有明海振興基金(仮称)(案)について
目 次 1.はじめに 2.有明海の水産資源の回復及び漁業経営の発展に向けた基金案 (1)有明海の再生に向けた取組の加速化 (2)基金案の基本的考え方 (3)基金管理団体の設立 (4)助成対象とする団体等 (5)助成対象とする取組内容 (6)助成に係る手続き 3.おわりに平 成 2 8 年 1 1 月
1 -1.はじめに 平成28年1月18日、長崎地方裁判所は、諫早湾干拓事業により設置された潮受 堤防の排水門の開門(調整池への海水導入を含む態様での開門)をめぐる状況に 対して、和解勧告文書を発出し、開門によることなく有明海全体の漁業環境を改 善する方策を検討し、全体の解決を図る和解の協議を勧告した。 この勧告においては、国に対して、 ① 開門に代わる漁業環境改善のための措置を検討・実行すべき ② 平成22年12月に確定した福岡高等裁判所の判決についての不執行の合意が 不可欠であり、解決金として、支払済みの間接強制金に加えて一定の金銭を 支払うとするのが相当 としているところである。 国は、これに応え、5月23日の和解協議において、長崎地方裁判所の和解勧告 を踏まえた特別な措置として、 ① 有明海における水産資源の回復や漁業経営の発展に向けた基金を造成する こととし、 ② これを有明海沿岸4県の自治体、漁業団体等で構成する組織を設立して運 営を図ることにより、 ③ 沿岸域が一体となった主体的かつ弾力的な取組の推進を可能とする 新たな枠組として、有明海振興基金(仮称)の造成を提案した。 これに対して、福岡、佐賀、熊本の3県の漁業団体からは、8月26日に行った 農林水産大臣との面会において、平成27年5月に、4県の漁業団体が当時の農林 水産大臣に要望した基金的予算についても、「有明海漁場環境改善連絡協議会(以 下、「連絡協議会」という。)の場で検討されるよう強く要望する」旨の要望書を いただいた。また、その面会においては、有明海における水産資源の回復、漁業 経営者の保護・育成、ノリの安定生産に向けた強い思いもお伺いした。 国としては、それぞれの目標とするところは同じであることから、連絡協議会 において、有明海の水産資源の回復及び漁業経営の発展に向けた基金案について 検討を進めることとし、9月2日、連絡協議会(臨時会)を開催した。 なお、連絡協議会における話合いは、平成26年10月に開催した連絡協議会にお いて、 ① 諫早湾干拓事業の開門問題には触れない ② 現在の排水門の排水方法を前提とする ③ 有明海再生(水産資源の回復、海域環境の改善等)について話合いを行う ことを確認しており、これらの前提に基づいて検討を実施することとした。 この基金案の検討に当たっては、4県及び4県の漁業団体に対して、取組内容 ・運営体制等に関するアンケート様式を送付、回収して意見聴取を行い、また、 基金による詳細な取組内容についてヒアリングを行いつつ、これらを踏まえて9 月21日及び10月18日に連絡協議会(臨時会)幹事会を開催し、技術的な検討を実
施してきたところである。 11月1日の和解協議において、それまでの4県及び4県の漁業団体からの御意 見、御提案等を踏まえ、基金の目的、運営体制・運営方法、支援対象等、具体的 な考え方について整理したものをお示ししたところであるが、その後、さらに個 別に漁業団体等からの意見を聴取するとともに、国において費用の積上げ等を行 い、今般、基金の規模等を含め、国の和解案として改めて提案するものである。 なお、基金方式は、通常はその必要性を厳格に検討し、極めて限定的に用いら れているものであり、仮に和解協議で成案とならなければ、この基金案の実現は 難しいものと考えている。 2.有明海の水産資源の回復及び漁業経営の発展に向けた基金案 (1)有明海の再生に向けた取組の加速化 これまでの有明海の再生に向けた取組による調査や実証等により、知見や成 果が蓄積され、有明海再生に向けた効果的な取組の推進に向けた道筋が開けて きたところであり、現時点の位置付けは、これらを本格的な実施につなげる段 階まで至ったものと考えている。 漁業の現場の声に応え、かつ、必要な対策を効果的に講ずることによって、 資源を守り、育む取組を進め、漁業経営の安定・発展を図るためには、 第一に、漁業者が自ら行う取組を支援する仕組や、増養殖技術等の現場への 浸透を支援する方法の導入といった環境の構築が必要であり、 第二に、当該環境をより効果的に活用されるよう、有明海沿岸4県と漁業者 が連携した体制を築くことも必要である。 国としては、これらの要請に応える最も適当な施策として、漁業者などのニ ーズを踏まえた柔軟な事業実施、機動的、効率的な事業実施及び漁業者自ら行 う取組への支援を可能とし、また、有明海沿岸4県の自治体、漁業団体等によ って管理・運営される基金の創設を提案したものである。 これらが実現すれば、漁業者の想いに寄り添いながら、未来へつなぐ漁業を 構築することが可能となると考えている。 (2)基金案の基本的な考え方 ① 基金の目的 有明海における水産資源の回復と漁業経営の発展を図ることを目的とす
3 -② 基金で支援する取組 公共事業等による従来の取組に加え、有明海再生の取組を加速化していく こととし、次の観点から支援を行う。 ア 有明海の資源を守り、育む取組の加速化するもの イ 漁業者の経営発展に向けた新たな挑戦を後押しするもの ウ 有明海沿岸域が一体となった多様な関係者と協働するもの ③ 基金の管理運営主体 福岡県、佐賀県、長崎県及び熊本県(以下、「4県」という。)、福岡有明 海漁業協同組合連合会、佐賀県有明海漁業協同組合、長崎県漁業協同組合連 合会及び熊本県漁業協同組合連合会(以下、「4県の漁業団体」という。)で 一般社団法人を設立し、管理・運営を行う。 ④ 基金方式の特徴 基金方式には、次のような特徴が挙げられる。 ア 漁業者などのニーズを踏まえた柔軟な取組の実施が可能であり、具体 的には、基金造成の目的の範囲内であれば、基金を用いた個々の取組は、 基金の管理運営主体の中で決定できる。 イ 機動的、効率的かつ簡易な手続による取組の実施が可能であり、具体 的には、中長期的に実施される取組に要する資金需要や年度途中の突発 的な資金需要の変動にも対応できる。 ウ 漁連、漁協、漁業者が行う自らの取組への直接的な支援が可能となる。 ⑤ 基金により期待される具体的な活用例 基金の管理運営主体の主体的な判断の下に、例えば、次のような活用が可 能である。 ア 人工種苗の生産、放流の拡大として、既存の種苗生産施設の増強・改 築、国の補助事業の対象となっていない二枚貝類や魚類の人工種苗放流 の実施・拡大を支援することができる。 イ 漁業者自らが行う簡易な漁場環境整備への支援として、県、市町村、 漁連・漁協が行う水産公共事業に加え、漁場ごとの状況に応じた漁場環 境整備をきめ細やかに支援することができる。 ウ 漁業者の新たな挑戦を後押しとして、人工種苗を用いた漁場への移植、 垂下式養殖などの導入や規模拡大に必要な養殖筏などの設備の導入、増 設、生産資材の調達等を支援することができる。 エ 突発的な事業ニーズへの対応として、平成27年度に大量発生したアサ リ等天然稚貝の保護育成対策のような、年度途中に必要となる取組を機 動的に支援することができる。
⑥ 国の関与 国は、後述する基金管理団体に設ける専門委員会、各県に設置する協議会 に参画し、基金により支援する事業についての技術的な指導、助言を行う。 また、基金設立までの事務は、4県及び4県の漁業団体の協力を得ながら、 国が主導して行う。 (3)基金管理団体 基金の管理団体として、一般社団法人を設立する。その組織は、「一般社団 法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」という。)」の規定 に基づき、社員総会、理事会、監事を設置するとともに、定款で定める組織と して、顧問、事務局、専門委員会を設置する。 具体的な内容については、今後、関係者との調整の下で定めていく。 ① 社員総会 理事、監事等の選任及び解任、一般法人法や定款の事項に定められた事項 の議決等を行う組織として、社員総会を設置する。 社員は、4県及び4県の漁業団体とする。 ② 理事会 業務執行の決定や代表理事の選定や解職等を行う組織として、理事会を設 置する。 理事会を構成する理事は、社員となっている4県の漁業団体の代表者及び 4県の水産担当部局の代表者に加え、当該海域における事業等の状況に精通 している学識経験者等とする。 ③ 監事 理事の職務の執行を監査する組織として、監事を設置する。 監事の構成員は、本基金の運営の主要な団体である4県の漁業団体からそ れぞれ選出された者とする。 ④ 顧問 理事長の諮問に応え、理事長に対し意見を述べることができる者として、 顧問を設置する。 顧問は、4県からそれぞれ選出された学識経験者とする。
5 -⑥ 専門委員会 基金による取組をより効果的なものとしていくため、専門的、技術的な検 討を行う組織として、有識者からなる専門委員会を設置する。 専門委員会では、主に、基金で行う取組の実施方針、年度別の実施計画、 有明海沿岸4県が協調した取組の実施方針、年度別の実施計画、NPO、大学、 企業等と連携を行う委託事業について検討を行う。 専門委員会の構成員は、4県の水産試験場、西海区水産研究所、九州農政 局及び学識経験者等とする。 (4)助成対象とする団体等 ① 4県の漁業団体、有明海を主たる操業域とする漁協及び漁協支所(以下、 「4県の漁業団体等」という。) ② 漁業者や漁業者グループ 実施に当たっての公平性や手続の複雑化等の課題があることから直接支援 は行わず、これらへの支援は4県の漁業団体等を経由して行う。 漁業者が個人で行う取組への支援については、先進的かつ試験的な取組に ついては対象とするが、これらについては、基金管理団体、4県の漁業団体 等からの委託事業により行うこととし、取組に伴う損失については、事業の 対象としない。 ③ その他 NPO、大学、企業等に対しては、専門委員会における技術的な検討も踏ま え、基金管理団体、4県の漁業団体等からの委託により行う。 (5)助成対象とする取組の内容 ① 助成にあたっての基本条件 既存の補助事業等で対応可能な取組は当該事業で対応することを基本とし た上で、次のa~eのいずれかに該当することを基本条件として支援を行う。 a 漁業者自らが漁場や資源の管理に主体的に取り組む活動を後押しし、将 来、自立的に行われる見込みがあるもの(一定の期間において支援を行う) b これまでの技術開発の成果等を活用して、新たな技術の導入や漁業経営 の発展を図ろうとするもの(一定の期間において支援を行う) c 年度途中に生じた漁場や資源の状況等に応じて弾力的な支出が必要な特 段の事情があるもの
d 漁業環境の改善、漁業者の収益性、生産性の向上等に資する試験研究・ 技術開発を行うもの e 多様な関係者と協働して沿岸域が一体となった取組を推進するもの ② 主な取組内容と基本条件の適用 主な取組内容と基本条件の適用の考え方は、別表のとおりとする。 (6)助成に係る手続き ① 各県に設置する協議会 毎年度の事業内容の検討、調整及びとりまとめを行うため、4県それぞれ に協議会を設置する。 各県協議会の構成員は、各県の漁業団体、有明海を主たる操業域とする漁 協及び漁協支所、県水産担当部局、市町水産担当部局、九州農政局、学識経 験者等とする。 ② 助成に係る手続き 助成に係る申請及び補助金の交付に係る手続等は、各県協議会を経由して 行う。基金管理団体は、あらかじめ国に提出した事業計画の範囲内の取組で あれば、通年を通していつでも事業申請を受付け、交付決定を行うことを可 能とする。 試験研究、技術開発に係る調査等については、民間企業やNPO等に基金管 理団体及び4県の漁業団体等から委託により実施することができる。 (7)基金の規模 基金の総額は100億円とする。 (今回の和解に伴う特別な措置であり、積み増しは行わない。) 3.おわりに 国が提案する基金案については、有明海の再生に向けて、より効果的に活用さ れ、よりよき成果を導けるよう、今後とも関係者のご意見を伺いながら、ともに 知恵を絞り、さらに、基金の活用について検討していきたい。
7 -別表:基金の支援対象とする主な取組内容と基本条件の適用 項 目 小 項 目 取 組 内 容 基本条件 の適用 資源を守り、育む 密漁防止の 漁連、漁協が設定する二枚貝類等の保護区を監視する a,c 取組の加速化 監視活動 漁業者の活動 保護区を監視する漁業者の活動を強化するための監視 a システム(漁場監視レーダー等)の導入 有害生物の駆除 二枚貝類の食害対策としての刺し網等によるナルトビエ a,c イ、アカエイ等の駆除 漁場におけるツメタガイ、ヒトデ、ウニ等の駆除 a,c 有害生物による 有害生物による二枚貝類の食害を防止する囲い網、被 a,c 食害防止 覆網等の設置 アサリの 高密度生息環境下でのアサリの斃死対策としての稚貝 a,c 密度管理 の採取・移植等の資源維持活動 網袋による天然 天然アサリ稚貝を採取する網袋の設置浮遊幼生着底促 a,c アサリ採苗等 進の為の資材の設置 母貝団地の造成 延縄垂下式によるタイラギ、網袋設置によるアサリの母 a,b 貝団地の造成等 種苗放流 有明海特産魚介類(クルマエビ、ガザミ、タイラギ、アゲ a マキ、エツ、トラフグ、ホシガレイ、ヒラメ、マコガレイ、オニ オコゼ等)の資源管理のための種苗放流 種苗生産施設の整備 漁連・漁協が所有・管理する有明海の資源管理や漁場 a,b 管理のための種苗生産施設(中間育成施設等)の改築・ 改修 漁場環境の整備 海岸に打ち上げられた堆積物の除去 a,c 漁場の底質改善 a (浚渫、耕うん、覆砂、作澪、天地返し、貝殻散布等) 漁場のゴミ清掃、流木の回収 a,c 水産資源回復のための着底基質の設置 a (投石、コンクリート製品等) 水産資源回復のための産卵環境の整備 a (産卵つぼの設置等) 魚介類育成の場としての藻場造成、漁礁整備、カキ礁の a 再生等 アサリ漁場における覆砂の流出防止のための離岸堤の a 設置 漁連・漁協が所有・管理する海況観測施設の改修 a はたきノリを飼料、肥料等の原料として活用するための a,d 試験研究等 大規模な漁場環境改善(大規模作澪、有明海全体の流 d 況改善等の掘削・マウンド造成等)の実施に係る技術的 可能性や経済的妥当性などを検討するための調査等 大規模な漁場環境改善の効果を高める資源を守り、育 a,c む取組を促進するための助成
項 目 小 項 目 取 組 内 容 基本条件 の適用 漁業者の新たな 漁業用作業施設の 漁連・漁協が所有・管理する作業の効率化、衛生管理や b 挑戦を後押し 整備・設備等の導入 付加価値向上のための施設の整備及び施設の導入 (アサリ選別機、給水施設等) 養殖施設の整備 二枚貝類等の養殖のための垂下式施設整備 b (筏、延縄等養殖に係る資材) 養殖に必要な静穏度を確保するための消波堤の設置 b 養殖用種苗の購入 b 販売促進 漁連・漁協が所有・管理する有明海産水産物の販売のた b めの施設の整備 経営支援・技術支援 専門家による経営計画の指導、策定支援、新技術等の b 導入支援 高付加価値化 有明海産水産物の高付加価値化やブランド化に資する b,d 商品開発・販路拡大等に関する取組 漁業共済掛金の助成 二枚貝類等の養殖業に新規参入する漁業者が漁業共 b 済へ加入する場合の掛金の助成 多様な関係者 試験研究・技術開発 試験研究・技術開発に係る委託・調査 d との協働 (事業例) ・種苗生産、中間育成に係る新技術開発 ・二枚貝類の生息環境調査 ・有害生物(ナルトビエイ)の商品化 ・ビゼンクラゲの生態把握 ・フルボ酸鉄による底質改善試験 ・噴射式浚渫船の開発、噴射式耕耘機の開発 ・はたきノリ回収船の開発 関係者との協働 有明海の漁業や環境への理解を醸成するシンポジウ e ム、イベント等の開催 漁業と連携した地域おこし等の支援 e (観光漁業用の漁具等の支援)
平 成 2 8 年 1 1 月
有明海の水産資源の回復及び漁業経営の発展に向けた基金案
~ 有明海振興基金(仮称)(案) ~
※ 公共事業等による従来の取組に加えて、再生を加速化
有明海における水産資源の回復と漁業経営の発展に向けた基金(案)
有明海振興基金(仮称):総額100億円
○ 意欲のある漁業者自らの取組を支援 ○ 漁場や資源の状況に応じたきめ細やかな対応 ・保護区の設定等の資源管理 ・天然稚貝の移植や種苗の生産・放流 ・漁業者による簡易な漁場整備 等 ○ 大学、試験研究機関、企業との連携 ○ NPOや地域住民等が行う活動との連携 ・試験研究・技術開発へ支援 ・イベントやシンポジウムの開催・協力 ・情報共有のポータルサイトの提供 等漁業者の想いに寄り添い、未来へつなぐ漁業の構築へ
資源をまもり・育む取組の加速化 多様な関係者との協働 ○ 二枚貝類養殖の技術・設備導入を支援 ○ 新たな漁業経営の確立に向けた取組を支援 ・タイラギ・アサリの垂下養殖の導入 ・販路の拡大やブランド化の取組 ・漁業共済への加入促進 等 漁業者の新たな挑戦を後押し 沿岸4県が有明海漁業を推進する組織を設立2
新たに設立する組織のイメージ
連携
企業
行政
研究機関
漁業者
大学
地域住民
・有明海沿岸の4県と4県の漁業団体で一般社団法人を設立
・基金の管理、助成、調査・研究、普及・啓発等を実施
有明海振興基金(仮称)
基金管理団体(一般社団法人有明海振興基金(仮称))
総
会
理事会
顧
問
事務局
(事務局長、事務局員)
専門委員会
学識経験者
4県の漁業団体の代表者
4県の水産部局の代表者
学識経験者等
4県水産試験場
西海区水産研究所
九州農政局
その他学識経験者等
社
員
・福岡有明海漁業協同組合連合会
・佐賀県有明海漁業協同組合
・長崎県漁業協同組合連合会
・熊本県漁業協同組合連合会
・福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県
監
事
4県の漁業団体から
選出された者
(各県1名程度)4
助成にあたっての基本条件
既存の補助事業等で対応可能な取組は、当該事業で対応することを基本とした上で、
次のa~eのいずれかに該当することを基本条件として支援を行う。
a
漁業者自らが漁場や資源の管理に主体的に取り組む活動を後押しし、将来、
自立的に行われる見込みがあるもの(一定の期間において支援を行う)
b
これまでの技術開発の成果等を活用して、新たな技術の導入や漁業経営の
発展を図ろうとするもの(一定の期間において支援を行う)
c
年度途中に生じた漁場や資源の状況等に応じて弾力的な支出が必要な特段
の事情があるもの
d
漁業環境の改善、漁業者の収益性、生産性の向上等に資する試験研究・技
術開発を行うもの
e
多様な関係者と協働して沿岸域が一体となった取組を推進するもの
基金により支援可能となる主な取組と基本条件の適用
項目 小項目 取組内容 基本条件の 適用 資源を守り・育む 取組の加速化 密猟防止の監視活動 漁連、漁協が設定する二枚貝類等の保護区を監視す る漁業者の活動 a、c 保護区を監視する漁業者の活動を強化するための監 視システム(漁場監視レーダー等)の導入 a 有害生物の駆除 二枚貝類の食害対策としての刺し網等によるナルト ビエイ、アカエイ等の駆除 a、c 漁場におけるツメタガイ、ヒトデ、ウニ等の駆除 a、c 有害生物による 食害防止 有害生物による二枚貝類の食害を防止する囲い網、 被覆網等の設置 a、c アサリの密度管理 高密度生息環境下でのアサリの斃死対策としての稚 貝の採取・移植等の資源維持活動 a、c 網袋による 天然アサリ採苗等 天然アサリ稚貝を採取する網袋の設置浮遊幼生着底 促進の為の資材の設置 a、c 母貝団地の造成 延縄垂下式によるタイラギ、網袋設置によるアサリ の母貝団地の造成等 a、c 種苗放流 有明海特産魚介類(クルマエビ、ガザミ、タイラギ、 アゲマキ、エツ、トラフグ、ホシガレイ、ヒラメ、 マコガレイ、オニオコゼ等)の資源管理のための種 苗放流 a6
項目 小項目 取組内容 基本条件の 適用 資源を守り・育む 取組の加速化 種苗生産施設の整備 漁連・漁協が所有・管理する有明海の資源管理や漁場 管理のための種苗生産施設(中間育成施設等)の改 築・改修 a、c 漁場環境の整備 海岸に打ち上げられた堆積物の除去 a、c 漁場の底質改善(浚渫、耕うん、覆砂、作澪、天地 返し、貝殻散布等) a 漁場のゴミ清掃、流木の回収 a、c 水産資源回復のための着底基質の設置(投石、コン クリート製品等) a 水産資源回復のための産卵環境の整備(産卵つぼの 設置等) a 魚介類育成の場としての藻場造成、漁礁整備、カキ 礁の再生等 a アサリ漁場における覆砂の流出防止のための離岸堤 の設置 a 漁連・漁協が所有・管理する海況観測施設の改修 a はたきノリを飼料、肥料等の原料として活用するた めの試験研究等 a、d 大規模な漁場環境改善(大規模作澪、有明海全体の 流況改善等の掘削・マウンド造成等)の実施に係る 技術的可能性や経済的妥当性などを検討するための d
項目 小項目 取組内容 基本条件の 適用 漁業者の新たな挑 戦を後押し 漁業用作業施設の整 備・設備等の導入 漁連・漁協が所有・管理する作業の効率化、衛生管理 や付加価値向上のための施設の整備及び施設の導入 (アサリ選別機、給水施設等) b 養殖施設の整備 二枚貝類等の養殖のための垂下式施設整備 (筏、延縄等養殖に係る資材) b 養殖に必要な静穏度を確保するための消波堤の設置 b 養殖用種苗の購入 b 販売促進 漁連・漁協が所有・管理する有明海産水産物の販売の ための施設の整備 b 経営支援・技術支援 専門家による経営計画の指導、策定支援、新技術等 の導入支援 b 高付加価値化 有明海産水産物の高付加価値化やブランド化に資す る商品開発・販路拡大等に関する取組 b、d 漁業共済掛金の助成 二枚貝類等の養殖業に新規参入する漁業者が漁業共 済へ加入する場合の掛金の助成 b 多様な関係者との 協働 試験研究・技術開発 試験研究・技術開発に係る委託・調査 d 関係者との協働 有明海の漁業や環境への理解を醸成するシンポジウ ム、イベント等の開催 e 漁業と連携した地域おこし等の支援 (観光漁業用の漁具等の支援) e ・種苗生産、中間育成に係る新技術開発 ・二枚貝類の生息環境調査 ・有害生物(ナルトビエイ)の商品化 ・ビゼンクラゲの生態把握 ・フルボ酸鉄による底質改善試験 ・噴射式浚渫船の開発、噴射式耕耘機の開発 ・はたきノリ回収船の開発 (事業例)
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基金による支援に係る手続
国
(
九
州
農
政
局
)
各県協議会
一般社団法人有明海振興基金(仮称)
基金の造成
委託事業の 契約締結 県協議会への助言、参加 事業・会計の報告 補助金の交付 事業申請 事業完了報告 事業申請 交付申請 とりまとめ提出 完了報告 交付決定の通知 会計等の確認 基金の交付社員総会
理事会
(事務局) 会員(社員)総会による議決 ・年次計画、年次報告の承認 年次計画に基づき業務を執行 ・基金の交付等の会計事務 ・基金の業務事務(直接実施)母貝団地の維持・造成
二枚貝の
生活史
浮遊幼⽣ 成⾙ 稚⾙①-1 資源をまもり・育む取組の加速化
種苗生産能力の増強 新しい生産技術の導入 アゲマキ種苗の 放流拡大、漁獲効率の向上 網袋による 新たな採苗技術の活用 漁具を利用した 底質が悪化した海底の改善 ナルトビエイの食害防止 漁業者による簡易な漁場整備 天然稚貝の採取と移植 保護区の設定等による資源管理 人工種苗の生産・放流 密漁防止の監視活動 トラクターによる 泥が堆積した漁場の改善 漁場を覆う有害な ホトトギス貝の除去 稚貝の採取・移植 による資源の増大支援の対象とする主な取組内容
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①-2 資源をまもり・育む取組の加速化(具体例)
資源を守る取組 二枚貝類を捕食する ツメタガイの駆除 保護区の監視活動を強化するため 漁場監視システムの導入 食害防止のための被覆網の設置 へい死対策のための網袋による 稚貝の採取・移植 資源を育む取組 アサリ浮遊幼生着底促進の ための資材の設置 タイラギの母貝団地造成のための 海中育成ネットによる生育 有明海特産魚介類の資源管理の ための種苗放流 ガザミ トラフグ ホシガレイ アゲマキ 漁連・漁協が所有する 種苗生産施設の整備 漁場環境の整備開発された増養殖技術
人工種苗の大量生産 (H25に量産化成功) 網袋を用いた天然採苗 (H27に全県で試験導入) 高付加価値化のための シングルシード養殖 (H24から販売開始) 漁場への移植、垂下育成 (H25に試験開始) 筏による垂下養殖 (H27から販売開始) 地種の採苗、岩ガキを 取り入れた周年出荷 (H27から試験開始)つくり
育てる
漁業の
育成
・漁業経営の安定
タイ ラ ギ アサ リ カキ 技術・設 備導入、漁業経営 の 確 立に向けた取組を支援②-1 漁業者の新たな挑戦を後押し
人工種苗を用いた 漁場への移植や垂下養殖の本格実施 網袋を用いた養殖技術の本格導入 筏の増設など垂下養殖の生産拡大 筏の増設など垂下養殖の生産拡大 ブランド化・高付加価値化の推進新たな取組の挑戦
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漁連・漁協が管理する有明海水産物の販 売を行う施設の整備
養殖用施設の整備
販売促進
新たな漁業の展開による経営の安定の実現
-生産から販売、加工までの過程を支援-
高付加価値化
漁業用作業設備の導入
あさり選別機 (イメージ) アサリの垂下式養殖 重量選別機 (イメージ) 養殖筏 カキのバスケット養殖②-2 漁業者の新たな挑戦を後押し(具体例)
経営計画の指導
③ 多様な関係者との協働
ポータルサイト等を活用して有明海に関する様々な情報を共有
沿岸4県の大学による共同研究、成果の活用 網を用いたアサリ稚貝の保護活動 ニーズ 研究・技術開発 熱処理等を行った貝殻による アサリ漁場の再生 堆肥化による 低品質ノリの有効利用現場のニーズに直結した試験研究・技術開発の支援
シンポジウム等の開催・協力
地域住民と一体となった保護活動
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( 参 考 2 )