算数一数学科'こおらする<よみ>
自然系教育講座崎谷真也
1. 算数・数学科における表記 <よみ>は何を<よむ>かという<よみ>の対象によって、その意味は異なる。 算数・ 数学科における<よみ>の対象は表記である。 したがって、表記を読み取るという意味で <よみ>に<読み>という漢字を用いても違和感はないので、以下では、この漢字を用い ることにする。 算数・数学科における表記には次のような表記があり、その違いによって読む内容も異 なる。 ・文章 ・式(数式、文字式etc) ・m(線分図、面積図、樹系図、ベン図etc) ・グラフ(関数のグラフ、有限グラフetc) ・表 文章の読みについては後で少し詳しく述べることにし、それ以外の表記の読みについて 簡単に述べてみたい。 式は対象記号と演算記号、関係記号から構成されている。 例えば、5-2=3という式 は、「数」を表す"5"、"2"、叫3''という記号と「引く」という演算を表す記号 "-"と「等しい」という関係を表す記号"-"から構成されている。 式を読むとは、こ うした記号に意味を与えることであり、上述の式は『5個のリンゴから2個のリンゴを取 り去ると、残りのリンゴは3個である』(除去)とも読めるし、『5個のリンゴと2個の リンゴの違いは3個である』(差)とも読める。 図はいろいろな関係を表現しており、図を読むとは、こうした関係を読み取ることであ る。例えば、線分図や面積図から数量関係を読み取ったり、樹系図から偲序関係を読み 取ったり、ベン図から包含関係を読み取ったりすることが、こうした図を読むことであ る。グラフと表はいろいろな事象やそこにみられる関係を表現しており、変化の様子や 2量の依存関係を読み取ったりすることがグラフや表を読むことである. このように、算数・数学科における表記の読みは多様であり、それが適切に読めるかど うかが算数・数学学習においてきわめて重要となる. 2. 算数・数学科における文章の読み 2. 1. 言葉の読み 算数・数学科で使われる文章表現にみられる言葉には、日常生活で使うときとは異なる 意味で使われるものがある。 例えば、「とる」という言葉を使った『線分AI3上に点Pを-38-とる』という表現は下に示した図-1ではなく図-2を表しており、『平均をとる』と 『変数xのとる値』という表現にみられる「とる」も意味が異なる。 また、『三角形 ABCにおいて、頂点Bから対辺ACに垂線をおろす』と言ったときの「おろす」を上か ら下に下げるという意味でこの表現を解釈すれば、その内容が理解できないときがあろ う。 このように、算数・数学科における文章表現には独特の言い回しがあり、算数・数学学 習ではこうした言葉使いに慣れることが要求される0 A ト→ 図-1 APち 「こ= 図-2 2. 2. 文章題の読み 文章の読みに関し、算数・数学教育、とりわけ算数教育で問題にされるのが文章題の読 みである。文章題が解けるかどうかは、それが読めるどうかにかかっているとさえ言われ る.文章題を読むとは、そこに表現された数量関係を読み取ることであり、それが正しく 読み取れれば文章題が解けたと言っても過言ではない. 以下に、文章題の読みに関する 1つの調査結果を述べてみたい。 算数の文章題では数量関係が形容詞を使って表現されることが多い。 例えば、次の2つ の文章題の(P)では「たかい」という肯定的形容詞を使い、(P-)では「ひくい」と いう否定的形容詞を使って数量関係が表現されている。 (P)まさるくんのしんちょうは145cmで、あきらくんより4cmたかいです。 あきらくんのしんちょうは、なんcmですか. (Pl)まさるくんのしんちょうは145cmで、あきらくんより4cmひくいです. あきらくんのしんちょうは、なんcmですか. こうした肯定的形容詞と否定的形容詞の違いが数量関係の読みにどのような影響を与え るかを調べるために、小学3年生に次のような問題を与えた。 調査問題-A 1)まさるくんのしんちょうは145cmで、あきらくんより4cmたかいです. あ きらくんのしんちょうは、なんcmですか. 2)やかんにはいる水のかさは15d&で、水とうより3d」すくないです。 水とう には、なんd且はいりますか。 3)赤いテープは25cmで、青いテープより4cmみじかいです. 青いテープは、 なんcmですか. 4)リンゴ1このねだんは85円で、ナシ1このねだんより3円たかいです。 ナシ ;>i>
-1このねだんは、なん円ですか. 5)よし子さんのがっこうのプールのふかさは65cmで、みち子さんのがっこうの プールより4cmふかいです。 みち子さんのがっこうのプールのふかさは、なん cmですか。 6)ずかんのあっさは35mmで、え本のあっさより4mmうすいです。 え本のあっ さは、なんmmですか。