• 検索結果がありません。

アメリカンフットボールにおける頭頚部外傷の予防

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アメリカンフットボールにおける頭頚部外傷の予防"

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

<スポーツにおける頭頚部外傷の予防に向けて>

アメリカンフットボールにおける頭頚部外傷の予防

福田 崇

1)  アメリカンフットボールにおける頭頚部の重傷外傷はこの競技が誕生した 19 世紀後半より問題視されて いる.米国では研究結果からエビデンスに基づいたルール改正やヘルメットの改良によってこれら重傷外傷 の一応の解決をみている.近年,脳振盪が社会的問題として注目されているが,現状,効果的な解決策は見 いだされていない.この解決には,さらなる研究体制の整備とエビデンスに基づいた予防策の検証が必要で ある. キーワード:アメリカンフットボール,頭頚部外傷,外傷予防

Ⅰ はじめに

 アメリカンフットボールは,激しい衝突が競技の醍醐 味の一つであり,この競技の発祥である米国では,3 大 スポーツの中でも圧倒的な人気を誇っている.その一方 で,外傷発生率が非常に高く1-5),頭頚部の重症外傷(永 久的な神経障害または致死)においては競技のはじまっ た 19 世紀後半から問題視されてきた.そこで当時の Theodore Roosevelt 大統領が,アメリカンフットボー ルの外傷・障害を減らすための制度の構築を大学関係者 に指示し,1906 年に米国の大学スポーツを統括する Intercollegiate Athletic Association of the United States が 設 立 さ れ,2010 年 に そ の 名 称 を NCAA(National Collegiate Athletic Association)に変更した6).アメリ

カンフットボールでは,外傷のなかでも,とりわけ頭頚 部の重傷外傷を予防するために,これまでに幾度となる ルール変更を行ってきている.著者自身もこの競技を 12 年間行い,その期間も含めて 30 年関わっている.実 際,著者自身が競技を始めた 1990 年代初頭のタックル 指導法と現在のものとは大きく異なり,その当時間違い とされた指導が現在では正しいとされている点も後述す る.アメリカンフットボールにおける外傷に関する研究 は米国を中心に数多く報告され,その予防策において科 学的根拠に基づいて一応の解決をみたものから,現在, 科学的根拠を求めて取り組まれている研究まで幅広く紹 介したい.

Ⅱ  アメリカンフットボールにおける頭頚部外傷の

歴史的背景

 アメリカンフットボールの頭頚部外傷とヘルメットの 発展には因果関係がある.アメリカンフットボールの試 合で最初にヘルメットの使用が確認されたのは,1893 年の米国陸軍対海軍の試合とされている6).その後, 1896 年に革製のヘルメットが導入された.しかしなが ら,その使用は任意であり頭部や顔面の外傷は減少しな かった.1900 年代に入るとヘルメットは絶え間なく進 化し,金属合金を使用するなどその強度を上げ,1940 年代には,硬質プラスチック製ヘルメットが登場した. また,ヘルメットの使用がルール上義務化されたのは NCAA で 1939 年,National Football League(NFL) で 1940 年である.このようにヘルメットの進化が進む 中,1966 年には 38 件のアメリカンフットボールによる 死者が発生した.このメカニズムとして,選手はヘル メットの先端から相手にタックルをするʻスピアリング タックルʼを行うことで,頚椎アライメントがストレー ト状を呈し,結果として頚椎に大きなストレスをかける ことが報告された7, 8)(図 1).頭部の外傷予防として硬 くしたヘルメットを武器として利用することで,脊髄損 傷が増えてしまったことは皮肉なものである.その後も 頭頚部の重傷外傷は減ることがなく,1976 年には,頚 椎骨折・脱臼・亜脱臼 110 件,四肢麻痺 34 件,頭蓋内 出血 12 件が発生しており,その年にルール上でスピア リングタックルを禁止した8, 9).その結果,頚椎骨折・ 頚髄損傷は劇的に減少した8).米国では,ヘルメットや 装具の安全を検証するために 1966 年に the National Operating Committee on Standards for Athletic Equip-ment(NOCSAE)が設立され,ヘルメットの改良と ルール改正によって 1980 年代までに重傷頭頚部外傷に おける一応の予防効果がみられた10, 11).しかし,1990 年 代に入って,NFL の有名選手が繰り返しの脳振盪(軽 度外傷性脳症)を理由に引退したことをきっかけに脳振 盪が注目されるようになった10, 11).それ以降,脳振盪は

特 集

1)筑波大学体育系,〒305-8574 つくば市天王台 1-1-1 A605

(2)

アメリカンフットボールにとどまらず,スポーツ界で最 も注目されるトピックとなっている.

Ⅲ 頭頚部外傷の統計(日米比較)

 アメリカンフットボールの頭頚部の外傷発生率とし て,Dick et al.1)は,NCAA に所属した大学生を対象と

した 16 年間の調査で,試合時に頭頚部 11.5%,NCAA 所属大学生と高校生の外傷調査を行った Shanker et al.2)は,大学の頭頚部の外傷発生率は 8.2%,高校で 11.5%と報告した.一方,国内では,藤谷ほか3)は,1991 年〜2010 年の 20 年間に関東アメリカンフットボール連 盟に報告された試合時の頭頚部の外傷発生率は 16.8%と 報告した.1999 年〜2008 年の 10 年間の大学チームの外 傷・障害調査より,福田ほか5)は 16.3%と米国よりも高 い頭部外傷発生率を示した.また藤谷ほか4, 12)は,1991 年〜2003 年の 13 年間の頭部外傷のうち,そのほとんど は脳振盪(235 件)であり,重症頭部外傷件数は 20 件, そのうち急性硬膜下血腫が 18 件,死亡 3 件を報告した. 頚部外傷の多くは頚椎捻挫・バーナー(300/325 件)で あり3),頚髄損傷は数件報告されている.1996 年〜2000 年の 5 年間で関東高校アメリカンフットボール公式戦で 発生した脳振盪発生率は 7.1%,頚椎捻挫・バーナーは 7.1%であり,同期間の関東大学アメリカンフットボー ル公式戦で発生したそれら外傷発生率(7.4%,7.7%) とほぼ同じ結果を示した13).アメリカンフットボールの 競技人口を考慮すると,日本は米国より重傷頭部外傷に よる致死率が約 20 倍高いと報告されている14).近年注 目される脳振盪に関して,アメリカ疾病予防管理セン ターによると,30 万件ほどのスポーツに関連した脳振 盪が毎年米国で発生しており,その約 3 分の 1 はアメリ カンフットボールで発生している15).NCAA 所属大学 生における試合時と練習時の脳振盪発生率は6.8%(2.34/ 1000 A-Es)と 5.5%(0.21/1000 A-Es)1),日本の大学選 手を対象とした試合時と練習時の脳振盪発生率は 11.1% (3.9/1000 A-Es)と 8.4%(0.6/1000 A-Es)であり,日 本では脳振盪が頻発していることが伺える5)

Ⅳ  頭頚部外傷の病態(病態・メカニズム・復帰基

準)

4.1 硬膜下血腫  アメリカンフットボール選手に生じる硬膜下血腫は, 衝突によって頭部に回転加速度が生じ(頭部が揺れ), 架橋静脈にストレスがかかり損傷することによる出血で 発生する16)(図 2).Cantu RC and Mueller FO の

1945-1999 年の 55 年間の調査によると,脳損傷関連で死亡し たアメリカンフットボール選手の 86.3%が硬膜下血腫で あった17).また,重度頭部外傷の発生数は,1984 年か らの約 30 年間増え続けており,その多くは高校生以下 の若年層に多く発生している2).また,アメリカンフッ トボールにおける硬膜下血腫の特徴として,セカンドイ ンパクトとの関係が挙げられる.Cantu RC and Gean

AD18)は,セカンドインパクト後に撮像した CT 画像に おいて硬膜下血腫の存在を確認しており,硬膜下血腫の 存在がセカンドインパクト症候群における脳腫脹の主な 原因だとしている.日本においては,急性硬膜下血腫な どの器質的頭蓋内病変を認めた場合は,症状や画像上病 図 1 スピアリングタックルのメカニズム 頚部の軽度屈曲位では,頸椎列がストレートになる.この状態で頭頂部に力が作用すると,頸椎に沿って大きな力(軸圧)が伝達 される.その結果,頭部への急激な減速と体幹からの加速が頸椎に作用する結果,頸椎が脱臼・骨折を引き起こしてしまう.

(3)

変が消失しても,原則としてコンタクトスポーツへの競 技復帰を許可すべきではない19)としている. 4.2 脳振盪  アメリカンフットボールによる脳振盪の受傷機転は, ユース・高校・大学と年代によって少し変化するが,約 80%が選手同士の接触であり,約 10%がサーフェスと の接触である20).特にヘルメット同士の接触が 74%を 占め,プレー内容としては,タックルとブロックで約 65%を占めていた21).また,脳振盪が発生した衝突にお いて,バスケットボールやサッカーの選手は,相手との 接触を認識していない(衝突に気づいていない)可能性 が高いのに対し,アメリカンフットボール選手の約半数 が相手との接触を認識していたという報告21)もあり, コリジョンスポーツという競技特性が現れた結果と考え られる.さらに同研究では,アメリカンフットボールに おいては,接触の種類と脳振盪症状の持続期間に関係は ないことも示している21)  脳振盪症状の継続期間について Kerr ZY et al.22)は, ユース,高校,大学のアメリカンフットボール選手を対 象に脳振盪の症状とプレー復帰の関係を調査し,ほとん どのアスリートは受傷後数日で症状が徐々に回復した が,15.3%の選手が復帰までに 30 日間以上要したこと を報告している.現在では,症状の多くが 7〜14 日で改 善するとされている23).また,アメリカンフットボール 選手の脳振盪と長期的な認知機能との関連性を調査した systematic review24)では,他の競技よりも多くの研究が 報告されているが,エビデンスレベルに課題があると報 告している.しかしながら,アメリカンフットボール選 手の脳振盪の回数の増加と認知機能の低下との関連性を 示唆する結果25)やタックルに暴露する年齢が若齢なほ ど,将来早期から認知症状や行動・精神症状が発症し, 認知の面でより深刻な結果をもたらすことを示唆してい る結果26)などからも,アメリカンフットボールにおけ る脳振盪と認知機能の低下には関連がありそうである が,臨床的にどの程度関連しているかは今後の研究に期 待される.特に,現状の研究結果では認知機能障害が脳 振盪だけによるものとは断定できない点や神経心理学的 テストバッテリーを用いた研究では,脳振盪発生前後で の評価結果を比較することが課題として挙げられる24)  現在推奨されている脳振盪からのスポーツ復帰プロト コルでは,最初の 24〜48 時間の身体的かつ心理的な休 息を薦めている27).しかしながら,現時点で完全な休息 を処方することで脳振盪後の回復が促進されるというエ ビデンスは不十分であり,最適な休息時間(期間)につ いては未だ明確にはされていない28).2019 年には,脳 振盪後早期(受傷後 1 w 以内)に開始した症状閾値下で の有酸素運動が症状の回復を早め,さらに持続性症状の 発生率を低下させる可能性があると報告された29).今後 は,有酸素運動を実施するうえで頻度・強度・持続時間 から決定される最適な運動量が明確化されることを期待 したい. 図 2 アメリカンフットボール選手に生じる硬膜下血腫のメカニズム 白矢印がタックルを受けた選手(受傷者).タックルを受けたことで頭部に回転加速度が生じ,架橋静脈が損傷することによる 出血で硬膜下腔に血腫が生じる.衝突後 10 msec で回転加速度は最大となり,下位頚椎に次いで上位頚椎が大きく伸展する.

(4)

 慢性外傷性脳症(CTE : Chronic traumatic encepha-lopathy)は,接触や衝突を伴うスポーツに関連する進 行性神経変性疾患である30).McKee et al.30)は,CTE

の症状を 4 段階に分類し,アメリカンフットボール競技 年数の長さと CTE のステージが相関していることを報 告している.また,Mez J et al.31)は,ブレインバンク へ寄付された 202 名の元アメリカンフットボール選手の 脳を調査した結果,177 名(87.6%)が CTE と診断さ れ,高校生の 21.4%,大学生 90.6%,NFL のプロ選手 99.1%が CTE を罹患していると報告し,アメリカンフッ トボール選手は,CTE のリスクが高まる可能性を示し ている.しかしながら,2017 年に報告された脳振盪の 潜在的な長期的影響についての systematic review32) は,脳振盪や頭部打撲の反復や蓄積と CTE には関連が ありそうだが,その因果関係はいまだ明らかではなく, さらなる研究が必要であると結論付けられている. 4.3 アメリカンフットボールにおける頚髄損傷  1950 年代以降,頚髄損傷が増加しており,1959-1963 年に頚椎の骨折・脱臼は 56 件(1.4/100000 人)で発生 しており,そのうち頚髄損傷は 30 件(0.7/100000 人) に至った33).National Football Head and Neck Injury

Registry はアメリカンフットボールにおけるこれら頚 椎外傷のデータを収集するために 1975 年に設立され, 1971 年以降に発生した 1300 件以上の頚椎脱臼骨折や頚 髄損傷のデータを収集した.その結果と Schneider et al.33)が行った研究結果と比較すると,死亡や頭蓋内出 血は,それぞれ 66%と 42%の減少を確認したが,頚椎 脱臼・亜脱臼・骨折は 202%の増加,頚髄損傷では 116%の増加がみられた.頚髄損傷のほとんどは試合中 に発生し,ディフェンスの選手(70.3%)に多い.特に, ディフェンスバック(35.3%)で多く,次いで,ライン バッカー(9.7%),スペシャルチームの選手(8.2%)の 順となる.ほとんどの頚髄損傷はタックルをして,ある いはブロックをして発生している33).この理由として, 硬質ヘルメットの改良が進んだことで頭部外傷は減少し た.一方で,改良されたヘルメットをタックルやブロッ クでの最初のコンタクトポイントとして使用する(スピ アリングタックル)ことで頚椎への危険を増加させるこ ととなった34).さらに 1950 年代にヘルメットにフェイ スガードが装着されたことで顔面も守られ,コーチは頭 から相手にタックルやブロックを行う技術指導を行うよ うになった.1960 年代頃には,多くのスポーツで生じ る頚髄損傷の受傷機転として頚椎の過屈曲や過伸展であ ることを多くの研究者が報告していた35)が,不可逆的 な頚髄損傷に至った 52%は軸圧が原因である7)ことが 報告されるまで軸圧は注目されていなかった9).実際に 頚椎損傷が発生した試合時のビデオ解析と死体を用いた 模擬衝突実験より,頚椎に作用する軸圧の推定力は 300-800 kgf であり9, 36),頭頂部での衝突はその他の部位での 衝突と比べて有意に高いことが報告されている37).そこ で,1976 年にスピアリングタックルをルール上で禁止 し,頚椎の骨折・脱臼・亜脱臼は劇的に減少した.1976 年に頚椎の重傷外傷は 1 万人あたり高校 7.7 件,大学 30.7 件であったが,1987 年には高校 2.3 件,大学 10.7 件にまで減少した.つまり,12 年間で頚椎損傷は高校 で 70%,大学で 65%の減少に結果した.また,完全麻 痺に至った頚椎損傷の数は 1976 年の 34 件から 1984 年 には 5 件に減少した9, 34) 4.4 頚椎症性神経根症・腕神経叢損傷  アメリカンフットボール選手で最も頻発する頚部外傷 に頚椎症性神経根症,あるいは腕神経叢損傷があり,通 称ʻスティンガーʼやʻバーナーʼと呼ばれる.症状は 首から上肢にかけての放散痛,灼熱感,感覚異常,筋力 低下,脱力などがあり,その多くは数分から 2 週間以内 には回復する38).バーナーの病態について,腕神経叢の 過伸展,神経根の椎間孔での圧迫,腕神経叢への直達外 力であることが指摘されている39).大学 4 年間で 50-65%の選手でバーナーを生じることが報告されており, なかでもラインメンとラインバッカーに多い39).国内で も同様に約 60%の選手にバーナーが確認されており, 学年では大学 2 年生に,ポジションではラインメンとス キルポジションで同様に発生している40).Torg ratio< 0.8(図 3)を示すバーナー経験者は 47.5%と有意に高く, 繰り返しの発症リスクが 3 倍高い41).一方で,アメリカ ンフットボール選手は一般人よりも大きな椎体横径を示 すことが多く,結果的に適切な脊柱管のサイズであって も Torg ratio で陽性となることが指摘されている42) したがって,アメリカンフットボール選手では Torg ratio<0.7 を推奨している研究者も存在する43).また, バーナーは繰り返すことが多く,同一シーズンに 3 回の バーナーを生じた選手はレントゲンによる診断を推奨44) し,競技復帰の相対的禁忌としている45).バーナーから の復帰には,麻痺の改善,十分な筋力の回復,痛みなく 十分な可動域の改善が求められる46).予防においては, ネックロールやベストを着用することで頚椎の過伸展を 予防するが,側屈においては効果を認めないとする報告 もみられる47) 4.5 一過性四肢麻痺  頚髄の一過性四肢麻痺は 1986 年に Torg et al.42) よって,アメリカンフットボールでの受傷メカニズムと して頚部に軸圧と過伸展が作用することで頚髄が圧迫さ

(5)

れることが初めて述べられた.米国では年間 1 万人あた り 7 件発生している42).症状は,痛み,痺れ,筋力低下 などで 10 分〜48 時間以内に治まることが多い48).また 選手は上肢に灼熱感を生じるものの,受傷時に頚部の痛 みはなく,頚部の完全な運動機能と可動域の回復を認め る34).この理由として,Torg et al.49)は,損傷時の脊髄 圧迫に起因する細胞内カルシウムの増加と局所的な無酸 素症の結果として頚髄機能の一時的な混乱と説明してい る.損傷後は,できるだけ早期に骨折や脱臼を除外する ために画像診断を行う.一過性四肢麻痺では,めったに 骨折や脱臼は見られないが,先天的な脊柱管狭窄症や頚 椎の癒合(Klippel-Feil 症候群)46),椎間板の異常,後天 的な脊柱管狭窄症と頚椎の不安定症がしばしば確認され る50).Torg et al.42)は,一過性四肢麻痺を起こした 42/45 名(93%)のアメリカンフットボール選手で Torg ratio <0.8 を確認しており,脊柱管狭窄症を示す選手は一過 性の四肢麻痺を生じるリスクが高いと報告した.しか し,アメリカンフットボール選手は椎体横径が大きく, Torg ratio<0.8 の選手で一過性四肢麻痺を負う可能性は 0.2%であり,Torg ratio が競技参加への指標として用 いられるべきではない42).さらに,脊柱管の内径が小さ いほど一過性四肢麻痺を負う可能性が高いことも報告さ れている51)  頚髄の一過性四肢麻痺からの競技復帰に関しては議論 の余地はあるが,復帰した者のうち 56%は一過性四肢 麻痺を再発しており,なかでも脊柱管狭窄症を示す選手 は高い確率で再発している42).多くの医師は麻痺が 24 時間以上続く者や脊柱管狭窄症を示す者は相対的禁忌と 考え,先天的な頚椎異常(Klippel-Feil, 歯突起形成不全, 環椎後頭骨癒合など),頚椎不安定性,靱帯損傷,一貫 した頚部痛,運動機能の低下,頚髄の浮腫は絶対的禁忌 と考える45, 50)

Ⅴ 頭頚部外傷の予防

 アメリカンフットボールでは,その激しい衝突を繰り 返す競技特性から,頭頚部外傷を完全に予防することは できない.頭頚部の重傷外傷は,1976 年にスピアリン グタックルをルール上で禁止し,さらなるヘルメットの 研究が進んだことで一応の収束を認めた6, 10).頭頚部に は脳や脊髄からなる中枢神経が集中しており,中枢神経 の損傷は不可逆的である.したがって,コンタクト競技 では,ルールによって重傷外傷から選手の安全を守るこ とも重要であり,米国のアメリカンフットボールを取り 巻く研究体制には学ぶべき点が多い.以下には,脳振盪 の予防に焦点をあてて展開する. 5.1 頭部バイオメカニクス  2000 年以降,ヘルメット内部のインナーパッドやマ ウスガードに加速度センサやジャイロセンサを装着して 頭部衝突時における頭部加速度データが米国の大学を中 心に収集されている52-62).それら結果より試合時と練習 時の頭部衝突数は,それぞれ約 15 回と約 7 回であり, 試合時の頭部衝突数は練習時の 2〜3 倍と報告されてい る52, 53).しかし,福田ほか54)が国内大学選手を対象に 行った研究では,試合時の頭部衝突数(18.1 回)は米国 とほぼ同程度であるが,練習時における頭部衝突数 (14.3 回)は試合時と同程度であり,日本の大学選手は 日常的に頭部衝突を受けている.さらに日本の大学は年 間を通したフィールド練習の頻度が米国の約 2 倍ある5) ことを明らかにしている.この理由として,ほとんどの 日本選手は大学から競技を始めており,頭部衝突を繰り 返すスキル練習やスクリメージ(試合形式のフルコンタ クトを伴う練習)を多く行う傾向が問題視されている4, 54)  NCAA 所属選手における頭部最大直線加速度の平均 値は 20〜22 G55-57)であり,頭部最大角加速度の平均値 は 905〜1235 rad/s2であった52, 58).日本の大学選手では 試合時に頭部最大直線加速度 20.8 G,頭部最大角加速度 1353 rad/s2であり,日本の大学選手が米国選手と同程 度の頭部キネマティクスを受けている53).また,脳振盪 に至った頭部衝突は最大直線加速度で 69.7〜145 G,最 大角加速度 95%値で 7688 rad/s2であると報告されてい る59-61).しかし,最大直線加速度 80 G 以上の頭部衝突で 実際に脳振盪に至ったのは 0.28 から 0.38%とされてお り,脳振盪に至らない衝突を脳振盪と誤認する特異度の 低さが問題である55, 57, 60, 61).現状,測定装置から得られ るデータのみで脳振盪の診断をすべきではない61).頭部 キネマティクスに影響する要因として,タックル技術62) や頚部筋力63-65)があり,これら要因を含めたさらなる 検討が期待される. 図 3 Torg ratio(A/B) 脊柱管の前後径(A)に対する椎体横径(B)の割合で示される. Torg ratio<0.8 を示すと頸椎損傷のリスクが高まる.

(6)

5.2 ヘルメットとショルダーパッド

 ヘルメットによる頭頚部の外傷予防について,Collins et al.66)や Rowson et al.67)は,Riddell 社製の新旧 2 モ

デルのヘルメット性能を比較し,新規モデルのヘルメッ トは旧モデルのヘルメットよりも脳振盪リスクを減少さ せると報告している.一方で,Collins et al.66)は,ヘル メットの種類(メーカー,モデル)の違いや使用年数で 脳振盪の発生リスクに変化がないとも報告している.現 状,ヘルメットで頭頚部の外傷を完全に予防することは できない66).Swartz et al.68)は,ヘルメットとショル ダーパッドを外した基本的なタックル・ブロックドリル をシーズン前・中に定期的に導入することで,ドリルを 行ったグループではコントロールと比べてシーズン後に 28%の頭部衝突の減少を確認している.つまり,ヘル メットとショルダーパッドに依存しない正しいタックル を促す行動修正が外傷予防につながる可能性を示唆して いる. 5.3 頚部筋力  頚部筋力は脳振盪リスクを低下させ,深刻な頭部への 衝突を防ぐ有用性の高い予防策として長く提唱されてい る63-65).一般的に,より大きな筋量と強い筋力は筋と関 節の剛性を高める69).実際,Collins et al.70)は頚部筋力 の強さは脳振盪と強く関連していると述べている.ま た,NFL 頭頚部-脊椎委員会は,ハイブリッドⅢダミー の頚部のばね剛性を強化すると,脳振盪危険域値は 35%低下したことを報告した71).一方で,強い頚部筋力 を有す選手が衝突時の頭部キネマティクスを減少させる ことを生体研究では認めていない65).また,最大筋力よ りも衝突時にタイミングよく頚部筋力を発揮する頚部筋 の反応が,より重要とする報告も多い63, 64).今後は,ど のような頚部筋力トレーニングがより効果的であるのか 検討する必要がある. 5.4 タックル技術  USA Football は,子供たちの安全保障,指導者の資 質能力の向上,本競技の発展を理念に 2012 年に発足し た72).脳振盪への対策を中心とした 7 つのプログラムか ら構成された Heads Up Football の普及を推進し,その 中で,Heads Up Tackle(HUT)による安全なタックル 技術を 5 段階に細分化させて指導している72).日本では, 2015 年より日本アメリカンフットボール協会(JAFA) が HUT の普及に取り組み始めた73).これまでアメリカ ンフットボールのタックルでは,相手の胸(ナンバー部 分)に頭を入れるように指導されていた74)(図 4).さら に,インサイドアウト(タックラーの内側を走られな い)しながらタックルする場合もボールキャリアの腹側 に頭を入れるように指導されていた74).つまり,ラグビー の逆ヘッドタックルがアメリカンフットボールでは正し いタックルとされてきた.しかし,HUT では,頭を相 手にファーストコンタクトさせないようにずらして肩で 当たる(ショルダータックル)ことやタックラーはボー ルキャリアの背側に頭を入れることが記されている72) この相反する指導法の変更によって,指導の現場では困 惑しているという意見も聞かれていたが,HUT は国内 でも浸透してきている.松尾ほか75)によると HUT を導 入することで,脳振盪のリスクを低下させ,タックルの 効果は従来のタックルと差がないことを報告している.

Ⅵ アスレティックトレーニング学への期待

 JAFA では,7 月の選手登録時に,過去 1 年間の試合 や練習での,重症外傷や熱中症の報告義務を各連盟に課 しており,提出が完了するまでは登録未了としている. また,各連盟にリーグ戦時の外傷についても外傷報告書 の記載を徹底しており,毎年開催される JAFA 全国安 全対策委員会にてそれらの報告を集約し,その傾向を分 析している73).関東大学アメリカンフットボール連盟で は,試合時における事故報告書の提出を徹底しており, その結果を定期的に論文発表3, 4, 12, 13)している.しかしな がら,国内ではアメリカンフットボール自体がメジャー ではなく,本競技を研究する研究者も多くはない.アメ リカンフットボールに関する研究の多くは米国で行われ ており,体格や身体能力の異なる日本の選手にすべての 結果が適用できるのかは疑問が残る.

 次に,National Athletic Trainer’s Association(NATA) では,実際にフィールド内で頚髄損傷が疑われる際に は,原則として,ヘルメットとショルダーパッドは取り 外さない(外す際にはヘルメットとショルダーパッドの 両方を外す)ことを声明した.この理由として,これら を装着していると頚椎は生理的前弯を維持しやすく,ど ちらか一方を除去することで頚椎が適切に固定されない ためである76).ただし,フェイスマスクは気道確保のた めに取り外しておく.しかしながら,近年は,Emer-gency Medical Services の多様化により,場合によって はヘルメットとショルダーパッドを搬送前に除去すると 修正している77).これら緊急時の対応は NATA 公認ア スレティックトレーナーに示される声明であり,日本で は,このような緊急時の対応を現場のアスレティックト レーナーがどこまで行えるのかの議論も必要となる.  アスレティックトレーニング学としての知見を学問領 域の者だけが共有するだけではなく,選手や父兄,社会 が外傷予防に対して関心を持つことが重要であり,エビ デンスに基づいた予防策の啓蒙が今後の課題でもあり期 待といえる.

(7)

文 献

1 )Dick R, Ferrara MS, Agel J, Courson R, Marshall SW, Hanley MJ, Reifsteck F. : Descriptive epidemiology of col-legiate men’s football injuries: national colcol-legiate athletic association injury surveillance system, 1988-1989 through 2003-2004. J Athl Train, 42 (2) : 221-233, 2007.

2 )Shankar PR, Fields SK, Collins CL, Dick RW, Comstock RD. : Epidemiology of high school and collegiate football injuries in the United States, 2005-2006. Am J Sports Med, 35 : 1295-1303, 2007. 3 )藤谷博人,阿部 均,川原 貴,川又達朗,月村泰規, 立石智彦,反町武史,中山晴雄,麻生 敬,福田 崇:関 東大学アメリカンフットボール秋季公式戦における過去 20 年間(1991-2010)の外傷について,日本臨床スポーツ 医学会誌,20(3) : 550-557,2012. 4 )藤谷博人,中嶋寛之,黒澤 尚,川原 貴,阿部 均, 川又達朗,月村泰規:関東大学アメリカンフットボール秋 季公式戦における過去 13 年間の脳振盪の発生状況,日本 臨床スポーツ医学会誌,14(3) : 311-315,2006.

5 )Fukuda T, Miyakawa S, Matsumoto T, Kawasaki A, Takemura M, Mori S. : Epidemiology of collegiate Ameri-can football injuries ─Longitudinal injury surveillance for 10 years, 1999 through 2008─. Football Science, 9 : 70-78, 2012.

6 )Levy ML, Ozgur BM, Berry C, Aryan HE, Apuzzo ML. : Birth and evolution of the football helmet. Neurosurgery, 55 (3) : 656-661, 2004.

7 )Torg JS, Quedenfeld TC, Burstein A, Spealman A, Nichols C 3rd. : National football head and neck injury registry: report on cervical quadriplegia, 1971 to 1975. Am J Sports Med, 7 (2) : 127-132, 1979. 図 4 アメリカンフットボールの新旧ルールでのタックルの違い フォームタックル(上段) 正面からのタックルでは,タックラーはレバレッジサイド (自分が守るべきサイド)に頭を入れる. アングルタックル(下段) インサイドアウトしながらボールキャリアをタックル (アングルタックル)する際には,タックラーは ボールキャリアの背中側に頭を入れる.

(8)

8 )Torg JS, Vegso JJ, Sennett B, Das M. : The national football head and neck injury registry. 14-year report on cervical quadriplegia, 1971 through 1984. J Am Med Assoc, 254 : 3439-3443, 1985.

9 )Torg JS, Vegso JJ, O’Neill MJ, Sennett B. : The epide-miologic, pathologic, biomechanical, and cinematographic analysis of football-induced cervical spine trauma. Am J Sports Med, 18 : 50-57, 1990.

10)Pellman EJ, Viano DC, Tucker AM, Casson IR, Waeckerle JF. : Concussion in professional football: reconstruction of game impacts and injuries. Neurosurgery, 53 : 799-814, 2003.

11)Pellman EJ, Viano DC, Tucker AM, Casson IR. : Con-cussion in professional football: location and direction of helmet impacts-Part 2. Neurosurgery, 53 : 1328-1340, 2003. 12)藤谷博人,中嶋寛之,黒澤 尚,川原 貴,阿部 均, 月村泰規:関東アメリカンフットボールにおける過去 13 年 間の重症頭部外傷事故の検討─近年の傾向とその対策─, 日本整形外科スポーツ医学会誌,26 : 257-262,2007. 13)藤谷博人,中嶋寛之,黒澤 尚:関東高校アメリカン フットボールにおける過去 5 年間の試合時の外傷につい て,日本臨床スポーツ医学会誌,10(3) : 422-426,2002. 14)川原 貴:アメリカンフットボールにおける重大事故の 統計的観察,臨床スポーツ医学会誌,12 : 1-4,1995. 15)Greenwald RM, Gwin JT, Chu JJ. Crisco JJ. : Head impact

severity measures for evaluating mild traumatic brain injury risk exposure. Neurosurgery, 62 : 789-798, 2008. 16)Forbes JA, Zuckerman S, Abla AA, Mocco J, Bode K,

Eads T. : Biomechanics of subdural hemorrhage in Ameri-can football. review of the literature in response to rise in incidence. Childs Nerv Syst, 30 : 197-203, 2014.

17)Cantu RC and Mueller FO. : Brain injury-related fatali-ties in American football, 1945-1999. Neurosurgery, 52 : 846-852, 2003.

18)Cantu RC and Gean AD. : Second-impact syndrome and a small subdual hematoma; an uncommon catastrophic result of repetitive head injury with a characteristic im-aging appearance. J Neurotrauma, 27 : 1557-1564, 2010. 19)荻野雅宏,川本俊樹,新郷 哲,金彪:スポーツ頭部外

傷の管理と問題点,脳神経外科ジャーナル,26 : 195-199, 2017.

20)Lynall RC, Campbell KR, Wasserman EB, Dompier TP, Kerr ZY. : Concussion Mechanisms and Activities in Youth, High School, and College Football. J Neurotrauma, 34 : 2684-2690, 2017.

21)Zuckerman SL, Totten DJ, Rubel KE, Kuhn AW, Yengo-Kahn AM, Solomon GS. : Mechanisms of injury as a diagnostic predictor of sport-related concussion severi-ty in Football, basketball, and soccer: results from a re-gional concussion registry. Neurosurgery, 63 : 102-112, 2016. 22)Kerr ZY, Zuckerman SL, Wasserman EB, Covassin T,

Djoko A, Dompier TP. : Concussion symptoms and return to play time in youth, high school, and college American football Athletes. JAMA Pediatr., 170 : 647-653, 2016. 23)McCrea M, Guskiewicz K, Randolph C, Barr WB,

Ham-meke TA, Marshall SW, Kelly JP. : Effects of a

symptom-free waiting period on clinical outcome and risk of reinju-ry after sport-related concussion. Neurosurgereinju-ry, 65 : 876-883, 2009.

24)Gallo V, Motley K, Kemp S, Mian S, Patel T, James L, Pearce N, McElvenny D. : Concussion and long-term cog-nitive impairment among professional or elite sport-persons: a systematic review. J Neurol Neurosurge Psychiatry, 91 : 455-468, 2020.

25)Guskiewicz KM, Marshall SW, Bailes J, McCrea M, Cantu RC, RandolphC, Jordan BD. : Association between recurrent concussion and late-life cognitive impairment in retired professional football players. Neurosurgery, 57 : 719-726, 2005.

26)Alosco ML, Mez J, Tripodis Y, Kiernan, PT, Abdolmo-hammadi B, Murphy L, Kowall, NW, Stein TD. Huber BR, Goldstein LE, Cantu RC, Katz DI, Chaisson CE, Martin B, Solomon TM, McClean MD, Daneshvar DH, Nowinski CJ, Stern RA, McKee AC. : Age of first exposure to tackle football and chronic traumatic encephalopathy. Ann Neurol, 83 : 886-901, 2018.

27)McCrory P, Meeuwisse W, Dvořák J, Aubry M, Bailes J, Broglio S, Cantu RC, Cassidy D, Echemendia RJ, Cas-tellani RJ, Davis GA, Ellenbogen R, Emery C, Enge-bretsen L, Feddermann-Demont N, Giza CC, Guskiewicz KM, Herring S, Iverson GL, Johnston KM, Kissick J, Kutcher J, Leddy JJ, Maddocks D, Makdissi M, Manley GT, McCrea M, Meehan WP, Nagahiro S, Patricios J, Putukian M, Schneider KJ, Sills A, Tator CH, Turner M, Vos PE. : Consensus statement on concussion in sport-the 5th international conference on concussion in sport. Br J Sports Med, 51 (11) : 838-847, 2017.

28)Schneider KJ, Leddy JJ, Guskiewicz KM, Seifert T, McCrea M, Silverberg ND, Feddermann-Demont N, Iverson GL, Hayden A, Makdissi M. : Rest and treat-ment/rehabilitation following sport-related concussion: a systematic review. Br J Sports Med, 51 : 930-934, 2017. 29)Leddy JJ, Kozlowski K, Donnelly JP, Pendergast DR,

Epstein LH, Willer B. : A preliminary study of subsymp-tom threshold exercise training for refractory post-concussion syndrome. Clin J Sport Med, 20 : 21-27, 2010. 30)McKee AC, Stern RA, Nowinski CJ, Stein TD, Alvarez

VE, Daneshvar DH, Lee HS, Wojtowicz SM, Hall G, Baugh CM, Riley DO, Kubilus CA, Cormier KA, Jacobs MA, Martin BR, Abraham CR, Ikezu T, Reichard RR, Wolozin BL, Budson AE, Goldstein LE, Kowall NW, Cantu RC. : The spectrum of disease in chronic traumatic encephalopathy. Brain J Neurol, 136 : 43-64, 2013.

31)Mez J, Daneshvar DH, Abdolmohammadi B, Chua AS, Alosco ML, Kiernan PT, Evers L, Marshall L, Martin BM, Palmisano JN, Nowinski CJ, Mahar I, Cherry JD, Alvarez VE, Dwyer B, Huber BR, Stein TD, Goldstein LE, Katz DI, Cantu RC, Au R, Kowall NW, Stern RA, McClean MD, Weuve J, Tripodis Y, McKee AC. : Duration of Ameri-can football play and chronic traumatic encephalopathy. Ann Neurol, 87 : 116-131, 2020.

(9)

Bailes J, Cantu RC, Castellani RJ, Turner M, Jordan BD, Randolph C, Dvořák I, Hayden KA, Tator CH, McCrory P, Iverson GL. : A systematic review of potential long– term effects of sport–related concussion. Br J Sports Med, 51 : 969-977, 2017.

33)Schneider RC. : Serious and fatal neurosurgical football injuries. Clin Neurosurg, 12 : 226-36, 1964.

34)Torg JS, James TG, Suzanne J. : Injuries to the cervical spine in American football players. J Bone Joint Surg Am, 84 (1) : 112-122, 2002.

35)Schneider RC, Kahn EA. : Serious and fatal neurosurgi-cal football injuries. Clin Neurosurg, 12 : 226-236, 1966 36)Hodgson VR, Thomas LM. : Mechanism of cervical

spine injury during impact to the protected head. Pro-ceedings of the 24th Stapp Car Crash Conference, SAE Paper #801300, 17-42, 1980.

37)Mertz HJ, Hodgson VR, Murray TL, Nyquist GW. : An assessment of compressive neck loads under injury-producing conditions. Physician Sportsmed, 6 : 95-106, 1978. 38)Philip H, Alireza A, William M, Lawrence L. : Return-to-play recommendations after cervical, thoracic, and lumbar spine injuries. Sports Health, 8 (1) : 19-25, 2016. 39)Albright JP, Van Gilder J, El-Khoury G, Crowley E,

Foster D. : Head and neck injuries in sports, in Scott NW, Nisonson B, Nicholas JA (eds): Principles of Sports Medi-cine. Baltimore/London, Williams & Wilkins, 1984. 40)下條仁士,矢吹 武,土肥徳秀,松本 剛:アメリカン

フットボールにおける外傷Ⅰ─頸部外傷─,J. J. Sports sci,7 : 7-12,1988.

41)Meyer SA, Schulte KR, Callaghan JJ, Albright JP, Powell JW, Crowley ET, el-Khoury GY. : Cervical spinal stenosis and stingers in collegiate football players. Am J Sports Med, 22 (2) : 158-166, 1994.

42)Torg JS, Pavlov H, Genuario SE, Sennett B, Wisneski RJ, Robie BH, Jahre C. : Neuropraxia of the cervical spinal cord with transient quadriplegia. J Bone Joint Surg Am, 68 (9) : 1354-70, 1986.

43)Castro FP Jr, Ricciardi J, Brunet ME, Busch MT, Whitecloud TS 3rd. : Stingers, the Torg ratio, and the

cer-vical spine. Am J Sports Med, 25 : 603-608, 1997.

44)Kepler CK, Vaccaro AR. : Injuries and abnormalities of the cervical spine and return to play criteria. Clin J Sports Med, 31 : 499-508, 2012.

45)Cantu RC, Li YM, Abdulhamid M, Chin LS. : Return to play after cervical spine injury in sports. Curr Sports Med Rep, 12 : 14-17, 2013.

46)Thomas BE, McCullen GM, Yuan HA. : Cervical spine injuries in football players. J Am Acad Orthop Surg, 7 (5) : 338-347, 1999.

47)Gorden JA, Straub SJ, Swanik CB, Swanik KA. : Effects of football collars on cervical hyperextension and lateral flexion. J Athl Train, 38 : 209-215, 2003.

48)Page S, Guy JA. : Neuropraxia, “stingers”, and spinal stenosis in athletes. South Med J, 97 (8) : 766-769, 2004. 49)Torg JS, Thibault L, Sennett B, Pavlov H. : The

patho-mechanics and pathophysiology of cervical spinal cord

injury. Clin Orthop Relat Res, 321 : 259-69, 1995.

50)Allen CR, Kang JD. : Transient quadriparesis in the athlete. Clin Sports Med, 21 (1) : 15-27, 2002.

51)Matsuura P, Waters RL, Adkins RH, Rothman S, Gurbani N, Sie I. : Comparison of computerized tomography pa-rameters of the cervical spine in normal control subjects and spinal cord-injured patients. J Bone Joint Surg Am, 71 : 183-188, 1989.

52)Duma SM, Manoogian SJ, Bussone WR, Brolinson PG, Goforth MW, Donnenwerth JJ, Greenwald RM, Chu JJ and Crisco JJ. : Analysis of real-time head accelerations in collegiate football players. Clin J Sport Med, 15 : 3-8, 2005.

53)Crisco JJ, Fiore R, Beckwith JG, Chu JJ, Brolinson PG, Duma S, McAllister TW, Duhaime AC, Greenwald RM. : Frequency and location of head impact exposures in individual collegiate football players. J Athl Train, 45 : 549-559, 2010.

54)Fukuda T, Koike S, Miyakawa S, Fujiya H, Yamamoto Y. : Impact on the head during collisions between univer-sity American football players ─focusing on the number of head impacts and linear head acceleration─. J Phys Fitness Sports Med, 6 (4) : 241-249, 2017.

55)Mihalik JP, Bell DR, Marshall SW, Guskiewicz KM. : Measurement of head impacts in collegiate football players: an investigation of positional and event-type differences. Neurosurgery, 61 : 1229-1235, 2007.

56)Crisco JJ, Wilcox BJ, Machan JT, McAllister TW, Duhaime AC, Duma SM, Rowson S, Beckwith JG, Chu JJ, Greenwald RM. : Magnitude of head impact exposures in individual collegiate football players. J Appl Biomech, 28 : 174-183, 2012.

57)Schnebel B, Gwin JT, Anderson S, Gatlin R. : In vivo study of head impacts in football: a comparison of national collegiate athletic association division I versus high school impacts. Neurosurgery, 60 : 490-495, 2007.

58)Rowson S, Duma SM, Beckwith JG, Chu JJ, Greenwald RM, Crisco JJ, Brolinson PG, Duhaime AC, McAllister TW, Maerlender AC. : Rotational head kinematics in foot-ball impacts: an injury risk function for concussion. Ann Biomed Eng, 40 : 1-13, 2012.

59)Rowson S, Beckwith JG, Chu JJ, Leonard DS, Green-wald RM, Duma SM. : A six degree of freedom head ac-celeration measurement device for use in football. J Appl Biomech, 27 : 8-14, 2011.

60)O’Connor KL, Rowson S, Duma SM, Broglio SP. : Head-impact-measurement devices: a systematic review. J Athl Train, 52 : 206-227, 2017.

61)Funk JR, Rowson S, Daniel RW, Duma SM. : Validation of concussion risk curves for collegiate football players derived from HITS data. Ann Biomed Eng, 40 : 79-89, 2011.

62)Broglio SP, Sosnoff JJ, Shin S, He X, Alcaraz C, Zim-merman J. : Head impacts during high school football: a biomechanical assessment. J Athl Train, 44 : 342-349, 2009.

(10)

63)Tierney RT, Sitler MR, Swanik CB, Swanik KA, Hig-gins M, Torg J. : Gender differences in head-neck seg-ment dynamic stabilization during head acceleration. Med Sci Sports Exerc, 37 : 272-279, 2005.

64)Tierney RT, Higgins M, Caswell SV, Brady J, McHardy K, Driban JB, Darvish K. : Sex differences in head accel-eration during heading while wearing soccer headgear. J Athl Train, 43 : 578-584, 2008.

65)Viano DC, Casson IR, Pellman EJ. : Concussion in pro-fessional football: biomechanics of the struck player, part 14. Neurosurgery, 61 : 313-327, 2007.

66)Collins CL, Mckenzie LB, Ferketich AK, Andridge R, Xiang H, Comstock RD. : Concussion characteristics in high school football by helmet age/recondition status, manufacturer, and model: 2008-2009 through 2012-2013 academic years in the United States. AM J Sports Med, 44 (6) : 1382-1390, 2016.

67)Rowson S, Duma SM, Greenwald RM, Beckwith JG, Chu JJ, Guskiewicz KM, Mihalik JP, Crisco JJ, Wilcox BJ, McAllister TW, Maerlender AC, Broglio SP, Schnebel B, Anderson S, Brolinson PG. : Can helmet design reduce the risk of concussion in football? J Neurosurg, 120 (4) : 919-922, 2014.

68)Swartz EE, Broglio SP, Cook SB, Cantu RC, Ferrara MS, Guskiewicz KM, Myers JL. : Early results of a hel-metless-tackling intervention to decrease head impacts in football players. J Athl Train, 50 (12) : 1219-1222, 2015. 69)McGuine TA, Hetzel S, McCrea M, Brooks MA. :

Pro-tective equipment and player characteristics associated with the incidence of sport-related concussion in high school football players: a multifactorial prospective study. Am J Sports Med, 42 (10) : 2470-2478, 2014.

70)Collins CL, Fletcher EN, Fields SK, Kluchurosky L,

Rohrkemper MK, Comstock RD, Cantu RC. Neck strength: a protective factor reducing risk for concussion in high school sports. J Prim Prev, 35 (5) : 309-319, 2014.

71)Zhang L, Yang KH, King AI. : A proposed injury threshold for mild traumatic brain injury. J Biomech Eng, 126 (2) : 226-236, 2004.

72)USA Football. USA football tackling systems. https:// usafootball.com/development-training/tackling-systems/ (Cited 2020.08.12) 73)日本アメリカンフットボール協会の安全対策.公益財団 法人日本アメリカンフットボール協会.https://american football.jp/archives/1129(Cited 2020.08.12) 74)デヴィット・スタント:正しいブロックとタックルのテ クニック,安全なアメリカンフットボールを目指して(改 訂版).関東大学アメリカンフットボール連盟,秀文社, 東京,22-23,1996. 75)松尾博一,山田幸雄,増地克之,松元 剛:アメリカン フットボールにおける Heads Up Tackling(HUT)指導 プログラムがタックルの安全性およびパフォーマンスに与 える影響,体育学研究,62(2) : 665-677,2017.

76)Swartz EE, Boden BP, Courson RW, Horodyski MB, Norkus SA, Rehberg RS, Waninger KS. : National athletic trainers’ association position statement: acute manage-ment of the cervical spine–injured athlete. J Athl Train, 44 (3) : 306-331, 2009.

77)Mills BM, Conrick KM, Anderson S, Bailes J, Boden BP, Conway D, Ellis J, Feld F, Grant M, Hainline B, Henry G, Herring SA, Hsu WK, Isakov A, Lindley TR, McNamara L, Mihalik JP, Neal TL, Putukian M, Rivara FP, Sills AK, Swartz EE, Vavilala MS, Courson R. : Con-sensus recommendations on the prehospital care of the injured athlete with a suspected catastrophic cervical spine injury. J Athl Train, 55 (6) : 563-572, 2020.

(11)

Prevention of head and neck injury in American football

Takashi FUKUDA1)

1)A605, Faculty of sport and health science, University of Tsukuba,

1-1-1, Tennodai, Tsukuba, Ibaraki, 305-8574 Japan

Abstract A high head and neck injury rate has been one of the problems in American football since the birth of this sport in the late 18th century. The popularity of American football in the united states encouraged research projects to be secured a player. In fact, studies in American football contributed to the rule changes and helmet renovations.

  Originally a helmet became harder to prevent a catastrophic injury. However, a spinal cord injury increased by a spearing tackle in which a player made initial contact with the crown of the helmet as a weapon to an opponent player. The rule change to prohibit the tackle in 1976 resulted in more effective prevention of a serious head and neck injury. It is also clear that medical examination by using a x-ray or a computed tomography is preferred since the Torg ratio less than 0.8 increases the risk of cervical spine injuries.

  Now a concussion is widely recognized as a social problem. Many studies also have been conducted in the united states but for now there is a lack of effective evidence-based prevention. To be cleared, no helmet can prevent it. Additionally, it is not clear that correct tackling techniques and cervical muscle strength are effective to prevent it.

  More concussion studies in Japan are expected in the future because it remains doubtful that all results apply to Japanese athletes of different physiques and physical abilities to American counterparts.

参照

関連したドキュメント

熱力学計算によれば、この地下水中において安定なのは FeSe 2 (cr)で、Se 濃度はこの固相の 溶解度である 10 -9 ~10 -8 mol dm

An example of a database state in the lextensive category of finite sets, for the EA sketch of our school data specification is provided by any database which models the

For staggered entry, the Cox frailty model, and in Markov renewal process/semi-Markov models (see e.g. Andersen et al., 1993, Chapters IX and X, for references on this work),

The commutative case is treated in chapter I, where we recall the notions of a privileged exponent of a polynomial or a power series with respect to a convenient ordering,

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A

0.1. Additive Galois modules and especially the ring of integers of local fields are considered from different viewpoints. Leopoldt [L] the ring of integers is studied as a module

A class F of real or complex valued functions is said to be inverse closed if 1/f remains in the class whenever f is in the class and it does not vanish, and it is said to

レジェンド KA9系 98.09~04.09 HID車 H1 D2R H1 × × × KB1 04.10~ HID車 HB3 D2S H11 V9TZHB003 V9TZHB003 × V9TZFB001 V9TZFB001 KB2 08.09~