがあって乗り切 れ た こ と 仕事の継続に家事・育児労働 の サ ポ ー ト が 不 可 欠 で あ る と 強 く 実 感 し て い る こ と 短い家庭時間にあって緊密な 家事や子どもとの接触を意識 的に行っていること 家族の理解による家庭と仕事 の 両 立 は 、 と も に つ く り あ げ て き た も の で あ る こ と 子どもの問題、親しい人の闘 病・死別など関係性にかかる 発達危機を乗り越えてきたこ と 人から支えられた個の経験が 他 者 へ の コ ミ ッ ト メ ン ト へ 方 向づけられ、相互関係に自ら 関与すること 自らが専門家として確立する だけでなく、後進を育てるこ とに意味を感じること ケアしケアされる相互作用を 具 現 化 し て 教 え て く れ る 患 者 が そ こ に い た こ と きちんと指導していただいて、ついて行こ シ フと 思 い ま し た ね。先輩方がね、優しくはなかったですね、厳しかった。ふ だんはそういう厳しさも見せず、お姉さん的に関わってくれ るので、メリハリがありましたね。 私でいいんだろうかって疑問がとってもあって、でも、だか らあなたが行くのよとか、いいストロークを返してくれて。 こ こ に 来 て も 、 私 は も う あ な た に 任 せ て る か ら 、 私 が い な い 時でも私は安心してるのよとか、そういう言葉を常にくださ ってたので。 「今、30だからラストチャンス。今断るんであれば、次に誘 われたら、行くのはやめなさい」と。「でも、看護師を一生 やるのであれば、行っとくべきだよ」って言われました。 若い人ばっかりだったので、助け合っていった。がんばろう ね っ て 。 そ し て 、 あ の 、 や ろ う ね っ て 、 助 け 合 い な が ら い き ましたれ。 スタッフが、何を聞いても、軽蔑せずにきちんと教えてくれ た、今度は後輩が助けてくれたんですね。 保育園に迎えに行ってもらって、そのおばちやんのうちにい て、旦那が帰って来たらこどもを迎えに行くみたいな。そう いう体制をとって、3交代をやってたんですね。 (夜勤明けで)今日はちょっと手の込んだ料理作って、ご飯 食べさしてあげようとか、今日はちょっと違う、いつもちや ちやって終わつちやうけど、今日はちょっと時間かけてって いうような、どうしようかなっていう。 子どもが小さい頃は、私が夜勤とかで寝てると、遊んでほし いから起こしてたのが、だんだんやっぱり、私の様子がわか ってくると、寝てていいとか、休んでてとか変わってくるん ですね。(中略)家族とかやっぱりね、そういうサポートが ないと、やっていけないですね。 親の死とか、友人のとか(中略)(第2者としての学びは) ある、それは自信を持ってあると思います。違うんだなって 実感してますから、今。整理できたらスタッフにも話してあ げたいなって思うことですから。 自分が思うのは、最近、相手の痛みを考えながら話すって言 うことが大事なんじやないかなあって。それは40過ぎてか らすごく感じて。(後略) 少し自分に余裕ができて、育てられるかなって、自分の役割 が発揮できてるかなって状況。(中略)看護ってこんなにこう 重みが合って、中身があって、すごく楽しくって、やりがい がある仕事よって、言葉にして伝えてあげたい。 す ご い つ ら い 場 面 と か た く さ ん あ り ま す け ど 、 そ う い う 中 で、患者さんや家族から感謝されたりすることもある、たく さんあるんで、そういうことが自分の支えになってると思い ます。 看 護 が 好 き(価値観 の純化) さまざまな経験にともなう価 値 観 の 現 実 的 な 再 吟 味 が 行 わ れ、“看護が好き',という思い が純化していくこと いろんな体験して、いろんな思いしながら−、やっぱり看護 婦楽し、今は楽しいって言えるんだと思う。そのときはすご くつらいんだと思うんですよね。けど、今はそういうものが 積み重なって、自分の歴史の一ページになって、今があるん だろうなって。 表

1-2

コ ア 概 念 ・ コ ア カ テ ゴ リ ー ・ サ ブ カ テ ゴ リ ー ・ 概 念 の 定 義 ココアア概カ念テ テサゴプリL汗う 明 二 概 念 U 定義二戸 メア・ へ ゴリー 目標となる先輩看護師が身近 きちんと指導していただいて、ついて行こうと思し、ました 看 護 師 モ デ ル の にいて、仕事を肯定的に受け ね。先輩方がね、優しくはなかったですね、厳しかった。ふ 存在 だんはそういう厳しさも見せず、お姉さん的に関わってくれ とめる保証になっていること るので、メリハリがありましたね。 私でいいんだろうかつて疑問がとってもあって、でも、だか 引き上げら 専門性の高い人からの承認・ らあなたが行くのよとか、いいストロークを返してくれて。 れる関わり 上司の承認・支持 支持で苦しいときを乗り越え ここに来ても、私はもうあなたに任せてるから、私がし、ない られたと実感していること 時でも私は安心してるのよとか、そういう言葉を常にくださ ってたので。 決 断 の と き の ア 進路に迷う転機に、相談でき 「今、 30だからフストチャンス。今断るんであれば、次に誘 ドパイス る相手がいて心にすっと入る われたら、行くのはやめなさし、」と。「でも、看護師を一生 一言があって決断できたこと やるのであれば、行っとくべきだよ」って言われました。 同 世 代 の 仲 間 づ 同じ問題や状況がある同年代 若い人ばっかりだったので、助け合っていった。がんばろう くり の仲間と交流する相互支援が ねって。そして、あの、やろうねって、助け合いながらいき ともに育つ あったこと ましたね。 関わり 同 僚 の 仕 事 サ ボ 苦しいときに実務を含めた同 スタッフが、何を聞いても、軽蔑せずにきちんと教えてくれ 一ト 僚のサポートがあって乗り切 た、今度は後輩が助けてくれたんで、すね。 れたこと 家事・育児サポー 仕事の継続に家事・育児労働 保育園に迎えに行ってもらって、そのおばちゃんのうちにい のサポートが不可欠であると て、旦那が帰って来たらこどもを迎えに行くみたいな。そう ト 強く実感していること いう体制をとって、 3交代をやってたんですね。 関 係 性 に (夜勤明けで)今日はちょっと手の込んだ料理作って、ご飯 も と づ く 短い家庭時間にあって緊密な 食べさしてあげようとか、今日はちょっと違う、いつもちゃ カ テ ゴ リ ホームサボ 集中型家事・育児 家事や子どもとの接触を意識 ちゃって終わっちゃうけど、今日はちょっと時聞かけてって 一 ー タ ー の 存 的lこ行っていること いうような、どうしょうかなっていう。 在 子どもが小さい頃は、私が夜勤とかで寝てると、遊んでほし 家族の理解による家庭と仕事 いから起こしてたのが、だんだんやっぱり、私の様子がわか 家族の理解 の両立は、ともにっくりあげ ってくると、寝てていいとか、休んでてとか変わってくるん てきたものであること ですね。(中略)家族とかやっぱりね、そういうサポートが ないと、やっていけないですね。 子どもの問題、親しい人の闘 親の死とか、友人のとか(中略) (第2者としての学びは) 発 達 危 機 ( 関 係 病・死別など関係性にかかる ある、それは自信を持つであると思います。違うんだなって 性)を乗り越える 発達危機を乗り越えてきたこ 実感してますから、今。整理できたらスタッフにも話してあ 関 係 性 で 磨 と げたいなって思うことですから。 かれる 人から支えられた個の経験が 自分が思うのは、最近、相手の痛みを考えながら話すって言 相 互 関 係 に 主 体 他者へのコミットメントへ方 うことが大事なんじゃなし、かなあって。それは40過ぎてか 的にかかわる 向づけられ、相互関係に自ら らすごく感じて。(後略) 関与すること 自らが専門家として確立する 少し自分に余裕ができて、育てられるかなって、自分の役割 引き上げる だけでなく、後進を育てるこ が発揮できてるかなって状況。(中略)看護ってこんなにこう 関わり とに意味を感じること 重みが合って、中身があって、すごく楽しくって、やりがい がある仕事よって、言葉にして伝えてあげたい。 ケアしケアされる相互作用を すごいつらい場面とかたくさんありますけど、そういう中 患者の存在 具現化して教えてくれる息者 で、患者さんや家族から感謝されたりすることもある、たく がそこにいたこと さんあるんで、そういうことが自分の支えになってると思い ます。 さまざまな経験にともなう価 いろんな体験して、いろんな思いしながら一、やっぱり看護 看 護 が 好 婦楽し、今は楽しいって言えるんだと思う。そのときはすご き(価値観 値観の現実的な再吟味が行わ くつらいんだと思うんですよね。けど、今はそういうものが の純化) れ、“看護が好き"という思い 積み重なって、自分の歴史の一ページになって、今があるん が純化していくこと だろうなって。

(7)

-6-V・考察 本 研 究 で は 、 ミ ド ル 看 護 師 7 名 に イ ン タ ビ ュ ー を 行い、M−GTAを用いて「看護師の職業継続要因は看 護 師 の 職 業 経 験 と い う 視 点 か ら 見 る と ど の よ う な も の か 」 と い う 問 い か ら 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 看 護 師 の 職 業 継 続 に は 発 達 段 階 に お け る 成 人 と し て の 成 熟 性 が 深 く 関 係 し て お り 、 看 護 師 の 職 業 経 験 の 特 徴として以下の3点が捉えられた。 1.職業継続にかかる生活全般にわたった経験 看 護 師 の 職 業 継 続 要 因 は 、 職 業 生 活 だ け で は な く 家 庭 生 活 や 個 人 生 活 を 含 む 生 活 全 般 の さ ま ざ ま な 立 場や役割を通して培ってきた経験として抽出された。 既 婚 者 は 、 職 業 継 続 に は 育 児 、 家 事 の サ ポ ー ト が 欠 か せ な い と し て 、 そ の 影 響 の 大 き さ を 語 っ て い た 。 個 人 生 活 で は 、 既 婚 の 有 無 に か か わ ら ず 仕 事 や 家 庭 か ら 離 れ た 個 人 的 な 時 間 ・ 空 間 を 確 保 し て お り 、 気 分 転 換 や 趣 味 、 仕 事 と は 別 の 学 習 時 間 と し て 活 用 し ていた。 今 日 、 キ ャ リ ア と い う 言 葉 は 単 に 経 歴 と し て 捉 え る の で は な く 、 職 業 以 外 に も 家 庭 、 地 域 と い っ た 社 会 的 役 割 を 含 め て 統 合 的 に 捉 え る よ う に な っ て き て いる6)。看護師のキャリアにおいても、看護職として の 立 場 や 役 割 だ け を 捉 え る の で は な く 、 家 庭 生 活 や 個 人 生 活 全 般 が 職 業 継 続 に 関 与 し て 看 護 師 の キ ャ リ アが形成されていくと捉えることが必要である。 ま た 、 職 業 、 家 庭 、 個 人 そ れ ぞ れ の 生 活 の 場 に お い て 複 数 の 役 割 を も つ こ と は 、 時 間 . 空 間 の 拡 が り だ け で な く 仕 事 へ の 活 力 に も 影 響 を 及 ぼ し て い た 。 対 象 者 は 複 数 の 役 割 を も つ な か で 、 自 律 的 に そ の バ ラ ン ス を と っ て 働 く 活 力 の 回 復 を は か っ た り 、 場 や 役 割 が 変 わ る こ と で 意 図 的 に も し < は 自 然 に 気 分 転

換がはかれていた。Thoits,PA7)8)は、複数の役割

ア イ デ ン テ ィ テ ィ を も っ て い る こ と と 心 理 的 な よ い 状 態 等 の 関 連 性 を 分 析 し 、 男 女 と も 複 数 の 役 割 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を も っ て い る こ と が 悩 み や 疲 労 の 軽 減 に役立つと指摘している。看護師として働くなかで、 複 数 の 役 割 を も つ こ と で の 相 互 的 な 効 果 が 期 待 さ れ る 。 現 在 、 卒 後 、 継 続 教 育 で は 、 職 業 的 発 達 だ け に 注 目 し が ち で あ る が 、 職 業 継 続 の 支 援 と し て ラ イ フ スタイルの多様性や、育児や介護などのケア役割の 状 況 に 合 わ せ て 、 そ の バ ラ ン ス に 着 目 し て 考 え て い くことが必要であると示唆された。 2.「個としての発達」と「関係性にもとづく発達」 職業継続要因の統合を繰り返した結果、概ね【個 − 7 − としてのカテゴリー】と【関係性にもとづくカテゴ リー】の2つのコアカテゴリーに分類された。発達 心理学では、成人としての成熟性を「個としての発達」 と「関係性にもとづく発達」に分け、「個としての発達」 は積極的な自己実現の達成へ向かい、「関係性にもと づ く 発 達 」 は 、 他 者 の 成 長 や 自 己 実 現 へ の 援 助 に 向

かうという報告がある9)。本研究における【個として

のカテゴリー】は、学ぶ段階から、自律的にバラン スをとる段階を経て、技術の熟成や自己安定感といっ た 自 分 ら し さ を 発 揮 す る 段 階 を ふ ん で い た 。 こ れ ら はサブカテゴリー《変化・成長を求める》に重なっ て、自己実現達成の方向'性を示していると捉えられ た。また、【関係性にもとづくカテゴリー】では、職場、 家 庭 に お け る 支 え ら れ る 関 わ り の 段 階 か ら 、 発 達 危 機 ( 関 係 性 ) の 段 階 を 経 て 、 自 ら が 関 係 に 主 体 的 に 取 り 組 み 、 そ の 後 、 後 進 を 育 成 す る と い う 支 え る 関 わ り へ 発 展 的 な 段 階 を ふ ん で い た 。 サ ブ カ テ ゴ リ ー 《患者の存在》は、患者と看護師間の互恵的な経験が 年代を問わず語られていたことを指しており、看護 職が関係‘性を基盤とする職業であることをそのまま 示している。【個としてのカテゴリー】と【関係性に もとづくカテゴリー】の2つのコアカテゴリーを構 成する《サブカテゴリー》〈概念〉は、発達心理学に おける「個としての発達」と「関係性にもとづく発達」 の 構 造 を も っ て 、 そ れ ぞ れ が 成 人 と し て の 成 熟 性 の 方 向 性 を 向 い て お り 、 看 護 師 と し て の 職 業 継 続 要 因 は お よ そ 発 達 段 階 的 な 階 層 を 示 し て い る と 捉 え ら れ た。 また、看護職を継続するなかで多くの看護師が“患 者 の 感 謝 の 言 葉 で 看 護 師 と し て の 自 分 に 自 信 が も て た ” と い う 実 感 を 体 験 し て い た 。 こ の こ と は 、 患 者 と関わるという関係性の体験が、看護師の自己確信 という個の体験と相互に関連・影響していることを 示 し て い る 。 一 般 的 に 職 業 継 続 は 個 人 の 問 題 と 思 わ れ が ち だ が 、 互 い に 関 係 し 合 う 関 係 性 を 通 し て の 成 長・発達が深くかかわっていると考えられた。「個と し て の 発 達 」 と 「 関 係 性 に も と づ く 発 達 」 は 成 人 期 の 発 達 の 両 輪 を な す も の で あ り 、 バ ラ ン ス の 取 れ た 統合が重要である'0)ことから、看護職を継続するこ とへの支援として、個と関係′性の両面から組織的に 取り組むことが重要であると示唆された。 3.「看護が好き」という価値観の純化 対 象 者 は 、 看 護 師 を 続 け ら れ て き た 要 因 と し て 、 また現在の気持ちとして、7名全員が看護が好き‘

v

.

考察

本研究では、ミドル看護師7名にインタビューを 行い、

M-GTA

を用いて「看護師の職業継続要因は看 護師の職業経験という視点、から見るとどのようなも のか」という問いから分析を行った。その結果、看 護師の職業継続には発達段階における成人としての 成熟性が深く関係しており、看護師の職業経験の特 徴として以下の

3

点が捉えられた。

1

.職業継続にかかる生活全般にわたった経験 看護師の職業継続要因は、職業生活だけではなく 家庭生活や個人生活を含む生活全般のさまざまな立 場や役割を通して培ってきた経験として抽出された。 既婚者は、職業継続には育児、家事のサポートが欠 かせないとして、その影響の大きさを語っていた。 個人生活では、既婚の有無にかかわらず仕事や家庭 から離れた個人的な時間・空間を確保しており、気 分転換や趣味、仕事とは別の学習時間として活用し ていた。 今日、キャリアという言葉は単に経歴として捉え るのではなく、職業以外にも家庭、地域といった杜 会的役割を含めて統合的に捉えるようになってきて いるヘ看護師のキャリアにおいても、看護職として の立場や役割だけを捉えるのではなく、家庭生活や 個人生活全般が職業継続に関与して看護師のキャリ アが形成されていくと捉えることが必要である。 また、職業、家庭、個人それぞれの生活の場にお いて複数の役割をもつことは、時間・空間の拡がり だけでなく仕事への活力にも影響を及ぼしていた。 対象者は複数の役割をもつなかで、自律的にそのバ ランスをとって働く活力の回復をはかったり、場や 役割が変わることで意図的にもしくは自然に気分転 換がはかれていた。

T

h

o

i

t

s

.

P

.A

.

7) 8)は、複数の役割 アイデンテイテイをもっていることと心理的なよい 状態等の関連性を分析し、男女とも複数の役割アイ デンティティをもっていることが悩みや疲労の軽減 に役立つと指摘している。看護師として働くなかで、 複数の役割をもつことでの相互的な効果が期待され る。現在、卒後、継続教育では、職業的発達だけに 注目しがちであるが、職業継続の支援としてライフ スタイルの多様性や、育児や介護などのケア役割の 状況に合わせて、そのバランスに着目して考えてい くことが必要であると示唆された。

2

.

r

個としての発達

J

と「関係性にもとづく発達」 職業継続要因の統合を繰り返した結果、概ね[個 一

7-としてのカテゴリー]と[関係性にもとづくカテゴ リー}の

2

つのコアカテゴリーに分類された。発達 心理学では、成人としての成熟性を「個としての発達」 と「関係性にもとづく発達jに分け、「個としての発達」 は積極的な自己実現の達成へ向かい、「関係性にもと づく発達」は、他者の成長や自己実現への援助に向 かうという報告がある九本研究における[個として のカテゴリー]は、学ぶ段階から、自律的にバラン スをとる段階を経て、技術の熟成や自己安定感といっ た自分らしさを発揮する段階をふんでいた。これら はサブカテゴリー《変化・成長を求める》に重なっ て、自己実現達成の方向性を示していると捉えられ た。また、{関係性にもとづくカテゴリー]では、職場、 家庭における支えられる関わりの段階から、発達危 機(関係性)の段階を経て、自らが関係に主体的に 取り組み、その後、後進を育成するという支える関 わりへ発展的な段階をふんでいた。サプカテゴリー 《患者の存在》は、患者と看護師聞の互恵的な経験が 年代を問わず語られていたことを指しており、看護 職が関係性を基盤とする職業であることをそのまま 示している。[個としてのカテゴリー]と[関係性に もとづくカテゴリー]の

2

つのコアカテゴリーを構 成する《サプカテゴリー> <概念〉は、発達心理学に おける「個としての発達」と「関係性にもとづく発達」 の構造をもって、それぞれが成人としての成熟性の 方向性を向いており、看護師としての職業継続要因 はおよそ発達段階的な階層を示していると捉えられ た。 また、看護職を継続するなかで多くの看護師が“患 者の感謝の言葉で看護師としての自分に自信がもて た"という実感を体験していた。このことは、患者 と関わるという関係性の体験が、看護師の自己確信 という個の体験と相互に関連・影響していることを 示している。一般的に職業継続は個人の問題と思わ れがちだが、互いに関係し合う関係性を通しての成 長・発達が深くかかわっていると考えられた。「個と しての発達」と「関係性にもとづく発達」は成人期 の発達の両輪をなすものであり、バランスの取れた 統合が重要である 10)ことから、看護職を継続するこ とへの支援として、個と関係性の両面から組織的に 取り組むことが重要であると示唆された。

3

.

r

看護が好き

J

という価値観の純化 対象者は、看護師を続けられてきた要因として、 また現在の気持ちとして、

7

名全員が看護が好き・

参照

関連したドキュメント

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認め

断面が変化する個所には伸縮継目を設けるとともに、斜面部においては、継目部受け台とすべり止め

 複雑性・多様性を有する健康問題の解決を図り、保健師の使命を全うするに は、地域の人々や関係者・関係機関との

 しかし、近代に入り、個人主義や自由主義の興隆、産業の発展、国民国家の形成といった様々な要因が重なる中で、再び、民主主義という

・ 継続企業の前提に関する事項について、重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認

2  事業継続体制の確保  担当  区各部 .

現在、電力広域的運営推進機関 *1 (以下、広域機関) において、系統混雑 *2 が発生