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(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title 多様体学習による新たな研究動向手法の試行

Author(s) 黒木, 優太郎

Citation 年次学術大会講演要旨集, 36: 670-671

Issue Date 2021-10-30 Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/17960

Rights

本著作物は研究・イノベーション学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Research Policy and Innovation Management.

Description 一般講演要旨

(2)

2F03

多様体学習による新たな研究動向手法の試行

○黒木優太郎(文部科学省科学技術・学術政策研究所)

1.概要

ビブリオメトリクスを用いた研究分野のトレンドやホットトピックの抽出において、現在は、被引用 数や共引用数、論文数を用いた手法が一般的である。しかしこれらの手法は、公開媒体(例えば論文デ ータベース)の制約や、言語の壁が大きい。また、「数」を評価指標に用いることによって、そもそも の研究者コミュニティの規模に大きくバイアスがかかった結果を生み、「小さくても重要なトレンド」

は埋もれてしまう傾向にある。

これらの問題に対しては、TF-IDFのように、数値補正する手法が一般的である。しかし本研究では、

そもそも被引用数も論文数も使わず、言葉の文脈のみによってトレンドとホットトピックを抽出する手 法を確立する。本手法は数を用いないため、研究規模は全く関係ない。媒体にも縛られないため、デー タ型の壁も存在しない。本報告では、試行的に英語論文を用いて「ゲノム」にまつわる学術トレンドを 抽出した事例を紹介する。

2.先行研究と現状

ビブリオメトリクスによる学術動向の調査では、被引用数や共引用などを用いた調査が主であるが、

h-indexを提唱したHirsch, J. E.が既に自身で問題提起しているように、被引用数を用いた評価のみで

は、研究規模のバイアスがかかる場合がある(Hirsch, J. E., & Buela-Casal, G., 2014)。そのため、例 えるなら野球やサッカーのようなスポーツの重要性が取り上げられ、マイナースポーツのトレンドが埋 もれがちであるという問題を本質的にはらむ。また、データ型に大きく依存するため、複数のデータを 一つの手法で解析するにはコスト高になる。

また、自然言語処理を用いた研究動向把握の事例は多数存在するが、本研究と最も似た着想で、かつ 有力な最新の報告としては、word2vecとTF-IDFを組み合わせたトレンド把握の実例が存在する(Hu, K., et al. "A Domain Keyword Analysis Approach Extending Term Frequency-Keyword Active Index with Google Word2Vec Model." Scientometrics, vol. 114, no. 3, 2018)。しかしながら、この場合にも、

評価指標に「論文数」という頻度が混ざるため、根本的な問題を打破できていない。

その他にもword2vec を用いた解析は数多く行われているが、TF-IDF 等を用いて、論文数や被引用 数などの何かしらの「数」の概念を使用してしまっているため、結局は研究規模に少なからず影響を受 け、根本となるデータの制約を大きく受けることになる。ただし、上記手法には当然独自の強みもあり、

精緻な意味地図を作成するなど、マッピングや単語の網羅的解析には適している。

一方で、特に科学技術予測における動向調査や、トレンド・ホットトピックの解析であれば、完全な網 羅性は必要ない。そのため本研究は数の概念を捨て、形状による解析による動向把握に特化し、既存の 問題解決を試みる。

また、「研究動向の把握」については、「科学技術予測」や「フォーサイト」に取り入れられており、

日本では科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が1971年以来半世紀以上にわたり実施している。また、

NISTEPでは、科学技術予測における「兆し」を見つけるための手法の開発も行っている(参考文献1)。

昨今では、フォーサイトの重要性を各国が認知し、中国・韓国のような近隣国だけでなく、タイ、ロシ アといった国でもフォーサイトが実施され、政策にも活用されている。

―670―

2F03

(3)

3.結果概要と考察

本研究の手法の概要を図1に示す。まず、Scopus から

「genome」でキーワード検索によって2001~2018年の論文

約320,000報を得た。その後、それぞれの論文タイトルを対

象に、多様体学習によってそれぞれの特徴語の抽出を行った。

さらに、これらをクラスタリングした結果、15個のクラス ターが得られた。その後、これらのクラスターを3つのクラ スに分類した。

クララスス11::「科学」、「遺伝学」などの基本的な単語グループ。

クララスス22::ホットトピックまたはウィークシグナルグループ。

クララスス33::値が不安定なグループ。

これらのうち、クラス 2について追加の文献調査をした結 果、「microbiome」、「CRISPR / cas」、「Zika」、「colistin」な どのいくつかの単語が実際に学術的に高く評価されているこ とが明らかになった。本研究によって、多様体学習とクラス タリングによって、研究動向が把握できる可能性が考えられ た。

現状は英語論文による試行であるが、今後は、日本語論文

や他分野の研究動向にも適応する。

図 1 本研究の手法の概要

参考文献

[1] 科学技術予測センター,「兆しを捉えるための新手法~NISTEP のホライズン・スキャニング

“KIDSASHI”~」,NISTEP Policy Study,No.16,文部科学省科学技術・学術政策研究所.DOI:

http://doi.org/10.15108/ps016

―671―

参照

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