知的障害を伴わない発達障害をもつ子どもの発見か
ら就学における関係者の役割および連携に関する実
態調査
著者
石川 涼
学位授与機関
Tohoku University
URL
http://hdl.handle.net/10097/55704
修士論文
知的障害を伴わない発達障害をもつ子どもの
発見から就学における
関係者の役割および連携に関する実態調査
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻 家族支援看護学領域 小児看護学分野 B1MM2002 石川 涼目 次 1 . 研 究 背 景 ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 1.1 発 達 障 害 の 概 要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1.2 諸 外 国 の 発 達 障 害 の 早 期 発 見 ,早 期 支 援 の 現 状 ・・・・・・・2 1.3 日 本 国 内 で の 発 達 障 害 の 発 見 ,支 援 の 現 状・・・・・・・・・4 1.3.1 早 期 発 見 の 現 状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 1.3.2 早 期 発 見 の 現 状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 1.4 我 が 国 の 発 達 障 害 の 早 期 発 見 , 早 期 支 援 の 現 状 か ら 考 え ら れ る 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ 7 1.5 本 研 究 の 意 義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 2 . 研 究 目 的 ・・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・8 3 . 研 究 方 法 ・・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ 8 3.1 用 語 の 定 義 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 3.2 調 査 対 象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 3.3 調 査 方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 3.4 質 問 内 容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 3.5 分 析 方 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 3.6 倫 理 的 配 慮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 3.7 調 査 期 間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 4 . 結 果 ・・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・11 4.1 対 象 者 の 属 性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 4.2 分 析 結 果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 4.2.1 発 見 の た め に 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 ・・・・・ ・・ 12 4.2.2 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ た め に 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・14 4.2.3 発 達 支 援 と し て 行 っ て い る こ と お よ び 課 題・・・・・・・ 18 4.2.4 就 学 支 援 と し て 行 っ て い る こ と お よ び 課 題・・・・・・・ 30 5 . 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 40 5.1 発 達 障 害 の 発 見 の 現 状 と 方 策・・・・・・・・・・・・・・ 40 5.2 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ た め の 現 状 と 方 策・・・・・・・ 41 5.2.1 支 援 の 必 要 性 を 判 断 し ,方 向 性 を 検 討 す る・・・・・・・ 42 5.2.2 保 護 者 と の 関 係 を 作 り ,保 護 者 と の 信 頼 関 係 を 得 る・・・43 5.2.3 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ た め の 方 策・・・・・・・・・ 44
5.3 発 達 支 援 と し て 行 う こ と の 現 状 と 方 策・・・・・・・・・・ 44 5.3.1 子 ど も に 合 わ せ た 発 達 支 援 ・・・・・・・・・・・・・・ 44 5.3.2 き ょ う だ い 児 へ の 支 援・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 5.3.3 発 達 支 援 を 行 う た め の 方 策 ・・・・・・・・・・・・・・ 45 5.4 就 学 支 援 と し て 行 う こ と の 現 状 と 方 策・・・・・・・・・・ 45 5.4.1 保 護 者 が 子 ど も を 正 し く 理 解 し , 就 学 に 向 け て 行 動 す る こ と が で き る よ う に 支 援 す る ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 46 5.4.2 小 学 校 職 員 と の 連 携 ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・46 5.4.3 就 学 支 援 を 行 う た め の 方 策 ・・・・・・・・・・・・・ 47 5.5 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 各 関 係 者 の 役 割・・・・・ 47 5.5.1 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 保 健 師 の 役 割・・・・・ 47 5.5.2 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 保 育 者 の 役 割・・・・ 48 5.5.3 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 療 育 職 員 の 役 割・・・・ 49 5.5.4 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 小 児 科 医 の 役 割・・・・ 50 5.5.5 発 達 障 害 の 発 見 か ら 就 学 に お け る 小 学 校 教 員 の 役 割・・・50 5.6 連 携 の 在 り 方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 51 5.7 研 究 の 限 界 と 今 後 の 課 題・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 6 . 結 語 ・・・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・・ ・ ・・ ・ ・ 52 7 . 謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 52 8 . 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 53 表 1 対 象 者 の 属 性 表 2 発 見 の た め に 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 表 3 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ た め に 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 表 4 発 達 支 援 と し て 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 表 5 発 達 支 援 と し て 行 っ て い る こ と お よ び 課 題 図 1 「 発 見 の た め に 行 う こ と 」 の 体 系 図 図 2 「 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ た め に 行 う こ と 」 の 体 系 図 図 3 「 発 達 支 援 と し て 行 う こ と 」 の 体 系 図 図 4 「 就 学 支 援 と し て 行 う こ と 」 の 体 系 図 資 料 1 イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド( 医 師 ,保 健 師 ,保 育 関 係 者 ,幼 稚 園 関 係 者 ) 資 料 2 イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド ( 療 育 関 係 者 ) 資 料 3 イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ド ( 小 学 校 関 係 者 )
1 1 . 研 究 背 景 1.1 発 達 障害 の 概 要 発達障 害 は,胎生 期な いし 乳 幼 児期 に発 生し た脳 の 器質 的損 傷の ため に精 神機 能の 発達 に 障害 がみ られ る病 態で ある 1)。 乳 幼児 期か ら の 精神 発達 が全 般的 にも し くは 部分 的に 遅れ てい るか ,偏り があ る状 態 で あり, 精神 遅滞(知 的障 害 )の ほか に広 汎性 発達 障害( 小児 自閉 症)やコ ミュ ニケ ーシ ョン 障害 な どが ある 2)。 知的 障害 がな く発 達 の偏 りや ゆが みを 中 心 と す る 発 達 障 害 の 中 に , 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 (Attention Deficit Hyperactivity Disorder :ADHD ) や 高 機 能 広 汎 性 発 達 障 害 (High Functioning Pervasive Developmental Disorder :HFPDD), 学習 障害 (Learning Disability:LD)等がある。文部科学省の 2012 年 12 月の発 表に よる と ,通 常学 級に 在籍 し て いる 学 習 面ま たは 行 動面 で著 しい 困難 を示 す児 童生 徒の 割 合は ,推 定 値 6.5%である 3)。 知的 障害 を 伴 わな い 発達 障害 に 共 通す る 特徴 とし て ,定型 発達 との はっ き りし た境 目が ない ため ,個 性と し て受 け止 めら れる こと が多 く,本 人が 困っ てい ても 周り が気 がつ かな い,1 回の診察 だけでは診断がつけにくいことなどがあげ られ る 4)。 その ため ,発 達障 害 の 発見 は難 しく ,発 達 障害 に対 する 関係 者の 考え 方に も違 い が生 じて いる 。 こ のよ うに ,発達 障害 は気 づか れな いま ま養 育さ れ るこ とが ある 。し かし ,発 達障 害の 子 ど も は,いろ いろ 問題 を起 こす「 困っ た子 」で ある こと が多 い た め ,親 など が「 厳し い罰 」を 与え る よう にな り,それ に伴 い子 ども が反 抗的 に なっ てゆ き,さら に「 困っ た子」に なる とい う 悪循 環が 生じる 5)。 この よう な 養 育 過 程に おけ るさ まざ ま な体 験を 通じ て形 成さ れた 二 次 的障 害 を併 存す るに 至っ て,初 めて 医療 機関 の受 診 が 必要 にな る場 合が 少な く ない 。医 療機 関を 受診 し た ADHD 児の調査 による と 6), そ の 70%から 80%に何らかの併存障害が存在した。幼いころか ら叱 責さ れ続 けて 育 つこ との 多 い ADHD 児が,正当な叱責であっても 自分 への 攻撃 や侮 辱 と解 釈す る傾 向を 強め ,叱責 する 大人 に対 す る 怒り と 叱 責 さ れ る こ と に よ る 見 捨 て ら れ 感 や 自 己 評 価 の 低 下 も あ い ま っ て , 強く 反抗 的心 性が 刺 激さ れる と 指 摘し てい る 。ま た,周囲 に 叱 責 さ れ続 け,理 解さ れ受 け 入れ られ る経 験 が乏 しく 育つ と「 頑張 って も無 理」,「誰 も分 かっ てく れな い」とい っ た感 情が 高ま り, 他 者 に向 けた 攻 撃性 ,反
2 抗性,反 社会 性を 増強 させ ,不 安 や抑 うつ 感が 増強 し, 不安 障 害や 気分 障害 の発 症に も至 る と 指 摘し てい る 6)。 横 山ら 7)は, 発達 障害 が あ る子 ども が,触法 行 為や 過度 の攻 撃性 や暴 力,重大 な 規則 違反 を繰 り返 す行 為障 害を 併用 して い く過 程に 影響 を与 えた 因子 とし て ,虐 待の 存 在 と保 護者 の離 婚を あげ ,家庭 内で 人と の人 間性 を学 べな い こと が,行為 障害 の併 存に つな がる と 報告 して いる 。 さ らに ,杉 山ら 8)の調 査で は , 知的 障 害 を 伴 わ な い 発 達 障 害 児 が 虐 待 の 高 リ ス ク に な っ て い る と 報 告 し て いる 。こ のよ うに ,発達 障害 の二 次障 害を 予 防 ,軽減 する ため には ,薬 物療 法を 含め た治 療 と,本人 へ の 行動 療法 やソ ーシ ャ ルス キル トレ ーニ ング ,親 へ の肯 定的 な関 わり を 続 けら れる よう なペ ア レン トト レー ニン グが 必要 にな って く る。その ため には ,学 校を は じめ とす る地 域関 連機 関 と の 連 携 に よ る 支 援 な ど 子 ど も や 親 の 実 情 に 合 わ せ て 統 合 的 に 支 援 して いく 必要 があ る 6)。 1.2 諸外国の発達障害の早期発見,早期支援の現状 米 国,フィ ンラ ンド では ,法 律 やガ イド ライ ンに よ って 組織 的に ,発 見お よび 支援 を行 っ てい る。 米国 では ,就学 前に おけ る 障害 の ある 子ど もの 早期 ス クリ ーニ ング 機 能は ,家 庭医 が担 う 場合 が多い 4)。 ス クリ ーニ ング に おい て は ,米 国小 児科 学会 が ,特 別な ニー ズを 持 つ 子ど もの 家庭 医療 の ため の国 立セ ンタ ー(The National Center of Medical Home Initiatives for Children with Special Needs)を持ち,スクリーニングを促進する機能を担って い る 。 そ し て 出 産 時 の 障 害 お よ び 発 達 障 害 に 関 す る 国 立 セ ン タ ー (National Center on Birth Defects and Developmental Disabi lities) や連 邦教 育省 と連 携 をと りな がら ,ス クリ ー ニン グ機 能を 発揮 す る こと が求 めら れて いる 。ま た,ベビ ー シッ ター や保 育士 ,幼 稚園 教 諭が スク リー ニン グや 支援 の 必要 性に つい て ,専門 機 関に 相談 する よう に 保 護者 に勧 める 場合 もあ る 9)。 さら に , 米国 小児 科学 会 は 監 視と スク リー ニン グに 関す るガ イド ラ イン を出 して おり , そ れ に よる と 5 歳までに 13 回 の受 診 を うた って お り, 最初の 18 か月までに重点が置かれている。 スク リー ニン グで 障 害が 疑わ れた 子ど もは ,IDEA(Individuals with Disabilities Education Acts)という法律によって, 0 歳から 2 歳まで
3 は, 個別 家族 計画 を 作成 し,3 歳から 22 歳は,個別支援計画を作成し, 一貫 され たサ ービ ス を 受 けや すく なっ てい る。IDEA の適格性が得られ れば ,特 別な ニー ズ に対 する サー ビス の費 用は 無償 と なる 。 ま た,0 歳 から 5 歳で確定的な診断が困難な子どもでも,「発達の遅れ」という障 害 カ テ ゴ リ で 早 期 か ら の 支 援 が な さ れ て い る 。 加 え て ,NCLB 法 (No Child Left Behind Act)でも,早期支援の重要性がうたわれており, 5 歳児 また は 4.5 歳児を対象として行われる 幼児教育 においても就学に向 け て の 準 備 が ど れ く ら い 整 っ て い る か を 見 る ア セ ス メ ン ト が 導 入 さ れ , 特 に 学 習 面 に つ い て 詳 細 に ア セ ス メ ン ト す る 視 点 が 盛 り 込 ま れ る よ う にな っ て いる 10)。 この よう に ,米 国で は 発 見 に関 し て小 児科 医が 大き な 役割 を担 って お り,保 育士 等 も発 見 の 補助 的役 割 があ る 。ま た,支援 に関 して は,IDEA とい う法 律で 一貫 し たサ ービ スが 受け られ る。 フ ィ ンラ ン ド で は , ネ ウ ボ ラ(Neuvola)と呼ばれる幼児保健センタ ーで ,生 まれ る 前か ら一 貫し たフ ォロ ー体 制が 組ま れ てい る。ネウ ボラ には ,保 健 師( 診察 ス ケジ ュー ル の調 整と 母親 相談 )と医 師(診 察 )が 所属 して おり ,健康 管理 を中 心 と した サー ビス が就 学 まで 無料 で提 供さ れて いる 。子 ども の 健診 は,1 歳未満で 8 回,1 歳から 2 歳で年 4 回,2 歳を 超え ると 年 1 回実施される。 1 歳未満の場合は 2 回から 3 回,その 後は 2,3 年毎に医師が同席する。ネウボラで対応できない精神発達上 の問 題が ある 時に は ,児 童家 族セ ンタ ーや 大学 病院 等 に 紹 介さ れる 。ま た, 児童 の権 利と 福 祉を 目的 とす る NGO であるマンネルヘイム児童保 護協 会か らは ,乳幼 児の 発達 や 育 て方 が丁 寧に 書か れ たパ ンフ レッ トが 提供 され てい る 。そ こに は通 常の 発達 が優 しく 説明 さ れて おり ,こ れに よっ て保 護者 の気 づ きを 高め てい ると 思わ れる 。さら に ,ネウ ボラ には, 誕生 から 就学 まで の 子ど もの 情報 と記 録が 蓄積 され て おり ,こ れ は 小学 校入 学と 同時 に校 内 の保 健セ ンタ ーに 引き 継が れる 。 フィ ンラ ンド の保 育 サー ビス は統 合保 育で ある 。通常 の保 育 所の 場 合 も障 害に 応じ たプ ロ グラ ムが ある 。統 合保 育の 形 態を とり なが ら ,同時 に専 門保 育を 行っ て おり ,5,6 人の障害のある子どものグループ毎に特 別な ケア や指 導を 提 供し てい る。 また ,特 定の 障 害に 対応 する ため の保 育所 があ り,そ こは 通所 して いる 子ど もの ケア だけ で なく ,専 門 の スタ
4 ッフ が,他の 保 育所 のス ーパ ービ ジョ ンや コン サル テ ーシ ョン ,職 員研 修な どを 行っ てい る 。ス タッ フ に は,保育 士 ,看 護師 ,言語 療 法士 ,理 学療 法士 ,ケ ース ワ ーカ ーが いる 。 幼 児 教 育 と ケ ア の ガ イ ド ラ イ ン に は , 個 別 保 育 計 画 を 全 て の 幼 児 に , 両親 との 協同 で策 定 する こと を規 定し てい る。さ らに ,そ の個 別 保 育計 画 は , 個 別 の 就 学 前 教 育 計 画 と 全 体 で 機 能 す る よ う に 要 求 さ れ て い る 。 この ガイ ドラ イン に は,特別 な支 援の 章が あり ,個別 の保 育計 画に 基本 教育 法に 定め られ た 様式 でア セス メン トを 含め るこ と ,及 び支 援 の 方法 が記 述さ れて いる 。支 援者 に は,特別 保育 所教 師,特別 支援 コ ンサ ルタ ント 教師 ,特 殊 グル ープ 保育 士が あり ,前 者の 二 つに は修 士号 が必 要で ある 。こ のよ う に保 育 の 段階 で ,特別 支援 に関 して 専 門性 をも つ 支 援者 が存 在し てい る。また ,保 育所 の 年長 以降 の教 員は ,修 士以 上 とい う教 師の 専門 性の 高さ に より ,通 常学 級に おい て も ,切れ 目の ない 支援 が行 われ ている 10)。 この よう に,フ ィン ラン ドで は ,保健 セン ター にお い て定 期的 な健 診 で発 見し てお り ,支 援に 関し ては 統合 保育 の 形 態 を と り,専門 性の 高い 支援 者が 支援 にあ た って いる 。ま た ,保 健セ ンタ ーの 乳 幼児 期の 記 録が, 小学 校へ 引き 継が れ てい る。さら に,保護 者の 発 達障 害に 関す る知 識向 上の ため の対 策も と られ てい る。 1.3 日本国内での発達障害の 発見,支援の 現状 わ が国 では ,平成 16 年 12 月に発達障害者支援法 11)が 公布 され た 。こ の法 律は ,発 達 障害 児に 対し でき るだ け早 期に ,その 症状 に応 じて 適切 に,就 学 前の 発達 支援 ,学 校に お ける 発達 支援 その 他 の発 達支 援,就労 支援 ,地 域 にお ける 生活 等に 関 す る支 援及 び発 達障 害 者の 家族 に対 する 支 援 を 行 う こ と は , 国 及 び 地 方 公 共 団 体 の 責 務 で あ る と う た っ て い る 。 また ,支 援 等に あた っ て は ,医 療 ,保 健 ,福 祉 ,教 育及 び労 働 に関 する 部局 の緊 密な 連携 の 確保 ,そ の 他 の関 係機 関と の協 力 体制 の整 備を 行う こと も う たわ れて い る ( 第 3 条 2 項)。 1.3.1 早期発見の現状 発達 障害 者支 援 法 11)の中 で早 期発 見に 対し ては ,母 子 保健 法第 12 条
5 及び 第 13 条に規定している健康診査を行うに あたり ,発達障害の早期 発見 に十 分留 意し な けれ ばな らな いと して いる (第 5 条)。また,母子 保健 法 12)の中 で,保 健師 は,乳 幼 児の 母親 また はそ の 他の 保護 者に 対し て,乳幼 児の 保 育に 関し ,保 健 上 必要 な事 柄の すべ て につ いて 指導 する とし てい る 。 母 子保 健 法 12)第 12 条及び第 13 条では,市町村は,満 1 歳 6 か月を 超え 満 2 歳に達しない幼児,満 3 歳を超え満 4 歳に達しない幼児,及び 必 要 に 応 じ 乳 児 も し く は 幼 児 に 対 し て 健 康 診 査 を し な け れ ば な ら な い とし てい る 。宮 本ら 13)は ,山 梨 県 の市 町村 にお ける 乳 幼児 健診 の内 容を 調 査 し , 保 健 師 は 問 診 , 個 別 相 談 に 主 に 配 置 さ れ , 健 診 の 企 画 , 運 営 , 実施 を行 って いる と 報告 して いる 。ま た,山 本 14)は,保健 師は 問 診 や健 診の 流れ の中 で子 ど もを 観察 した り,触れ たり し なが ら,子ど も の 発達 を確 認し 助言 して い ると して いる 。加 えて,荒 木 田 ら 15)は,保 健 師 の実 施す る乳 幼児 健診 で の面 接は ,多 様な アセ スメ ント の 視点 があ るこ とと, 多彩 な面 接技 術が 必 要で ある こと が推 察さ れる とし て いる 。乳 幼 児 健診 にお ける 保健 師の 役 割は ,多 様か つ重 要で ある 。 笹 森 ら 16)によ る と,1 歳6 か月児健康診査と 3 歳児健康診査の受診率はともに 90%以上と高率 であ り,心 理相 談の 設定 や言 葉 や 精神 発達 に関 する 調 査な ども 多く の地 方公 共団 体で 実施 さ れて おり ,発 達障 害の ある 幼児 や その リス ク児 のス クリ ーニ ング の場 と して 有効 に活 用で きる 可能 性が 高 いが ,担 当 す る常 勤の 保健 師の 配置 は 十分 とは いえ ず,健診 事 業は 保健 師が 一人 で 担 わざ るを 得な い状 況の 地 域も 多い と報 告し てい る 。稲 葉ら 17)に よる と ,健康 診 査 に 携 わ る 保 健 師 の 数 や 一 人 あ た り の 問 診 時 間 に は ば ら つ き が あ り , 地域 によ る健 康診 査 の体 制に 相違 がみ られ る こ とが 指 摘さ れて いる 。ま た ,健 康診 査を 担当 す る医 師は ,小児 科医 が最 も多 い が ,次 いで ,内科 , 耳鼻 科,眼科 で あり ,発 達障 害 児 の早 期発 見に 必要 な 児童 精神 科 医 の関 与 は 極 め て 低 い と し て い る 。 乳 幼 児 健 診 の 受 診 率 は 高 い に も 関 わ ら ず , 健診 を担 当し てい る 医師 や保 健師 の数 ,発 達障 害 に対 する 知識 など ,発 達障 害の 早期 発見 の 体制 とし ては 改 善 の余 地が ある と いえ る 。 加 えて ,発 達 障害 の特 徴は 家庭 の中 では 目立 たず ,集団 生活 を開 始し て明 らか に なっ て くる こと が 多い 。小 枝 18)は ,ADHD,LD,および言 語発 達の よい 広汎 性 発達 障害 は ,3 歳児健診までの乳幼児健診では,発
6 達上 の問 題を 指摘 さ れて いな いこ とが 多く ,落ち 着き のな さや 特 異 的な 認知 障害 ,対人 関係 の障 害な ど は 乳幼 児期 には 発見 さ れに くか った と報 告し てい る。津田ら 19)は,集団 の 中で ,他 の同 年齢 児と の比 較 や対 人交 流の 様子 の観 察が 必 要で あり ,保 育士 が最 も的 確に 判 断で きる とし てい る。 しか し, 保育 所 保育 指 針 20),幼 稚園 教育 要 領 21)の 中で は, 支援 に つい ては 述べ てい る にも 関わ らず ,発 見に 関し ての 記 述は ない 。 1.3.2 早期支援の現状 発 達障 害者 支援 法 11)では ,継続 的な 相談 ,医学 的ま たは 心 理学 的 判定 を受 ける ため の専 門 機関 の紹 介 ,また は助 言を する こ とが うた われ てい る( 第 5 条 3 項)。 しかし, 具体的な支援内容は,各市町村にゆだねら れて いる 。厚生 労働 省が 定め て い る 保 育所 保育 指針 20)の 中に も ,保 育の 方法 とし て,子 ども の発 達に つい て理 解し ,一 人 ひと りの 発達 過程 に応 じて 保育 をす るこ と とあ る(第 1 章 3)。さらに,障害の ある子どもの保 育に つい ては ,子 ど もの 状況 に応 じた 保育 を実 施す る こと (第 4 章 1), 子ど もに 障害 や発 達 上の 課題 がみ られ る場 合に は ,他 の関 係機 関 と 連携, 協力 し,保護 者 に対 する 個別 の支 援を 行う よう に努 め るこ とと ある(第 6 章 2)。また,文部科学省が定めている幼稚園教育要領 21)の 中 にも ,幼 児一 人ひ とり の特 性 に応 じ,発 達 の課 題に 即し た指 導 を行 うこ とと ある (第 1 章第 1)さらに,障害のある幼児の指導に当たっては,個々の幼 児の 障害 の状 態に 応 じた 指導 の工 夫を 行う こと ,関係 機関 と連 携 し た支 援を 行う こと とあ る(第 3 章第 1)。しかし ,保育士は自閉症児に対する 関わ り方 に不 安を も って いる との 報告 がある 22)。 加え て,保育 所 保 育指 針 20),幼 稚 園教 育要領 21)とも に,就 学 に際 し , 小学 校と 積極 的に 連 携を 図る こと とし てお り ( 第 4 章 1,第 3 章第 1), 小学 校学 習指 導要 領 23)の中 に も,幼稚 園や 保育 所な ど と連 携や 交流 を図 るこ とと して いる(第 1 章第 4)。また,文部科学省の特別支援教育の推 進に つい て( 通知 )24)によ ると ,特別 支援 教育 コー デ ィネ ータ は,関係 諸機 関と の連 絡調 整 ,保 護者 から の相 談窓 口な どの 役 割が あり ,校 長は 特別 支援 教育 コー デ ィネ ータ が ,学校 にお いて 組織 的 に機 能す るよ うに 努め るこ とと して い る。し か し, 教育 機関 との 連 携 と いう こと では ,就 学 前 と 就 学 後 の 継 続 と い う 支 援 か ら 考 え る と 十 分 と は い え な い と い う
7 報告 もある 22)。ま た,自治 体 や 地 域に よっ て,その 取り 組み や 考え 方の 格差 が あ り, そ れ に 伴い 教職 員の 意識 の差 も歴 然と し ている 5)。 1.4 我 が国 の 発 達障 害 の 早期 発見 , 早 期 支 援の 現 状 から 考 え られる 課 題 乳 幼児 期は ,個人 差が とて も 大 きく 環境 の影 響を 受 けや すい 時期 であ る 。 そ の た め , さ ま ざ ま な 子 ど も の つ ま ず き が 障 害 な の か 個 性 な の か , 判断 する こと がと て も難 しい 4)。特に,知 的障 害を 伴わ ない 発 達障 害は , 知能 検査 など によ る 確定 が難 しい こと もあ り ,関 係者 間で 診断 や 支 援の 必要 性に つい て 考 え 方に 違い があ る。その ため ,発見 およ び支 援 が さら に遅 れて いる 。困難 さに 早期 に気 づ き 支援 を開 始す れ ば,子ど もは 大き く成 長す るが ,気づ きが 遅れ 本 人 を 迫 害す るよ うな 対 応を して しま うと 大き なダ メー ジを 受 ける 25)。発 達 障害 のあ る子 ども の 早期 発見 から 早期 支援 に 至 る過 程で は ,保 健,医療 ,福 祉,教育 等 様々 な機 関や 人が 関わ るこ とが 多い 。我が 国に おけ るこ れま での 早期 支援 で は,個々 の機 関で 別々 に行 われ てい る こと が多 く ,相互 に連 携し て 一 人 ひと りの 子ど もに つ い て 一 貫 性 の あ る 効 率 的 な 支 援 に な っ て い な い こ と が 少 な く な い 26) と指 摘し てい る 。こ のこ とに より ,幼 児期 の早 期 支援 が就 学後 の支 援に 適切 につ なが って い ない 場合 が多 くみ られ る 。発達 障害 者支 援法 11)でも, 発 達 障 害 の 支 援 に 対 す る 具 体 的 な 方 法 や 連 携 は 各 市 町 村 に ゆ だ ね ら れ てお り,それ ぞ れの 地域 で様 々な 取り 組み がさ れて い る が ,取 り組 みの 紹介 にと どま って お り,先 行 研究 とし ては 見当 たら な い。ま た,入 学後 の小 学校 にお ける 支 援に つい ての 研究 はさ れて いる が ,保 育所 ,幼 稚園 から 小学 校へ の 移 行 期の 支援 に関 する 研究 も 見 当た ら ない 。 発達 障害 は, 診断 す るこ とが 難し い 4)た め, 支援 の必 要性 を 共有 し に くい。し かし,子ど も の抱 えて い る発 達障 害に 早期 に 気づ き,早期 に適 切な 支援 を提 供で き れば ,子 ど も は大 きく 成長 する 25)し たが っ て ,子ど もや 保護 者に 対し て 適切 な支 援を 行わ なけ れば なら な い 。そ の際 ,医療 , 保健,福 祉,教 育の 分 野の 専門 家 が連 携す るこ とで ,発 達障 害 の早 期発 見や 包括 的な 支援 が 可能 にな る 。しか し ,関係 者 が自 身の 役割 や責 務を 充分 に理 解し てい る とは 言い がた く 27),そ のこ とに よ り,関係 機 関 の 役 割や 責務 に つ いて の 考え 方に 違い があ り,関 係機 関同 士の 連携 も ス ムー
8 ズに なっ てい ない と 考え られ る。発達 障害 グラ ンド デ ザイン 26)の中 でも, 支援 や 各 関係 機関 の 連携 の必 要性 は述 べら れて いる が ,各 関係 者 の 具体 的な 役割 や連 携は 明 確に なっ てい ない 。 1.5 本研究の意義 発達 障害 の発 見支 援 に 関 わる 関係 機関 の役 割が 明確 化 し,発 達障 害 の 早期 発見 ,早 期支 援,連携 に対 す る 示 唆を 得る こと が でき れば ,そ れぞ れの 都道 府県 ,市 町村 に適 応 した 早期 発見 ,早 期支 援 の 一助 に なる 。そ のこ とに よっ て ,よ り多 くの 発達 障害 児の 二次 障害 を 予防 ,軽 減で きる ので はな いか と考 え る。加 え て, 関係 機関 の調 整役 を 担い ,地 域シ ステ ムの 構築 や ,展 開 を する 役割 を も つ 保 健師 が発 達障 害 の発 見や 支援 をよ りよ く実 践す るた め の足 掛か りに なる ので はな いか と 考え られ る 。 2 . 研 究 目 的 発 達 障 害 の 乳 幼 児 期 の 発 見 か ら 就 学 支 援 に 至 る 以 上 の 現 状 を ふ ま え , 本研 究で は, 以下 の 2 点を明らかにすることを目的とする 。 1)発達 障害 の発 見 から 就学 支援 に関 わっ てい る医 療 ,保 健,福祉 , 教 育の 各関 係者 ( 以下 , 関係 者 と す る) の 発 達 障害 の発 見 ,発 達 支 援 ,就 学支 援に 対す る 役 割 の 現 状と 課題 を明 確化 する 。 2) 1 ) より , 発見 から 就学 ま で の一 貫性 を考 慮し た 発 達 支援 ,関 係者 の連 携の あり かた を 検討 する 。 3 . 研 究 方 法 3.1 用語の定義 本研 究に おけ る用 語 の定 義 は ,以 下の 通り とし た。 発 達 障 害 : 本 研 究 で は , 発 達 障 害 の 中 で も カ ナ ー 型 の 自 閉 症 を 除 い た , 知的 障害 を伴 わな い「 発達 の偏 り や歪 み 」を 中心 とし た 発達 障害 と する。 発 見:各 関係 機関 の職 員が ,定型 発達 と比 較し て「違 う 」と 感じ た とき 。 発 達 支 援 :保 護者 が ,発 達支 援 の 必要 性を 認識 し行 動 を起 こし た時 点か ら, 関係 者が 子ど も と保 護者 およ び 家 族 に 対 し て行 う 支援 とす る 。 就 学 支 援:小学校へ の移 行時 期 に おけ る関 係者 が 子 ど もと 保護 者 お よび
9 家族 に対 して 行う 支 援 と する 。 3.2 調査対象 本 研 究 で の対 象職 種は ,発達 障 害者 支援法 11)の 中 で 連 携す るこ と が求 めら れて いる ,医療 ,保健 ,福祉 ,教 育 の職 種で ある , 医師 , 市町 村に 勤務 する 保健 師, 保 育所 管理 者,保育 所保 育士 ,療育 施設 管理 者,療育 施設 職員 ,幼 稚園 管 理者 ,幼 稚園 教諭 , 小 学校 管 理者 ,小 学校 特別 支援 教育 コー ディ ネー タ ,小 学校 教諭 ,小 学校 養護 教諭 の 合計 12 職種とし た。さ ら に,対 象職 種 の中 から ,発達 障害 また は発 達 障害 の疑 いが ある 子 ど も の 乳 幼 児 期 の 発 見 か ら 就 学 支 援 に 関 わ っ た 経 験 の あ る 対 象 職 種 の 職 員 を 対 象 と し た 。 対 象 者 の 選 定 に つ い て は , 施 設 長 に 研 究 の 意 義 , 目的 ,方 法に つい て 依頼 書を 用い て説 明し ,依 頼し た 。 発達 障害 者支 援法 11)に おい て,専 門的 な相 談や 支援 を 行う 拠点 とし て 発達 障害 者支 援セ ン ター や,専 門 的に 発達 障害 の診 断 およ び発 達支 援を 行う こと ので きる 医 療機 関の 確保 が示 され てい る 。し かし ,ど の 地 域に もこ れら が整 備さ れ てい ると は限 らず ,い ず れも 整備 され てい な い 地域 もあ るな ど支 援体 制 はさ まざ まで ある。そ こで, 本研 究 では, 発 達 支援 を多 職種 で組 織的 に 行っ てお り,次の 4 つの特徴のいずれかに該当する 地域 を選 出す るこ と にし た。発達 支援 を実 施す るに あ たり ,① 発達 障害 者支 援セ ンタ ーを 独 自で 運営 する 政令 指定 都市 ,② 発 達障 害の 専 門 外来, 病棟 があ る小 児専 門 病院 が中 心と なっ てい る地 域 ,③ 総合 病院 の 中 に発 達障 害の 専門 外来 が ある 小児 科が 中心 とな って いる 地 域 と した 。こ れら は比 較的 先進 的な 取 り組 み が 展開 され てい ると 期待 で き,それ ら の 情報 を得 るた めで ある 。 また ,④ 拠点 とな る施 設は ない も のの , 保 健師 ,保 育士 が中 心と なっ て いる 市町 村 と した 。こ れは ,発達 支援 の体 制 と して 多 く の 市 町 村 の 典 型 的 な 例 で あ る た め で あ る 。 こ れ ら の 特 徴 に 該 当 し , かつ 調査 協力 の内 諾 が得 られ た 東 北地 方 ,中 部地 方 ,九 州 地方 の 4 地域 を選 定し た。 3.3 調査方法 本 研究 は,発達 障害 者支 援法 11),母子 保 健法 12),保 育所 保育 指針 20), 幼稚 園教 育要 領 21), 小 学校 学習 指導 要 領 23)で う たわ れ てい る 発 達障 害
10 の発 見お よび 支援 の 中で ,各 関係 機関 の役 割に 着目 し ,よ り具 体的 に 現 状と 課題 を 回 答し て もら うた めに ,調 査者 が その 場の 対話 の流 れ に 合わ せて , 質 問 を 変化 さ せる こと ので きる 半構 成面 接法 と した 。 イ ンタ ビュ ー予 定 時間 は 30 分,回数は 1 回のみとし, 調査者と対象 者が 1 対 1 で実施した。インタビュー内容は録音またはメモにて記録し た。 3.4 質問内容 独 自に 作成 した イ ンタ ビュ ーガ イド(資 料 )に 基づ きイ ンタ ビ ュ ーを 行っ た。 イン タビ ュー ガイ ド は ,乳幼 児期 にお ける 発 達障 害の 発見 , 発 達支 援,就学 支援 の現 状と 課 題を 明ら かに する 内容 と した 。発 見, 発達 支援,就 学支 援の 各段 階で ,現 在 行っ てい るこ と,課題 だと 考 えて いる こと ,理 想の 形 だと 思う こと ,家 族に 対す る支 援を 質 問内 容と して 構成 した 。対 象者 の 職業 経験 年数 ,発 達障 害ま たは 発達 障 害の 疑い があ る子 ども に関 わり 始め て から の経 験年 数に つい て は ,イン タビ ュー 開 始 時に 口頭 で 回 答を 依頼 し た 。 イ ンタ ビュ ー ガ イ ドの 内容 につ いて は,母 子 保健 経験 者の 保健 師 2 名, 保育 園長 1 名,療育職員 1 名にプレテストを行い,十分に回答を引き出 せる かを 確認 して か ら行 った 。 イ ンタ ビュ ー実 施 時に は,関係 機関 の役 割を 明確 に する ため に,対象 者自 身が 行っ てい る のか ,他 の職 種が 行っ てい るの か ,他 職種 と 連 携し て行 って いる のか を あわ せて 質問 した 。 3.5 分析方法 録 音 お よび メモ か ら逐 語録 を作 成し た 。逐語 録 を 発 見 ,発 達 支 援 ,就 学支 援の 各段 階で ,「 現 在行 って いる こ と」,「 課 題だ と考 え て いる こと 」 の 2 点 に着目し,関連する文脈を 意味のまとまりごとに区切り 記録単位 とし た 。 記録 単位 を 分類 ,比 較検 討し ,サ ブカ テ ゴリ を抽 出し た 。さら に,サ ブ カテ ゴリ を 統 合, 比較 検 討 ,再 編 を繰 り返 しな がら カ テゴ リを 抽出 した 。 サ ブカ テゴ リと カ テゴ リの 抽出 ,命 名の 過程 に おい ては ,発 達 障 害児 のケ ア経 験の ある 小 児看 護 経 験者 9 名 で合 議し ,妥当 性の 確保 に 努 めた。
11 3.6 倫理的配慮 本 研究 は ,東 北大 学 大 学院 医 学 系研 究科 倫理 委員 会 の倫 理審 査を 受け 承諾 を得 たう えで 実 施し た( 受付 番号:2012-1-26)。また,研究協力施 設の 倫理 審査 を受 け 承諾 を得 て実 施し た。 施 設長 には 研究 の 意義 ,目的 ,方法 につ いて 依頼 書 を用 いて 説明 した。 施設 長の 承諾 が得 ら れた 場合 ,施 設長 から 対象 候補 者 に依 頼書 等の 文書 を渡 して もら った 。研究 への 参加 は対 象者 の自 由意 思 とな るよ う ,研究 協力 の意 思が ある 場 合 に は,対象 候補 者 自 身が 直接 ,調査 者に 連絡 をす るよ う 依 頼し た 。 調 査 へ の 参 加 の 意 思 表 示 が あ っ た 対 象 者 に 対 し 改 め て , 研 究 の 意 義 , 目的,方 法を 詳細 に 説 明し ,研 究 への 参加 は自 由意 志 であ り,これ によ り不 利益 が生 じな い こと を 改 めて 説明 し た うえ で ,研 究へ の参 加 の 同意 を確 認し た 。 また , イ ンタ ビ ュ ー 後で あっ ても ,参 加を 取り 消 すこ とが 可能 であ るこ とを 説 明し た。そ の 際も 不利 益は 生じ な いこ とを 説明 した。 イン タビ ュー は ,対 象者 の 所 属施 設 で ,対 象者 の プラ イバ シー が保 て る 場 所 で 行 っ た 。 イ ン タ ビ ュ ー 内 容 に 関 し て は 対 象 者 の 同 意 を 得 て IC レ コ ー ダ ー に て 録 音 し , 同 意 が 得 ら れ な い 場 合 に は メ モ を し た 。 ま た , 答え たく ない 質問 に 関し ては 拒否 でき ,こ れ によ る不 利益 は生 じ な い こ とを 説明 した 。対象 者本 人の 個人 情報 ,イ ンタ ビ ュー 中に 話題 にあ がっ たケ ース の個 人情 報 に関 して は,逐語 録に する 段階 で 匿名 化し ,個 人が 特定 され ない よう に した 。 3.7 調査期間 2012 年 5 月から 11 月に調査を 実施した 。 4 . 結 果 調査 協力 が得 られ た , 小 児科 医 5 名,保健師 8 名,保育管理者 4 名, 保育 士 7 名,幼稚園管理者 3 名,幼稚園教員 4 名,療育施設管理者 5 名, 療育 施設 職員 7 名,小学校管理者 4 名,小学校特別支援 教育 コーディネ ータ 6 名,小学校教員 5 名,小学校養護教諭 4 名,合計 62 名にインタ ビュ ー調 査を 実施 し た 。
12 4.1 対象者の 属性 対 象者 の属 性は 表 1 に示した。 小児 科医 の職 業経 験 年数は 7 年から 30 年, 発達障害領域の経験年数 は 4 年 から 20 年であった。 保健 師の 職業 年数 は 11 年から 26 年,母子保健領域の経験年数は 3 年 から 25 年であった。 保 育 所 管 理者 の職 業 経験 年数は 31 年から 41 年,管理者としての経験 年数 は 2 年から 25 年であった。 保育 士の 職業 経験 年 数は 8 年から 28 年,保育士全員が職業経験年数 の全 てで 発達 障害 ( 疑い を含 む) の子 ども との 関わ り があ った 。 幼稚 園管 理者 の職 業 経験 年数は 6 年から 36 年,管理者としての経験 年数 は 2 年から 8 年であった。 幼稚 園教 員 の 職業 経 験年 数は 5 年から 35 年,幼稚園教諭全員が保育 士同 様, 職業 経験 年数 全て で 発達 障害( 疑 いを 含 む)の 子ど もと 関 わり があ った 。 療育 施設 管理 者の 職 業経 験年 数は 7 年から 42 年,管理者としての経 験年 数は 2 年から 34 年であった。 療育 職員 の経 験年 数は 3 年から 32 年であった。 小学 校管 理者 の職 業 経験 年数は 24 年から 37 年,管理者としての経験 年数 は 1 年から 9 年であった。 小学 校 特 別支 援 教 育 コー ディ ネー タの 教 員 経験 年数 は15 年から 34 年, コー ディ ネー タの 経 験年 数は 1 年 から 7 年であった。 小学 校教 諭の 職業 経 験年 数は 2 年から 28 年であった。 小学 校 養 護教 諭の 職 業経 験年 数は 7 年から 36 年であった。 4.2 分析結果 カ テ ゴ リ は ≪ ≫ , サ ブ カ テ ゴ リ は < > で 表 し ,「 」 は 対 象 者 の 語り の内 容と した 。 イン タビ ュー 時間 は , 平均 29.3 分(13‐46 分)であった。 4.2.1 発見のために行っていること および課題
13 分 析の 結果 ,発 見の た めに 行っ てい るこ とお よび 課 題 と して 6 カテゴ リ,13 サブカテゴリが抽出された(表2)。 行っ てい るこ とと し て は ,≪子 ど もの 様子 を見 て定 型 発達 との 違い の 確認 ≫ , ≪保 護者 の 困り ごと の把 握 ≫ が抽 出さ れた 。 課題 とし て は ,≪定 型発 達と の違 い が 不明 確 ≫ ,≪関 係者 の発 達障 害 に対 する 知識 が不 足 ≫, ≪発 達の 評価 体制 が不 十分 ≫ , ≪5 歳児健診実 施の 検討 ≫が 挙げ ら れた 。以 下に ,1 カテゴリごとに内容を示す。 4.2.1.1 ≪子どもの様子を見て定型発達との違い の確認≫ 行 って いる こと と して ,≪ 子 ど もの 様子 を見 て定 型 発達 との 違い の確 認≫ が 抽出 さ れた ( 表 2.1)。このカテゴリ では「(問診で)お子さんの 様子 を実 際に 見て ,落ち 着き が な いな とか 指さ しと か にの って こな いな とか 様子 を見 て判 断 しま す」と い った <乳 幼児 健診 で 子ど も の 様子 の確 認 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 育 児 相 談 で ス ク リ ー ニ ン グ を し て い ま す 」 とい った <育 児相 談 で子 ども の様 子 の 確認 > が 挙げ ら れた 。加え て,「 入 園予 定の 親子 に面 談 をす るん です ね。そ こ で,多 動だ っ たり,理 解 はど うか なと か,言 葉は どう かな って いう よう なと ころ を 見て いま す」とい った <入 園前 の面 接 で子 ども の様 子 の 確認 > が 挙げ ら れた 。さら に,「 子 ども が遊 んで いる と きに ちょ っと あれ ,ち ょ っと おか しい なっ て 違 和感 があ ると ころ に気 づ いた とき 」と いっ た< 日々 の保 育 の中 で子 ども の様 子の 確認 > が 挙げ ら れた 。 4.2.1.2 ≪保護者の困りごとの把握 ≫ 行 っ て い る こ と と し て , ≪ 保 護 者 の 困 り ご と の 把 握 ≫ が 抽 出 さ れ た (表 2.2)。このカテ ゴリの中は,「(問診の中で)相談があった時にそこ を引 き出 して ,お母 さん が心 配な こと を明 らか に す る 」と いっ た< 乳幼 児 健 診 で 把 握 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 お 母 さ ん か ら 保 護 者 の 方 か ら の 相 談 も お 受 け し て い ま す 」 と い っ た < 育 児 相 談 で 把 握 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 幼 稚 園 で は , お 預 か り す る 前 に , 保 護 者 か ら の 聞 き 取 り で す ね 」 と い っ た < 入 園 前 の 面 接 で 把 握 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 保 護 者 に家 での 様子 を聞 き ます 」と い っ た< 日々 の関 わり の 中で 把握 > が 挙げ られ た 。
14 4.2.1.3 ≪定型発達との違いが不明確 ≫ 課 題 と し て ,「 判 断 っ て い う か 自 分 た ち の 疑 い が あ る な , 気 に な る な って い う とこ ろを 何 を持 って 判断 する かっ てい うの が 難し かっ た 」とい った ≪定 型発 達と の 違い が不 明確 ≫ が 抽出 され た( 表 2.3)。 4.2.1.4 ≪関係者の発達障害に対する知識が不足≫ 課題 とし て ,≪ 関係 者の 発 達障 害 に対 する 知識 が不 足 ≫が 抽出 され た ( 表 2.4)。このカテゴリの中には,「発達障害っていうのをどういう風 に捉 えて いる かっ て いう のが 様々 にあ るか ら 」と いっ た< 発達 障 害 の捉 え 方 の 不 一 致 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 健 診 項 目 だ っ た り と か 、 発 達 障 害 の 子 ど も 達 の 特 徴 だ っ た り と か の 勉 強 会 を す る 中 で そ の 辺 り は ち ょ っ と ず つ 見 え る よ う に な っ て き た ( が , 充 分 で は な い )」 と い っ た < 勉 強 会 が 不 足 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 迷 っ た と き に ア ド バ イ ス を も ら える 人材 がほ しい 」 とい った <ア ドバ イザ ーが 不在 > が挙 げら れた 。 4.2.1.5 ≪発見の評価体制が不十分≫ 課 題と して ,≪発 見 の評 価体 制 が不 十分 ≫ が 抽出 さ れた(表 2.4)。こ の カ テ ゴ リ の 中 に は ,「 健 診 は 大 勢 の 中 で , た っ ぷ り 一 人 ひ と り に は 時 間を かけ られ ない 」,「 健診 は 今,午後 の時 間帯 なの で,お子 さ んが 眠い お昼 寝の 時間 が多 い 」と いっ た < 発達 の評 価の ため の 時間 が不 十分 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 結 局 , 一 対 一 の 関 わ り し か 見 え な い の で , 社 会 性 とか が見 にく い 」と いっ た< 評 価 とし ての 場の 設定 が 不十 分> が挙 げら れた 。 4.2.1.6 ≪5 歳児健診 実施の検討≫ 課 題 と し て ,「 幼 稚 園 に 入 っ て か ら の 時 期 の 健 診 っ て い う の を し て ほ しい で す 」 と い っ た ≪5 歳 児 健診 実施 の検 討 ≫ が抽 出 され た (表 2.5)。 4.2.2 発見から発達支援につなぐために行っていること および課題 分 析 の 結 果 ,『 発 見 か ら 発 達 支 援 に つ な ぐ 』 と い う 段 階 が あ る こ と が 分か った 。発 見 から 発達 支援 に つ なぐ ため に行 って い るこ とお よび 課題
15 とし て 11 カテゴリ,33 サブカテゴリ が抽出された (表 3)。 行っ てい るこ とと し て は ,≪ 何ら かの 支援 の必 要性 を 判断 ≫ ,≪多 職 種で 方向 性を 検討 ≫ ,≪ 保護 者と 共通 認識 を得 るた め の 土 台 作 り ≫ ,≪ 保護 者と 共通 認識 ≫ が抽 出さ れた 。 課題 とし て は ,≪子 ども の 部分 的 な情 報で は関 係者 間 では 伝達 困難 ≫ , ≪保 護者 に対 する コ ミュ ニケ ーシ ョン が困 難 ≫ ,≪保 護者 と話 を す る機 会が 少な い≫ ,≪保 護者 が子 ども の様 子を みる 機会 が 少な い ≫ ,≪ 保護 者と 共通 認識 を得 る こと が 困 難≫ ,≪ 保護 者の 気 質的 な要 因 ≫ ,≪ 保護 者に 対し て発 達障 害 に 関 する 知識 の普 及が 少な い ≫ が 挙げ られ た 。以下 に,1 カテゴリごとに内容を示す。 4.2.2.1 ≪何らかの支援の必要性の判断≫ 行っ てい るこ とと し て,≪ 何ら か の支 援の 必要 性の 判 断≫ が抽 出さ れ た( 表 3.1)。このカテゴリの中には,「 3 歳児健診に関してはカンファ レン スを やっ て意 見 交換 をし てい く」とい っ た< 乳幼 児健 診後 に カ ンフ ァ を 実 施 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 複 数 担 任 の こ と が 多 い の で , そ の 子 の何 がつ まず きな の か話 し合 って いた 」と い った <保 育士 同士 で 相 談 > が 挙 げ て い た 。 さ ら に ,「 園 長 先 生 と か 主 任 の 先 生 に , こ の 子 の こ う い うと ころ が気 にな る んで すけ どっ て相 談を して 」,「 巡 回保 育の 時 に ここ が気 にな るよ ねっ て いう 子の 場合 には ,ア ド バイ ザー の先 生か ら 意 見を もら った り」とい った <視 点の 違 う人 に相 談 > が挙 げ られ た 。ま た,「ケ ース 検討 はず っと し てい るこ とな ので ,そ の中 で あげ てい く ,そ し て経 過を 見て いく 」とい っ た< 保育 職 員で ケー ス検 討 > が 挙げ られ た 。また, 「お 母さ んの 了解 が 得ら れれ ば,保健 師さ んに 見に 来 てい ただ い て 」と い っ た < 関 係 者 で 情 報 交 換 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 地 区 担 当 の 保 健 師で 訪問 した りフ ォ ロー して いる 」と いっ た <継 続的 な関 わ り > が 挙げ ら れ た 。 さ ら に ,「 子 育 て 支 援 が 必 要 に な っ て い な い か ど う か 」 と い っ た< 母の 状況 を確 認 >が 挙げ られ た 。 4.2.2.2 ≪多職種で方向性を検討≫ 行 って いる こと と して ,≪ 多職 種で 方向 性を 検討 ≫ が抽 出さ れた(表 3.2)。このカテゴリの中には,「 健 診前 の保 健師 さん と の打 ち合 わせ だっ
16 たり ,健 診 後の 保健 師さ んと 具 体 的に どう 勧め てい く かっ て話 し合 い が 充分 でき れば いい の かな 」と い っ た< 乳幼 児健 診前 後 に検 討 > が挙 げら れ た 。 ま た ,「 保 健 師 さ ん と 話 を し て い く 中 で , こ う い う 方 向 で , こ う いう 風に 伝え てい き まし ょう かっ て い うや りと りも あ りま す」と い った <関 係者 同士 で相 談 >が 挙げ られ た 。 4.2.2.3 ≪保護者と共通認識を 得るための土台 作り≫ 行 って いる こ と と して ,≪ 保 護 者と 共通 認識 をえ る ため の土 台 作 り≫ が抽 出 され た (表 3.3)。このカテゴリの中には,「まずは,お母 さんと 信頼 関係 を築 きな が ら」とい っ た <保 護者 と信 頼関 係 構築 > が 挙げ られ た 。 ま た ,「 ま ず は , 話 を 聞 い て あ げ な い と 」 と い っ た < 母 の 思 い を 傾 聴> が挙 げら れた 。 4.2.2.4 ≪保護者と 共通認識≫ 行 っ てい る こと とし て ≪保 護 者 と 共 通 認識 ≫ が抽 出さ れ た ( 表 3.4)。 こ の カ テ ゴ リ の 中 に は ,「 そ の 子 の 姿 を , お 母 さ ん に 分 か っ て い た だ け るよ うに ,細 か く伝 えて いく 」と いっ た< 子ど もの 特 徴を 保護 者と 共有 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 保 育 所 で は こ う い う 姿 が あ る ん だ け れ ど も , 健診 の時 にち ょっ と 話を して みま すか って 言っ て 」と いっ た< 健 診 で相 談 す る よ う に 提 案 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 心 理 相 談 を お 勧 め し て 」 と い っ た < 市 町 村 の 心 理 士 の 相 談 を 提 案 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 病 院 の 発 達 障 害 の 先 生 に 一 度 見 て も ら う よ う に と か は 先 生 か ら 言 っ て も ら っ て て 」 と い っ た < 専 門 機 関 の 受 診 を 提 案 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て , 「来 年度 って いう と ころ を見 通し て,保護 者の 方 にも ,療 育に 行 っ た方 がい い方 向に 行く の かな って って いう 形で ,お 話を し てい る状 況で す」 と い っ た < 保 育 士 が 支 援 の 必 要 性 を 伝 達 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 保 健 師さ んな りが ,もう ちょ っと 間 に 入っ て伝 えて いく と やり やす いの かな とは 思 い ます 」とい った <保 健 師 と保 育士 と一 緒に 支 援の 必要 性を 伝達 >が 挙げ られ た 。 4.2.2.5 ≪子どもの部分的な情報で は関係者間には伝達困難 ≫ 課 題 と し て ,「 保 健 師 さ ん に 見 て い た だ く に し て も , ず っ と 見 て い た
17 だく わけ では ない の で, 一部 分を 見て ,大 丈 夫 なん じ ゃな いか なと か」 と い っ た ≪ 子 ど も の 部 分 的 な 情 報 で は 関 係 者 間 に は 伝 達 困 難 ≫ が 抽 出 され た ( 表 3.5)。 4.2.2.6 ≪保護者に対する コミュニケーション が困難 ≫ 課 題と して ,≪ 保 護者 に対 す る コミ ュニ ケー ショ ン が困 難 ≫ が抽 出さ れた ( 表 3.6)。このカテゴリの中には,「難しいっていうのは,聞き出 した りと か ,お 互い が言 える 関 係 にし てい かな いと そ の後 がつ なが って いか な い」と いっ た< 信頼 関係 の 構築 が困 難 > が挙 げ られ た 。ま た,「こ ちら が伝 えら れ な い って いう のも ある のか もし れな い 」と いっ た < 伝え 方が 困難 > が 挙げ ら れた 。 4.2.2.7 ≪保護者と話をする機会が少ない≫ 課 題 と し て ,「 お 母 さ ん と じ っ く り 話 が で き る 時 間 と か が で き る と い いん です けど ,お 仕事 され て いる ので, な かな かで きな い」とい っ た≪ 保護 者と 話を する 機 会が 少な い≫ が抽 出さ れた (表 3.7)。 4.2.2.8 ≪保護者が子どもの様子を見る機会が少ない ≫ 課 題 と して ,≪保 護者 が子 ど も の様 子を 見る 機会 が 少な い ≫ が抽 出さ れた ( 表 3.8)。このカテゴリの中には,「他の子との関わりをみる機会 がな い」と いっ た< 子ど もと 他 の 子ど もと の関 わり を 見る 機会 が少 ない > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 参 観 日 に 全 部 , そ の 時 に ( 特 徴 が ) 出 る と は 限ら ない ので ,難し いで すよ ね 」とい った <参 観日 に 子ど もの 特徴 が出 るよ うな 保育 が作 れ ない >が 挙げ られ た 。 4.2.2.9 ≪保護者と共通 認識を得る ことが困難 ≫ 課 題 と し て , ≪ 保 護 者 と 共 通 認 識 を 得 る こ と が 困 難 ≫ が 抽 出 さ れ た ( 表 3.9)。このカテゴリの中には,「分かりにくいから,マイペースと か性 格と かっ てな っ てし まっ て 」とい った <関 係者 と 保護 者と の捉 え方 の 不 一 致 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 全 然 気 に し て な い っ て い う 方 も い ら っし ゃる し 」と いっ た <保 護者 は 気が つ か ない > が 挙 げら れた 。加 えて, 「お 母さ んは ,私 も そう だっ たか らっ て深 刻 に 捉え て もら えな くっ て」
18 と い っ た < 保 護 者 は 深 刻 に 考 え て い な い > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 や はり 偏見 とい うか ,うち の子 に限 って そん なこ とな い とか 」と いっ た< 保 護 者 に 発 達 障 害 へ の 偏 見 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 お 母 さ ん が お 父 さ んに 言い きれ ない っ てこ とも あ っ て,お母 さん が 困っ てし まっ て 」とい っ た < 両 親 間 の 捉 え 方 の 不 一 致 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 祖 父 母 は , うち の子 は幼 いか ら ,お 父さ んも そう だっ たか らっ て 」と いっ た< 祖父 母と の捉 え方 の不 一 致 > が挙 げら れた 。 4.2.2.10 ≪保護者の気質的な要因≫ 課 題と して , ≪ 保 護者 の気 質的 な要 因≫ が抽 出さ れ た ( 表 3.10)。こ の カ テ ゴ リ の 中 に は ,「 な か な か 受 け 入 れ ら れ な い お 母 さ ん 」 と い っ た < 受 容 が 困 難 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 親 の 口 か ら は 全 く 出 て こ な い 。 健診 で引 っか かっ た ん で すよ って いう こと も言 われ な いし 」と い っ た< 話 を し て く れ な い > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 ス ト レ ー ト の 言 い た い ん だけ ど,お母 さ ん自 身も デリ ケー トっ てい うか ,気に され る人 は気 にさ れ る し 」 と い っ た < 母 の 性 格 的 特 徴 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 お 母 さ ん 自 身 が 動 け な い と い う か , 今 が よ け れ ば い い っ て い う 風 に な っ ち ゃ う 」 と い っ た < 前 に 進 め な い > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 常 に そ の 子 に つ いて いた ら, 何で う ちの 子だ けに つい てい るの って や っぱ りな るの で」 と い っ た < 『 特 別 』 に 抵 抗 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 保 護 者 も そ の 子 と同 じよ うな 特徴 を 持っ てい るこ とも ある ので 」とい った <保 護 者 が発 達障 害 傾 向> が挙 げ られ た 。 4.2.2.11 ≪保護者に対して発達障害に関する知識の普及が少ない ≫ 課 題 と し て ,「 親 御 さ ん に 対 し て も 本 当 は こ う い う と き に は か か っ た 方が いい んだ よっ て いう とこ ろ 、こう いう とき に は 相 談し た方 がい いん だよ って いう のは 、何ら かの 形で 広め てい くと 」とい った ≪保 護者 に対 して 発達 障害 に関 す る知 識の 普及 が少 ない ≫ が 抽出 さ れた ( 表 3.11)。 4.2.3 発達支援として行っていること および課題 分 析の 結果 , 発 達 支援 とし て行 って いる こと およ び 課題 とし て 37 カ テゴ リ,96 サブカテゴリが抽出された(表 4)。
19 行っ てい るこ とと し て は ,≪ 子ど もの 発達 課題 を明 確 化 ≫ ,≪ 薬の 処 方≫ ,≪ 発達 支 援の 方向 性を 検討 ≫ ,≪適 切な 発 達支 援を 受け るた めの 環境 整 備 ≫ ,≪ 子ど もに 合わ せた 発達 支援 ≫ ,≪ 経過 観察 しな がら 発達 支援 の方 向性 を修 正 ≫ ,≪保 護者 へ社 会資 源の 情報 提 供 ≫ ,≪ 保護 者に 子ど もの 現状 を正 し く理 解す るこ とを 支援 ≫ ,≪ 保護 者に 子ど も に 対し ての 適切 な関 わり の 理解 を促 進 ≫ ,≪ 保護 者を 支 持≫ ,≪ きょ う だ い 児 の支 援 ≫ が抽 出さ れ た。 課題 とし て は ,≪ 保 護者 と共 通認 識を 得る こと が 困 難 ≫ ,≪保 護者 の 気質 的な 要因 ≫ ,≪ 保 護者 支援 が 困 難 ≫ ,≪ 関係 者の 役 割分 担が 困 難 ≫, ≪ 保 護 者 の 受 容 の た め に は で き な い こ と を 実 感 し て も ら う こ と が 困 難 ≫,≪保 護者 と の信 頼関 係 構 築が 困難 ≫ ,≪保 護 者と の コ ミュ ニケ ーシ ョン が 困 難 ≫ ,≪保 護者 と継 続的 に関 わ り が困 難 ≫ ,≪保 護者 とゆ っく り話 をす るこ とが 困 難 ≫ ,≪ 時間 がか かる ≫ ,≪ 家族 に正 しい 関わ りを 理解 して もら うこ と が 困 難≫ ,≪ ピア 支援 が 不 足 ≫ ,≪相 談を 受け 続け るこ とが 困難 ≫ ,≪ 保護 者も 楽し める よう な支 援が 困 難 ≫ ,≪ きょ うだ い児 へ予 防的 な関 わ りが 困難 ≫,≪情 報交 換が 困 難 ≫ ,≪ 多機 関と のケ ース 会議 が不 十分 ≫ ,≪ 発達 障害 の症 状が 分か りに く い ≫ ,≪ 保育 所幼 稚園 では 療育 のよ う な関 わり は 困 難 ≫ ,≪ 療育 を 行う 場所 の 不 足≫ ,≪ 支援 に地 域差 の存 在 ≫,≪関 係 者 の発 達障 害に 関す る 知識 や技 術が 不足 ≫,≪ 関 係者 の連 携の 質 が 不 足 ≫ ,≪評 価 シス テム が不 足 ≫ ,≪ 地 域作 りが 必要 ≫ , ≪経 営 の問 題≫ が挙 げら れた 。 以 下に ,1 カテゴリごとに 内容 を示 す。 4.2.3.1 ≪子どもの発達課題の明確化 ≫ 行 って いる こと と して ,≪ 子 ど もの 発達 課題 の明 確 化 ≫ が抽 出さ れた ( 表 4.1)。このカテゴリの中には,「保育園の担当の先生からどんな状 況で すか って 聞い た り」とい っ た <関 係者 間で 子ど も の状 況を 情報 交換 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 事 後 教 室 を や っ て い ま す 」 と い っ た < 事 後 教 室 へ の 参 加 を 提 案 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 必 要 時 , 発 達 検 査 を 受 け て み ま せ ん か と か 病 院 の 方 に 行 っ て み て は ど う で す か と か っ て い う こ とで 助言 して 」とい っ た< 発達 検 査 受 診の 提案 > が 挙 げら れた 。加 えて, 「ま ず診 断で すね 」,「そ の上 で 外 来で フォ ロー して い くと いう 形を とっ
20 てい るん です けど 」 とい った <診 察・ 診断 > が 挙げ ら れた 。 4.2.3.2 ≪薬の処方≫ 行 っ て い る こ と と し て ,「 怪 我 を 繰 り 返 し て い る よ う な 場 合 は , 小 さ くっ て も ADHD の薬を使う」といった≪ 薬の 処方≫ が抽出された (表 4.2)。 4.2.3.3 ≪発達支援の方向性を検討≫ 行 っ て い る こ と と し て , ≪ 発 達 支 援 の 方 向 性 を 検 討 ≫ が 抽 出 さ れ た ( 表 4.3)。この カテゴリの中には,「保育士同士では相談している」と い っ た < 保 育 者 間 で 相 談 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 指 導 と か で 迷 っ た 時 には ,先 生達 か ら相 談が 来ま すね 」と いっ た< 上 司に 相談 > が 挙げ られ た 。 さ ら に ,「 ケ ー ス 会 議 を し た り し て い ま し た 」 と い っ た < 職 員 間 で ケ ー ス 会 議 を 実 施 > が 挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 今 後 ど の よ う に 支 援 し て いく かっ てこ とを 一 致さ せて ,つ なげ てい った り 」と いっ た< 多職 種と ケ ー ス 会 議 を 実 施 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 医 療 機 関 と か 児 童 相 談 所 の 検 査 で ( 同 伴 し て ), い ろ い ろ ア ド バ イ ス を も ら っ て 」 と い っ た < 受 診 に 同 伴 し て 情 報 交 換 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 基 本 的 に は お 母 さ ん 経 由で 情報 を持 って い く形 が一 番い い」とい っ た< 保護 者を 通し て 情 報交 換> が挙 げら れた 。 4.2.3.4 ≪適切な発達 支援を受けるための環境整備 ≫ 行 って いる こと と して ,≪ 適 切 な 発 達 支 援を 受け る ため の環 境整 備 ≫ が抽 出 され た (表 4.4)。このカテゴリの中には,「本格的に療育かいる よね って なる と,次の 療育 の 場所 ,通う 教 室に ご案 内す る」とい っ た< 療 育 と の 仲 介 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 集 団 ( 保 育 所 ま た は 幼 稚 園 ) を 選ぶ とき も保 健師 さ んに はい って もら って 」とい った <保 育所 幼 稚 園と の仲 介 > が挙 げら れ た 。 4.2.3.5 ≪子どもに合わせた発達支援≫ 行 って いる こと と して ,≪ 子 ど もに 合わ せた 発達 支 援≫ が抽 出さ れた ( 表 4.5)。このカテゴリの中には,「その子に合わせて、その子の成長
21 に合 わせ て、遅い 子は 遅い の で、その 子に 合わ せた 関 わり、声 掛け をし てい ます 」とい った < 保育 所幼 稚 園で 保育 の工 夫> が 挙げ られ た 。また, 「療 育支 援 は 子ど も の実 際の 支援 です ね。そ の子 の状 況に 合わ せ て 支援 して いく 」と い った <療 育で その 子に 合わ せた 保育 > が挙 げら れた 。加 え て ,「 職 員 間 で は 考 え は ひ と つ に し て い る ん で す 」 と い っ た < 職 員 間 の共 通認 識で の保 育 >が 挙げ られ た 。 4.2.3.6 ≪経過観察しながら発達支援の方向性を修正≫ 行 って いる こと と して ,≪ 経 過 観察 しな がら 発 達 支 援の 方向 性を 修正 ≫が 抽 出さ れ た ( 表 4.6)。このカテゴリの中には,「 今どんな遊びを楽 し ん で い る か と か ( 情 報 交 換 )」 と い っ た < 子 ど も の 状 況 を 情 報 交 換 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 お 母 さ ん の 様 子 が 気 に な る ん だ け ど 、 そ ち ら で はど うで すか とか っ てい う、現場 レベ ルの 話」と いっ た < 家族 の状 況を 情報 交換 > が 挙げ ら れた 。 4.2.3.7 ≪保護者へ社会資源の情報提 供≫ 行 っ て い る こ と と し て ,「 ペ ア レ ン ト ト レ ー ニ ン グ や っ て た り す る と ころ に紹 介し て 」と いっ た ≪ 保 護 者へ 社会 資源 の情 報 提供 ≫ が 抽出 され た( 表 4.7)。 4.2.3.8 ≪保護者に子どもの現状を正しい理解を促進 ≫ 行 って いる こと と して ,≪ 保 護 者に 子ど もの 現状 を 正し い 理 解 を 促進 ≫が 抽 出さ れ た ( 表 4.8)。このカテゴリの中には,「 どういう特徴があ るか って いう こと を コン コン と説 明し ます ね 」と いっ た < 保護 者 に 医師 が 伝 達 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 個 別 支 援 計 画 と か 年 に 何 回 か は 提 示 を し た り と か 、 お 母 さ ん 達 と 課 題 に つ い て 話 を し た り っ て い う 個 別 の 支 援 」 と い っ た < 保 護 者 に 療 育 職 員 が 伝 達 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 で きれ ば夫 婦そ ろっ て きて いた だい て 」とい っ た < 両親 そろ った 場 で 伝達 >が 挙げ られ た 。ま た,「 おじ い ち ゃん おば あち ゃん に も来 ても らっ て、 話を して 」と いっ た < 祖父 母へ 伝 達 > が挙 げら れた 。加 えて ,「 面 談 も、 言い にく いこ とは 、主任 の先 生に 入っ ても らっ て 、そ うい うこ とは 主任 の先 生に 言っ ても ら って 」と い っ た < 役割 分担 をし て 保護 者へ 伝達 >が
22 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 父 親 が 参 観 日 に 来 る と 、 子 ど も の こ と が 分 か っ て夫 婦で その 後話 し 合い がで きる みた い 」と いっ た < 保護 者が 集 団 の中 の子 ども の様 子を 確 認 > が挙 げら れた 。 4.2.3.9 ≪保護者に子どもに対して適切な関わり の理解を促進 ≫ 行 って いる こと と して ,≪ 保 護 者に 子ど もに 対し て 適切 な関 わり の 理 解を 促 進 ≫ が 抽出 され た ( 表 4.9)。このカテゴリの中には,「 家庭でも 同 じ よ う に お 母 さ ん が ど ん な こ と を 注 意 し た ら い い の か っ て と こ ろ を 何点 か教 えて いた だ いて 」と い っ た < 子ど もへ の関 わ り方 の 伝 達 > が挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 き ょ う だ い は 子 育 て の 一 環 と し て き ょ う だ い の 対 応 は必 ず絡 んで くる の で、併せ て指 導し てま すね 」とい った <き ょう だい を含 めた 関わ り方 の 伝達 >が 挙げ られ た 。また,「(母 の 支援)難 し いと いう か、お母 さ んの 状況 に合 わせ た要 求し か出 さな い 、出 せな いで すよ ね」とい った < 親の 状況 に合 わせ た関 わり 方の 伝 達 > が挙 げら れた 。さ ら に ,「 お 父 さ ん の 為 の 教 室 」 と い っ た < 家 族 が 療 育 を 正 し く 理 解 す る ため の学 習の 場を 提 供> が挙 げら れた 。 4.2.3.10 ≪保護者を支持≫ 行 って いる こと と して , ≪ 保護 者を 支持 ≫ が 抽出 さ れた ( 表 4.10)。 こ の カ テ ゴ リ の 中 に は ,「 お 母 さ ん に 寄 り 添 っ て 、 お 母 さ ん の 話 を 聞 い て 」 と い っ た < 母 を 支 持 > が 挙 げ ら れ た 。 さ ら に ,「 一 緒 に 考 え て 、 一 緒に 動い て、一 緒に 保育 園、一 緒 に学 校 っ てい うと こ ろで ずっ と保 健師 が寄 り添 って いけ れ ばい いん です けど 」と い った <保 護者 と一 緒 に 探索 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 今 や っ て い る の は 、 お 母 さ ん や お 子 さ ん に 対 する 色ん な意 味で の ご相 談 」と い った <保 護者 から の 相談 に対 応 > が挙 げ ら れ た 。 加 え て ,「 い ろ い ろ 提 案 す る け ど 、 お 母 さ ん が で き る こ と か ら少 しず つ実 行し て もら って 、で きた こと は褒 めて 」とい った <母 を称 賛 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 苦 労 し て る っ て 思 っ て い る そ の こ と 自 体 が お母 さん 偉い こと だ よっ て 」とい った < 母 を受 容 > が 挙げ られ た 。さら に ,「 子 ど も が 大 変 で パ ニ ッ ク に な る お 母 さ ん と か お 母 さ ん が 鬱 的 に な るお 母さ んと かに は 、心 療内 科と かに 相談 に行 って く ださ いっ て 」とい っ た < 保 護 者 の 為 の 医 療 機 関 を 紹 介 > が 挙 げ ら れ た 。 ま た ,「 保 健 師 さ