卒業論文
オリオン A 分子雲における星形成率
明星大学 理工学部 総合理工学科 物理学系 天文学研究室
目次 要旨 第1 章 イントロダクション 1.1 星間物質 1.2 恒星の形成 1.2-1 恒星の形成に必要な星間ガスの量 1.2-2 星形成のシナリオ 1.3 分子雲 1.3-1 分子雲の種類 1.3-2 分子雲の観測方法 1.3-3 分子雲の化学組成 1.4 原始星 1.5 電離 1.6 吸収線・輝線 1.7 オリオン分子雲(M42) 第2 章 観測装置 2.1 野辺山 45m 電波望遠鏡 2.2 電波望遠鏡を用いる理由 2.3 電波望遠鏡の観測について 2.4 電波望遠鏡のデータについて 第3 章 解析 3.1 解析ソフト・データ 3.2 解析方法 第4 章 計算方法 第5 章 結果 5.1 計算結果 5.2 解析結果 第6 章 考察 6.1 計算結果の考察 6.2 解析結果の考察 謝辞 参考文献
要旨
本研究はオリオン A 分子雲領域における星形成率の調査である。解析・計算を用いてオリ オンA 分子雲の領域での星形成率について比較・検討する。オリオン A 分子雲領域の野辺 山天文台のデータを解析して得たデータを元に、SFR(star formation rate:星形成率)を 求めた。また、オリオンA・B 分子雲領域の原始星 YSO(young stellar object)に関する論文 よりオリオンA 分子雲の YSO の数を調査して SFR を求めた。 野辺山天文台の観測データを aips・ds9 により解析して、12CO 輝線の積分強度図を作成 した。可視光によるオリオン大星雲のデータと積分強度図を比較・先述のYSO に関する論 文よりオリオンA 分子雲領域における YSO の分布を積分強度図に重ねて比較画像を作成し た。 解 析 結 果 に よ り 導 い た SFR と 論 文 よ り 導 い た SFR の 数 値 は そ れ ぞ れ 4.8 × 10−4[𝑀 ◎𝑦𝑟−1],0.8×10−4[𝑀◎𝑦𝑟−1]で、近い値を得られた。12CO の輝線の積分強度図の強 度が強い所にYSO が分布していたことから、YSO の形成に CO 輝線が深く関わっているこ とが分かった。分子雲の密集部分で星形成が盛んにおこなわれていると予想したが、解析 結果には必ずしも当てはまらなかった。オリオン星雲(M42)内の YSO の数と 12CO の分 子雲の密集率の相関関係が成り立たない部分もあったが、そこではYSO 数が少ない一方で M42 の分子雲が濃くなっている為、これから恒星が誕生する可能性があると考えられる。
第1 章 イントロダクション 1.1 星間物質 恒星と恒星の間の空間にある密度の低いガスや塵のことを星間物質と呼ぶ。星間物質の質 量の 75%が水素、25%がヘリウムである。炭素やシリケイトなどから成る岩石や氷の混じ った塵のことを星間塵と呼ぶ。星間塵の大きさは 0.1 ㎛で、塵と塵の間の平均的な距離が 10~100mである。星間物質は一様ではなく複雑な構造をしていて、フィラメント状を成し て、超音速の乱流状態にある場合が多い。比較的高温度・低密度の星間塵が低温度・高密 度の星間塵を押して、捻じ曲げている。ガスの温度は放射などによる加熱や冷却のバラン スで決まり、星間物質に働く力のバランスによって密度が決まる。低温・高密度の星間塵 は1 ㎤の範囲内に 10~100 個の塵を含み、高温・低密度の星間塵は 10 ㎤の範囲内に 1 個 の原子を含んでいる。ガスと星間微粒子の質量比は通常100:1 程度である。星間空間には、 光子や高エネルギー粒子が飛び交っているが、光子は質量を持たない為に相互作用を通し て星間物質の存在様式と振る舞いに影響を及ぼす。その為、星間物質の物理的化学的性質 を理解することで、恒星の起源を理解することができる。 図1 星間物質の密度温度図 (引用文献:Myers 1978、ApJ、225,380)
1.2 恒星の形成 重力によるガスの凝縮から、星雲内の分子の運動エネルギーが上昇して、内部エネルギー が増加する。内部エネルギーの上昇により、温度が上昇、重力崩壊が起こることで星が形 成される。恒星の形成には密度・温度・電離度・乱流強度・磁場強度が関わってくる。 ① 密度 密度を支配する要因は重力と圧力である。重力には2 種類ある。恒星系(恒星を作る要 素)が作る重力場が、ガスの大まかな分布を決める。これは中性水素ガスが銀河円盤の 中心面に薄く集中していることからも言える。銀河の円盤を上から見ると、渦状腕上に 星間物質が集中している。これは、恒星系の重力と銀河回転が影響した結果だと考えら れる。このように星間物質は銀河の差動回転に従って銀河系中心の周りを回転している。 その為、銀河の差動回転の力よりも原子ガスの圧縮の力が強いと分子ガスは形成される。 (差動回転:銀河の半径により異なる角速度で回転すること) ② 温度 星間ガスの温度は過熱と冷却のバランスで決まる。星間分子雲の熱源は、宇宙線・紫外 線・星間微粒子からの光電子・水素分子の生成熱等で、冷却源は、分子回転スペクトル による電磁波放出・ガスと冷たい星間微粒子との衝突等がある。これらのバランスによ りおよそ10K が保たれている。 ③ 電離度 星間ガスは星雲内の中心星からの紫外線や宇宙線によって電離される。中性水素ガスは 光学的に薄いため、紫外線によって電離される。分子ガスは減光が大きい為わずかにし か電離しないが、ガスの運動の時間と電離の時間を相対的に捉えると電離の時間は長い 為、磁場が凍結される。星間ガスと磁場は結合して、ガスの運動に影響を与える。凍結 された磁場は、分子ガスが凝縮して恒星になる過程で同時に圧縮されて磁場強度が増加 する。ガスが収縮すると角運動量の保存則によって回転速度が増加する。増加された磁 場強度と回転速度は磁気圧や遠心力に対抗する。 1.2-1 恒星の形成に必要な星間ガスの量 銀河系の星間物質の平均的な質量は、1 ㎤辺り 1 個、太陽の平均粒子数密度は1024㎤である。 空間的には約8 桁の星間ガスの収縮が起こり、星が生まれている。太陽を例に挙げて平 均的密度を1 ㎤辺りに換算する。太陽は質量:2×1033g、水素原子の数は1057個である為、 3pc 立方の星間ガスになる。これだけの星間ガスの収縮が星形成には必要である。
1.2-2 星形成のシナリオ 分子雲中では、高密度のガスの塊である分子雲コアが形成される。分子雲コアは重力収縮 して、原始星の原型である芯が作られる。芯は電磁波のエネルギーを閉じ込めることで、 内部の温度と圧力を上昇させて、自己重力と圧力を釣り合わせる。周囲の円盤から物質が 降り積もり、芯の質量が増加する。質量の降着と平行して双極分子流が生まれ、降着が停 止すると星の質量が定まる。 1.3 分子雲 密度が高くガスが主として分子の状態にある星雲を分子雲と呼ぶ。例えば、天の川にある 星の少ない暗い領域の暗黒星雲が挙げられる。暗黒星雲が暗く見えるのは、多量の星間微 粒子が背景の星の光を吸収・散乱する為である。暗黒星雲は低温(〜10K)で高密度であり、 内部のガスが分子の状態である。 最も密度が高い星雲は 1 ㎤あたり103~105個の原子を含んでいて、全体として数百から数 千太陽質量の物質を含んでいる。このような星雲は水素が原子としてではなく分子(𝐻2) として存在している。分子雲内に含まれる一酸化炭素(CO)の出す輝線を電波で観測する ことができる。分子雲の密度が最も高い部分が不安定になり、重力の影響で収縮を始めた 時に恒星が生じる。 図2 CO 輝線の積分強度分布 (引用文献:星間物質と星形成 シリーズ現代の天文学6) 1.3-1 分子雲の種類 質量とサイズから巨大分子雲と暗黒星雲に分類される。総質量が104𝑀 ◎より大きい分子雲 を巨大分子雲、それ以下のものを暗黒星雲と呼ぶことが多い。星形成活動では、暗黒星雲 で1𝑀◎以下の小質量星のみが生まれ、巨大分子雲で数𝑀◎~数十𝑀◎の質量星が形成される。 巨大分子雲内で生成された星は周囲のガスを電離するので、HⅡ領域が多く見られる。 1.3-2 分子雲の観測方法 分子雲は低温である為、可視光や赤外線でなく分子の回転遷移(ミリ波・サブミリ波)が引き 起こされる。しかし、分子雲の主成分である水素分子は永久電気双極子モーメントを持っ ていない為、電磁波を放射しない。分子雲の観測には、水素・ヘリウムに次ぐ存在量を持
つ一酸化炭素(CO)などのミリ波・サブミリ波帯の回転遷移による分子輝線の観測が用いら れる。具体的には、CO などの比較的に存在量が多い分子の回転スペクトルを測定して、水 素分子の存在量を間接的に導く。水素の存在比は星間分子雲の化学反応と関連している為、 分子雲の構造や物理状態を知るために必要である。 1.3-3 分子雲の化学組成 水素を主成分とするガスと星間微粒子からなる。水素分子に次いで多いのが CO で、水素 分子の10000 分の 1 個の比で存在する。 1.4 原始星 星雲が収縮を始めると、重力により原子・分子が中心に集まってくる。原子・分子の集合 によって落下速度が速くなり、密度が高くなり衝突が増える。すると原子・分子のランダ ム運動が大きくなる。このように重力エネルギーが衝突によって熱エネルギーに転化して、 中心部分の熱エネルギーが増加すると温度が上昇する。星雲の中心温度が核融合反応の温 度まで上昇して収縮することで、原始星円盤・原始星が生じる。 1.5 電離 陽子1 個と電子 1 個が結びついている水素原子を中性水素(𝐻0)と呼ぶ。中性水素は電離・ 再結合を繰り返す。電離している水素𝐻+が主成分の天体を電離領域、電離した水素を𝐻 Ⅱと 表す。 𝐻0
⇄
𝐻++𝑒− 上式の説明 結合が破れて水素と電子に分かれる電離(→) 電離した水素と自由電子が中性水素に結びつく(←)1.6 吸収線・輝線 恒星が放つ光は恒星の温度によって決まっている。また、恒星は核内で核融合反応を起こ して、光を放出している。放出される光は恒星の持つガスを通って放たれる為、ガスの元 素が光を吸収する。吸収された光はスペクトルの谷として観測され、吸収線と呼ぶ。(図3) 図3 水素の吸収線スペクトル (引用文献:国立天文台岡山天体物理観測所 大阪教育大学宇宙科学研究室) また、恒星の元素は光を放つ場合がある。吸収よりも光が放出される場合、スペクトルは 山として観測され、輝線と呼ばれる。(図4) 図4 水素の輝線スペクトル (引用文献:国立天文台岡山天体物理観測所 大阪教育大学宇宙科学研究室) 1.7 オリオン分子雲(M42) オリオン座にある分子雲で、オリオンA・オリオン B という 2 つの分子雲から構成される。 地球から最も近い約1500 光年にある大質量星形成領域で、暗黒星雲・HⅡ領域を含んでい る。また、M42 内にある恒星が周囲の水素などを電離している。 図5 オリオン大星雲 オリオンA にある可視光でも確認できる領域 (引用:アストロアーツ メシエ天体ガイド M42)
2 章 観測装置 2.1 野辺山 45m 電波望遠鏡 ミリ波の領域の電波を観測できる世界最大の口径を持つ電波望遠鏡 図6 野辺山 45m 電波望遠鏡 (引用:野辺山45m 電波望遠鏡 HP) 表1 野辺山 45m 電波望遠鏡の特徴 (引用:野辺山45m 電波望遠鏡 HP) 2.2 電波望遠鏡を用いる理由 宇宙から届く電波は地球の大気によって殆ど吸収されてしまう。しかし、影響を受けずに 地表に到達する波長域のことを大気の窓と呼ぶ。天体が発するエネルギーは電波として地 上に届いている。その為、地球にある大気の窓を通る波長域の電波を観測して天体を調べ る。天体の発する電波は、FM ラジオを受信する信号よりも 100 万〜10 億倍も弱い為、高 い感度を持つ電波望遠鏡が必要となる。 2.3 電波望遠鏡の観測について 電波望遠鏡は主に反射鏡・受信機・増幅器・記録装置から出来ている。観測の仕方は、反 射鏡を用いて、広範囲に散らばって来る天体の発する電波を集めて1つに結ぶ。集まった 電波のエネルギーを受信機により吸収して、低い電波のエネルギーを増幅して記録する。 2.4 電波望遠鏡のデータについて 電波望遠鏡の1 回の観測で測ることのできる範囲は空のある 1 点からくる電波のエネルギ ーの量である。天体全体を観測することで、天体のそれぞれの場所が発する電波の強さの 地図、積分強度図を作成することができる。電波の強さの同じ所を結んで等高線の様に表 すことで、電波の強度を比較することができる。 アンテナ方式 カセグレン変形クーデ方式 アンテナ直径 45m 鏡面誤差 0.1 ㎜ 観測周波数 1~150 GHz 解像力最高 0.004° アンテナ重量 約 700t
第3 章 解析 3.1 解析ソフト・データ 解析に用いたソフト:DS9・aips 解析データ:野辺山天文台より引用 3.2 解析方法 電波観測により得られた分子分光の観測データを解析する。解析から分子雲内のガス分 布・温度・密度・質量などの基本的な物理量が推定できる。 電波観測は1 つの空間に対して 1 スペクトルを獲得する為、空間毎のデータを重ね合わせ た観測対象の3 次元のデータが得られる。(図 7)分子雲に含まれる分子ガスの運動(視線 速度)はドップラー効果により分子輝線の静止周波数からずれて観測される。この 3 次元 データを視線速度方向に積分することで、2 次元の平面のデータ(積分強度図)が得られる。 (図8) 図7 分子雲ガスの 3 次元データ 図 8 分子雲ガスの 2 次元データ
Y
X
ʋ
Y
X
縦方向の見かけの大きさ 縦方向の見かけの大きさ 横 方 向 の 見 か け の 大 き さ 横 方 向 の 見 か け の 大 き さ第4 章 計算方法 ① 解析による導出
・オリオンA の面積(S)の求め方
d=D𝜃
1S=D
2𝜃
1𝜃
2(D の値の引用:Menten et al.2007 Sandstrom et al.2007 Hirota et al.2008) D:地球から天体までの距離 d:天体の実際の縦方向の大きさ 𝜃1:天体の見かけの縦方向の大きさ 𝜃2:天体の見かけの横方向の大きさ (𝜃1,𝜃2は解析したデータのピクセル数から求めた。) ・オリオンA の面積(S)の求め方(数値代入) d=D𝜃1 =400[pc]×1080×2.4×
10
−5 =10[㍶] S=D𝜃1𝜃2[㍶ 2 ] =(400)2×1080×2.4×10
−5×1635×
2.4×10
−5 =156[㍶2]・
オリオンA の質量の求め方 輝度温度の平均値 1046×102[K] ↓×速度幅 0.5[km/s] 積分強度(輝度)0.5×105[K・km/s] ↓×変換係数 2×1020[𝑐𝑚−2(𝐾・𝑘𝑚/𝑠)−1] 柱密度 1.0×1025[𝑐𝑚−2] ↓×(1𝑝𝑐)2 (3.09 × 1018)2[𝑝𝑐−2] 1 平方㍶当たりの柱密度 9.5×1061[𝑝𝑐−2] ↓×水素分子質量 2×1.67×10−27[kg] 1 平方㍶当たりの水素質量 31.73×1034[kg・𝑝𝑐−2] ↓÷太陽質量 1.99×10−30[kg] 1 平方㍶当たりの太陽質量 15.9×104[𝑀 ◎𝑝𝑐−2] ↓×面積 156[𝑝𝑐2] オリオンAの質量 (𝑀𝐻2 )2.5×104[𝑀◎] (積分強度から柱密度への変換係数の引用: Boratto et al. 2013 "The CO-to-H2 Conversion Factor")・SFR の求め方
𝑀𝐻2 [𝑀◎]
𝑆𝐹𝑅[𝑀◎𝑦𝑟−1]
~2.0[Gyr](式1)
(式の引用:系外銀河における𝐻2ガス質量と星形成率の関係 Schruba et al. 2011)
② 論文・計算による導出
・オリオンA・B の YSO に関する論文からオリオン A・B にある YSO の数を導出。 (論文引用:Spitzer survey of Orion A and B.I. YSO catalog (Megeath+,2012) ・オリオンA の解析画像の赤経赤緯を求める。
・論文で使われたデータ一覧より、オリオンA にある YSO の数(
N
𝑦𝑠𝑜)を測定。SFR=0.25N
𝑦𝑠𝑜×10
−6(式
2)
第5 章 結果 5.1 計算結果 ①解析による導出 式1 の 𝑀𝐻2 [𝑀◎] に 2.5×104[𝑀◎]を代入
SFR=0.8×10
−4[𝑀
◎𝑦𝑟
−1]
③ 論文・計算による導出オリオンA・B 分子雲領域の原始星 YSO に関する論文よりオリオン A 内の YSO の数
N𝑦𝑠𝑜を抜き出して求めた。
式2 のN𝑦𝑠𝑜に1919 を代入
SFR=4.8×10
−4[𝑀
5.2 解析結果 図9 オリオン A の積分強度図 オリオンA の発する 12CO の輝線の強度がわかるように等高線が引かれている。 図10 オリオン A とオリオン大星雲(M42)の比較画像 右図:ハッブル宇宙望遠鏡(HST)により B バンドで撮影された写真 12CO の等強度線が緑色の線で示されている。 オリオンA の最も明るいところが可視できるオリオン大星雲(M42)であることが分かる。
図11 オリオン A とオリオン A にある YSO をプロットした比較画像 オリオンA の雲が濃いところに YSO が多く分布している。
図12 オリオン A とオリオン A にある YSO(×印)をプロットした比較画像 輝線が最も高いところをズームしたもの
第6 章 考察 6.1 計算結果の考察 論文・計算による結果と解析による結果を比較して、SFR に関して近い値を得ることがで きた。星形成率が盛んなオリオンA では 1 万年に 1 個、星が形成されていることが分かっ た。 6.2 解析結果の考察 図11 より等高線の高さが高いと ころにYSO の数が多いことが分 かった。このことから、YSO の 形成に CO 輝線が深く関わって いると言える。 図11 より等高線の高さが同じで も、YSO の数に差が出ているこ とが言える。特に左下図の青の枠 線内で多くの YSO が見られ、 M42 内の恒星を中心として南北 に伸びてYSO の数が多く見られ ることが分かった。 また、等高線の高さが 2 層目以 上の分子雲の密集部分で星形成 が盛んにおこなわれていると考 えた。しかし、左下図の白・黄枠 線部分を比較すると、白枠線内で は星が形成されているが、黄枠線 内は3層目の部分であるが YSO が見受けられない。黄枠線と白枠 線内の領域の大きさを比べると そこまでの差が見られない。 図5(可視光で観測した M42 の 写真)・図 10 からも分かるよう にM42 の左上部分の分子雲が濃 くなっている。YSO 数が少ない 一方でM42 の分子雲が密集して いる為、これから恒星が誕生する 可能性があると考えられる。 図11 オリオン A とオリオン A にある YSO をプロットした比較画像 図10 オリオン A とオリオン大星雲(M42)の比較画像 図5 オリオン大星雲 オリオン A にある可視光で も確認できる領域 (引用:アストロアーツ メシエ天体ガイド M42)
謝辞
本論文作成にあたり、本学研究室の小野寺幸子教授・井上一教授や実習指導員の日比野由 美先生、本学研究室の大学院生の皆様に感謝申し上げます。日々の卒業研究ゼミのご指導 や天体観測、望遠鏡の使い方など多岐に渡りお世話になりました。皆様にご指導頂きまし たこと、心から御礼を申し上げます。略儀ながら、感謝の言葉とさせて頂きます。
参考文献 【1】有本信雄(訳) 『最新天文百科』 丸善 【2】斉田博 『天文の計算教室』 地人書館 【3】福井康雄 『大宇宙の素顔』 光文社 【4】福井康雄・犬塚修一郎・大西利和・中井直正・舞原俊憲・水野亮 『星間物質と星形成 シリーズ現代の天文学6』 日本評論社 〖1〗Myers (1978).ApJ、225,380 〖2〗Menten et al. (2007) 〖3〗Sandstrom et al. (2007) 〖4〗Hirota et al. (2008) 〖5〗Lada et al. (2010)
〖6〗Megeath+ (2012) ”Spitzer survey of Orion A and B.I. YSO catalog” 〖7〗Boratto et al. (2013) “The CO-to-H2 Conversion Factor"
〖8〗THE ASTRONOMICAL JOURNAL,142:37 (25pp)(2011) ”系外銀河における𝐻2ガス質量と星形成率の関係”
〖9〗P.C.MYERS (1978) ”A COMPILATION OF INTERSTELLAR GAS PROPERTIES”
「吸収線と輝線」国立天文台岡山天体 物理観測所 大阪教育大学宇宙科学研究室
http://www.oao.nao.ac.jp/stockroom/extra_content/story/ippan/kouza/kouza2.htm