康管理を意識した行動選択ができていると考えられる。学校再開時の子供たちの健康状態は良好であり、 家庭中心の生活から学校生活へとスムーズに移行できていた。生活点検の実施により、親子で1週間単 位の生活を振り返りながら、個に応じた新しい小さな目標の積み重ねができていた。その結果、規則正し い生活と健康管理のモチベーションを維持することにつながり、成果があったと推察される。本校は小 規模校の利点を生かし、全校児童が集合しての活動や異年齢の縦割り活動が可能である。その中で6年 生はリーダーとしての意識が高く、自主的かつ積極的に活動している。子供たちは感染症予防対策を講 じた活動計画を工夫し、実際の活動場面では、ソーシャルディスタンスの見本を示し、呼びかけながら、 下級生たちの良いモデリングができている。これにより、全校児童が集団の中で、自己と周囲の健康を意 識した行動がとれるようになっている。こうして、新しい生活様式を取り入れた縦割り活動を本校の伝 統として、次世代に引き継いでいく基礎を構築できたと思われる。コロナ禍において、子供たちの健康管 理や健康診断をはじめ、保健室の役割を再考せざるを得ない状況である。チーム学校として保健室が重 要な位置に置かれていることや、重責を担っていることを実感し た一年であった。 今後も子供たちが笑顔で元気に本来の力を発揮できるように、 その根底には、常に『みんなの命を守るために、今自分ができる ことは何か』を考えて行動する子供たちの育成をめざして、保護 者・地域・隣接幼稚園・学校の連携を深めながら、時代に即した 学校保健活動を模索し、保健室を機能させていきたい。 (写真:ソーシャルディスタンスを可視化し玄関に掲示) 6.まとめ 令和 2 年度は、「感染症予防に対応した保健室の役割について」をテーマにして大学、附属3校、公立 学校の 3 者間で共同研究を実施した。今年度は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、本来実施し ななければならないルーチン業務に上乗せして非常的な対応が求められた 1 年であった。こうしたなか、 それぞれの校種で適切な感染症予防の対応ができたことでいずれの学校でも感染者を未然に防ぐことが できた。文科省が示す「現代的健康課題を抱える子供たちへの支援~養護教諭の役割を中心にして~令 和 29 年 3 月」報告書において養護教諭の役割は、「児童生徒の健康課題を的確に早期発見し、課題に応 じた支援を行うことのみならず、全ての児童生徒が生涯にわたって健康な生活を送るために必要な力を 育成するための取組を、他の教職員と連携しつつ日常的に行うことが重要である。また家庭・地域と連携 しつつ、日常的に、「心身の健康に関する知識・技能」、「自己有用感・自己肯定感(自尊 感情)」、「自ら 意思決定・行動選択する力」、「他者と関わる力」を育成する取組を実施しなければならない。」としてい る。今回の感染症予防に対応した保健室の取り組みは、「養護教諭」としての力量を発揮し、「チームとし ての学校」に繋がったと考える。今後、さらに感染症予防対策の具体的で効果的な方法を情報共有し連携 していきたい。また学校保健に関する様々な課題解決に向けて、大学と附属学校養護教諭、公立学校との 連携をこれまで以上に強化していきたい。
附属校・公立学校との連携事業活動概要報告書
学び方から広がる複式教育
【共同研究者】川村 繁博(和歌山大学附属小学校)古久保 功(田辺市立龍神小学校長) 中西 大(和歌山大学附属小学校)平井 千恵 (和歌山大学附属小学校) 西口 裕子(和歌山市立鳴滝小学校)上辻 智恵美(海南市立巽小学校) 木下 雄生(和歌山市立雑賀崎小学校)中川 珠奈 (和歌山市立加太小学校) 【研究代表者】森下 まちこ(和歌山大学教職大学院) 1.はじめに 本研究は、和歌山大学教育学部の地域連携事業として、和歌山市内はもちろん県内・泉南 地域の学校の教員が連携し、実践的な研究を行うことを目的としている。 本年度は、研究者に新たに2名(2校)が加わり、計8名(6校)でのスタートとなった。 県下では少子化が進み、過去 5 年間の推移をみると、小学校においては学校数が、年々増 えてきている。このような状況下で、少人数ではあっても個々あるいは集団としての学びを 広げ深める複式教育の具体的な実践方法について探っていくことが大きな課題であると考え 昨年に続き、本研究に取り組みたいと考えていた。昨年度末に研究部会を開いた折、本年度 の反省と次年度の取り組みについて話し合った。そこでは、複数の学校で授業公開をし、協 議を重ねていこうとなっていたが、新型コロナ感染拡大状況は良くならず、今年度の計画を ほぼ実践につなげることができなかった。 2.活動の概要 大阪府下、和歌山県下から下記の通り複数校の視察依頼(授業参観及び協議会の実施) を附属小学校が受け入れ、地域貢献を果たしたといえる。 協議会では、カリキュラム編成、教員配置、学び方の指導、司会,記録,フォロワーの役 割や定義、直接指導・間接指導などについての質疑応答があった。 7 月 和歌山県教育センター学びの丘視察 11 月 田辺市立近野小学校視察 12 月 岬町立多奈川小学校視察 海南市立北野上小学校視察 田辺市立近野小学校視察 和歌山県教育センター学びの丘 研修用授業動画撮影 1 月 県教育委員会複式教育資料提供 また、1 月 22 日には、田辺市立龍神小学校において算数教育研修会があり、5・6年生複 式学級の研究授業及び協議会が開催され、参加した。 ─ 215 ─3.本年度の取組から 本年10月、附属小学校平井千恵教諭が5・6 年複式学級において国語科の授業を公開した。 5年生は「たずねびと」、6年生は「やまなし」。いずれも、言語活動に「作者になってあとが きを書こう」を設定した。その取組みの中で、『学習メニュー』が話題にのぼった。 以下、実践を終えての平井教諭の振り返りを載せたいと思う。 本学級は複式学級である。そのため,学習を進めるために,その日に行う授業の進め方を記 した学習メニューを配布している。子どもはこの学習メニューを読みながら授業を進めるため, 教師の出はほとんど必要なくなり,子どもが主体的に学習を進められるようになってきている。 ただ、本時においては,5年生の学習メニューの課題設定に難しさがあったため,教師の出 が多くなり,反省の残る授業展開となった。もっとめあてに沿って物語全体から考えるような 課題設定にする必要があった。 令和2 年度 共同研究事業成果報告書