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反応拡散場の非対称結合系での情報処理演算の試み (反応拡散系 : 生物・化学における現象とモデル)

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Academic year: 2021

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(1)

反応拡散場の非対称結合系での

情報処理演算の試み

京都大学大学院理学研究科元池 $\mathrm{N}$

.

育子

$e- lnail_{l}.otoike@cl\uparrow e\mathfrak{j}$.scphys. kyoto-u. ac.jp

神経糸-\subset D並列処理の基本原理を解明しようと、 これまでにモデル系での—\not\subset \iota一ラル

ネットの研究が数多くなされてきた。 しかし、 その多くは個々の—$=-$一ロンの動的な興 奮特性を必ずしも考慮に入れていたとは言えない。 これに対し、 実際の神経細胞は決し て静的なものではなく、 顕著な動的非線形特性を示す。 従って従来のモデルでは本来有 しているはずの機能が損なわれてしまっていた可能性がある。 我々は、 時間演算を陽に 含んだ情報処理モデルの構築を目指し、 神経細胞の動的な興奮特性と実空間上の広がり に着目した。 生体四-ぐほ細肥同士が離散的に存在する。 本研究では細胞領域を興奮場と、 細胞間隙 を拡散場とみなした。

興奮場及び拡散場は偏微分方程式である

FitzHugh-

南雲方程式で記

述した。 この式は神経伝導方程式であると同時に–般性を持つ反応拡散方程式であり、 特定の物理量に拘束されない。

反応拡散場は $(\gamma--1)$ で、 拡散場は($\gamma--0$かつ $\mathcal{V}--0$) で記述される。 細胞に相当する興

奮場同士を、 拡散場を介して配置し、 場の形状の非対称性の変化による興奮場間の反応

波の伝播の変化を、差分のシミ $\supset-$ レーションを用いて調べた。

興諾了力$\searrow$

り孤散砺への $’‘\iota \mathrm{c}\mathrm{t}\mathrm{l}\mathrm{v}’‘ \mathrm{t}\mathrm{t}\circ \mathrm{r}u$ の拡散分布と、興奮場の形状や興奮波の進行状況

との関連を調べた結果、 形状その他を変えることによって activator $u$ の拡散分布量を 制御できることがわかった。 生体計算機共に演算の基本となるのは、整流作用 (ダイ オード特性) を持つ素子である。 そこで図1のような場の配置を考え、 シミ $=-$ レーション を行なった。 次に、 論理演算についてであるが、論理和、 否定、論理積の論理演算を実現する論理 素子があれば任意の論理関数が合成できる。 本文でこれら3種類の論理素子を作製した。 ここでは例として、論理積素子を示す(図 2) 。また、 情報記憶素子があれば、 現在の計 算機システムは実現できる。 興鯨波の存在とタイミングを情報とした場合の、 情報蓄 積・取り出しを目的とした形状を作製すると、図 3 の様になる。 数理解析研究所講究録 1167 巻 2000 年 25-26

25

(2)

論理積では、 出力応答には、入力のタイミングの-致、 という条件が対応する。 この性質を

用いれば、 出力先を複数作ることで特定の時間差の入力を検出できる。 時間差検出機能を主目

的に形状を作製すると、図4となる。 この素子では出力先を 3 つ設置してあるが、 論理積素子

と同じメカニズムで検出したい時間差を持った入力のみを簡単に検出できることがわかる。

凶 $z^{\vee}$

:

$\overline{\overline{\mathrm{D}}\mathrm{H}\mathrm{f}\mathrm{l}}’ \mathrm{a}\mathrm{e}\ovalbox{\tt\small REJECT}$ 図 3: メモリ 図4: 同期検出

:: 図1の各左列及び他の図において、白色は興奮場を、灰色は拡散場を、 黒色は興奮波の信号を表す。 時間は t–から $|\backslash /\backslash -$と $I$ ; 流れる\cap 図1の各右列は、 変数「の疑似-三次元表示。 図 1: 信号は左から右にのみ伝わる。 図2:2入力のタイミングが 合うときにのみ右側に信号が伝わる。図3 :左 |‘-からの信号が、環状の場に保存され、右 |‘-から適したタイミングで入力 があると、 外側の場 (図では右側) に出力される。 図4:2人力が特定の時間差のとき、 適した右側の場に川力される., 本研究において、 場の形状の変化によって、 ダイオードや論理演算素子、 メモリ等が 作製可能であることを明らかにした。 同時に、 連続時間情報を扱える系であり、同期. 時間差検出の機能も可能であることもわかった。 形状(結合の非対称性) の変化による演 算の多様性、 及び連続時間特性の活用による参照クロックなしの演算可能性、 これらは 新しい枠組の提案であり、 興味深い。 なお現実性の点では、特徴的性質は既に我々のグループによって化学振動反応系 $(\mathrm{B}$ $\mathrm{z}$反応) で実証されているが、工学的応用を考えると不安定さという点で不適であり、 固体基盤上での実現が望ましい。 そのため素子の 回路素子等での表現が重要となる。 その–例 (ダ イオード) を図5に示した。 現在の生理学的神経研究は、 情報処理の同期性 や細胞の形状を重要視する方向にあり、 本研究は そのモデルとなる可能性を示す。 今後は時間演算 素子の結合による視覚・聴覚情報処理機構の構 築、 その固体基盤上での設計、そして生物との比 較を課題としている。

参考文献

:

.

K. Agladze, R. R. Al$\mathrm{i}\mathrm{e}\mathrm{v}$, T. Yamaguchi, and K. Yoshikawa,

J.

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13895

(1996)

I. Motoike and K. Yoshikawa. $PJ?J’S$

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Rev E.

59. 5354

(1999)

参照

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