論 文
高1/fゆらぎ試料の製作
―加熱酸化の効果―
(昭和60年8月31日受理) 橋口住久 大塚尚 中沢透 矢島正男 牧野新吾Preparation of Resistors with High
1/f Fluctuation
-Effects of Oxidation-SumihisaHASHIGUCHI TakashiOHTUKA TohruNAKAZAWAMasaoYAJIMA SingoMAKINO Synopsis Anew method was devised to prepare resistors which generate high 1/∫fluctuation. A metal microbridge with a volume less than 10−17 mm3 is formed between the conductor deposited at the bottom of the scratch on the upper step of an insulating substrate and the conductor deposited on the lower step of the substrate. Samples with the relative fluctuation level of more than−70db was obtained. It was found that the oxidation of the deposited metal was effective to increase the relative fluctuation, and also effective to make the resistance of the sample the desired value.
あらまし
1/fゆらぎと温度ゆらぎの関係を精度よく測定する ために,段差法と名付けた新しい方法を用いて,熱雑 音分散ゆらぎ試料を製作した。段差法では,上下の段 差をもつ絶縁基板の上段にV字形の溝を切り,基板全 体に一様に導体を付着させて,上段の溝の底部に付着 した導体と下段に付着した導体との間に微小な接触部 を形成する。この方法によって,1Hzにおける相対ゆ らぎ一70dB以上,抵抗値5kΩ∼100 kΩの試料を歩 留まりよく得ることができた。1.はじめに
1/∫ゆらぎは,1926年にJB. Johnson1)によって初 * 電子工学科,Department of Electronics **@キャノン精工株式会社,CANON SEIKO CO. LTD. ***@㈱三協精機製作所,Sankyo Seiki Manufacturing Co. Ltd. ****@日本軽金属株式会社,Nippon Light Metal Co. Ltd. めて観測されて以来,その発生機構について,実験的, 理論的研究が行なわれてきたが,1/fゆらぎの大きさ を表わす定数が確定するに至っていない2)’3)。 1/fゆらぎは,きわめて広い範囲で観測されており, その時定数は,10−7S以下である4)ことが確認されて いる。 1/fゆらぎの遍在性とその時定数の大きいことか ら,1/プゆらぎの原因の候補の一つとして,温度変化を 考え,これまでに1/fゆらぎと熱雑音分散ゆらぎの関 連について追及してきた5)。 熱雑音分散ゆらぎを精度よく検出するには,供試サ ンプルの相対1/fゆらぎが大きいこと,抵抗値が測定 系の要求と合致することが必要である。 ここでは,抵抗値が数kΩ∼100kΩで,相対1/fゆ らぎレベルが一70dB以上のサンプルを得る方法の一 つとして,段差法と名付けた方法を用いて試料の製作 を試みた結果について報告する。2.試料としての必要条件 試料の抵抗値と相対ゆらぎは,熱雑音分散ゆらぎの 測定系の要求により決定される。 測定系の帯域幅をB,試料の1Hzにおける相対ゆ らぎレベルをCとすると,検出される熱雑音分散ゆら ぎの上限周波19C f,は, fh=B・C (1) となる。ここで,相対ゆらぎレベルとは,サンプルの 両端に発生しているゆらぎ電圧の2乗を印加した直流 電圧の2乗で正規化した量である。 検出される熱雑音分散ゆらぎの周波数範囲をできる だけ広くし,測定精度を向上させるために,fhをできる だけ大きくしたい。測定系の帯域幅が1MHzのとき, fhを0.1 Hzとするためには,相対ゆらぎCは10−7(− 70dB)以上でなければならない。 測定系の帯域幅は,増幅器から2乗検波器までの帯 域幅fh mと,サンプルと増幅器入力キャパシタンスC, で決まる。ここでは,後者が前者よりも高くなるよう にサンプルの抵抗値の上限を決めることにする。 試料の抵抗値の上限Rm。。は, 1 (2) Rmax= 2πCぬ仇 となる。ここで,fhm=1MHz, C,=1pFであるので, Rmaxは,159 kΩとなる。それゆえ,サンプルの抵抗と しては,100kΩ以下に選ぶ。 抵抗値の下限Rminは,試料の熱雑音を測定系のノイ ズレベル以上にする必要から生じる。試料の熱雑音は,
測定系のノイズレベルより10dBV/而以上高くな
るようにする。測定系のノイズレベルは,1kHz以上 で一173 dBV/工であるので,試料の熱雑音の下限 を一160 dBV/∨宙として, Rm ax>5kΩ (3) となる。したがって試料としては,抵抗値が 5kΩ<R〈100 kΩ (4) の範囲にあり,相対ゆらぎが, C≧−70dB (5) であることが必要である。 試料の1Hzにおける相対ゆらぎレベルを一70 dB とするためには,Hoogeの式 c一L)一貴 (6)
α=2×10−3 (7) から,キャリア数2Vは,2×104個以下でなければなら ない。P価の金属では1原子当たりP個の電子が伝導 に寄与するとして,試料の体積Vは,V−
U.。hti。23・誓 (8)
でなければならない。ここで,Mは試料1モルの体積 である。 3.試料の形状 導体材料に金属を用いると,サンプルの体積は10’26 m3程度以下でなければならず,フォトリソグラフィ等 では実現できない。 試料の製作方法としては,すでにブリッジ法につい て報告した。ここでは,段差法と呼ぶ新しい方法につ いて述べる。段差法では,図一1に示すように,絶縁物 のステップの上段にV字形の溝を切り,上下のステッ プに導体を付着させて,溝の底部の導体と下段の上の 導体との間に,微小体積の接触部を作る。 ブリッジ法ではゆらぎに寄与する試料の体積が,ガ ラス基板上に切った溝のサイズで決まってしまうのに 対し,段差法では蒸着する金属の膜厚によって決定さ れるため,試料の歩留まりが良いことが期待される。4.製作手順
4−1 段差形成(図一2)1)ガラスプレパラートを10×26mmの大きさに
切り,基板とする。 2) トリクレン→アセトン→純水→99%V/V変性 アルコールの順に,おのおの10分間ずつ超音波洗浄す る(液温は室温)。 3)基板をSiO蒸着用治具に両面テープで固定し, 基板の半分をマスクしてSioを1μm蒸着する。 4)SiO上に溝を切る。刃としてカミソリの刃を用 い,20gの圧力を加えて,約3mm/secの速度で水平 に基板を移動させる。Sioは,表一1のように日数がた つにつれ,硬度が変化するので,蒸着後間をおかずに 溝を切るようにする。 図一1段差法サンプル形状 Fig.1 Microbridge sample昭和60年12月 山梨大学工学部研究報告 第36号 glOSS (o)gloss substrote (b)SiO deposition dent Z Sio depos i ted indlum secOndarily depOs i tecl I n Primorily dePosited
In
second(】rily depOs i ted I n 910ss 910ss Primorily(iePositedIn
dbridge (c)fommtlon of dent (d)depOsition of irK lium 図一2 マイクロブリッジ形成 Fig.2 Preparation of the sample 表一1 SiO硬度 Table l Variation of hardness of SiOTime [day] Scratching Pressure [9]
5 @7 P0 P5 13.2 P5.5 Q0.7 R2.5 5)適正な溝が切れた試料の,溝の端付近のSiOを 裁縫針で剥ぎ取り溝周辺の端面を急峻にする。 6)試料を2)の要領で洗浄する。 7)電極蒸着用治具に基板をセットし,段差部をア ルミ薄板でマスキングする。マスキングする幅は狭い 方がよい。 8)電極用のAgを,0.7∼1μm蒸着する。 4−2 微小接点形成 接点用導体は,次のような性質をもつことが望まし い。 (1)低融点であること。 (2)蒸着が可能であること。 (3)キャリア密度が小さいこと。 (4)高抵抗率であること。 (1)の条件は,ガラス基板と蒸着材料の熱膨張率の差 によるストレスを小さくするために必要な条件であ る。 ここでは,インジウム(In)を用いることにした。 In は抵抗率8×10−8Ω・m,キャリヤ密度1024m−3程度で ある。これを酸化することにより,抵抗率10−4Ω・m, キャリヤ密度1026 m’3程度の酸化インジウム(In203) となる。以下に,導体材料の酸化による抵抗率の上昇, 図一3 2度蒸着モデル Fig.3 Cross−sectional view of the microbridge およびキャリヤ密度の低下を利用するための2度蒸着 法について述べる。以下では,蒸着は試料の抵抗値を モニターしながら行なう。 9)電極を蒸着した試料を,導体蒸着治具にセット し,溝とその近傍のみに導体が蒸着されるように,他 の部分をマスキングする。 10)1回目のIn蒸着量をコンタクトができない程 度に蒸着する(端子間抵抗∞のまま)。 11) 酸化試料をいったん大気中に60秒以上出し,表 面に酸化層を形成させる。 12)2度目のInを蒸着し,酸化層をInではさんだ 形状のコンタクトが形成される。図一3に2度蒸着サン プルのコンタクト付近のモデルを示す。 13)加熱酸化を行なう(付録1参照)。 14)電極部分に銅線をインジウムハンダを用いて取 りつける。 15) 保護膜形成・微小接点付近に油性アクリル塗料 を薄く塗布する。 16)試料のノイズレベルをスペクトラムアナライザ を用いて測定する。 5.試料の経時変化と対策 加熱酸化を行なわない試料では,時間の経過ととも に,抵抗値,相対ゆらぎレベルが上昇する。図一4は, 製作直後と3か月後の相対ゆらぎレベルの変化の一例 である。ゆらぎはいずれも,1/∫スペクトルを持ち,3 か月後の方が,製作直後より約20dB程度大きくなっ ている。 表一2は製作直後と3か月後の相対ゆらぎレベルと 抵抗値である。ほとんど全ての試料で抵抗値と,相対 ゆらぎレベルの上昇がみられる。この原因としては, 図一3の2回目のIn蒸着層が表面から徐々に酸化さ れ,酸化層がコンタクト内部に拡がっていくためと考 えられる。
表一2 試料の経時変化
Table 2 Time variation of noise level
Just after the preparation 3 months1ater
No. Resistance Relative fluctuation Resistance Relative fluctuation
[kohm] level at IHz[db] [kohm] 1evel at 1Hz[db] 01 9.5 一78.6 16.6 一64.4 02 17.3 一48.7 56.4 一95.4 03 22.4 一89.7 59.5 一61.8 04 2.4 一124.5 4.4 一41、2 05 5.9 一81.5 12.3 一79.4 06 31.5 一77.4 82.9 一73.5 表一3 加熱酸化前後の変化 Table 3 Effects of oxidation Before oxidation After oxidation
N● Resistance Relative fluctuation Resistance Relative fluctuation
[kohm] level at IHz[dbコ [kohm] level at IHz[db] 10 1.9 一68.5 21.4 一59.5 12 0.7 一75.6 17.1 一68.0 13 1.0 一54.5 13.6 一35.0 15 2.2 一75.0 5.1 一58.0 蒸着したInの一部分を酸化させることによって In203を形成し,所望のゆらぎレベルと抵抗値を得ると ともに,経時変化を減少させることができる。 図一5に,加熱酸化前後の相対ゆらぎレベルの変化の 一例を示す。ゆらぎは,1/∫スペクトルを持ち,酸化後 のゆらぎレベルは,酸化前より約10dB上昇してい る。 また,表一3は加熱酸化前後の抵抗値と相対ゆらぎレ ベルである。すべての試料で抵抗値,ゆらぎレベルが 上昇している。 加熱酸化することにより,所望の抵抗値とゆらぎレ ベルを持つようになった試料の表面に保護膜を形成す る。保護膜の材料としては, 1)絶縁体であること, 2)試料の酸化を促進しないこと,
自一4
寡 2 −68
ロ ー809
8
⊃ 一一・ 一.P00
三量一126・1 1 1・3・
Frequency [Hz] 図一4ゆらぎレベル経時変化 Fig.4 1ncrease of noise level due to the elapse of time 3) 試料表面に定着すること, が必要である。 ここでは油性アクリル塗料を使用した。 保護膜は,試料表面に力が加わらないよう,導体部 に塗料を適下し,大気中室温で乾燥させ形成した。6.結
果 製作した試料53個のうち,抵抗値1kΩ以上の試料 21個を表一4に示す。 相対ゆらぎレベルー100 dB以上の試料は20個得ら れた。また,当初の目標である抵抗値5kΩ∼100kΩ, 相対ゆらぎレベルー70dB以上の試料は,8個得るこ とができた。 試験のIn膜厚は,1回目53∼281 nm,2回目6∼32 nmである。このことから,ガラス基板から,溝底の高 自 蚕 Sl 一一 408
ひパP−60
8
u
⊃ 一一W0
Li一 雲 口9
星 1 Frequency [Hz]10
図一5加熱酸化前後のゆらぎレベル Fig.5 Effect of oxidation昭和60年12月 山梨大学工学部研究報告 第36号
表一4 製作試料
Table 4 Prepared samples
Deposited layer thickness Resistance Relative fluctuation No. Praimary[nm] econd司㎜ [kohm] level at IHz[db]
01 203 20 16.6 一64.4 02 203 20 56.4 一95.4 03 203 20 59.5 一61.8 04 203 20 4.4 一41.2 05 206 23 12.3 一79.9 06 206 23 82.9 一73.5 07 178 32 38.2 一98.0 08 178 32 4.0 一85.5 09 281 21 1.5 一100.5 10 199 14 21.4 一59、5 11 199 14 11.0 一57.0 12 193 15 17.1 一68.0 13 197 26 13.6 一35.0 14 125 19 44.2 一80.0 15 125 19 5.1 一58.0 16 53 11 68.3 一61.5 17 53 11 196.1 一90.2 18 53 11 105.8 一92.5 19 54 6 100.9 一84.4 20 54 6 273.0 一91.9 21 54 6 230.0 一91.4 fr㎝t cross−sectional vlew si(掩cross−sectlonal vi釧 holf argle of the bott㎝ of the dent ノuPPer c㎝duCtor glaSS イー− 1(】Ner cOnductor ←一一d−一→ In203 R3 In R4 d さまでの高さは60∼300nmと推定される。 Sioの厚 さは,約1μmであるから,溝の深さは700∼940nm程 度であるといえる。 図一6は,コンタクト部の拡大図である。 コンタクト部分の抵抗を,図の斜線部と拡がり抵抗 部分とに分けて計算する。コンタクトの深さをd,溝の 半頂角をθとすると,斜線部は,頂角2θ,高さd,長 さdの三角柱であり,その部分を一様に電流が流れる と近似すると抵抗値Rsは, Rs−S「塩θ (9) となる。ρは導体の抵抗率である。 拡がり抵抗部分は,半径dの四半球から四半空間に 向かって電流が一様にひろがってゆくと近似して,抵 抗値Rnは, Rn−堰i1 1d s十d) (lo) となる。sは溝の高さである。 導体にInを使用した場合,ρ=8×10−8Ω・m, d= 20nm, s=200 nm, tanθ=0.125として計算すると, R、=32Ω,Rn=2.3Ωとなり,サンプルの抵抗Rは, ほとんど斜線部の抵抗で決まる。 1回目の蒸着後に,大気中に試料を取り出すと,In 表面に酸化膜が形成される。このとき上段側の斜線部 10wer cOnductor ○ ↑ d R1 In203
↓dgR2
Infd→
しtpPe r conduCtor CUrrent SPre(】ding oreo glOSS 図一6 コンタクト部 Fig.6 Microbridge は図一6のようになる。酸化層の厚さをd。,抵抗値を R、,Inの部分の抵抗値R,は, R,一 R・一噤Eτ』
となる。ρ。はIn203の抵抗率である。 (11) (12) ρ。=10−4Ω・m,d。=0.1 nmとして計算すると,R、= lkΩ, R,=16Ωとなり,上段の抵抗値Ruは, R,にほぼ 等しい。 2回目のInを蒸着して,深さdのコンタクトが形成 されたとき,下段側の抵抗値は瓦より,十分に低いの で,サンプルの抵抗値はRuとなる。 2回目の蒸着を行ない,試料を大気中に取り出すと, 2回目のIn層にも表面に酸化層ができる。酸化層の抵 抗値をR,,In層の抵抗値をR,とすると, R・−Q= (13)
R・一噤E一 (14)
となる。下段側の抵抗値R,は,1∼3とR,の並列であるか ら,川 _100k ξ
10k
8
8
拐 ユk星100
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望墾lo
◆ ◆ x × ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ +:No.ユO e:No.12 x :NOIユ3 ◆:No.15設婁鍵‡鍵費9。。
叉叉o 色 ユ0 0 10 20 30 Th i ckness Of the oxidized l qyer d。 [nm] (o) Res i s tOnce of the UPPer SteP 川 観。。k8
810k
互星1k
1000 10 20 30
’;hickness Of the oxidized l(1yer d [nmi o (b) Res i Stqnce of the IOWer steP 図一7 酸化膜の拡がりと抵抗値の変化 Fig.7 Sample resistance versus the thickness of the oxidized layer 」∼, R, R,= R,十R, となる。 図一7に,d, d。の関数としてR,を示した。この図か ら,コンタクトの深さdを約20nmとし,2回目のIn の層を完全に酸化したときに,抵抗値は5kΩ∼100 kΩ の間とすることができる。 また,この図を用いれば試料の抵抗値から,In酸化 膜の膜厚を推定することができる。 例えば,試料No.13は,加熱酸化前の抵抗値が1 kΩ,酸化後の抵抗値が13.6kΩ,コンタクトの深さが 約20nmであるから,図一7から,上段側の酸化膜厚1 nm,下段側の酸化膜厚19.9 nm程度と推定できる。 図一8は,加熱酸化した試料の抵抗値と加熱時間の関 係である。 抵抗値の上昇曲線から,加熱による酸化膜の進行速 度が,加熱時間tに比例するといえよう。 今回,加熱酸化を行なった試料は抵抗値が700Ω以 0 100 200 300 Tlme[min] Lloo 図一8 加熱酸化中の抵抗値の変化 Fig.8 Resistance versus oxidation time 500 上のもののみであり,それ以下の試料については,加 熱酸化を行なっていない。これらの試料についても行 なう場合,In層がすべて酸化されずに終わる可能性が ある。このときは,酸化層が保護膜のかわりとなる。 溝の寸法,形状については,SEMによって観測して いる。溝の寸法が,蒸着したSiOの状態や,蒸着後の 経過時間の違いなどに依存しており,溝の寸法を溝切 り時に加えた圧力によって完全に制御するに至ってい ない。 In蒸着量については,抵抗値を観測して蒸着停止の タイミングを計っているが,加熱停止後蒸着が直ちに 停止するのではないので,蒸着量を精密に制御できて いない。 保護膜材料として,塗料を用いているが,乾燥時に 縮小して,コンタクトにストレスを加える心配がある ので,他の材料を検討する必要がある。 コンタクトが,In−In203−Inとなっているのか, In2 03のみから成るのか今のところ明らかになっていな い。酸化層が介在すると,バルクの1/プゆらぎ以外に 酸化層独特のtrap・detrapノイズが寄与する可能性が あるのでコンタクト付近の組織の分析を行なう必要が ある。 7.む す び 段差法,2度蒸着法,加熱酸化法を用いることによ り,熱雑音分散ゆらぎ測定用の高ゆらぎの試料を,歩 留まりよく得ることができた。 しかし,抵抗値の変化とゆらぎレベルの変化の相関 や,温度係数の違う試料の製作等の不明な点があるた め,今後これらの点についてさらに検討する必要があ る。昭和60年12月 山梨大学工学部研究報告 第36号 oxidclt i on(ha mber saN)le heoter 図A−1加熱酸化装置ブロック図 Fig. A−1 Block diagram of ox三daiton equipment