2 日本科学未来館5階V Rシアターに、人間の体内の様子を 精密に描いた四次元画像「サイバーヒューマン」を紹介した 映像コンテンツが登場した。これは、最新の医用画像技術を 駆使して制作された世界一精密な「生きている人体」の四次 元モデルを基軸に研究成果を大型スクリーン映像により展示 しているものである。人のからだをガラスのように透き通ら せて内部の様子をみることは長年にわたる医学の夢であり、 昔から人々はこれを実現することに力を注いできた。現代に なって先端医用画像技術はこの夢を現実のものとした。「サ イバーヒューマン」では動きなどの人体の四次元的な現象、 つまり三次元構造が時間変化するさまをリアルタイムに観察 することができる。今までなかなか見ることのできなかった体 の内部構造とそれらの巧みな機能を見ていくことができるよ うになったのである。本映像は東京慈恵会医科大学高次元医 用画像工学研究所の鈴木直樹先生監修のもと日本科学未来館 が平成1 4年度より準備を開始し、平成1 5年5月から公開の運 びとなった。四次元人体モデルは2 0代の健康な女性をM R I (磁気共鳴画像化装置)で撮影した膨大なデータを基に、コ ンピュータグラフィクスで作製されており、骨格と筋肉の働 きや心臓の動く様子など人体の立体的な様子が精密に現され ている。 生体の内部を見る技術、つまり医用画像技術の歴史は1 0 0 年をわずかに越えたが、この歴史の過程で、最初は二次元的 な画像として見ていた人間の体をより立体的に、かつ時間 変化も加えた四次元現象としてなんとかとらえられるように なったのは、2 1世紀を迎えたここ最近とも言える。今回公開 されている「サイバーヒューマン」で高次元医用画像工学研 究所の研究チームが挑戦したことは「“生きている人体”を、 形態だけでなく心臓の拍動や関節の動きなどの機能までを含 めた人体構造としてどこまで詳細に構築できるかということ であった」と鈴木先生は後述されている。従来、人体の全身 内部構造を立体的な画像データ化とするには凍った遺体を薄 く削って撮影していく方法がとられてきたが、M R I装置やコ ンピュータの処理能力の発展により全身の生体像を捉えるこ とが可能となったのである。この技術は、現代の医学分野の 新しい手術法、新しい治療法開発などにも応用され、その様 子もあわせて公開されている。今後の医学はこういった画像 技術や通信技術を用いた遠隔手術が取り入れられ在宅医療が 中心となってくるだろう。 先端の研究成果と医用画像技術を目のあたりにし、未来の 医療を覗くチャンスですので、この機会にぜひご来館下さい。 (日本科学未来館科学技術スペシャリスト 菅原剛彦)
コンピュータグラフィクスを駆使した人体の四次元画像公開 日本科学未来館VR(バーチャルリアリティー)シアターに 「サイバーヒューマン」~未来をひらく先端医用画像技術~が登場
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