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大深度地下管渠構築への推進工法の適用に関する研究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

大深度地下管渠構築への推進工法の適用に関する研 究

千田, 尚

https://doi.org/10.15017/1441217

出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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論文題名

論 文 要

(ふりがな) I 

氏 名 | 

k三A

せ ん だ た か し 千 田 尚

大深度地下管渠構築への推進工法の適用に関する研究

論 文 内 容 の 要 旨

近年、都市部のインフラ整備が急速に進み、電気、ガス、上下水道等の新たな管渠埋設施工の需 要が増大する一方で、地下浅部には既存の構造物が轄鞍しているため、新たに設置する管渠は既設 の構造物よりもさらに深部に構築せざるを得ない。したがって、管渠構築における大深度(土被り 40m 以深、以下大深度と称する)地下利用の必要性が今後益々高まっていくと考えられる。この大 深度では開削工法は論外で、あり、シールド工法や推進工法を考えざるを得ない。咋今の推進工法に 関しては、長距離・急曲線の施工技術がほぼ確立し、また施工時に使用する継手の水密性が急速に 向上したことから、能力的には大深度での施工も可能となってきている。推進工法は掘削機および 推進管が施工完了まで地山を移動するため、管周辺の摩擦力を低減させる目的でテールボ、イドを形 成させ、その中に滑材が注入される。既にこのテールボイドの形成と維持が推進工法の成否を支配 することは広く認識されている。また、テールボイドの形成に伴い周辺地山が緩む側面もあるため、

大深度施工においては周辺地山の安定性等の解決すべき課題が挙げられている。大深度への推進工 法の今後の適用拡大のためには、テールボイドに関する理論・解析・施工という一連のシステムを 理論体系として構築し、かっ系統的データの蓄積が望まれている。

そこで本研究では、大深度における種々の地山に推進工法を適用した場合の施工に伴う推進力や 周辺地山に対する影響と推進力低減のための滑材の注入効果、さらに施工完了後に注入される充填 材の機能を具備したグラウト注入による地山改良効果等の施工技術の関連性を検証し、大深度施工 による周辺地山への影響の軽減を図るために必要な滑材の機能を併せ持つ充填材の開発ならびに施 工に関わる技術的指針を提示し、推進工法を利用した大深度地下空間掘削施工技術の構築を目的と

した。本研究で得られた結果を各章毎にまとめると以下のようである。

第 l 章は緒論であり、推進工法の概要や変遷について述べるとともに、推進工法の大深度地下利 用への適用に関する課題の抽出ならびに問題点について整理し、本研究の目的を提示した。

第 2 章では、数例の大深度施工実績データをもとに、推進力算定式から得られる推進力と実績デ ータを比較・検討して、大、深度推進におけるテールボイドの状態の検証を行った。この検証から、

強度の大きな自立性地山を施工する場合、テールボイドを適切な形状で形成させ保持できれば大深 度施工が可能であることが判明した。一方、破砕性地山や透水係数の大きな地山では、テーノレボイ

ドが崩壊して推進管と地山が接触すると推進力の急増に伴う施工不能や推進管の破壊が危倶される

(3)

ため、テールボイドを保持する地山改良等の対策を講じなければならないことが明らかとなった。

第 3 章では、種々の地山条件下において大深度推進工法に適用した場合の地山変状の把握をはじめ、

破砕性地山条件下の効果的な施工方法の具体策について数値解析により種々検討した。すなわち、推 進工法における施工の成否は、地山掘削に伴う地山変形量をテールボイド厚以内に抑制できるか否か という判断基準ならびに地山の破砕状態が RQD(RockQ u a l i t y  Designation )に依存するという仮定 に基づき、深度ならびに地山の破砕状態を変化させて三次元数値解析を実施し、得られた地山変形量 により種々検討した。その結果、大深度地山のヤング率は一般に浅部地山のそれと比べて大きいこと から、一旦掘削されたテールボイドに滑材が的確に加圧充填されれば、テールボイドは保持されるこ とや地山がインタクトな状態で、あればテーノレボ、イド圧を作用させなくてもテールボ、イドは保持され、

大深度施工が可能であることが明らかとなった。一方、破砕の程度が大きな地山ほど、推進管と地山 が接触する可能性が増大し施工が困難になり、 RQD が 25 程度の地山では施工できないことが示された。

しかし、このような破砕性地山であってもグラウト注入工法等の地山改良工法を適用し、的確な範囲 の地山改良領域を構築すれば施工が可能であることが分かった。

第4 章では、大深度施工における土被り圧や側圧、推進力の推進管への作用に伴う推進管の破壊リ スクの検討ならびにリスク回避のための方策について三次元数値解析により検討を行った。すなわち、

大深度施工時に推進管と地山が接触する環境下で推進力を作用させた場合の推進管に作用する応力 状態への影響について検討し、大深度における推進管の適応性評価を行った。その結果、施工深度の 増大に伴い推進可能距離が減少し、深度40m の地山に外径3,000mm の推進管を推進した場合、推進距 離20m 程度で、推進管が破壊することが判明した。しかし、推進力の低減効果のある適切な滑材のテー ルボイドへの注入により、推進管に作用する推進力を大幅に低減できれば推進可能距離が大幅に改善

されることも判明した。

第 5 章では、前章までの結果から、大深度推進施工の成否は、推進力の低減効果を有する滑材と破 砕性地山への効果的な地盤改良が可能なグラウト材の効果的な注入等の対策の的確な選定に依存す ることが判明したため、現在用いられている市販の可塑性滑材を対象として、それらの充填材として の可否性を、ゲ、/レタイム、圧縮強度、加圧浸透試験および浸漬試験によって評価を行った。その結果、

テールボイドに土被り圧や曲線推進時に反力等が作用した場合、これらの可塑性滑材は可塑性滑材内 に存在する間隙水が容易に排出され減容化するため、テールボイドを保持する機能が大幅に低下する ことが明確になった。また、可塑性滑材は水との接触による溶出により強度劣化が認められた。これ らの結果は、テールボ、イドの維持が不十分であれば推進力が急増するという事実を裏付けており、こ の解決のためには、新しい充填用滑材、すなわち高流動性、材料不分離性および水密性等の機能を有 する滑材を開発する必要があることが判明した。

これを踏まえて、地山変状の抑制ならびに摩擦低減効果の発揮が見込まれる材料として、薬液注入 工法に用いられる珪酸ソーダ、フライアッシュおよびベントナイトを主体とした滑材機能を有する充 填材を開発し、この開発充填材と既存の充填材について物性実験を行い、大深度施工の充填材に求め られる機能への対応性について種々検討した。その結果、今回開発した新規の充填材は、既存の充填 材の問題点を改善し、滑材としての機能を具備した充填材であることが認められた。この新規充填材 は、珪酸ソーダ濃度の配合や注入条件によって様々な地山条件に対して適用することができるため、

これを用いることで破砕性地山であっても大深度推進施工が可能になることを示した。

第 6 章は結論であり、本研究の成果を整理して総括した。

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