水撃圧による塩化ビニル供試体破壊実験
東北学院大学 工学部 環境土木工学科 学生会員 ○相澤 幸宏
1.序論
水撃作用は様々な送水管路において悪影響をもた らし、その規模が大きければ被害も拡大されていく。
発生や伝播された水撃圧により、上部水槽の破壊、
又は破壊に至らなくても継手が緩んだり、管路の変 形によって漏水、破損の原因ともなる。また、水撃 圧は、伝播時に圧力波として管路に衝突しながら伝 播していくため、音が発生し、周囲の環境に騒音と なる。
水撃圧発生防止は困難であり、発生後の対策が必 要となる。
2.実験目的
本研究では、水撃圧が管路内にどのような影響を 与えるかを考慮するため、上部水槽から下部水槽へ 水を自然流下させ、管路内に取り付けられた緊急遮 断弁を用い水撃圧を発生させ、塩化ビニル管を破壊 する。この実験を流速の値を変えながら繰り返して いき、各流速で得られた結果から以下の項目につい て検討する。
(1)塩化ビニル供試体の破壊強度の算出
(2)流速と最大圧力の関係
(3)破壊強度と載荷時間の関係
(4)載荷時間と流速の関係 3.実験装置図
4.実験手順
(1)上部水槽をオーバーフローさせる。
(2)遮断弁が全開に、水の流れが止まっているの を確認し、管路に供試体を取り付ける。
(3)圧力変換機を取り付け、動歪計の電源を入れ、
ゼロ設定をした後、水を流す。
(4)流速を測定し、水量が安定したら、緊急遮断 弁を閉鎖し、圧力の測定を開始する。
(5)発生した圧力が正しく記録されているか確認 し、保存する。
5.実験結果
Camera1 Camera2
動歪計圧力変換機
下部水槽 上部水槽
11.93m
59.92m
供試体
Ch1 Ch2
2.02m 3.228m
BNC-BOX
-20 0 20 40 60 80 100
-0.02 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12
v=0.844(m/sec)
Head CH1 Head CH2
Head (m)
Time (sec)
最大圧力
94.7464 m
①
②
載 荷 時 間 0.079
破壊時圧力
84.2188m
③
④
-20 0 20 40 60 80 100
-0.5 0 0.5 1 1.5 2
v=0.843 (m/sec)
Head CH1 Head CH2
Head (m)
Time (sec)
①
②
最大圧力
93.3058 m
II-83
土木学会東北支部技術研究発表会(平成19年度)6.結論
(1)塩化ビニル供試体の破壊強度について 塩化ビニル供試体は、最大圧力
93.3058m
までの水 撃圧には耐えられたが、最大圧力94.7464m
の水撃圧 には耐えられなかった。このことから、塩化ビニル 供試体の強度は、67.69
以上であることがわかっ た。(2)流速と最大圧力の関係
水撃破壊において、流速が速くなれば速くなるほ ど最大圧力、破壊時圧力の高い値が得られ、比例関 係にあることが判明した。
(3)破壊強度と載荷時間の関係
載荷時間が短い供試体は破壊強度が弱く、載荷時 間が長い供試体は破壊強度が強くなる、よって破壊 強度と載荷時間の関係は比例関係にあった。
(4)載荷時間と流速の関係
流速が速くなれば速くなるほど、載荷時間は短く なっていった。この関係は反比例にあった。
流速―最大圧力
流速(m/sec) 1.2
0.8 1.0 1.4 1.6
110
100
90
80 0.6
最大圧力(m)
破壊強度―載荷時間
載荷時間(sec) 0.06
0.02 0.04 0.08 0.1
90
80
70
60 0 破壊強度(2 mm
N)
載荷時間―流速
流速(m/sec) 1.2
0.8 1.0 1.4 1.6
0.08
0.06
0.04
0.02 0.6
載荷時間(sec)
2
N mm
土木学会東北支部技術研究発表会(平成19年度)