附属札幌小学校における英語授業分析
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第70巻 第1号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 70, No.1. 令 和 元 年 8 月 August, 2019. 附属札幌小学校における英語授業分析 本 多 尚 子 北海道教育大学札幌校英語学研究室. Analyzing English Classes in Sapporo Elementary School Affiliated to the Hokkaido University of Education HONDA Shoko Department of English Linguistics, Sapporo Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 本研究は,2016年度から2017年度に北海道教育大学附属札幌小学校にて6年生を対象に行わ れた小学校外国語活動及び教科としての小学校外国語の授業の一部を分析対象とし,Spada & Fröhlich (1995)で 提 案 さ れ たCOLT Observation Scheme (Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme)のPart Aを用いて分析し,その結果を踏まえ,小 学校外国語活動と教科としての小学校外国語の授業との共通点や相違点を客観的観点から明ら かにすると共に,それらの中学校英語教育との円滑な接続を促進する手がかりを提示する。. 1.導 入 小学校においては,平成23年度より全面実施された学習指導要領に基づき,第5,第6学年を対象に年間 35単位時間の外国語活動(以下,小学校外国語活動と呼ぶ)が必修化,実施されているが,さらに平成32年 度より全面実施される新学習指導要領では,これまで第5,第6学年を対象としていた小学校外国語活動は, 第3,第4学年に前倒しされ,第5,第6学年では,いわゆる英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)と いう観点での目標を含む教科としての小学校外国語(以下,小学校外国語と呼ぶ)が実施される。こうした 小学校英語教育における急速かつ急激な変化への対応は,小学校教育現場が抱える重要かつ喫緊の課題の1 つである。地域の教育のモデル校である北海道教育大学附属札幌小学校(以下,附属札幌小学校と呼ぶ)で は,こうした現状を踏まえ,平成25年度から平成28年度まで文部科学省指定の研究開発学校として,小学校 での教科としての英語の実施や円滑な小中連携の在り方に関する研究開発が活発に行われ,その成果は現在 も継承され,附属札幌小学校における英語教育は,現代国際社会におけるニーズに対応すべくさらなる発展 を遂げている。こうした取り組みにより生まれた英語授業をより詳細かつ客観的に分析することで,その成 果をより広く,より分かりやすい形で,道内教育現場に還元することが可能になる。特に,本稿では,授業. 201.
(3) 本 多 尚 子. の録画映像を利用したリアルタイムな分析が可能である,Spada & Fröhlich (1995)のCommunicative Orientation of Language Teaching Observation SchemeのPart A(以下,COLT Part Aと呼ぶ)を用いた 授業分析を行い,附属札幌小学校における英語授業の言語活動と指導過程の特徴を明らかにすると共に,そ れらの中学校英語教育との円滑な接続を促進する手がかりを提示する。COLT Part Aは他の授業分析法と 比べ分析方法が比較的容易であり,近年,安野・堀田・浜中・酒井(2004)など,COLT Part Aを用いた様々 な実践的研究が報告されており,それらの成果との比較・検討なども行いやすいという利点もある。今後, 分析対象を札幌市内小学校における英語授業にまで拡張し,今回の分析結果と比較・検証することで得られ た成果を速やかに還元することなども視野に入れると,リアルタイムで分析作業を効率的に行うことができ, かつ,Spada & Fröhlich (1995)による客観的な指標に基づく効果的な分析・検証が可能となるCOLT Part Aは,地域のモデル校としての附属札幌小学校の役割や教育現場における理論と実践の往還に資するという 観点からも優れた分析法であるといえる。. 2.先行研究 COLTに関する代表的な研究としては,Spada & Fröhlich (1995)が挙げられる。COLTは,もともと1980 年代初期にカナダにおいて開発された授業分析法で,第2言語習得理論やコミュニカティブ・ランゲージ・ ティーチングの考えに基づき,第2言語指導におけるコミュニカティブな志向性を測ることを目的としてい る。COLTはPart AとPart Bに分かれており,本稿で採用したPart Aでは,授業が活動及びエピソードとい う 単 位 に 分 け ら れ, 主 な 5 つ の 観 点(Participant Organization,Content,Content Control,Student Modality,Materials)に基づきコード化,分析される。その結果,各授業内に含まれる言語活動と指導過 程の特徴をより客観的な形で明らかにすることができる。また,COLT Part Aの主な利点の1つとして, 授業や授業を録画した映像を観察しながらのリアルタイムな分析が可能である点も挙げられる。特に録画映 像を用いた分析では,各活動やエピソードにかかった時間(秒数)の計測が容易になるため,より効率的に 分析作業を進めることができる。他方,COLT Part Bは,教室内の言語的なやり取りを記録,トランスク リプト化し,その記録を分析するという手法を用いている。こうした手法は,談話分析においてもよく用い られるものであり,授業内で扱われる言語そのものの特徴を把握することにより重きを置いている。COLT Part Bについて詳細にその特徴や利点及び問題点をまとめた研究として,河合・酒井・横山・石塚・青木 (2007)が挙げられる。COLT Part AとPart Bを組み合わせることで,授業で取り扱われる言語材料と言 語指導方法の関連を多角的に捉えることが可能になるが,COLT Part Bにおける教室内の言語的なやり取 りのトランスクリプト化は,今回分析対象とした1つの教室内に約40名の児童が在籍し,また,5節以降で 詳しく述べるが,教室全体単位での言語活動の占める割合が大きい小学校外国語活動及び小学校外国語にお いては困難であったため,本稿の研究ではCOLT Part Aのみを採用し分析を行った。 次に,COLT Part Aの主な5つの観点に含まれるカテゴリーについて,Spada & Fröhlich (1995)に基づ き簡潔にまとめる。第1に,Participant Organizationの観点では,その活動が教室全体単位(すなわち一 斉授業形式)のもの(Class)なのか,グループ活動(Group)なのか,それとも個人活動(Individual)な のかに分類される。特に,グループ活動が中心である授業の方がよりコミュニカティブであると考えられて いる。また,Classのカテゴリーはさらに,教員による教室全体単位での働きかけ(T⇔S/C)なのか,学習 者による教室全体単位での働きかけ(S⇔S/C)なのか,コーラル活動(Choral)なのかに分けられる。また, GroupとIndividualのカテゴリーはそれぞれ同じタスクを行うもの(Same Task)と,異なるタスクを行う も の(Different Task) に 分 類 さ れ る。 第 2 に,Contentの 観 点 で は, ま ず, 教 室 運 営 に 関 す る 話 題. 202.
(4) 附属札幌小学校における英語授業分析. (Management),言語に関する話題(Language),そしてその他の話題(Other Topics)の3つに大別さ れる。さらに,教室運営に関する話題(Management)は,手順の説明を含むProcedure,注意・叱責など 生徒指導に関わる発話であるDisciplineの2つに分かれる。また,言語に関する話題(Language)は,文法 や語彙,発音などの形式に着目するForm,コミュニケーション機能などに着目するFunction,談話に着目 するDiscourse,社会言語学的内容に着目するSociolinguisticsという4つに分かれる。さらに,その他の話 題(Other Topics)は,身近な話題(Narrow)と広い話題(Broad)に分けられる。Contentという観点では, これらのカテゴリーを用いることで,そこで行われている指導が意味中心なのか,それとも形式中心なのか, あるいはその両方なのかを明らかにしようとしている。第3に,Content Controlの観点では,話題や活動 等の決定が教員や教科書のみによってなされている場合にはTeacher/Text,教員や教科書により大枠は決 められているが学習者にも決定する余地が与えられている場合にはTeacher/Text/Student,そして完全に 学習者が決めることができる場合にはStudentに分類される。第4に,Student Modalityの観点では,活動 中に学習者がどんな技能を使用するのかということに焦点が当てられ,聞くこと(Listening),話すこと (Speaking) ,読むこと(Reading),書くこと(Writing),ジェスチャーなどその他(Other)に分けられる。 特に,コミュニカティブな授業においては,これらの技能をより統合して使用することが,より実際の言語 使用を反映しており望ましいと考えられている。最後に,Materialsの観点では,まず,教材の種類(Type) とその出典(Source)の2つに大別され,さらに,教材の種類(Type)は,文が相互に関連せず並んでい る も の や 語 句 な ど の 短 い も の(Minimal Text), 物 語 や 関 連 の あ る 文 や 文 章 な ど の 長 い も の(Text/ Extended) ,オーディオ(Audio),ヴィジュアル(Visual)に,教材の出典は,英語を母語としない学習者 向けのテキスト(L2-NNS)なのか,英語母語話者用のテキスト(L2-NS)なのか,あるいは母語話者用の テキストを修正したもの(L2-NSA)なのか,あるいは学習者自身が作成したもの(Student-made)なの かに分類される。 小学校英語教育に資することを目的として,COLT Part Aを用いた授業分析を行った研究として,安野・ 堀田・浜中・酒井(2004)が挙げられる。安野・堀田・浜中・酒井(2004)では,実際の授業ではなく,小 学校英語教育で用いられる授業案を分析対象とし,こうした授業案にCOLT Part Aを使用することが可能 かどうかの検証と,各英語活動の授業案の特徴を考察している。採点者間の信頼性なども確かめながら, COLT Part Aの授業案分析への有用性を緻密に検討し,各英語活動の授業案の特徴を客観的に明らかにす ることを試みている点は非常に興味深い。他方,実際の授業においては,完全に授業案通りに展開していく ことはまずないため,小学校における英語教育現場の実際の授業映像に基づくCOLT Part A分析も行い, こうした授業案に対するCOLT Part Aによる分析結果と比較することは重要であると考えられる。 また,COLT以外の授業分析法及びその歴史については,杉森(2011)がそれぞれの分析法の特徴を踏ま え,簡潔にまとめている。特に,杉森は授業の録画映像を用いた分析などについても言及しているが,そこ で扱われている事例では授業ビデオ発話を書きとり,それに基づいて分析をしているため,本研究のように トランスクリプトを用いない授業の録画映像の分析については述べられていない。. 3.研究課題 上記の先行研究を基に,本稿では以下の研究課題を設定した。 RQ1. 小学校外国語活動と小学校外国語にはどのような共通点が見られるのか。 RQ2. 小学校外国語活動と小学校外国語にはそれぞれどのような特徴が見られるのか。. 203.
(5) 本 多 尚 子. 4.研究方法 4.1 研究対象 本稿では,附属札幌小学校において2016年度にA先生が担当した6年生の小学校外国語活動の授業の一部 (9回分)と,2017年度にB先生が担当した6年生の小学校外国語の授業の一部(17回分)について,両先 生方の本研究への協力への事前承諾のもと,筆者が授業を参観,ビデオにより録画した映像を分析対象とし た。 4.2 研究方法 4. 1節で言及した録画映像を,COLT Part Aを用いて分析し,その結果をエクセル表にまとめた。なお, COLT Part Aの分析方法については,北海道教育大学小学校英語教育の指導力向上プロジェクトにおいて 構築されたオンライン協働研究・学修用プラットフォーム(CollaVOD)の利用申請及びアカウントの発行 を行い,当該システムにアップロードされていた本学志村昭暢氏のCollaVODによるCOLT分析方法や COLT入門の動画を参照し,それらで紹介されている授業分析方法・基準に従い分析を行った。. 5.結 果 まず,Participant Organizationの観点から,小学校外国語活動と小学校外国語の授業を比較する。それ ぞれの分析結果を表1,表2として示した。 表1及び表2より,両者の共通点として,その授業活動の半数以上がClassカテゴリーに属する教室全体単 位での活動にあてられていることが分かる。グループ活動が占めている割合は一部の授業回を除きそれほど 多くなく, この観点からはよりコミュニカティブな授業に近づけるために改良の余地があるように思われる。 また,小学校外国語活動と小学校外国語授業の相違点としては,小学校外国語授業の方が後半になるに従 い,グループ活動が占める割合が高くなる傾向が読み取れる。 次に,Contentの観点から,小学校外国語活動と小学校外国語の授業を比較する。それぞれの分析結果を 表3,表4として示した。 表3及び表4より,両者の共通点として,Other TopicsのうちNarrowの割合が高く,ほとんどの授業回で 表1 小学校外国語活動におけるCOLT Part Aによる分析結果(Participant Organization). Class. Participant Organization. Group. Indiv.. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. T⇔S/C. 63.83. 57.40. 32.31. 53.32. 86.55. 46.66. 23.67. 23.32. 15.59. S⇔S/C. 10.34. 32.40. 23.05. 16.39. 0. 19.87. 39.69. 52.30. 51.28. Choral. 10.09. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Same Task. 15.74. 10.20. 0. 0. 0. 0. 0. 21. 0. Different Task. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Same Task. 0. 0. 44.64. 30.29. 13.45. 33.47. 36.64. 3.38. 33.13. Different Task. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. (※)数値は各カテゴリーが占める割合を示している(%)(以下の表も同様)。. 204.
(6) 附属札幌小学校における英語授業分析. 表2 小学校外国語におけるCOLT Part Aによる分析結果(Participant Organization). Class. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. T⇔S/C. 73.76. 35.38. 53.85. 78.67. 72.17. 63.36. 73.48. 65.01. 72.99. S⇔S/C. 0. 27.56. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 16.19. 0. 0. 0. 27.83. 0. 14.42. 0. 0. Same Task. 0. 37.06. 18.14. 0. 0. 0. 0. 34.99. 0. Different Task. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 10.05. 0. 28.01. 21.33. 0. 36.64. 12.10. 0. 27.01. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Choral Participant Organization. Group. Same Task Indiv.. Different Task. 第10. 第11. 第12. 第13. 第14. 第15. 第16. 第17. 73.65. 44.59. 76.49. 26.52. 64.20. 10.05. 55.55. 49.45. 0. 30.74. 0. 0. 0. 0. 0. 28.11. 6.96. 0. 0. 0. 0. 0. 8.67. 0. 0. 24.67. 23.51. 0. 35.80. 89.95. 35.78. 0. 0. 0. 0. 73.48. 0. 0. 0. 0. 19.39. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 22.44. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 表3 小学校外国語活動におけるCOLT Part Aによる分析結果(Content). 第1 Manage. Content. Language. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. Procedure. 3.65. 7. 7.39. 0.80. 11.96. 21.79. 13.15. 8.36. 10.08. Discipline. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 6.75. Form. 0. 11.70. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Function. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Discourse. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Socioling.. 3.88. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 92.47. 81.30. 92.61. 99.20. 88.04. 78.21. 86.85. 91.64. 83.17. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Other. Narrow. Topics. Broad. 8割以上の割合を占めていることが挙げられる。次に,割合が高い傾向にあるのがManagementのうちの Procedureであり,両者共にLanguageのうちのFormに関する話題も少し見られる。 両者の違いとしては,小学校外国語活動の一部でSociolinguisticsの話題が見られた一方,小学校外国語で はそうした話題が見られなかった点や,小学校外国語の授業の一部でのみ,Functionに関わる話題が見られ た一方,小学校外国語活動の方では見られなかった点が挙げられる。 さらに,Content Controlの観点から,小学校外国語活動と小学校外国語の授業を比較する。それぞれの 分析結果を表5,表6として示した。. 205.
(7) 本 多 尚 子. 表4 小学校外国語におけるCOLT Part Aによる分析結果(Content). Manage. Content. Language. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. Procedure. 11.81. 3.23. 21.02. 0. 0. 0. 14.70. 14.52. 12.05. Discipline. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Form. 0. 0. 0. 21.45. 13.33. 0. 0. 3.95. 2.55. Function. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Discourse. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Socioling.. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 88.19. 96.77. 78.98. 78.55. 86.67. 100. 85.30. 81.53. 85.40. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Other. Narrow. Topics. Broad. 第10. 第11. 第12. 第13. 第14. 第15. 第16. 第17. 3.52. 19.55. 6.11. 26.52. 34.84. 3.23. 11.36. 2.98. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 1.23. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 6.39. 6.82. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 96.48. 79.22. 93.89. 73.48. 58.77. 89.95. 88.64. 97.02. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 表5 小学校外国語活動におけるCOLT Part Aによる分析結果(Content Control). Content Control. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. Teacher/ Text. 26.44. 22.69. 17.75. 27.03. 20.55. 32.48. 23.67. 13.98. 15.59. Teacher/ Text/Stud.. 63.22. 44.90. 82.25. 72.97. 79.45. 67.52. 0. 9.35. 7. Student. 10.34. 32.41. 0. 0. 0. 0. 76.33. 76.67. 77.41. 表6 小学校外国語におけるCOLT Part Aによる分析結果(Content Control). Teacher/ Content. Control. Text Teacher/ Text/Stud. Student. 206. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. 48.37. 0. 35.47. 21.33. 46.16. 9.88. 11.06. 0. 12.34. 41.58. 49.73. 18.38. 57.34. 53.84. 47. 76.84. 100. 56.93. 10.05. 50.27. 46.15. 21.33. 0. 43.12. 12.10. 0. 30.73.
(8) 附属札幌小学校における英語授業分析. 第10. 第11. 第12. 第13. 第14. 第15. 第16. 第17. 34.13. 2.19. 12.89. 0. 46.45. 6.82. 11.35. 0. 46.48. 42.40. 63.60. 26.52. 17.75. 3.23. 60.39. 49.45. 19.39. 55.41. 23.51. 73.48. 35.80. 89.95. 28.26. 50.55. 表5及び表6より,両者の共通点として,全ての授業回においてTeacher/Textのカテゴリーが占める割合 が50%を超えることはなく,学習者に何らかの選択の余地を残している授業活動が占める割合が高いことが 読み取れる。 両者の相違点としては,Studentが占める割合が高い授業が小学校外国語活動では後半の授業回に集中し ているのに対し,小学校外国語の授業では,そうした傾向はなく,前半,中盤,後半の授業回いずれにも Studentが占める割合が50%を超える授業回があることが挙げられる。 続いて,Student Modalityの観点から,小学校外国語活動と小学校外国語の授業を比較する。それぞれの 分析結果を表7,表8として示した。 表7 小学校外国語活動におけるCOLT Part Aによる分析結果(Student Modality). Student Modality. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. Listening. 76.12. 64.38. 34.58. 69.62. 81.67. 49.51. 38.26. 56.99. 54.30. Speaking. 23.88. 19.41. 20.78. 10.61. 11.61. 17.02. 19.84. 41.32. 38.71. Reading. 0. 0. 0. 10.51. 6.72. 0. 5.26. 0. 0. Writing. 0. 0. 44.64. 9.26. 0. 33.47. 36.64. 0. 6.99. Other. 0. 16.21. 0. 0. 0. 0. 0. 1.69. 0. 表8 小学校外国語におけるCOLT Part Aによる分析結果(Student Modality). Student Modality. 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. Listening. 50.50. 36.06. 56.98. 60.67. 62.57. 53.62. 42.76. 66.54. 62.05. Speaking. 20.69. 33.40. 19.35. 17.94. 20.68. 35.10. 57.24. 13.99. 34.23. Reading. 5.66. 13.78. 0. 21.39. 16.75. 0. 0. 1.97. 0. Writing. 22.38. 16.76. 23.67. 0. 0. 8.68. 0. 0. 3.72. 0.77. 0. 0. 0. 0. 2.60. 0. 17.50. 0. Other. 第10. 第11. 第12. 第13. 第14. 第15. 第16. 第17. 68.82. 59.78. 52.93. 63.26. 72.29. 53.41. 41.55. 54.57. 27.85. 40.22. 47.07. 36.74. 27.71. 46.59. 26.43. 45.43. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 3.33. 0. 0. 0. 0. 0. 32.02. 0. 207.
(9) 本 多 尚 子. 表7及び表8より,両者の共通点として,ListeningとSpeakingのカテゴリーが占める割合が高く,両者を 合わせた割合がほぼすべての授業回で7割以上となっている。特に,そのうちのほとんどが,Listening活 動の占めている割合の方がSpeaking活動のそれよりも高い。 両者の相違点としては,小学校外国語活動では,Readingのカテゴリーが占める割合が11%以上になる授 業回はなかったが,小学校外国語の授業では,第2,第4,第5回にReadingの占める割合が11%を超える 授業回があり,特に第4回では21.39%と2割を超えている。 最後に,Materialsの観点から,小学校外国語活動と小学校外国語の授業を比較する。それぞれの分析結 果を表9,表10として示した。 表9及び表10より,両者の共通点として,Typeに関しては,Visualのカテゴリーが占める割合が高くなる 傾向があり,Sourceに関してはL2-NNSやStudent-madeといったカテゴリーが占める割合が高くなる傾向 が読み取れる。 両者の相違点としては,小学校外国語活動では,Typeに関して,前半の授業回にMinimal Textに属する ものが少し出現した後,Extended Textが一定頻度出現している。また,Sourceに関しては,中盤から後半 の授業回にStudent-madeに属するものの占める割合が増加している。他方,小学校外国語の授業では, 表9 小学校外国語活動におけるCOLT Part Aによる分析結果(Materials). 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. 8.92. 3.04. 7.97. 15.77. 5.98. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 22.32. 20.37. 28.12. 22.08. 23.58. 0. 0. Audio. 0. 5.17. 0. 0. 0. 0. 0. 7.34. 0. Visual. 0. 50.39. 39.29. 2.78. 0. 0. 0. 7.34. 58.04. L2-NNS. 0. 8.92. 23.72. 7.97. 9.85. 5.98. 5.35. 5.26. 0. L2-NS. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. L2-NSA. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Student-made. 0. 0. 10.80. 22.32. 26.28. 28.12. 16.73. 25.66. 0. Text Type Materials. Source. Minimal Text Extended Text. 表10 小学校外国語におけるCOLT Part Aによる分析結果(Materials). 第1. 第2. 第3. 第4. 第5. 第6. 第7. 第8. 第9. 14.47. 18.46. 38.64. 34.95. 31.33. 15.04. 12.99. 17.45. 17.61. 2.36. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Audio. 4.72. 0. 0. 5.36. 16.20. 4.94. 0. 23.06. 3.86. Visual. 21.27. 39.96. 17.19. 18.03. 2.95. 35.55. 67.76. 29.47. 45.15. L2-NNS. 21.55. 4.68. 14.75. 12.47. 34.28. 12.23. 13.16. 20.42. 17.61. L2-NS. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. L2-NSA. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. Student-made. 0. 32.31. 23.89. 22.47. 0. 17.56. 2.08. 0. 0. Text Type Materials. Source. 208. Minimal Text Extended Text.
(10) 附属札幌小学校における英語授業分析. 第10. 第11. 第12. 第13. 第14. 第15. 第16. 第17. 21.51. 4.03. 27.09. 0. 3.84. 0. 10.33. 9.97. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 51.16. 50.02. 27.09. 59.72. 47.56. 89.95. 68.50. 48.19. 21.51. 4.03. 27.09. 0. 3.84. 0. 10.33. 9.97. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 36.74. 0. 0. 0. 0. Typeに関して,ほぼ全ての授業回で,Minimal Textに属するものを含んでいる他,前半から中盤の授業回 にかけて,Audioに属するものが占める割合が小学校外国語活動のそれよりも高くなっている。. 6.考 察 前節で示された分析結果より,COLT Part Aの5つの観点について,小学校教育や附属札幌小学校の役 割などと関連する特徴が分かる。まず,Participant Organizationの観点では,附属札幌小学校における小 学校外国語活動と小学校外国語の授業との共通点として,その授業活動の半数以上がClassカテゴリーに属 する教室全体単位での活動にあてられていることが挙げられたが,これは両者が約40名というペアワークな どの効果的なコミュニケーション活動を実施する観点から考えると多い人数を対象としたものであること, そして,小学校高学年は,集団の規則や集団活動に主体的に関与したりするようになるなど,集団に対して の意識や視点への関心が高まる時期であり,教室全体単位での働きかけを個々の学習者への働きかけとして も受け取りやすいことが関係しているように考えられる。実際,英語の授業に限らず,小学校教育の場では 学習成果を全体共有させる場として中間交流などを重視しており,その手法や効果は中学校教育の場でも注 目され,円滑な小中連携の一助となるものとして位置づけられている。Classカテゴリーに属する教室全体 単位での活動が,小学校高学年の児童にもたらす影響について,特にそれらがグループワークなどの活動を 中心とした授業よりもコミュニカティブ志向性が実際に低くなっているのかについては今後の検討の余地が あるように思われる。また,小学校外国語の授業において,後半の授業回でグループ活動が占める割合が高 くなる理由については,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力育成を目指している小学校外国語 の授業の方が,各児童が身につけた技能に関する習熟・定着をねらっているためだと考えられる。実際,附 属札幌小学校では,小学校における外国語の教科化を見据え,以前から児童の学習を通して身につけた技能 への習熟度・定着度を確認するCAN-DOリストの作成及びそれに基づく学習者自身の自己評価を年度末に 実施してきている。小学校外国語の授業の全面実施が近づく中,こうした学習成果について学習者自身が普 段の活動を通してその習熟・定着を実感できる場を設定することの重要性を意識した取り組みの表れである と考えられる。 Contentの観点では,附属札幌小学校における小学校外国語活動と小学校外国語の授業との共通点とし て,Other TopicsのうちNarrowの割合が高く,ほとんどの授業回で8割以上の割合を占めていることが挙 げられた。その理由としては,小学校英語教育においては外国語活動も教科としての外国語も共に,児童に とって身近な話題や語彙を用いた意味に着目したやり取りが重視されており,附属札幌小学校もこうした小 学校英語教育の特徴を踏まえて児童の実態に合わせたコミュニケーション活動が行われていることの表れで. 209.
(11) 本 多 尚 子. あ る と 考 え ら れ る。Other Topicsの う ちNarrowの も の に 次 い で 占 め る 割 合 が 高 い 傾 向 に あ る の が ManagementのうちのProcedureであるが,その割合は高くとも34.84%となっており,意味のやり取りを中 心としたコミュニカティブな授業展開を阻害するほどの割合とはなっていない。小学校高学年において行わ れる英語によるコミュニケーション活動は,児童の論理的思考力の発達などに伴い,彼らの知的好奇心に合 わせて活動内容が高度化するため,一般に活動前に必要な説明が長くなる傾向があるが,附属札幌小学校に おいては英語の授業が第1学年から第6学年まで系統的に展開され,その学習成果が定着されてきているこ とから,行われている活動内容そのものは一般的な小学校よりもかなり高度であるにも関わらずProcedure にかかる時間は短く抑えられていることが,その要因として考えられる。また,小学校における英語教科化 に伴い,コミュニケーション活動に資する形での文法的な気づきの取り扱いが新学習指導要領に明記された ため,附属札幌小学校においては,小学校外国語活動も小学校外国語の授業も共に,Languageのうちの Formに関する話題にも少し触れている。特に,聞く・話す指導との関わりも深い英語特有のアクセントや イントネーションへの気づきにつながるジェスチャーや,児童による英文法に関する気づき,例えばplay the pianoにはtheが含まれているのに,play baseballにはtheが含まれていないなどが見られた際,そうした 気づきをしたことを褒め,教室全体に共有するやり取りなど,あくまでも児童自身が気づき,意識しやすい 部分を精選し,提示していた。また,小学校外国語活動の一部でSociolinguisticsの話題が見られた理由は, 当該単元が将来の夢に関するなりたい職業に関する語彙を学ぶ単元であり,ティーム・ティーチングのアシ スト教員(T2教員)として参加していたネイティブ・スピーカーの教員が,police officerやfire fighterとい う語彙の成り立ちとして,ジェンダーに関する内容を絡めて児童に話していたためである。また,小学校外 国語の授業でFunctionに関わる話題が見られた理由は,新学習指導要領においても言葉を使用する場面や機 能に関する部分について,児童により着目・意識させるような働きかけが求められていることを,教員側が 十分認識した上で授業に臨んでいるためだと考えられる。 Content Controlの観点では,附属札幌小学校における小学校外国語活動も小学校外国語の授業も共に, 全ての授業回においてTeacher/Textのカテゴリーが占める割合が50%を超えることはなく,学習者に何ら かの選択の余地を残している授業活動が占める割合が高いことが読み取れた。この点でも,附属札幌小学校 においては小学校外国語活動も小学校外国語も共に,よりコミュニカティブな授業となるよう教員側が,教 員-児童間, あるいは児童同士のコミュニケーション活動の機会を積極的に設けていることが分かる。他方, 小学校外国語活動ではStudentが占める割合が高い授業が後半の授業回に集中していた理由としては, CAN-DOリストを用いた児童による自己評価が学年末に行われていたこと,小学校外国語活動では,平成 20年3月に公示された小学校学習指導要領に基づき,その目標が 「外国語の音声や基本的な表現に慣れ親し ませながら,コミュニケーション能力の素地を養う」 とされていたため,単元ごとにコミュニケーション能 力そのものの習熟度や定着度を,完全に学習者が内容を決めることができるコミュニケーション活動を通し て確かめるところまでは行っていなかったことが考えられる。それに対し,小学校外国語の授業では,新学 習指導要領の全面実施に伴い, 「知識及び技能」,「思考力・判断力・表現力など」,「主体的に学習に取り組 む態度」 といった3つの観点に基づく数値による評価が行われることを見据え,単元ごとにコミュニケーショ ン能力そのものの習熟度や定着度を測ることができる学習者中心のコミュニケーション活動の機会を設け, 児童のパフォーマンスによる評価を行っているため,前半,中盤,後半の授業回いずれにもStudentのカテ ゴリーが占める割合が50%を超える授業回があると考えられる。 Student Modalityの観点では,附属札幌小学校における小学校外国語活動も小学校外国語の授業も共に, ListeningとSpeakingのカテゴリーが占める割合が高く,両者を合わせた割合がほぼすべての授業回で7割 以上となっており,4技能の育成を目指す一方,聞く・話す能力についてより重きを置いたコミュニケーショ. 210.
(12) 附属札幌小学校における英語授業分析. ン重視の授業を行うことの意義やその効果を踏まえた取り組みが行われていることの表れであると考えられ る。また,小学校外国語の授業において,Readingのカテゴリーが占める割合に,小学校外国語活動のそれ との相違が現れた理由としては,最近の中学校英語教育においても意識されている,「聞く → 話す → 読む → 書く」という4技能を磨く順序の重要性が,小学校英語教育の場にも,小中連携の場面を通して共有され, 授業実践に生かされるようになったことが影響していると考えられる。 最後に,Materialsの観点では,附属札幌小学校における小学校外国語活動と小学校外国語の授業との共 通点として,Typeに関しては,Visualのカテゴリーが占める割合が高くなる傾向があり,Sourceに関して はL2-NNSやStudent-madeといったカテゴリーが占める割合が高くなる傾向があったが,これは,附属札 幌小学校において電子黒板を利用し,北海道教育大学英語教育学分野の教員が作成・提供している視聴覚教 材を活用した授業実践を行っていたことや,附属札幌小学校の児童がそれまでの時点で培った英語によるコ ミュニケーション能力を活用し作成したスピーチや英作文を活用した授業展開が行われていたことが原因と して考えられる。また,小学校外国語活動では,Typeに関して,前半の授業回にMinimal Textに属するも のが少し出現した後,Extended Textが一定頻度出現していた原因としては,教員側が児童による後の英作 文活動を見据え,当該活動に役立つ表現のヒントとなる単文をいくつか提示した後,それらを用いたより論 理性のある文章モデルを提示する機会を何回か与えた上で,各児童による英作文活動が行われたためである。 他方,小学校外国語の授業では,Minimal Textに属する英文をヒントとして示した後,関連する内容のビ デオ教材,例えば,卒業生により作成されたビデオレターなどを視聴し,そこで扱われていた内容や表現に ついて着目させた上で,各児童による英作文活動などを行うという手法が用いられていた。. 7.まとめと今後の課題 本稿では,2016年度から2017年度に北海道教育大学附属札幌小学校にて6年生を対象に行われた小学校外 国語活動及び教科としての小学校外国語の授業の一部を分析対象とし,小学校外国語活動と教科としての小 学校外国語の授業との共通点や相違点について,Spada & Fröhlich (1995)で提案されたCOLT Observation Scheme (Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme)のPart Aを用いて当該 授業の録画映像を分析することにより,明らかにした。その結果,本稿で設定した研究課題(RQ1とRQ2) に関して以下のような回答が得られた。まず,RQ1に関しては,附属札幌小学校における小学校外国語活動 及び小学校外国語の授業共に,Participant Organizationについては,その授業活動の半数以上がClassカテ ゴリーに属する教室全体単位での活動にあてられている傾向や,Contentについては,Other Topicsのうち のNarrowにより示されるような,身近な話題や語彙を用いた,意味のやりとりを重視するコミュニカティ ブな授業が行われていることが客観的に示された。また,Content ControlやStudent Modalityの観点では, 附属札幌小学校において先駆的に行われていたCAN-DOリストに基づくパフォーマンス評価や,円滑な小 中連携を目指し,中学校教育現場と共有された課題意識が,さらなるよりよい授業実践へつながっているこ とが示された。RQ2に関しては,特に,Participant Organizationについて,コミュニケーションを図る基 礎となる資質・能力そのものの育成を目指している小学校外国語科の方が,後半の授業回においてグループ 活動などよりコミュニカティブ志向性が高いとされる活動の機会を積極的に設け,児童が身につけたコミュ ニケーション能力の習熟と定着を図っているということが示された他,Contentについては,小学校外国語 活動においても,単元により,職業に関する語彙の成り立ちに関するジェンダーに絡んだ話など,児童の興 味・関心に合わせ,より小学校高学年の児童の知的好奇心を刺激するような興味深い題材が提示されている ことが明らかとなった。. 211.
(13) 本 多 尚 子. 本稿から得られる教育的示唆としては主に2つが得られる。1つは,小中連携に関するもので,「聞く → 話す → 読む → 書く」という4技能を磨く順序の重要性など,系統的かつ効果的に子ども達のコミュニケー ション能力を磨く上で重要な価値観が,小学校と中学校との間でどのくらい共有され,そうした価値観がど のくらい実際のそれぞれの教育活動に反映されているかを把握する1つの方法として,こうした授業映像の COLT Part Aによる分析により得られた成果を活用することが考えられること,そして,こうした録画映 像に基づく授業分析は授業を行う側にとっても負担が少なく,実際に授業映像を見ながらリアルタイムに分 析ができることで,理論と実践の往還がしやすいため,附属学校と大学側との連携をより強化していく上で 有用であることが挙げられる。もう1つは,附属小学校が地域教育にもたらすモデル校としての役割に関す るもので, 附属小学校で行われている教育実践のうち,特に他の小学校でも活用しやすいポイントについて, COLT Part Aの分析結果に基づく客観的な根拠を提示できる点は意義深い。 今後の課題としては,附属札幌小学校との小中連携を行っている北海道附属札幌中学校の授業に関しても, 授業担当教員の事前承諾を得た上で,COLT Part Aを用いた同様の授業分析の実施を考えている。また, 札幌市内の公立小学校における授業分析も機会があれば行いたい。. 附 記 本研究にご協力いただき,執筆者の授業参観及び本研究を目的とした授業録画に快く応じてくださった北海 道教育大学附属札幌小学校の両先生方に心より御礼申し上げます。. 引用文献 Ishizuka, H., Yorozuya, R., & Shimura, A. (2015). VODCOLT, a handy and flexible classroom analysis platform. Proceedings of EuroCALL2015. Ishizuka, H. & Yorozuya, R. (2014). Collaborative VOD Platform for Classroom Observation. Proceedings of EdMedia: World Conference on Educational Media and Technology 2014. 河合靖・酒井優子・横山吉樹・石塚博規・青木千加子(2007).「COLT Part Bによる観察方法とその問題点」.『メディア・ コミュニケーション研究』,53,99-113. Spada, N., & Fröhlich, M. (1995). COLT Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme: Coding Conventions & Applications. Sydney: National Centre for English Language Teaching and Research, Macquarie University. 杉森幹彦(2011).「外国語授業分析法の概観と英語授業評価基準の提案」.『政策科学』, 18, 29 -61. 安野浩子・堀田誠・浜中直宏・酒井英樹(2004). 「COLT Observation Scheme(Part A) による小学校英語活動の授業案分析」 . 『小学校英語教育学会紀要』,4,47-53.. . 212. (札幌校准教授).
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