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ブランド選択の評価基準について -- S. H. リウオルトの所説を中心として

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(1)ブランド選択の評価基準について ―S.Hリウオルトの所説を中心として 一�. 杉. 1.. は. じ. 本 め. 達. 哉. に. この10年間ほどのあいだに, 戦略という考え方が経営学関係の文献に次第 に認められるようになってきた。 経営戦略, 製品ライン戦略などを扱う文献 が数多く現われてきている。 このように関心が高まってきたのは, グ,. ゴー イン. コンサ ー ンとしてf拾要者充足, 供給者利副を極大化してゆくためには,. さらになんらかの忍思決定ル ー ルが必要であることが理解されるようになっ てきたからである。 プランドの戦略に閲しても例外ではない。 製品ラインの 拡張によりマ ー ケティング・マネ ー ジャ. ー. にとっては, プランドによる差別. 化戦略の必要性 • 重要性が増大するのである。 このような事伯にかんがみ本 稿では,. リウオルト (Rewoldt) らの所説を中心として,. 別ブランドか,. 統一 ブランドか個. ミックス・ブラント政策かの製造業者のブランド選択におけ. る考J、は事禎について概述する !) 。. その前虹としてブランドの本質, 分類につ. いてふれることにする。 1) Stewart H. Rewoldt, James D. Scott ard Martin R. Warshaw. Intro­ duction to Marketing Management text and case 1969.. 2.. プランドの本質. 周知のごとく, ブランドについては種々の定義がなされている。 しかしこ れら定義の違いは, 観点ないしは表現の相迩からくるものであり, 帰すると ころ各供給者の商品を相互に区別する目印であるとの 同 一 結論に達してい - 69 (2411) -.

(2) る。 即ちブランドとは, 製品それ自体や製品の包装やレ ー プルにつけられ, 他の業者の それらと区別することを基本的な 目的とした名称, 言葉, サ イ ン, シンボル, デザインあるいはそれらの結合である。 このブランド発生の起源は, 古代ギ リシヤ, ロ ー マ にも求められるが, 顕 著にみられるようになったのは, 中世の経済的象徴たるギルドにおいてであ る。 しかしながら, この期におけ るブランドは, 権利としてのプランドより もむしろ義務としてのプランドであった。 その後交通の発達による製品販路 の拡大, 激増する需要によりエ匠ギルドが変貌し, 19世紀の後半に至って今 日みられるようなプランドが出現したのである。 すなわちメ. ー. カー は, 大量生産, 製品種類の多梯化により, 積極的な販売. 打開策に迫られ, しかもメ れるにつれ,. ー. カ ー と消費者とが次第に隔離される傾向がみら. 自己の商品を他人の商品と識別させるための手段として用いる. ようになったのである。 しかもこのような プランドは,. 製品の特徴とともに消費者の注意をひき. つけ, 顧客の購買選択と継続的購入の基準となり,. プランドロイヤルテイ. (Brand Royalty) ないしは制度的プランド選好1' (Institutional Brand Preference) を育てて, その企業の顧客系列化に役立ち, その製品の販売を 増進させる機能をも有することとなったのである。 このことは, マッカー シ 2 ガム (Cunningham) ' J の調査研究がよ く示めすとこ (Mccartny) 'やカニン ろでである。 セ. ー. したがって近代の営業におけ るブランドの価値は,. 「物いわぬ. ルスマン」 (Silent Salesman)として商品に対するグットウィル (Goo d. Will)を確立し, かつ永続させることによって明白となった。 以上のことからプランドは, 自他商品識別作用をその生命とする。 しかも プランド品が優良品質と結びつくことによって, 経済的諸機能を発揮して顧 客を獲得し, さらに製品ラインの拡張を可能ならしめるのである。 1) Staudt and Taylor A Managerial Introduotion to Marketing, 1965, p. 153. - 70 (2412) -.

(3) 2) E. J. Mccarthy, Basic Marketing-A Managerial Approach, 1960, pp. 77—79. 3) R. M. Cunningham, Brand Royalty. Harvard Business Review, Jan-Feb 1956, p. 117. 3.. プランドの分類. プランドはいろいろな基準によ って分類されるが, 一般に, 所有による区 分, プランド品の版光地域による区分, ブランドが適用される商品の品種に よる区分などがあげられる。 (1). 所有による区分. ①. 製造業者プランド(Manufactur's Brand )。. 製造業者が所有するブランドという場合この製造業者ブランドをさす。 ア メリカでは, ナショナル・ブランド( National Brand ) ともよばれている。 ②. 販売業者ブランド(Distributor's Brand ). 卸売文者または小売業者が所有するブランドで私的プランドともよばれ, 前記のナショナル・ブランドに対比して, プライベート・ プランド(Private Brand ) ともよばれている。 ③. ミックス・ブランド (Mix Brand ). 製造業者が自己の脳j品について, ナショナル・プランドと, 販完菜者に対 しプライベ ー ト・プランドを供給する場合である。 (2). ブランドの販売地域による区分 ①. 全国 プランド. 全国的に広告されプロモ ー トされているブランドで,. 一. 般に製造業者のブ. ランドに限られる。 ②. 地方ブランド ゜. ー地域ないしは数地域のみに広告されフ ロモ ー トされるブランドである。 - 71 (2413) -.

(4) (3). プランドが適用される商品の品種による区分. ①. 統ープラ ンド( Family Brand ). ー企業の全商品に共通的なプランドで, 単ープランドともよばれる。 ②. 個別プランド(Ind ivid ual Brand ). 各個別の商品に, それぞれのプランドが使われる場合のプランドで,. これ. はまた複数ブランドとよばれる垢合もある。 この場合は, ひとつの裔品ライ ン, あるいはひとつの廂品分類別について統ープランドを用いるが, 会社全 体としては, このようなグル ー プとしての統一ブランドがいくつか存在する という以合の認味に用いられる。 (4). ブランド所有者にとっての重要性の度合による区分. ①. 第ー プランド, 主カブランド. その企業の中心となり, 第一 の重要性をもって広告, l阪必がなされている ブランドである。 ②. 第ニブランド, 副次ブランド. 第ーブランドに対して二 次的に用いられるブランドである。 以上がプランドの分類としてあげられるが, それらのいずれを採用するか が重要な問屈となる ことはいうまでもない。 その決定は, ブランドが儒要の 創造, 刺激, 強化, 維持 I) の段階を援助するべく企画された非価格競争手段 となるため, 企業経営の成否にかかわる重要な鍵となる。 ジョンソン(Johnson)は, ブランドによる製品の促進は 次の三つの方法 において, n判費者の購買行動に彩評するとのべている叫 (1). プランド固執に尋< 消費者が, 特定のブランドを求め, 他のブランドのものは賠入しない. という態度。 (2). プランド選択に芍< ある特定のブランドを指定するか, それがない場合は他のブランドを - 72(2414) -.

(5) 選択して買う態度。 (3). プランド認知に導く 購入しようとする ブランドに ついての 2. 3の プランドは知っている が, とくにどのプランドを固執することもなけ れば, また選択しようと も思わないもっとも弱い態度。. さて プランドの このような重要性を認識するマ ー ケティングマ ネ ー ジャ ー は, 上述のごと<' いかに市場性のある プランドを企画するか, 製品の各種 類にどのような プランドをつけるかを問題とする。 とくに経営の多角化が進 み, 製品種類の多梯化によって同 一 企業でつくられる製品がふえてくると, 他商品とのI剥辿をいかにするかということがブランド選択にあたって無視し えないことになる。 かくのごとき複数商品に対するブランド政策の一 つとし て, 統一 プランド, 個別プランドの採用があげられる。 1) Ebward Cundiff and Richard R. Still, Basic MarketingーConcept, Environment and Decision 1964, pp. 431-432 2) Lewiss K Johnson, Sales and Marketing Management 1957, pp. 81ー 83. 4.. 統 ー プランドか個別プランドか. 統ー プランドが採用されるのは,. 一. 般にある有標品に確立されているグッ. ト ウイルが他の新らしい商品にもよい影聾を与えうるであろうという判断に 基づいて行なわれる。 すなわち, 消費者の一 般化選好 (Generalized Preferences) の考殴にもと づくものである。. この一般化選好に関しては, フ ライ (Fry)の研究 I) があ. げられる。 フ ライは,. Delmonte. の A 商品(桃の罐詰)と'. B 商品(とうもろこしの. 罐詰)を用いて両商品共に購入した消費者の比率と, A裔品又は B商品のみ 買った消般者の比率を確率を用いて比較した。 彼はA商品, B商品を購入し - 73(2415)-.

(6) た消費者を母集団と して, その母集団からランダムに抽出された消費者が,. A, B 両方の商品について, そのフ ア ミリ (A1 , B1 )と する。 同 様に,. ー. ・プランドを購入する確率を P. P (A1) P (B1)によって, ランダムに抽出さ. れた消費者がA尚品, B窃品のおのおのにおいて, そのフ ア ミ リー ・プラン ドを購入する限界確率を示すものと する。 そして次の式が成立する場合,. 一. 般化選好が存在すると いうのである。. P (A1, B1)> P (ふ)• P (B1) 彼 はこの分析により,. Delmonte の製品に はきわめて強い一 般化選好があ. ること を実証した。 しかしながらこの研究は, 統一プランドか個別プランド かの比較選択考慮と しては, 殆んど役立たない。 すなわち, 統一 プランドの 部分的有利さを示めすにおわっており, 選択の問頌を解決するためには更に 重要な広い観点からの考慮が要請されるからである。 リウオルト (Rewoldt) は, 統一ブランドを選ぶか, かの限本的要因と しては,. 上述の既存の 製品と の. 個別プランドを選ぶ. 一. 般化 (Generalization). と , 新製品を市場に淳入するさいの 効率 (Efficiency) ないしは, その特異 性 (Distinctiveness) の二面からまず考慮しなけ ればならないと する。. リウ. オルト は, これらの問題に関し実例をもって説明している。 以下にそれを概 述しよう。 まず 一 般化の面からは第1に, 新製品が既存の製品ラインと 同 じタイプの ものであるかを問題と する。 彼は, Delmonte ゃ Kleenex を引用し, 別の品 目であっても同ーラインにある製品は, 既存ブランドのすぐれたイメ. ー. ジを. 利用し, 統一プランドが付せられること が多いが, 逆に関連性のない品目に は, 個別プランドが付せられること が多いと する。 第 2に, 新製品が既存製品の品質価格と 類似しているか, もしそうであれ ば, 統一 プランドを付すこと により既存製品と 結びついていたイメ. ー. ジが新. 製品を連想させ, 販売量の増大を期待しうる。 例へば, プルックス ・ レッド フ オード会社 (Brooks Ledford Co)は, 女性用のすぐれた整髪料を Galaxy - 7 4(2416) -.

(7) のプランドのもとに売り出し, 女性のブランドロイヤルテイを獲得し, さら に 6年後にはヘア ー スプ レィをGalax y の統ーブランドのもとで販売し, 約 11ヶ月でこの業界では最高の成績を収めている。 第3に, 新製品の使用方法, 効用, 購買動機が既存製品のそれらと同 じで あるか。 スタンダート ・ブランズ会社(Stand ard Brand s °ー. の レッテルのもとにヒ. ナツを販売していたが,. Co) は, Planters. 1968年五つのスナック製品. を開発した。 これはいずれも味覚的に同 じであるので, 統一プランドのもと で販売され好成績を収めている。 またプ)レックス ・ レッドフオ ー ド会社は, 整髪料の製造会社であったが, 新製品ワックスを製造し, 使用方法, 効用, 購買動機が異るので個別プランドを使用している。 第 4 に, 新製品が既存製品と同じ需要者であるか。 例えばIvory は, 石鹸 と洗浄剤とを販売しているが, これらは使用方法が異るため前述の基準に使 うべきであるが, すなわち個別プランドを用いるべきであるが, 需要者が同 ーであるため統一 ブランドがつかわれている。 更に先のプルックス ・ レッド フ ォ ー ド会社は,. 1959 年に男性用整髪料を 製造し, 個別ブランド Jupiter. Dressing として販売し, この業界ではかなりの成績をあげている。 次に新製品を遅入するさいの効率のめんからは, 第1に, 新製品が既存製品の販路と同 じであるかを問題とする。 もし小売 業者が既存プランドを好む場合には, 新たなプランド品よりも従来のブラン ド品を仕入れることとなるが, 全く新しい販路を使用しなけ ればならないと きには, 既存のプランドイメ. ー. ジを拡張することができないため, 個別ブラ. ンドを使用する。 第2は, 他の統一プランド品と密接な販売促進が可能である場合, 例えば アヴォン会社. (Avon Co.) は, 300 品目の化粧品を Avon という統一 ブラン. ドで販売しており, セ ー ルスマ ンが訪問販売のさいに, 新製品のみならず既 存製品も販売しているが, これは小企業の販売促進費の削減にきわめて効果 的であったとされている。. - 75 (2417) -.

(8) 以上一般化, 効率化の観点から, 個別プランド統一 ブランドの選定要因を まとめると次のごとくなる。 統一 ブランドの選定要囚 ①. 競争業者の製品ラインと同じタイプの場合。. ②. 製品の使用方法, 効用, 購買動機が同じ場合。. ③. 既存製品の品質, 価格と類似している場合。. ④. 需要者が同じである場合。. ⑤. 同じ販売経路を使用できる場合。. ⑥. 他の統一プランド品と密接な販売促進を行える場合。. 個別プランドの選定要因 ①. 競争業者のそれと比絞して独自性を有しており, 広告を用いるのに 有利な条件がある場合。. ②. 既存製品とは異る特徴, 長所を有する場合。. ③ 既存の品質より高いか, あるいは低い場合。 ④. 新市場を開拓しようとする場合。. ⑤. 既存の販売経路とは異る販売経路を使用する場合。. 以上統一プランドと個別プランドの選定をリウオルトにならい, 効率のめんから概述した。 しかし,. 一. 一. 般化と. 般化と効率からの検討をさらに究める. には, 上述の品質, 価格の側而をより深く考恋することが必要となる。 リウオルトによれば, 新製品が既存製品と同一 のタイプではあるが, 品質 的に優劣がみられる場合, 例えば熟知されたプランドネームのもとですぐれ た 品質の製品を販売している会社が,新たに中級製品を販売する場合には,統 ーブランドを付すべきであるとしている。 消費者は新製品を求めるとき, 既 存のすぐれた品質とむすびついているイメージから値下げ (Trad ing d own) と考えるため, 既存の製品の費用で販売量の増大が可能となるからである。 しかしこの場合において消費者が両者の品質の優劣を区別しうるか, 既存の すぐれた品質の製品とは異る販売経路を使用するか, 消費者の購入選定にあ. - 76 (2418) -.

(9) たってセ ー Jレスマ ンが どの程度助 言 し うるかの 3点 を考慮せ ね ばならない。 これらの問題について リウ オ ルト は, も し 見込客が そ の使用 によって品質 を評価 しうる時は, 低い価格品に失望 し, 既存製品のイメ. ー. ジ を悪化させる. ことになるとする。 し か し 消 費者が, 購買 時点で品質 を 評価 し うる時は, 既 存の製品を選ぶであろう し, 逆の場 合 は, 企業にとって新 し い市場,. ト. ー. タ. ル・マ ー ケ ッ ト の拡張を 意味することになるとする。 第 2の 問 題は,. 製造業者が 低い品質の 製品を,. デ ィ ス カ ウン ト ・ハ ウス. ゃ, 通 信販売店 を用 いて新 し いタイプの需要者 を 開 拓 し ようとすると き に生 ずる。 この場合見込客 は , 既存の製品と, 新製品を混同することになろう。 第 3の問題については, も し小売店が両方の製品を販売する場合, セ ー Jレ スマ ンは, 既存製品の優れた品質 を指摘 し , 購入させることがで き る。 この 場 合品質に関する混同は生じない。 されて いないときには,. し か し セ ー ルスマ ンが適 当 に訓 練, 監督. 見込客に対する充分な 説得を 行なうことはできな. い。 む し ろ彼等は, 既存の高価品の長所 を説明 せずに両者の 品質は殆んど同 じであり, 価格が安いことを理巾 に新製品をすすめることになる。 し たがっ てこの危険 をさけ るために は , セ ー ルスマンの訓練は勿 論のこと, 新製品の マ ー ジ ンを 既存の製 品より も 下げることが大切である。 さらに製造業者は, それら製品を 販売する店 口の期 待される行動の種類を肌市に評価せ ね ばなら な し ヽ。. 結 論と し て, 製造 文者が既存の製 品 ラ インに従来 よ り閻いか, 或いは低い 品質 を加え, かつ既存の製品の販売呈 を維持することを望む場 合には, 下氾 の よ うな要件 を満た し うるとき, 佃別プランドを付するのが理想とされる。 ①. 顧客が購買 時点で両製品問の区別が出来ないと き 。. ②. 品質が使用 をとお し て評価できると き 。. ③. 梢 費者が異った水準の品質 を扱う異った小克形態で, 購買するとみら. れるとき。 ④. セ ー ルスマ ンが販売上の困 難に遭遇 し たとき, 容易に低い品質の製品. - 77 (2419) -.

(10) の販売に ス ウ イ ッ チ し そ う なとき。 しか し 逆に, 既存の製品の品質が低く, 新製品の品質が高い場合には, そ の 目 標 が値上げ効果にあるときは, 統 一 プランドを用い積極的に販売促 進 を 行 う べきである。 こ の戦略のもとでは, 新製品の充分な販売量は達成できな いにせよ, その高い品質とむすびついたプ レ ス テ ィ. ー ジが既存の低い品質の. 製品の賭買 を刺激 し , 販売羅の増 加 を 生む こ とになるからである。 さらに前 述と同様に両製品の区別が 出 来えない, 使 用 をとお し ても品質 を判断 しえな ぃ, しかも既存の製品と販売経路が同 じ ときは, 個別ブランドを付すべきと される。 以上統ープランド, 個別プランドの選択について概述 したが, 最終的に問 題となるのは, 統ー ブランド或いは個別プランドの使 用 によ っ て得られるも のと失 う ものとの比較の う えに立 っ た期 待収益性 (Expected Profitability) に 基いて 決定がなされる こ とである。 こ の比較検討 に 対する答えは, 新製品 が需要者にと っ て 独 自 性を具備するものであるかとい う 点である。 も しそ う ゜. であるなら, 個別プランドを付 し稼極的な フ ロ モ ー シ ョ ンによ っ て, 統一ブ ランドによるプ ロ モ ー シ ョ ン費用の削 減 を補な う にたる販売量の増大を期待 し う る。 反 対に競争業者の製品と何ら異る面がないならば, む し ろ 一 般化の 観点が優先 し, 統 ープランドを付すべきとされる。 しか しある程度異る場合 には, 市場調査による資料の収集 をとお し て経営者の判 断に任されな け れ ば . ならないであ ろ う 。 1 ) Joseph. Fry, "Family and Consumer Brand choice", Journal of Marketing Research, Vol. 4 (August, 1967) , pp. 237—47 2 ) Rewoldt, op. cit. pp. 450ー460. 5.. ミ ックス. ・. プラ ン ド政 策. 製造業者が ミ ッ ク ス ・ プランド政策のもとにプライベー ト ・ ブランド品を 生産する場合がある。 米国ではかくの如き企業は普通大企業で 自 己のプラン - 78 (2420) -.

(11) ドのもとにかな り の成績を示めしていることが 多 い。 製造業者が ミックス ・ プラン ド政策を採 択する場合の考慮として次のよう なことが 考 え られる 叉 プライ ベ ー ト ・ プラン ド の供給による利潤機会の認識. ( 1). たとえ ば或る企業のマ ー ケ テ ィング担 当 の 副社長は,. 「チ エ ー ンスト ア の. 販売品の1 1-23% がプラ イ ベ ー ト ・ レッテ ルで売られている。 我々は チ エ ー ンスト ア プラン ドの採択を拒否したため数百万 ドルの売上げを失っている」 とのべている。 特に実質的にプラ イ ベ ー ト ブラン ド 化している商品と競合し ている場合には, プライベ ー ト ・ プラン ドを採択すべきである。 (2). 代金の早期 回収と運転資本の改善. ミックス ・ ブラン ド政策によりプラ イ ベ ー ト ・ プラン ド業者の小螢注文, 支払遅延を避け ることができる。 (3). 生産効率の上昇. 企業は生産の観点からプライベ ー ト ・ プラン ドを供給する。 勿 論, 短 期 的 観点から販売量の急激な下降に対する孔填として行われることも多 いが, 普 通は長期測定のもとに継続的な大量生産を可能とするための手段として採 択 される。. ミックス ・ プラン ド政策の生産面からの 検討は, 大規模な販売業者 ゜. との長期 契 約 が販売費の節約をとおして, ナシ ョ ナル及びフ ラ イ ベ ー ト ・ブ ラン ド 品の コ スト を 引下げ,. 設備の 拡張の都礎となるかと いう点でな さ れ. る。 (4). マー ケティング面からの考應. マー ケテ ィグ面からの考慮としては, 次のような事項があげられる。 イ)急 速な市場情報のフ ィ ー ドバックをえ るため大規模な チ ェ ー ンスト ア の営業者は, 製品の特徴, 価格政策, 新製品, その他に関する消費者の 需要の変化に閃する梢報を提供する。 この惜報が完全な形で製造 業者に ったわら ないことがあっても,. 他の方法よりは安く,. る。. - 79 (2421) -. 速く, 入手しう.

(12) ロ)他の販売業者の 商品の 取扱いに関する 詳細な情報を 得るこ と がで き る。 ハ)製造業者商品 と , プライベー ト ・プランド品の密接な関係により, 他 の販売業者に影響を与えるこ と がで き る。 二) 市場を拡大する機会が生ずる。 これ は 生産の拡大よりも重要である。 ホ) 販売促進費の削減が可能 と なる。 すなわち激烈な販売競争の童荷を販 売業者に課するこ と がで き るからである。 へ)価格に弾 力性をもた せるこ と が可能 と なる。 た と えばロ ビ ンソン, パ ッ ト マ ン法 (Robinson-Patman Act) では,. ー 企業の. 独 占 化を防ぐた. め に同 じ 等級で同 じ 品質の商品に差別価格を設定するこ と を禁 じ ている. ((Sec 2 ( a) )) が大規模な 配給業者にプライベ ー ト ・プランドを 使用 さ せ るこ と によって, 差別価格の設定を正 当 化で き る。 た と え ば ボ ー デン会社 (Borden Co) は, ボ ー テンのプランド品 よ り も安い価格でプライベ ー ト ・ レッテルの販売業者に供給し た 。 この件 に 関し巡 回裁判所は, ボ ー デンブランド品 と プライベー トプランド品 と の 間の価格差は, 消 費者に と ってそれほ どの意味をあた えず, 競争は阻害 さ れなかった と した 2) 。. この判決により, 価格に弾 力性をも た らすた め. の手段 と して製品を変えずに, プライベ ー ト の採択によって も 可能 と な った。 その結果製造者は, どの価格差であれば合法であるかを考慮する ようになった と いわれる。 (5). ミッ ク ス・プランド政策の危険. プライベ ー ト ・プランドの採択にあた っては それによって予測 さ れる危険 を考慮しな け ればならない。 MSI の研究では次の点を 指 摘 している叫 イ) ナシ ョ ナル・ブランドが弱まる。 フランチ ャ イ ズ に 依存している製造業者がプイベ ー ト ・プランドを供 給する と , それら販売業者は 製造 業のナシ ョ ナル・プランドに対する販 売努力を減少 さ せるこ と になり, フランチ ャ ィ ズ体制をくつがえすこ と. - 80 (4422) -.

(13) にもなりかねない。 ロ ) 同 一製造業者の商品が, ナショナル ・ブランドとプライベート ・プラ ンドで販売されている こ とを消費者に認識される こ と。 普通 ミックス ・プランド政策を採用する製造業者は, それを消費者に さとられまいと努 力する。 そのため両ブランドの外競を異った形にした り, 或いは販 売促進, 人 的販売のさい供給者名を消費者に語らぬ こ とを 条件とする こ とが多い。 ハ) プライベー ト ・ブランドの供給によって, 新製品開発の排他的権利を 失 な う。 ゜. 普通フ ラ イ ベート ・ブランド業者は, 研 究開発に製造業者と緊密な連 絡をとる他資金も投ずる。 その結果製造業者は, 新製品の誕生をみても 排他的に販売する権利を失なう こ とになる。 ゜. 二 ) フ ライベー ト ・プランド業者に, 製品 コス ト や経営資料がもれる こ と こ れ は ミ ックス ・ブランド政策をと る 場合には, 避 け られない問題で あ り , プリ ッ ト (Britt) も 「 プラ イ ベー ト ・ブランド業者の こ のような 接近 は, もし彼が他の供給者に変る こ とがあれば, その資料は競争業者 に役立たせる こ ととなろう4) 」 とのべている。 ホ ) 製造業者がプライベー ト ・プランドを付する大規模販売業者に, 過度 に依存するという危険である。 (6). 異ったブラ ン ド政策の有利性. 一般に,. ミックス ・ブランド政策を行う企業は, プ ラ イ ベー ト ・ブランド. の 生産 だ け を行う業者 よ りは有利であ る が, ナシ ョ ナル ・ブランドのみを採 用 する業者より不利であるとされている。 しかし ミ ッ クス ・ブランド政策の 成立要件をみるためには,. こ の政 策で 成 功 している企業の 菅 理 内 容を検討し. な け ればならない。 その分析の結果は次のとお りである叫 ゜. イ ) 短 期 的な戦術 からでなく, 経営の統合的部分として継続的にフ ラ イ ベ ート ・ブラ ン ドを生産する一定の方式を有している。. - 81 (2423) -.

(14) ロ ) マ ー ケ テ イ ン グ 担 当 副社長に報告するプライベ ー ト ・プラン ド管理者 を有して いる。 ハ) プライ ベ ー ト. ・. レッテ ル業者を選定するときの判定資料を有して いる. 二) 企業の資源, 例えば研究開発部員, マ ー ケテ ィ ング調査資料, 商品化 計画 並びに販売促進計画資料などをプラ イ ベ ー ト ・プランド管理者が巧 みに利用して いる。 ゜. ホ ) 製造業者の経営資料をフ ライベ ー ト. ・. ブランド業者に提供し,. こ の資. 料が両者に有利につかわれて いる。 以上のごとく企業は, 有利な市場機会をとらえるために ミックス. ・. プラン. ド政策を採用する。 しかし こ の政策の採用に は かな り の危険がつきまとう。 それを回 避するためには, 財務, 生産, マ ー ケテ ィ ングなどからの慎重な考 慮が必要であり, それ は最終的に は目標達成を最適度に可能にするような方 法で資源の転化のプ ロ セ スを方向ず け るという意志決定の問 題の検討が必要 となる。 1 ) Rewoldt, op. cit. pp, 462—69 2 ) Federal Trade Commission v. Borden Compan y, U. S. Court of Appeals for the Fifth Circuit. 381 F . 2 d 175, No. 20463, July 14, 1967. 3 ) Victor J. Cook and Thomas F. Schutte , Marketing Science Instiute , Brand Policy Determination. 1967, 93—96 4 ) Stewart Henderson Britt, Harper W Royd, J R . Marketing Mana­ gement and Administration, _ 1963, p. 380 5 ) Cook, op. cit, p. 83. 6.. プ ラ ンドの 選 択. ミックス ・ ブラン ドに閃する 意思決定の プ ロ セ スとして, プゼル(Buzz el ) の試みがある 凡 彼は, パンの卸 売製造業者 Bに対して, ブル ー チ ェ ー ン (Blue Chain) か らプライベー ト プランドの 申 込があったとき, Bがその決定のためにどのよ うなプ ロ セ スをたどるべきかを検討する。 以下にそれを要約する。 - 82(2 42 4) -.

(15) (1). 代替案の明確化. 意思決定者 Bが選択するとみられる事項を探求し, Ai. A2 … … … … Anと 記号化する。 仮りに A1.. 申 込を無視する。. A2.. レギ ュ ラ ー ・ブランド品 より安い商品を 生産するという反 対 申 込 を する。. A3・. レギ ュ ラー ・ プランド品の価格を下げる。. A4 .. プル ー チ ェ ー ンの要求に同 意する。. A5,. Bの与える商品とサ ー ビスに差別価格を設 け る。. とする。 (2). 予 測されうる情 況の明確化. 上述した代椅案からの決定 は , それによって生ずる不確実な特定の条件を 考屈してなされる。. こ の条件を 予測されうる 柏 況 (st at e of nat ure)とし. S i . S2 . . . . . . . . . . . . S m とする。 仮にもしBが A1 と答えるなら六 つ の結果が予測される。 Su .. ア ウトサイダ ー の Z が供給する。 これにより Z は 足場をきず き , 支 にイエロ ー および 1チ ェ ー ンにも供給する。. S1 2 .. Z が プ)レ ー に供給する。 しかし Z は他の業者 に は失敗する。. S13 .. 地方のAないしは Cがブルー に供給する。. sl4 .. プ )レー はパン工場を作り, Bからの仕入をへらす。. S 15 .. ブルー は しばらく機会を待つ。 しかしBの拒絶に対する報仮手段と して陳列スペ ー スを小さくし, Bの販 売に努力 しない。. S16 .. プ)レ ー は 待 つ ことを決め, 報復手段をとらない。. A2 . . . . . . … . . . A5 においても 上述と同 様に作成 する。 (3). 次の代替案と成果の探求. つ ぎ にBの決定によって, どのような影 聾な り 反応がでてくるかを探求す - 83 (2425) -.

(16) ることが必要である 。 それらを検討するためにA1の決定をみる。 もしBが拒 絶し, Z はブル ー チ ェ ー ンのみならず, ィ エ ロ ー チ ェ ー ンと コオペレテ ィ ヴ 1 にも供給するとき, B は新しい決定に迫られいくつかの代替案に直面する。. Z の小売業者に供給するか, Z を地方の市場から駆遂するか, Z と競争す るか, もし彼が Z の市場に報復するならその成果は, や はり予測されうる情 況に依存する。 例えば, 地域的な差別価格に対して Z から訴訟をおこされる ことも予測しうる。 (4). 損益の推計. 各代替案を採用した場合の企棠の 売上高, 費 用 , 利 潤 に あえる影聾をたど りながら推計する。 (5). 確率の評価. 一定の決定に対する成果が不確実で あるゆえ, 種々の予測される梢況にた 第 1 図 エ Zは チ プー ル に `イ 給 ロす ーお よ び る I エ ン 供 I 051 ー. Su. - 225 7. A' 111. I. .,,. Zはプル に供給する (. 05). 両地的に髯復. A ' l21. zの攻勢に耐える. A ' l22. zの市湯に帽復 - 225 7. - 225 7. A ' l23. A 淮絶 I - 73 0. S 13. A或いは C 力供 1 給す る 5 I0. S14. プルー はバンを製造する C. 05). I. - 188 I. - 225 7. A ' l l2. ー. S12. Zの市場に紺iV. - 1478 9. - 304 0. 局地的に髯復 一 \478. 9. S ' 1 111. S ' l l l 2 ひ き さ が '>l. 70i - l7. 5 S ' 1 121. S ' 1211 価格競争 f . 0� - 15S4. O. S ' !2!2 非価格鰻年1. 95) - 238.2. ( A ' ll l と 同). I A ' l12 と 岡 S ' l3l l ·11レ ー の売 上 を 失 う f . R� - 59. I イエロー お よ び l チエー ン が. 焦現す る - 188 . 1. A ' l32. I チエー ンに洪給する ー 339 . 8. - 370.5. S ts. S 16. プルーは待つ. 帽復1よ しない !. 50). - 75. 0. - 84 (2426) -. ぽ 格 競 'M . %I - 1 ,554 .o. S ' 1 122 非(逼 格 競 'H O� 十02.2. A ' 131. プルー は待つそ してBlこ賢復する .L 301. ,;ぷ松1. 391 - li88.C. S ' l312 AかCがら供給を う け る 1. 20) - 704 . 1.

(17) いして確率を割り 当 てる。 そしてそれ ら の確率は, 人 の決定をな し たとき, 顧客, 競争業者, その他か ら の 予期される反応に対する意思決定者の賭の勝 ち目 ( b etting od ds )をあ ら わすものである。 図 1は予 測 されるべ き 成果を示めすものであ る が, 仮りにBが A 1 を選び, ひ き つづいて A ' 1 1 1 を返ぶ場合には, される。. S'1111. の 場合は,. ー. S' 1 1 1 1. と S'1 112 という二つの恰況が予測. 688 . 200ドルであり S' 1 1 12 は,. ー. 27, 500ドルであ. る。 この確率はそれぞれ 0. 30と0. 70 である。 それ故 A 1 の期待され る 成果 は . 30 ( - 688, 200ド)レ) + . 70 ( - 1, 554, 000ド)レ) = ー 225, 700である。 このよ うな 計 雛が同様に ふ ~ ふ ま でなされ る 。 (6). 期待額の計算. 予測 される梢況のもとであ ら われる結果にそれぞれの確率を乗算し, その 合計を期待額とする。 仮りに ふ を例にとれば下記の如くな る 。 結. su. 推 定 額 (千 ド ル ). 果. z は プ)レ ー , ィ エ ロ ー , 1 チ ェ ー ン に供給す る S 12- Z は プ}レ ー の み に供給す る S13ー A あ る い は C が供給す る ―. S14—ー プ)レ ー はペ. ン を製造す る. Sis—ー プル ー 待 ち ,. B に報復す る. s,6—ー プ)レ ー は待っ, 柑復は し な い. -225. 7. 確. 率. 期 待 額 (千 ド ル). 0. 05. 11. 285. -225. 7. 0. 05. 11 . 285. - 188. 1 -370. 5. 0 05. 9. 405. 0. 05. 18 . 525. - 75. 0. 0 . 30. 22. 500. ゜. 総 期 待 額. - 8 5 ( 24 27) -. 0. 50. ゜. 73, 000.

(18) (7). 最適な決定. 予期される決定の期 待額が計徘されたなら最終的には, 最適な決定を行う ことである。 Bの場合, あらゆ る予 期される決定に対しての期待額は下記の 通りである。 期待額(千ド)レ) - 73. A1 A2. -265. 2. A3. - 1 , 337. 0. A4. -260. 7. As. + 125. 2. 上記の数字を検討すると, As の決定が Bにと り 飯適の決定となる。 以上がブゼルの意思決定プ ロ セ スの概要であるが, このような分析の重要 性は, 探求さた各種の代替案の選択から予 測 される情況を考慮することにあ る。 しかしこれはきわめて困 難であり, 将来の手引 となるような成果を得る こ とができないかもしれない。 変化の激しい企業環境に適応するには, さら に アンソフ (Ansof f) のいう2 ) 意思決定の各段階にお け るフ ィ. ー. ドバ ッ クな. ども考記されね ばならぬであろう。 しかし, いずれにせよこの決定理論は, 試行錯誤的な市場研究の方向ではなく, 計 画実施の確実性から判断する組織 的なマ ー ケティング計画の 展開をめ ざ しており,. 意思決定者の 判断を 改善. し, 体系化しようとするところにその意義があるとみられる。 1 ) Robprt D. Buzzell and Chales C Slater, Decision Theory and Mar­ keting Management Vol. 26, No. 3 (July, 1962) , pp. 7—16 2 ) H. L. Ansoff, corporate Strategy, 1965, pp. 24ー2.8. 7.. む. す. び. プランドは直接には 自 他商品識別のための椋 識であるが, 経済的には出 所 表示機能, 品例保証機能, 販売促進機能を有している。 それゆ え プランドの 選択を誤って 使用 した場合は,. それらの機能を 充分に 発揮しえないことと - 86 (2428 ) -.

(19) なる。 ブランド選択に お け る考應事項としては, 消費者がいかに 今後購買行動を 起こすか, 競争者はどの よ うなマ ー ケテ ィ ング・ ミ ッ クスを使って, いつ重 点的 に販売攻勢をかけ てくるかであり, これらの不確実で危険性のある情報 をもと に 決定されねばならない。 そのために は, 現在問題となっている恰報 の笛理が重要となる。 しかし,. 一. 般的な市場環境 に 影智を与える要因, 方向. はある程度予 測で き るとしても, その数量化は き わめて困 難である。 その意 味で上述の評価方法は一 つの案 に す ぎ ない。 この方法は, 意思決定 に 与える すべての主要な要因が一 つの評価 に 含 まれているというこ以外は, 特 に す ぐ れた点があると主張で き るわ け のものでもない。 したがって実際の選択 に あ たっては, 代替案をい ろ い ろ と異った方法で評価 してみて, その結果を意思 決定者 に提示して判断を仰 ぐのが有益な方法とな ろ う。. - 87 (2429) -.

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