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相談支援の基本高次脳機能障害者の基礎知識高次脳機能障害の社会復帰に向けての流れ高次脳機能障害者の家族支援高次脳機能障害者の地域で支える仕組み高次脳機能障害者を関わる社会制度高次脳機能障害に参考資料 社会生活評価プログラム 就労準備支援プログラム 社会生活評価プログラム及び就労準備支援プロ

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経緯及び概要

 厚生労働省では、高次脳機能障害者が医療・福祉サービスを適切かつ円滑に受けられるよう にするために、平成13年度から17年度までの5か年間、国立身体障害者リハビリテーション センター(現国立障害者リハビリテーションセンター)と12地域の地方自治体による高次脳機 能障害支援モデル事業を実施しました。モデル事業では、医療・福祉サービスを提供するため の対象者を明確にするための「高次脳機能障害診断基準」が作成されました。また、モデル事 業に参画した各自治体に支援拠点機関と支援コーディネーターが配置され、高次脳機能障害者 の医療から福祉への円滑な移行、望ましい社会復帰を図る実践が行われました。  このモデル事業は、さらに全国展開を目指して、平成18年10月から、障害者自立支援法(現 障害者総合支援法)に基づく地域生活支援事業のひとつである「高次脳機能障害支援普及事業」 (現「高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業」)に引き継がれました。  この事業は、地域生活支援事業のうち、専門性の高い相談支援として都道府県が実施する事 業に位置づけられており、都道府県が指定する高次脳機能障害者の支援拠点機関に支援コー ディネーターを配置し、高次脳機能障害者に対する専門的な相談支援、関係機関との支援ネッ トワークの充実、高次脳機能障害の正しい理解を促進するための普及・啓発事業、高次脳機能 障害の支援等に関する研修等を行うものです。  東京都は、平成18年11月から、東京都心身障害者福祉センターを支援拠点機関として以下 に掲げる取組を実施しています。

 

支援拠点機関としての東京都心身障害者福祉センターの取組

 東京都心身障害者支援センターは、支援拠点機関として、①相談支援、②支援ネットワーク 構築、③人材育成、広報・普及啓発を柱として事業を展開するとともに、社会生活評価プログ ラム及び就労準備支援プログラム2つの通所プログラムを実施しています。 平成26年度現在の具体的な事業内容は、以下のとおりです。 ① 相談支援事業  ・ 専用電話相談  ・ 家族会による「医療及び家族相談会」への支援 ② 支援ネットワーク構築  ・ 地域(区市町村、二次保健医療圏域)のネットワーク構築への支援  ・ 相談支援体制連携調整委員会の設置運営 ③ 人材育成、広報・普及啓発  ・ 関係機関職員向け研修会及び区市町村相談支援員連絡会  ・ パンフレット・ハンドブック作成等  ・ 地域の研修会等への講師派遣等 ④ 通所プログラムによる支援

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 ・ 社会生活評価プログラム  ・ 就労準備支援プログラム

 

社会生活評価プログラム及び就労準備支援プログラムについて

① 社会生活評価プログラム   地域の支援機関からの依頼に基づき、自立した社会生活や就労(福祉的就労を含む)等の社 会参加を目指す方に対して、生活管理、作業能力、対人技能等の評価と課題の整理を行います。  ○ プログラムの内容   ・ 個別課題では作業療法士が中心となり、個々の障害状況にあわせた評価・支援を行い、   生活管理能力や作業能力の向上を目指します。   ・ グループ課題では自分の意思を伝える・他者の意見を聞く・場面に合わせた行動をと   るなどの経験を通して、対人技能の向上を目指します。   ・ 心理検査や作業評価の結果をご本人や支援機関と共有し、支援の方向性を確認します。  ○ 対象者   ・  高次脳機能障害の診断のある満15歳〜64歳までの方(障害者手帳の有無は問いません)   ・ 地域で生活を行っており、日常生活動作は自立しているが、生活管理や職業準備性な   どに課題のある方で、通所等により地域の支援機関から支援を受けている方    ・ 自立通所が可能な方  ○ 利用期間   ・ 利用期間は原則4カ月(費用は無料です)   ・ 他の通所施設、通所リハビリ等と組み合わせた利用も可能です。 ② 就労準備支援プログラム   地域の支援機関からの依頼に基づき、就労を希望する高次脳機能障害者に対し、職業評価・  高次脳機能障害評価・作業課題によるトレーニング・グループワーク等を組み合わせたプロ グラムを提供します。  ○ プログラムの内容   ・ 就労に向けた様々な種類の作業課題を個別に設定し、評価とトレーニングを行います。   ・ 障害状況に応じたメモリーノートや手順書などの代償手段を検討し、活用を目指します。   ・ 作業課題やグループワーク等を通して、自己の障害への理解を深めます。   ・ 課題や検査結果をご本人や支援機関と共有し、支援機関におけるその後の支援の参考   にしていただきます。  ○ 対象者   ・ 就労を希望する満64歳までの高次脳機能障害者(障害者手帳の有無は問いません)   ・ 自立通所が可能な方  ○ 利用期間   ・ 利用期間は原則6ヶ月(費用は無料です)   ・ 他の通所施設、通所リハビリ等と組み合わせた利用も可能です。

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 用語集

1 疾病等に関連する用語 ・脳損傷  脳損傷とは、脳に生じた傷害のこと。交通事故 や転倒、転落等による外傷性の脳損傷を指す場合 も多いが、本ハンドブックでは、海外の考え方に 沿って、脳卒中や脳炎、低酸素脳症などの疾患に よる脳損傷も含めて、脳損傷としている。 ・脳卒中(脳血管障害)  脳血管の閉塞(脳梗塞)、脳血管の破綻(脳出血)、 脳動脈瘤の破裂(くも膜下出血等)が原因で、運 動麻痺や感覚障害、高次脳機能障害等を発症する 病態。これらの疾患を引き起こす背景として、高 血圧、糖尿病、心疾患、高脂血症などがある。 ・脳梗塞  脳の血管内に血栓が生じて血管を詰まらせる脳 血栓、心臓や頚動脈等で生じた血栓が脳血管を詰 まらせる脳塞栓等によるものがある。 ・脳(内)出血  脳血管が破れ、脳内に出血する疾患。被殻出血、 視床出血、皮質下出血、小脳出血、脳幹出血等がある。 ・くも膜下出血  脳の表面の軟膜とくも膜との間(くも膜下腔) に起きる出血。多くは脳動脈瘤の破裂が原因だが、 頭部外傷に伴う外傷性のくも膜下出血もある。 ・頭部外傷  交通事故や転倒・転落、スポーツ事故などの外 傷によって、頭皮や頭蓋骨、脳などに損傷が生じ る病態の総称。 ・脳外傷(外傷性脳損傷):TBI  頭部外傷による損傷が脳に及んだ病態。脳挫傷、 急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、びまん性(広 範性)脳損傷、びまん性軸索損傷、外傷性くも膜 下出血、脳内出血等を含む。損傷の範囲や程度に より多彩な精神・神経症状、運動障害を呈する。 ・脳挫傷  この用語集は、地域で高次脳機能障害者の相談支援を行う支援者が、医療機関からの医療情 報や評価の理解を深め、医療と福祉の連携をよりスムーズに行う一助となることを目的に作成 しております。高次脳機能障害者の相談支援の現場において必要とされる内容を分かりやすく 説明することを趣旨としており、学術的には十分な記載となっていない場合があります。  頭部に外部から強い力が加わり、脳実質が衝撃 を受け、脳組織の挫滅が生じる病態。 ・びまん(広範)性脳損傷  局所的な出血(血腫)などの限局した病変を伴 わない脳の広範な損傷を指す。びまん性軸索損傷 を含む。 ・びまん性軸索損傷(DAI)  脳外傷などの際に生じる頭蓋への強い回転加速 度により、脳は前後左右の剪断力を受け、その結果、 脳神経線維(軸索)が広範に損傷された病態。 ・脳炎  脳実質にウイルスなどが進入して生じる炎症を 引き起こす病態。発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、 けいれんなどがみられる。単純ヘルペスウィルス、 日本脳炎ウィルスの感染、インフルエンザや麻疹 等の発症に伴う急性脳炎等がある。運動障害や認 知面の障害、てんかんなどが後遺症として残るこ とがある。 ・脳腫瘍  頭蓋内に発生する腫瘍で、髄膜腫、神経膠腫、 下垂体腺腫、神経鞘腫等、種類は多種あり、腫瘍 の発生部位により異なった神経症状がみられる。 ・無酸素性脳症、低酸素脳症  窒息や溺水、呼吸障害、一酸化炭素中毒等で脳 へ供給される酸素が不足したために起こる脳症。 海馬や大脳皮質が損傷されやすい。 ・蘇生後脳症  心肺停止時の蘇生後に発生する脳機能の障害。 低酸素脳症を呈する。 ・軽度外傷性脳損傷(MTBI)  WHO(世界保健機関)では、脳外傷(TBI)後、 30分時の意識障害のレベルが、グラスゴー昏睡尺 度で13点から15点の例を軽度外傷性脳損傷と定義 している。  軽度外傷性脳損傷であっても、後遺障害として、

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  高次脳機能障害の   基礎知識 高次脳機能障害者の 社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 視野の欠損や嗅覚障害、顔面神経麻痺、平衡機能 障害、記憶力の低下、注意力の低下、遂行機能障 害などの症状を呈することがある。  ・低髄液圧症(脳脊髄液減少症)  脳脊髄液量の減少により、髄液圧が低下し、頭 痛や頚部痛、視機能障害、めまい、耳鳴りなどの 症状が生じる病態。記憶力の低下や集中力の低下 といった症状が生じる場合もある。原因として特 発性(原因不明)と交通事故やスポーツ外傷など の外傷性がある。 ・てんかん  大脳の突発性の過剰放電による意識状態の変化 やけいれん発作を主症状とする病態。脳損傷に伴 う後遺症としてしばしば生じる。発作の前駆症状 として、不安感、不機嫌、だるさ、頭痛、めまい 等がある場合もある。過労や睡眠不足、便秘、飲酒、 タバコや精神的なストレス等が発作の誘因になる 場合がある。 ・水頭症  脳脊髄液が脳内に過剰に貯留して脳実質を圧迫 し、脳機能に支障が生じる病態。生命予後や機能 予後予測に基づいて、頭蓋内圧を下げるために、 脳室ドレナージ術やシャント術などの治療が行わ れる。 ・脳室腹腔シャント(VPシャント)  水頭症により脳室に貯留した脳脊髄液を、皮下 を通すチューブを介して腹腔内へ導くことで、水 頭症を治療する手術手技。 ・認知症  何らかの脳疾患により、いったん獲得、成熟し た知的機能が、広範に継続的に低下し、日常生活 に支障を来たした状態。原因疾患は多様であるが、 脳血管障害に起因する脳血管性認知症、脳神経細 胞の変性によるアルツハイマー病、レビー小体型 認知症、前頭側頭葉変性症(FTLD)などが知られ ている。状態像は持続的・進行性である。記憶障 害や見当職障害を主症状とし、その他に失語、失行、 失認、遂行機能障害のいずれかを認め、臨床的に これらの症状による日常生活への支障が6か月以 上継続した場合、認知症の診断が考慮される。なお、 65歳未満で発症する認知症を若年性認知症と呼ぶ。 2 身体状況に関連する用語 ・遷延性意識障害  意思疎通が不可能、自力移動が不可能、自力摂 食が不可能、意味のある発語が不可能、視覚によ る認知が不可能、便・尿失禁がある。以上の6項 目が少なくとも3か月以上継続している状態(日 本脳神経外科学会による定義)。 ・対麻痺  両下肢の麻痺。 ・片麻痺  身体の半側の麻痺。麻痺は、主として脳の損傷 部位と反対側の身体に表れる。 ・運動失調  運動麻痺や筋力低下がないにもかかわらず、筋 のコントロールの不良により、ふらつく、ふるえ るなど運動がうまく行えない状態。脊髄性・小脳性・ 大脳性・迷路性(前庭器官)に大別される。 ・眼振  眼球が不随意的に水平や垂直方向または回旋性 に動く症状。 ・振戦  ふるえ。不随意に筋収縮を繰り返す状態で、顔面、 上肢、下肢にしばしば見られる。小脳疾患にみら れるような意図的な運動時に見られる企図振戦と パーキンソン病にみられるような静止時に見られ る安静時振戦がある。 ・半盲  視覚の神経路の障害による視野障害。両眼とも に同側半分の視野が失われる同名半盲や左右の外 側の視野が失われる両耳側半盲などがある。 ・複視  物が二重に見える症状。眼球運動の障害が原因。 通常、片眼で見ると症状は消失する。 ・平衡機能障害  姿勢を調節する機能の障害。四肢体幹に異常が ないにも関わらず、起立や歩行に支障が生じる症状。 ・廃用症候群  日常生活における身体活動の過度な低下による 二次的合併症の総称。筋力低下や筋の萎縮、関節 の拘縮、肺活量の減少、循環機能の低下、精神機 能の低下などがある。 3 画像診断や評価に関連する用語 ・CT(コンピューター断層撮影)  主に臓器の断面を放射線(X線)を用いて撮影 する検査。高次脳機能障害の原因疾患の大半はコ ンピューター断層撮影で描出される。 ・MRI(磁気共鳴画像)

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  高次脳機能障害の   基礎知識   若年性認知症に関する   基礎知識 高次脳機能障害者の社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   若年性認知症に関する   基礎知識   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料  磁場を用いて、臓器の画像を撮影する装置。CT よりも画像が精細で、水平方向(水平断)に加え て前後方向(矢状断)や左右方向(冠状断)の撮 像が可能。磁場を用いるので、体内に金属を有し ている場合、撮像はできない。 ・SPECT(単光子放射断層撮影)  放射線同位元素を含む薬剤を静脈に注射し、そ の薬剤の脳内の分布から局所的な血流量や代謝機 能を測定する検査。脳機能画像を捉える検査機器。 ・PET(陽電子放射断層撮影)  陽電子放出核種を含むブドウ糖(またはアミノ 酸)様の薬剤を静脈に注射し、その消費量を測定 することにより局所の神経活動を評価する。脳血 流分布に加えて酸素代謝および糖・アミノ酸代謝 などの測定が可能。CTやMRIが脳の形態を捉える のに対し、PETは、脳代謝や局所の神経活動を捉え ることができる。   4 神経心理学的検査に関連する用語 ・神経心理学的評価  言語や認知、行為、記憶、前頭葉機能などの認 知機能に関する障害の有無やそれに基づく諸症状 を明らかにするための評価尺度。行動観察だけで は、捉えられない認知機能の障害を見つけだすた めに用いられる。いくつかの検査を組み合わせて 実施し、障害の重症度や残存機能を明らかにする。 ・改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)  簡易な認知機能のスクリーニング検査。30点満 点で20点以下では認知症疑いとしている。 ・ミニメンタルステート検査(MMSE)  簡便な認知機能のスクリーニング検査。30点満 点で24点以上を正常範囲としている。  ・日本版ウェクスラー成人知能検査第3版(WAISーⅢ)  成人用知能検査。16歳から89歳までの年齢層に ついて健常者の成績と比較が可能。言語性として 「単語」「類似」「算数」「数唱」「知識」「理解」「語 音整列」の7種類の下位検査が、動作性として「絵 画完成」「符号」「積木模様」「行列推理」「絵画配列」 「記号探し」「組み合わせ」の7種の下位検査があ る。能力の指数として、3種類のIQ(言語性、動作 性、全検査)に加え、4種類の群指数(言語理解、 知覚統合、作動記憶、処理速度)が得られるよう になったことで、個々の認知の特性をより把握で きるようになった。指数で示され、いずれのIQも、 100が平均、標準偏差が15になる正規分布となる。 ・ 日 本 版 ウ ェ ク ス ラ ー 児 童 用 知 能 検 査 第 3 版 (WISCーⅢ)  児童を対象としたウェクスラー式知能検査。対 象年齢は5歳0か月〜16歳11か月。包括的な一般 知能を、言語性、動作性、全検査の3種類のIQに よって測定するほか、4つの群指数(言語理解、 知覚統合、注意記憶、処理速度)や評価点プロフィー ルにより、知的発達の状態や特徴を多面的に把握 できる。 ・コース立方体知能検査  言語を用いない積木構成による簡易知能検査。 対象年齢は6歳から。呈示された図柄見本と同じ 模様の積木を並べて作る検査。成績は、年齢で換 算したIQ値で示される。視空間認知機能も反映さ れる。 ・日本版レーヴン色彩マトリックス検査  言語性の課題が十分に行えない失語症者や高齢 者を対象とした簡易知能検査。視知覚を用いた推 理力の評価法。図案の欠如部分に合う図柄を、他 の図柄をもとに6つの選択肢から選ぶ。 ・三宅式記銘力検査  提示された対となる語を記憶する検査。有関係 語と無関係語の直後再生と遅延再生を評価する。 言語の聴覚的な記銘・想起の能力を検出する。 ・日本版ウェクスラー記憶検査改訂版(WMS-R)  対象年齢16歳から74歳。言語性記憶指数、視覚 性記憶指数、一般性記憶指数(言語性記憶指数と 視覚性記憶指数から算出)、遅延記憶指数、注意・ 集中力指数が計算され、粗点から被験者の年齢に 応じて指数が換算され、それぞれ平均100、標準 偏差15に調整されている。 ・日本版リバーミード行動記憶検査(RBMT)  日常生活における記憶障害の表れ方を予測する 目的で作成された検査。日常生活を営むために必 要な記憶(人名、相貌、日常品の記銘、約束事、 道順など)の評価を主体としている。24点満点で、 9点以下では日常生活上の行動に見守りを要する。 計画的な行動が可能となるのは17点以上とされて いる。 ・ベントン視覚記銘テスト  視覚性記憶の検査。対象年齢は8歳から成人。単 純な幾何学模様の直後再生と遅延再生を評価する。 ・Rey(レイ)複雑図形検査(RCFT)  複雑な図形の模写と記憶再生を行い、視覚記銘 力、視空間認知、構成能力、遂行機能等を評価する。

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  高次脳機能障害の   基礎知識 高次脳機能障害者の 社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 ・ウィスコンシンカード分類テスト(WCST)  前頭葉機能を評価する検査。対象年齢は6歳か ら89歳。推察力、概念の転換機能を評価する。 ・遂行機能障害症候群の行動評価(BADS)  前頭葉機能を評価する検査。対象年齢は16歳か ら。課題を通して、目標の設定、行動のプランニ ングとその実行や効率性を評価し、日常生活上の 問題解決について評価する。 ・かなひろいテスト  選択的な抹消課題の一つで、紙面に並べられた 複数の種類の文字から標的の文字に印をつける検 査。注意機能と処理速度を測定する。失語症など により文字で行うのが困難な場合は、記号で代替 しても可。 ・前頭葉の簡易総合的評価(FAB)  簡便に前頭葉機能を測定できる。質問形式で行 う検査で、概念化課題、知的柔軟性課題、行動プ ログラム課題、反応の選択課題、GO/NO-GO、把 握行動課題の6つの項目からなる。18点満点で、 健常では8歳以上で満点がとれる。 ・ストループテスト  前頭葉機能を評価する検査。対象年齢は18歳か ら79歳。拮抗する知覚カテゴリーから受ける干渉 を抑制する能力をみる検査。3つのパートから成 る。パートⅠは統制条件で、4色の色丸の色名呼称 をする。パートⅡは、色名とは無関係な4色の漢 字の色名を呼称する。パートⅢは、干渉・拮抗条 件で、色名と異なる色で書かれている漢字(「青」 という漢字が黄色で書かれている)の色名呼称を していく。 ・標準失語症検査(SLTA)  包括的な失語症検査。聴覚的理解、自発話、音 読、読解、書字、計算など26の下位項目があり、 6段階で評価する。失語症のタイプや重症度を評価 できる。所要時間は1時間半ほど。 ・WAB失語症検査  失語の指数とタイプを算出する。検査得点から 全失語、ブローカ失語、ウェルニッケ失語、健忘 失語の4種に分類。言語機能以外に、失行の検査 や描画や積木構成課題の検査が含まれている。所 要時間は60分〜90分。 ・実用コミュ二ケーション能力検査(CADL)  日常生活を営む上で必要なコミュニケーション 能力の検査。自動販売機で切符を買う、商品の説 明を読んで商品を選ぶ等の課題があり、ジェス チャーや絵も活用し主に相互の意思疎通を評価し、 全面援助から自立まで5段階で評価する。 ・線分二等分検査  半側空間無視を評価する検査。水平な線分の真 ん中に目分量で二等分点をつけるもの。20cmの線 分で行う場合、中心よりも1cm右に偏位したら異 常と判断している。 ・(アルバート)線分抹消検査  注意機能の検査。紙面に散りばめられた線分の すべてに印をつけていく検査。 ・行動性無視検査日本版(BIT)  半側空間無視を、6つの机上検査と9つの日常 生活擬似体験行動検査により評価する。合計得点 が131点以下、あるいは下位検査の一つがカット オフ点以下では、半側空間無視の存在が示唆される。 ・図形模写  手本の図形を呈示して同じように書き写す検査。 半側空間無視や視空間的認知機能が検出される。 ・標準高次動作性検査  失行を評価する検査。各検査項目の年齢別の誤 反応率、障害タイプ別の誤反応率が示されている。  ・トレイル・メイキングテスト(TMT)  パートA,パートBの2つの課題からなる。Aは 数字を順番につないでいくもの、Bは数字と五十音 (あるいはアルファベット)を交互に、1-あ- 2-い-3・・・という要領でつないでいく。Aは 選択的な注意、Bは注意の配分や変換が要求され る。視覚探索と処理速度も評価する。 ・標準注意検査法(CAT)  注意機能の様々な側面(焦点化、維持、選択、分配、 変換など)を評価する検査。20代から70代の各年 代別に健常群の平均値と比較が可能。視覚性及び 聴覚性の記憶課題、視覚性及び聴覚性の抹消・検 出課題等から成り、結果は正答数や正答率で評価 する。標準意欲評価法(CAS)と組み合わせると、 注意の障害と意欲・自発性の低下を定量的に検出 できる。    5 高次脳機能障害の症状に関連する用語 ・高次脳機能障害  脳損傷により、記憶・注意・思考・行為・言語 などの認知機能に障害が生じた状態。行政的には、 記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動 障害などを主たる原因として、日常生活および社 会生活への適応に困難を有する一群の障害と定義 されている。

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  高次脳機能障害の   基礎知識   若年性認知症に関する   基礎知識 高次脳機能障害者の社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   若年性認知症に関する   基礎知識   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 ・認知機能  認知機能は、状況に合わせて適切に行動するた めの情報の処理、貯蔵、検索、操作などの基本的 な知的機能の総称。 ・情報処理  外界の刺激(情報)を受け取り、整理、統合し て結論を導く過程。脳損傷が起きると、このプロ セスのいずれかに支障を生じやすく、思考、判断 のペースは低下することがある。  ・器質性精神障害  脳の器質的な損傷による外因性精神障害。原因 には、脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、一 酸化炭素中毒、神経変性疾患(認知症等)などや、 脳以外の身体の疾患(膠原病、内分泌性障害、代 謝障害等)に起因する脳損傷がある。アルコール や麻薬・覚醒剤等によるものや精神遅滞は除外す る。ICD-10(国際疾病分類第10版)では、F00- F09「症状性を含む器質性精神障害」に分類され る。その中で、高次脳機能障害の診断基準の対象 はF04、F06、F07である。 (1)意識障害に関連する用語 ・覚醒  目が覚めていて、外からの刺激に対して適切に 反応できる意識の状態。覚醒の程度や安定性が認 知機能に大きく影響する。 ・意識障害  意識とは、外界からの刺激を受け入れ、自己を 外界に表出することのできる機能。意識障害とは この認知機能と表出機能が低下した状態。意識を 司る脳幹(延髄、橋、中脳、間脳)および大脳皮 質の損傷で発現する。原因には頭蓋内病変と頭蓋 外病変(低血糖症、ショック、肝障害など)がある。 ・見当職障害  自己の置かれている現在の、「日時」、「場所」、「第 三者」の認識ができない状態。 ・ グ ラ ス ゴ ー 昏 睡 尺 度(GCS:Glasgow Coma Scale)  意識障害の評価尺度。開眼の状況、運動反応、 言葉による反応という3つの要素をチェックし点 数化する。意識障害の程度を、13点から15点は軽 度、9点から12点は中等度、8点以下は重度(昏睡 状態)と分類する。 ・ジャパン・コーマ・スケール(JCS)  意識障害の評価尺度。I.刺激しないでも覚醒して いる状態(1桁)II.刺激すると覚醒する状態(2桁)、 Ⅲ.刺激しても覚醒しない状態(3桁)と分類し、各々 さらに3段階に細分される。3-3-9度方式ともいう。 【意識障害の分類】 ・傾眠   呼びかけに反応し、返答したり、指示した動作 を行ったりするが、刺激がなくなるとすぐ眠り込 んでしまう状態。 ・昏迷  意識は保たれているが、外部からの刺激には反 応せず、自発的な行動がない状態。 ・昏睡  刺激に対して覚醒せず、自発的な動きもなく、 尿便の失禁もみられる状態。 ・せん妄  ぼんやりしていても動きが多く、単純な動作や 発語を繰り返すなど落ち着かない状態。錯覚や幻 覚を伴うことが多い。 (2)注意障害に関連する用語  注意はすべての認知機能の基盤である。脳の損 傷後に生じる注意障害については、全般性注意障 害と方向性(一側性)注意障害に分けられる。 【注意の機能】 ・選択性  いくつかある刺激の中から特定の対象に注意を 向ける機能。 ・持続性  特定の対象や課題に振り分けた注意を一定時間 持続させる機能。 ・転導性(転換性)  特定の対象に注意を向けつつ、必要に応じて他 の刺激に注意を向ける機能。 ・多方向性(分配性)  複数の対象(刺激)に注意を向ける機能。 【方向性(一側性)注意】  右側あるいは左側の空間に注意を向ける機能。 ・半側空間無視  外界や身体の一方向(主に左側)に注意を向け ることが困難な障害。通常、脳損傷の反対側の空 間や身体の部分に注意を向けようとしない。右大 脳半球の損傷による左側の無視が多い。 (3)記憶障害に関連する用語 ・短期記憶  記憶の保持時間が数秒から1分程度の記憶。 ・長期記憶  記憶の保持時間が数分から数十年に及ぶ記憶。

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  高次脳機能障害の   基礎知識 高次脳機能障害者の 社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 以下の2つの記憶が区別される。  <近時記憶>  数分から数か月前の比較的近い過去の記憶。  <遠隔記憶>  何年間にもわたって蓄えられた過去の記憶。 ・展望記憶(予定記憶)  未来の出来事(約束)を成就するための記憶。「明 日3時に、Aさんに会う」場合、まずその事実を記 憶し、しかもその時刻近くになったら、その記憶 を思い起こさなければならない。この記憶は社会 生活が自立する上で重要。 ・作業記憶(ワーキングメモリー)  ある認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持 し、その課題遂行に際し、適宜、引き出して行く 記憶。例えば、日常生活の上で、どの行為を最初 に行うかと考える場合、複数の行為が一時的に引 き出され、その中から選択していく。その選択と いう認知行動(作業)の上で利用される記憶をいう。 ・意味記憶  言葉の概念(意味)に関する一般知識の記憶。 例えば、「横断歩道」とは、「歩行者が道路を安全 に横断するために路上に描かれた歩行路」という 知識。 ・エピソード記憶  過去に経験した個人的な出来事の記憶。例えば、 「昨日、学校に行って、数学を勉強した。」という 記憶。 ・手続き記憶  繰り返しの学習で体得した技術や手順の記憶。 たとえば、スポーツや楽器演奏の技能。 ・言語性記憶  話されたことや書かれたことなどの言語化され た情報の記憶。 ・視覚性記憶  人の顔、図柄、建物の見取り図などの視覚化さ れた情報の記憶。 ・前向性健忘(記銘力障害)  発症・受傷の後に起きる出来事に関する記憶の 障害。日々の新しい事柄の学習が困難になる。 ・逆向性健忘  発症・受傷の前に起きた出来事に関する記憶の 障害。 ・作話  記憶の欠落部分を補う心の作用として、事実と は異なる事柄で断片的な記憶を埋めて話すこと。 意識が清明な状態で虚言の意図がなく表出される もの。本人は、自身が作成した事実と異なるストー リーを事実であると思い込んでいる場合も多い。 (4)遂行機能障害に関連する用語 ・遂行機能  決められた時刻に交通機関を乗り継いで出勤す る、などの目的をもった一連の活動を有効に行う のに必要な能力。遂行機能には、目標の設定、計 画の立案と実行、効果的な行動、自己の行動のモ ニタリングおよび客観的な評価が含まれる。 (5)言語障害に関連する用語 ・構音障害  発声・発語に関わる器官の運動障害により生じ る発音や発声の障害、抑揚の異常等の症状。 ・失語症  脳損傷によって生ずる言語機能(話す、書く、 聞く、読む)の障害。数字の認識も障害されるこ とが多い。左大脳半球の損傷で表れることが多い。 ・運動性失語(ブローカ失語)  発話は非流暢で語量は少ないが、聴覚的理解は 比較的良好。 ・感覚性失語(ウェルニッケ失語)  発話は流暢でしばしば多弁であるが、聴覚理解 の障害が著しい。したがって、発話内容は質問や 状況に応じたものではないことが多い。 ・全失語  すべての言語機能(話す、聞く、読む、書く) に重度の障害がある失語のタイプ。 ・ジャーゴン  意味の理解できない語句や無意味な音を発する 症状。 ・錯語  表現したい語とは別の語を発する症状。 音を置き換える音韻性錯語(ツクエ→スクエ)と 語を置き換える語性錯語(ツクエ→イス)がある。 ・喚語困難  表現したい語を想起できない症状。失語症者に みられやすい症状。 (6)行動と感情の障害に関連する用語 ・社会的行動障害  社会生活を営む上での技能の喪失、人格的な変 化を含む複合的な障害。感情コントロールの障害、 欲求コントロールの低下、対人技能拙劣、固執性、 意欲・発動性の低下、抑うつ、感情失禁、引きこもり、 脱抑制、被害妄想、徘徊等が含まれる。

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  高次脳機能障害の   基礎知識   若年性認知症に関する   基礎知識 高次脳機能障害者の社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   若年性認知症に関する   基礎知識   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 ・発動性(自発性)の低下  自ら外界に働きかけることが困難な状態。促し 等がなければ、自ら動作を開始することや動作を 継続することが困難になる症状。 ・感情失禁  些細なことで泣き出したり、笑い出したりする。 場に応じて感情を抑制することができない状態。 ・抑うつ  憂鬱な状態が続き、何もできない状態。  ・衝動性  反省や熟慮をせずに欲求的行為や感情的行為を 行ってしまうこと。 ・脱抑制  自己の置かれている状況に応じて情動や欲求を 抑制できずに、場や現状に適さない行為を行って しまうこと。 ・易怒性(いどせい)  些細な刺激や課題が処理できずに、周囲に対し て攻撃的な言動がみられやすくなる状態。 ・依存性  物事を判断をしたり、自己決定することが苦手 になるために、他者の意見や判断に頼りがちにな る状態。 ・固執性  状況の変化に応じた柔軟な思考や転換ができず に、一つの物事や考えにこだわる状態。 ・保続  行為や言動を継続的に繰り返してしまう状態。 ・病識の欠如  自身の障害に気がついていない状態。自己の障 害状況と障害が自身の生活にどのような影響を及 ぼすのかについての認識に欠ける。 (7)その他の用語 ・易疲労性  疲れやすい状態。脳損傷後は、一般的に、肉体 的にも精神的にも疲れやすくなる。 ・失行症  お茶をいれるなどの行為の目的は理解できてい るにもかかわらず、その行為がきちんとできない こと。行為を妨げるような運動機能や感覚障害は ないにもかかわらず、学習された一連の行為の手 順ができない状態。 ・地誌的障害  地理や場所が分からなくなる障害。熟知してい る場所で道に迷ったり、自宅の見取り図や近所の 地図が描けない、あるいは理解できない症状。 ・失認症  視覚、聴覚あるいは触覚等を介して、対象物を 認知することができないこと。この場合、他の感 覚を介すればその対象物を認識できる。例えば、 見ても分からない場合に、聞くことで理解ができ る。視力、聴力などの感覚低下や知能の低下、意 識障害などはみられない。 ・半側身体失認  自己の半身(主に麻痺側)に対する認知の異常。 麻痺を否認したり(病態失認)、麻痺はないにもか かわらず、失認側の身体を使わなかったり(不使 用)、失認側の身体の喪失感を訴えるなどがある。 ・ゲルストマン症候群  左右が区別できない(左右失認)、親指、薬指な ど指の区別ができない(手指失認)、数字が分から ない、計算ができない(失算)、字が書けない(失 書)の4症状を呈する症状群。 6 リハビリテーションに関連する用語 ・認知リハビリテーション  認知機能の改善および障害の代償手段の獲得を 図るためのリハビリテーションプログラム。広義 には環境調整も含む。 ・行動療法  「行動」そのものを改善させることを目的にした 治療法の総称。 ・行動変容療法  行動療法の一つで、望ましい行動を強化し望ま しくない行動を消滅させることによって、適切な 行動を身につける心理療法。 ・構造化  個々の障害状況に合わせて、現在、置かれてい る環境を理解しやすいように再構成すること。脳 損傷者は、認知機能の障害により、置かれている 環境から必要な情報を抽出したり、情報に含まれ ている規則性や意味を見つけて、予測的に行動す ることが不得手となる。構造化には、物理的な環 境だけではなく、日課や予定などのスケジュール や作業手順なども含まれる。 ・代償  障害された機能を以前とは別の方法や手段に置 き換えて、日常生活や社会生活に適応できるよう にすること。記憶障害に対するメモリーノートな どの補助具の活用の他に、環境調整や周囲の人の

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  高次脳機能障害の   基礎知識 高次脳機能障害者の 社会復帰に向けての流れ   高次脳機能障害者の   家族支援   高次脳機能障害者を   地域で支える仕組み    高次脳機能障害に    関わる社会制度 参考資料参考資料 協力も代償手段となる。  ・生活技能訓練(SST)  対人関係を中心とする社会生活技能のほか、日 常生活技能を高めるために、実際の生活上の場面 を想定して、ロールプレイや、方法を教示するモ デリングなど各種の訓練手技。一人もしくは少人 数のグループで行う。 ・日常生活動作(ADL)  個人が日常的に繰り返し行っている食事、排泄、 整容、更衣、入浴、移動などの身の回りの動作。 ・手段的日常生活動作(IADL)  広義の日常生活動作(ADL)で、日常生活をおくる 上で必要な応用的な生活関連動作のこと。買い物、 掃除、洗濯などの家事全般や金銭管理、服薬管理、 公共交通機関を利用しての外出などが含まれる。 ・理学療法士(PT)(詳細はP32を参照)  動作能力の低下に対して運動や物理的な手段を 用いて治療を行う。高次機能障害者に対しては、 しばしば合併する四肢の麻痺や関節の拘縮、高次 脳機能障害に伴う動作の障害に対し訓練を行う。 ・作業療法士(OT)(詳細はP31を参照)  高次脳機能障害そのものに対する訓練および高 次脳機能障害に伴う日常生活面や社会生活面での 障害に対する治療、助言を行う。 ・言語聴覚士(ST)(詳細はP31を参照)  言葉がうまく出てこない、人の話を理解できな いなどの失語症状や呂律が回らない、発音が難し いなどの構語障害に対し、より良いコミュニケー ション方法を探るための訓練と援助を行う。嚥下 障害に対する評価や訓練も行う。 ・臨床心理士/心理療法士(詳細はP32を参照)  高次脳機能障害に対し、神経心理学的検査など による評価および訓練、指導を行う。本人・家族 へのカウンセリングも行う。 ・医療ソーシャルワーカー(MSW)(詳細はP32を 参照)  医療機関で福祉に関する相談に応じ、障害者手 帳や介護保険の申請手続きの支援、地域の社会資 源の情報提供などを行う。

参照

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