タイ語 ―
เรียนภาษาไทยด้วยกันไหมคะ
(一緒にタイ語を勉強しませんか)
基盤教育院 正木 説子1.タイ語を学ぶ学生
私が今まで出会った学生は、様々な動機や目的によって、タイ語を勉強していた。 • 父親のタイ駐在勤務にともなって、自分もかつてタイで暮らしたことがある。 • 父親はタイに単身赴任だったが、夏休みなどにタイの父親に会いに行ったことがある。 • 自分の高校に留学してきたタイ人の生徒と友達になった。 • 友人や学校の先生から、いつもタイやタイの人々の魅力について聞いていた。 • タイに旅行し、タイ人の親切や、暖かさに接した。 • タイ文字に興味をもった。不思議な文字、かわいい文字で勉強してみたい。 • 他大学にない特殊な言葉を学びたかった。 • 履修相談会に参加して、タイ語に興味をもった。 • 母親がタイ人であるが、日本で育ち、タイ語を勉強したことがない。タイ語を勉強し たい。 • 交換留学でタイに行きたい。(チェンマイのパヤップ大学と協定を結んでいる) • 親しい友人がタイ人である。 • 国際協力に関心がある。 また、「マッサージとリラクゼーションについて研究するため、タイの伝統的なマッサー ジを習得したい」と言ってタイ語を履修し、マッサージの修行のためにタイへ行った学生 もいた。健康福祉学科(現学群)の学生である。その他にも「タイボクシングの修行に行 きます」と言う学生もいて、びっくりしたこともあった。2.タイ語はどのような言葉だろうか
美しい音韻の言葉 タイ語は音韻の美しい言葉である。多彩な母音と子音組み合わせを横糸とするならば、 それらに5つの声調(音の上がり下がり)という縦糸が組み合わさって、美しい音韻が生まれてくる。 多彩な母音と子音 母音は種類が多く、長母音 9 短母音 9 さらに ai や aai 等の複合母音は 23 あって、全 部合わせると 41 にもなる。 そして子音は 20 種類で、この中で k(無気音)と kh(有気音)、t(無気音)と th(有気音)、 p(無気音)と ph(有気音)は区別されている。また、この 20 種類に加えて、kr、khr、 kl,、khl 等の 2 重子音が 11 ある。 これらの母音と子音によってできる音節は、naa のように子音+母音の場合もあれば、 naan のように子音+母音+子音(末子音)の場合もある。 5 つの声調 タイ語には5種類の声調がある。発音の練習では、 1 声調 2 無気音か有気音か 3 末子音の発音 について特に留意する必要がある。 1 ニュース 米 白 声調の違いで、意味が異なる 2 伯母 布 無気音と有気音の違いで、意味が異なる 3 食べる 道・方法 末子音の違いで、意味が異なる 1 はすぐに聞き分けられるようになるが、2 を聞き分けられるようになるには、少し時 間を要するのではないかと思う。そして、3 を聞き分けることは、私自身も大変難しいと 感じている。通常は前後の文脈で判断できるが、単語だけで聞き分けることは、なかなか 難しい。しかし、聞き分けることに難しい部分はあるにしても、自身が発音することにお いては、練習すれば正しい発音を身につけることができると思う。 語形変化がなく、シンプルな文法 文法は比較的シンプルなので、初学者は比較的早く日常会話ができるようになり、「楽 しい」と感じることができると思う。 基本的な語順 基本的な語順は、主語+動詞+目的語(または補語)と被修飾語+修飾語である。 (私) (食べる)(料理) (タイ) 「私はタイ料理を食べる」という意味になる。
語形変化がない 性、数、格、時制による語形変化がない。 (昨日) (私) (食べる) (料理 ) (タイ) 「昨日私はタイ料理を食べた」の意味になり、動詞は変化することなく、過去を表わす ことができる。 動詞を連続させることができる (私) (行く) (食べる) (料理) (タイ) (来る) 動詞を時系列で並べると「私はタイ料理を食べに行って来た」の意味になる。 親族名称+ニックネームで呼ぶ 親しい間柄では、本名ではなくニックネームで呼び合うのが一般的である。ニックネー ムは多様であるが、男性の場合の例として、かつては (象)(虎)等の動物名も よく耳にしたものである。しかし、最近は、ボーイ、ゴルフ等英語のニックネームが好ま れているようだ。女性の場合の例として、(ミカン)(サトウキビ)(ミツバチ) 等がある。 「おじさん」「おばさん」等の親族名称を親族以外の人にも使うことは、日本語にもよ くあることだが、タイ語では日本語以上に多用されていると思う。自分より少し年上の人 は、すべて (お兄さん、お姉さん)と呼んでいるといっても過言ではない。ニックネ ームと組み合わせて、(ゴルフお兄さん)、(サトウキビお姉さん)と言う。 また、自分の子供の友人に対して、(子)と呼びかけることもある。 根気を要する文字の学習 タイ文字は 13 世紀に、クメール文字を手本に作られたと言われている。タイ文字はク メール文字、ビルマ文字、ラオス文字等と同じくインド系の文字である。 古代インド語からの借用語が多い 冨田竹二郎著「タイ日大辞典」を見てみると、タイ語には、いくつかの言語からの借用 語が多いことがよくわかる。純粋なタイ語の他、特に多いのが、古代インド語のサンスク リット語とパーリ語、そしてクメール語(カンボジア語)からの借用語である。その他に、 ヒンディー語、マレー語、福建語、潮州語に語源をもつ言葉もある。 それはまた、タイの文化は、古代のインド文化、仏教文化、クメール文化を融合させな がら、さらに周辺諸国の文化を取り入れて発展してきためである。 タイ語は借用語が多く、母音が多種類あるため、それを表わすタイ文字も種類が多く、
タイ文字の読み書きを覚えることは、楽しくもあり、根気を要することでもある。私達外 国人が、タイ語の学習を始める際、タイ文字ではなく、国際音声記号(発音記号)を用い て、学習を始めるのが一般的である。文字の読み書きを覚えるのには、かなりの時間を要 するためである。桜美林大学でも、基本的な会話を発音記号で学習し、それと並行して、 タイ文字の読み書きを学習している。 母音記号・子音文字・声調記号の組み合わせ 母音記号は 14 で、母音記号をいろいろに組み合わせて、多種類の母音を表記すること ができる。 子音文字は 42 あり、同音を表わす文字が複数存在する。たとえば、 は
ต ฏ
の2文字 はฐ ฑ ฒ ถ ท ธ
の6文字 はซ ศ ษ ส
の4文字がある。 それぞれの文字には、呼び名があり、「亀の t」「鞭の t」と呼んで区別していて、単語 によってどの文字を使うか決まっている。したがって、単語をどのように書くかは、紙に 何度も書いて覚える以外に方法はない。 タイ語の音節は、母音記号と子音文字と声調記号(声調記号がない場合もある)を組み 合わせて表記する。また、ここで詳細を述べることはできないが、声調に関する細かな規 則がある。 母音の種類が多いこと、子音文字には同音の文字が存在すること、そして声調に関する 細かい規則があること、この3点こそ、初学の学習者が最も困難を感じている部分である と思う。3.タイ語の授業…「タイ語を話すことは楽しい」を大切にして
タイ語の授業では、「タイ語を話すことは楽しい」と学生が感じることができれば、そ れが一番大切ではないかと思っている。 机を並べ替える 幸いにも、文法は比較的シンプルであり、単語を並べることで会話文ができるので、90 分の時間内で、学生一人一人になるべく多く発言してほしいと思っている。学生同士で会 話をしやすくするため、教室では学生が机を会議室のようにコの字に並べ替えて、座って いる。 たとえば、隣の席の人と二人でテキストの「会話」の部分を練習し、また、その応用を 学生に考えさせて、練習している。 タイ語の発音について、私が学生にアドバイスしていることは、1 声調については、少しオーバーと感じるほど、やや極端に発音してみてください 2 有気音について、意識的に息を強く出してください 3 等の末子音は、舌の位置や唇の閉じ方を正しく ということである。 学生が二人で会話の練習をしている時に、私が回って行って、学生に発音のアドバイス をしている。正しい発音を身につけることは、とても大切なことだが、「発音を間違える と全く違う意味になってしまう」と強調しすぎるのもよくないと思う。「タイ語を話すこ とは楽しい」と思うことができれば、それが一番大切なことであり、正しい発音は徐々に 身につけるようにすればよいと思っている。 タイ文字の楽しい学習法はあるか タイ語Ⅰとタイ語Ⅱでは、発音記号を用いて会話の学習し、毎回 20 分程度文字の読み 書きを学習している。 一般的にタイ文字の学習は挫折しやすく、文字の勉強がいやになって、タイ語への興味 を失う人もいる。それはとても残念なことなので、 「タイで暮らす日本人は 6 万人位いて、タイ語の日常会話がある程度できる人は多いが、 タイ文字の読み書きができる人は意外に少ない。また、日本に大学は多くても、タイ語の 読み書きを教えている大学は少ない。皆さんがこれを習得することができれば、大変意味 があり、貴重です。文字によって言葉の意味がよく理解できるようになります。タイ語が 読めるようになると大変楽しいですよ」 と言って、励ましている。 楽しく効果的に文字を覚えられるようにするためには、どのような授業をしたらよいの だろうか。いつも自問自答し、学生の感想も聞きながら、試行錯誤の連続である。まず、 学生が自分の名前をタイ語で書く練習をする。カルタ遊びのような事をすることもある。 昨年の 12 月の授業では、学生がタイ語で年賀状を書き、右隣の席の人に手渡しするとい うことをしてみた。タイ文字の学習は難しいので、あせらず、一歩一歩、楽しみながら学 習することが大切である。 「母が作ってくれる、筍入りのカレー」 タイ人留学生には、「時間が空いていたら、ぜひ授業に来てください」とお願いしている。 授業に来てくれた時は、できるだけ多くの学生と 1 対 1 で会話の練習をしてもらうように している。学生には、「留学生とタイ語で話すことができた」という楽しさを経験してほ しいと思う。また、タイの人々の日常の暮らしについて、同世代の人から話を聞く良い機 会にもなる。現 4 年生のパッチャラ・コシサガーンさんは、「母が作る、筍入りのカレー がとてもおいしくて、一番好きなタイ料理です」、「父は結婚前、長く僧籍にあったので、
僕の家はお寺とつながりが深い。僕も学校から帰るとよくお寺に行って、瞑想していまし た」と、タイ東北部、ラオス国境に近い故郷での生活について、話してくれた。