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中国外国人労働者の社会保険義務付け問題 いま中国駐在員の世界で話題になっている社会保険への加入義務づけ問題 今回は 日本の制度との比較なども交えながら 考察を進めることに まず社会保険制度に入る前に 中国の外国人就業について 簡単に整理したい 外国人の就労については 労働法に規

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Vol. 23

2011.10.31

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掲載記事は、駐上海北九州市経済事務所が入手した情報に基づき、独自の見解を加えたもの であり、事実と若干異なる記述がある場合があります。 日々の業務を通した所感・雑感のようなものですので、予めご了承ください。 本文は、(社)北九州貿易協会のHP(http://www.kfta.or.jp)にも掲載されます。

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中国 外国人労働者の社会保険義務付け問題

外国人労働者の社会保険義務付け問題

外国人労働者の社会保険義務付け問題

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2011-10-12 いま中国駐在員の世界で話題になっている社会保険への加入義務づけ問題。 今回は、日本の制度との比較なども交えながら、考察を進めることに。 まず社会保険制度に入る前に、中国の外国人就業について、簡単に整理したい。 外国人の就労については、労働法に規定されているが、その手続きたるや、非常に煩雑。 就業許可証の取得し就業ビザを申請した上で入国、就業許可証の発行を受けた上で、よう やく居留許可が行われるという手順。 ざっと考えて、2 ヶ月前後はかかる(関係先が多い上、作業日数が長いので)。 こんなに煩雑な手続きにもかかわらず、外国人就労者は増え続けており、この 5 年間で 18 万人から 23 万人超へ 5 万人以上の増加となっている。 中国の経済成長、おそるべし。。。 次に、中国の社会保険制度の変遷を簡単に整理したい。 ご存知のとおり、中国は社会主義の国(いまでは???ですが)。 改革開放前は国有企業ばかりだったこともあって、「費用と待遇は国が規定し、企業と国の 財政により負担」という企業保険のような枠組みだった。 これが改革開放の波を受けて、徐々に「企業と従業員の双方が納付し、国が一定の補助を 与える」という社会保険のスタイルへと変貌。 今回の社会保険法の成立は、中国政府の立場から考えると「社会保険制度の完備」を意味 する。 では、その社会保障体制ってどうなっているのか? 今回は、社会保険に絞って、簡単に紹介したい。 中国の社会保険には、養老保険(日本の年金に当たる)、失業保険、医療保険、労災保険、 生育保険(日本の産休・育休に当たる)の 5 種類。 これを「五金」と呼び、前者 3 種は個人負担を伴うため「三金」と呼ばれる。 外国人労働者には、この五金への加入が義務付けられるというのだ。 頭でイメージしただけで、結構な金額になりそうだということが分かる。 日本の駐在員の場合、本社に雇用されたままの状態であれば、当然ながら医療保険や厚生 年金に加入したままなので、いわゆる二重加入ということになる。

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国際的には両国間で協定を締結し、その範囲内で二重加入を回避するという手法がとられ るが、日本と中国は予備協議の段階で、正式な締結は 2015 年ごろではないか・・・との 見方が支配的だ。 コレだけ聞くと「やっぱり中国はヒドイ」と感じる人も多そうだが、実際はそうではない。 現況、両国間で協定が締結されていないので、日本に在留する中国人は皆、社会保険の加 入を義務づけられているわけで、中国側は「同じように負担してもらうだけ」とのスタン スだろう。 勿論、日本の社会保険制度には脱退制度が整備されているので、年金支給が受けられない 外国人にも配慮した制度設計が為されているのは注記しておきたい。 さて、この問題、一番の関心事は「どのくらいの負担になるのか?」に尽きるだろう。 (ここからは、現地法律事務所からの情報を総合したもの) まず、社会保険の計算方式を簡単に説明する必要があるだろう(上海市の事例)。 納付額の算定に当たっては、納付基数と納付比率を用いる。 納付基数は、前年度の本人の平均月間賃金となるが、これには上限と下限が設定されてい る。上限は、上海市全体の従業員の平均月間賃金×300%(2010 年:11,688 元)、下 限は、 上海市全体の従業員の平均月間賃金×60%(2010 年:2,388 元)。 大多数の在中国日本人労働者は、諸手当を含むとこの上限を下回って働いているとは考え にくいので、ほとんどの駐在員がこの上限いっぱいの数値(11,688 元)ということにな る。 納付比率は、五金(養老、医療、労災、失業、生育)ごとに、企業負担・個人負担の割合 が決まっている。 個別に紹介すると、養老保険は企業:22%、個人:8%、医療保険は企業:12%、個人: 2%、労災は企業のみ:0.5%、失業は企業:1.7%、個人:1%、生育は企業のみ:1.7% といった具合。 総括すると、企業負担:37%、個人負担:11%という割合になる。 納付額の計算式はシンプルで、納付基数×納付比率。 これを上限~下限の範囲内で決めるわけだが、前述のとおり、ほとんどの駐在員の平均賃 金が上限を超えているため、必然的に以下の金額が導き出される。 ■企業負担 11,688 元×37%=4,324.6 元

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■個人負担 11,688 元×11%=1,285.7 元 駐在員の場合、日本での医療保険・厚生年金の個人負担を継続していることが多いため、 駐在に当たって更に個人負担を求めることは難しいだろう。 よって、この個人負担分も含めて企業が負担する必要が出てくると考えると、実質的な企 業負担は、4,324.6 元+1,285.7 元≒5,520 元(約 66,500 円)となる。 年間にすると、1人当たり:約 80 万円のコストアップといったところ。 しかも、この規定は 2011 年 7 月 1 日に遡って適用されることになっている(いつの間 に・・・)。 にもかかわらず、ようやく内容が判明してきたような状況で、しかも上海市は 6 月 28 日 付のプレスリリースで「国家の法規が公表されるまで、上海市は現行規定に基づき、外国 籍者への社会保険加入を強制せず、国家の関連法規公表後、改めて調整する見通し」と発 表しており、その後は具体的な動きを見せていない。 うーん、いかにも中国らしい。。。 もっとも、前述のとおり遡及適用と規定されているので、当局としては何ら焦る必要もな いわけで・・・。 ちなみに、この加入義務付け、当然ながら日本だけの問題ではないので、かなりの国に波 及しているらしい。相当な数の企業が影響を受けますからね。 ただ、上海市の社会保険は日本同様、結構苦しい台所事情のようだ。 中国は戸籍を自由に動かせないため、上海市の社会保険の加入者は 2,300 万人と言われる 都市人口よりかなり少なくなる。 加えて、最も早く都市化が進んだこともあって、高齢化率も 15%を超えており、先進国波 の状況になっていると言っていい。 これに加えて、社会保険制度が十分に整備されていなかったこともあって、基金自体がか なりヤバイ状態になっているとの話も聞かれる。 ちなみに、この義務づけによる年間増収効果は 50 億元(約 620 億円)超とのこと。 いろいろ考えると、導入しようとするのも分からないでもないが。。。 もっとも、上海市の場合は上限を設定しているだけマシなようで、大連市など一部の都市 では 300%という上限自体を撤廃しているため、そのまま適用するととんでもない金額を 負担する必要が出てくるようだ。

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それだけに、今後の推移を注意深くウォッチする必要があるだろう。 このように、上海市の場合は1人当たり約 80 万円の負担増となりそうだが、果たして加入 による効果は享受できるのか・・・? これは、残念ながらあまり期待できそうにない。 今回、加入が義務づけられる「五金」のうち、労災、雇用、生育は突発的な要因に基づく 給付なので、やはり関心が高い養老(年金)と医療のふたつに絞って考察を進めたい。 まず、養老保険。 年金受給資格は 15 年と、日本の 25 年と比べると非常に短い。 が、駐在員で 15 年も在住する人は極めて少ないと言えるので、受給資格を得る日本人はご く僅かということになる。 というか、これだけ長期にわたって保険料を払い続ける日本人は、もはや中国在住と言っ ていい人たちでしょうね。中国で税金もかなりの金額を納付することにもなるでしょうか ら、当然ながら年金を受給すべきです! ただ、どのくらいの金額を受給できるか・・・疑問が残りますが。 次に、医療保険。 保険の目的は、医療費の積立・一部負担だが、保険適用は中国基準となっており、外国人 が受診する内容では対象外となることもあるようだ。 しかも、駐在員の場合、多くが日系保険会社の海外旅行傷害保険(駐在員型)に加入して おり、よほどの傷病でない限り日本人向け医療機関で受診するケースがほとんど。 加えて、上記の民間型保険に加入していなくても、後払いでよければ日本の公的医療保険 も適用対象(全てが認められるわけではないが)。 日本人が純粋な現地医療機関で受診することは極めて稀なので、これも加入による効果薄 と言わざるを得ない。 ちなみに、日本の社会保険は国籍無関係なので、そもそも今回のような問題自体が発生す る仕組みになっていない。必然的に、外国人を不当に扱っているとの批判を受けることも ないわけで・・・。 しかも、日本の社会保険には脱退制度が設けられている。 中国も「個人口座」の残額分を返金する仕組みになっているようなので、この「個人口座」 について理解を深める必要がある。 日本と中国の社会保険の決定的な違いは、対象範囲。

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中国では「加入している個人」しか給付対象にならないが、日本では「加入者の家族」に まで対象範囲が及ぶのが大きな違いだ。 よって、高齢者やこどもに関しては、福祉の領域で給付が行われる仕組みとなっているよ うだ。 確かにこういった事情であれば、中国で共働きが多いというのも納得できる。 女性が働かなかった場合、社会保険をどうするのか?という問題が起こりうるからだ。 また、中国の街中を歩いていると、日本よりも薬局が多いように感じる。 一般的に、日本人はちょっとした風邪でも病院で受診するケースが多いが、中国人は薬局 で薬を買って済ませるケースが多い。 これは、何だかんだ言っても、日本の医療保険制度が「財布にやさしい仕組み」になって いる裏返しと言えるだろう。 まとめになるが、今回の加入義務づけに対して、どのように対処すべきなのか? まずは、中国国内の規定を注意深くウォッチすること。 加入に関しては、今回義務づけられたわけだし、罰則規定も設けられているので、近い将 来の加入に向けて資金的な部分も含めて準備を進めておく必要がある。 なお、進出規模が小規模なので、駐在ではなく短期派遣の繰り返しを選択するという対処 法もあるが、この場合は将来的にビザが厳格化される危険性があることを十分に認識して おくことが必要だろう。 いろいろ考えていくと、長期的にはかなりの部分で現地化を進め、日本人駐在員を極力減 らしていくという努力が求められることになろう。 あとは、日本政府の協定締結に期待しつつ。。。 その後、中国政府は 11 月から就業外国人を対象に保険料の徴収を開始することを決定した と発表。 当然ながら日本企業の駐在員も対象となるが、気になるのは保険料率、つまり一体いくら の負担になるのかということ。 この点に関して、報道では「北京市での保険料率は従業員が中国内で得た収入の約4割」 と言われている。 ここで、2つの疑問が生じる。 ひとつは、「北京市での・・・」となっており、地方ごとに規定が違う可能性があること。 二つ目は、「中国内で得た収入」というのが、具体的に何を意味するのか?ということ。

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地方ごとに扱いが異なる可能性については、以前のレポートでも言及したとおりなので、 あとは波及範囲の大きさを考慮して、中央政府が統一的な見解を示すかどうかが注目され る。 問題は 2 つ目の「中国内で得た収入」の意味で、狭義に捉えると「中国内において人民元 で得た労働の対価」と考えられるが、広義に捉えると「中国内で受けた労働の対価」とも 考えられるからだ。 勿論、後者となった場合、ほぼ全ての駐在員が影響を被ることになり、国全体で考えると 相当な規模の負担増となる。 この問題については、政府関係者の交渉による続報が待たれるところであり、日本企業担 当者もその行方を注視する必要がある。 ちなみに、日本側は保険料の二重払いが回避できる社会保険協定の締結に向けた交渉を開 始しており、今回の措置に関しては「投資環境の激変」を理由に協定締結までの免除を申 し入れたが拒否されたとのこと。 ま、これは他国も同じ事情なので、仕方ないでしょうね。 ただ、この協定締結も簡単に進みそうな感じがしないので、数年は負担増になることを覚 悟したほうがいいだろう。

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