Title
し尿浄化そう実態調査
Author(s)
喜納, 政修
Citation
琉球大学理工学部紀要. 工学篇 = Bulletin of Science &
Engineering Division, University of the Ryukyus.
Engineering(14): 223-227
Issue Date
1977-09-30
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12000/26976
し 尿 浄 化 そ う 実 態 調 査
喜
納
政
l
f
多$
1
. はしがき
このような法改正のもとに,改正以前に設置された
し尿浄化そうの実態を把握することは,改正後,波流
建築基準法施行令
32条(以下,とくにことわらない
水は改善されるであろうか,また,どのように推移し
限り,建築基準法を法という)の改正が昭和
44年に行
ていくであろうかを推察する上からも重要なことであ
われて以来,
10年余たった
。
こ
の改正て
1し尿浄化そ
ろう。すなわち,建築基準法および清掃法で示されて
うの構造およびその機能が大巾に従来と変
っ
た
。
500いる放流水の水
質基準を維持で
きるかどうか,今後の
人以下(単独処理)の場合,その構造は従来の腐敗タ
大きな果題の
lつであろう。
ンク方式に,ばっ気方式がとり入れられ,
1次処理 3
河海汚濁負荷の原因の主なものは,工場廃水,畜舎
形式
2次処理
4形式の組合せとなり,合計
12形式,
廃水必よび家庭
排水の
3つであるが.そのうち最も大
その他に
2形式加わり結局
14形式となっている。すな
な割合をしめているのが工場廃水でなく家庭廃水であ
わち
1次処理装置として多室形
2階タンク形,変
るということが,大工場のない沖縄の特徴である
。
家
形
2階タンク形の
3種類
2次処理装置として散水両i
庭排水の
BODi原の主なものはし尿であるから.浄化そ
床形,平面酸化形,単純ばぅ気形,
.i也下砂
T戸過形の
4うの
果さなければならない役割は大
き
"
0
種類である。その放流水の水質は
BOD90PPm以下,
以上の観点から,法改正以前のし尿浄化そうの笑態
その除去率は
65%以上となっている
。
また,し尿と雑
調査をしたので試料として
報
告する
。
排水とを合併して処理する合併処理の浄化そうとして
( 501-2000人用),散水
ijo床方式,高速散水i
l
'床法式
2.調査結果
長時間ばっ気方式.循環水路ばっ気方式の
4方式が基
準となっている。その放流水水質は
BOD60ppm以下,
調査は昭和
42,
43年の
2年間にわたって行,
" 調 査
その除去
*Ino%
以上である。
対象を質的に同ーのものに限る意味から,住宅のみと
また
2000人以上用として,長時間ば
っ
き方式,標準
し,それと質的に多少異る
学校,病院その他事業場等
活性汚泥方式.分注ばっ気方式,汚泥再ばっ気方式,
は対象から除外した。更に住宅をアノ
マ
ート等の集団住
循環水路ばっ欠方式,標準散水炉床方式の
6方式が基
宅と個人
住宅とを一応わけた
。
.$とな
っ
た。これらの場合は,放流水水質は
BOD30調査区域は那覇市全域を対象とした
。
調査,採水点
ppm以下,
BOD除 去 率
85%以上でなければならない
が
l地域に集中しないよう配慮した
。
調査方法として
(
以上,第
32条,法第
31条第
2項
)
。
は
,まず,
余備的調査として現場調査を行し、その結
さらに,清掃法施行規則第
10条に.し尿浄化そ
う
の
果に基いて,採
水筒所を
選
定し,次に,予め定められ
維持管理基準が定められており.その中でし尿浄化そ
た筒所から採水し水質分析を行うという方法をとった
。
うの放流水の水質は処
理対象人
員
100人以下
の場合,
現場調査は,
し尿浄化そうの位置確認
.構造.
設置年
BODが
90ppm以下,
101人から
500人
の
場
合
,
60ppm月日,維持管理状況,サンプリングが可能かどうか等
以下,
501人以上の場合
30ppm以下となっている
。
こ
について行
っ
た。結果を表
1 (a),
(b)に
示
す
。
のことは精造基準よりも維持管理基準の方が多少厳し
同表で
(
a
)
は集団
住宅,
(b)は個別住宅である
。
くなっていることを示すものであり,多少の矛盾があ
水質分析結果は表
ー
2(a),
(b)に示す。
るように思われる。
まず,現場調査結果を慨観してみよう
。
浄化そうの
構造は集団住宅,個別住宅いずれの場合も多室形腐敗
受付:
1977年
4月
30日
タンクと
散水炉床による酸化そうを組合せたも
のが多
勺武球大学理工学部土木工学科
かった
。
224 し尿浄化そう実態調査 表 1 (a) 現場調査結果(集団住宅) 表ー1(b) 現場調査結果(例別住宅) 使 用 元 成 雑用水 殺菌剤 i)1材洗 採水点 所有地 人 民 年 月 流有入無の 添加の じ有よう 有 無 の 無 l 宇栄原 550 42. 3 包託 有 担 2 若 狭 100 31・10 鉦 色託 匝 3 安 謝 臥) 36・6 組 有 無 4 東 町 100 41・5 担 有 11 5
i
土a
r
r
100 41・11 主を 手T
有 6 樋 川 172 41・11 値 無 金正 7 松 川 臨 臨 組 8 大 道 135 37・10 且 盤 有 9 二中前 25 42・3 担 皿 匝 10 下泉町 20 42. 3 担 主亙 組 11 回 原 80 40・5 臨 匝 初E 12 査 屋 135 40・11 皿 有 イi
13 査 屋 30 42・9 相 臨 無 14 大 道 50 41・11 担 主豆 15 識 名 325 39・5 担 有 無 16 守 儀 80 40・10 無 無 右 17 5 儀 50 42・3 主廷 有 匝 18 古波蔵 30 鉦 量Eと 且 19 前 品 20 担 担 担 20 高 僑 85 38・11 担 有 量盛 集団住宅の場合,使用人員は20- 550名であり,こ れには小きな個人経営のアノぐートから市営アパートま で含まれる。個別住宅の場合は,人員は3
-10名であ る。集団および個別住宅を一括して概観してみると, 調査時点現在で完成して1- 3
年間経たものが1
番多 いが,なかには完成後10年を経過したものもある。次 に 浄 化 そ う に 雑 廃 水 が 流 入 す る も の は 全 く な し す べ てが単独処理方式であった。殺菌剤の添加は個別住宅 では29箇所中皆無であったが,集団住宅では19箇所中 わずかに 7箇所は行われていた。 J戸材洗じようも集団 住宅のみに,わずかに6
箇所行われていた。このよう にわすず主カか通に集団住宅て 市営アパ一トカが、調査対象に含れており'ここでは一応 維持管理を行っているためである。次に,腐敗タンク 第1
室,第2
室には多量のスカムが発生しており (50 -100cm ),これがBODを 除 去 し え な い 原 因 の1つで あるように思われる。 使 用 完 成 雑用水 殺附剤 I11村洗 採水官 所抗地 人 民 年)
J
イ流f入の 添有加の無 七有ょ,
f無 の 無 桃 原 5 1 41・3 匝 臨 無 2 寒 川 61 42・l 皿 匝 匝 3 平 l"< 6 1 42・10 色任 無 主張 4 出:,;j 山 91 41・9 植 主任 担E 5 干:出 51 42・9 掴 無 卸E 6 高 良 71 42・11 無 包巨 色長 7 小 禄 101 41・12 無 恒 匝 8 j:栄原 71 41・11 無 主正 蛙 9 具止、 51 42・12 担 無 担 10 識 名 61 42. 9 担 無 担 11 大 道 91 41・9 臨 無 鉦 12 与 f晶 71 41・10 担 担 担 13 松 川 41 33・3 担 担 担 14 大 道 101 42・5 匝 担 匝 15 安 守1 10 41・8 知E 主延 瞳 16 安 里 71 37・9 毎E 無 無 17 寄 百I
31 43・6 極 極 鉦 18 寄H
4 1 42・4 匝 無 蛙 19 古波j輩 31 43・2 無 無 無 20 凶本町 51 43・7 匝 蛙 臨 21 久 米 71 43・7 匝 匝 世 22 ィ白 71 42・1 包托 無 無 23 前 砧 10 40・5 無 匝 匝 24 若 狭 71 42・3 塩 皿 無 25 高 橋 10 41・1 担 鉦 量 26 前 品 71 40・6 無 担 担 27 上 泉 61 38・8 量 蛙 担 28 上 泉 81 39・9 量 臨 匝 29 安 謝 51 41・11 無 担 無 次に水質分析結果について考察してみよう。色相は, 全般的にどのサンプルの場合も, し尿特有の賞味がか すかについており,濁っているというよりは,むしろ, 透 明 に 近 か っ た 。 臭 気 は か な り 強 し 例 外 な く し 尿 特 有のし尿臭を示した。分析項目については,いつれの 項目の場合もかなりのバラツキがある。その原因は水 質水量の時間変動,サンプリングの方法の違し¥ある いは分析誤差等も考えられるが,基本的には個々の浄表 一
2
(
a
)
水質分析結果(集団住宅)
f
五
採 水 天 候 、1主且 水温 色 相 残留 水 年 月 日 トー「一I
孟素 臭 ノメL Ilj 時 前日 当日 (OC) (OC) (外観) ( ppn) 42・9 ・5 1 1 '.13: 00 自日 日高 31 28 賞か勺色 。 強し尿臭 42・9 ・11 2 1 '.15:
ω
H青 日青 31 28 ゼ1i
目 色 。 中し尿臭 42・9. 14 31'.15:00 ~n ~Ií 30 27黄かっ色 。 強しほ呉 42・9 ・20 H青 30 28黄かっ色 。 強し尿央 41'.16:00 雨 42・9 ・21 υ に 16: 00 青日 青日 28 24 淡 黄 色 。 強し尿臭 42・9 ・28 6 1 '.11 : 00 H青 日青 26 24 (J濁色 。 弱し尿臭 42・10・10 7 1 ,.15':~ 00 H青 時 29 26 自 溺 色 。中LhJi央 842:10.12 15: 00 H青 日青 29 26 白 濁 色 。 中し尿臭 42・11・l 9 1 '.15':'00 H青 日青 25 22 淡 黄 色 。 強し尿臭 42・11・2 101 '.15':'00 H青 晴 25 22 淡 黄 色 。 強し尿呉 42・11・9 11 1 '.16':'00 日青 青日 25 23 E'l濁色 。 中し尿奥 1242・11・22晴 日古 22 20淡 黄 色 。 中し尿臭 15: 00 1342・11・29日青 晴 24 21 貨か勺色 。 強し尿臭 15:
ω
42・12・6 H青 24 21 淡 黄 色 。 強し尿臭 141'"15:00 同3
42・12・7 101 '"15':"00 晴 時 19 20黄かっ色 。 強し尿呉 42・12・13 161 '"15':"00 時 H青 18 16 ド1i
l
i
i
色 。 中し尿央 42・12・14 17 1 '.16 ':.00 H青 H青 18 16黄かっ色 。 強し尿臭 42・12・17 181 '.14':α) 晴 H青 19 16 黄かっ色 。 強し尿臭 43・1・6 191 >"14: 00 青日 青日 24 21 1長かっ色 。 強し尿臭 2043・1・7 青日 管Z4j、 19 17 淡 黄 色 。 強し尿臭 15: 00 」ー・-'--化そうの機能,効率の差によるものであろう。たとえ
ば,集団住宅の採水点
2,
11,個別住宅の
21等は
SS,
BODともに低い値を示している。しかし
1つ の 浄
化そうでも各項目の値が一様でない場合も多い。
主な項目の平均値は,次のようになる。集団住宅,
個別住宅,両者の平均値の順に挙げると,蒸発残留物
が
773.1,
822.0,
802.6 ppm,溶解性物質が
691.7,
702.7,
蒸 発 溶解性s
s
00 BOO t瓦 素 流入水 PH 残留物 物 質 必要量 BOO (ppm) (即m) (卯m) (ppm) (ppm) (ppm) (ppm) 7.6 953 840 113 。 850 18.3 4073 7.2 647 627 20 。 561 5.7 3323 7.6 620 560 60 。 684 2.1 5630 ι2 3627 3553 74 。 907 16.5 5854 7.4 720 667 53 。 734 3.3 4045 7.6 760 673 87 2.8 1100 1.0 5108 7.4 640 540 100 。 976 2.4 5460 7.4 313 607 106 。 716 3.4 3077 7.4 847 753 94 。 567 12.9 1899 7.6 800 713 87 。 555 5.7 1703 7.4 580 560 20 。 245 7.0 3419 8.0 1033 980 53 。 251 3.7 1375 8.0 1287 1173 114 。 956 10.9 5281 7.4 740 673 67 。 707 0.9 5941 7.8 493 447 46 。 1038 1.2 7139 I 7.6 593 540 53 2.6 559 3.1 3010 7.6 800 740 60 。 589 8.7 395:1 7.6 860 707 153 。 836 2.2 3569 7.8 830 653 177 。 706 9.5 5169 7.6 4180 3660 520 。 668 9.9 3676 698.3ppm,
SSカ{80.9,
119.3,
104.0ppm,
BODカぜ 710.3,
697.2,
702.4ppm, 塩 素 必 要 量 が
6.4,
13.5.1
0
.
7となる。これを見ると集団住宅と個別住宅とでは.
その平均値においては,あまり差がない。例外的に塩
素必要最は差が大きい。したがって,集団住宅と個別
住宅との聞に放流水の水質には殆んど差がないという
ことができょう。各項目の平均値は極めて高い値を示
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