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2.解析アルゴリズムとひずみエネルギー

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Academic year: 2022

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(1)I‑072. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 幾何学的非線形・材料非線形解析アルゴリズムのエネルギー論的考察 佐賀大学. ○学生会員. 原田. 俊幸. 佐賀大学. 正会員. 井嶋. 克志. 佐賀大学. 正会員. 帯屋. 洋之. 佐賀大学. 正会員. 川崎. 徳明. 1. まえがき 材料非線形を伴う解析において、要素端力と要素変形間の非線形性は不平衡力の算定に用いるものの、接 線もしくは割線剛性を使用した増分解析により解を算出するのが一般的である。しかしながら、不静定構造 物の変形や部材力は部材間の剛比により規定されるため、前平衡状態は増分外力による平衡状態に影響を与 える可能性があり、外力の増分幅が解に影響することが考えられる。さらに重要なことは、厳密な材料非線形 性を考慮したひずみエネルギーと割線剛性によるひずみエネルギーは異なるから、このエネルギーの差異が 解の精度に影響する可能性もある。 本解析では、幾何学的非線形・材料非線形を考慮した 3 次元骨組構造解析として、大きな外力増分に対して も解を算出するアルゴリズムを開発し、分岐のない釣合経路上において、明らかにひずみエネルギーに差異 が生じる外力増分幅に対する解の精度を検討したものである。さらに、本解析から解析アルゴリズムをエネ ルギー論的に考察している。 2.解析アルゴリズムとひずみエネルギー. 節点力 平衡条件式. 解析アルゴリズムは次の通りである。まず、既知平衡. P'. 状態における接線ヤング率を求め、接線幾何剛性マトリ. P''. クスを用いて増分外力に対して材料剛性一定のもとに. T. X'. 割線B2に 対応する線. Q'. 節点変位. P X. 幾何学的非線形の反復計算から収束解を求める。この収 束解から厳密に材料非線形を考慮した不平衡力を算出. 割線Aに対応する線. Q. S. 要素端力. R. し、許容不平衡力を超えている場合、既知平衡状態と現. S''. 収束解における応力・ひずみ関係より割線ヤング率を求 める。このヤング率一定のもとに再度幾何学的非線形の. 割線B1 R'. 反復計算を行い、この収束解に対しても厳密な材料非線. S'. 形性のもとに不平衡力を算定する。材料非線形に基づく 割線A 割線B2 不平衡力が許容値を下回るまで、この手順を繰り返す。 この解析アルゴリズムに対して、図-1 に示すひずみ. 要素変形 厳密な要素端力式. 図-1 ひずみエネルギーと全ポテンシャルエネルギー 概念図. エネルギー上の疑問が生じる。図-1 は、第 4 象限を厳 密な適合条件式、第 3 象限を厳密な材料非線形に基づ. U. く要素端力式と平衡状態からの割線要素端力式、第 2 象限を平衡条件式とする。第1象限は節点力と節点変. 初期荷重. W. V. 位関係を表す。初期平衡状態を P-X-Q-R-S-T-P に示さ れるループとし、P’の節点力による平衡状態求めるもの とする。図は 2 段階に節点力を増分させた場合と、一 挙に与えた場合について示しており、どちらの場合で も平衡解が一致すれば、図のように表すことができる。. 5m 強制変位 6m. P1 P4. 図-2. 材料非線形. **〒840-8502 佐賀市本庄町 1 番地. 解析アルゴリズム. 解析モデル. エネルギー原理. 佐賀大学理工学部都市工学科 ‑143‑. P2. 14m. 全ポテンシャルエネルギーは、平衡解からの増分に キーワード:幾何学的非線形. 厳密な 適合条件式. TEL 0952-28-8578. P3.

(2) I‑072. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). ついて考えればよいから、外力が一挙に与えられた場合、. 水平力(kN) 3000. ひずみエネルギーは図中の第 3 象限の S-R-R’-S’-S で囲ま れた面積となる。このときの外力のポテンシャルエネルギ. 2000. ーは第 1 象限 P-P’-X’-Q’-Q-X-P で囲まれた面積となる。一 方、外力を 2 段階に分けて載荷した場合、ひずみエネルギ. 1000. ーは S-R-R’-S’-S’’-S によって囲まれた面積となり、一括載. 0.1mm. 荷に比べて S-S’’-S’-S の面積だけ異なることになる。この. 1.0cm. 10.0cm. 0 0. 面積が節点変位に対して定数であれば全ポテンシャルエネ. 0.05. ルギー停留の原理から得られる平衡状態に影響を与えるこ. 図-3. 0.1 変位(m) 水平変位と水平力. 0.15. となく、外力の増分幅の影響は受けないと考えられる。し 水平力(kN) 4000. かし、図を参照すればこの三角形の面積は節点変位に依存 するとしか考えられない。この場合、平衡状態は外力の増. 0. 分の影響を受け第1象限の点 X’において、2つの割線に対 応した節点力・節点変位関係の曲線は一致しないと考えら れる。 3.解析モデルと解析結果. -4000 1.0cm 10.0cm. -8000. 図-2 は本研究で解析を行ったモデルであり、RC4脚高. 0. 1. 2 3 水平変位 (m). 架橋として偏心初期荷重のもとに水平強制変位を与えて計 算を行った。図-3 は一方向に 15cm まで 0.1mm、1.0cm、. 4. 5. 図-4 崩壊までの水平変位と水平力. 水平力(kN) 10.0cm 刻みの強制変位による結果である。図-4 は崩壊に 3000. 至るまで 1.0cm,10.0cm 刻みの強制変位による結果である。 図-5 は、正負交番解析として、0.1mm,1.0cm 刻みの強制 変位を与えたものである。これらの図が示すように、 0.1mm,1.0cm 刻みには微小な差はあるものの、ほとんど一 致している。また、10.0cm においては前 2 者の差よりも 大きいが一挙に最大強度を超えても、外力増分幅が解に及 ぼす影響ほとんどは見られない。. 2000 1000 0. -1000 0.1mm 1.0cm. -2000 -3000 -0.1. -0.05. 4. 考察 これらの結果より、分岐のない状態では外力増分幅の影 響は現われず、図 -1における厳密な材料非線形に基づくひ ずみエネルギーと割線剛性によるものとの差異は応答に影. 0 水平変位 (m). 0.05. 0.1. 図-5 交番における水平変位と水平力 端モーメント (kNm) 2000 1000. 響しないと言える。このことは、割線剛性によるポテンシ ャルエネルギー曲面と厳密な要素剛性による曲面の2つの ポテンシャルエネルギー曲面を導入し、次のように解析ア. 0 -1000. 0.1mm 1.0cm. ルゴリズムと合わせて考えれば理解できる。幾何学的非線 形に対する反復計算は使用する割線剛性におけるエネルギ ー曲面の停留点を求めることを意味し、厳密な要素剛性に よる不平衡力の算定は、その剛性による停留点と現解のポ テンシャルエネルギーの差を表している。最終的に収束解. -2000 -0.015 図-6. -0.01. -0.005 0 0.005 端回転変形 (rad). 0.01. 橋脚下端P1の端モーメントと 回転変形成分. が得られた時点において、反復計算上のポテンシャルエネ ルギー停留点と厳密な要素剛性に基づくポテンシャルエネルギー停留点は一致する。ただし、2つの停留点 は全ポテンシャルエネルギーとして、図-1に示されるひずみエネルギーの差を有する。 ‑144‑.

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