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支圧板付きロックボルトの地震時補強効果に関する実験的検討

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Academic year: 2022

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キーワード:斜面補強,地山補強土,遠心模型実験

連絡先:〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1 M1-18 TEL 03-5734-2592

支圧板付きロックボルトの地震時補強効果に関する実験的検討

東京工業大学 学生会員 ○中本 詩瑶, 正会員 関 栄,竹村 次朗 日鐵住金建材 正会員 岩佐 直人

1.はじめに

支圧板付きロックボルトは自然地山内に挿入する補強材と法面を被覆する剛な支圧板の相互作用をもって斜面変 形を抑止する地山補強土工法の一種であり、従来の地山補強土工法に比べ、樹木を伐採せずに施工することができ、

また、施工時に支圧板より斜面に対してある程度の締付け力を作用させることで、斜面変形を事前に抑えることも 期待される工法である。これまでに、支圧板付きロックボルトを含む地山補強土工法の静的外力に対する補強効果 を確認した既往研究は多くみられるが、地震時におけるその補強効果に関しては十分に解明されていない。本研究 では、支圧板付きロックボルト補強斜面を用いた遠心模型振動実験を行い、補強斜面の地震時挙動と各補強条件(支 圧板幅、補強間隔および補強材の設置角度)が補強効果に与える影響について検討した。

2.実験概要

本 研 究 で は 図 1 に 示 す 補 強 斜 面 の 小 型 模 型 を 用い て 、 遠 心 模 型 振 動 実 験を 行 っ た 。 模 型 斜 面 は 、内 径

400mm×600mm×250mmの剛性容器内に設置された、傾斜角45°のアルミ製斜面ベースの上に含水比14.5%に調整し

た江戸崎砂を単位体積重量 γt=17.6kN/m3(排水三軸圧縮試験(拘束圧 σ3=25~100kPa の下で)より得られた強度は

φ’=37°、c=3.3kN/m2)となるように、2cmごとに締固めて作成された水平地盤を、斜面傾斜角45°になるように整形

して作成した。模型斜面整形後、支圧板付きロ ックボルトの補強材部分(直径3mmの真鍮ね じ棒)を斜面内に挿入し、それらの頭部に支圧 板(厚さ2mmのアルミ板)をナットで固定し た。本実験のパラメータは主な補強条件(支圧

板幅B、補強間隔Sと補強材設置角度β)であ

り、表1に実験ケースの一覧を示す。

振動 実験は模 型斜面に 対して 遠心加速 度 40Gのプレロードを付与した後に、遠心加速度 25Gの下で行った。プレロード時の斜面変形に よって、支圧板から斜面に対して 1.5~10kg の 締め付け力が導入され、同じ位置に設置された 支圧板の締め付け力は支圧板幅 B と補強材設 置角度βに関わらず、ほぼ同様であった。振動 実験では振幅が比較的小さなホワイトノイズ を入力した後に、50Hz [実物換算:2Hz]の正弦 波を、5g [実物換算:200gal]から明確な斜面変 形が見られるまで、その振幅を約 2.5g ずつ増 加させながら、斜面に対して段階的に与えた。

各ケースにて入力した最大地震動の振幅は表 1に示されている。

実験中は法肩の鉛直変位 DV1 と水平変位

340

340

45°

90 80

250

120 120

AH1 170 25

支圧板 Unit : mm

変位計 加速度計 小型ロードセル

AH2 AH3

AH5 AH10 AH9

20 DV1

DH1

DH2 1段目2段目3段目4段目

AH4 AH6 AH7 20

AH8

ロックボルト Case5における

補強位置 82.542.5 12562.5

φ=5mm φ=10mm 小型ロードセル

樹脂塗料(実験後)

160 樹脂塗料

うどん β=90°

DV1

DH1 DH2

S B

加速度方向 変位方向

- +

+ +

1 補強斜面模型

表 1 実験ケース一覧 [実物換算値]

支圧板幅 B

補強間隔 S

補強材 設置角度 β

最大入力地震 動

Case1 ― ― ― 9.3g [370 gal]

Case2 20mm [0.5m] 80mm [2m] 90º 12.9g [515 gal]

Case3 30mm [0.75m] 80mm [2m] 90º 19.0g [760 gal]

Case4 40mm [1.0m] 80mm [2m] 90º 20.6g [825 gal]

Case5 40mm [1.0m] 160mm [4m] 90º 9.5g [380 gal]

Case6 30mm [0.75m] 80mm [2m] 70º 18.5g [740 gal]

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑659‑

Ⅲ‑330

(2)

DH1および斜面中腹の水平変位DH2を変位計、斜面の各位置に おける応答加速度AH1~10を加速度計、支圧板および補強材より 斜面に作用される引張補強力を小型ロードセルで計測した。

実験システムと手順の詳細については文献[1]を参照されたい。

3.実験結果および考察

これ以降に示す実験結果はすべて実物換算された値である。

2に斜面ベース応答加速度AH2と法肩鉛直変位DV1の関係 を示す。Case5ではAH2の計測器が不調であったため、DV1を入 力加速度AH1に対して示している。なお、AH1の振幅はAH2の 100~144%であった。図より、補強付きのケースの方が無補強の ケースよりも変位が大きく抑えられており、補強間隔が小さく、

比較的大きな支圧板を用いたCase3の方が、支圧板が小さなCase2 や補強間隔が大きなCase5よりも変位が抑えられていることがわ かる。最も大きな支圧板を用いたCase4では、支圧間(DV1付近)

にて局所的な破壊が生じたため、Case3 よりも大きな鉛直変位が 計測された。また、補強材の設置角度が小さなCase6にて計測さ れた変位はすべてのケースの中で最も小さかった。

3にCase2, 4&5にて、実験後の斜面表層を映した写真を示す。

写真より、補強間隔が大きなCase5では支圧板間に明確な斜面破 壊が見られ、支圧板が小さなCase2では支圧板に対する斜面の支 持力破壊と支圧板間における局所破壊がともに見られた。また、

Case4でも支圧板間にて局所的な破壊が確認された。一方、Case1,

3&6では斜面全体の変形は見られた[1]ものの、明確な表層破壊は 見られなかった。

4に斜面ベース応答加速度AH2とAH2に対する斜面各位置 の加速度応答スペクトル比 RARSの関係を示す。無補強の Case1、

支圧板が小さなCase2と補強間隔が大きなCase5では斜面中腹お よび法肩付近において、加速度応答スペクトル比が増加した後に、

急激な減少を示し、斜面内にすべり面(不連続面)が生じたと考 えられる。一方、比較的大きな支圧板を用いたCase3, 4&6では加 振による加速度応答スペクトル比の増加は大きく抑えられたこ とが確認できる。また、Case4 では斜面中腹において大きな加速 度の増幅が見られ、これは支圧板間における斜面の局所的な破壊 の一因になると考えられる。

4.まとめ

本研究では、支圧板付きロックボルト補強斜面を用いた遠心模型振動実験を行い、地震時における支圧板付きロ ックボルトの補強効果を確認することができた。また、補強間隔が小さく、支圧板幅が大きいほど、加振による斜 面の軟化および変形が抑えられ、補強材を斜面に対して垂直に設置するよりも、やや寝かせた方が斜面変形は抑え られることがわかった。

参考文献

[1] 中本詩瑶,関栄,岩佐直人,竹村次朗:支圧板付きロックボルト補強斜面の遠心模型振動実験,第51回地盤工 学研究発表会発表講演集,2016.

0 0.5 1 1.5 2

0 200 400 600 800 1000

法肩鉛直変位DV1(m)

加速度AH2 (gal)

Case1 Case2 Case3 Case4 Case5 Case6

*Case5: AH1-DV1関係

ホワイト ノイズ

B0.75, S2,β70 B0.75, S2,β90 B1.0, S2,β90

B0.5, S2,β90 B1.0, S4,β90 無補強

2 AH2の最大振幅とDV1関係

Case2 Case4 Case5

3 実験後斜面表層の破壊状況

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 300 600 900

*AH1 (gal)

*RARS(to AH1)

ホワイト ノイズ 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 300 600 900

RARS

AH2 (gal) ホワイト

ノイズ

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 300 600 900

RARS

AH2 (gal) White

noise

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 300 600 900

RARS

AH2 (gal)

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 300 600 900

RARS

AH2 (gal)

AH4 AH5 AH7

AH3 AH9

Case1 Case2

Case4

Case5 Case6

B0.75, S2,β70 B1.0, S2,β90 B0.5, S2,β90

B1.0, S4,β90 無補強

ホワイト ノイズ

900 Case3 B0.75, S2,β90

ホワイト ノイズ

ホワイト ノイズ

ホワイト ノイズ

4 AH2(AH1)-RARS関係 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑660‑

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参照

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