はしがき
著者
中島 紀惠子
雑誌名
学長特別研究費研究報告書
巻
15
発行年
2004-06
URL
http://hdl.handle.net/10631/601
は し が き いま、わが国の大学は、戦後の学制以来の大きい大学改革の渦の中で進行しております。しかしなが ら、いつの時代にも変わることのない使命を大学は背負っています。 その第1は、教育や学術を継承していく役割です。世界中の看護系大学が諸々の看護科学における知 的資産を産出し、保存し、公開しておりますが、わが大学のような小規模の単科大学においても、日本 のみならず各国の学術上の資産を体系的に保存し、関係者がいつでも取り出して活用していける装置を 準備していかなければなりません。また、わが大学が、これから将来に向かって獲得し得た学術上の成 果を教育活動に関する情報と共に一体的に提供していく役割があります。これは、図書館が充実すれば よいというものではなく、教員の教育・研究及び学生や研修生たちの創造的学習に関する諸論文などを 後々に継げゆく体制の日常化こそが大切になるでしょう。本報告冊子もこうした成果物の1つです。 第2は、地域に開かれた大学としての「人づくり」です。大学の看護学教育にいま求められている人 づくりは、学生と教員の「育てられることと育てること」の関係が、常に円循環している教育プログラ ムの開発です。それが教育研究に繋がるのです。 第3は、現任看護職の生涯学習のために大学の門戸を広く開放し、支援していくことです。 さて、2002年4月に新潟県立看護大学が開学して以降、わが大学では、「学長特別研究費」の費 目を用意し、運用できる仕組みを作ってきました。大きな目的は、ささやかだけれども教員一人ひとり の教育・研究計画において、どうしても知りたいという熱望とその具体計画にこたえられる支援を大学 独自のプログラムとしてもつことです。論語に「憤せざれは啓せず、排せざれば発せず」という言葉が あります。とりあえずは教員の、どうしても「知りたい・したい」モノやコトを熱意をもって明らかに するための自主性や個々人のエンパワメントにもとづく研究活動の蓄積が、わが大学の伝統になってい くことを展望してこのプログラムを用意しました。 開学からまだ3年目ですが、大多数の教員がこうした意図に応えられ、ここに、2年目の成果報告書 ができましたことに心より感謝いたします。 また、日頃より教育・研究活動に暖かなご支援をいただいた関係機関の皆様や当大学事務局並びに新 潟県福祉保健部の方々にお礼を申し上げます。 平成16年5月20日 新潟県立看護大学 学長 中島 紀恵子