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学生の実態から学ぶ若者の部落問題認識

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Academic year: 2021

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(1)学 生の実態 か ら学ぶ 若者 の部落 問題認識 近 畿 大 学 人 権 問題 研 究 所 [1]分. 教授. 奥田. 析 の視 点. 「2009年 度 近 畿 大 学 学 生 の 人 権 意 識 調 査 」 に 関 す る本 論 で の 分 析 テ ー マ は 次 の3点 第1は. 均. で あ る。. 、 大 学 生 と い う若 者 世 代 が 、 今 日 ど の よ う に部 落 差 別 の 問 題 を 受 止 め て い る の か に っ. い て の 検 証 で あ る。 検 証 軸 と して 取 り上 げ た の は 、 「 部 落 問 題 の 認 知 」(問6)、 実 認 識 」(問13)、. 「 部 落 問 題 の 学 習 経 験 」(問10)、. 解 放 運 動 に つ い て 」(問18)で. 「 部落差別の現. 「 部 落 問題 解 決 へ の 展 望 」(問14)、. 「 部落. あ る。. ま た こ の 間 の 変 化 を 探 る た め に 、 大 阪 府 が2000年. に 実 施 した 「同 和 問 題 の 解 決 に 向 け た 実. 態等 調 査 」にお け る 「 府 民 意 識 調 査 」の 結 果 の うち 、「15∼19歳 」 の デ ー タ と の 比 較 を行 う(以 下、 「 大 阪 府2000年. 調 査 」 とす る)。 比 較 の 意 味 を 高 め る た め に 、 本 調 査 の デ ー タ は 「卒 業 中. 学 校 が 所 在 す る都 道 府 県 」 を 「 大 阪 府 」 と した 学 生 の デ ー タ を用 い る こ と と し こ れ を 「大 阪 府 出 身 学 生 」 と表 現 す る。 条 件 が 異 な る の で 「 正 確 な 変 化 」 と は 言 え な い が 、 一 定 の傾 向 を これ に よ っ て 把 握 す る こ と が で き る も の と考 え られ る。 第2は. 、部 落 問 題 の 解 決 の た め に は ど う して も乗 り越 え な けれ ば な らな い 「 部 落 分 散論 」「 寝. た 子 を 起 こす な 論 」 「 宿 命 論 」 に 対 す る 学 生 の 認 識 状 況 の 確 認 で あ る。 こ れ ら は い ず れ も 、部 落 問 題 解 決 に 向 け た 取 り組 み を 疎 外 して き た 「 理論 」 で あ るが 、 こ の間 の 同和 教 育 が こ うした差 別 の 捉 え方 に 対 して 有 効 に 作 用 して い る の か ど うか も 合 わ せ て 検 証 した い 。 第3は. 、結 婚 にお け る態 度 につ い て の分析 で あ る。結 婚 は 、近 い 将来 にお い て 学生 達 が部 落. 問 題 と直 接 関 わ る 可 能 性 が 高 い 課 題 で あ る。 結 婚 に お け る学 生 達 が 選 択 し た 態 度 に 、 従 来 か ら いわれている 「 刷 り込 み 」 理 論 や 家 族 の 考 え方 が 果 た し て ど の 程 度 、 影 響 を 与 え て い る の か を 確 か め た い 。 さ らに 、 「自 己 責 任 論 」 を は じめ とす る 最 近 の 新 自 由 主 義 的 な 考 え方 と の か か わ り に つ い て も 検 証 を進 め る 。 最 後 に 、 分 析 か ら得 られ た 知 見 に も とつ い て 、 今 後 の 教 育 実 践 に お け る 課 題 を 記 す 。. [2]大. 阪 の 若 者 に 見 る 部 落 問 題 認 識 の 現 状 と変 化(第1の. (1)部. 落 差 別 の現 実 認 識 の希 薄 化. 分 析 視 点). 現在 社 会 に 「 被 部 落 差 別 」 「同 和 地 区 」 な ど と呼 ば れ 、差 別 を受 け て い る 地 区 が あ る こ と 、 ま たは 「 部 落 問 題 」 「同 和 問 題 」 と か 「 部 落 差 別 」と呼 ば れ る 問題 が あ る こ と を知 っ て い る 割 合 は 表 1の 通 り、 「 大 阪 府 出 身 学 生 」 が77.3%、 し か し表2の は60.5%で. 「大 阪 府2000年. 調 査 」 が79.8%と. 通 り、就 職 に お け る 具 体 的 な 差 別 の 現 実 に っ い て は 、 「大 阪 府 出 身 学 生 」 の 認 識. 、 「大 阪 府2000年. 調 査 」 の75.1%よ. り14.6ポ. イ ン ト低 い 。 ま た 、 結 婚 に お け る 具. 体 的 な差別 の現 実 にっ い て は、 「 大 阪府 出 身 学 生 」 の 認 識 は46.6%で の73.6%よ. ほ ぼ 同 じで あ る。. り27.0ポ. 、「 大 阪 府2000年. 調査」. イ ン ト低 い 。. 部 落 問 題 に つ い て 、 漠 と した 認 識 が あ る も の の 、 そ れ が リア リテ ィ を も っ て 捉 え られ な くな っ て き て い る 状 況 が うか が え る 。. 表1部. 落 問題 につ い ての 認 知 回答者数. 知 って い る. 知 らな い. 無回答. 大阪府出身学生. 453. 77.3%. 15.5%. 7.3%. 大 阪 府2000年 調 査. 242. 79,896. 遷9.496. 0,896. 一1一.

(2) 表2部. 落 差 別 の現 実 に つ い て の認 識 就 職 にお け る差 別(不 利 に な る こ と)が あ る. 回答者数. 結 婚 に お け る蓬 別(不 利 に な る こ と)が あ る. 大阪府 出身学生. 453. 60,596. 46,696. 大 阪 府2000年 調 査. 242. 75.1%. 73.6%. (2)部 表3は. 落 問 題 学 習 の 経 験 が 大 き く減 っ て い る 、 小 学 校 、 中 学 校 、 高 校 で の 「同 和 教 育 ・部 落 問 題 学 習 」 の 経 験 を た ず ね た 結 果 で あ. る。 「大 阪 府 出 身 学 生 」 に お け る 学 習 を 受 け た 者 の 割 合 は 、 小 学 校 で38.3%、 高 校 で22.3%と. 中 学 校46.4%、. いず れ も半数 に届 い て い ない 。. これ を 「 大 阪 府2000年. 調 査 」 の 結 果 と比 較 す る と、 小 学 校 で13.8ポ. ポ イ ン ト、 高 校 で9.1ポ. イ ン ト、 中 学 校 で18.1. イ ン ト、 い ず れ も大 き く下 が っ て い る 。 こ こ10年. 間 に、 大 阪 の学 校. 教 育 に お い て 部 落 問 題 学 習 が 減 少 して い る こ と が 推 測 され る。. 表3.部. 落 問題 学 習 の経 験 回答者数. 小学校で受けた. 中学校で受けた. 高校 で受 けた. 大阪府出身学生. 453. 38.3%. 46.4%. 22.3%. 大 阪 府2000年 調 査. 242. 52.1%. 64.5%. 31,496. (3)部. 落 問 題解 決 へ の 展 望 が持 て て いな い. 部 落 差 別 の 現 実 を 近 い 将 来 に な くす こ と が で き る の だ ろ うか 。 そ の 間 に 対 す る結 果 が 表4で あ る。 「 大 阪 府2000年. 調 査 」 で は 、 就 職 差 別 と結 婚 差 別 に 分 け て 質 問 し て い る が 、 「 完全にな. くす こ とが で き る 」 と 「 か な りな くす こ と が で き る 」 の 合 計 は 、就 職 差 別 が66.2%、 が68.3%と. な っ て い る。「な くす こ と は 難 しい 」と の 悲 観 的 展 望 は い ず れ も30%台. 結婚差別. 前 半 で あ る。. とこ ろが 「 大 阪府 出 身 学生 」で は 、「 完 全 に な くす こ と が で き る」 と 「 か な りな くす こ と が で き る 」の 合 計 が41.1%に. と ど ま り、逆 に 「 な くす こ と は難 し い 」が58.5%と. 部 落 問 題 の 認 知(表1)や. 差 別 の 現 実 の 認 識(表2)に. 半 数 を超 え て い る 。. 加 え て、 解決 へ の展 望 が あっ て は じ. め て 取 り組 み は 展 開 さ れ る 。 解 決 へ の 見 込 み が な い とい う受 止 め 方 か ら は 、 積 極 的 な 態 度 や 行 動 は 期 待 され な い 。 そ の 意 味 か ら、 「な くす こ と は 難 しい 」 と い う認 識 が 過 半 数 を超 え て い る 現 実 が あ る こ と、 そ して そ れ が 大 き く増 加 して い る 実 態 は深 刻 に 受 止 め た い 。. 表4.部. 落 問題 解 決へ の展 望 回答者数. 大阪府出身学生. 453. 大 阪 府2000年 調 査 (就職 差 別). 145. 大 阪 府2000年 調 査 (結婚 差 別). 142. (4)被 表5は. 完 全 に な くす こ とが で き る 5,196 11.7% 7,796. か な りな くす こ とが で き る 36.0%. な くす こ とは 難 しい 58,596. 無 回答 0.4%. 54,596. 33,896. 一. 60,696. 31.7%. 輌. 差 別 当 事 者 の 取 り組 み へ の 理 解 が 高 い 、 被 差 別 部 落 の 人 た ち が 展 開 して い る 運 動 に 対 す る 意 見 を た ず ね た 問18の. 一2一. 集 計結 果.

(3) で あ る。 「 部 落 問題 を解 決 す る た め に 、被 差 別 部 落(同 和 地 区)の 人 た ち が 団 結 し て 運 動 す る の は 当 然 だ 」 が36.4%、. 「 部 落 問 題 の 解 決 や 人 権 の確 立 を め ざ した 運 動 に 学 ん で 、被 差 別 部 落(同. 和 地 区)以 外 の 人 も も っ と 団 結 して 要 求 を 出 す べ き だ 」 が25.5%と. 、 当 事 者 が 団 結 して 社 会 に. 働 き か け る 運 動 を す る こ と に 対 す る 肯 定 的 評 価 が 高 い 割 合 を 示 して い る。 逆 に 、 「差 別 され て い る被 差 別 部 落(同 和 地 区)の 人 た ち の 気 持 ち は わ か る が 、集 団 で 行 動 す る の は 感 心 で き な い 」 が5.8%、 要 求 す る の は よ くな い 」 が5.2%と. 「 み ん な 言 い た い こ とが あ っ て も が ま ん して い る 。 自分 達 だ け 、 取 り組 み を 否 定 す る 意 見 は 低 い 数 値 と な っ て い る 。. 近 年 、 同 和 行 政 に か か わ る と され た 不 祥 事 が マ ス コ ミで 大 々 的 に報 道 され た 。 特 定 の 個 人 の 不 正 行 為 が 、 当 事 者 の 肩 書 き や 「同 和 」 と い うネ ー ミ ン グ の 下 で 繰 り返 し報 道 され た 。 こ う し た 中 で 、 部 落 に 対 す るネ ガ テ ィ ブ な イ メ ー ジ が 広 が り、 偏 見 が 助 長 され 、 部 落 解 放 運 動 に 対 す る 否 定 的 な 評 価 が 流 布 され た の で は な い か と 心 配 さ れ て き た 。 しか し本 調 査 の 結 果 は 、 少 な く と も若 い 世 代 に は 、 必 ず し も そ うで は な い こ と を 教 え て くれ た 。 ま た 、 当 事 者 が 団 結 して 立 ち 上 が る こ とへ の 理 解 が 高 い こ とは うれ しい 結 果 で あ る。. 表5部. 落解放運動についての意 見. 全体. 全体. 部落問題を解 差別されてい みんな言いた 部落問題の解 決するために る被差別部落 い こ とが あ っ 決や人権の確 被差別部落(同 (同和地 区)の てもがまんし 立をめざ した 運動 に学 んで、 和 地 区)の 人 人たちの気持 てい る。 たちが団結 し ちはわ かるが 、自分たちの要 被翻1郵落(同 わか らな い て運動するの 集団で行動す 求だげするの 和地 区)以外 は当然だ るのは感心で は よ くな い の 人 もも っ と きない 団結 して要求 を出すべ きだ. 無回答. 917. 334. 53. 48. 234. 236. 雇2. 100.0. 36.4. 5.8. 5.2. 25.5. 25.7. 1.3. [2]「 部 落 分 散 論 」「寝 た 子 を 起 こ す な 論 」「宿 命 論 」と 部 落 問 題 学 習 の 経 験(第2の. 分 析 視 点). 部 落 差 別 を な くす た め の 考 え 方 の 一 つ に 、「 被 差 別 部 落(同 和 地 区)の 人 々 が か た ま っ て 住 ま な い で 、分 散 して 住 む よ う に す る 」(問19の4)と. い う も の が あ り、 「 部 落 分 散 論 」 と呼 ば れ て. い る。 ふ と うな ず い て しま い か ね な い こ の 考 え 方 は 、 差 別 の原 因 を 被 差 別 部 落 の 側 に認 め 、 強 制 分 散 移 住 を 部 落 の 人 々 に 強 い る とい う実 は ひ ど い 考 え 方 で あ る。 「そ っ と して お け ば 自然 に な くな る 」(問19の11)と. い う考 え方 は 、 「 寝 た 子 を 起 こ す な論 」. と呼 ばれ て い る もの で、 同和教 育 や 啓発 活 動 な どに よって 部 落 問題 を教 え る こ とがか え っ て差 別 を 温 存 して い る とい う主 張 で あ る 。 全 て の 市 民 に お い て 完 全 に 部 落 問題 認 識 が ゼ ロ に な る こ と が 可 能 で あれ ば こ の 考 え方 も 有 効 で あ ろ う。 しか し私 達 の 知 識 や 認 識 は 、 学 校 や 行 政 に よ っ て 提 供 され る 「 公 の も の 」 か ら だ け形 成 され て い る の で は な い 。 む し ろ 、 日常 生 活 に お い て 空 気 を 吸 うが ご と く 吸 収 され 蓄 積 され て い る も の の ほ うが 多 数 で あ る 。 そ して そ の 社 会 に 漂 っ て い る部 落 問題 認 識 は ま だ ま だ 差 別 を 助 長 す る も の が 多 い 。 した が っ て 、 同 和 教 育 や 啓 発 活 動 を 抑 制 す る こ とは 、 結 果 と して 正 しい 部 落 問 題 認 識 の 蛇 口 を 閉 め て 、 間 違 っ た 理 解 の 拡 大 を 許 す こ と に な っ て し ま うこ と を意 味 す る。 実 際 、 日本 社 会 は 明 治 以 降 、 長 き に わ た っ て 部 落 問 題 解 決 に 向 け た 教 育 や 啓 発 が 取 り組 ま れ て こ な か っ た と い う 「 寝 た子 を起 こす な論 」 の時 代 を経 て き た が 、 そ の 結 末 は 部 落 差 別 の 解 消 で は な く、 む し ろ 差 別 の 拡 大 強 化 と な っ た こ と は歴 史 の 事 実 が 示 して い る通 りで あ る。. 一3一.

(4) こ う した 差 別 の捉 え方 は 、 「 部 落 問題 を 解 決 し よ う」 と い う善 意 に 立 脚 して い る 場 合 が 多 い 。 しか しそ の 主 観 的 な 思 い と は 裏 腹 に 、 「 部 落 分 散 論 」や を して も差 別 は な く な ら な い 」(問19の12)と. 「 寝 た 子 を 起 こ す 論 」 は 、 「ど ん な こ と. い う 「 宿 命 論 」 と と も に 、部 落 問 題 解 決 に 向 け. た 社 会 的 営 み を 否 定 し て き た こ と は 確 か で あ る。 「 部 落分 散 論 」や. 「 寝 た 子 を起 こす 論 」、 「 宿 命 論 」 を 克 服 し 、 部 落 問 題 が 社 会 問 題 と して ど. れ だ け認 識 され て い る の か 。 そ の こ と に 学 校 教 育 は ど こ ま で 効 果 を発 揮 し て き た の か は 、 本 調 査 に お け る 関 心 事 の 一 つ で あ っ た 。 し か し表6の. 通 り、 「 部 落 分 散 論 」 は31.3%の. 要 だ と 思 う」 と さ れ て お り、 「 寝 た 子 を 起 こす 論 」 は13.0%、. 「宿 命 論 」 は18.8%の. 学生 に 「 重 支 持 を得 て. い る。 さ ら に 残 念 な の は 、 小 ・中 ・高 に お け る 同 和 教 育 ・部 落 問 題 学 習 の 経 験 が あ る 学 生 に お い て も 、 こ う し た 状 況 に 変 わ り は な い とい う現 実 が 示 され た こ と で あ る。 議 論 を深 め た い 。. 表6同. 和 教 育 ・部 落 問 題 学 習 の 経 験 と 差 別 の 捉 え 方 寝 た子を 起 こす な論. 部落分散論 全体 小学校で受けた 同和教 育 ・ 中学校で受けた 部落問題学 高校で受けた 習の経験. 受 けた こ とは ない ・ 覚 えてい ない. 31,396. 13,096. 18,896. 26.9%. 11.9%. 17.7%. 32.6%. 12,096. 18,696. 29.2%. 11.5%. 17.0%. 34,996. 12.3%. 17.9%. [3]結. 婚 に お け る 態 度 と影 響 を 与 え て い る も の(第3の. (1)結. 婚 に お け る態 度. 結 婚 問 題 に つ い て は 、 本 調 査 の 問16に 被 差 別 部 落 出 身(同. 和 地 区 出 身)だ. 宿命論. 分 析 視 点). お い て 「あ な た が 好 き に な り結 婚 した い と 思 う人 が. と分 か っ た と し ま す 。 そ の 場 合 、 あ な た は どん な 態 度 を と. る と思 い ま す か 」 との 形 で 質 問 して い る 。 表7は. 、 これ に 対 す る 回 答 結 果 で あ る。 「 考 え 直 す だ ろ う」 が3.6%、. は 考 え 直 す だ ろ う」10.6%あ. り、 合 計14.2%の. これ は 決 し て 低 い 割 合 で は な い 。約7人. 「 迷 い な が らも、 結 局. 学 生 が 結婚 を 断念 す る可能 性 を表 明 して い る。. に1人. が 結 婚 差 別 の 可 能 性 を今 の 時 点 で す で に 示 して. い るの で あ る。. 表7部. 落 出身者 との結婚における態度 全体. 考 え直す だ 迷いながらも、迷いながらも、ま っ た く問 ろう 結 局 は考 え 結局は問題に 題 に しな い 直すだろう. 全体. (2)結. 無回答. しないだろう だ ろ う. 917. 33. 97. 338. 446. 3. 100.0. 3.6. 10.6. 36.9. 48.6. 0.3. 婚 にお け る態 度 に 影響 を与 えて い る もの. で は 、こ う した 態 度 の 違 い に 影 響 を 与 え て い る も の は 何 な の だ ろ うか 。こ こ で は 、〈A>「 り込 み 」 に よ る影 響 、 〈B>家. 族 の 部 落 問 題 に お け る態 度 の 影 響 、 〈C>社. う3つ の観 点 か ら探 求 す る こ と に す る。. 一4一. 刷. 会 観 の 影 響 、 とい.

(5) <A>「. 刷 り込 み 」 に よ る影 響 とは 、 は じ め て 部 落 問 題 に 接 し た と き の 内 容 が 、 後 々 ま で 当. 事 者 の 部 落 問題 観 に 影 響 を 与 え る とい う も の で あ る。 こ こ で は そ の 「 刷 り込 み 」 を 、 初 め て 部 落 問 題 と で あ っ た 認 知 経 路(問8)と. 、 は じ め て 部 落 問 題 を 知 っ た と き の 内 容(問9)か. らう. か が う こ と に した 。 な お 認 知 経 路 で は 、10%以 教 わ っ た 」 の2つ. 上 の回答 が あ った 「 父 母 な ど 家 族 か ら聞 い た 」 と 「 学校 の授 業 で. を 取 り上 げ る 。 ま た 「 結 婚 に お け る 態 度(問16)」. は、「 考 え 直 す だ ろ う」 と. 「 迷 い な が ら も 、結 局 は 考 え 直 す だ ろ う」 を 合 わ せ て 「 考 え 直 す グル ー プ 」 と し、 「ま っ た く問 題 に しない 」 と 「 迷 い な が ら も、 結 局 は 問 題 に しな い 」 を 合 わ せ て 「 問題 に しない グル ー プ 」 と して 集 計 して い る 。 表8は. 、 そ の ク ロス 集 計 結 果 で あ る。 認 知 経 路 で は 、 父 母 な ど家 族 か ら 聞 い た 場 合 に 「 考え. 直 す グ ル ー プ 」 が26.9%も. い る の に対 して 、 「 学 校 の 授 業 で 教 わ っ た 」 場 合 は11.9%に. と どま. って い る。 ま た初 めて 知 っ た 時 の内容 が 「 部 落 差 別 を 残 した り、 拡 大 す る よ う な 内 容 」 で あ っ た とき に は 「 考 え 直 す グ ル ー プ 」 が27.1%に の 場 合 に は12.7%で. 表8認. 達 して お り、 「 部 落 差 別 を な くそ う とす る 内 容 」. あ っ た 。 部 落 問 題 と の 初 め て の 出 会 い 方 の 重 要 性 が 示 され て い る。. 知経路や内容 と結婚 における態度 考 え直す グルー プ. 認知経路 内容. <B>家. 全体 父母など家族か ら聞いた 学校の授業で教わった 部落差別をな くそうとする内容. 14,296. 部落 差別 を残 した り、 拡大 す るよ うな 内容. 問 題 に しな い グ ル ー プ 85.5%. 26,996. 73.1%. 11,996. 88,196. 12,796. 87.3%. 27.1%. 72,996. 族 の 部 落 問 題 に お け る 態 度 の 影 響 は 、問17「 あ な た が 好 き に な り結 婚 し た い 思 う人. を 家 族 に 紹 介 し た と こ ろ 、『よ さそ うな 人 だ ね 』 と喜 ん で くれ ま した 。 そ の 後 で 、 そ の 人 が 被 差 別 部 落 出 身(同. 和 地 区 出 身)だ. と分 か っ た と しま す 。 そ の 場 合 、 あ な た の 家 族 は ど ん な 態 度 を. と る と思 い ま す か 。あ な た に と っ て 、影 響 力 の あ る 家 族 の 人 を 思 い 浮 か べ な が ら答 え て 下 さい 」 の 回答 結 果 との ク ロス集 計 を取 っ た。 表9は. そ の 結 果 で あ る。 「 頭 か ら反 対 す る だ ろ う」 お よび 「 迷 い な が ら も 、結 局 は 反 対 す る だ. ろ う」 を選 択 した 回 答 者 に お い て は 、 「 考 え 直 す グ ル ー プ 」が50%前. 後 と 高 い 。 これ に 対 して 、. 「た め ら う こ と な く賛 成 す る だ ろ う」 に お い て は 「 考 え 直 す グ ル ー プ 」 が0.9%、 も 、 結 局 は 賛 成 す る だ ろ う」 に お い て は7.9%と. い ず れ も 明 ら か に 少 な い 。 家 族 の影 響 の 大 き. さ が 如 実 に 表 れ て い る。. 表9家. 「 迷いなが ら. 族 の反応 と結婚 における態度 考 え直すグループ. 問 題 に しな いグ ル ー プ. 全体 頭か ら反対するだろう. 14.2%. 85.5%. 53,396. 46,796. 迷 いなが らも 、 結局 は反対 す るだ ろう. 46,396. 53.7%. 迷 いなが らも 、 結局 は賛成 す るだ ろう. 7.9%. 92,196. ため らうこ とな く賛成 す るだ ろ う. 0,996. 99.1%. 一5一.

(6) <C>社. 会 観 の 影 響 は 、 問25の. っ て 検 証 す る。 そ の 際 、 問25の 1.各. 質 問 の 回 答 で 、 「1.Aの. ① ∼ ⑥ の 質 問 に 対 す る 回 答 と の 関 わ りを 確 か め る こ と に よ 回 答 結 果 を 次 の よ う に加 工 し て 用 い る。 意 見 に 賛 成 」 と 「2.ど. 「Aの 意 見 の グ ル ー プ 」 と し、 「3.ど. ち ら か とい う とAの 意 見 に 賛 成 」 を. ち ら か とい う とBの 意 見 に 賛 成 」 と 「4.Bの. 見 に 賛 成 」 を 「Bの 意 見 の グル ー プ 」 とす る 。 な お 「5.わ. 意. か らな い 」 は 欠 損 値 扱 い と. した 。 2.そ. の 上 で 、 問25の 分 行 列 は 表10の. ① ∼ ⑥ の 回 答 結 果 を 因 子 分 析(バ. リマ ッ ク ス 法)し. た。 回転 後 の成. 通 りで あ り、 ① ④ ⑥ と② ③ ⑤ の グル ー プ に 分 類 で き た 。 こ の うち ① ④. ⑥ をAの 意 見 内容 か ら 「 新 自 由 主 義 的 考 え 」 と し、 ② ③ ⑤ を 「人 権 尊 重 的 考 え 」 とネ ー ミングす る。 3.全. 回 答 者 の 回 答 結 果 に お い て 、 「Aの 意 見 の グ ル ー プ 」 を選 択 した 者 に1点 の 意 見 の グル ー プ 」 を 選 択 し た 者 は0点. を 与 え 、 「B. と して 、各 回 答 者 の ① ④ ⑥ 「 新 自由主 義 的考 え」. と② ③ ⑤ 「人 権 尊 重 的 考 え 」 の 得 点 を算 出 す る。 そ の 結 果 、 そ れ ぞ れ の 合 計 得 点 は0点 か ら3点 の 間 に 分 布 す る こ と と な る。 表11は. 、 そ の 得 点 結 果 と結 婚 に お け る態 度(問16)と. の ク ロ ス 集 計 結 果 で あ る 。 ①A「. 貧. 困 は 基 本 的 に 本 人 の 自 己 責 任 の 問 題 で あ る」、④A「 男 性 を 雇 うか 女 性 を雇 うか 、障 害 者 を雇 う か ど うか は 、企 業 の 採 用 の 自 由 で あ る 」、⑥A「 最 近 、権 利 ば か り主 張 す る 人 が 増 え て 困 っ た も の だ 」 とい う 「 新 自 由 主 義 的 考 え 」 の 得 点 が0点 い が 、 こ の 得 点 が3点. の低 い人 で は 「 考 え 直 す 」 割 合 が12.8%と. と最 も 高 い 人 で は 「 考 え 直 す 」 割 合 が28.8%に. 低. の ぼ って い る。. ま た ②A「 社 会 的 弱 者 に 対 す る 支 援 や 保 護 は 、真 の 平 等 を め ざす た め に 必 要 で あ る 」、③A「 正 規 雇 用 ・非 正 規 雇 用 に か か わ らず 、 同 じ価 値 の 労 働 は 同 一 賃 金 で あ る べ き で あ る」、⑤A「 結 婚 は 当 事 者 同 士 の 問 題 で あ り、 二 人 の 意 思 が 尊 重 され るべ き で あ る」 とい う 「 人 権 尊重 的考 え」 の 得 点 が0点. の 低 い 人 で は 、 「考 え 直 す 」 割 合 が45.8%と. 人 では 「 考 え直 す 」 割 合 は10%台. 高 く 、 逆 に 得 点 が2点. 、3点. と高 い. と低 い 。. 貧 困 や 福 祉 、 雇 用 や 結 婚 な ど、 社 会 問 題 に 対 す る 考 え 方 に人 権 の 視 点 が 貫 か れ て い る か ど う か が 部 落 出 身 者 に 対 す る結 婚 差 別 問 題 に 深 く関 わ っ て い る こ と が 明 らか に され て い る。. 表10回. 転 後 の成 分 行 列 成分 1. 新q251. 2. 新q253. .483. 一. .487. 一. .258. 新q252. .599. .030. .578. 新q254. .651. 新q255. .186. .716. 新q256. .703. .072. 因 子 抽 出 法:主 回 転 法:Kaiserの a3回. 一 .141. 成 分分析 正 規 化 を 伴 う'、 ● リマックス法. の 反 復 で 回 転 が 収 束 しま した 。. 一6..

(7) 表11社. 会 観 と結 婚 に お け る態度 考 え直すグルー プ 全体. 新 自由主義的考 え. 人権尊重的考え. [4]同. 14,296. 問 題 に しな い グル ー プ 85.5%. 0点. 12,896. 87.2%. 1点. 13.9%. 86.1%. 2点. 15,196. 84.9%. 3点. 28,896. 71,296. 0点. 45,896. 54.2%. 壌点. 22,296. 77,896. 2点. 10,796. 89.3%. 3点. 12,796. 87,396. 和 教 育 ・人 権 教 育 へ の 課 題. 以 上 の 分 析 か ら、 今 後 の 同 和 教 育 ・人 権 教 育 に 大 き く次 の2っ 第1は. の課 題 を示 して お きた い。. 、 小 ・中 ・高 ・大 学 に お け る 部 落 問 題 学 習 の 充 実 で あ る。 部 落 問題 と の は じ め て の 出. 会 い が そ の 後 の 部 落 問 題 認 識 に影 響 を 与 え て い る 。 そ の 意 味 で は 、 最 初 に 正 し い 部 落 問 題 に 関 す る理解 が 「 刷 り込 ま れ る 」 こ と が 重 要 で あ る。 そ の 際 、 差 別 の 現 実 が リア リテ ィ を 持 っ て 受 止 め られ る か ど うか 、 差 別 撤 廃 へ の 展 望 を共 有 で き る か ど うか は 大 切 な ポ イ ン トで あ る。 第2は. 、 部 落 問題 を は じめ、 障害 者 や女 性 の人権 の課 題 、 貧 困や 福祉 、雇 用 や 結 婚 の 問題 な. ど、 現 代 社 会 が か か え る さ ま ざ ま な 課 題 を 、 社 会 問 題 と して 科 学 的 に認 識 す る こ との で き る 力 の 育 成 で あ る。 部 落 問 題 に お い て は 、 「 部 落 分 散論 」 「 寝 た 子 を 起 こす な 論 」 「 宿命 論 」 の克 服 が そ の 第 一 歩 で あ る 。ま た 差 別 問 題 の 真 の 解 決 の た め に 、「自 己 責 任 論 」 に 象 徴 され る 昨 今 の 新 自由 主 義 的 な 発 想 へ の 批 判 力 を 養 う こ と が 求 め られ て い る。. 一7一.

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参照

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