中学校前期における生徒の数学的能力の構成について
17
0
0
全文
(2) . 中学校前期における生徒の数学的能力の構成について. 佐 々 木. 幸. 1。 問題の設定 数学における諸能力のうち,近年特に興味の中心となり研 究が進められている創造性に ついては , l )や佐伯2 }のまとめに見られる諸家の意 見においても ある程度の共通 ken その概念自体, 例えば Ai , な理解はあるものの普遍的に受け容れられる明確な概念規定に達してはいないようである 。 i l fo それにも拘わらず, Gu rdによって創造性の概念から流暢性, 柔軟性, 独創性, 綿密さ, 問題. に対する敏感さ, 再定義能力の諸因子が析出されてからは, 数学における創造性能力をもこれらの 視点から測定しようとする試みが盛んであっ て, そのための方法も次第に開発されてきている 。 この種の調査研究の手段として通常用 いられるのは, (i)流暢性については多様な解を許す問題 において妥当な解の総数を数える (i i) 柔軟性についてはこれらの解が属する異なるカテ ゴリー の数を数える る. ( ) 独創性は反応数が極低率であるような稀出の解 (勿論妥当な) に適宜配点す i i i. と い う も の であ る.. この場合調査結果の処理法と並ん で重要なのは調査問題の選定で, 研究者の創意が要求される所. 3 )の 紹 介 す る 例 では 次 の 型 があ る であ る が, Dunn 。. ①計算式を利用するもの。 例えば所与の3個の数2, 3, 8 を用 い て, 2 × 3 + 8 =14 の よ うな正しい式を多数作る。 ②図形を素材とする①と類似の課題。 正方形の面積 を2等分する様様な線を描く な ど (① ② 。. 4 )よ り) Prouse. ③多くの数を含む一連の具体的状況を示 して数学的な問題多数の作成を求めるnmake‐up″ 問 題。. ) l (Getze ) sand lackson5. 、④所与の数学的素材について論文形式の記述を求める. 6 ) lker に つ い て 記 述 す る な ど。 (Fi ) e. essay″. 問題。 例えば 「チェス盤の数学」. l ford の 考 えか ら, 数 学に お け る 創造的思考は拡散的思考のカテ ゴリーに集中しているという Gui 創造性テストでは拡散的思考を見る方向の課題が多いが, 勿論両者を単純に対応させ ることはでき ない. また上例①のような場合では, 多数の解が可能ではあるが小 o 中学生を被験者とするときに. はその数学的素養に ついての条件から解の種類は比較的少数に制限されるので, 一般創造性検査に. おける拡散的思考とは異なる面をもち, そこには集中的(収束的)思考も相当程度働いていると考え られる。 逆に, 唯一の解をもつ問題の解決を求める課題は一般には集中的思考の発現する場として 分類されるであろうが, 問題に含まれる条件の一部や既往の経験から可能な取り組み方のいくつか. を引き出した上 で全状況に整合するものを選ぶような過程 では拡散的思考も与っている 数学にお 。 ける創造性を検出することをねらい とするテストアイテムの構成の実際において, 特に上例①②の. 131.
(3) . 佐々 木 幸. 型では集中的思考の要素を十分には取り除けないのが普通だが, 実際の場で創造的思考が行われる 様相からこのことは寧ろ自然と考えるべきであろう. なお, この場合学習履歴から受ける影響を除. くために, 前提される数学的な知識・技能を基礎的なものに限る必要がある. 筆者の以下の研究では, 中学校前半期の生徒を対象として, 潜在している″数学的能力を検出す ることに興味の中心があり, 数学における創造的能力の測定を直接の目的としないが, 両者が深く 関係するであろうことは当然予 想されるし, また方法においては創造性測定の諸研究で用いられる 型のものを多く使用する. さらに, 現時の数学科の教育内容や指導方法の実態から遊離して, 被験. 者の不慣れや違和感からの歪みを招かないために, 今回は make-up型・e s say 型の問題の使用を避 した問題が得られればその検出力は大いに期待できる けたが, これらの型の現実に即 . 現在の中学校で数学における顕在・潜在の能力を示す指標として通常用いられるのは知能検査, 学力検査からの資料であるが, 前者は数学の特性を反映するように作られているわけではないし, inet 後 者 で も rout a sk としての所産が重みを持って, 数学における拡散的な創造的能力は勿論, 集 中的思考の能力自体もよく表現されているとはいえない. この小論 では以上の認識の下に, 拡散的或いは集中的と思考の性格を限定することなく学力や知. 能の測定で見落されているかも知れない, 換言すればこれらの検査の結果とずれがあるような数学 的能力の所在とその性格について調査を試みた. もとより, この課題についての最も大きな研究領 域は始めに述べた創造性に関するものであろうが, ここでは課題の中心を教科指導の現実により近. い所に設定したことになる.. 2. 目的と方法 2.1. 目的. 中学校の前期段階にある生徒の, 数学における能力の構成について調査研究することを主目的と し, 次の各項について考察する. ①生徒に潜在する数学的能力を検出するためのテスト項目を準備しその試用を通してテス ト項目 の機能を評価する. ②各テスト項目に対する生徒の反応の特徴を見出すとともに, 学年差, 性差の有無についても検 討する. ③テスト項目相互間の関係と, それらから得られる合成変量について調べ, 併せてそれらと通常 測定さ れている学力, 及び知能検査による知能との関連の仕方についても検討する. 2.2. 方法. ①被験者について. 北海道教育大学教育学部附属旭川中学校の生徒第1学年(男子49名, 女子40. 名) 0名 を被験者とする. 但し, 欠席等による資料欠落の , 第2学年(男子50名, 女子41名) 計18 ため,調査項目によっては人数に 減少がある.基礎資料として昭和56年9月実施の教研式知能検査, 及び昭和57年4月実施の教研式標準学力検査があり(後者の時点では生徒はそれぞれ第2学年, 第 3学年に進級している) , 知能 では同学年 内でも両学年を合併した場合でも性差は見られないが, 学 年間では有意水準1%で第2学年が優位にある. 実施時期が同一であったため年齢差の影響があっ たのかも知れない. 学力検査については学年内の 比較のみが可能であるが, 第1学年 では有意水準 1%で男子が優位にあり, 第2学年 では性差が見られない.. 132.
(4) . 生徒の数学的能力の構成. ②調査日と方法 昭和56年9月に次項に述べるテスト形式の調査を各学級毎に 2 回に分けて 行い, 各回50分を充てた。 各間毎の時間の区分は行わず, 結果的に時間不足の状況は生じなかっ た . ③調査問題 次に示す通り である.. 1. 問題. 1辺 の 長 さ が 3 cm の正方形があります. 。 直線を2本使って面積を3等分して下さい。 直線はどのよう に引いてもよいし, 3つの部分が同じ形 である必要はありません . いろいろなち がった種類の分け方を, できるだけ多くくふうしましょう .. (例). (次下解答用の正方形 棚 嗣く. □ 問題. 省略). 2. 下の式では, あいている所が等号の左に3つ, 等号の右に1つあります . 5. 3. ↑. =6 2:. 1. ↑. ↑. 4 ↑. こ れ ら の あ いて い る 所 に,十,-,×,÷ の ど れか を 入 れ て, 正 し い 式 を 作 っ て 下さ い 。. ・同じ記号を何回使ってもよいし, かっ こが必要なら何回でも自由に使ってかまいません 。 o計算の中で, 小数・分数や負の数がでるようなもの でもかまいません. o できるだけ多くの式を作りましょう. . (5+3)×1+2=6十4. (例) 5. 問題. 3. 1. 2=6. 4. (以下解答用の式を13個置く……省略) 3. ① 「規則」 をみつけて, 線の上にあてはまる数を書きなさい.. (i) (i i). 1, 3, 6, 10 , 15 , 一- 1, 1, 2, 3, 5, 8, - -. ②あいている四角の中に, いちばんよくあてはまる 「人の形」 を書きなさい 。. 昼冥 骨. 牢 ? 昼昔 貸. 問題. 4. 同じ長さの太い棒と細い棒が6本ずつ, あわせて12本あります そのうち6本を使って, 図 。 のような三角すいを作ります. 一一---- 細い棒 . 133.
(5) . 佐々 木. 幸. 一. このほかにどのような作り方がある でしょう. 太い棒を太い線, 細い棒 を細い線で表して, 全部書きなさい. (注意) たとえば右のような三角すいは, 動かすと上の (例) の三角すい と同じになるの で, 1度だけ書くことにします. (以下解答用の三角すいを11個置く …・省略). 問題. 5. 正六角形のかたちにならんだ丸の数を求める問題 です。. ①丸の数を書きなさい. ○○ 00 ○ 00. 00〇 00 00 ○00 00 ○ ○00 0 0〇 ) (. .. ). (. ②か ぞえやすい方法をくふう してかぞえましょう.. ・計算の式を書いて下さい. ・考えるために書きいれた線は, 消さないでおくこと. ・2つ以上の方法に気がついた人は, 全部書いて下さい.. (以下解答用として同様の図を7個置く……省略). 蟹蛋蛋蛋 。. 0000000 00000000 00000000O 00000000 0000000 oooooo 00000. ③. (式). ○ o o o o oQ O O O O O O0 00 0 0 0 0 0 0 0 00 00 0 0 0 0 0 0. 六角形にならんだ丸の, 一部分だけが見えています. 見え ないところもいれて, 全部でいく. つ あ る か 求 め な さ い.. (式). 問題 ①. 個. 6 左 の 表 で’ 1ダリ目 の 12 ’ 35 ’ 23 ’ 19Gま’ か つ て な正 の 整 数 を 書い た も の で. 身 」. す。. 目. この1列目をもとに して, ある 「秘密の規則」 に従って順に2列目, 3列. 12 35 23 19 1. 目に数を入れると, 下のようになります. 2. 3. 列. 列. 列. 12 35 23 19. 23 12 4 7. 11 8 3 16. 目. 134. 答. 目. 目.
(6) . 生徒の数学的能力の構成. その 「規則」 をみつけて, 上の表の4列目から先にあてはまる数を入れて下さい。 終りにして もよいと思うところまで続けなさい. ② 下の表の1列目にかっ てな正の整数を入れて, 上と同じことをや ってみましょう.(空欄の みの表を置く……省略) ③. ①や②の表を見て, 気がついたこと, 予想できることがあれば書きなさい。. 3. 各問題に対する結 果と考察 この節では各問題について個別にそのねらいと結果について述べ若干の考察をする 表中で用い 。 た I M, 2 F T 1 等の記号はそれぞれ1年男子 2年女子 1年 全体の被験者区分を 表す。 , , , , ,. 9. l o. ll. 1 2. 図1. 1 3. 1 4. 問題1の解の類型. 問題 1 拡散的思考が比較的強く現れる問題として設定した。 類似の問題は数学の創造性テス 7 )の調査では長方形を2等分するという形をと ているが そこで トによく用いられ, 例えば Hi t t a っ , は線の数・形には制 限がない。 本題では直線2本を用いることに制限したので自由さは減っている が, それでもなお分け方は無限に多くあり, また数学の知識も基本図形の求積法程度で主要な類型 をすべて導くことが できる。 特殊な解では, もし数値まで決定するならばやや高度の知識が必要な. 場合もあるが, ほぼ妥当な図が書けていればよいとする。 出現した類型とそれらの出現率は図1と表1に示す通りであり, これによれば類型1及び2が高 率であることは各被験者区分について共通 であるが, 類型3以降では何れも急激に低下する また 。 何れの被験者区分でもほぼ3段の階段状の低下傾向が見られ, 1年及び女子では類型1-2, 3- 6, 及び7以降が, また2年及び男 子では類型1-2, 3-8, 及び9以降がそれぞれ1つの段階 を形成する。. 全般に, 1つの分け方から回転または対称移動によって得られるものを別種の分け方として挙げ ていることが多いが, これらを一括して1個の解と看倣しその総数を数えると, 創造性テストにお. ける流暢性得点0 こ相当するものが得られる。 その平均には表2に見られるように学年間に著しい差 があり, 学習経験からの影響が現れやすい問題であることがわかる。 また性差の存在 が窺われるが 有意の差には到らなかっ た.. 135.
(7) . 一. 佐々木 幸. 問題1における 各類型の出現率. 表1 類 型. 2. 1. (%). 3. 4. 5. 6. 8. 7. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 1 年. 96. 61. 10. 10. 13. 11. 2. 2. 2. 2. O. O. O. O. 2 年. 99. 84. 32. 32. 13. 12. 13. 10. 4. 4. 2. 2. 2. 2. 3. 3. I. 2. I. 1. 18. 男 子. 95. 75. 18. 20. 女 子. 100. 69. 25. 12. 7. 全 体. 97. 72. 21. 17. 13. IM. 均. 標準偏差 平均差 表3. 9. 11. 2. 2. 4. 4. 1. O. 1. 1. 12. 8. 6. 3. 3. I. 1. 1. 1. 問題1の得 点の状況. 表2 平. 12. 12. IF. 2.16 0.98. 2.05 0.92. 2M. 2F. 1. 2. M. F. T. 3.26 1,38. 3.83 0.96. 2.11 0.95. 3.07 1.23. 2.72 1.32. 2,44 1.02. 2.59 1,20. I M -2 M 間、 I F -2 F間、 1年-2年間各1%で有意. 問題2の 各解 の出現率. (%). 1年 2年 男子 女子 全体. 解 5 +3 ×1 + 2. 39. 52. 53. 37. 46. 5 +3 + 1 ×2. 29. 37. 31. 35. 33. ( 1+2) 5+3)×(. 31. 35. 34. 32. 33. (5-3+1)÷2. 20. 40. 32. 27. 30. (5-3 -1)×2. 23. 35. 29. 29. 29. (5+3)÷1 十2. 22. 25. 30. 15. 24. 5 +3 ÷1 + 2. 13. 31. 22. 22. 22. 5 ×(3 +1)÷ 2. 10. 21. 18. 13. 16. 5 ×(3 +1 -2). 6. 16. 9. 14. 11. 5 +3 ×(1 -2). I. 4. 2. 4. 3. 5 -3 -1 ÷ 2. 3. 1. 1. 4. 2. 5 +3 ÷(1 -2). O. O. O. O. O. 表4 平. 2. 問題3の正 答率 ①の1. [ ]内は準正答 (%). ① の 2 13,21,34 [ 1 1 2 3 ] 7 2 , , 61 7. ②. 1 年. 85. 2 年. 93. 59. 11. 75. 男 子. 91. 67. 8. 71. 女 子. 88. 52. 10. 72. 全 体. 89. 60. 9. 71. 67. 問題2の得点の状 況 均. 標準偏差 平均差 問題. 表5. IM. IF. 2M. 2F. I. 2. M. F. T. 2.20 1.77. 1,95 1.15. 3.38 1.60. 2.81 1.50. 2.09 1.54. 3.12 1.58. 2.80 1.79. 2.39 1.41. 2.62 1.64. I M -2 M 間、 I F- 2 F間、 1年-2年間各1%で有意. パ ズ ルと して は よ く 見 ら れる 型 の 問 題 で, 第 一 節 に 例 と し て 挙 げた Prouse の 問 題 に. 似た形をとっ ているが, 数式の右辺に現れる数値が限定される 点が異なる. 実施期が9月なので1 年生も負の数を用いることができ, 必要な数学的事項はすべて既習である. 妥当な解はもとより有. 限個, それも比較的少数であり, ある程度規則的な洗い出しが可能なので, 集中的思考の要素が強 い問題といえる. 類型毎の反応頻度を示す表3によると, 難易の傾向は各被験者区分にほぼ共通で,. 前題と異なり低下はなだらかである. 加法と乗法のみを用いる解が上位を占めていることは自然で あるが, 遂に発見されない解があっ たことは予想外のことであっ た. 発見した解の個数を得 点とす 136.
(8) . 生徒の数学的能力の構成. ると表4の結果が得られ, 再び学年差が見られる。 また性差の存在も暗示されているよう である 。 問題 3 帰納により規則を見出してそれを適用するもの で, 概念形成の基礎となる能力を見る ことになり, 集中的思考が中心となる。 正しい解はそ れぞれ唯一と考えられるが ①の (i i) には , 準正答ともいえる12 1 7 2 3が出現し これは初項と第2項とを無視 すれば一定の規則 に従ってい , , , る. これらの反応頻度は表5に示されている. ①の (i) ( i i ) と②との正答を各1点 として合計 ,. 点 (満点は3点) の平均, 標準偏差を求めると表6のようになり 学年間 両性間に差は認められ , , な い, こ の 種 の 思 考 能 力 は 一 般 に 高 い と いう こ と が でき る .. 問題 4 解が10個に限られていることと,自ら規準を定めて組織的に解を見出すこと が可能な 点で問題2に類似であり, その図形版と見ることもできるが 空間洞察力 特に異同を弁別する能 , , 力が要求され, さらに学習経験からの寄与が少ないことが特徴 である 各解の出現頻度は図2 表 . , 7に見られる通りで,( 1 )と( 5 )及び( 4 )を除いて, 相対をなすもの が隣接していることは興味深く ( 4 ) ,( は例示の解の相 対) またQ o )の発 見が際立って難しかったことが見立つ 発見した解の個数を以て得 。 点とすると表 8の結果が得られ, 各被験者区分とも解の半数をやや上回って発見していることがわ かり, また問題 2と異なって学年差が見られない点特 徴的であっ て 問題にある種の潜在能力の検 , 出力が期待される. 問題. ①は題意把握のためのもので, 集計の対象にはしない ②は拡散的思考の要素が強く . , 実際30種に及ぶ異なる解が得られたが, その中には唯1人による, 時に必ずしも手際がよ いとはい えない解も含む. それらの内反応数の多いものから12種をとって 対応する計算式の例及び出現頻 , 5. 表6 平. 問題3の得点の状況 均. 標準偏差 平 均 差 表7. IM. IF. 2M. 2F. I. 2. M. F. T. 2.16 0.74. 2.20 0,78. 2,42 0,64. 2,22 0.72. 2,18 0.76. 2,33 0,68. 2,29 0,70. 2.21 0.75. 2,26 0,72. 有意差なし. 問題4の各解の 出現率. 解. (%). 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 年. 84. 69. 60. 62. 57. 62. 55. 34. 34. 15. 2. 年. 70. 73. 76. 64. 65. 56. 33. 52. 45. 19. 10. 男. 子. 77. 70. 66. 60. 65. 61. 46. 51. 44. 17. 女. 子. 77. 73. 70. 66. 57. 56. 41. 34. 35. 17. 全. 体. 77. 71. 68. 63. 61. 59. 44. 43. 40. 17. 衷8 平. 問題4の 得点の状況 均. 標準偏差 平 均 差. IM. IF. 2M. 2F. I. 2. M. F. T. 5,48 2.14. 5.13 1.95. 5.60 2.05. 5,42 2.10. 5.32 2,07. 5,52 2.07. 5,54 2,10. 5,27 2,03. 5.42 2.07. 有意差なし. 137.
(9) . 佐々木. 幸. 一. 金①④冬冬 .. ( 1 ). ( 2 ). ( 8 ). { ) 3. ( 9 ). ( 4 ). ( 5 ). 冬 ( ) 7. ( 6 ). ( 1 の. 図2. 問題 4の解. 問題5における 各類型の出現率. 表9. (%) その他. 類. 型. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 1. 年. 66. 32. 29. 14. 21. 13. 15. 20. 5. 3. 1. 1. 53. 2. 年. 56. 39. 25. 31. 22. 29. 22. 12. 4. 6. 6. 4. 71. 男. 子. 61. 40. 24. 23. 18. 25. 19. 19. 6. 2. 2. 4. 62 62 62. 女. 子. 60. 30. 23. 23. 27. 16. 19. 13. 3. 8. 5. 1. 全. 体. 61. 36. 23. 23. 22. 21. 19. 16. 5. 5. 3. 3. 表10 問題5の得点の状 況 平. 均. 標準偏差 平均差. IM. IF. 2M. 2F. I. 2. M. F. T. 2.77 1.46. 2.59 1.61. 3.35 1.39. 3.35 1.51. 2.69 1,53. 3.35 1.45. 3.06 1.46. 2.98 1.61. 3.02 1.53. I F - 2 F間5%、 1年-2年間1%で有意. 度 を 示 した の が 図 3 及 び 表 9 であ る. こ こ で, ア. 表11 問題5③の正 答率. イ デアが一致するものは纏めて一つの類型として 扱 っ て あ る. ③ は ② に よ る 思 考 の 結 果 を 発 展 的 に. 適用 す る 問 題 解 決の 場 面 で, そ こ に 働 く の は 集 中 的 思 考 で あ る と 考 え ら れ る.. ② の 課 題 に お い て 単 に 丸 の 個 数 を 知 る と いう 結. 果 だ けに 注 目 す る 立 場 をと る な ら ば 各方 法 の優 劣. (%). 正答率. 正答率 I. M. 6 5. 1. 56. I. F. 4 6. 2. 67. 2. M. 1 7. M. 68. 2. F. 63. F. 5 4. T. 6 2. が直ちに問われるし, 故意に奇異な数え方を求め るのは無意味になるであろうが, 問題の真意は示された一定の配置の中に規則的な部分配置を読み 取るという洞察をさせることにある. 実際被験者はそのような理解の下に多様な発想を行っ たよう であ る.. 表9によると, 類型8と類型9との間に段差が見られ生起の比率が一挙に5%程度に低下する. それ以下を一応特異な反応と見ることができるだろう. 得点は妥当な解の個数とし, その状況は表10の通りで学年間に 平均の差が見られ, 学習経験の影. 響を受ける問題といえるが, 有利な学習内容が具体的な形で2年 生に習得されているわけ ではない 138.
(10) . 1. (5 十6+7十8)×2 十9. 2 4 ×6十3×6 +2 ×6. 3 5 ×5 十6×4 +6 ×2. 4 5 ×9 +4 ×4. 5 (9 +5)x5 ÷2 十(8 +5)×4÷2. 6 1ox6十・. ≦ o灘 種 警鐘 鯵灘義勝沸騰 曇 十1×6十1. 7. 5x5 +5 x4 十4x4. 8. 6 ×6 十4 ×6 十1. 9. 5 ×4 ×3 十1. lo. 9 ×9-10×2. 図3 問題5の解の類型と計算式. ll. 5×5 ×2-1+6 ×2. 12. 10×4十1 5十6.
(11) . 佐々 木 幸. 一. ので, その学習経験は極一般的なものと 見られる. 因みに得点の最高値・最低値はそれぞれ7点(2 名) 52名) であった. , 最頻値は3点 ( , 0点 (9名) ③の正答率は表11の通りで, 学年差・性差の両方が示唆されるが, 検定の結果では何れも認めら れない. しかし標本の数が増せ ば差が現れることは十分予想される. また③の解で用いられた方法 12名) 1 0名) 40名) 26名) は, ②における類型1 ( ,7( , 5 (9名) , 9 (4名) で, , 2( , 6( ほぼ②における出現数の順序に従っている. 問題. 一FourNumberGame″ といわれるもので 始めに選ぶ4数の如何に拘わらず有限回 ,. 6. の繰り返しの後に 4個 の 0 に 達 す る こ と を, B.Freed瞳an が1948 年 に 証明 した と さ れ る. こ こ で 0に達するために 必要な繰り返しの回数は任意に大きい場合が存在し, その意味で本題は原理的に は危険だが, 0に達するまでに10回以上の繰り返しが必要である確率は0 .007を超えないので, 実 際にはほぼ安全である. ここに働くのは帰納的思考であるが, 最上段と最下段の引き算に気付くにはかなりの思考の自由. さが必要である上に, 仮説を立て検証するという過程をふむには繊密 な集中力が要求される. 結果を得 点化するために, ①②③の各小間に 一水準″ を設け次のように配点する. ①……第1水準:4列目の上から3段目ま で正答であるが, 最上段と最下段の引き算には 気が付 1点. か な い.. 第2水準:表の構成法は発見するが, 4つの0に到達しない段階で断念する. 第3水準:8列目の4つの0に到達する. ②……第一水準:正しい方法で表を作り始めるが, 途中で断念する. 第2水準:例を完成する. ③……第1水準:表の構成法に ついて述べる.. 第2水準:最後に揃って0となることを法則として 述べる.. 各水準の到達頻度を表12に, またこの基準による得点の平均・標準偏差を表13に示す. 高度な. 数学的能力の検出を目的とするだけに結果の得点は低く, 完成水準に到達した被験者は何れの場合 1名(1年2名, 0名, 完全解7点が1 でも2割に満た ない. 得点の分布は総数176名の内, 0 点が11 表12 問題6の 各間における 各水準の到達度 問の番号. (%). ③. ②. ①. 第2水準. 第1水準. 1. 年. 16. 3. 8. 5. 8. O. 5. 2. 年. 16. 11. 18. 4. 16. 3. 10 8. 第1水準. 第2水準. 第3水準. 第1水準. 第2水準. 男. 子. 13. 7. 13. 5. 11. 2. 女. 子. 19. 8. 13. 4. 13. 1. 6. 全. 体. 16. 7. 13. 5. 12. 2. 7. 表13 問題6の得点の状 況 平. 均. 標準偏差 平 均 差 140. IM. IF. 2M. 2F. 1. 2. M. F. T. 0,75 1.51. 0,82 1.71. 1.55. 1.55 2.19. 0.78. 1.55 2.37. 1.16 2,11. 1.19 2.00. 1.17 2.06. 2.50. 1年-2年間1%で有意. 1.60.
(12) . 生徒の数学的能力の構成. 2年9名. また男子7名, 女子4名) である. 学年間に平均の差が認められることは本題の場合注 目に値する. 1年間の学習は, 知識・技能や問題解決の技巧の獲得の外にも, 着実に数学的能力 の. 伸張に役立っていることを示すと考えてよいのだろうか. さらにこの結果で特徴的なのは, 統計的 に有意ではないにしても, 女子が男子に対して優位にあることである. 他の問題と比べて逆である だけに, 女子の数学的能力の性格について示唆するところがあるかも知れない. 4. 変量に対する総合的考察 この節では調査に用いた各問題の得点及び基礎資料としての知能偏差値, 標準学力検査の得点を 変量として, 主として相関分析の手法による考察をする. 統計的処理の方法については芝8に 拠っ た 所が多い。. 始めに以下の分析の基礎となる学年毎の相関行列を示す。 (表14 ) 表中の変量は, 1~6 , 表15 がその番号の調査問題の得点 であり, 7, 8はそれぞれ第2節に述べた被験者の知能と学力を表す. 変量である。因みにある中学校の第2学年 で6カ月の間に行われた数回の数学学力テストについて, その間の相関係数を調べたところ何れも 0 .8前後の高い値であっ た. 条件が大きく異なることを割. 引いても, 表に示されている値はかなり小さいことがわかる.. 4。 1 主成分分析 変量1~6の間の相関が低いことから, テスト全体の構造が複雑でこれを少数の因子によって説 表1 4 相関行列 (1年) . ← n ‘ Q U ▲ 4 r G ワ o. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 1 ,222 .112. .364 ヘ リ .164 U ,096 f .394 X U ,104. 1 .046 .375 ,049 .017 ,215 ,265. 1 -.041. 1. .056 .147. ,199 .048. .033 .089. ,437 ,235. 1 ,130 ,312 ,253. 1 ,210 ,233. 1 .267. 1. 表1 5 相関行列 (2年) . ← リ ム. 1. 2. 3. 4 ,. 5. 6. 7. 8. I. .084 リ t リ - -.080 ハ ー .266 に り ,203 《 U ,066 ヮ 十 ,252 o x U ,136. 1 .119 .215 ,201 .075 .140 ,433. 1 .050 - -.020 .042 ,125. ● .044. 1. 1 .133 ,149. - -.047. ,244 - -,062. .129 ,172. 1 1 .053 .083. I .342. 1 141.
(13) . 佐々 木. 幸. 一. 明できないことが予想されるが, このことは主成分分析の結果を表す表16で明らかである. 実際第 1・第2合成変量による寄与は両学年において50%に満たず, 第3以下の合成変量においても累積 寄与率が急に高まることがなく, 抽出の限界である第6合成変量ま でがほぼ10%の寄与率を保持し. ている. 本調査の各問題が測定しようとした能力の多様性が示されていると考えられる. なお両学 年に共通に見られる特徴として, 第1合成変量と第1, 2, 4, 5変量, 第2合成変量と第3, 6 変量の相関が高いことが挙げられる. 表1 6 主成分分析の結果 1 合成変量番号 固. 有. 1. 値. 2. 1.76 1.17. 年. 2. 4. 5. 6. 95. 83. 74. 54 L59 1.13 1.04. ,70 .02 .62 --.32. 構造ベ クト ル. (相. 関. 2 比). 4. 2. 2. 3. 4. 5. 6. β3. 76. 66. .08 -,15 -,63 .28 .37 .19 .48 .32 ,18 ,66 .57 -,40 .13 -,17 .76 -.31 -.07 .07 -.01 -.60 .45 .29 -.68 -.39 .30 .13 .26 ,67 -.13 .68 -.02 .01. ,61 -.40 -.25 .40 .15 .47 .59 ,29 .37 -,44 -.36 .34 ,10 .75 .37 .47 .29 ,04 .70 .10 -.22 .27 .40 -.47 .54 -.35 .45 -.22 .49 -.30 .28 .44 -,68 -,37 .36 -.01. .29. .26. .20. .16. .14. .12. .09 .52. .09 -.18 -,86 .39 .22 ,65 .60 .60 -.48 .18 -.31 4 - 2 6 - 3 . .08 .09 -.02 ‐1.03 . 2 5 2 5 - , . ,71 -,47 .41 .23 1 5 - 5 7 .14 ,82 -.03 ,01 . , ,40 ,01 .35 -.28 .10 .57. 標準重みベクトル. 1. 年. 3. .19. .17. .14. .13. .11. .38 -,36 -.24 .49 .20 .72 .37 .26 ,35 ….53 -,47 .52 .06 .66 .35 .56 .38 .07 .44 .08 -.21 .33 -.52 -.72 ,34 -.31 .44 -.27 .64 -.45 .18 .39 -.65 -,45 .48 -.01. 因子分析. 前項と同様の観点 での分析を因子分析法によって行うとやや異なる結果を得る.表17は第1~第 表17 因子分析の結果 変 量 1 ← 1. リ ム Q U. 年. リ ム Q J. 子. 1 1. 1 1 1. 共通 性. .45 ,50. .18 .04. .22 -.02 .02. .29 .25. .01. .32. .35 .28. -.28 .21. .07 .55 仁 ヘ リ 01 《 U . 2 .3 A ,. 年. 因 1. .03 .40 ▲ ” ’ 69 -.12 . に りだ n U .12 .07 丁 ▲. 2. 表18 グルー プ主軸法による分 析. .40 .02 .05. .08. .28 .40. ,16 .57. .25. .18 .16. ,24 .29. .26 .21. .01 .18. .70 -.07. .17 .34. 構造ベ クトル. 標準重みベクトル. .49 ,06. 両変量の相関係数. 142. 年. 2. 年. 3,6 .14. 1,4,6. 2,5 .19. .00 .12. .78 .17. 1. 指定する変量の番号 1,2,4 .67 .71 .05. .04 .76. .71 .20 .00. .07. .76. .48. .02. .43 .43. ,00 .00. .53 .00. ,00 .65. .00 .00. .00 .66. .81 .19. .00 .49. .66 .00. .08. .00 .58. .00 .36. .78 ,06 .22 ,78. .00 .00. .65 .00. .24.
(14) . 生徒の数学的能力の構成. imax 法によって回転を行っ た結果 1因子ま でを抽出した後,Va 6変量から最小残差法によって第1 1 r である。 これによれば, 因子1は1年では変量1, 2, 4に, 2 年 では 1, 4, 6に高い負荷をも. ち, また因子1 1は1年 で変量3, 6に, 2年 では変量の4のみに高い負荷をもつ, また因子1 1 1は1 負 年では変量5のみに, 2年では変量2, 5 に 高 い 荷 をも つ こ と が わ か る. こ の こ と か ら, 変 量 1. ~変量6の内1年 では {1, 2, 4} と {3, 6} と を, 2年 では {1, 4, 6} と {2, 5} と を指定して, グルー プ主軸法により再度合成変量を求めてみると表18の結果を得る, 両学年ともグ ルー プ間の相関 が低く, 特に1年生の段階では変量1, 2, 4と変量3, 6との表す能力特性がほ ぼ独立したものであることが認められる. なお, 問題1, 2, 4は可能な多数の解の内できるだけ. 多くを見出すという, ある程度拡散的思考の要素を含む型であり, 問題3, 6は規則を発見する, 集中的思考の要素の大きいものであっ た. 4。 3 知能・学力との関係 個々の問題の得点を表す変量と知能・学力 との間の相関は既に見たように高いものではないが,. 6個の変量に適切な重 みをつけて合成変量を作ることにより相関を高めることができる. ここでは 各問題の粗点を 為, 物, ……, 旋, 知能偏差値, 学力検査粗点をそれぞれ 為, 旋で表し, 為, 物, ……. 為を予測変量, また 為, 為を順次個別に基準変量として重相関係数, 偏回帰方程式を求め, その結果 を表19に示した. これによれば重相関係数は2年の知能を基準変量とする場合が0, 35とやや低い. 外は,0.5に近い値となっている. また 飾, 旋を予測する式において, 各変量の平均値と偏相関係数 との積を求めることにより, 1年の場合は何れも 箱,為,旋の寄与が大きく, 2年の 為の予測 では ね. 欲, 為 の, 滋 の予 測 では 物, 為, 為の 寄 与 が 大 き い こ と が わ かる。. 表1 9 知能及び学力を基準変量とする重相関法による分析 基準変量 構造ベクトル 標準重みベクトル 1 知能偏差値 重相関係数 偏回帰方程式 予測例(括弧内実現値). ,74 .13. ,40 .11. ,06 ,00. .82 .63. .58 ,39. .39 .30. 構造ベクトル 標準重みベクトル 学 力 粗 点 重相関係数 偏回帰方程式 予測例. ,24 -.60 ,43. .61 .53. ,21 ,17. ,54 ,45. .58 .49. .54 .47. 構造ベクトル 標準重みベクトル 2 知能偏差値 重相関係数 偏回帰方程式 予測例. .72 .58. .40 .17. .36 .36. .70 ,46. .37 ,16. .15 .03. ,27 ,27. ,87 .90. ,09 ,02. -.13 -.44. .35 .18. ,17 ,16. 年. 年. 構造ベクトル 標準重みベクトル 学 力 粗 点 重相関係数 偏回帰方程式 予測例. .54 x7=.51x,十,27x2十.0ox3+1.14x4十,96x5十,72x6十49,2 54.2(54) , 59.0(53) , 63.7(66) , … ….“. 3, 1 2 4x x8= -2.46x.十1,40x2十.87x3十,86x4十1,30x5+1. 6十5 . . . 55,1(55) , , , 62,4(57) , 62.3(76) , .-,. .35 x7=.99x,十.23x2+1.16x3十.49x4十.24x5十.02x6十51.9 65.3(63) , 58.6(66) , 60,8(55) , … ……. ,50 3 3x6十46 x8=1,12x.十2.92x2+1.67x3-1,14x4十,65x5十. .6 . , 66,9(53) .--. , 55,7(50) , 64,4(73) ,.. 143.
(15) . 佐々 木 幸. 一. 表20 知能と学力の影響を除いた相関 2 恋 ′ 1. 一 ÷ . 上 n 4 Q リ. .14 .10. 年. 2. 3. 4. 5. 6. .03. -.11 .10. .22 .26. .17 .13. .05 .04 .04. .02 2 2 . h U .29 r へ Vハ -.06 .04 0 1 - . .07 ▲ 4. 年. 1. -.07 .03 .13. .02. -,04 .13. .04 -.07. .15 -.06. .03. 1 独創性得点 表2 平. 均. 標準偏差 平均差. IM. IF. 2M. 2F. I. 2. M. F. T. 0.89 0.95. 0.69 1.05. 0.91 0.99. 1.09 1.13. 0.80 1.00. 1.01 1.05. 0.92 0.97. 0.89 1.11. 0.91 1.03. 有意差なし. 続いて, 尤 も 吃, ……, 為相互の間の相関関係から, 知能と学力によって表される変動の影響を取 り除くことを試みよう. 2つの問題の得点が知能と学力の変量から共に影響を受け, 本来この両得 点に本質的でない見掛けの相関関係が形成されることがあるからで, 方法は偏相関法を用いること. になる. 表2 0は, 表14及び表15に示された相関行列から知能と学力の影響を除いた偏相関係数を 表す (対角線の下が1年, 上が2年に 対するもの) が, これによれば全体に相関係数は 0 .1以内程. 度の小幅の減少を示すに止まり,例外的に0.16の減少が見られるに過 ぎない.特に2年 では変量2, 4間に0.04の増加が見られる外, 変量3と6, 変量4と5, 変量4と6には前後において変化がな. く(これは1年には見られない現象である) , これらの一連の結果から, 本調査に用いた問題は知能 や学力との関係の少ない, 換言すればこれらが表す能力と異なる能力を測る機能をもっといえるだ ろう.. 4. 4 独創性 問題1, 2, 4, 5に対しては, 創造性テストにおける方法を踏襲して独創性得点を考えること. 9 )の 規 準に 従 っ て 妥 当 な 解 の 内 出 現 率 が そ の 学 年 内 で が でき る. 問 題 1, 2, 5 に お い て は Balka , 5 % 未 満 で あ っ た も の に つ い て 1 点, 2%未満であったものについて1点を与える また問題4 で. . は, 可能な10種の解の内出現率第1 0位のものが他と掛け離れて少ない発見数 であっ たことに留意 し, その出現率自体は1年 で15%, 2年 で1 9%と他の問題の場合に比べて高率であるが, 独創性得 点1点を与えることにした. ここで4題における独創性得点の合計点を考えることにすると, 1年 ではその51%が, また2年 ではその38%が0点 であり, 最高点は4点で両学年各1名 である.平均及び標準偏差は表21の通り. で何れの被験者区分の間にも有無の差は見られないが, 学年差が示唆される外, 2年女子が2年男 子に対して優位にあるのが目立つ.また知能との間の相関係数は1年,2年 でそれぞれ0 .19及び0 .. 14 , 学力との間ではそれぞれ0.16 ,-0.02となり何れも低い値で, 両者を比べれば知能との相関の 方が僅かに高いが, この検査方法における独創性は知能偏差値や 学力粗点とは殆んど関係がないと い え る.. 144.
(16) . 生徒の数学的能力の構成. 5. ま. と. め. 調査に用いた問題は,.問題3の②が見掛け上やや数学らしくないことを唯一の例外として, すべ てが数学的な形態を備えた設問であると認めてよいであろう. それにも拘らず調査の結果は考察の 各所で触れたように通常の知能や数学学力と一致しない場合が多い。 その原因の可能性としては,. これらの設問の内容が本来学習によって習得される事柄で, それが学習されていないために, 学習 された内容についての達成を測る数学学力検査の結果とは 異なるのであるという説明があり得るだ ろう, しかし, 各問題を通して必要な事項はすべて基礎的なものに限られ, これが学習されていれ ば決定的に有利だという未習事項は見当らない, この理由から筆者は, この調査研究が生徒に潜在. する数学的能力を検出するという当初の目的に, 少なくとも第1近似の意味で合致すると考える, 各問題が如何なる数学的能力を測り得るかについては一応の推定をしてきたが, 明らかでない点. が多い。 しかし, 例えば拡散的思考の要素が大きいと考えられる問題1と問題5, 及び高度な思考 力を要すると考えられる問題6では, 学年による差が著しいという共通な点が見られる. 1年間の. 学習経験の差によると考えるならば, この間に問題に対して有利になる事項を学習しているわけで はないのだから, 現在の教育内容と指導法が知識・技能の注入に終っているのではなく, 数学的能 力を実際高めていることになる。 また他方 ではこの現象を発達の過程と見る立場もあろう. 何れに しても問題として残る所である。. 次に性差について考察する.調査の結果全体を通して統計的に性差が認められる場合は皆無だが, 標本数を増すことによって有意の差が現れることを示唆する幾つかの場合があることは指摘してお. いた通りである. 単純に平均の大小によって比較するとき, 学年合併で女子が優るのは問題6の場 合のみ であるが, この問題の性格からみてこの事実は注目される。 特に1年女子は他では問題3を 除いてすべて1年男子より劣っているのに, この問題 では男子より優るのである. また2年女子は. 問題1~問題6, 及び独創性得点の中で, 問題1と独創性において2年男子に差をつけ, 問題5と 問題6では同点を保っている. つまり2年女子が得意とするのは, 拡散的思考に関わるもの, 高度 の集中・直観を要するもの, 独創性を表すものについてであっ た. 1年女子にこの傾向が強くは現 れていないので, 標本の偏りも考えられここでは事実の指摘に止めるが, 興味のもたれる事柄 であ る.. 調査の各問題が測る数学的能力の間に相異があることは, 相関行列のデータから一応は肯定的に 理解できそう であるが, この点については甚だ不透明な結果しか得られなかったし, 数学的能力の 構造に関わる問題であるので, 大きな課題として残されることになる.. 終りに, 資料の提供について協力を惜しまれなかった北海道教育大学附属旭川中学校の好意に対 し厚く感謝の意を表する次第である。. 145.
(17) . 佐々 木 幸. く注〉 ” i l i iv i i 1973 tyandCreat tyin Mathemat ) cs ewofEduc 1) L.R.Aiken,“Abi .405一432 . .Research ,pp , Rev ,43 ,( ) 9 19 76 3一7 2) 佐伯卓也 数学における創造性とその測定について 日本教科教育学会誌 第1巻第1号( .7 ,pp . ” t “ i i i tyin Mathemat i 3) J l sofCreat v 1975 cs ) .A.Dunn .J . Math .Educ .Sc , Tes , lnt .Techno . .327- ,6 ,( ,pp 332 . “ ionand Useofa Tes 4) H.L.Prouse t t in Aspect tf iv i ta ruc ty ortheMeasurementofCer sofCreat , TheCons “ 1964 i i I Di iv ) n Seventh ‐Grade Mathemat cs s s . .oflowa ,( . ,Doctora ,Un ” “1962 iv i l l igence l ty andlnt ) 5)J e ey . W.Getzelsand P. W.jackson, Creat . ,( ,London: Wi ”Examinat ’ ’ Mathemat i d A i T i t 1968 tNo14( 6) D.S.Fielker o n sa n s s e s s m e n c s e ach ia ng Pamphl ) e soc , , ,As i i [ t onof Teache rsofM athem ー at cs . . ” ses ” ing Mathemat i ITh inki i l i i l f t thGradeStudent 7) A.A.Hiatt s ng Ab ca esofSixth s , As ,Ninthand Twe , IDi i 1970 i l i forn tora ( ) s s a v . .ofCa . ,Doc , Un. 8) 芝 祐順 行動科学における相関分析法 ( ) 1 9 7 5 , 東京大学出版会.. “ “ 19 4 lka l 9) D.S i i t l i opmentofanlns tyi rumentto measure Creat i ve Ab n Mathemat cs .Ba , The Deve , , ( 7) Doctora IDi U i f 1 i i 6 5 s s n v o s u r s o . . , .p . .. (本学教授・旭川分校). 146.
(18)
関連したドキュメント
○本時のねらい これまでの学習を基に、ユニットテーマについて話し合い、自分の考えをまとめる 学習活動 時間 主な発問、予想される生徒の姿
つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五
ピアノの学習を取り入れる際に必ず提起される
各テーマ領域ではすべての変数につきできるだけ連続変量に表現してある。そのため
を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に
を育成することを使命としており、その実現に向けて、すべての学生が卒業時に学部の区別なく共通に
学年進行による差異については「全てに出席」および「出席重視派」は数ポイント以内の変動で