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東日本大震災後の海岸防災林再生事業における広葉樹の植栽および保育管理に関する技術開発

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Academic year: 2021

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長野大学紀要 第42巻第2号 79―80頁(235―236頁)2020 - 79 - 【研究全体の構想および具体的な目的】 従来の海岸防災林造成事業では、海岸丘陵地の砂 地や地山にクロマツやアカマツの苗木を直接植栽し てきており、その場合の苗木の植栽やその後の保育 管理に関する技術は確立されてきた。しかし、東日 本大震災後に進められている海岸防災林再生事業で は、日本の歴史上初めて、山土を用いて造成された 盛土に初めから広葉樹も植栽する計画が立てられた。 現在、試行錯誤をしながら、広葉樹の苗木が植栽さ れているが、盛土の硬化による水はけの悪化の影響 も加わり、植栽後の苗木の活着や生長が良好ではな い状況が続いている。本研究では、東日本大震災後 の海岸防災林再生事業において、広葉樹の苗木の植 栽とその後の保育管理に関する基礎的な知識生産お よび技術開発を目的とする。「みやぎ海岸林再生みん なの森林づくり活動」対象地の海岸防災林再生地「山 元地区」(宮城県山元町)の1区画において、筆者ら がペットボトル植木鉢を用いて生産した、根系が発 達している地域性苗木を用いて、“土壌改良材の導 入”、“マルチング材の設置”、“防風ネットの設 置”が苗木の活着とその後の生長に与える効果を3 年間のモニタリング調査によって明らかにする。 【2019年度の研究成果】 ①マルチング材と防風ネットの設置が植栽後 3 年間 の広葉樹苗木の生残と生長に与えた効果 海岸防災林再生地は寒暖の差が大きい裸地環境で あり、海風や季節風(やませ)も強いため、植栽後 の苗木にとって厳しい気象条件である。よって植栽 後の保育管理が極めて重要である。本研究では、2L ペットボトルを2つ縦に連結して作製した植木鉢を 使って苗木を生産・植栽し、その後3年間の苗木の生 長に防風ネットとマルチング材が与えた効果を検証 した。 2017年5月に3年生苗木100本(コナラ40本、ヤマザ クラ40本、ヤマグワ15本、ムラサキシキブ5本)を再 生地(宮城県山元町)に植栽した。円柱形の植栽穴 (直径30cm、深さ30cm)を掘削し、苗木との隙間に 土壌改良材(人工土壌、バーミキュライト、パーラ イト、バーク堆肥=15:2:2:2で配合)を導入した。 同年6月に、2mmメッシュの防風ネット(9つの面積 区画〔1.4×1.4m、…、9.8×28.0m〕で各1~2区画 ずつ)とマルチング材(ジュート麻、麻、ヤシマッ ト、藁を各20枚ずつ)を設置した。 3年間の幹長の生長はマルチング材無より有で、3 年間の樹冠面積の生長はマルチング材無より有で、 かつ防風ネット柵面積が小さいほど良好であった。 3年間の樹冠面積の生長はマルチング材無と麻より ヤシマットで良好であった。 これらの研究成果は、「第5回たねぷろじぇくと植 樹祭」(開催日:2019年6月9日、会場:宮城県山元町 立坂元小学校)、「ワークショップ③芽生え観察会・ ⑥苗木の植え替え」(開催日:2019年7月4日、会場: 宮城県山元町立坂元小学校)、「ワークショップ③芽 生え観察会・⑥苗木の植え替え」(開催日:2019年7 月12日、会場:上田市立塩田西小学校)、「坂小フェ スティバル」(開催日:2019年10月5日、会場:宮城 県山元町立坂元小学校)、「ワークショップ①種子の *環境ツーリズム学部教授

(地域・社会貢献研究)

東日本大震災後の海岸防災林再生事業における

広葉樹の植栽および保育管理に関する技術開発

高 橋 一 秋

*

Kazuaki TAKAHASHI

(2)

長野大学紀要 第42巻第2号 2020 236 - 80 - 採取・⑥種子の蒔き出し」(開催日:2019年10月6日、 会場:宮城県山元町深山山麓少年の森)、「第1回たね ぷろじぇくと学会」(開催日:2020年3月17日、会場: 長野大学)で報告した。また、3年間の研究成果を論 文にまとめ、学術雑誌に投稿する準備を進めている。 研究発表(令和元年度の研究成果) 〔学会発表〕 計( 1 )件 発 表 者 名 発 表 標 題 古幡奏未・武田浩太・ 中島壮平・熊谷 唯・ 牧口未和・伊藤貴則・ 高橋一秋 海岸林再生地に植栽した広葉樹の3年間の生長 :防風ネットとマルチング材 (新型コロナウィルスの影響で学会中止。要旨のみ掲載) 学 会 等 名 発表年月日 発 表 場 所 第131回日本森林学会大会 2020年3月28日 名古屋大学東山キャンパス

参照

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