ふ とん地 の風 合 い客観 評 価
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(2) 繊 維 機 械 学 会 誌. 52. ん地 の風 合 い評 価 に用 い られ る基本 風合 い用 語 を定. 語. 義 し,次 にKESシ ステ ム5)に よ って 計測 され る布 の 基 本力 学 的特性 値 を用 いて 基本 風合 いの客観評 価式. 述 して頂 いた.次 に これ ら経験者 の うちか ら各 分野 2名 以上 ず つ計10名 に一 同 に会 して頂 き,筆 者 ら と. を開発 す る.. と も に出現 頻 度 の高 い用 語 の選 択 お よ び統 一 を計. およ び,(2)そ の用語 の意味 す る内容 の2点 を記. り,ふ とん地 用 の風合 いを評価 す るた めの必要最 小 2. 2.1. 方. 限度 の用 語 を基本 風合 いと して定 義 した.. 法. ふ とん地 用基 本風 合 い の 定 義. 2.2. 日本繊 維機 械学 会 内 に組 織 された,川 端 らを 中心. ふ と ん地 用 基 本 風 合 いの 主 観評 価. 定義 され たふ とん地 の基 本風合 いを用 いて,評 価. とす る風 合 い計量 と規 格化 研究 委 員会(HESC)で. の た め に収 集 したふ とん地 試 料 をHESCと. は,紳 士 用 ス ー ツ地(冬 用,夏 用)お よ び婦 人用 薄. 方法 童)で 主 観 的 に等 級 付 け した.そ の過程 をFig1. 手布 の基 本風 合 いを定 義 し,そ れ以 外 の衣料 用布 地. に示 す が,こ こで は2段 階 で評価 して い る.例 えば. につ いて も両者 で用 い られ る基 本風 合 い を使 用 して. あ る基 本風 合 い につ いて,そ の強 弱 よ り3段 階 の群. 評価 してい る.し か し,ふ とん地 に長年 接 して きた. に分 け,次 にお のお のの群 を再度3段 階 に分 け る.. 経 験 者 数 名 を対 象 に事 前 調 査 を 試 み た と ころ,(1) HESCで 定 義 され て い る基 本 風 合 い だ けで は物 足. 布 を別 の群 と して最 終 的 に11群 と し,基 本風 合 いが. りない点,お よ び(2)同一 の風合 い用 語 であ るに もか かわ らず,HESCの 定義 と は異 な った使 わ れ方 が さ. 最 も弱 い群 の布 を0,最 も強 い群 の布 を10と してお の おのの群 の布 に点 数 を与 え る.こ の操 作 に よ って. れて い る点 が示 唆 され た.そ こで まず,ふ とん地 に. 布 の基 本風 合 い を主 観 的 に数 値化 で き る.評 価者 は. 長 年(5年 以上)接 して きた熟練 者(染 め工場 仕上 げ,技 術,営 業,問 屋 の各担 当者)20名 を選 び,ふ. 基 本風 合 い の定 義 に参加 した熟 練者10名 で あ る.. そ の際. こで は ア ンケ ー ト用紙 に よ る 自 由記 述 方式 を採 用. Table. 1. 1. and. 料. 造 別 にTable1に. Procedure for subjective Futon cloth samples.. Material. 試. 評価 の ため に収集 したふ とん地 を素材 お よび布構. し,(1)ふ とん地 の風 合 い を評 価 す る際 に用 い る用. Fig.. 最 高 と最低 の群 の 中か ら,と りわ け極端 な. 2.3. とん地 の風 合 いを評 価 す る用 語 の抽 出 を試 み た.こ. 同様 な. Structure. T202. evaluation. of Futon. Cloth. 示す.こ れ ら107点 の試料 は現在. of. Samples.
(3) (論文 集) Vol.44,No.10. (1988〜1991年)の. (1991). 53. 日 本 で ふ と ん 地 用 と して 製 造 ・. (1). 販 売 さ れ て い る代 表 的 な 布 で あ り,風 合 い 的 に は極 めて 硬 い 布 か ら極 め て 柔 らか い布 ま で,幅. (2). 広 く分 布. して い る. 2.4. (3) 2). ふ と ん地 用 基 本 風 合 い の客 観 評 価. 上 記 の 試 料107点 に つ い てKESシ. の 相 関 が 最 も高 い ブ ロ ッ ク を 第1ブ. ロ ッ ク と決 定 し,そ の 回 帰 式 をY(1)と す る.. ス テ ム5)に よ っ. て 布 の 基 本 力 学 的 特 性 値 を 求 め,2.2で. yとYiと. 3) yと 第1ブ. 得 ら れ る主. ロ ッ ク と の 残 差y‑Y(1). 観 評 価 値 と の 間 の 重 回 帰 分 析 を 行 う こ とに よ り,回. 式 を求 め,各. 帰 式 を求 め る.そ の 際. に つ い て 計 算 す る.. ま ず 第1に. 基本 力学 的特性. の基 本 風 合 い へ の 寄 与 を 明 確 化 す る た め,ま 性 の 問 題6)を 避 け る た め,. た共線. 4). 川 端 らに よ って 開 発 さ れ. た ブ ロ ッ ク 間 残 差 回 帰 方 式')を採 用 す る.KESシ. 示 す.ま. 回 帰 式 を 用 い て 回 帰 値Yを. yとY(1)+Yiと. の 相 関 が 最 も高 い第2ブ. 5). 以 下 同 様 に第6ブ. 主 観 評 価 値yと. 間 の 重 回 帰 式Yを. ロッ す る.. ロ ッ ク ま で 決 定 し,最 終 的. に 次 式 を 得 る.. た ブ ロ ッ ク間 残. 差 回 帰 方 式 は以 下 の よ う に 要 約 さ れ る. 1). 全 て の試 料. クY(2) を決 定 し,全 体 の 回 帰 式 をY(1)+Y(2)と. ス. テ ム で 得 られ る布 の 基 本 力 学 特 性 お よ び 各 特 性 値 を ブ ロ ッ ク ご と にTable2に. を全 て の 試. 料 につ いて 計 算 し,こ れ と残 る ブ ロ ッ ク と の 重 回 帰. (4). 各 ブロ ックの力学 特性 値 との. 求 め,各. 回帰 式 を用 い て回 帰値. 力学特性 値 に つ いて は,平 均 値 と標準 偏差 で規格 化. Vを 全 て の 試 料 に つ い て 計 算 す る.一. Table. 2. Descriptions. した次式 を用 いた方 が便 利 であ る.. of Mechanical. T203. Characteristic. Values.
(4) 繊 維 機 械 学 会 誌. 54. は異 な っ て い た."こ. (5). た.こ た だ し,Y;客. 観 的 に 評 価 さ れ る基 本 風 合 い. C0,Ci,定 xi;i番 Xi;Xiの. 目の力学 特性 値. た.次. の 理 由 と して は,ふ. とん 地 の 場 合 は衣 服 地 と 用 スー. 必 要 性 が 少 な く,ま た ふ. とん 地 に長 年 接 して き た 熟 練 者 もKOSHIとHARI. 平 均値. の差 を理 解 で きず,両. 者 を 含 め て 判 断 して き た 人 が. 多 か っ た こ と に よ る.さ. ロ ッ ク 間 残 差 回 帰 方 式 よ り も単 純 で 優 た,各. た い て いHARIも. 力学 特性 値 を. ら に,KOSHIの. 高 く,逆. にHARIの. 必 ず と い っ て よ い ほ どKOSHIも. 集 約 した総合 特性 値 の有無 の可能 性 につ いて検 討 す る た め,ま. 定. 両者を含んで定義 し. ッ地 に要 求 され るHARIの. れ た 回 帰 式 を 模 索 す る た め,ま. つ い て は,HESCで. は異 な り横 た わ った 状 態 で 使 用 す る た め,夏. 数(i=1〜16). σi,Xiの 標 準 偏 差 さ ら に,ブ. し‑F"に. 義 さ 概 たKOSHIとHARIの. た め,両 者 を1つ. ず 力 学 特 性 値 を用 い て 主 成 分 分 析 を 行 っ. 高 い布 は 大 きい布 は. 大 き くな って い る. の 用 語 に 統 一 した 方 が 便 利 で あ る. と い う皆 の 一 致 した 意 見 が あ っ た か ら で あ る."ぬ. に得 られ た主 成 分 得 点 と主 観 評 価 値 と の 間 の. め り‑F"に. つ い て は,HESCのNUMERIと. は若 干. 重 回 帰 式 を 誘 導 し,少 数 の 主 成 分 で 基 本 風 合 い を 算. 異 な った 内 容 を 定 義 した.ふ. 出 で き る か ど うか の 可 能 性 に つ い て 検 討 した.. 通 気 性 を 減 らす た め 樹 脂 に よ る カ レ ンダ ー加 工 が 施. 3.. 3.1. 結. さ れ て い る.こ 果. 2.1 の 方 法 で 定 義 し た ふ とん 地 用 基 本 風 合 い を 表. の樹 脂 に 起 因 す る布 表 面 の 湿 っ た な. フ トさ"お よ び"ふ. し た.細. い カ シ ミヤ 繊 維 か ら も た ら さ れ るNUEな. MERI感. はふ とん 側 地 で は あ ま り必 要 な い と い う熟. 練 者 が 多 か った."が. れ ら5個 の 基 本 風 合 い は,熟 練 者 に よ. っ て 自 由 に 記 述 され た 風 合 い用 語 の80%以 め て い た."ソ. 般に. め らか 感 か ら受 け る手 触 り感 を"ぬ め り−F"と 定 義. ふ と ん地 用 基 本 風 合 いの 定 義. 3に 示 す.こ. と ん 地 の 場 合,一. さ っ き"は 今 回 新 し くふ と ん 地. 用 に 定 義 した基 本 風 合 い で あ る が,布. 上を占. 同士 が接 触 し. た と き に生 じ る ど ち ら か と い う と不 快 な音 に関 連 す. く らみ"に 関 して. る 用 語 で あ る.こ. れ はHESCで. 婦 人 用 薄 手布 に定. は 衣 服 地 用 のHESCの 定 義 と同 様 で あ る が,"こ し ‑F"(衣 服 用 の基 本 風 合 い と区 別 す る た め ,ふ とん. 義 し たKISHIMIに. 地 のFを. い音 に 関 連 して お り,人 間 へ の 効 果 と して は逆 に 作. 用 い た)や"ぬ. め り‑F"はHESCの Table. 3. Terms. KISHIMIの. 定義 と and. Definitions. of Primary. T204. Hands. 対 応 す る 用 語 と 思 わ れ る が,. 場 合,絹. of Futon. 織 物 か ら も た ら さ れ る心 地 よ. Cloth.
(5) (論文集) Vol.44,No.10(1991). 55. 用 す る と思 わ れ る.ふ. とん地 に は高密 度 な綿製 品が. って い る."こ. 多 い た め(Table1参. 照),"が. 番 で 効 い て お り,"ぬ. さ っ き"は 重 要 な 基. 本 風 合 い で あ る と主 張 す る熟 練 者 が 多 か っ た.. し‑F"に. め り‑F"に. 強 力 に効 い て い た."ふ. こ れ ら5個 の 基 本 風 合 い 以 外 の 用 語 と して は,肌. ・重 さ,せ. は 曲 げ 特 性,せ ん 断 特 性 の 順 は表面特 性 が最 も. く らみ"に. は表 面 特 性,厚. ん 断 特 性 の 順 番 で 効 き,が. み. さっ きに はせ. 触 り や 快 適 性 な ど の 熱 ・水 分 特 性 に 関 す る 用 語. ん 断 特 性,引 張 特 性,表 面 特 性 の 順 番 で 効 い て い る.. (7%)お. 第6段. よ び光 沢 や ド レ ー プ性 な ど の 布 の 外 観 に. 関 す る用 語(5%)が 3.2. 挙 げ られ て い た.. 階 ま で 回 帰 し て 得 ら れ た 最 終 的 な(5)式. (DM‑01式. と名 付 け る)の 係 数 を 各 力 学 的 特 性 値 の. 平 均 値 や 標 準 偏 差 と と も にTable5に. ふ とん 地 用 基 本風 合 い の 主 観 評 価. 示 す.こ. こ. で,力 学 特 性 値 の う ち 対 数 化 して い る特 性 値 は そ の 上 記 で 定 義 さ れ た 各 基 本 風 合 い の 観 点 か ら,熟 練. 分 布 が 平 均 値 の 周 り に 対 称 的 に 分 布 す る よ う対 数 変. 者10名 が107点 の ふ とん 地 に対 して 主 観 評 価 を 行 い,. 換 した もの で あ る.5個. 数 値 化 さ れ た 主 観 評 価 値 を 得 た.収. と客 観 評 価 値 と の 相 関 係 数(R)お. 果 は全 て の 基 本 風 合 い で0〜10点 に 分 布 して い た.ま. 集 した 試 料 の 結. の 間 に正 規 分 布 的. (RMS=Root. た 熟 練 者10名 の 個 々 の 熟 練 者 同. が,い. Mean. の基本 風合 いの主観 評価値. Square). よ び 回 帰誤 差 をTable. 6に 示 す. ず れ の 風 合 い も相 関 は高 く誤 差 は小 さ くな っ. 志 の主 観 評 価 値 の 相 関 お よ び平 均 値 との 相 関 は極 め. て い る.特. て 高 く,全 て の 基 本 風 合 い で一 致 し た(無 相 関 の 検. で 高 い 回 帰 精 度 が 得 ら れ て い る.主 観 評 価 者10名 に. 定 で 有 意 水 準;0.1%)主. よ る評 価 値 の 標 準 偏 差 を全 試 料 に対 して平 均 して求. 観 評 価 値 が 得 ら れ た.こ. の. に,"ソ. フ トさ","こ. し一F","が. さっ き". こ と は熟 練 者10名 か ら得 ら れ た 主 観 評 価 値 の 信 頼 性. め た 平 均 標 準 偏 差 もTable6に. が 高 い こ とを 意 味 して い る.一. に よ る 回 帰 誤 差 は 全 て の基 本 風 合 い で 主 観 評 価 の平. さ"の 結 果 をTable4に 3.3. 例 と して,"ソ. フ ト. 示 す.. 均 標 準 偏 差 よ り も小 さ く,高 い 回 帰 精 度 が 得 ら れ て い る こ とを 示 して い る.客 観 評 価 と主 観 評 価 値 と の. ふ とん 地 用基 本 風 合 い の 客観 評価. 相 関 図 の 一 例 を"ソ 3.3.1 ブ ロ ッ ク間 残 差 回 帰 方 式 "ソ フ トさ" ,"こ し‑F","ぬ め り‑F","ふ み",お. 3.3.2 くら. よ び"が さ っ き"を 布 の 基 本 力 学 特 性 ブ ロ ッ. 示 す.回. Table. を 試 み た.ブ. フ トさ"に は せ ん 断 特. 性 が一 番 効 い て お り,次 に 曲 げ 特 性,引 4. Correlation SOFUTOSA. 0.1〓significant. level. if. る い は い くっ か の 関 え ばせ ん断特 性 と曲. る組 み合 わ せ を 考 え て 主 成 分 分 析 を 行 った が,累 積. Between Cloth*. * n=1073. ロ ッ ク ご と に,あ. 連 す る ブ ロ ッ ク を ま と め て(例. げ 特 性,圧 縮 特 性 と厚 み ・重 さ な ど),可 能 な あ らゆ. 張 特 性 とな Coefficients of Futon. こで これ ら力. 学 特 性 値 を 互 い に 独 立 した 少 数 の 主 成 分 で 表 す こ と. 示 した が,回 帰 を繰 り返 す ご と. に 回 帰 精 度 は増 して い る."ソ. 示 す.. 主 成 分 分 析 お よ び 多 重 回帰 方 式. い 特 性 値 が あ る こ と が 予 想 さ れ る.そ. 帰 精 度 は主 観 評 価 値 と客 観 評 価 値. と の相 関 係 数(R)で. フ トさ"でFig.7に. 布 の基 本 力 学 特 性 値16個 の 中 に は 互 い に相 関 の 強. ク に よ って 段 階 的 に 回 帰 し た様 子 を お の お のFig. 2〜6に. 示 した が,客 観 評 価. r>0.319. T205. Each. Panel. for. Evaluating.
(6) 56. 寄 与 率 が90%を. 繊 維 機 械 学 会 誌. Fig. 2. Stepwise analysis. block residual regression of "SOFUTOSA".. for the. Fig. 3. Steptise. block. for the. analysis. of "KOSHI—F".. residual. 超 え るまで主 成 分 の抽 出 を続 け た. regression. 第2主 成 分 は特 に厚 み と重 さ との相 関 が強 い ことか. と ころ,主 成分 の数 は力学 特性値16個 をそ の まま同. ら,布 の構造 を表 す成 分 と考 え られ る.第3主. 時 に使 った場 合 に最小 の7個 とな った.7個. は第1主 成分 と逆相 関 を示 して いる特性 値が 多 い こ. の主 成. 成分. 分 の 各力 学 特性 値 に対 す る因 子 負荷 量 をTable7. とか ら,布 の曲 げやせ ん断柔 らか さを表 す成分 と考. に示 す.こ れ ら主成 分 の解 釈 は容 易 で はな いが,第. え られ る.第4主 成 分 は表面 特性 値 と相関 が強 い こ とか ら,表 面 の粗 さに関す る成 分 と考 え られ る.第. 1主 成分 は曲げ やせん 断 の特 性値 と相 関 が強 い こと か ら,布 の剛 さに関す る成 分で あ る と考 え られ る.. 5以 下 の主成 分 に関 して は,さ らに解 釈 が難 し くな. T206.
(7) (論文 集) Vol.44,No.10(1991). Table 5. Mechanical Evaluation. 57. Table 6. Parameters of Primary. つて い るが,第5主. 成 分 はLCと. and Coefficients for DM-01 Equation Hand of Futon Cloth. Correlation Coefficient(R) and Regression Between Subjectively and Objectively Primary and Values of Futon Cloth. の相関 が強 い こ と. Error(RMS) Evaluated. た だ し,Y,客. 観 的 に評 価 さ れ る 基 本 風 合 い. か ら,表 面 の安定 性 に関連 す る成分 と予 想 され る.. C0,Cj,定. 第6はMIUと. Zj,j番. の相 関 が 強 い が,MMDやSMDと. Used for Objective. 数(j=1〜7). 目 の主 成 分 得 点. は小 さ く,表 面 の柔 か さに関 連す る成 分 と予 想 され. hi;固 有 ベ ク トル. る.第7主. Xi;i番. 成分 につい て は解 釈不 明 で あ る.次 に,. Xi,Xiの. 第7主 成 分 までの各 主成 分 の固有 ベ ク トル を用 い,. 目の力学 特性 値 平 均値. σi;Xiの 標 準 偏 差. 全試 料 につ いて主成 分得 点 を計算 し,こ の値 と主観 評 価値 との多重回 帰 を施 す こ とによ り,以 下 の回帰. 本 方 式 で 算 出 し た ふ と ん 地 の 基 本 風 合 い と主 観 価. 式 を誘 導 した.. 値 との 相 関 係 数,回 帰 誤 差 をTable6に. 示 す.上 記. の ブ ロ ッ ク 間 残 差 回 帰 方 式 の結 果 に 比 べ,全. (6). て の基. 本 風 合 い で 相 関 係 数 は小 さ く,回 帰 誤 差 は大 き い と い う結 果 で あ った.し. か しな が ら,主 観 評 価 値 の 平. 均 標 準 偏 差 よ り も回 帰 誤 差 は 小 さ く な って い る.. (7). T207.
(8) 58. 4.. 繊 維 機 械 学 会 誌. 考. Fig. 4. Stepwise analysis. block residual regression of "NUMERI—F".. for the. Fig. 5. Stepwise analysis. block residual regression of "FUKURAMI".. for the. 各 基 本 風 合 い へ の力 学 特 性 の寄 与 が ブ ロ ッ ク ご と に. 察. 明 確 化 さ れ る た め,解 釈 が 容 易 で あ った.力. ふ とん地 に長年 接 して きた熟 練者 よ り収 集 した基. の 基 本 風 合 い へ の 寄 与 で は,"ソ. 本 風合 いの客 観評 価法 につ いて,ブ ロ ック間残 差 回. F","ぬ. 帰 方 式 お よ び主 成 分 分 析+重 回 帰 方 式 で 検討 した が,前 者 の方 が回帰 精 度 が高 く,回 帰 誤差 は小 さ く,. せ ん 断 特 性,曲. よ り適 切 で あ る ことが示 され た.ま た前者 の場 合,. 果 で あ っ た.し か し,"ふ. あ り‑F","が. 学特 性. フ ト さ","こ. し‑. さ っ き"に 関 して は,お の お の. げ 特 性,表. 面 特 性,せ. ん断特性 が第. 1ブ ロ ッ ク と して 現 れ て お り,こ れ は予 想 さ れ る結. T208. く らみ"に つ い て は予 想 に.
(9) 59. (論 文 集)Vol.44,No.10(1991). Table. 7. Eigen. Value,. Fig.. 反 し,表 面 特 性,厚 現 れ,圧 (Fig.5参. み ・重 さ,せ. Factor. 6. Loading. Stepwise analysis. and. 璽 喫 ふ く らみ"の. ん断特 性 の順番 で. き く(Tabie6参. の こ と は熟 練 者 が ふ と ん地 の ふ く. らみ の判 定 に 表 面 特 性 を 第1に. of Each. block residual regression of "GASATSUKI".. 縮 特 性 は最 後 の ブ ロ ッ ク に な っ て しま っ た 照).こ. Proportion. Principal. Component. for the. 主観 評価 の ば ら. っ き は 他 に比 べ て 大. 照),熟 練 者 と い え ど もふ く らみ の. 判 定 は 難 し い と思 わ れ る.ふ. とん 地 は例 え ば紳 士 用. ス ー ッ地 に 比 べ 布 の 厚 み が 小 さ い こ と も主 観 評 価 を. 考 え,圧 縮 特 性 は ほ. と ん ど 考 慮 に 入 れ て い な い こ と を 意 味 して い る.. 難 し く して い る 要 因 と な っ て い る で あ ろ う.ま. T209. た.
(10) 60. 繊 維 機 械 学 会 誌 で,よ り多 くの試料 につ いて の信頼 性 の検討 を続 行 して お り,併 せて基 本風合 いお よび客観 評価 法 の普 及 を はか って い る.ま たふ とん地 の総合 的 な品質 を 表す総 合風 合 いに関 す る検 討 も進 めて い る.将 来 的 に はふ とん地 の取 引 に客観 評価 法 で求 め る基 本風 合 いや総 合風 合 いが用 い られ るこ とにな る と考 え て い る. 5.. 結. 論. ふ とん 地 の 風 合 い を 客 観 評 価 す べ く,ふ. Fig. 7. 長 年 接 して き た 熟 練 者 か ら基 本 風 合 い 用 語 を 抽 出. The correlation between objective and subjective values of Futon cloth primary hand "SOFUTOSA" (n=107) .. し,布 の 基 本 力 学 的 特 性 値 よ り算 出 す る客 観 評 価 法 の開 発 を 試 み た と こ ろ,以 下 の 結 論 を 得 た . 1)ふ. Fig6で,第1段. とん地 に. 階 で は相 関係数 は表面特 性,せ ん. と ん地 の 基 本 風 合 い と して,ぞ"ソ フ トさ",. こ し―F","ぬ. め り−F","ふ. く らみ""が. さ っ き"の ". 断特性,引 張 特性,厚 み ・重 さの順番 に な って い る が,第2段 階 で最 も効 くブ ロ ック と して厚 み ・重 さ. 5個 を 定 義 す る こ と が で き た.. が あが って くるのは,共. 線性 の問 題6)が生 じて い る. ク間 残 差 回 帰 方 式 で 回 帰 す る こ と に よ り,回 帰 精 度. か らであ る.す なわ ち,せ ん断特性 や 引張特 性 と表. が 高 く,回 帰 誤 差 の 小 さ な 基 本 風 合 い 客 観 評 価 式. 面 特性 との相 関が厚 み ・重 さ と表面 特性 との相関 に. (DM‑01)を. 比 べ て大 きいた めで あ り,第1ブ. 2)熟. ロ ックと して表 面. 3)ふ. 練 者 の 主 観 評 価 値 と力 学 特 性 値 と を ブ ロ ッ. 導 く こ と が で き た. と ん 地 の 力 学 特 性 値 に対 して 主 成 分 分 析 を. 特性 を決 め る と残差 の中 にはそれ と関連 す る部分 が. 行 っ た と こ ろ,そ. 除 か れ る ことに な る.そ れ故,ブ ロ ック間残 差回 帰. 構 造,柔. 方式 で は基 本風 合 い に寄 与す る各基 本力学 特 性間 の. 分 が 抽 出 され た.. 相互 関 係 も明 らか となる.. 謝 辞:本. 主 成 分 分 析 で は累 積寄 与 率90%を 基 準 に主 成 分 の数 を7個 と決 定 した が,こ の数 を増 やす ことによ. い用 語 の抽 出 ・選 定 お よ び 主 観 評 価 に 御 協 力 頂 い た 大 和 紡 績 関 連 の染 め工 場 仕 上 げ,技. り累 積寄 与 率 は上昇 し,主 観評 価値 との回帰精 度 は. 各 担 当 者 の 方 々 に 深 謝 申 し上 げ ま す.. 向上 す ると考 え られ る.し か しな が ら,た だ 闇雲 に. 文. 主成 分 の数 を増 やす ことは得策 で はな い.力 学 特性. 説 明 可 能 な,布. の 剛 さ,. 研 究 の遂 行 に 当 た り,ふ. 術,営. 業,問. 屋. 献. 機械学会,(1980) 2) S.Kawabata and Masako 19(1989).. 成 分 まで を使 って回帰 精度 の高 い客 観評. の主 成. とん 地 の基 本 風 合. 1) 川端季雄;楓 合 い評価の標準化 と解析,第2版",日. 値 との関 連 で解釈 可能 な主 成分 と して は,Table7 の 因子 寄 与 率 を考 えて もせ い ぜ い4個 どま りで あ り,第4主. の75%を. らか さ,表 面 粗 さ と解 釈 され る4個. 本繊維. Niwa; J.Text. lnst., 80 (1),. 3) 川端季雄;"衣 服布地 の客観的性能評価法 とその応用",日. 価 式 が誘 導 で き るこ とが理 想 であ る. い,新 しいふ とん地用 試料30点 につ いて の基本風 合. 本繊維機械学会,p.1(1986) 4) 川端季雄;"繊 維材料京都基礎 コース,(第1回)衣 服用布地 の力学物性 と風合 い",繊 維材料研究会,p .9(1988).. いを算 出 して 熟練 者 に判定 して もら った と ころ,主. 5) 川端季雄;繊維機械学会誌(繊 維工学),26(10),p.721. ブ ロ ック間残 差回 帰方 式 で導 いたDM‑Ol式. を使. (1973) 6)M.Kendail;"Multivariate. 観 評価 との対応 は極 めて高 く(全 て の基本風 合 い で R=0.9以 上),DM−01式 の有 用性 が確認 で き,か. Analysis , 2nd Ed."Charles. Griffin,London, p. 95(1980).. っ 客観 評価 法 の威 力 が示 された.現 在,大 和 紡績 内. T210.
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