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熱源インバータ制御を用いた空調システムの最適運用に関する研究 [ PDF

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(1)熱源インバータ制御を用いた空調システムの最適運用に関する研究. 住吉 大輔 表1. 第 1 章 はじめに 本研究には 2 つの目的がある。一つは、これまでフ ァンやポンプに導入され大きな効果をあげてきたイン バータ制御を、熱源機器に取り入れる熱源インバータ 制御の省エネ効果を明らかにすることである。もう一. 実験対象熱源機器. 熱源機器A. 熱源機器B. 形式:空冷ヒートポンプチラー (全密閉スクロール式) 冷却能力:211.0MJ 加熱能力:241.2MJ 定格電力:23.7kW. 形式:空冷ヒートポンプチラー (全密閉レシプロ式) 冷却能力:168.1MJ 加熱能力:148.3MJ 定格電力:17.1kW. つは、より省エネルギーとなる空調システムの運用方. 表2. 対象建物概要. 策(最適運用)を提案し、その効果を試算することである。. 所在地. 本稿では、これら 2 つの目的を達成するため実験や実. 主要用途. オフィス・実験施設. 構造・階数. 鉄骨造・地上4階. 敷地面積. 効果を中心に調査した結果について報告する。. 4353.7m2. 建築面積. 703.97m2. 第 2 章 熱源インバータ特性. 延べ床面積(対象床面積) 1697.05m2(741.76m2). 測調査、シミュレーションにより熱源インバータ制御. 東京都大田区. インバータ制御の熱源機器への導入は様々なメリッ. 場合、どの程度の効果が得られるのか把握するため冷. トを生むと推察されるが、実際に熱源機器に導入する. 房運転を対象に実測調査を実施した。期間は 2002 年. 場合、出力を落としすぎると熱源機器内の冷媒が循環. 10 月 14 日から 25 日、実施したのは東京都大田区のオ. しなくなるなど、機器に悪影響を与える危険性もある。. フィス兼実験施設である。対象建物概要を表 2 に、空. そこで、熱源機器にインバータ制御を導入した場合に. 調システム系統略図を図 3 に示す。. どのような挙動を示すか、また、生産熱量と消費電力. 3-1. の間にどのような関係があるかを明らかにするため、. (1) 実測概要. 蓄熱空調システムにおける実測調査. 仕様の異なる 2 台の熱源機器について実験を行った。. 対象空調システムで行われている通常の運用である. 表 1 に実験対象の熱源機器概要を、図 1、図 2 に得ら. caseA と、caseA に熱源インバータ制御、1 次ポンプイ. れた部分負荷率と電力消費率の関係(熱源インバータ. ンバータ制御、熱源冷水出口温度上昇の 3 つの運用方. 制御特性) 、部分負荷率と熱源 COP の関係を示す。実. 策を導入した caseB とを実施した。. 験結果から冷房運転では部分負荷運転時において全負. <caseA> (14 日 22:00∼16 日 17:00). 荷運転時よりも効率の良い熱量生産が可能であること. 従来から対象空調システムで行われている運用で、. が明らかとなった。一方、暖房運転では部分負荷運転. 熱源機器(R-1)、1 次ポンプ(PCH-1)は共に全負荷運転. 時に機器効率が低下してしまいインバータ制御による. を行う。三方弁熱源出口温度、蓄熱基準温度の設定は. 省エネ効果は見られなかった。. 従来と同じである。. 第 3 章 熱源インバータ制御運用実測. <caseB> (16 日 22:00∼18 日 18:00). ファン、ポンプ同様、熱源機器でも冷房運転時には. 1 次側の運用においては 1 次側 COP が高いほど効率. インバータ制御により機器効率の向上が図れた。そこ. がよいといえる。そこでこれまでに得られている機器. で次に、実際の運用に熱源インバータ制御を導入した. 特性から 1 次側 COP が最高となる点(最高効率点)を求. 1.2. 機器 A(暖房). 0.8 0.6 0.4. 機器 B(冷房). 0.2. 機器 A(冷房). 0.0. 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 !"#$%[-]. 図2. 機器 A(冷房) 2次ポンプ  PCH-4. 2.5. *+COP[-]. 1.0. &'()%[-]. 3.0. 往ヘッダー. 2.0. 機器 B(冷房). 1.0. 2階 東空調機 2階 西空調機 2階 ファンコイルユニット 3階 東空調機 4階 西空調機 4階 東空調機. 2次ポンプ  PCH-4 還ヘッダー 往ヘッダー. 熱交換器 1次ポンプ PCH-2. AC-2E AC-2W FCU-2 AC-3E AC-3W AC-4E. 2階 東空調機 2階 西空調機 2階 ファンコイルユニット 3階 東空調機 4階 西空調機 4階 東空調機. 還ヘッダー. バイパス. バイパス. 熱交換器 2次ポンプ PCH-3. 1.5. AC-2E AC-2W FCU-2 AC-3E AC-3W AC-4E. 熱交換器 HE-1. 熱源機器 R-1. 1次ポンプ  PCH-1. 熱源機器 R-1. 1次ポンプ  PCH-1. 三方弁. 0.5. 機器 A(暖房). 0.0. 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 !"#$%[-]. 熱源インバータ制御特性 図 2. 熱源インバータ制御特性. 32-1. 蓄熱槽 <低温側>. <高温側>. a) 蓄熱空調システム. 図3. b) 非蓄熱空調システム. 空調システム系統略図.

(2) 表3. めた。その結果、最高効率点は両機器の部分負荷率が. 蓄熱空調システム実測結果. caseA caseB. 0.6 の時で、熱源機器のインバータ周波数が 27.4Hz、1. 462.2 522.5 161.0 15.4 115.8 311.9 3.25 2.96. 空調機処理熱量[MJ] 熱源機器生産熱量[MJ] 熱源機器電力消費量[kWh] 1次ポンプ電力消費量[kWh] 空調機電力消費量合計[kWh] システム電力消費量[kWh] 熱源COP[-] 1次側COP[-]. 次ポンプのインバータ周波数は 35.1Hz と算出された。 そこで caseB では蓄熱運転、追いかけ運転をする際に 熱源機器、1 次ポンプともインバータ制御により最高 効率点で運転した。また、熱源機器を運転する際、熱 源冷水出口温度が高いほど省エネとなる。caseB では 熱源冷水出口温度を 2K 上昇させるため、関係する各 設定値(三方弁熱源出口温度、蓄熱基準温度)を caseA. 1!"#$. (2) 実測結果 熱源機器生産熱量、空調機除去熱量、電力消費量に ついて、両ケースそれぞれの日積算平均値を求め、熱. 2. 1. 0. 源 COP、1次側 COP を算出した(表 3)。ただし算出に. '()[Hz]. 運転台数[台]. から 2℃上げて運転する。. 12. あたり、蓄熱開始からの積算値を比較するため、前日 図4. 22 時からを 1 日として計算した。なお、16 日の 17 時 から 22 時は運用の切り替えを行ったため、検討データ. 14 16 入口温度[℃]. 324.2 370.1 90.5 6.1 120.1 236.8 4.09 3.83 *+,-. 50 40 30 20 10 0 0. 2. 4. 6. 8 10 12. 2!"#$%&[m 3 /h]. 圧縮機台数制御 図 5 流量と周波数の関係 表 4 非蓄熱空調システム実測結果. caseA caseB. から除外した。. 空調機処理熱量[MJ] 熱源機器生産熱量[MJ] 熱源機器電力消費量[kWh] 1次ポンプ電力消費量[kWh] 空調機電力消費量合計[kWh] システム電力消費量[kWh] 熱源COP[-] 1次側COP[-]. caseA と比べ、 caseB では熱源 COP が 3.25 から 4.09 に向上し、1次側 COP は 2.96 から 3.83 に向上した。 外気温が低いほど熱源機器の効率は上がるため、同一 の気象条件下でないと厳密には比較できないが、それ を考慮しても caseB での省エネ効果は顕著である。 caseA と caseB では 2 次側の運用は変更していないの. 93.5 90.3 116.3 107.9 38.2 30.5 18.3 5.7 117.1 125.5 181.8 170.4 3.04 3.54 2.06 2.98. で、システム全体を考えても熱源機器と 1 次ポンプの. 30Hz から 50Hz でインバータ制御され、流量を変化さ. 電力消費量の削減分は省エネが図られているといえる。. せる(図 5)。. 3-2. (2) 実測結果. 非蓄熱空調システムにおける実測調査. 熱源機器生産熱量、空調機除去熱量、電力消費量に. (1) 実測概要 非蓄熱空調システムの実測でも蓄熱空調システムと. ついて、両ケースそれぞれの日積算平均値を求め、そ. 同様に 2 ケースを実施し、比較した。. の値から熱源 COP、1次側 COP を算出した(表 4)。た. <caseA> (21 日 0:00∼22 日 18:00). だし、caseB の値は 24 日に熱源機器がほとんど運転さ. 従来から対象空調システムにおいて行われている運. れなかったため、23 日と 25 日の値を平均し算出して. 用で、熱源機器では熱源冷水入口温度に応じて圧縮機. いる。なお、22 日の 18 時から 24 時は運用の切り替え. の運転台数を、 4 台稼動(出力 100%)、 4 台中 2 台稼動(出. を行ったため、検討データからは除外している。従来. 力 50%)、熱源機器停止(出力 0%)を切り替える圧縮機. 型運用と比べ、 最適運用では熱源 COP が 3.04 から 3.54. 台数制御運転を行う(図 4)。. に向上し、1次側 COP は 2.06 から 2.98 に向上した。. <caseB> (23 日 0:00∼25 日 24:00). 同一の気象条件下でないと厳密には比較できないが、. 圧縮機台数制御に加えて、熱源インバータ制御を行. 非蓄熱空調システムにおいても熱源機器・1 次ポンプイ. う。熱源機器のインバータ周波数は 2 次ポンプの流量. ンバータ制御の省エネ効果は十分に確認された。. に応じて 25Hz から 50Hz で変化させる。2 次ポンプの. 第4章. シミュレーションによる検討. 流量と周波数の関係を図 5 に示す。2 次ポンプはイン. これまでの章では熱源インバータ制御の効果を明ら. バータ制御により、空調機の処理熱量に応じて流量を. かにすることを中心に実験や実測を行い、その効果を. 変化させるため、熱源機器もある程度負荷に応じて運. ある程度把握することができた。しかし、実験や実測は. 転される。1 次ポンプも 2 次ポンプの流量に応じて. 短い期間の限定された気候条件の中で実施しており、. 32-2.

(3) 熱源インバータ制御の年間での効果把握には至ってい ない。そこで本章ではシミュレーションプログラムを. !. 作成し、熱源インバータ制御を年間を通して使用した 場合どの程度の省エネ効果が得られるのか検討した。 さらに、本研究のもう一つの目的である最適運用につ. 蓄熱空調システム検討ケース. 1次ポンプ. 熱源機器 全負荷運転. 熱源特性 −. A1 インバータにより熱源COPが最も高 A2 くなる部分負荷率でできるだけ運転 全負荷運転. 熱源機器A. A3. 熱源機器A. 蓄熱量によりインバータ出力を制御. A4. 熱源機器B. 熱源機器B 出口温度により B0 全負荷運転 − インバータ制御 B1 インバータにより1次側COPが最も高くなる部分負荷 熱源機器A B2 率でできるだけ運転 熱源機器B. いての検討も行い、最適運用がどういったものか、ど の程度の効果があるものなのか明らかにする。 4-1. 表5. case. 計算概要. B3. 計算の対象としたのは実測調査を行ったのと同様の 建物である。計算時間間隔は 1 分であり、空調時間帯. 熱源機器A. 熱源出口水温によりインバータ出力を決定. B4. 熱源機器B. C1 case!の水温レベルを2K上昇 C2 case!の水温レベルを4K上昇. は 8:00∼19:00、土曜日、日曜日、祭日は運転しないも. D0 case!に外気冷房を導入 D1 caseB3に外気冷房を導入 D2 caseB4に外気冷房を導入. のとしている。計算期間は 4 月∼11 月で冷房運転であ る。4、5、10、11 月を中間季、6~9 月を夏季とし、中 間季には設定室温 24℃、夏季には 26℃とする。コスト. A2 と A4 を比較すると caseA2 は 8 月を除く月で効果. の算出には東京電力の『業務用季節別時間帯別電力』. が高い。8 月を除く月では熱源最高効率点で運転する. プランを使用した。ピーク時間(夏季 13:00~16:00)は. 時間が長いためと考えられる。したがって caseA1、A2. 15.9 円、昼間時間(平日 8:00~22:00;ピーク時間を除. の制御方法は最も負荷が高い時期には向かないが、そ. く)は夏季 14.7 円、中間季 13.65 円、夜間時間(その他. れ以外の時期では効果が高く、caseA3、A4 は年間を. の時間)は 6.05 円である。熱源機器の計算では、計算. 通して安定した効果が得られる運転方法といえる。. された熱源冷温水出口温度が熱源機器停止温度設定値. 4-2-2 1 次ポンプ制御方法の検討(caseB0∼B4) 1 次ポンプ変流量運転を導入した caseB0 で 1 次ポン. 4℃に達した場合は熱源機器を停止とする。その際熱源 機器は、15 分間停止したままとしている。. プ電力消費量の削減が見られる。システム全体でみる. 4-2. と 1 次ポンプインバータ制御の導入効果は 2.3%であ. 蓄熱空調システムにおける検討. 検討ケースについて表 5 にまとめる。また、計算結. る。また、1 次ポンプインバータ制御と熱源インバー. 果として表 6 を示す。. タ制御とを併用する caseB1∼B4 では、熱源運転時間. 4-2-1. の増加にもかかわらず 1 次ポンプ電力消費量を削減で. 熱源制御方法の検討(caseA1∼A4). 従来型の運用を行う caseαに対して、熱源インバー. きている。当然、熱源機器でも電力削減効果が見られ. タを導入した caseA1∼A4 で熱源 COP の向上、熱源機. るため、1 次ポンプインバータ制御と熱源インバータ. 器電力消費量の削減が見られる。しかし、部分負荷運. 制御の併用による冷房期間通算での電力削減効果は. 転を行うことにより、蓄熱完了までの熱源運転時間の. 5~9%となっている。. 増加がおこり 1 次ポンプの電力消費量は増加している。. 4-2-3. 熱源出口水温の上昇は熱源機器の効率向上につなが. 冷房期間通算の合計電力消費量では熱源インバータ制. るため、caseC1、C2 の熱源 COP は caseαに比べ向上. 御を導入することで 2~4%の削減が図れている。case 表6 case. 熱源出口水温上昇の検討(C1、C2). 蓄熱空調システム計算結果. !. A1. A2. A3. A4. B0. B1. B2. B3. B4. C1. C2. D0. D1. D2. 空調機処理熱量[GJ]. 190. 190. 190. 190. 190. 190. 190. 189. 191. 191. 190. 190. 167. 167. 167. 熱源機器生産熱量[GJ]. 217. 228. 230. 229. 229. 212. 221. 221. 222. 220. 214. 213. 192. 196. 194. 熱源機器. 20.1. 18.3. 17.5. 18.7. 17.8. 19.7. 18.2. 16.8. 18.1. 17.1. 19.6. 19.4. 18.2. 16.5. 15.6. 1次ポンプ. 1.62. 2.30. 2.51. 2.19. 2.35. 1.09. 1.34. 1.30. 1.15. 1.22. 1.56. 1.50. 1.44. 1.01. 1.04. 電力消 費量 その他のポンプ 3.72 [MWh] 14.2 空調機合計. 3.77. 3.81. 3.72. 3.76. 3.73. 3.81. 3.80. 3.73. 3.80. 3.95. 4.52. 2.98. 2.99. 3.04. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.2. 14.3. 14.6. 14.2. 14.2. 14.2. 合計. 39.6. 38.6. 38.0. 38.8. 38.1. 38.7. 37.5. 36.1. 37.2. 36.3. 39.4. 40.1. 36.9. 34.7. 33.9. コスト[千円]. 488. 472. 467. 475. 469. 480. 462. 448. 463. 460. 489. 504. 467. 446. 439. 熱源COP[-]. 3.00. 3.46. 3.65. 3.41. 3.58. 2.99. 3.39. 3.66. 3.41. 3.58. 3.03. 3.05. 2.93. 3.30. 3.47. 1次側COP[-]. 2.77. 3.07. 3.20. 3.05. 3.16. 2.83. 3.16. 3.40. 3.21. 3.34. 2.81. 2.83. 2.72. 3.11. 3.25. システムCOP[-]. 1.33. 1.37. 1.39. 1.36. 1.39. 1.36. 1.40. 1.46. 1.42. 1.46. 1.34. 1.32. 1.26. 1.34. 1.37. 32-3.

(4) している。しかし、その向上率は低い。またシステム. 1 次ポンプインバータ制御との併用効果は大きいが、8. 全体の温度レベルを上げたことにより 2 次ポンプ流量. 月でも 15%程度の電力削減ができている。. やファン風量の増大が見られ、その結果ポンプ、ファ. 4-3-3. 熱源出口水温上昇の検討(G1、G2). 蓄熱空調システムでの検討と同様の傾向を示してお. ンの電力消費量が増えている。さらに、表には示してい ないが室内環境の悪化も見られ有効な手法ではない。. り、水温上昇による省エネ効果はほとんどない。. 4-3-4. 4-3-4. 外気冷房の検討(D0∼D2). 外気冷房の検討(H0∼H2). caseαに外気冷房を導入した caseD0 で 7%の電力削. 従来型の運用に外気冷房を導入する caseH0 で 6%. 減効果が得られる。さらに熱源インバータ制御、1 次. 電力消費量が削減されている。さらに熱源機器、1 次. ポンプインバータ制御を併用することで 12∼15%と. ポンプのインバータ制御と組み合わせることにより、. いう大きな効果が得られる。. 25%前後の非常に高い省エネ効果が得られる。. 4-3. 第5章. 非蓄熱空調システムにおける検討. 検討ケースについて表 7 にまとめる。また、計算結. おわりに. 本研究では熱源インバータ制御が冷房運転時には. 果として表 8 を示す。. 高効率な部分負荷運転を実現できることを明らかに. 4-3-1. した。さらに、熱源インバータ制御や 1 次ポンプイ. 熱源制御方法の検討(caseE1∼E4). ンバータ制御などの手法が年間を通してどの程度の. 蓄熱空調システムの場合と違い熱源インバータを導 入しても 1 次ポンプ電力消費量の増大が見られない。1. 省エネ効果を有するのか計算により求めた。今後は、. 次ポンプは空調時間帯中、常に定流量運転をしている. 暖房運転時になぜ効果が現れないのか、熱源機器に. ためである。特に、2 次ポンプ流量によって熱源イン. よる熱源インバータ制御効果の違い等に取り組んで. バータ周波数を決める caseE3、E4 では 8∼10%もの. いく必要がある。. 省エネ効果が得られる。冷房期間を通して caseE3、E4. 表5. 非蓄熱空調システム検討ケース. case. の省エネ効果は高いといえる。ただし、システム全体 の電力消費量に占める熱源電力消費量の割合が低下す るため、4 月、11月にその効果が下がる。. ,. 圧縮機台数制御. −. 熱源出口水温によりイン バータ出力を決定 全負荷運転. 熱源機器A. E3. 1 次ポンプインバータ制御を導入しただけの caseF0 でも 10%程度の電力削減効果が見られる。非蓄熱空調. E4. 2次ポンプ流量によりイン バータ出力を決定. F0. 全負荷運転. F1. システムの従来型運用では空調時間帯中、常に 1 次ポ. F2 F3. ンプを全負荷運転しているため、1 次ポンプインバー. F4. タ制御により無駄な流量を削減することで、その効果 が大きく現れている。さらに熱源インバータ制御を併. G1. caseβの水温レベルを2K上昇. G2. caseβの水温レベルを4K上昇 caseβに外気冷房を導入. caseF4 で 20∼22%という非常に大きな電力削減効果. H1. caseE3に外気冷房を導入. H2. caseE4に外気冷房を導入. 表6. 熱源機器A 熱源機器B. 2次ポンプ流量によりインバータ出力を決定. H0. case. 熱源機器B. − 出口温度により 熱源機器A 熱 源 出 口 水 温 に よ り イ ン インバータ制御 バータ出力を決定 熱源機器B. 用し 2 次ポンプ流量により周波数を制御した caseF3、 が得られている。特に中間季に熱源インバータ制御と. 熱源特性. E1 E2. 4-3-2 1 次ポンプ制御方法の検討(caseF0∼F4). 1次ポンプ. 熱源機器. 熱源機器A 熱源機器B. 非蓄熱空調システム計算結果. ". E1. E2. E3. E4. F0. F1. F2. F3. F4. G1. G2. H0. H1. H2. 空調機処理熱量[GJ]. 194. 194. 194. 191. 191. 195. 193. 193. 191. 191. 193. 189. 169. 167. 167. 熱源機器生産熱量[GJ]. 223. 223. 222. 219. 219. 208. 208. 207. 202. 201. 221. 216. 197. 178. 177. 電力消 費量 [MWh]. 熱源機器. 20.9. 19.4. 18.9. 18.3. 17.6. 20.0. 18.3. 18.2. 17.0. 16.3. 20.6. 19.8. 18.8. 15.3. 14.7. 1次ポンプ. 5.45. 5.45. 5.45. 5.45. 5.45. 1.87. 2.70. 2.76. 1.86. 1.88. 5.45. 5.45. 5.45. 1.81. 1.83. 2次ポンプ. 1.79. 1.83. 1.80. 1.62. 1.64. 1.79. 1.75. 1.74. 1.49. 1.50. 1.91. 2.15. 1.48. 1.24. 1.25. 空調機合計. 15.3. 15.3. 15.2. 14.5. 14.5. 15.5. 15.1. 15.0. 14.4. 14.4. 15.5. 16.9. 15.2. 14.4. 14.4. 合計. 43.5. 42.0. 41.3. 39.9. 39.2. 39.2. 37.9. 37.7. 34.7. 34.0. 43.5. 44.3. 40.9. 32.7. 32.2. コスト[千円]. 637. 616. 605. 583. 574. 575. 557. 554. 509. 500. 638. 649. 600. 481. 473. 熱源COP[-]. 2.96. 3.19. 3.27. 3.34. 3.46. 2.88. 3.15. 3.16. 3.30. 3.43. 2.98. 3.04. 2.91. 3.22. 3.34. 1次側COP[-]. 2.35. 2.49. 2.54. 2.57. 2.64. 2.64. 2.74. 2.75. 2.97. 3.08. 2.36. 2.38. 2.25. 2.88. 2.98. システムCOP[-]. 1.24. 1.28. 1.30. 1.33. 1.35. 1.38. 1.42. 1.42. 1.53. 1.56. 1.23. 1.18. 1.15. 1.42. 1.44. 32-4.

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