研究会活動紹介
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(2) CS 領域. SE. ソフトウェア工学研究会 鵜林 尚靖(九州大学). 「ソフトウェア工学の共通問題」特集もこのウィン ターワークショップから生まれました. 本研究会は国際化にも注力しています.2013 年. ソフトウェア工学研究会は 1977 年に発足した伝. 度 に は, 新 た に 国 際 的 研 究 活 動 活 性 化 WG を 発. 統ある研究会です.3 年後には設立 40 周年を迎え. 足させました.WG 活動の 1 つとして,ソフトウ. ます.登録会員も 500 名を超えました.ソフトウ. ェ ア 工 学 の 分 野 で 最 高 峰 の カ ン フ ァ レ ン スであ. ェア工学は高品質なソフトウェアを効率良く開発す. る ICSE(International Conference on Software. るための学問分野です.その性格上,産業界とアカ. Engineering)の論文勉強会を行いました.全国 4. デミアがお互いに協力し合って,この分野の研究を. 拠点(東京工業大学,名古屋大学,大阪大学,九州. 発展させていく必要があります.歴史を紐解くと,. 大学)を TV 会議でつなぎ,ICSE2013 で発表された. 1980 年代から 90 年代にかけてはソフトウェア工. 80 を超える論文を 1 論文 3 分程度でダイジェスト. 学研究の主体は企業でした.各社からさまざまな開. 紹介しました.産学合わせて 100 名を超える研究者. 発方法論が提案され,開発支援ツールが商品として. と技術者がこの勉強会に参加しました.2013 年度. 提供されました.また,企業内でも構造化開発手法. 最大のイベントは 8 月に開催したソフトウェアプロ. やオブジェクト指向技術など当時の先進技術が実プ. ダクトライン国際会議(SPLC 2013)です.本会議. ロジェクトの中で適用評価されました.2000 年代. はソフトウェアプロダクトラインに関するトップカ. に入り企業からの学会参加が一時停滞した時期があ. ンファレンスで,日本では 2007 年の京都開催に続. りましたが,幸いなことに,ここ数年,再び企業か. いて 2 回目の開催となりました.SPLC 2013 は本研. ら質の高い論文発表が増えてきつつあります.産と. 究会が主催となり,早稲田大学で開催しました.海. 学が切磋琢磨していく場として,本研究会を成長さ. 外から多くの参加者があり,成功裏に終了しました.. せていきたいと思っています.. 本研究会ではソフトウェア工学研究コミュニティ. 研究会活動の柱は,年 4 回の研究発表会,ソフト. の一員として他学会とも協調して活動しております.. ウェアエンジニアリングシンポジウム(SES),ウ. 2014 年度には,本研究会,電子情報通信学会ソフ. ィンターワークショップの 3 つです.研究発表会. トウェアサイエンス研究会,同知能ソフトウェア工. では,要求からテスト・保守まで,ソフトウェア開. 学研究会との合同シンポジウムを企画しております.. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. CS. 発の上流から下流に渡る幅広いテーマに関する論文 発表が行われます.2013 年度は 5 月(東京),7 月 ,3 月(東京)に開催し (南紀白浜) ,10 月(金沢) ました.SES は本研究会のフラグシップイベントで. ARC. 計算機アーキテクチャ研究会 吉瀬 謙二(東京工業大学). す.SES2013 では,論文発表セッションに加えて,. 本研究会の取り扱う分野として筆頭に挙げられて. 基調講演,チュートリアル,ポスター発表,ワーク. いるのが「プロセッサアーキテクチャ」です.研究. ショップを企画しました.基調講演では,本会会長. 発表会では多様なアーキテクチャが議論されていま. の喜連川優氏による「ビッグデータに関する最先端. すが,プロセッサの研究者(を目指す学生) ・技術. の話題」 ,富士通研究所の山本里枝子氏による「企. 者を対象として,そのような最先端技術や既存技術. 業におけるソフトウェア工学研究の取り組み」の. を駆使してプロセッサを設計するコンテストは行わ. 2 つの講演があり,参加者アンケートではともに高. れていませんでした.. い有益度・満足度でした.ウィンターワークショッ. 本研究会が主催する新たな試みとして,研究者・技. プは,セッションごとに定めたテーマを 1 泊 2 日. 術者の育成と交流,研究開発の成果検証を目的とす. で深く議論する場です.情報処理 2013 年 9 月号の. るハイパフォーマンスプロセッサ設計コンテスト(The. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 373.
(3) CS 領域. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. CS. 1st IPSJ SIG-ARC High-Performance Processor. ソフトウェアの基盤となる部分が本研究会の守備範. Design Contest) を 企 画 し まし た. 参 加 チ ーム. 囲となります.そのため,実に多くの分野と関連し. は,定められた FPGA(Field Programmable Gate. ながら発達し続けている分野であると言えます.新. Array)ボードをターゲットに,独自のプロセッサ(与. しいアプリケーション,新しいハードウェアが登場. えられたプログラムを実行するハードウェア,専用ハ. すれば,そこは OS 研の活動範囲となります.. ードウェアでもよい)を設計し,その性能を競います.. 残念ながら,システムソフトウェアはソフトウェ. 2013 年 12 月に予選を行い,参加者を学生のみに. アの「裏方」ともいえる存在です.なかなかその存. 制限する学生部門で 8 チーム,プロフェッショナル部. 在が外から見えません.しかし,今,話題となって. 門で 3 チームが予選を通過して決勝に進出しました.. いるアプリケーションの裏側を覗いてみると,シス. 決勝は 2014 年 1 月に開催される第 200 回記念研. テムソフトウェア研究から生み出された新しい技術. 究発表会の場で行われるため,本文の執筆時に優勝. が潜んでいます.たとえば,検索エンジンやソーシ. チームは決まっていませんが,実行委員会が提供す. ャル・ネットワーキング・サービスなども,その裏. るシンプルなプロセッサを参考にしながら,各チー. 側では,想像を絶するほど大規模で複雑なシステム. ムが独自の高速化を試みています.. ソフトウェアが稼働しています.大規模ストレージ. 具 体 的 に は, キ ャ ッ シ ュ, ス ー パ ー ス カ ラ,. システム,キーバリューストア,MapReduce など,. VLIW(Very Long Instruction Word),アウトオブ. 他分野でも活用されている技術の多くは,システム. オーダ実行,マルチコア,アクセラレータ,SIMD. ソフトウェア研究にその起源があります.当たり前. (Single Instruction Multiple Data),動作周波数の. のように使われるようになったクラウド・サービス. 向上といった異なる技術に着目して高速化が試みら. も,その心臓部には仮想化技術という,システムソ. れています(詳細は第 200 回記念研究発表会の予. フトウェア研究の大きな成果が使われています.. 稿集をご覧ください).決勝の結果が楽しみです.. コンピュータの使い方が広がっていくにしたがっ. 各部門の優勝チームには賞品が,優れたプロセ. て,システムソフトウェアの対象も広がっていきま. ッサを設計したチームには CS 領域奨励賞が授与さ. す.こうしたダイナミックな動きを先導し,尖った. れます. 今回のコンテストには間に合わなかった,. 研究成果を生み出そうと,OS 研では年に 4 回の研. 賞品が豪華だったので参加したかったという要望を. 究会と年に 1 回のシンポジウムを開催しています.. 耳にしました.ご要望にお応えして,2014 年夏を. 興味のある方は,ぜひ,ご参加をお願いいたします.. 目処に第 2 回のコンテストを実施する予定です.栄 誉と賞品を手にするのはあなたかもしれません!. システムと LSI の. SLDM 設計技術研究会 OS. システムソフトウェアと オペ レーティング・システム研究会 河野 健二(慶應義塾大学 ). 374. 村岡 道明(高知大学) 本研究会は 1999 年度より 10 数年にわたり「シ ス テ ム LSI 設 計 技 術 研 究 会(SLDM:System LSI. 本研究会の略称が OS 研であるせいか,少し分. Design Methodology)」の名称を使用し活動をし. 野の違う方から見るとオペレーティングシステム. てきました.それ以前は,当初,「設計自動化研究. (OS) 「だけ」が研究対象だと思われてしまうことが. 会(DA : Design Automation)」の名称で発足し,. 多いようです.研究会の正式名称を見ていただくと. コンピュータ分野にて PCB(プリント配線基板)の. 分かるように,実際には,システムソフトウェアと. 設計自動化を始め,その後は対象を半導体分野に拡. いうもっと広い分野を対象としています.あらゆる. 大し,IC,LSI(集積回路,大規模集積回路)の設計. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(4) CS 領域. 手法や設計自動化の推進を中心に活動を進めてきま した.その後,設計自動化を進める上ではその技術 に関連する設計手法やライブラリ技術および IP 化 技術やプラットフォーム構築技術なども合わせて不. ハイパフォーマンス. HPC コンピューティング研究会 須田 礼仁(東京大学). 可欠な技術であることから,これらの技術の総称を. 新年明けましておめでとうございます(注:執筆. 「設計技術」と呼び,システムオンチップ(SoC)と. 時は 1 月).本日は HPC 研究会の未来について見た. も言われるシステム LSI の設計のための主要な基盤. 初夢について.. 技術として位置づけ,研究を推進することを目的と. 時は 2020 年正月.フィージビリティスタディか. する研究会としてシステム活動してきました.. ら設計,製造まで 7 年をかけた新世代スーパーコン. 近年,システム LSI は情報家電やコンピュータだ. ピュータの最初のラックが工場を出て,現場に向か. けでなく,モバイル機器,宇宙機器,車載システム. う.消費電力を極限まで抑えたこのコンピュータは,. など多種多様の電子・情報システムや組込みシステ. 実行しているアプリによって電力をどこにどれだけ. ムなど,その利用が広がっており,設計の主体もシ. 割り振るかを自動的に最適化する.大容量の演算・. ステム LSI だけでなくこれらのシステムの設計のた. 通信に使うアクセラレータは,3D 実装をフルに使. めにその内容が大きく広がっています.さらに,将. って省電力・高速化されており,完成時の理論性能. 来的には,健康医療,建築,土木,重機械制御,自. は数エクサフロップスに到達する予定である.HPC. 律型ロボットなどへの IT 利用が広がり,これに伴. 研究会で議論され淘汰された最新の耐遅延・省通信. い設計技術もますます広く利用されていくと思わ. アルゴリズムを実装したアプリケーション群が,今. れます.そこで,これらの広範な設計分野に対応. や遅しと到着を待つ.. した研究が不可欠であり,それらの研究を推進す. 時は変わって 2030 年正月.微細化を極めた半導. る研究会として 2014 年度より「システムと LSI の. 体により,ワークステーションは地球シミュレータ. 設計技術研究会(SLDM:System and LSI Design. の性能を実現する.高い計算性能によって,精度保. Methodology)」と変更し活動していきます.. 証計算,データを秘匿したままの計算,不確実性の. また,活動の成果発表や産学官交流の場として,. 定量的計算,実時間データ同化計算など,計算のあ. 毎年 8 月に DA シンポジウムを下呂温泉・水明館に. り方そのものが変質してきたようだ.しかしムーア. て SWEST(組込みシステム技術に関するサマーワ. の法則の限界は明らかになっていて,主記憶は非半. ークショップ)と連催していますが,2014 年度か. 導体のものが主流になりつつある.計算や情報の概. ら VDEC(大規模集積システム設計教育研究センタ. 念を根本から改めなければならない時代が来たとい. ー)の Designers Forum も一緒に開催されること. う実感だ.HPC 研究会は非半導体メモリ,非半導. になり,より充実した議論ができる場として,多く. 体プロセッサに向けたアルゴリズムの議論で活況を. の方の参加を切望する次第です.. 呈している. さらに時は変わって 2040 年正月.ワークステー ションともなると,昔世間を騒がせたこともある 「京」より速い.昔は HPC 業界しか役立たないニッ チな技術と思われていたものが,今や情報技術者の 必須科目である.HPC 研究会のホットトピックは, 最近登場した有機高温超電導材料でできた超高速プ ロセッサである.なんと,ネットワークはプロセッ. ● DA シンポジウムの夕食風景(表彰式も開催). サを根として自己組織的に成長して,アモルファス. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 375. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. CS.
(5) CS 領域. な相互結合網を実現する.計算も通信も不安定性が. まうのが常となっているようです.みなさんも研究. あるが,高度に耐故障化されたシストリックなアル. 会に参加して,プログラミングについて熱い議論を. ゴリズムにより,半導体ではとうてい実現不可能な. たたかわしませんか?. 計算が達成できるらしい.. PRO. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. CS. プログラミング研究会 増原 英彦(東京工業大学). AL. アルゴリズム研究会 喜田 拓也(北海道大学). アルゴリズム研究会は,アルゴリズム全般を対. プログラミング言語は計算機の黎明期からある古. 象とした研究発表の場で,とにかく何かしらアル. い研究分野ですが,その重要性は昔も今も変わりま. ゴリズム的な要素が含まれている内容であれば何. せん.むしろ,プログラムによって動かされている. でも受け入れることのできる,大変に懐の広い研. システムの種類や数がどんどん増えていることや,. 究会です.事実,2013 年度には,電子情報通信学. ソフトウェアが大量に「生産・消費」される時代に. 会のコンピュテーション研究会(COMP)やシステ. なったことを考えると,その重要性は以前よりも増. ム数理と応用研究会(MSS)/回路とシステム研究. しているとも言えるでしょう.. 会(CAS),さらに人工知能学会の人工知能基本問. プログラミング研究会は,そのようなプログラミ. 題研究会(FPAI)との合同研究会を開催し,分野も. ング全般を対象とした研究発表の場として 1998 年. 学会の枠組みも越えた交流を推進してきました.こ. から活動を続けています.2013 年度も 5 回の研究. れらに加え,2014 年 3 月には,中央大学後楽園キ. 会を開催し 50 件近い発表と活発な議論を行ってき. ャンパスにて単独開催も行っています.このよう. ました.研究発表の内容は多岐にわたります.過去. に,例年,4 ∼ 5 回の頻度で研究会を開いています.. 5 回の研究会で発表された研究のキーワードを適当. 2014 年度では,まず,6 月に愛媛松山道後温泉に. に抜き出してみると. て COMP 研との合同開催を予定しています.. GPGPU,MapReduce,アスペクト指向,シェル. 最近の研究会での発表タイトルリストを眺めてみ. プログラミング,スクリプト言語,テストケース. ますと,ハードウェアとの境界領域の研究を見かけ. 生成,デバッガ,トランザクショナルメモリ,ド. るようになりました.さまざまな分野で育まれてき. メイン特化言語,ハイブリッドシステム,バイナ. たアルゴリズムが出会う,そのような研究会なのだ. リ最適化,バージョン管理,モジュール機構,リ. と感じています.「俺がアルゴリズムだ」という方も,. ファクタリング,並列プログラミング,仕様記述. 「見方を変えるとひょっとしたらアルゴリズムであ. 言語,仮想化環境,例外処理,文字列管理,文脈. るといえなくもない」という方も,ぜひアルゴリズ. 指向,構文拡張,正規表現,逆方向実行可能言語,. ム研究会に遊びに来てください.お待ちしています.. 部分評価,限定継続,難読化 というように,理論から応用まで,またプログラミ ングを中心として,高性能計算,システムソフトウ ェア,ソフトウェア工学といった関連領域にまたが. 376. MPS. 数理モデル化と問題解決研究会 棟朝 雅晴(北海道大学). るような話題もたくさんあることが分かります.こ. 数 理 モ デ ル 化 と 問 題 解 決 研 究 会(SIG. れだけ幅広い話題を集めながらも,研究会ではいつ. Mathematical Modeling and Problem Solving:. も熱い議論が展開されています.研究会では 1 件. MPS)は,問題の数理的把握とモデル化,およびそ. あたり発表 25 分に対して質疑・討論 20 分も確保. の有効な解決手法の開発に関する研究交流の場とし. しているのですが,質疑の時間が足りなくなってし. て 1995 年に誕生しました.1999 年からは情報処. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(6) CS 領域. 理学会論文誌「数理モデル化と応用」を編集発行し,. 野,設計事例,教育なども含めたさまざまなトピッ. それにより研究会やシンポジウムでの発表および討. クについての議論があります.他の研究会で専門と. 論も一層活発となり,コンピュータを用いた問題解. している分野に関し,組込みシステムという切り口. 決が求められる理工系・人文社会系の諸分野全体を. で議論することが多いため,他の研究会とのつなが. 対象とした活発な学際的研究会として成長してまい. りも多く持っています.. りましたが,このたび,2014 年 9 月に第 100 回の. 組込みシステム研究会は 2005 年 4 月に研究グ. 研究会を開催させていただくこととなりました.. ループとして発足した,CS 領域の中では新しい研. 第 100 回記念研究会につきましては,東京お台. 究会です.年 4 回の定例研究会のほか,毎年 10 月. 場の日本科学未来館を会場に,9 月 25 日(木)∼. には組込みシステムシンポジウム(ESS)を主催し. 26 日(金)の開催を計画しております.招待講演. ています.ESS は毎年 200 名前後の参加者があり,. 者といたしまして,初代主査の中森眞理雄先生(東. 組込みシステム技術の裾野拡大とより深い議論の場. 京農工大学)にご講演いただき,加えまして日本科. を提供しています.定例研究会は単独開催は 1 回で,. 学未来館のメディアラボ第 11 期展示「フカシギの. 他研究会との連携を進めています.また,年 2 回. 数え方 The Art of 10. ─ Understanding Vastness. 論文誌で特集号を組み,とかくノウハウとして語ら. ─」で話題を呼びました,JST ERATO 湊離散構造処. れることの多い組込みシステム技術の学術論文化を. 理系プロジェクト研究代表者の湊真一先生(北海道. 進め,研究の活性化を図っています.. 大学)にもご講演をいただく予定でおります. 社会や企業等における種々の複雑な実問題を解決 するためには,いかにしてそれを適切に定式化した 数理モデルとして表現するかが,重要な第一ステッ. マルチメディア通信と. DPS 分散処理研究会. 勝本 道哲((株)勝本総合研究所). プとなります.当研究会では,問題の数理モデル化 とその解決手法について,最適化や機械学習など数. 私が DPS 研究会の主査となってから 4 年が経ち. 理モデル全般,マルチエージェントシステム,デー. ました.この期間に目指していたのは,21 世紀の. タマイニング,ビッグデータ,金融・経営工学など. 情報処理分野の研究のあり方を模索し,新しい分野. 数理モデル応用,並列分散処理などシステム化も含. の開拓を目指す研究会運営でした.そのためには活. めて幅広く取り扱うことで,今後とも情報処理関連. 発な議論の場を提供することが大切であると考え,. 技術の進歩に貢献し,第 100 回記念研究会をきっ. さまざまな企画を実施いたしました.. かけにさらなる発展を目指して参りたいと存じます. ここ数年議論の時間が短すぎることが気がかりで. ので,皆様の研究会へのご参加を心よりお待ち申し. した.もちろん活発な分野なので発表の件数が多い. 上げております.. のは良いことですが,その分深い議論が行われ充実 した研究会となっていないと感じていました.そこ. EMB. 組込みシステム研究会 枝廣 正人(名古屋大学). で発表件数が多い DPS 研究会でも議論の時間を可 能な限り設ける合宿形式の研究会を実施しました. 発表時間内では議論できなかったことも含め,帰り. 組込みシステム研究会(EMB)は,日本における. を気にせず議論できることは非常に研究活動に大き. 重要な産業のひとつである組込みシステムの諸問題. く貢献できると感じています.また,この企画の運. について,技術的側面からの議論を進めることを目. 営には運営委員の負荷が大きくなりますが,担当し. 的としています.そのため,システムを構成するハ. た運営委員にとっても地域での活動の躍進に繋がる. ードウェア,ソフトウェアをはじめとして,応用分. 良い機会となっています.. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 377. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. 64. CS.
(7) IE 領域. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE. そして,学生および若手研究者らと,シニアメン. だきました.このご講演では,さまざまな身体反応. バとのテーブルディスカッションです.これは私が. が知覚されたものは感情とかかわるものだと従来は. 昔参加していた国際学会で実施されていた企画で,. 考えられてきたが,この身体反応の知覚が交感神経. ランチとディナーのセッションがありそこで食事を. 系活動を通じて意志決定に影響を与えることが分か. とりながら議論する企画でした.これを 2012 年の. ってきており,そのメカニズムについての知見を分. DPSWS 20 周年記念から実施しました.2013 年度. かりやすい例とともに紹介いただきました.これら. は 2 回目ですが企画もパワーアップし,発表者だ. の招待講演は HCI 分野の研究者が中心となってい. けではなくグループ単位ですが十分議論できる時間. る研究会参加者に大きな刺激を与えるものと考えま. を設け,研究のみならず研究活動に関しても議論が. す.さらに 2014 年からは学生招待講演という試み. されており,非常に良い企画となりました.. もはじめており,今後も貪欲にさまざまな分野を巻. このように DPS 研究会では活発な議論ができる. き込み,学際的研究の一拠点として積極的に活動し. 場を多く設けた結果,充実した議論ができる研究会. ていく所存です.皆様のご参加を心よりお待ちして. になったと感じております.もちろん,今後もさら. います.. なる企画を模索し,より良い研究会にしたいと考え ております.ぜひ,皆様も DPS 研究会に参加し熱 い議論を交わしていただきたいと思います.. HCI. CG. グラフィクスと CAD 研究会 柿本 正憲(東京工科大学). ヒューマンコンピュータ インタラクション研究会. 1981 年にコンピュータ・グラフィクス研究会と. 河野 恭之(関西学院大学). 33 年間にわたって継続的に活動しています.. いう名称で設立し,翌年の名称変更を経てすでに 2013 年度は,例年と同様 4 回の研究発表会と. 378. ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI). Visual Computing/ グラフィクスと CAD 合同シン. 研究会は,情報処理技術や計算機科学に軸足を置き. ポジウム(青森)を開催しました.. つつも,さらなる学際化を推進すべく,さまざまな. 初めての試みとして,合同シンポジウムおよび第. 試みを行っています.その 1 つが年に 5 回開催し. 151 回研究発表会において,海外の日本人講演者が. ている研究会における招待講演であり,「分野違い」. ネット経由で招待講演を行いました.質疑応答も活. な研究者の方々をお招きしてご講演いただき,議論. 発に行われたいへん好評でした.. しています.たとえば,第 153 回研究会では,ス. 2014 年度からは合同シンポジウム(画像電子学. クウェア・エニックスの簗瀬洋平さんをお招きし,. 会 Visual Computing 研究会・映像情報メディア学. 「 『思い通りに動く』という事」と題したご講演をい. 会映像表現&コンピュータグラフィックス研究会と. ただきました.このご講演では,ゲームのようなユ. 共催)の査読方法が変更され,よりきめ細かい判定. ーザに「楽しみ」を味わってもらうシステムでは特. が行われます.また,口頭発表のポスターセッショ. に「思い通りに操れている」という感触を持たせる. ン時間を設け,より多くの参加者が深い議論を行う. ためのさまざまな工夫と演出が重要であり,そのた. 機会を作ります.登録会員にはこのシンポジウムの. めの探求が行われていることがデモを交えて紹介さ. 査読を経た論文集も送付されます.. れました.第 156 回研究会では,名古屋大学文学. 研究発表会は,各発表をその後ジャーナル論文や. 研究科の大平英樹先生をお招きし, 「感情的意思決. ACM SIGGRAPH などの著名な国際学会での論文に. 定に伴う脳と身体の機能的相関─交感神経系活動に. 発展させる場です.参加する運営委員が積極的に発. よる探索─最適化の調整─」と題したご講演をいた. 言して率直な議論を促すようにし,各発表内容の研. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(8) IE 領域. からの研究を奨励する「若手の会」の開催,物理的. なアイディアが提案されることも珍しくありません.. なモノを対象とする通常の理工系論文とは趣が異な. 活発な質疑はグラフィクスと CAD 研究会のよき伝. る情報システム論文の執筆促進に向けた「ワークシ. 統であり,これからも一層重視します.また,毎回. ョップ」の実施,当研究会を編集母体とする情報シ. の優秀研究発表賞(GCAD 賞)や推薦論文制度によ. ステム関連のジャーナル特集号の発行,「IS ディジ. って,この分野の研究者の業績を後押ししています.. タル辞典─重要用語の基礎知識」の編集および学会. 今後は,遠隔会議も活用し,ハイレベルな国際学. サイトでの公開,情報システム研究の質的アプロー. 会や論文誌に採録された研究を招待講演として研究. チも対象とする情報システムの有効性評価ガイドラ. 発表会に迎えることで,最新の優れた成果も知るこ. インの策定と公開など,多角的・精力的に活動して. とができる場としていくことを考えています.これ. います.人間系の情報システム,柔らかい情報シス. から CG を研究しようとする若手研究者にとっても. テムなどにも興味や問題意識をお持ちの方は,ぜひ. 魅力的な研究会にしていきます.. 当研究会に参加ください.. IS. IE. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. 究レベルを高めるようにしています.その場で新た. 情報システムと社会環境研究会 刀川 眞(室蘭工業大学). 劇的に進化する情報社会,その活動を支えるコン ピュータと情報通信ネットワークを中心にした 情 報システム ,これらなくして現代社会は語れませ. IS 研究会 Web ページはこちら⇒. IFAT. 情報基礎とアクセス技術研究会 野本 忠司(国文学研究資料館). ん.ここで重要なことは, 情報システム は状況. 当研究会では,情報アクセスと関連分野の基礎,. あるいは環境との相互作用があることです.相互作. 応用に関する研究の活性化を目指し,当該分野の研. 用のある相手は運用する者であり,運用を管理・監. 究コミュニティの形成,発展に向け活動しています.. 督する者であり,その管理者のいる組織です.ある. 本研究会のカバーする領域は,①情報・ユーザのモ. いはその組織とさまざまなやりとりをする人々(た. デル化,情報の組織化・構造化・管理,②情報アク. とえばお客様や利用者) ,さらには社会にまで拡が. セス・マイニング(情報検索,質問応答,要約,分類,. ります.すなわち実社会の中で 情報システム は,. 抽出,推薦,意見・動向分析,可視化など) ,③多. 人や組織あるいは社会という状況や環境に大きく依. 言語・Web・モバイル情報処理,④メタデータ/. 存しているのです.. コンテンツの構築・検索・分類・管理,電子図書館,. 当研究会は,コンピュータや周辺機器,情報通信. 知識発見・表現・組織化・活用,ユーザインタフェ. ネットワークなどから構成される 情報処理システ. ース等,非常に多岐に渡っております.. ム に加え,人・組織・社会とのかかわりを含めて. 現在 200 名ほどの会員を擁し,年 4 回の定例研. 幅広く 情報システム を捉え,そのあるべき姿を. 究会のほか,査読型シンポジウム「情報アクセスシ. 探求しています.実社会とのかかわりを重視するこ. ンポジウム」 (IAS)を年 1 回開催しています.この. とから,活動メンバには研究者や大学関係者だけで. シンポジウムでは,特に当研究会で発表した優秀な. なく企業等で実際にシステム開発に携わっている人. 若手研究者に対して,研究会独自の 2 つの賞「IFAT. も多く,現場の眼,現場の知恵,現場の風にこだわ. ヤングリサーチャー優秀賞」と「IFAT ヤングリサ. っています.. ーチャー奨励賞」を授与し,その業績を讃えること. 具 体 的 に は, 年 3 回 程 度 の 研 究 発 表 会( う ち. にしております.. 1 回は地方開催)に加え,若手研究者に対してこれ. また当シンポジウムでは,発表の場を提供するだ. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 379.
(9) IE 領域. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE. けではなく,国際会議への橋渡しになるよう,第一. ジでは,研究会の面白さは伝わってこない という. 線で活躍している研究者に協力いただき,メンタリ. ご意見をいただきましたため,今回,これを深く反. ングサービスを提供しております.著者の中には,. 省し,改めることとなりました.現在,新 Web ペ. その後国際会議に投稿し採択された方もいらっしゃ. ージを鋭意制作中です.本記事が公開される時点. います.本研究会はまた,AIRS(Asia Information. では,すでに完成していることと思われますので,. Retrieval Societies)と協力関係にあり,国際的な. ぜひ一度 http://www.ams.giti.waseda.ac.jp/avm/. 研究交流にも力を入れております.このように大変. index.html にアクセスをお願いいたします.また,. 魅力的な会ですので,ぜひ多くの企業,大学の研究. 今後も頻繁に情報を更新していく予定ですので,定. 者の方々にご参加いただきますようお願い申し上げ. 期的に訪れていただき,興味あるテーマについて本. ます.. 研究会を活用したご議論をお願いいたします.. オーディオビジュアル. AVM 複合情報処理研究会. 380. GN. グループウェアとネットワーク サービス研究会. 石井 大祐(早稲田大学). 市村 哲(東京工科大学). AVM 研究会では従来,符号化を主として研究発. グループウェアとネットワークサービス研究会. 表が行われてきましたが,現在では,オーディオビ. (GN 研究会)は,ネットワークアプリケーション,. ジュアル情報を主体としたマルチメディア情報処. インターネットサービス,コラボレーション支援な. 理・配信・検索・インタフェースおよび応用にかか. どの広い研究分野をカバーしています.例年,定例. わる幅広い技術課題を対象としております.研究会. 研究会を開催する以外にも,泊まり込みのワーク. は,研究成果の発表場所という側面が少なからずあ. ショップ(GN ワークショップ),隔年の国際会議. る場所ではありますが,検討段階の研究内容につい. (CollabTech),2 回の研究会合同シンポジウム(イ. ても議論できる場所としたいということで,アイデ. ンタラクション・DICOMO)を主催しています.ま. ィアの検討段階でのご発表,ご参加についても広く. た論文誌ジャーナル特集号を発行しており,2013. 募集しております.また,開催地もバリエーション. 年度は「社会活動に協調する技術とネットワークサ. 豊かで,都内では津田塾大学,日本女子大学,早稲. ービス」特集号において多くの原著論文を採録しま. 田大学,都外では京都,名古屋,福井,鳥取,沖縄. した.. 等で研究会を開催いたしました.今後もご参加いた. 2013 年度は,GN ワークショップが 10 周年にあ. だく方にご興味を持っていただけるよう研究会を開. たり,特別イベントとして参加者全員が 10 年前を. 催予定です.さらに,2014 年度には,若手研究者. 振り返るスピーチを行いました.GN 研究会の 10. の方向けに年間を通じた賞を新設するなど,有意義. 年前の懐かしい活動内容を語る者あり,10 年前は. な議論ができる場所としてご活用いただけるよう活. 小学生だったと話す者あり,想定外の話題が次々と. 動しておりますので,ぜひ研究会にご参加いただけ. 飛び出しとても盛り上がりました.通常の研究会で. ますようよろしくお願いいたします.ところで,学. は発表に至らない構想や検討段階の研究の発表も歓. 会関係の Web ページは大変地味なところも多いか. 迎するワークショップは大切な機会であり,2014. と思いますが,本研究会もまた,10 年以上前に作. 年度も関東甲信越近辺で開催する予定です.. 成された研究会 Web ページを大切に使用してまい. 定例研究会においては,特に 1 月研究会を温暖. りました.マルチメディアを取り扱う研究会であり. な気候と素晴らしい景観の沖縄・名護の名桜大学に. ながらもやはり大変地味であり, この Web ペー. おいて開催したことが思い出です.7 月の主催シン. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(10) IE 領域. 者や実務家が参加しています.2013 年 11 月に取. から,一番寒い時期に日本の南端で,一番暑い時期. り上げたテーマ「デジタルドキュメントとテクニカ. に日本の北端で,快適な環境で議論ができたという. ルコミュニケーションが促進するチーム活動」は,. 贅沢な年であったと言えます.. 今後研究会として精力的に取り組んでいこうとして. さて,GN 研究会にとって 2014 年度の最も大き. いるテーマです.名称をドキュメントコミュニケー. なイベントは南米チリにおける CollabTech 2014. ション(DC)にしようと盛り上がっています.DC. (2014 年 9 月 8 日∼ 10 日)の開催です.これまで. って…どこかで聞いたような? …Dublin Core の. 韓国,オーストラリア,日本などで開催してきまし. ことは意識してませんから! トリセツやユーザマ. たが,今回が最も遠方での開催であり運営委員全員. ニュアルの対象は,機器の操作説明からシステムや. でしっかり盛り上げていきたいと思います.多くの. サービスの説明へと移り,さらにはシステムや機器. 方のご参加をお待ちしております.. と人,人と人が融合したチーム活動の支援へとその. IE. 役割に対する期待が広がっています.このような状 況で,作り手と読み手を仲介するコミュニケーショ ンメディアとしての要件もドキュメントに求められ ています.そのようなドキュメントに多様な要件が 求められる時代にあって研究会メンバも 1 つのチ ームとなって研究していきたいと考えています. ドキュメントは,誰もが作り,読み,活用するも ● GN 研運営委員会にて. の.今朝も電車で電子書籍を読みふけっていた貴方, ぜひ次回の研究会にご参加ください!. DD. デジタルドキュメント研究会 中挾 知延子(東洋大学). ドキュメントをディジタルなコミュニケーションの. モバイルコンピューティングと. MBL ユビキタス通信研究会 内藤 克浩(三重大学). 主役へ ドキュメント をどう定義する?コンテンツや. モバイルコンピューティングとユビキタス通信研. データとの違いは?という議論が,デジタルドキュ. 究会(MBL 研究会)では,研究者間の交流の場を. メント研究会では熱く繰り広げられています.研究. 提供することにより,分野的に近い研究者間のディ. 会メンバも企業人が他の研究会と比べてかなり多い. スカッションだけではなく,モバイルコンピューテ. ことはこの研究会の特徴でもあり強みでもあります.. ィングとユビキタス通信に関する,より幅広い分野. 実社会でのドキュメントのディジタル先進技術の紹. の研究者との情報交換が可能な場を作ることを目指. 介とその研究がこれでもかというくらい研究発表で. しています.また,これらの情報交換を通して,研. は話題にされ,「こないだテレビで見たけどもうそ. 究会出席者間のネットワークを作り,関係分野のさ. こまで進んでるの?」と驚きの連続です.. らなる発展を目指して活動を行っています.. 研究会には,テクニカルコミュニケーション,文. 研究会活動としては,年に 5 回ほどの研究会を. 書の構造化・部品化,企業の製品・サービス情報の. 関東近辺とその他の地域で開催しています.発表さ. 提供,地域情報の編纂,電子書籍,グローバル化の. れる研究分野は,無線 LAN や携帯電話網などで利. ための多言語ドキュメントや文字コードの標準化な. 用される無線技術,センサネットワーク,メッシュ. ど,ドキュメントにまつわるさまざまな分野の研究. ネットワーク,車車間ネットワークなどのマルチホ. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 381. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. ポジウム(DICOMO)が北海道・帯広であったこと.
(11) IE 領域. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE. ップ通信技術,これらの通信ネットワークを利用し. からコンセプト論文賞を新設し,次世代のニーズや. た位置推定技術,サービス発見技術,モバイルアプ. シーズの発掘を試みています.また,マルウェア対. リケーション技術など,モバイルコンピューティン. 策に焦点を当てたワークショップ(MWS)を併催し. グを実現するため必要とされるさまざまな要素技術. ており,産官学の研究者だけでなく,実務現場でマ. にわたっており,研究者間の交流も積極的に行われ. ルウェアと戦っている技術者も多く集まる交流の場. ています.また,2013 年度は CDS 研究会と共同で. ともなっています.さらに,MWS では,規定時間. スマートフォンアプリケーションのコンテストを実. 内で課題に取り組み,解析結果を競う MWS Cup も. 施し,さまざまなアイディアの応募をいただきまし. 開催しています.2013 年は,MWS Cup の国際版の. た.12 月には研究途中の課題を対象とした泊まり. IWSEC Cup も同じ会場で開催しました.2014 年は. 込みのワークショップを開催し,普段の研究会より. 10/22 ∼ 24 に札幌で開催されます.. 時間をかけたディスカッションも行うことができま. IWSEC は,日本で継続的に開催されている唯一. した.そして,1 月にはシンガポールで MBL が主. のセキュリティに関する国際会議です.2013 年は,. 催の国際会議 ICMU 2014 を開催しました.さま. 11/18 ∼ 20 に沖縄で開催されました.2014 年は開. ざまな国から約 80 名が参加し,国際的な交流をは. 催時期を早めて,8/27 ∼ 29 に弘前で開催されます.. かることができました.. セキュリティの理論と実用の両面がスコープですが,. MBL 研究会では,各研究会の発表者の中から,. 2013 年からは実用をより重視して「ケーススタデ. 近い将来の論文誌への投稿を期待した優秀論文賞,. ィや実装事例」についても積極的に採録する方針と. 優れた発表内容に対する優秀発表賞,優れた発表を. しています.多くの方のご投稿やご参加をお待ちし. 行った若手研究者に対する奨励発表賞を贈っていま. ております.. す.みなさまのご投稿と研究会への参加を心待ちに. IT システムが便利になっていくにつれ,セキュ. しております.. リティの重要性もまた高まるばかりです.2014 年 度は,研究会登録費を本会正会員の研究発表会参加. CSEC. コンピュータセキュリティ研究会 山内 利宏(岡山大学). 費より安く設定し,年 1,404 円で研究会登録会員に なれます.ぜひこの機会に CSEC 研究会への登録を ご検討ください.詳しくは http://www.iwsec.org/. コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会は,. csec/ をご参照ください.お気軽な参加をお待ちし. コンピュータのシステムやサービスを「安全に」動. ております.. かすための技術について,基礎となる理論・技術か ら,実応用への適用方式やその事例,さらに社会科 学的考察までを含めた包括的な研究の場の提供を 目指しています.主な活動として,年 4 回の研究 発表会のほか,8 月に Intl. Workshop on Security (IWSEC)を,10 月にコンピュータセキュリティシ ンポジウム(CSS)を主催しています(IWSEC は電 子情報通信学会 ISEC 研究会との共催).また,本研 究会を編集母体とする特集号も年 1 回発行し,本 特集号の特選論文を CSS で表彰しています. CSS2013 は,10/21 ∼ 23 に高松で開催され,参加 者 438 人,発表数約 140 件を集めました.CSS2013. 382. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. ● MWS Cup と IWSEC Cup の競技中の様子.
(12) IE 領域. ITS. 高度交通システム研究会 屋代 智之(千葉工業大学). ITS 研究会は来たる高度交通システム社会へ向け. UBI. ユビキタスコンピューティング システム研究会 角 康之(公立はこだて未来大学). て,自動車交通に限らず,交通の諸問題を解決する. 本研究会は,2003 年 4 月にスタートし,家庭,. ために 1998 年に研究グループとして発足し,2000. オフィス,自動車といった身の回りの生活空間から. 年に研究会となりました.その間,スマートフォン. 都市空間まで幅広い対象に対して,ユビキタスコン. を含む携帯電話の進歩,情報処理技術の飛躍的な. ピューティングの基盤技術であるコンピュータアー. 発展がありました.また,道路交通環境において. キテクチャ,センサ,ネットワーク,入出力デバイス,. も VICS などの発展,ハイブリッド車の普及,各社. ヒューマンインタフェースの話題を扱っています.. による自動運転技術の発表など大きな変革が起こり. 普段の活動は,年に 4 回の研究発表会を開催し,. ました.ITS 研究会はこのようなさまざまなフィー. その多くで他研究会との共催を行い,分野横断的な. ルドで活躍されている研究者の意見交換,交流の場. 交流に力を入れています.また,シンポジウムとし. を作り,技術の発展に寄与することを目的として活. て「DICOMO」と「インタラクション」の主催に携. 動しています.研究会としての主な活動には,年 4. わっています.また,2, 3 年に 1 回程度のペースで,. 回開催の研究発表会と,毎年 1 月に開催している. 全国大会や FIT での企画イベントを開催していま. ITS シンポジウムがあり,ほかに論文誌の特集号(年. す(写真は,FIT2013 での「身近になったライフロ. 1 回,MBL 研究会と合同)と DICOMO シンポジウ. グ」セッション登壇者の記念写真).学会論文誌では,. ムの共催などを行っています.. 過去に 3 回の特集号を発行しており,現在,新た. ITS 研究会の特徴として,さまざまな技術の「目. な特集号の投稿を募集中です(投稿締切:4 月 25 日,. 的」をベースとしている点が挙げられます.このた. https://www.ipsj.or.jp/journal/cfp/15-F.html).. め,使われる技術は情報処理分野だけでも多岐に渡. 国際的な活動としては,本研究会の多くのメンバ. り,研究者にも幅広い視点が求められます.そこで,. が,ユビキタスコンピューティング分野の重要国際. 研究会としてはなるべく多くの分野との交流を図れ. 会議である Ubicomp 開催に携わっています.これ. るようにすることを考えています.もちろん,これ. までに,Ubicomp 2005 を東京で,Pervasive 2009. は簡単にできることではありませんが,できれば(究. を奈良で開催し,2015 年秋には Ubicomp 2015 を. 極的には) ,ITS 研究会に参加しているだけで,い. 大阪で開催することとなりました.2015 年は,ウ. くつもの研究会や団体に入っているのと同じような. ェアラブルコンピュータの会議である ISWC 2015. 情報などが手に入る,ということを目指しています.. も同時開催する予定です.現在すでに,間瀬健二氏. そのため,ITS シンポジウムではテーマとして毎. (名古屋大学),矢谷浩司氏(マイクロソフト研究所). 年注目すべき関連技術を取り上げています.また,. を中心に,当研究会メンバも参加しながら,準備を. 研究発表会の一部は MBL 研究会との共催や他の学. 始めています.街全体が未来都市の実験場である大. 会の ITS 研究会などと共催/連催にしています.さ. 阪ナレッジキャピタルで開催されますので,皆さま,. らに,研究会名称を 2014 年度から「高度交通シス. ご期待ください.. テムとスマートコミュニティ研究会」(略称は ITS. 当研究会独自の特筆すべき試みとしては,学生会. 研究会のまま)に変更し,関連するトピックを幅広. 員に対する国際発表奨励賞があります.当研究会で. く取り扱うとともに,より多くの研究者の交流の場. 発表された内容で学生が Ubicomp もしくは ISWC. となれることを目指しています.. で登壇発表が採択された場合,会議参加のための旅. ぜひ,皆様の活発な参加をお待ちしております.. 費を研究会から補助するものです.2013 年度から. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 383. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE.
(13) IE 領域. 始まり,2014 年度も継続する予定です.国際会議. ィ心理学とトラスト(SPT)の各研究会,電子情報. にも挑戦しようという学生の皆さん,ぜひ,当研究. 通信学会の情報通信マネジメント(ICM),インタ. 会にご参加ください.. ーネットアーキテクチャ(IA),技術と社会 ・ 倫理 (SITE)の各研究会とは研究発表会やシンポジウム を例年共催しています. さ ら に IOT 研 究 会 は 国 際 的 な 活 動 も 進 め て お り, こ れ ま で に 国 際 会 議 SAINT の ワ ー ク シ ョ ッ プ C3NET を 3 回主催し,2013 年度には国際会議. COMPSAC において,SAINT での 2 つのワークシ. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE. ョップを統合した ADMNET(Architecture, Design,. Deployment and Management of Networks and Applications) を 開 催 し ま し た. さ ら に は ACM SIGUCCS(SIG University and College Computing ● FIT 2013「身近になったライフログ」セッション登壇者の記念 撮影. Services)とも連携を深めており,今後国内に新設 される支部を通して活動の場を拡げる計画です.. IOT. インターネットと運用技術研究会 山井 成良(岡山大学). イ ン タ ー ネ ッ ト と 運 用 技 術(IOT) 研 究 会 は. 2008 年に分散システム/インターネット運用技 術(DSM)研究会(1996 年発足)と高品質インタ ーネット(QAI)研究会(2001 年発足)が統合し てできた研究会で,2013 年度からはシステム評価 (EVA)研究会と統合され,新たな IOT 研究会とし て再出発しました. 本研究会ではインターネット技術全般およびイ ンターネットを含む大規模(分散)システムの構 成,管理,運用,評価に必要な技術の研究を目的と しております.大学や企業で実際にネットワークや 大規模システムの運用に携わっている研究者や技術 者が多く参加して,実践的な研究成果の発表が活発 に行われており,所属組織の情報基盤の高度化に貢 献しています.過去 5 年間の研究会の活動状況を 表 -1 ~3 に示します. また,IOT 研究会では他の研究会との交流も活発 に行っております.情報環境領域の 10 研究会が共 催するマルチメディア,分散,協調とモバイルシン ポジウム(DICOMO)への参画をはじめ,本会内で はコンピュータセキュリティ(CSEC),セキュリテ. 384. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 今後も IOT 研究会をよろしくお願いします. 年度. 実績会員数. 開催回数. 発表件数. 平均参加者数. 2008. 270. 4. 99. 67. 2009. 391. 4. 48. 63. 2010. 389. 4. 49. 63. 2011. 369. 4. 71. 53. 2012. 379. 4. 96. 72. ●表 -1 研究会活動状況 年度. テーマ. 多様なネットワー 2008 クサービスの統 合・連携にむけて 仮想化時代のイン 2009 ターネットと運用 技術 ディペンダブルな 2010 システムの構築を 目指して 危機管理の視点か 2011 ら運用技術を考え る クラウド時代にお けるオーバーレイ 2012 による技術の有機 的結合 仮想化時代におけ 2013 る情報セキュリテ ィと運用技術 ●表 -2 シンポジウム. 投稿 採択 Work in 招待 パネル 参加 数 数 Progress 講演 討論 者数 23. 18. -. 2. 1. 115. 18. 15. -. 3. 1. 77. 17. 16. -. 3. 1. 84. 14. 12. -. 2. 1. 65. 16. 15. -. 3. 1. 64. 12. 11. 8. 2. 1. 112.
(14) IE 領域. 投稿数 採録数. 始めました.セキュリティとヒューマンインタフ. 年度. テーマ. 2008. 柔らかなサービスを支えるインターネッ ト技術/分散システム運用・管理技術. 40. 11. 多様なネットワークサービスの統合・連 2009 携に向けたインターネットと運用管理技 術. 27. 9. ギーメロン大学の Cylab のメンバが中心に企画し,. 2010 仮想化時代のインターネットと運用技術. 19. 7. 注目を集めています.本研究会では,SOUPS で発 表された論文の勉強会を 2 年前から始めました.. ェースの分野の新たな国際会議,Symposium on. Usable Privacy and Security(SOUPS)は,カーネ. 2011. ディペンダブルなシステムの構築・運用・ 管理技術. 19. 7. 2012. 危機管理の視点を考慮したインターネッ トと運用技術. 25. 13. オーバーレイを考慮したインターネット 2013 と運用技術. 14. 5. は「トラスト」と呼び,これまで,哲学,社会学, 心理学,経済学等の分野で研究が進められてきまし. IE. た.1990 年代に入り,欧米の情報科学の分野でも (高 トラストが研究され始めました.Dependability 信頼性)とも似ています. トラストの応用分野として,災害コミュニケーシ ョンや災害情報処理も本研究会で推進する研究課題 です.2 年前より,毎年 12 月に災害関連のシンポ ジウムを始めました.災害の復旧,復興,防災,減. ● 2013 年 12 月に広島大学で開催された IOT シンポジウムの様子. SPT. セキュリティ心理学と トラスト研究会 岩田 彰(名古屋工業大学). 災は,災害に関する技術だけでなく,人間的観点を 重視した情報処理の実践的な応用分野です. 以上,本研究会では,技術の人間的側面を多角的 に考え,ホットでタイムリーな課題にも柔軟に取り 組んでいきます.ぜひ,SPT 研究会にご参加ください.. SPT 研究会では,これまで技術中心に捉えられて いた情報処理分野の中で,人間がかかわる観点を中 心に見ています.情報セキュリティでは,技術的な 対応を行うことで安心な環境を利用者に提供できる と考えられていました.しかし,本当に利用者は, 技術提供だけで安心するのでしょうか.情報セキュ リティ心理学はこうした利用者の心理にかかわる研 究分野を指します.一方,攻撃者の中には,ソーシ ャルエンジニアリングと呼ばれる,人間の弱点や隙 を利用してパスワードや個人情報を盗む者もいます. これは,従来のシステムやネットワークに対する直 接的な攻撃ではなく,人間を利用した攻撃です.以 上のことから,本研究会では,セキュリティだけに とどまらず技術一般に関するヒューマンファクタや. ●第 3 回災害コミュニケーションシンポジウムの講演風景 2013 年 12 月 26 日さくらインターネット研究所会議室にて. コンシューマ・デバイス&. CDS システム研究会. 石川 憲洋(駒澤大学). 心理学的観点,安全工学やトラスト等の学際的領域. CDS 研究会は,コンシューマ・デバイス(スマ. を対象とします.. ートデバイス,家電,ウェアラブルデバイスなど),. 欧米でも,技術に関する人間的側面が注目され. それらを動かすためのコンシューマ・システム,お. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 385. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. ●表 -3 論文誌特集号. さらに,日本での「安心」に似た概念を,欧米で.
(15) IE 領域. よびそれらを利用したサービスに関して,産学問わ ず広く対象としています.本研究会の特徴は 2 つあ ります.まず 1 つ目の特徴は,大学などの研究機 関だけではなく,多くの産業界の研究者・技術者が 所属していることです.社会で実際に利用されてい る,または実用化を目指しているデバイスやシステ ムについて,情報交換や議論が盛んに行われていま す.そして 2 つ目の特徴は,研究発表会と連携し たトランザクションの発行です.研究発表会で発表. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. IE. された論文は,トランザクション推薦を希望すれば,. ●学生スマートフォンアプリコンテストの様子. 研究会発表後にトランザクションへの推薦の可否が 判定され,採録条件が提示されます.そして,採録 条件が満たされれば,短期間でトランザクションに 掲載されます.また,産業界からの学会活動活性化 を目指し,他のトランザクションにはない独自の査. デジタルコンテンツ. DCC クリエーション研究会 塚本 昌彦(神戸大学). 読基準を採用していることも,CDS 研究会の大き. コンテンツそのものを研究対象とする研究会を立. な特徴になっています.. ち上げよう,トランザクションも立ち上げよう,コ. 2013 年 度 は 国 際 的 な 活 動 と し て,7 月 に 京. ンテンツが大事だということは誰でも分かっている,. 都 で 開 催 さ れ た IEEE COMPSAC 2013 に 併 設 し. だけどなぜコンテンツを対象とする研究会が今まで. て,国際ワークショップ(CDS 2013:The 1st IEEE. なかったのか.そんなことを考える人たちが集まっ. International Workshop on Consumer Devices. て 2012 年度から立ち上がったのが本研究会です.. and Systems)を企画,運営しました.また,10. 一般にディジタルコンテンツとは,映像,Web. 月に幕張で開催された IEEE Global Conference on. ページ,ゲーム,音声,音楽,テキスト,コミック,. Consumer Electronics(GCCE 2013)においても,. アニメ,写真,アート,CG,キャラクタなどのこ. 特別セッションを企画,運営しました.さらに,学. とをいい,現時点では国内独自の発展をベースに産. 生の学会での研究活動活性化を目指し,スマートフ. 業の急成長が見込まれる一方,アニメ,漫画,音楽,. ォンやタブレットに搭載された各種センサを用いて,. 映像などのコンテンツ制作現場の悲惨な状況や著作. 独創性のあるアプリケーションを作成して競い合う. 権の管理をはじめとする社会的問題が重要視される. 「学生スマートフォンアプリコンテスト」を,9 月. ようになっています.コンシューマ化が進むインタ. に MBL 研究会と共同で実施しました.コンテスト. ーネット社会と,ウェアラブル化,ユビキタス化が. には 10 チームの学生が参加し,約 5 分のショート. 進む実社会において,コンテンツの利用環境は絶え. プレゼンテーションの後,展示会場で作成したスマ. ず変化しつつあり,問題が時々刻々と変化すると同. ートフォンアプリのデモを約 1 時間行っていただ. 時に複雑化しています.明らかにディジタルコンテ. きました.初めての試みでしたが,想定以上の高レ. ンツの制作,流通,利用において新たな技術や新た. ベルなスマートフォンアプリが揃い,展示会場も大. なルールが必要とされている状況にあります.. 変盛況でした.これらの活動については,2014 年. 本研究会では,このようなディジタルコンテンツ. 度も引き続き実施を予定していますので,皆様の活. の制作,流通,利活用を促進し,健全な社会利用を. 発なご参加をお待ちしております.. 推進するために,ディジタルコンテンツクリエータ を支援するための制作技術,管理技術およびそれに. 386. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014.
(16) MI 領域. 3.国際会議の報告:2011 年度から主要な国際会. ともに,コンテンツ自体のアート・エンタテインメ. 議の後に,会議に参加した方数名にお願いして会議. ント性の観点からの表現技術も含め,ディジタルコ. の報告を行う特別セッションを開催しています.採. ンテンツに関する技術者の相互情報交換の場を提供. 択率,論文のトピック分布や国の分布,参加者数な. することを目指し,活動を行っています.コンテン. ど,会議全体についての概要を報告いただいた後,. ツ発表会と称するデモや映像の鑑賞会,オタクの香. 各自が興味深いと思った論文を数件紹介いただきま. りのするマニアックな研究発表,アート作品の展示,. す.単に論文の内容を紹介してもらうのではなく,. Video Jockey / Disc Jockey /プロジェクションマ. 紹介者が面白いと思った理由やもの足りないと思っ. ッピング/電飾コンテンツなどの作品報告など,従. た点など,論文の評価も含めて話をしていただくよ. 来の研究会とは一風違うコンテンツ主体の研究会に,. うお願いしていますので,会議に参加できなかった. 興味のある方はぜひご参加ください.. 人にとって非常に有益なセッションであると思いま. MI. ■ 新年度企画 研究会活動紹介 ■. かかわる利用技術に関する研究を広く対象とすると. す.また,報告を依頼している方々も第一線で研究. NL. 自然言語処理研究会 徳永 健伸(東京工業大学). 自然言語処理研究会では研究会の活性化を目的と してさまざまな取り組みをしています.本稿では, そのいくつかを紹介します.. されている若手の研究者なので,毎回,非常に質の 高い報告となっています.. ICS. 知能システム研究会 栗原 聡(電気通信大学). 1.学生奨励賞の授与:毎年 5 月は音声言語情報処. 当研究会は,本会における人工知能研究分野を担. 理研究会と共催を行っています.この回には学生の. 当する研究会として長い歴史を有しております.ま. 発表のみを集めた学生セッションを設け,優秀な学. た,2010 年から名称をそれまでの「知能と複雑系研. 生の発表 2 ∼ 3 件に対して学生奨励賞を授与して. 究会」から「知能システム研究会」に改名しました.. います.賞の選考にあたっては,学生セッションで. ビッグデータ,スマートグリッド,ソーシャルメ. の発表を新規性,有効性,正確さ,プレゼンテーシ. ディアなど,インターネットという「複雑ネットワ. ョンなどの観点から研究会参加者に採点してもらい,. ーク」を基盤とした,次世代情報社会インフラのた. その結果をもとに両研究会の主査・幹事で総合的に. めの新しいテーマが続々と生まれつつある現在にお. 判断して決めています.. いて,人工知能技術への期待感も高まりつつありま. 2.研究会の質疑のサマリの公開:発表の後に行わ. す.データは収集するだけでは宝の持ち腐れであり,. れる質疑応答は研究会の重要な要素です.研究会で. その中から鉱脈を見つけ出すデータマイニングや,. は,基本は 20 分の発表に対して 10 分という十分. 無駄のないエネルギー循環システムを構築するには,. な質疑応答の時間をとっています.発表内容につい. 大規模自律分散システム制御が不可欠であり,その. ては研究会報告に掲載される論文を読めば分かりま. ためには自律システム間での知的協調が要となりま. すが,発表後の質疑応答については研究会に参加し. す.3.11 の大災害を教訓とした防災・減災に向け. た人しか聞けません.時間的な制約で研究会に参. た情報インフラ整備においても,デマや流言の拡散. 加できなかった人のために,196 回(2010 年 5 月). 防止や,的確な情報を的確に配信するためのシステ. より,毎回,すべての発表について主査・幹事で質. ムなどにおいても人工知能技術は不可欠です.. 疑応答のメモを作成し,それをもとにサマリを作っ. このような状況の中,当研究会においては,主査・. て研究会の Web ページ(http://www.nl-ipsj.or.jp). 幹事がそのときの旬なテーマ,さらにはこれから注. で公開しています.. 目されるであろうテーマに敏感に反応し,情報系他. 情報処理 Vol.55 No.4 Apr. 2014. 387.
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