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〈調査・研究〉大学生を対象としたコミュニケーションスキルトレーニング--カウンセリング技法教育による対人関係能力向上への取り組み

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Academic year: 2021

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(1)BulIetinof⊂enterfor⊂hni⊂alPsychologyKinkiUniversityVol.3:61∼84(2010). 61. 大 学 生 を対 象 と した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル ト レー ニ ン グ ー カウンセ リング技法教育 に よる対 人関係能力 向上へ の取 り組み 一. 青. 野. 明 子. 近 畿 大 学 臨 床 心 理 セ ン ター ・大 阪 国 際 大 学. 要. 約 本 稿 は 大 学 生 を対 象 と した コ ミュニ ケ ー シ ョ ンス キ ル トレー ニ ング に着 目 し、 対 人 関 係 能 力 向上 へ. の 取 り組 み に つ い て 検 討 す る こ と を 目的 とす る もの で あ る。 研 究1で は 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンス キ ル トレ ー ニ ング の 一 形 態 と して、 カ ウ ンセ リ ン グ技 法 教 育 の 講 義 を受 講 した 大 学 生 を対 象 に 質 問 紙 調 査 を実 施 した。 調 査 の 結 果 、 受 講 生 の 対 人 関 係 に お け る問 題 解 決 ス キ ル 、 自己 受 容 、 共 感性 、 集 団 に対 して 考 慮 し、 そ れ を集 団 内 で行 動 に 移 す 力 が 、 受 講 前 と比 較 して高 くな る こ とが 明 らか とな った 。 さ ら に研 究2で. は 、研 究1の 受 講 生 か ら一事 例 を選 択 し、 受 講 後 レ ポ ー トの 質 的 検 討 を行 っ た 。 事 例 の. 経 過 か ら、受 講者 の 自己 受 容 、共 感 性 な どの 対 人 関係 能 力 の発 達 の過 程 が 、記 述 内 容 の 質 的 分 析 に よ っ て 明 らか とな っ た 。 本 研 究 の 結 果 か ら、 カ ウ ン セ リ ング技 法 の 習 得 に よ り、 コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの ス キ ル を高 め る こ とは 、 自己 受 容 を 高 め 、他 者 や 集 団 に対 して 配 慮 し、 さ らに は トラ ブ ル解 決 に対 して も積 極 的 に行 動 に 移 す こ とを可 能 に す る こ とが 示 唆 され た 。 これ らの トレー ニ ン グ は対 人 関係 能 力 の 向 上 に有 効 で あ り、 今 後 、 大 学 生 以 外 の対 象 に も、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン トレー ニ ン グ を広 く展 開 す る 意 義 が示 唆 され た。. キ ー ワ ー ド:コ. ミュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル トレー ニ ング 、 対 人 関係 能 力 、 大 学生. Keywords:communicationskilltrainingabilityforpersonalrelationships,universitystudent. 1.問. 題. 対 人 関 係 能 力 の 向 上 を 目標 とす る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キ ル ト レ ー ニ ン グ は 、 各 領 域 で 実 施 さ れ て い る 。 医 療 領 域 で は 、 緩 和 ケ ア に 携 わ る 医 療 関 係 者(伊 な ど)、 チ ー ム 医 療(山 救 急 隊 員(竹. 田,2005)、. 内 ら,2010な. 藤1997:白. ど)、 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン 医 療(大. 看 護 学 生 を 対 象 と し模 擬 患 者 を導 入 し た も の(堀. 井 ら,2008. 瀧 ら,2007な. ど)、. ら,2004)な. ど、. 様 々 な 対 象 へ の ト レ ー ニ ン グ が 報 告 さ れ て い る 。 教 育 領 域 で は 、 小 ・中 ・高 校 生 を 対 象 と し て 授 業 時 間 内 に 実 施 さ れ る も の(西. 村,2003:中. 野,2003:内. 田 ら,2009な. ど)、 大 学 生.

(2) 近 畿 大学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 62. 第3巻2010年. を 対 象 と し て 講 義 時 間 内 に 実 施 さ れ る ト レ ー ニ ン グ(石 2009な グ(藤. ど)等. 井 ら,2006:皆. 川 ら,2009:青. 野,. が 報 告 され 、福 祉 領 域 で は発 達 に 遅 れ の あ る子 ど も を対 象 と した トレー ニ ン. 井 ら,2002な. ど)等. が 挙 げ られ る。 産 業 領 域 で は、 合 意 形 成 の技 術 の た め の コ ミ ュ. ニ ケ ー シ ョ ン ス キ ル ト レ ー ニ ン グ(大 実 施 形 式 は 講 義+演. 石,2007)等. が 報 告 され て い る。. 習 形 式 、 グ ル ー プ ワ ー ク 、 ゲ ー ム 演 習 形 式 、 そ れ ら を組 み 合 わ せ た も. の な ど が あ る 。 回 数 は1カ. 月 に1回. 、6回1ク. ー ル 等 か ら 、 大 学 の 半 期 の 講 義 回 数15回. 実. 施 す る も の も あ る 。 効 果 報 告 と し て 、 言 語 的 ・非 言 語 的 な 表 現 力 、 解 読 の 感 受 性 、 他 人 へ の 配 慮 、 周 囲 へ の 気 配 り等 が 向 上 す る と さ れ て い る 。 本 研 究 で は 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キ ル ト レ ー ニ ン グ の 一 形 態 と し て 、 カ ウ ン セ リ ン グ技 法 教 育 の 講 義 を 受 講 し た 大 学 生 を対 象 に 調 査 研 究 と事 例 研 究 を 実 施 し 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キ ル ト レ ー ニ ン グ が 受 講 者 の 対 人 関 係 能 力 を 向 上 させ る と い う モ デ ル を仮 定 し て 検 討 を行 う。 研 究1で. は、 質 問紙 調 査 を実 施 し、受 講 生 の対 人 関係 で の トラブ ル処 理 や 問題 解 決 をす. る ス キ ル、 自己受 容 、 他 者 に対 して共 感 し よ う と意 図 す る 力 、 集 団 に対 して 考 慮 し、 そ れ を 集 団 内 で 行 動 に 移 す 力 に つ い て 、 受 講 前 後 で の 変 化 を 測 定 す る 。 さ ら に 研 究2で. は 、 研 究1. の 受 講 生 の 中 か ら一 事 例 を 選 択 し、 受 講 後 レ ポ ー トの 質 的 検 討 を 行 い 、 受 講 者 の 自 己 受 容 、 他 者 に 対 し て 共 感 し よ う と意 図 す る 力 、 他 者 に 配 慮 す る 感 受 性 な ど の 対 人 関 係 能 力 が 変 化 す る 過 程 に つ い て 、 記 述 内 容 の 質 的 分 析 に よ っ て 明 ら か に す る 。 研 究1の. 調 査 研 究 、 研 究2の. 事 例 研 究 に よ り、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ス キ ル ト レ ー ニ ン グ が 対 人 関 係 能 力 に 及 ぼ す 効 果 に つ い て 検 討 す る こ と を 目的 とす る 。. 11.研. 究1一. 1.目. 的. 調査研究 一. 現 代 人 の 対 人 関 係 能 力 の 低 下 が 指 摘 さ れ て 久 し く、 大 学 に お い て も学 生 の 対 人 関 係 能 力 向 上 を 目的 と した実 践 的 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開発 は、 急 務 で あ る とい え る。 大 学 新 入 生 の対 人 関 係 能 力 を 規 定 す る 要 因 に つ い て の 調 査(石. 井 ら,2008)で. は、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンに 関 わ る. 社 会 的 ス キ ルが 高 い 学 生 は、 自己 閉 鎖 性 が 低 い こ とに よ っ て、 対 人 的 信 頼 感 、 基 本 的 信 頼 感 が と も に 高 い こ とが 示 さ れ た 。 従 っ て 、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 社 会 的 ス キ ル を 高 め る こ と は 、 自己 閉 鎖 的 な 自己 の 態 度 を変 容 させ 、 対 人 関 係 能 力 の 向上 に有 効 で あ る とい え る。 こ れ をふ ま え て 研 究1で. は 、 筆 者 が 担 当 す る カ ウ ン セ リ ン グ 基 礎 技 法 の 習 得 を 目 的 と し た 講 義 ・演 習. 科 目 「カ ウ ン セ リ ン グ1』 、 『カ ウ ン セ リ ン グH』(3回. 生 対 象 、 前 期 後 期 各2単. 位)を. 受講. す る こ と に よ って 、 受 講 生 の コ ミュニ ケ ー シ ョ ンに関 わ る社 会 的 ス キ ルお よ び対 人 関 係 能 力 が 向上 す る とい うモ デ ル を仮 定 し、 質 問 紙 調査 に よ って 検 討 を行 う こ と を 目的 とす る。.

(3) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン ス キル トレ ーニ ン グ. 63. 2.プ ロ グ ラ ム (1)講. 義の概要. Tablel.『. カ ウ ン セ リ ン グ1』 1開. 『カ ウ ン セ リ ン グH』. 内容1. 時 間1. 始 ∼15分1. 前 回 の 振 り返 りとレポ ー トへ の コメン ト. 講義 演習. 口5分 ∼50分 150分. 授 業 時 間 配 分(1回90分). ∼80分;. 80分 ∼90分1. レポ ー ト作 成 ・提 出. 3回 生 対 象 科 目 『カ ウ ン セ リ ン グ1(前. 期)』、 『カ ウ ン セ リ ン グH(後. 期)』 で 実 施 さ れ た. プ ロ グ ラ ム 内 容 に つ い て 以 下 に 示 す 。 講 義 ・演 習 内 容 の 参 考 テ キ ス ト と し て 、 カ ウ ン セ リ ン グ の 基 礎 を 学 ぶ 入 門 書 に 適 し て い る こ とか ら、 『ピ ア ヘ ル パ ー ハ ン ドブ ッ ク 』(日 本 教 育 カ ウ ン セ ラ ー 協 会 編,2002)を. 用 い た 。 前 期 、 後 期 各15回. 業 で 面 接 演 習 を 実 施 し た 。1コ 容 の 概 略 をTable2に (2)演. マ90分. の う ち 、 最 終 回 を 除 く各 期14回. の 授 業 時 間 配 分 をTablelに. の授. 、 各 回 の 講 義 ・演 習 内. 示 した。. 習の実施方法. 本 授 業 の 受 講 生 の 大 半 は 心 理 専 門 職 を 目 指 す 学 生 で は な い た め 、 演 習 時 間 内 で は 「カ ウ ン セ ラ ー 」 ・「ク ラ イ エ ン ト」、 「ピ ア ヘ ル パ ー 」 ・「ヘ ル ピ ー 」 で は な く、 「聞 き手 」 ・「話 し 手 」 と い う 呼 称 を 使 用 し た 。 演 習 の た め の2人. 組 、3人. 組 は毎 回 受 講 者 間 で 自由 に組 ませ 、 で き. る だ け 初 め て の 人 と ペ ア を組 む よ う に 声 掛 け を し 、 受 講 生 同 士 が 積 極 的 に 移 動 し て ペ ア を 組 め る よ う にサ ポ ー トした 。 演 習 で は 当 日の 講 義 との 関 連 を主 軸 に話 し手 の テー マ を構 成 し、 毎 回 聞 き手 、 話 し手 を 交 代 し て 、 ど ち ら の 役 割 も 経 験 で き る よ う に 面 接 演 習 を 行 っ た 。 面 接 時 間 は1分 後期. か ら10分. まで、 授 業 の 回 を 追 う ご とに延 長 した 。. 『カ ウ ン セ リ ン グH』. の後 半 で は、 実 際 に大 学 生 が相 談 を受 け る可 能性 の 高 い 領域 ご. と に 、 筆 者 の 臨 床 経 験 に 基 づ き架 空 の 事 例 を 予 め2件. ず つ 作 成 し て お き、 演 習 開 始 時 に ペ ア. の 相 手 に は 見 せ な い よ う に 伝 え て 配 布 し た 。 話 し手 役 が 事 例 を 読 ん で 役 に な り き り、 ロ ー ル プ レ イ を す る こ とで 、 聞 き手 役 が 、 よ り具 体 的 な 形 で 習 得 し た カ ウ ン セ リ ン グ ス キ ル を 実 践 す る場 を設 けた 。 面 接 演 習 終 了 後 は 数 分 間 の シ ェ ア リ ン グ(分. か ち 合 い)を. し、 お 互 い に 演 習 中 に 感 じ た こ. と な ど を 自 由 に 話 し合 う 時 間 と した 。 シ ェ ア リ ン グ と 演 習 終 了 後 の レ ポ ー ト作 成 に よ り、 体 験 の 後 付 け と 整 理 が 可 能 に な る こ と も 目 的 と して い る 。.

(4) 近 畿大 学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 64. Table2.『. カ ウ ン セ リ ン グ1』. 第3巻2010年. ・ 『カ ウ ン セ リ ン グH』. 講 義 ・演 習 プ ロ グ ラ ム. 『カウンセリング1』. 回. 講義内容. 1. カウンセリングとはなにか. 2. カウンセリング理 論1精 神分析 理論1. 3. カウンセリング理 論1精 神分析 理論2. 2人組 み ・1人1分間 ・ 言乱 手 、聞き手を交代 ・ 聞き手 は相 槌や 頷 き を用い て傾 聴 ・1分間 のシェア リング 2人組 み ・1人2分間 話 し手 、聞き手を交代 ・ 聞き手 は 「 受 け、うな が し」を鳳 、 て傾 聴 1分間 の シェアリング. 4. カウンセリング理 論2ユ ング心理 学1. 2人組 み ・1人2分間 言乱 手 、聞 き手を交代 ・ 聞き手 は 「 受 け、うな が し」を用 いて傾 聴 1分間 の シェアリング. 5. カウンセリング理 論2ユ ング心理 学2. 2人組 み ・1人1分間 言乱 手 、聞き手を交 代 ・4人組 を作りIl賂 に他 者 紹介 ・シェア リング. 6. カウンセリング理 論3来 談者 中心療法1. 7. カウンセリング理 論3来 談者 中心療法2. 言乱 手 のテーマ. 演習形式 2人組 み ・1人1分間 ・ 話 し手 、聞 き手を交代 ・ 聞き手 は声 を出さない で傾聴 ・1分間のシェア リング. 自己紹介 自己紹介 連休の予定について 連休をどのように過ごしたカMこ ついて 自己紹介・ 他者紹介. 2人組 み ・2分間 ・ 話 し手 、聞 き手 を交代 ・聞き手 はラポー ルを意 識 最 近 あった 良力り たこと、楽しか った こと して傾 聴 ・1分間の シェアリング 2人組 み ・2分間 ・ 話 し手 、聞 き手 を交代 ・聞き手 は共感 的 応答 を意 識 して傾 聴 ・1分間 のシェア ル グ. 最近あった気になる出来事. 8. カウンゼル グ理論3来 談者中心療法3. 2人組み・2分 間・ 話し手、聞き手を交代・聞き手は効果的な促しを 今ま刷 こあった心に残る出来事 意識して傾聴1分 間の泣 アリング. 9. カウンセリング理論4行 動理論と行動療法. 2人1組 ・3分間 ・階層表 にもとつく面接 演習 ・1分間 のシェアリング. 階層表を作成し、それにもとついて話す. 10. カウンセリング理論4認 知行動療法と論理療法. 2人1組 ・3分間 ・「 論 理療 法シー ト」 を利用 した面 接演 習 ・1分間の シェア ル グ. 「 論 理療 法 シー ト」 を記 入し、そ相 こもとつ い て 話す. 11. カウンゼ ル グ理 論5そ の 他のカウンセ リング理論1. 12. 子どもの心 の問 題とカウンセリング. 13. 大人 の心の 問題とカウンゼ)ング. ノ1、 学校への通学路を地図に描き、それを見 ながら話 ナ 2人組 み ・3分間 ・ 話 し手 、聞 き手 を交代 ・聞き手 は今ま での演 習を 意 識してきく・1分間の シコニ アリング. 夏休みの予定について 2人1組 み ・1人5分間 ・ 言乱 手 、聞 き手を交 代・聞き剥 ま傾 聴し、話 し手 の体 験の 整 理を援 助する. 心にあらわれる様々な症状とカウンセリング. 14. 4略 い頃の夏の思い出について. 『 カウンセリング1』を受 講 して 感じたことに つい て. 『 カウンセリング 且』. 講義内容. 回. 演習内容. 1. カウンセリング技法1カ ウンセ リングの言 語的技法1 「受容技 法 ・ 繰り返し技 法 ・ 明確 化技法 」. 2人組 み ・1人2分間 ・ 言乱 手 ・ 聞き手 を交 代 して「受容 技法 ・ 繰 り返 し技 法 ・ 明 確化 技法 」の練 習 ・1分間の シェアリング. 2. カウンセリング技 法1カ ウンセ リングの言 語的技 法2「支持 技法」. 3人1組 ・1人2分間・観察 者 、話 し手 、聞き手 に分 かれ てロー テー ション表 を使 用 した面 接演 習 ・ 「支 持技 法」の 練習. 3. カウンセリング技 法1カ ウンセ リングの言 語的技 法3「質問 技法 」. 3人1組 ・1人2分間・観察 者 、話 し手 、聞き手 に分 かれ てロー テー ション表 を使 用 した面 接演 習 ・ 「質 問技法 」の 練習. 4. カウンセリング技 法2カ ウンセ リングの非 言語 的技法. 5. カウンセリング技法3対 話上の諸問題への対処法. 6. カウンセリング技 法4問 題へ の対処 法. 7. カウンセリング技 法5カ ウンセラーの 心が まえ. 8. カウンセリング技法6青 年期の課題と留意点. 卒 業 後の 進路 の問 題 ・ 学 業問 題 ・ 人 間関 係 ・小 学校 時代 の私 ・今の 生活(ア ルバ イト 等)・人生 計画 ・1∼2週間の 間で嬉 しカ、 った こと、困ったこと、の中 から支障 のない 範囲 で言 舌す. 中学校時代の私・ 高校時代の私・中学校ま たは高校時代に一生懸命だったこと、の中 から支障のない範囲で話す 3人1組 ・1人5分間・観察 者 、話 し手 、聞き手 に分 かれ てローテー ション表 を使用 した面 接演 習. 今までのテーマの中から好きなものを選 ん で、支障のない範囲で話す 今までのテーマ、今言乱 たいことの中から支 障の頓 、 範囲で話す. 9. カウンセリング技 法7青 年期 の課 題1学 業領 域. 10. カウンセリング技法7青 年期の課題2進 路領域. 11. カウンセリング技法7青 年期の課題3友 人領域. で2. カウンセリング技法7青 年期の課題4関 係修復領域. 13. カウンセリング技法7青 年期の課題5心 理領域. 14. カウンセリングの 必要性. 3.調. 言乱 手のテーマ 夏休みの過ごし方について. 3人1組 ・1人7分間・観察 者 、話 し手 、聞き手 に分 かれ てローテ ー ション表 を使用 した面 接演 習. 自分 について(良 い所 ・ 悪 い所 ・好きな所 ・ 嫌いな所 ・ こうなりたい と思うこと). 2人1組 ・1人5分間・話 し手は 事例 をもとに ロー ルプレイ・ 話 し手 、聞 き手を交 代 ・3分間 のシェアリング. 言乱 手は毎回の各領域 こもとついた事例を 書いた紙を受取り、事例 こなりきって「トール プレイ・ 聞き判 まカウンセリング技法を用い て聞く. 2人1組 み ・1人10分間 ・ 言乱 手 、聞 き手を交代 ・聞き引 ま傾聴 し、話 『 カウンセリング1』を 受講 して 感じたことに し手 の体 験 の整 理を援 助する ついて. 査方法. (1)調. 査 時 期2008年4月. (2)被. 調査者. 0大 学N学. 部 の2008年. ・2009年1月. 度. 「カ ウ ン セ リ ン グ1』. ・「カ ウ ン セ リ ン グH』. 受 講 者 を調 査 対 象.

(5) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル トレー ニ ン グ. 者 と した。 調 査 は の 最 終 回 の 計2回. 『カ ウ ン セ リ ン グ1(前. 期)』 の 第1回. 、 女 性10名)、. (3)質. 目、 『カ ウ ン セ リ ン グH(後. 期)』. 実 施 され た。 効 果 測 定 の た め 質 問 紙 に 暗証 番 号 の記 入 を 求 め 、 開始 時 と終. 了 時 の デ ー タ を 対 応 さ せ た 。 受 講 者49名 (男 性8名. 65. の う ち 、 暗 証 番 号 が 一 致 し た 有 効 デ ー タ は18名. 平 均 年 齢 は20.35歳(SD=0.79)で. あ っ た。. 問紙. 石 井 ら(2008)を. 参 考 に作 成 した以 下 の質 問紙 を授 業 開始 時 に 配布 して調 査 依 頼 し、 そ の. 場 で 回答 を求 め 、 授 業 終 了時 に 回収 した。 ① 社 会 的 ス キ ル:Kiss-18(菊. 池,1993). 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」、 「問 題 解 決 」、 「ト ラ ブ ル 処 理 」 の3因 項 目 の 計18項 ② 信 頼 感:基. 目(5件. 法)を. 子 構 造 を 採 用 し、 各 因 子6. 用 い た。. 本 的 信 頼 感 尺 度(谷1996). 「基 本 的 信 頼 感 」6項 ③ 自 己 肯 定 意 識:自. 目、 「対 人 的 信 頼 感 」5項. 己 肯 定 意 識 尺 度(平. 目 の 計11項. 目(5件. 法)を. 用 い た。. 石,1990). 青 年 期 の 自己 意 識 の 発 達 の う ち 自己 肯 定 性 次 元 の 個 人 差 を測 定 す る尺 度 。 対 自己領 域 か ら 「自 己 受 容 」、 「自 己 実 現 」、 「充 実 感 」、 対 他 者 領 域 か ら 「自 己 表 明 」、 「被 評 価 意 識 」、 「自 己 閉 鎖 」 の6因 ④ 共 感 性:共. 子 、 各4項. 目 、 計24項. 目(5件. 法)を. 用いた。. 感 力 ス ケ ー ル(Maemura,etal,2007). 「情 動 的 共 感 力 」、 「認 知 的 共 感 力 」、 「共 感 意 図 」 の3因. 子 か ら 各3項. 目 、 計9項. 目 を用 い. た 。 本 尺 度 は 項 目 反 応 理 論 に よ り潜 在 特 性 値 を推 定 し て 使 用 す る尺 度 で あ る が 、 今 回 は 素 点 を 各 因子 得 点 と して使 用 した 。 ⑤ 集 団 に お け る 考 慮 と行 動 に 関 す る 質 問 項 目: ・集 団 考 慮 尺 度;吉. 田 ら(1999)に. よる社 会 考 慮 尺 度 、社 会認 識 尺 度 を参 考 に 、本 研 究 で は. 集 団 考 慮 的 な 側 面 を 測 定 す る た め に 、 質 問 項 目 中 の 「社 会 」 を 「集 団 」 に 置 き換 え た5項 目(5件. 法)を. 用 い た。. ・集 団 行 動 尺 度;集. 団 に お け る 行 動 に つ い て の 質 問 項 目 を 、 石 井 ら(2008)で. 作 成 した もの. を 使 用 し た 。 質 問 項 目 は 「私 は 集 団 の 目標 を 達 成 す る た め に 、 メ ンバ ー の 人 た ち に 適 切 に 指 示 を 出 せ る 」、 「どの よ う な 集 団 で も、 私 は う ま く と け こ め る 」、 「私 は 率 先 し て 、 集 団 を 引 っ 張 っ て い く こ と が で き る 」、 「集 団 の 中 で は 、 何 か 言 い た い こ とが あ っ て も、 そ れ を う ま く 口 に 出 す こ と が で き な い(逆. 転 項 目)」、 「集 団 の 中 に 自 分 と異 な る 意 見 の 人 が い て も、. そ れ を 受 け 入 れ る こ と が で き る 」 の5項 ・信 頼 性;対. 応 前 の 全 デ ー タ(N=79)に. 「集 団 考 慮 」(α=.70)、. 目(5件. 法)を. 用 い た。. よ る 信 頼 性 は 、 「集 団 考 慮+集. 「集 団 行 動 」(α=.60)で. あった。. 団 行 動 」(α=.74)、.

(6) 近 畿 大 学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 66. 4.結 (1)受. 第3巻2010年. 果と考察 講 に よ る各 尺 度 得 点 の 変 化. 前 期 第1回. 授 業 で の 調 査(受. の 平 均 値 、SD、'検. 講 前)と. 定 結 果 をTable3に. 後 期 第14回. で の 調 査(受. 講 後)に. よる 各 尺 度 得 点. 、 各 尺 度 の 平 均 値 を グ ラ フ 化 し た も の をFigure1. に 示 し た 。 グ ラ フ か ら明 らか な よ う に 、 多 くの 尺 度 に つ い て 受 講 に よ り平 均 値 は 肯 定 的 に 変 化 して お り、 有 意 に 否 定 的 に 変 化 した 尺 度 は み られ な か っ た 。 以 下 、 各 尺 度 に つ い て の 結 果 を考 察 す る。 ① 社 会 的 ス キ ル 尺 度:尺. 度 の 合 計 得 点('(17)=-1.92,ρ. ('(17)=-2。57,ρ<.10)、. く.10)と. 、 「問 題 解 決 」 因 子. 「ト ラ ブ ル 処 理 」 因 子('(17)=-1.82,ρ<.10)に. 有意傾 向の. あ る 差 が 認 め ら れ た 。 「問 題 解 決 」 因 子 の 質 問 項 目 は 「仕 事 を す る と き に 何 を ど う や っ た ら よ い か 決 め ら れ る 」、 「他 人 を 助 け る こ と を 上 手 に や れ る 」、 「相 手 が 怒 っ て い る と き、 う ま く な だ め る こ と が で き る 」 等 で あ る 。 ま た 、 「ト ラ ブ ル 処 理 」 因 子 の 質 問 項 目 は 「あ ち こ ち か ら 矛 盾 し た 話 が 伝 わ っ て き て も 、 う ま く処 理 で き る 」、 「何 か 失 敗 した と き に 、 す ぐ に 謝 る こ と が で き る 」、 「ま わ りの 人 た ち が 自 分 と は 違 っ た 考 え 方 を も っ て い て も 、 う ま く や っ て い け る 」、 「相 手 か ら 非 難 さ れ た と き に も 、 そ れ を う ま く片 付 け る こ と が で き る 」、 「ま わ りの 人 た ち と の 間 で トラ ブ ル が 起 き て も、 そ れ を 上 手 に 処 理 で き る 」 等 で あ る 。 授 業 で は 後 期 に 「対 話 上 の 諸 問 題 へ の 対 処 法(第8回)」 12回)」. 、 「関 係 修 復 領 域 へ の 介 入 方 法(第. な ど、 対 人 関 係 に お け る トラ ブ ル 処 理 に 関 す る 対 処 技 法 に つ い て 理 解 し、 ロ ー ル. プ レ イ に よ り実 践 的 に 学 ぶ 機 会 を設 け て い る 。 こ れ ら を 含 め た カ ウ ン セ リ ン グ技 法 の 習 得 に よ り、 上 記 の 「問 題 解 決 」 ・「ト ラ ブ ル 処 理 」 の2因. 子 の ス キ ル が 有 意 に 高 くな っ た こ と. か ら、 社 会 的 ス キ ル の 中 で も特 に 対 人 関 係 の 問 題 や ト ラ ブ ル に 直 面 し た 時 の 対 応 に 自信 が も て る よ う に な る と考 え ら れ る 。 ② 信 頼 感 尺 度:「 基 本 的 信 頼 感 」 因 子 、 「対 人 的 信 頼 感 」 因 子 と も に 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 特 に 「基 本 的 信 頼 感 」 に つ い て は 受 講 前 後 で ほ と ん ど数 値 に 変 化 が み ら れ な か っ た 。 基 本 的 信 頼 感 は 愛 着 や 内 的 作 業 モ デ ル と も 関 連 の 深 い 、 よ り基 底 レ ベ ル の 対 人 関 係 能 力 の 一 つ で あ り、 実 習 や 訓 練 に よ り変 化 し に く い と考 え ら れ る が 、 今 回 の 結 果 は そ れ を 支 持 す る も の と い え る 。 ま た 、 石 井 ら(2006)で. は、 学 外 で の宿 泊 を か ね た集 中 グ ル ー ワ ー. ク ・プ ロ グ ラ ム の 実 施 に よ り、 信 頼 感 が 高 く な る こ とが 報 告 さ れ て い る 。 今 回 、 対 人 的 信 頼 感 は 受 講 に よ り高 く な っ た が 、 有 意 な 変 化 は み ら れ な か っ た 。 カ ウ ン セ リ ン グ 技 法 の 演 習 は技 術 の 習 得 で あ る た め 、 よ り行 動 レ ベ ル に 近 い 対 人 関 係 能 力 の 向 上 に 対 し て 効 果 的 で あ る こ とが うか が われ る。 ③ 自 己 肯 定 意 識 尺 度:6因. 子 の う ち 「自 己 受 容 」 因 子('(17)=-1.92,ρ<.10)に. 有意な. 差 が 認 め ら れ た 。 「自 己 受 容 」 因 子 の 質 問 項 目 は 「自 分 な り の 個 性 を 大 切 に し て い る 」、 「自 分 の 個 性 を 素 直 に 受 け 入 れ て い る 」、 「私 に は 私 な り の 人 生 が あ っ て も い い と 思 う 」、.

(7) 青 野 明子:大 学 生 を対 象 と した コ ミュ ニ ケ ー シ ョン ス キ ル トレー ニ ン グ. 67. 「自分 の 良 い と こ ろ も 悪 い と こ ろ も あ りの ま ま に 認 め る こ と が で き る 」 で あ る 。 カ ウ ン セ リ ン グ ス キ ル 演 習 で は 聞 き手 と し て の 訓 練 と 同 時 に 、 話 し 手 と し て 聞 き 手 に 共 感 的 に 傾 聴 さ れ 、 積 極 的 に 受 容 さ れ る 体 験 も積 ん で い く こ と に な る 。 カ ウ ンセ リ ン グ の 効 用 の 一 つ に 、 ク ラ イ エ ン トの 自 己 受 容 を 高 め 、 自 己 治 癒 力 を 活 性 化 させ る こ と が あ げ ら れ 、 受 講 生 が 話 し手 役 を 繰 り返 し経 験 し、 ま た 聞 き手 の カ ウ ン セ リ ン グ ス キ ル も 回 を 追 う ご と に 上 達 し て い く こ と か ら、 受 講 生 の 自 己 肯 定 意 識 の 中 で も特 に 「自 己 受 容 」 因 子 に 有 意 な 変 化 が み ら れ た もの と考 え ら れ る 。 ま た 、 学 生 の 達 成 動 機 と生 き が い 及 び 自 己 肯 定 意 識 に 関 す る 調 査 (青 野,2008)で. は 、 自 己 受 容 は 学 生 の 達 成 動 機 や 生 きが い 感 を 高 め る と い う 結 果 が 得 ら. れ て い る 。 自 己 受 容 の 高 ま り は 達 成 動 機 を 高 め 、 大 学 生 活 や 対 人 関 係 に お い て も積 極 的 に 行 動 す る た め の 原 動 力 と な る と考 え ら れ る 。 ④ 共 感 力 尺 度:「 共 感 意 図 」 因 子('(17)=-2.07,ρ<.10)に. 有 意傾 向 の あ る差 が 認 め られ. た 。 「共 感 意 図 」 の 質 問 項 目 は 、 「人 々 の 感 情 や 気 持 ち を 理 解 し よ う と心 が け て い る 」、 「他 者 の 態 度 や 表 情 に 気 を つ け て い る 」、 「人 づ き 合 い で は 相 手 の 気 持 ち を よ く考 え る よ う に し て い る 」 で あ る 。 カ ウ ン セ リ ン グ の 基 本 態 度 の 一 つ と し て 共 感 的 理 解(Rogers,1965) が あ げ られ る が 、 カ ウ ン セ リ ン グ 技 法 の 習 得 に よ り、 他 者 に 共 感 し よ う とす る 意 図 が 高 く な っ た こ とは 、 授 業 目的 に 一致 す る結 果 で あ る と もい え る。 また 有 意 な結 果 で は な いが 、 「情 動 共 感 」 の 平 均 値 は 受 講 に よ り低 く な り、 「認 知 共 感 」 の 平 均 値 は 受 講 後 高 く な っ て い る 。 理 論 的 か つ 実 践 的 に カ ウ ンセ リ ン グ を 学 ぶ こ と に よ り、 そ れ ま で 情 動 的 に 流 さ れ る よ う に 共 感 す る こ と が 多 か っ た 者 が 、 他 者 を 共 感 的 に 理 解 す る と い う 、 一 歩 進 ん だ レベ ル の 共 感 が 可 能 に な っ た結 果 で あ る こ と もうか が え る。 今 後 、 被 調 査 者 数 を増 や して さ らに考 察 す る 必 要 が あ る が 、 こ れ らの 変 化 は 興 味 深 い もの で あ る と い え る 。 ⑤ 集 団 に 関 す る 尺 度:「 集 団 考 慮 」 と 「集 団 行 動 」 の 合 計 得 点('(17)=-2.41,ρ<.05)と 「集 団 行 動 」 得 点('(17)=-2.18,ρ<.05)に -2 .07,ρ<.10)に. 有 意 な 差 が 、 「集 団 考 慮 」 得 点('(17)=. 有 意 傾 向 の あ る 差 が そ れ ぞ れ 認 め られ た 。 「集 団 行 動 」 因 子 の 質 問 項 目. は 「私 は 集 団 の 目標 を 達 成 す る た め に 、 メ ン バ ー の 人 た ち に 適 切 に 指 示 を 出 せ る 」、 「ど の よ う な 集 団 で も 、 私 は う ま く と け こ め る 」、 「私 は 率 先 して 、 集 団 を 引 っ 張 っ て い く こ と が で き る 」、 「集 団 の 中 で は 、 何 か 言 い た い こ と が あ っ て も 、 そ れ を う ま く口 に 出 す こ と が で き な い(逆. 転 項 目)」、 「集 団 の 中 に 自分 と 異 な る 意 見 の 人 が い て も、 そ れ を 受 け 入 れ る こ. と が で き る 」 の5項. 目 で あ る 。 ま た 「集 団 考 慮 」 因 子 の 質 問 項 目 は 「集 団 の 中 で は 、 メ ン. バ ー 同 士 が 仲 良 くや っ て い く こ と に 気 を つ け て い る 」、 「集 団 の 中 で 、 自 分 と は 異 な る 立 場 に い る 人 々 の こ と に つ い て 考 え る こ と が あ る 」、 「自 分 の 行 動 が い か に 集 団 に 影 響 を与 え て い る の か を 考 え る こ と が あ る 」、 「集 団 の 中 で 自 分 が ど の よ う な 立 場 に 置 か れ て い る か 考 え る こ と が あ る 」、 「集 団 の 中 で 、 自 分 が ど の よ う に 行 動 す る べ き か 考 え る こ と が あ る 」 の 5項. 目で あ る。.

(8) 近 畿 大 学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 68. 第3巻2010年. 対 人 関 係場 面 で学 生 達 が 恐 れ て い る こ と と して 「 気 まず くな る」 こ とや 「 空 気 が 読 め ない」 こ とな どが 話 され る。 集 団 の 「 空 気 」 を読 む力 は、 数 々 の集 団 に参 加 し成 功 、失 敗 体 験 を繰 り返 す 中 で しか習 得 され な い ス キ ル で あ る と考 え られ る が 、子 ど も時代 か ら個 人 主 義 で 育 っ て きた現 代 の学 生 は集 団へ の参 加 経 験 が 不 足 して お り、 集 団 に対 して苦 手 意 識 を持 っ て い る こ とが 多 い。 今 回 の調 査 で も 「 集 団考 慮 」 に対 して 「 集 団行 動 」 の平 均 値 は受 講前 後 と もに 低 く、 集 団 の 中 で周 囲 の 目を意 識 して 身動 きの で きな い学 生 達 の様 子 が 想 像 され る。 『カ ウ ンセ リ ング1・H』. の 授 業 は 主 に2人 組 に な り、1対1の. 対 人 関係 に お け る、 よ り. 深 い 関 わ りにつ い て の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル を習 得 す る もの で あ るが 、 授 業 場 面 は毎 回 30∼40人. の 集 団活 動 に な る。 初 回 は 自分 の 座 っ た席 か ら中 々動 き出 す こ とが で きな い受 講. 生 も、 終 盤 近 くに な る と、 自 らの意 思 で演 習 を 良 い もの に し よ う と積 極 的 に参 加 す る姿 勢 が み られ る よ うに な る。 こ れ らの状 態 か ら、 演 習 を通 じて受 講 者 集 団 の 中 で 「自分 ら し く振 る 舞 う」 経 験 を重 ね る こ とに よ り、 集 団へ の 考 慮 を行 動 レベ ル に移 す こ とが 可 能 に な る と考 え られ る。. Table3.各. 尺 度 得 点 の 平 均 とSD、'検. 尺度 社 会 的 スキ ル(合 計) コミュニ ケー ション 問題解 決 トラブル 処 理. 受講前 平均 釦. 受講後 平均 50. ㎡. オ値. 3.02. .72. 3.25. .77. 3.32. 1.05. 3.59. 1.20. 3.14. .77. 3.38. .84. 17-1.77†. 3.05. .61. 3.29. .67. 17-1.82†. 1. π0 00 ΩU O. 0 り 00 引ー ΩU. 3 6 0. 4 イ ー の0 00. -1 0U り乙 農U 3 り0. 17-t92† 17-1.38. 17.14 17-1.29. .46. 3.70. .55. 17-2.41*. 3.72. .63. 4.06. .69. 17-2.07†. 3.09. .79. 3.36. .80. 17-2.18*. .58. 4.25. .62. 17-2.57*. .92 .89 .91 1.13 .86 .49 .84. 3.75 3.43 3.49 3.56 2.59 3.88 3.80. .93 1.06 .95 1.03 1.23 .57 .74. .68 .61. 3.62 4.24. .86 .61. 3 3 3 3 ∩∠. 4 4 11 F O ∩◎ Qり 0り 倉 0 60 60 6∠ β0. 3.40. 3. 信頼感 基本的信頼感 対人的信頼感 集団に関する尺度(合計) 集団考慮 集 団行動 自己肯定意識 自己受容 自己実現 充実感 自己表明 被評価意識 己 共感力(合計) 共感意図 情動共感 認知共感. 定結果. 3.79 3.39 3.91 4」3. 17-.55 17-.73 17-.97 17-1.49 16.31 16-.71 16-2.07† 171.68 17-.67 †ρ 〈. .10,*ρ. 〈.05.

(9) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン ス キル トレ ーニ ン グ. Figure1.受. (2)尺. 69. 講 前 後 の各 尺 度 の平 均 値. 度得 点 変 化 量 間 の相 関 分析. 受 講 前 と受 講 後 の 各 受 講 者 の 尺 度 得 点 の 変 化 量 を 算 出 し(受 化 量 問 の 相 関 分 析 を 行 っ た 結 果 をTable4に. 講 後 得 点 一 受 講 前 得 点)、 変. 示 し た。 各 尺 度 の 変 化 量 の 相 関分 析 の 結 果 、. 「社 会 的 ス キ ル 」 の 中 の 「トラ ブ ル 処 理 ス キ ル 」 の 変 化 量 は 、 す べ て の 有 意 ま た は 有 意 傾 向 の あ る 変 化 量 との 問 に 正 の 相 関 が 認 め られ 、 「トラ ブ ル 処 理 ス キ ル 」 が 肯 定 的 に 変 化 し た 者 は 、 そ の 他 の 尺 度 も肯 定 的 に 変 化 し た こ と が 明 ら か と な っ た 。 特 に 「集 団 行 動 」 の 変 化 量 と の 間 に 強 い 相 関 が み ら れ て お り(7=.75,ρ<.001)、. 対 人 関 係 で の トラ ブ ル を 恐 れ て 集 団 内 で 積. 極 的 に 行 動 で き な い 状 態 か ら 、 「トラ ブ ル 処 理 ス キ ル 」 の 質 問 項 目 に あ る よ う に 「ま わ り の 人 た ち が 自 分 と は 違 っ た 考 え 方 を も っ て い て も う ま くや っ て い け る 」、 「ま わ り の 人 た ち と の 間 で トラ ブ ル が 起 き て も、 そ れ を 上 手 に 処 理 で き る 」 な ど の ス キ ル を 身 に つ け る 事 に よ り、 「集 団 行 動 」 の 質 問 項 目 に あ る よ う に 「ど の よ う な 集 団 で も、 私 は う ま く と け こ め る 」、 「私 は 率 先 して 、 集 団 を 引 っ 張 っ て い く こ と が で き る 」 な ど の 力 を 発 揮 す る こ と が で き る よ う に な る と考 え られ る 。 ま た 「自 己 受 容 」 の 変 化 量 は 、 「集 団 考 慮 」(7=.59,ρ<.05)、 ρ<.05)、. 「ト ラ ブ ル 処 理 ス キ ル 」(7=.52,ρ<.05)な. 「共 感 意 図 」(7=.54,. どの 変 化 量 との 問 に正 の相 関 が 認 め. ら れ た 。 既 述 の よ う に 、 カ ウ ン セ リ ン グ ス キ ル 演 習 で 「話 し 手 」 と し て カ ウ ン セ リ ン グ を 受 け る 体 験 の 積 み 重 ね に よ り、 他 者(聞. き手)に. 積 極 的 に受 容 され る こ とに よっ て 自己 受容 が. 高 ま る が 、 自 己 を 受 容 で き る よ う に な る と、 他 者 の 気 持 ち を 理 解 し、 共 感 し よ う と い う意 図 が 高 ま り、 集 団 を 考 慮 す る 余 裕 が 生 ま れ 、 トラ ブ ル に 対 し て も積 極 的 に 立 ち 向 か う力 が 湧 い.

(10) 近 畿 大 学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 70. 第3巻2010年. て く る と い え る の か も知 れ な い 。 今 回 は 有 効 デ ー タ数 が 少 な い た め 、 各 尺 度 の 因 果 関 係 に つ い て は分 析 で きな か っ たが 、 こ れ につ い て は今 後 の課 題 と した い. Table4.各. 尺 度 得 点 変 化 量 間 の 相 関 分析 結 果 自己受容 集団に関する 集団考慮 変化量 尺度変化量 変化量. 集団に関する尺度変化量. 集団行動 変化量. 共感意図 ネ 土会的スキル 問題解決スキル 変化量 変化量 変化量. .57*. 集団考慮変化量. .59*. .91桝. 集団行動変化量. .39. .84料. 共感意図変化量. .54*. .4635.48. 社会的スキル変化量. .58*. .71**53*.76***.61*轄. 問題解決スキル変化量. .30. .3824.47.36. トラブル処理スキル変化量. .52*. .72*.54*.75***.57*. 喋.55*. 78. 桝. 86. 桝 .51*. * ρく05林Pく0ゴ ㌔ 〈001. 皿.研. 究2一. 1.目. 的. 研 究1の. 事例研究 一. 結 果 、 『カ ウ ン セ リ ン グ1』 、 『カ ウ ン セ リ ン グH』. の 受 講 に よ り、 受 講 生 の 対 人. 関 係 に お け る トラ ブ ル 処 理 や 問 題 解 決 を す る ス キ ル が 向 上 し、 ま た 、 受 講 生 の 自 己 受 容 、 他 者 に 対 し て 共 感 し よ う と 意 図 す る 力 、 集 団 に 対 して 考 慮 した り、 そ れ を 集 団 内 で 行 動 に 移 し た りす る 力 が 高 くな る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 カ ウ ン セ リ ン グ技 法 の 習 得 に よ り、 対 人 関 係 能 力 の 社 会 的 ス キ ル を 高 め る こ と は 、 自 己 受 容 を 高 め る こ と に つ な が り、 他 者 や 集 団 に 対 して 配 慮 し 、 さ ら に は ト ラ ブ ル 解 決 に 対 して も 積 極 的 に 行 動 に 移 す こ と を 可 能 にす る こ とが示 唆 され た 。 こ れ ら の 結 果 を ふ ま え 研 究2で. は 、 研 究1の. 調 査 対 象 者 の 中 か ら 一 事 例 を 選 択 し、 毎 回 の. 授 業 受 講 後 の 自 由 記 述 に よ る レ ポ ー ト内 容 の 質 的 検 討 を 実 施 し 、 カ ウ ン セ リ ン グ技 法 教 育 に よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン トレー ニ ン グの受 講 に よる 、 受 講 者 の対 人 関係 能 力発 達 の 過 程 に つ い て 明 らか に す る こ と を 目的 とす る。. 2.方. 法. (1)調. 査 時 期2008年4月. (2)被. 調査者. 0大 学N学. ∼2009年1月. 部 の2008年. 者 と し た 。 受 講 者49名 ロ グ ラ ム は 、 研 究1と. 度. 『カ ウ ンセ リ ン グ1』 、 『カ ウ ン セ リ ン グH』. の 平 均 年 齢 は20.35歳(SD=0.79)で 同 じ で あ る(Table2)。. 受 講 者 を調 査 対 象. あ っ た 。 講 義 ・演 習 内 容 の プ. 事 例 と し て 受 講 者 の 中 か ら、 男 子 学 生1名.

(11) 青 野 明子:大 学 生 を対 象 と した コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル トレー ニ ング. 71. を選 択 し、 毎 回 の授 業 の受 講後 に提 出 され た 、 自由記 述 に よる レポ ー トの 内容 を事 例 の 経 過 と した。 対 象 者 の選 択 基 準 と して 、① 欠 席 が 少 な い こ と、② 毎 回 の レポ ー トに あ る程 度 の ボ リュ ー ム が あ る こ と(レ ポ ー トの 字 数 に は特 に制 限 を設 け て い な い)、 ③ レポ ー トの 記 述 内容 が比 較 的 理 解 しや す い こ と、 等 に着 目 して選 択 した。 記 述 に 関 して は個 人情 報 に配 慮 して 匿 名 と し、 か つ 個 人 が 推 察 可 能 な記 述 につ い て は、 内容 に影 響 の な い程 度 に変 更 を加 え た。 本 稿 へ の 掲 載 につ い て は、 本 人 の 了 承 を得 た 。. 3.結 (1)事. 果 と考察 例 の概 要. 4年 生 大 学 で 心 理 学 系 を専 攻 す る3回. 生 の 男 子 学 生 、A君. 。 授 業 に は ほ ぼ 毎 回 出 席 し、 受. 講態 度 や演 習へ の 参 加 態 度 も積 極 的 で 熱 心 で あ った 。 (2)事. 例 の経 過. 以 下 、 受 講 者A君 ま で の 期 間 、1回. に つ い て 、 受 講 後 レ ポ ー ト を 開 始 し た 前 期2回 の 欠 席 を 除 い た 全28回. 目の授 業 か ら後 期 最 終 回. の レ ポ ー トに 記 述 さ れ た 文 章 を提 示 し、 経 過 に よ. る 変 化 を 考 察 す る 。 紙 幅 の 関 係 上 、 提 出 さ れ た レ ポ ー トの 内 容 を 変 え な い 範 囲 で 文 章 を 割 愛 し た 。 記 述 中 のOは. 、 内容 を補 足 す る た め に筆 者 が付 け加 え た もの で あ る。. 『カ ウ ン セ リ ン グ1』(前. 期). #2:4/18 フ ロ イ トの 考 え 方 は 現 代 で も充 分 お も し ろ さ を 感 じ る 。 適 応 規 制 の 話 は 特 に 興 味 を そ そ ら れ た 。 自 分 の 場 合 に 当 て は め て み て も、 夢 に 見 た り、 都 合 の い い こ と を 理 由 づ け す る よ う な 時 が よ くあ る 。 葛 藤 は 人 間 に と っ て 必 要 な もの で 、 欲 求 不 満 の 状 況 に な る か ら こ そ 、 成 長 で き る の で は な い か と 感 じた 。 #3:4/25 フ ロ イ トの 考 え 方 で あ る 、 心 理 的 問 題 が 身 体 症 状 と して 表 出 す る と い う の が と て もお も し ろ か っ た 。 転 換 す る の で は な く、 解 消 し、 取 り除 く と い う の が 心 理 学 の 役 割 で あ る と い う の は 説 得 力 に 満 ち て い た 。 最 後 の 実 習 は 、 相 手 に 質 問 し な が ら だ っ た の で 、 「間 」 が な くな り ス ム ー ズ に で き た 。 質 問 の 仕 方 に よ っ て 、 相 手 の 話 の 引 き 出 しや す さ が 変 わ っ た りす る の は 、 お も しろ か っ た。 #4:5/9 何 と な く嫌 い な 人 は 自分 の 影 を 投 影 し て い る 部 分 が あ る か ら だ と い う話 は 、 と て も 感L・ し た 。 嫌 い な 人 は 確 か に 自分 と共 通 し て い る と こ ろ も あ る し、 そ の 嫌 い な 部 分 は 自分 が 好 き で は な い 。 演 習 は2分. 間 で 少 し長 く感 じ た が 、 そ の 分 た く さ ん 話 が で き て よ か っ た 。 た だ 、 初. め て 話 を す る 人 と 若 干 ぎ こ ち な い 中 で 、 重 要 な と こ ろ を ピ ッ ク ア ッ プ す る の は 難 しか っ た 。.

(12) 近 畿 大 学 臨床 心 理 セ ン タ ー 紀 要. 72. 第3巻2010年. 徐 々 に 上 手 に な っ て い きた い 。 #5:5/16 (ユ ン グ の タ イ プ テ ス トを 実 施 し て)外. 向 直 観 型 が 強 く働 い て い る と い う結 果 に な っ た 。. ほ ん と に 働 い て い る か 微 妙 な と こ ろ だ が 、 確 か に(自. 分 は)落. ち 着 きは ない し、 貧 乏 な の で. 何 とな くあ た っ て い る よ うな気 が した。 今 は そ ん な事 は な い が、 昔 は 次 に何 を した ら よい か わ か ら な い 状 態 に な る こ とが 多 々 あ っ た 。 弱 い 部 分 と し て は 、 内 向 感 覚 型 と 出 て い て 、 自 身 の 思 い と し て 、 も の ご と を 捉 え る の が 苦 手 で あ る 。 そ の 辺 りを 鍛 え た い と 考 え て い る が 、 感 覚 と い う の は 難 し い 。 内 に エ ネ ル ギ ー を た め 込 ん で 、 金 も貯 め 込 め る 人 間 に な り た い 。 #6:5/23 ク ラ イ エ ン ト中 心 療 法 と い うや り方 は 、 と て も カ ウ ン セ ラ ー ら し い 、 人 間 味 の あ る や り方 だ と 感 じ た 。 先 生 が ク ラ イ エ ン トに 対 し て 治 療 の 方 針 を 示 す や り方 は 、 自主 性 を 妨 げ て い る し、 ロ ジ ャ ー ズ の 療 法 は 自 分 で 自 分 の 道 を 切 り 開 け る とか 、 進 ん で い く こ とが 可 能 に な る と 言 っ て い る の で 、 そ こ が と て も共 感 で き た 。 受 容 ・共 感 ・自 己 一 致 は カ ウ ンセ ラ ー と し て も、 訓 練 を積 ま な い と か な り大 変 だ と感 じた け ど 、 そ の3つ. が で き た ら、 人 と し て 成 長 で き る と. 思 う。 信 頼 は人 を動 か す とい う、 ロ ジ ャー ズ の 考 え方 が 大 好 きだ 。 #7:5/30 今 日 の 実 習 は 、 と て も 話 しや す か っ た 。3分. 間 はす ぐに感 じた 。 相 手 の 人 の 話 の ピ ッ ク. ア ッ プ ど こ ろ が 上 手 で 、 な お か つ 「お 話 を 聞 い て い ま す よ 」 と い う 姿 勢 が 良 か っ た か ら、 自 然 と 言 葉 が 出 て き た よ う な 気 が す る 。 色 々 と 総 括 して み て も 、 ロ ジ ャ ー ズ は と て も 偉 大 だ と 感 じ る 。 カ ウ ン セ リ ン グ を 「態 度 」 と い う視 点 か ら 注 目 し て い る 。 フ ロ イ トや ユ ン グ と は 全 然 違 っ た 魅 力 が あ り、 人 を惹 き つ け る 力 は 一 級 品 だ と 感 じ た 。 #8:6/6 今 日 の 演 習 は 、 自分 と 同 じ境 遇 の 人 だ っ た の で 、 傾 聴 す る と い う こ と が 少 し お ろ そ か に な っ た か も知 れ な い 。 同 じ境 遇 と い う嬉 し さ も相 ま っ て 、 ロ ジ ャ ー ズ の 言 う3つ. の事 が す っ. ぽ り抜 け て お り、 反 省 す る 。 相 手 の 方 が 楽 しそ う に 話 し て くれ た の は 、 と て も 嬉 し か っ た 。 表 情 が 明 る い と い うの は 話 の 促 進 に つ な が る こ とが わ か り、 収 穫 は あ っ た 。 次 回 も相 手 の 方 に笑 っ て い た だ け る よ うな実 習 に した い。 #9:6/13 行 動 療 法 の 考 え 方 は 、 他 の2つ. の 技 法 に 比 べ て 「現 実 的 」 で は あ る が 、 本 当 に 辛 い 障 害 を. 持 っ て い る 人 に 段 階 的 に し ろ と言 っ て も 、 結 構 し ん ど い と思 う。 しか し段 階 的 に 治 療 方 法 を 一 緒 に 考 え て い くの は 、 か な り良 い と 思 う 。 ク ラ イ エ ン ト も 自 信 を つ け ら れ る の で 、 画 期 的 だ。 #10:6/20 今 日 は 年 上 の 人 と 演 習 を し た 。 や は り経 験 豊 富 な 人 な の で 、 賢 明 な(論. 理 療 法 の)論. 駁を.

(13) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミュ ニ ケ ー シ ョン ス キ ル トレー ニ ン グ. 73. も ら っ た 。 こ の 論 理 療 法 は 、 日常 の ち ょ っ と し た こ と に 使 え る と感 じ た 。 重 い 相 談 で は な く て も、 悩 ん で い た ら ち ょ っ とい い こ と言 っ て あ げ る よ う な 人 に な れ そ う だ 。 #11:6/27 芸 術 で 自分 の 作 品 を完 成 させ るた め に は、 無 意 識 を意 識 まで 引 き上 げ て くる 過 程 が い る。 そ の 時 に パ ワ ー が 必 要 で あ る 。 だ か ら完 成 し た 時 に 、 カ タ ル シ ス を 得 る こ とが で き る し、 自 分 ら し さが 表 現 で きる の だ と考 え られ る 。 結 局 、 問 題 を解 決 す る の は、 ク ラ イエ ン ト自 身 の 「心 力 」 で あ る と い う 芸 術 療 法 の 考 え 方 が 根 本 に あ っ て 、 ク ラ イ エ ン トの 持 っ て い る エ ネ ル ギ ー を投 影 す る こ とに 意 味 を持 っ て い る。 ユ ン グの 流 れ を汲 ん で い る の で 、 ア ー テ ィス テ ィ ッ ク な 部 分 が 含 ま れ て い る の が お も し ろ い と 思 っ た 。 作 品 か ら無 意 識 を 読 み 取 る カ ウ ン セ ラー は 、 もっ とす ごい と思 っ た 。 #12:7/5 僕 は 昔 、ADHDの. 疑 い が あ り、 カ ウ ン セ リ ン グ の 先 生 の と こ ろ に 通 っ た 経 験 を 持 っ て い. る。 実 際 に プ レ イセ ラ ピー を体 験 した こ と もあ る 。 記憶 は うつ ろ だ け ど、 お もち ゃが い っぱ い あ っ た し、 ボ ー ドゲ ー ム や ダ ー ツ も 置 い て い た 。 そ こ で 、 ど ん な 遊 び を し た か は 覚 え て い な いが 、 先 生 は優 しか っ た し、好 きな こ とが で きた と思 う。小 学校 の低 学 年 の 頃 の 話 で 、今 は 特 に 問 題 な く過 ご し て い る の は 、 そ の 先 生 の お か げ だ と思 っ て い る 。 後 、 カ ウ ン セ リ ン グ に 連 れ て 行 っ て く れ た 親 に も感 謝 し て い る 。 今 日 の 講 義 は 、 と て も よ く理 解 で き た 。 #13:7/11 近 頃 モ ラ ト リ ア ム 人 間 が か な り増 え て い る 。 実 際 に 周 り で も、 職 業 選 択 を 先 送 り に し て い る人 もい る。 モ ラ トリア ム 人 間 に な る可 能 性 は、 誰 に で もあ る よ うな気 もす る。 そ うな らな い た め に は 、 自 己 に お い て 完 結 す る こ とが 重 要 だ し、 そ れ を 大 人 が 子 ど も に 対 し て 教 示 す る こ と も必 要 で あ る 。 そ う い う機 会 を 持 ち 合 わ せ て い な い モ ラ ト リ ア ム 人 間 が 多 くい る の は 、 と て も寂 しい 社 会 だ と思 う。 #14:7/18 今 日 の 授 業 内 容 は 、 今 ま で の 授 業 内 容 の 中 で 一 番 重 み が あ っ た 。 う つ 病 の 人 が 何 と な く多 い か な と 思 う 。 情 報 が 溢 れ て い る 今 の 世 の 中 で 、 半 ば 混 乱 し て し ま う人 も い る 。 多 す ぎ る 情 報 や 、 こ な せ な い ノ ル マ を 、 真 面 目 に 受 け て し ま う 人 が し ん ど く な る 世 の 中 だ と感 じ た 。 #15:7/25 (ロ ジ ャ ー ズ の カ ウ ン セ リ ン グ をDVDで. 観 て)ロ. ジ ャ ー ズ が 「あ な た の 中 に あ る や り た. い 事 を 援 助 す る の が 、 私 の 役 目 で す 」 と 言 っ た こ と に 、 と て も 感 動 した 。 助 言 を 一 切 し な い ロ ジ ャー ズ が、 唯一 相 手 へ の助 け船 を 出 した よ うな 台 詞 だ った の で 、 印 象 に残 った 。 ど う し た ら よ い か と助 言 を 求 め る グ ロ リ ア に 対 し て 、 ロ ジ ャ ー ズ は ア ドバ イ ス を 与 え ず 、 一 貫 して 彼 の姿 勢 は変 わ らな か っ た。 偉 大 さを垣 間見 た よ うな気 が した 。.

(14) 近 畿 大 学 臨 床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 74. 『カ ウ ン セ リ ン グH』(後. 第3巻2010年. 期). #1:9/19 相 手 を評価 せ ず 、 自分 は大 丈 夫 な人 と思 って も らう とい う ロ ジ ャ ーズ の考 え はす ば ら しい が 、 と て も 難 しい こ と だ と 感 じた 。 単 語 や 短 文 を 繰 り返 す こ と で 、 ク ラ イ エ ン トの 自 問 自 答 を促 し 、 自 分 の 世 界 を 整 理 さ せ る こ と で 、 ク ラ イ エ ン ト自 身 の 解 決 を す す め 、 相 手 の 言 葉 の 裏 に 隠 れ た 本 当 の 事 実 を 引 き 出 す 明 確 化 は 、 熟 練 さ れ た も の が 必 要 だ と 思 っ た 。 こ れ らの 技 法 に は 、 ロ ジ ャ ー ズ の 人 間 性 が あ りあ り と 出 て い る と 思 っ た 。 僕 も優 し さ の わ か る 人 間 に な りた い と 、 し ん み り と 感 じた 。 #2:9/26 とて も難 しか っ た 。 この支 持 技 法 を使 っ て 賛 意 を表 す る と、 つ い つ い そ の 後 に 自分 の 話 を し て し ま う の で 、 聞 き 手 に 徹 す る こ と が で き な か っ た 。 「私 は こ う 思 い ま す よ 」 と相 手 方 に 提 示 して あ げ る だ け の は ず が 、 い らな い事 を話 して しま った 。 講 義 を受 け て い る時 は、 支 持 技 法 を理 解 で きて い た は ず な の で す が 、 い ざ演 習 で や って み る とで き なか った 。 相 手 の 話 を 聞 きつ つ 、 ど う い う 反 応 に す れ ば よ い か を 考 え る の は 至 難 の 業 だ と 感 じた 。 で も こ れ が も っ と上 手 に 使 え れ ば 、 相 手 が 「こ の 人 に 話 を し て 良 か っ た な 」 と 思 っ て くれ る よ う に な る と 思 う。 #3:10/3 相 手 に質 問 を投 げ か け る とい うこ とは、 お話 を 聞 い て い ます よ、 とい うア ピー ル に もな る し、 興 味 を 持 っ て 接 し て い ます よ 、 と い う証 明 に も な る 。 た だ 、 僕 の 場 合 は つ い つ い 質 問 を し過 ぎ て 、 相 手 を 不 快 に さ せ て し ま う よ う な こ と が あ る 。 そ こ に 気 を つ け な け れ ば な ら な い な と感 じ た 。 実 習 は 、 パ ッ と 良 い 質 問 が で き な く て 、 一 瞬 、 間 が 空 い た 時 が あ っ た 。 ま だ ま だ 甘 い と感 じ た 。 も っ と こ の 質 問 技 法 の 練 習 を し た い 。 #4:10/10 今 日の 演 習 は 総 ま とめ 的 な や り方 だ っ た 。 自 分 が 聞 き手 に な っ た 時 に 、 相 手 に 対 し て 本 気 の 態 度 で 話 を 聴 い た 。 そ し た ら何 と な く ぼ ん や り だ け ど、 相 手 の 本 当 に 言 い た い な と い う事 が み え た 気 が し た 。 本 当 に 伝 え た い 話 の 時 は 、 い つ も よ り手 振 りが 大 き く な っ た よ う な 感 じ を 受 け た 。 そ う い う ノ ンバ ー バ ル な 訴 え を し て き た と こ ろ で 、 繰 り返 し の 質 問 を 投 げ か け た ら 、 相 手 が ま た 話 し続 け て くれ た 。 上 手 に 話 が 続 い た ら、 楽 しか っ た 。 フ ィ ー ド ・バ ッ ク で は 、 視 線 を 合 わ せ 過 ぎて い て 圧 迫 感 を 感 じ た と言 わ れ た の で 、 次 回 は さ り げ な く視 線 を 合 わ せ る よ う に した い 。 観 察 者 に な っ て み る と 、 聞 き手 の 「ア ラ 」 が よ く見 え た 。 聞 き手 の 良 く な い 部 分 か ら も 、 学 べ る と こ ろ が た く さ ん あ っ た 。 今 日 は な ん だ か 冴 え て い た と思 う。 #5:10/17 僕 の 中 で 、 相 手 に好 意 を持 って しま う こ と も不 快 な感 情 で は な いか と考 え た。 誰 か の相 談 に の る 時 に 、 何 回 か 話 を し て い く う ち に 、 こ っ ち の 感 情 が 相 手 に 対 して 入 っ て し ま う 。 い わ.

(15) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンス キ ル トレー ニ ン グ. 75. ゆ る 逆 転 移 に な っ て し ま う こ と が あ っ た り し て 、 慌 て て そ の 感 情 を消 し て し ま う 。 カ ウ ン セ ラ ー も同 じ人 間 な の で、 そ れ を させ な い極 め て 強 い 倫 理 観 を もつ こ とが 必 要 と され る こ との 重 要 さ を感 じた。 #6:10/31 自 分 一 人 で 相 談 相 手 の 問 題 を 抱 え 込 む こ と は 、 自 身 も し ん ど くな る し 、 相 手 に も し ん ど い 思 い を さ せ て し ま う。 変 に 自分 一 人 の 正 義 感 で 相 手 を 助 け よ う と す る こ と は 、 相 手 の た め に な ら な い こ とが わ か っ た 。 自 分 の 得 手 不 得 手 を 理 解 し、 体 験 の 差 を 認 め な け れ ば い け な い と 感 じ た 。 同 じ体 験 に 引 きず ら れ る と、 そ れ は 相 談 で な く な る と思 う。 相 手 が い る と い う こ と を 意 識 す る こ とが 大 事 で あ る 。 #7:11/7 今 日 の 授 業 は 名 言 ば か り だ っ た 。 「ThewayofdoingThewayofbeing」. は ロ ジ ャー ズ の. 考 え が と て も 色 濃 く 出 て い て 、 い か に 「カ ウ ン セ ラ ー と は こ う あ れ 」 と い う こ と を 考 え ら れ て い た か が 理 解 に た や す い 。 相 手 を 自 分 の 型 に は め る の で は な く、 相 手 の 型 は な ぜ こ う い う 風 に な っ て い る の だ ろ う か と 、 わ か ろ う と す る 姿 勢 が 重 要 で あ り、 相 手 の 立 ち 位 置 を 意 識 し、 相 手 を 引 き 寄 せ る の で は な く、 自 分 が 歩 み 寄 る こ との 大 切 さ が 身 に 沁 み た 。 表 面 に み え る こ と を 受 け 取 る こ と は 、 誰 に で も で き る こ と で あ る 。 しか しそ の 内 奥 に 隠 れ た 真 意 を よ み と る こ と が 、 こ の 講 義 を 通 じて 得 て き た こ と で あ る 。 相 手 の 感 情 の 源 泉 と な る ビ リー フ を つ か む こ と で 、 相 手 の 哲 学 を 知 り、 そ の 哲 学 に 自 ら が 触 れ る こ と で 、 自 ら の 人 生 哲 学 を 練 り直 す チ ャ ンス に な る。 どん な相 手 で も受 け 入 れ る こ とで 、 自分 の 哲 学 を もつ こ と につ なが る と感 じた。 #8:11/14 専 門 家 で な い と い う立 場 を わ き ま え 、 謙 虚 に な る べ き で 、 ア ドバ イ ス を 与 え よ う と す る の で は な く 、傾 聴 に 徹 す る こ と が 重 要 で あ る 。 私 欲 を 持 た な い こ とが 、相 手 の 幸 福 に つ な が る 。 欲 を持 た な い こ とは、 とて も難 しい。 そ れ が プ ロだ し、 本 来 の カ ウ ンセ ラー の 職 業 だ と思 っ た 。 演 習 は4分. 半 で も か な り長 く感 じ た 。 話 を 傾 聴 し続 け る こ と は 、 時 間 が 長 くな れ ば な る. ほ ど難 し い と感 じ た 。 間 を も た せ る た め 、 自分 の 話 を挟 む の が 自 分 の 悪 い と こ ろ だ と 認 識 し た。 #9:11/21 (ロ ー ル プ レ イ を 経 験 し て)お. も しろ い演 習 だ っ た。 上 手 に対 処 で きた か は よ くわ か らな. い け ど、 実 際 に あ りそ う な こ と な の で 現 実 味 が あ っ て よ か っ た と思 う。 将 来 的 な こ と を 見 よ う と して 、 相 手 の 現 状 を 引 っ 張 り 出 し過 ぎ る こ と は 、 結 局 将 来 を 見 失 う こ と に な る の だ と痛 感 した 。 も っ と 上 手 な や り方 を 考 え る べ き だ っ た 。 自分 が 不 得 手 と し て い な い こ と を 相 談 さ れ た時 の 共 感 の 難 し さ を、 あ らた め て 感 じる こ とが で きた。 も っ と多 角 的 な 視 野 を も ち た い 。.

(16) 近 畿 大学 臨床 心 理 セ ン タ ー紀 要. 76. 第3巻2010年. #10:11/28 (「(相手 を)な. お そ う とす る な 、 わ か ろ う とせ よ 」 と い う 言 葉 を 講 義 で 聞 い て)実. 習 で 「わ. か ろ う と せ ず 、 な お そ う と し て い た 」 自 分 が い た 。 「自 分 に は 何 の 才 能 も な い 」 と か 言 っ て い る 人 を み る の が す ご く嫌 い で 、 僕 に は 、 な ぜ そ ん な に 自 己 卑 下 す る の か 、 到 底 理 解 で き な い 。 つ い 相 手 の ビ リ ー フ を 否 定 し て し ま っ た 。 支 持 と い う こ と を念 頭 に 置 か な け れ ば な ら な い と 思 う。 今 日 の 講 義 を 通 じ て 学 ん だ 、 「IamOK.」. は 人 生 が 楽 し くな る よ う な 気 が し た 。 自分. が い い と思 う こ と は 、 他 人 も い い と い う こ と に つ な が る と思 う。 「lamO.K.」. 、 「You.are.0.K.」. は人 生 上 手 くい く よ うな秘 訣 か な と改 め て感 じた。 キ ャ リア カウ ンセ リ ング の よ うな 、 大 き な 効 果 を こ の 講 義 で 得 た 。 今 日 の 講 義 を ふ ま え て 、 こ れ か ら も就 職 活 動 を 頑 張 りた い 。 #11:12/5 欠席 #12:12/12 生 き て い く上 で 人 間 関 係 は と て も重 要 で あ る 。 そ の 関 係 が くず れ そ う に な る と、 誰 で も不 安 に な る 。 や は り安 定 し た も の を 求 め よ う とす る 。 こ れ は 自然 な こ と だ 。 今 日 の 講 義 で 得 た こ と は 、 関 係 を 修 復 し た い 時 は 当 事 者 に 巻 き込 ま れ て は い け な い と い う こ と で あ る 。 あ く ま で 仲 裁 役 を す る だ け で 、 介 入 し て は い け な い 。 上 手 く い か な い こ と を 前 提 に 仲 裁 役 を し、 上 手 くい か な か っ た ら潔 く手 を 引 く こ と。 そ れ が で き な い な ら、 仲 裁 役 を か っ て で る べ き で は な い 。 妥協 で き る点 をみ つ け、 完 全 な和 解 を期 待 しない こ とが 、 関 係 修 復 領 域 にお い て必 要 な こ とで あ る。 #13:12/19 人 を理解 す る こ とは 、 難 しい と思 って い た 。 そ れ は、 自分 の こ とを よ くわか って い なか っ た か ら だ とわ か っ た 。 気 づ い て い な い 部 分 が あ っ て 、 そ れ を相 手 に見 透 か さ れ て い る か ら、 き っ と相 手 も 自 己 開 示 し て くれ な い ん じ ゃ な い か な と 考 え た 。 案 外 、 自 分 自 身 で は 「自 分 の こ と は 何 で も わ か っ て い る 」 と、 思 い 込 み 過 ぎ て い る 面 も あ っ た か も 知 れ な い 。 そ れ こ そ 、 事 実 の 認 識 が 足 ら な か っ た し 、 「相 手 の こ と を わ か っ て あ げ た い 」 と い う 思 い や 願 望 だ け も っ て い た の か も 知 れ な い 。 就 活 の 自 己 分 析 に 似 て い て 、 自分 自 身 の ビ リ ー フ を発 見 す る こ と は 、 結 構 楽 し い 。 間 違 っ た 思 い 込 み も多 い け ど 、 そ の 間 違 い に 気 づ く こ と が で き る と 、 人 生 明 る く な る 。 「カ ウ ン セ リ ン グ 」 と い う 言 葉 は と て も魅 力 的 に 聞 こ え る け れ ど、 そ の 魅 力 に 惑 わ さ れ て 本 来 の 「理 解 す る 」 と い う こ と を 忘 れ て は い け な い と感 じ た 。 #14:1/16 社 会 が 発 達 す る と便 利 に な る け ど、 人 づ き あ い は 不 便 に な る の か な と感 じ た 。 わ ざ わ ざ 手 紙 を 送 ら な く て も メ ー ル で や り取 りで き る よ う に な っ た 。 身 の 回 りが ど ん ど ん デ ジ タ ル 化 さ れ て 、 つ い に 人 間 関 係 も1か0の. 世 界 に な っ て き た よ う に 思 う。 孤 独 を 覚 え る 人 が 増 え た こ. と は 、 人 づ き あ い の 関 係 が す ご く薄 ま っ て き て い る と い う こ とで は な い だ ろ う か 。 選 択 の 巾.

(17) 青 野 明 子:大 学 生 を対 象 と した コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン ス キル トレー ニ ン グ. 77. が 広 が っ て も 、 ど れ を 選 択 し た ら い い の か を相 談 す る 相 手 も い な い と 、 や っ ぱ り孤 独 だ と 思 う。孤 独 は 自 己疎 外 感 を生 む。 本 音 が 言 え な い と、何 を した い とか 、 何 を感 じて い るの か 、 わ か ら な くな る の は 当 然 の こ と で あ る 。 #15:1/23 1年 間 カ ウ ン セ リ ン グ を 学 ん で 、 少 し だ け カ ウ ン セ ラ ー の 先 生 の 気 持 ち が わ か っ た よ う な 気 が し ま し た 。 も っ と カ ウ ン セ リ ン グ に つ い て 勉 強 し て い き た い 。4回. 生 に な っ て も、 社 会. 人 に な っ て も、 こ の 講 義 で 学 ん だ こ と は 忘 れ ま せ ん 。 い つ で も誰 か 悩 ん で い る 人 が い た ら、 力 に な れ る よ う な 自信 を 、 カ ウ ン セ リ ン グ の 講 義 で 得 ま し た 。 あ りが と う ご ざ い ま し た 。 (3)考. 察. ① 授 業 の 経 過 か ら み る 受 講 者A君. の変 化. レ ポ ー トの 記 述 内 容 を も と に 、 対 人 関 係 能 力 の 発 達 と い う視 点 か ら 考 察 を 試 み た い 。 ま ず 前 期#2で. は 、 初 回 に 続 き2度. 目 の 演 習 に 参 加 した に も 関 わ らず 、 演 習 に 対 す る 記 述 が な く、. 講 義 内 容 に つ い て の 客 観 的 な 記 述 に と ど ま っ て い た 。 前 期#3以. 降 、演 習 で の体 験 、特 に ペ. ア を 組 ん だ 相 手 に 対 し て 自分 が ど う だ っ た の か 等 に つ い て の 記 述 が 増 え る 。 演 習 に 戸 惑 い な が ら も、 真 摯 に 取 り組 む 姿 勢 が う か が わ れ る 。 前 期#5で (外 向 直 観 型 が 強 く、 内 向 感 覚 型 が 弱 い)と. と も に 、A君. は 、 ユ ン グ の タ イ プ テ ス トの 結 果 が 自覚 し て い る 「落 ち 着 き が な く、. 昔 は 次 に 何 を し た ら よ い か わ か ら な い 状 態 に な る こ と が 多 々 あ り、 も の ご と を捉 え る の が 苦 手 で あ る 」 と い う 自 己 の 特 性 が 語 ら れ 、 そ う い う 自分 の 弱 い と こ ろ を 「鍛 え た い 」 と思 っ て お り、 「感 覚 は 難 し い 」 と 思 う 事 な ど も記 述 さ れ て い る 。 前 期#6以 A君. 降 の ロ ジ ャー ズ 理 論 は. に 響 く と こ ろ が 大 きか っ た よ う で 、 演 習 を 通 し て 自 己 中 心 的 に 相 手 の 話 を と っ て し ま う. こ と に 気 づ き、 ロ ジ ャ ー ズ の 言 う 「傾 聴 」 の 意 味 を 深 く考 え る 経 験 を し た こ と が 語 ら れ て い る 。#9以. 降 の 行 動 療 法 ・論 理 療 法 ・芸 術 療 法 等 は 、A君. に と っ て は ロ ジ ャ ー ズ 理 論 ほ ど響. く こ と は な か っ た よ う だ が 、 演 習 に は 回 を 追 う ご と に 積 極 的 な 姿 勢 で 取 り組 む よ う に な っ て い った 。 前 期#12は. 講 義 内 容 が 遊 戯 療 法 で あ っ た こ と か ら、A君. (Attention-De且cit/HyperactivityDisorder注. 意 欠 陥/多. 自 身 が 子 ど も の 頃ADHD. 動 性 障 害;発. 達 障 害 の 一 種)の. 疑. い が あ り、 遊 戯 療 法 の 経 験 が あ る こ とが 語 られ た 。 回 を 重 ね る ご と に 、 他 人 事 で は な く 自分 の も の と し て 引 き 受 け て 感 じ取 る 様 子 が う か が わ れ た が 、 「今 は 特 に 問 題 な く過 ご し て い る の は、 そ の 先 生 の お か げだ と思 って い る。 後 、 カ ウ ンセ リ ング に連 れ て行 っ て くれ た親 に も 感 謝 し て い る 。 今 日の 講 義 は 、 とて も よ く理 解 で き た 」 と い う 記 述 か ら 明 らか で あ る よ う に 、 この 回 で 理 論 と体験 が つ なが る実 感 を得 た もの と思 わ れ る。 後 期 は 具 体 的 な カ ウ ン セ リ ン グ技 法 を 毎 回 提 示 し、 演 習 で 実 践 す る こ と に な り、 レ ポ ー トの 記 述 内 容 も 、 「僕 も優 し さ の わ か る 人 間 に な りた い と、 し ん み り と 感 じ た 」 等 、 よ り深 い 気 づ きが 表 現 され こ とが 多 くな って い っ た 。 様 々 な技 法 を試 み や 、 演 習 後 の 相 手 か らの.

(18) 近 畿 大学 臨床 心 理 セ ンタ ー紀 要. 78. 第3巻2010年. フ ィ ー ドバ ッ ク に よ り、 「質 問 を し 過 ぎ て 、 相 手 を不 快 に さ せ て し ま う 自 分 」 や 「視 線 を 合 わ せ 過 ぎ て 圧 迫 感 を 与 え る 自分 」 に 気 づ く こ と も で き て い る 。 後 期#4で. は 、 「相 手 に 対 し. て 本 気 の 態 度 で 話 を 聴 く」 こ と に よ り、 「何 と な く ぼ ん や り だ け ど、 相 手 の 本 当 に 言 い た い こ と が 見 え た 」 経 験 を す る こ と が で き て い る 。 後 期#9か. ら は、 架 空 の 事 例 を用 い た ロー ル. プ レ イ 形 式 の 演 習 に な る が 、 よ り具 体 的 に 技 法 を駆 使 す る こ と が 必 要 な り、 そ の 困 難 さ が 記 述 さ れ て い る 。 頭 で は 理 解 で き て い る つ も りで も 、 実 際 に 困 っ た 相 手 を 目 の 前 に す る と 、 い か に 適 切 な 応 答 を す る こ とが 大 変 か につ い て 、 モ デ ル ケ ー ス に対 して で は あ るが 、 疑 似 体 験 で き た 様 子 が う か が え る 。 特 に 「な お そ う と す る な 、 わ か ろ う と せ よ」 や 「IamO.K」 「YouareO.K.」 後 期#13で. な ど の 言 葉 は 、A君. 、. の 心 に響 い た よ うで あ る。. は 、 「人 を 理 解 す る こ と」 に つ い て 、 相 手 を 理 解 す る と い う こ と は 、 相 手 を わ. か っ て あ げ た い と い う思 い だ け で は 難 し く、 自 分 で 自 分 を理 解 す る こ と が 必 要 で あ る とい う 、 授 業 全 体 を 通 し て のA君. な り の 一 つ の 結 論 が 語 ら れ て い る 。 最 終 回 で は 、 「い つ で も誰 か が. 悩 ん で い た ら、 力 に な れ る よ う な 自信 」 を得 て 、 受 講 を 終 了 す る こ と が で き て い た 。 ② カ ウ ンセ リ ング技 法 教 育 に よる受 講者 の対 人 関係 能力 の発 達 本 稿 で提 示 した授 業 の よ うに 、 カ ウ ンセ リ ング の 基礎 学 習段 階 で は体 験 学 習 と して の 面接 演 習 や ロ ー ル プ レ イ が 広 く行 わ れ て い る 。 こ れ に 伴 い 、 面 接 演 習 の 実 施 方 法 に つ い て も検 討 が な さ れ て き て い る(氏. 原,1997,山. 田,2007な. ど)。 ロ ー ル プ レ イ に よ っ て 体 験 さ れ る も. の と し て 、 話 し手 を1人. の 人 格 と し て 体 験 す る こ と、 聞 き手 と し て 自 己 を 相 手 の 前 に 示 す こ. と を 体 験 す る こ と、 実 際 的 場 面 に お い て 処 置 し な け れ ば な ら な い 諸 問 題 に 気 づ く こ と 、 話 し 手 役 を 通 し て 聞 き手 体 験 も す る こ と等 が 指 摘 さ れ て い る(鎗,1973)。. 近 年 で は、 カ ウ ンセ. リ ン グ理 論 を学 び、 共 感 的 な傾 聴 や 支 持 、 明確 化 な どの カ ウ ンセ リ ング技 法 を実 践 的 に 習得 す る こ と は 、 心 理 専 門 職 の 養 成 の み な らず 、 青 年 期 の 心 理 的 問 題 の 予 防(角. 田 ら,2005)な. ど に 対 して も 有 効 で あ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 ま た 、 カ ウ ン セ リ ン グ 心 理 学 の 授 業 で 大 学 生 の 進 路 選 択 支 援 の プ ロ グ ラ ム を 施 行 し た り(佐. 々 木,2005)、. カ ウ ンセ リ ン グの 授 業 で カ. ウ ン セ リ ン グ に 対 す る イ メ ー ジ や 心 理 学 を 学 ぶ 実 感 の 変 化 を み る(前. 堂,2005)な. ど、 カ ウ. ン セ リ ン グ の 授 業 を 通 じて 、 一 般 の 受 講 生 の 心 理 的 成 長 を 促 進 し、 ス キ ル ア ッ プ を 目指 す 試 み が な され て い る。 本 研 究 に お け る カ ウ ン セ リ ン グ 技 法 教 育 で は 、 研 究1に. お い て受 講 前 後 の質 問紙 調 査 に よ. り受 講 生 の 対 人 関 係 に お け る トラ ブ ル 処 理 や 問 題 解 決 を す る ス キ ル が 向 上 し、 ま た 、 受 講 生 の 自 己 受 容 、 他 者 に 対 し て 共 感 し よ う と 意 図 す る 力 、 集 団 に 対 して 考 慮 した り、 そ れ を 集 団 内 で 行 動 に 移 した りす る 力 が 有 意 に 高 く な る こ と が 示 さ れ た 。 研 究2で. は こ れ らの 変 化 の 質. 的 分 析 を 試 み た が 、 事 例 の 経 過 の 中 に 有 意 な 変 化 の 過 程 が 示 唆 さ れ て い た と い え る 。 「共 感 意 図 」 に つ い て は 、A君. が 演 習 の 体 験 の 中 で 、 相 手 の 心 に 寄 り添 お う と して 苦 労 を 重 ね る 記. 述 か ら 、 ま た ト ラ ブ ル 処 理 や 問 題 解 決 ス キ ル の 向 上 は 、 最 終 回 の 「い つ で も誰 か が 悩 ん で い.

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