目標金額 5,000,000円
プロジェクトオーナー:福岡県宗像市
豊かな海の恵みを取り戻す
海の鎮守の森事業(藻場の再生)を応援してください
福岡県宗像市は、北九州市と福岡市の両政令指定都市の中間に位置し、農業や漁業といった第一 次産業が盛んなまちです。特に水産業では2つの離島を含め、4つの漁港を有し、年間を通じて様々 な水産物が水揚げされ、特に天然トラフグやマアジ、ヤリイカは有名です。また、日本海側の海女の発 祥地とも言われ古くから豊かな海の恩恵を受けていました。 しかし、近年では海水温の上昇などさまざまな要因により、海の森林ともいえる大切な藻場が消滅し つつあります。 折しも、平成29年10月に「第37回全国豊かな海づくり大会」が宗像市で開催されます。全国豊かな 海づくり大会は、例年、天皇皇后両陛下ご臨席のもと開催される国民的行事で、水産資源の保護・管 理と、海や河川の環境保全を通して、漁業の振興と発展を図ることを目的としております。 宗像市もこれまで、稚魚の放流など水産資源の保護に取り組んできましたが、海の中にある藻場を 再生することで、自然の持つ力を回復させ、豊かな海を取り戻していきたいと考えています。是非とも 海の鎮守の森事業(藻場の再生)の応援をよろしくお願いいたします。2017年7月、
世界遺産登録へ
古代、日本と朝鮮半島を往来する際に目 印となった沖ノ島。命がけの航海の中、こ の島に神を感じ、ヤマト王権は大陸への水 先案内を担った古代豪族宗像氏とともに4 世紀後半から9世紀末にかけて、航海の 安全と交流の成功を祈りました。その神へ の祈りは古事記・日本書紀に記される宗像 三女神を生み、宗像三女神信仰として今 に引き継がれています。 宗像市は、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関 連遺産群」の2017年7月の世界遺産登 録を目指しています。 むなかた《みあれ祭》
《ワカメ漁》
三角縁神獣鏡 神宿る島・沖ノ島 金製指輪 半岩陰・半露天祭祀 宗像大社沖津宮※募集イメージ
藻場の重要性
○魚の生活の場としての藻場
藻場に住む魚たちは、幼稚魚期だけを過ごす種類、一生をその場所で生活する種類、定期的または不定期に利用 する魚など種類は様々です。藻場は、波や海流の流れを緩やかにするため、泳ぐ力の弱い幼稚魚にとっては格好の 生活の場となっています。また、大型の魚などから身を隠す隠れ家ともなっています。○産卵場所としての藻場
藻場は、魚の産卵場所としての役割を果たしています。普段は沖合や水深の深い場所に住んでいる魚も、卵を産む 季節になると、海岸付近の藻場に産卵のために集まってきます。しかし、磯焼けの進行により、魚の産卵場所である藻 場が壊滅していた場合、海岸に近づいて産卵しても藻場がなければ卵は海藻に付着することが出来ず、小魚に食べら れたり、海岸に打ち上げられ死んでしまいます。卵が孵化しなければ、新しい生命は誕生せず、魚の数が減ってしまう ことになります。○酸素の供給と水質浄化
藻場に生息する海藻は、海水中に溶けている窒素やリンを吸収し、光合成を行うことで成長するとともに、魚が生き ていく上で必要な酸素を大量に供給しています。窒素やリンを吸収することで、海水中の栄養分が増えすぎるのを防 止すると同時に、海水の透明度を高め、効率的に光合成ができる環境を維持しています。藻場の面積が減尐すると、 海水中の栄養分が増えてしまい、赤潮などが発生しやすくなる状態となります。○食物連鎖のバランスを保つ
陸上、海中にかかわらず、生物はほかの生物を食べたり、食べられたりする関係でつながっています。海藻はそれ 自体が、アワビやサザエなどの貝類をはじめとするエサになるほか、海藻の表面に付着した小さな藻や微生物は、小 型のエビなど甲殻類のエサとなります。また、それを捕食するために小魚が集まり、小魚を捕食する魚も集まるといっ たように、食物連鎖でつながっています。 もし、藻場が消滅してしまうと、食物連鎖のバランスが崩れてしまい、これま での豊かな海が維持できなくなる可能性もあります。陸地にある森林は、二酸化炭素を吸収し酸素を供給したり、動植物の生息場所であったりと重要
な役割を果たしていますが、実は、同じように海の中にある藻場も重要な役割を果たしています。
藻場は海中の森林とも呼ばれますが、海水面より深い場所にあり私たちが直接目にする機会は
少なく、その重要性は見過ごされがちです。海の環境を保護する上で、藻場はとても大切な役割を
担っており、豊かな海を守るためには、藻場を再生する取り組みが必要となります。
このプロジェクトの概要
最近、日本各地の海岸で「磯焼け」という現象が起きていて、重大な環境問題になっている事をご存知でしょうか。磯 焼けとは、コンブやわかめ、その他多くの種類の海藻が減尐して、海底が砂漠のような状態になってしまうことです。海 藻が群生する藻場は魚類の生活の場や産卵場所であったり、光合成により酸素を生産したりと、重要な役割を果たし ています。 本市では、豊かな海を取り戻すために、平成24年度から平成26年度までの3年間、3,000㎡の海底へ投石などを 行い海藻が回復しやすい環境を整え、藻場の再生に力を入れてきました。平成27年度に海底のモニタリング調査を 行ったところ、徐々に海藻が定着しアワビやサザエ等の育成が確認でき、着実に豊かな海を取り戻しつつあります。 しかし、これまで整備できた面積は、広大な海に比べれば微々たる広さです。豊かな海を取り戻す海の鎮守の森事業 (藻場の再生)を実施するための費用の一部をみなさまからの寄附で賄いたいと考えています。 みなさまのご協力をお願いいたします。・自然石等の投入直後 海の中を環境を変えるために、海底に自然石や牡蠣殻を ベースにした基材の「貝藻くん」を投入しました。 投入する場合には、事前に場所を調査し、光合成しやす い太陽光線が届く深さ、海流の流れ、海水温度、海域での 海藻の種類など様々な条件を調査し、実施しています。
藻場の再生の様子
・磯焼けの状況 海藻が育たず、海の中の砂漠のような状態になったもの を「磯焼け」と呼びます。海水温の上昇やウニなどの藻食 動物の増大、生活排水の流入に伴う汚濁など複合的な原 因によりこの磯焼けが発生すると言われており、海域に よって磯焼けが発生するメカニズムは様々です。 宗像市の沿岸部においても、この磯焼けが拡大傾向に あることが確認されています。 ・藻が定着しはじめた様子(3か月後) 自然石や「貝藻くん」の投入後、3か月目には周辺に 小型の藻が徐々に定着してきました。 牡蠣殻を利用することにより、貝藻くん表面には複雑 で小さな凸凹ができます。この形状により、海中を浮遊 する海藻の種を受ける面積が増え、さらに生えた海藻 はしっかり根を張ることができるので流失しにくくなりま す。 ・藻が定着した様子(1年目) 1年目になると、ホンダワラと呼ばれる藻類が定着す るとともに、「貝藻くん」周辺の岩にも着実に藻類が繁殖 し、藻場が回復している様子がわかります。 こうした海藻が長い年月をかけて定着していくことで、 磯焼けが発生した海底が徐々に本来の藻場へと回復し ていきます。宗像市の藻場再生の取り組みと成果
豊かな海を取り戻す取り組み
・稚魚の放流 水産資源の枯渇を防ぐために、稚魚の放流にも取り組ん でいます。 平成27年度には、トラフグ47万6千尾、アマダイ3千尾、 アラカブ3千尾を放流し、海の資源回復に取り組みました。 ・稚貝の放流 稚魚の放流に加えて、アワビの稚貝の放流にも取り組 んでいます。平成27年度には18万個の放流を行いまし た。 1cmほどのアワビ稚貝を大島(離島)にあるアワビ中間 育成施設において、生存率が高まる約3cmの大きさまで 育て、海士が海に潜って成長しやすい場所に直接放流を しています。 3cmで放流されたアワビは、3年の月日をかけて約10c mまで成長します。宗像市では、藻場再生の取り組みだけでなく、豊かな海を取り戻す活動を行っています。
・第37回全国豊かな海づくり大会 平成29年10月28日(土)・29日(日)に「第37回全国豊かな 海づくり大会 福岡大会」が宗像市をメーン会場に開催さ れます。この大会は、水産資源の保護・管理と、海や河川 の環境保全の大切さを広く知ってもらうとともに、漁業の 振興と発展を図ることを目的に、例年、天皇皇后両陛下 の御臨席のもと開催されている国民的行事です。 ・宗像国際環境100人会議 「宗像国際環境100人会議」は、海の環境をメーンテー マに世界の各分野で活躍するリーダーや、学識経験者が 集まり、地球環境について解決策を協議するフォーラムで す。会議には、中・高・大学生たちも参加し、次世代の国際 人の育成にも貢献しています。 平成28年は、福岡県立水産高校の生徒指導の下、中高 生や社会人が森林荒廃の原因となっている竹を切り出して、 竹漁礁を作成し海に沈めるフィールドワークなどを実施し ました。・陶管の投入 陶器でできた管(陶管)を漁師の協力を得て、3つを一組 として海に投入しています。 海に投入された陶管は、稚魚や小型の魚の隠れ場所と なります。また、フジツボなどが陶管に付着すると、それを エサとする魚も集まります。 ・食害生物駆除 海藻を食い荒らす食害生物のひとつであるガンガゼ の駆除を行っています。ガンガゼはウニの種類の一つ ですが、長いトゲは細くて鋭く、簡単に人の皮膚に突き 刺さるため、捕獲が困難で商品化に向いていないウニ です。 ガンガゼが増えすぎると、藻場にある海藻を食い荒ら してしまい、磯焼けが進行していきます。そのため、海 士が定期的に海底に潜り、ガンガゼが増えすぎないよう バランスを図りながら駆除に取り組んでいます。