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高知県近 世社寺建築 の調 査

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Academic year: 2021

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高知県近 世社寺建築 の調 査

建 造 物 研 究 室 昭 和52 年 度 から 始 ま っ た近 世社 寺 建 築 の緊 急 調 査 は 本年 度 で 4 年 目と な る。 当 研 究 所 は 岡 山 県 ・ 山「コ 県・ 香川 県 に 次い で高 知 県 を 担 当 し た。 事業 主 体 は 高 知 県 教 育 委 員 会 で あ る。 調 査 は まず 県 下 各 市 町 村 教 育 委 員 会 の予 備 調

査 に 基 ず い て , 県 内在 住 の調 査 員 が 一 次 調 査 を 担 当 し , 建 物 の概 況 , 建 立 資 料, 境 内 地 物 の調 査 , 略 配 毀図 の作 成,

写 真 撮 影 等 を 行 な った。 当 研 究 所 は 二

調 査 件 数・棟 数

予 衄丿調 査1 315 417 1 79 1  り4

|    | 次 調 査 204  310 1 52  69 次 調 査  52   7027 1  39̲̲̲二 _ _.̲.̲.   |

256 1 79 j

379 1印

次 調 査 を 担 当 し, 一 次 調 査 表 の 中 か ら79 件109 棟 を 選 んで 現 地 調 査 を 行 な っ た。

土 佐 国 は近 世 を 通じ て 山 内 氏 の支 配下 にあ った が, 初 代藩 主 一 豊 に よ って 社 寺 の統 廃合 が行 な わ れ た こ と に よ っ て, 近 世 宗 教 界 の 大 筋 が 規定 さ れ た。 そ の ため「 長 曾我 部 地 検 帳」( 天正年 問) の 神 社 数 約3000 , 寺 院 数 約2000 に対 し て,「 土 佐 洲 郡志」( 宝永年問)で は 神社 約2700, 寺 院約900 に 減 じ てい る。 こ の よ うに 寺 院 は も と も と少 な か っ た のに 加え て , 明 治 初 年 の廃 仏 毀 釈 が徹 底し て 行 な わ れ, 幕 末 時 の寺 院 数 約600 に 対し て そ の約 8割 が 廃 寺 とな った 。 さ ら に 加 えて , 当 県 は 度重 な る 風 水害 等 の敲 し い 自然 環 境 下 にあ り, 社 寺 建 築 の 保 存 に 大 き な 影 響 を 及 ぼし てい る。 二 次調 査109 棟 の年 代別 内 訳 は17 世 紀 5 徠・18 世 紀20 棟 で 他は19[止紀 に 降 る もの で, 初 期 の も のは ご く 倥 かし か残 さ れて い ない 。

二 代 藩 主 忠 義 の社 寺 建 立 ・ 修築 の事 蹟 は名 鳥 く, 治政 約60 年 間 に120 件 以 上 が 知 ら れ てい る (「山内家史料」)。現 在重 要文 化 財に 指 定 を 受 け てい る県 下 の 近 世 社 寺 建 築 4 棟 はい ず れ も忠 義 の 時 代 に 屈 す る ほ か , 調 査 の結 果 , 忠 義 の 建 立 に な る こ とが 明 ら か で 現 存 す る もの と し て 土 佐 神 社 楼 門( 高知市・寛永8年) と 芳 原 観 音堂( 春叩 し 慶安元年) の 2棟 を 確 認し た。17 世 紀 の 遺 構 と し て は 他 に 土 佐 神 社 西 御 前 社(寛文10年)・ 金 林寺 薬 師 堂( 馬 路村・貞 享4年) があ り, 八 坂 神社 本 殿( 鏡村)は 年 代不 明 な が ら こ の時 期 に属 す る と考 え ら れ る。

神 社 建 築 で は 本 殿51 棟 ・ 拝 殿15 徠 ・ 他 4徠 を 調 査 し た。 本 殿 は 流 造 が多 くを 占 め, 全 県下 に 普 遍的 に分 布 し てい る。 土 佐湾 岸 の平 野 部 で は 入 母 屋 造平 入 ・同 妻入 ・ 春 日 造 が混 在し てい る。17 ・ 18世 紀 に 属 す る 本 殿 はい ず れ も流 造 であ る。 流 造 は19世 紀に も比 較 的 お と なし い 憲 匠 とす る の に対 し て , 他 の本 殿 形 式 で は 組 物 ・ 腰 組 等 を 賑 や か に 作 る 傾 向 が みら れ る。

一 同 社 が 主 流 を 占 め る 当 県 に あ って , 平 野 部 で は三 間 社 が 比 較 的 多 い 点 も特=色 で あ り, 高 知 城 下 を 中 心 と す る平 野 部 で の 造 営 の活 力 を 物 語 っ て い る。 こ のこ と は 仏堂 につ い て も言 え。

−45  −

木 殿 形 式 別 調 査 棟 数 構 造 形 式

流  間 社 悶 社

1 1

二 次調 布

りJ

︲︲ il8 一74 一71

入は1ji瓦f 平 入

一IHjU二 同 社

lり    7 6 j   入母 屋 造i 一 間 社│ 14

妻 入 闘 社1  1

春 日 造 闘 汢 14

そ  の 

1   

203 51

(2)

平野部では 円柱 を用 いた本格 的なものが 多いの に対 して ,山間部 では角柱 を用 いて組物は舟肘 木程 度と し,幵は 一軒疎垂木とする簡素 なものが 多 い。

拝殿は平入が圧倒 的に 多く,吾川郡北部 で妻入が 集中 して いるのは注 目され ,この地域 では 仏堂でも妻 入が多 い。平入の場合は ほとん どが横長の拝殿 後方に幣殿 を接属 した 凸型平 面にな るが ,地域 ごとに特色 がみ られ る 。屋根 は入母 屋造が 主流 で あるが高知市近隣では切妻造 を多 く見 受ける。香 美郡南部 ・南国市では人 ほ隰 造の正面 に発達 した向拝 を設 け縁 を巡 らすな ど一 見仏 堂風の拝殿 と ,桁行 ・梁間ともに全長 に胴差を渡 して中の柱 を管柱とする拝殿とが混在 し ている 。高岡郡 では拝 殿梁間を狭 く採 り,梁行 に虹梁 を架 し,正 背面中央間の柱のみ太 い円柱 を 使 用 している 。幡多郡では総角柱で簡単な 向拝の ついた形 式が 多い。

凸型拝殿 以外 には神楽 川拝殿 と十字形拝殿 とが ある 。神楽用拝殿は吾 川郡北部 に 多く,拝殿 内部 に太 い四天柱 を建 てて神楽 奉納 の場 と し,四周 を牋敷とする 。楽屋 を拝殿 左右 に設 けて平 入 とする 場合 と,後方に設 けて妻 入 とするもの とが ある 。土佐神社拝 殿( 重 文 ・元 亀 2年) の よ うな十字形拝殿 は県下でも希 であ り,小柱吟社( 日高 村 ・安 政 6年) ・若宮八幡 宮( 高 知 市 ・明 治16 年) の 2棟が ある にすぎな い 。  土佐神社 に較べ て屋根 勾配が強 く,左右翼殿が短か いことな ど,

た ちの高 さが強調 され て年代 的隔た りをみせ る o

寺院建築では仏 堂27 棟一 門5悚一 他 4棟を調査 した 。仏堂は和様系がほ とん どで ,他 は禅宗 様 ・方丈形式各 1棟 ,浄土 系 3徠 にす ぎな い。和様 系仏堂は三間堂がほとんどで あり,金剛福 寺本堂( 土佐 清 水 市 一 明治13 年) は 時代は新 しいが ,身舎 ・庇構 成の古式を伝 える大型五問堂と し て重要で ある 。  三間堂では前掲の芳原観 音堂 ・金林寺薬 師堂に次 いで竹林寺虚 空蔵菩薩堂( 高 知 市 ・18 世 紀 初) が 古 く,内外陣の二室構成 を採る 。長 岡郡か ら吾川郡にか けての山間部で流布 したと思われ るもの に二間堂が ある 。正面 は一間または 三間と し,背側 面を二問とするもので 平面は4 nl 四方と 一定 して いる 。畳割に よる平面計画 に基 づ いて発生 した形式か と思われ る 。 仏 堂以外には近世建築は少な く ,札所に代表 され る境内の整 った 寺院 においても明治以降の 建立になるものが 多 いが ,竹林 寺客殿( 高 知 市ぺ91 止 紀 初) ・青黽 寺客殿( 土佐 市 ・嘉永 5年) は規模 も大 きく,寺の沿 革等か らみる と当時と しても屈 指の 客殿 であ った と考 えられる 。

(消 水  真 一) 土佐 神 社 防 門

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