バリューチェーン解体からリ・バンドリング経営へ
著者 冨田 健司
雑誌名 静岡大学経済研究センター研究叢書
巻 2
ページ 9‑39
発行年 2004‑02‑27
出版者 静岡大学経済研究センター
URL http://doi.org/10.14945/00008584
バ リ:ユ‐チエニン解体からり・バンドリング経営ぺ
i
l
冨田健司
`‐ ‐ 「I:はじめ に 1 ‐
かつて多くの企業は研究開発,製造,販売などの業務を自社内に保有 し,全ての業務を自社 で手掛けることで,付加価値を内部化 していた。垂直統合型の経営資源を持うこと,つま リバ
リュ早チェーン (価値連鎖)を持つことが利益の源泉であつたため,M歓 が活発化 し,企業 規模は巨大化 していつた。 │ ‐ .
しかし,業界構造の変化により,これ らの企業が持つバ リューチェーンは解体されてきてい る:たとえば研究開発だけに特化 したり,ある部品のみを作った り,またアフタ‐サービスだ けを専門に行なう業者が現れた。こうした専門業者の製品 (部品)やサービスの質が高い力、
あるいは価格が安ければ,顧客にとつて価値は高い。このような時、 これまでバ リ三‐チェー ンを持つていた企業は,その特定の業務を外部の専門業者に委ねることになる。専門業者はそ の部分の業務で多額の利益を得ることができるから参入するわけで,反対にバ リューチェーン の解体を余儀なくされた企業は利益の源泉を失つてしまう。
ある業務に関して,選択と資源の集中を行ならた新規参入企業に,既存のバ リューチェーン 企業が立ち向かつても敵わないことは多いが,パリユニチェーン企業は生き残 り策を講 じてい かなければな1らない.そこで,本研究ではバ リユーチェーンを持った大企業に焦点を当て,大
企業が自らアンバン ドリングしていく要件を抽出し,優位性を築くための競争戦略についてイ ンプリケ‐シヨンを示すことが 1つ の目的である。
そ して,アンバン ドリング化が浸透 していくと,解体されたバ リューチェニンを再び東ね直 す り・バン ドリングを求める動きが考えられる。現臨点ではどの企業も模索中の段階にあるが
,
1本稿は,社団法人企業研究会の創立55周年記念研究プロジェク ト「り・バン ドリング経営」研究プロジ ェク トによるもので,筆者は研究助手として本プロジェク トに参加 している。プロジェク トの主査兼コ∵
ディネこターである山田英夫氏(早稲田大学ビジネススクール教授),研究プロジェク トメンバーの稲葉秀 司氏 岬 コミュニケ‐ションズ株式剣D,大田江里子氏 (日本アイ・ビー・平ム株式鋤 ,鐘ヶ江浩 司氏 (日立キャピタル株式会機 ,熊谷康弘氏 (コクヨ株式会l■l,沢田 聡氏 (東京ガス株式舗 ,清水 良浩氏 (全日本空輸株式会社)平井寿美氏 (花王株式会D,平尾和義氏 (富士写真フイルム株式舗 , 細谷陽‐氏 (キヤノン株式会4■l,箕田進一氏 〈明治製菓株式舗 ,薮内正彦氏 (株式会社東芝),ならび に石山 進氏 (社団法人企業研究会),小野原正巳氏 (社団法人企業研究会)に深く感謝 したい。
‑9‑
今後 り・バン ドリング化は進行 していくと思われる。そこで,本研究のもう1つの 目的 として り・バン ドリング化に向か う鍵を考察 してい く。
さて,本稿の構成は次のようになる。まず次の第 Ⅱ節では事業構造の変化を概観 し,バン ド リング,アンバン ドリング, り・ノヾン ドリングとはどういつた状態のことをい うの力■こつしヽて 述べる。続 く第Ⅲ節では文具業界,写真業界,ガス業界 とい う3つの業界の事例について言及 する。:その後,それ らの業界がバン ドリング,アンィヾン ドリング, り・バン ドリングといった 状態のどの段階にあるのか,その要因は何なのか,企業の具体的な戦略 としてはどういったも のがあるのか,そして次の段階へ移行するにはどういったことが鍵 となるの力ヽこついて考察 し た。 │
第Ⅳ節では,前節の第Ⅲ節を受けてアンバン ドリング化への要因をまとめた後,バン ドリン グにおける競争 と構造がどのように変化 したのかを,具体的に3つの視J点か ら議論 した。そ し て,第V節とむすびの第Ⅵ節では り・バン ドリング化へ向か う鍵を顧客発想の視点か ら議論 し た。 1
Ⅱ。事 業 構造 の変 化
2‑1.バン ドリング
かつて大企業と呼ばれていた企業の大半は,川上の研究開発業務から川下の商品販売後のア フターサービスまで全てを抱える「タテ型」の事業構造をとっていた (山田2ё00).バン ドリ ングとは図 1の ようにたとえば研究開発,部分 (半製品)や原材料の購買,製造,マ■ケティ ング,物流,販売,アフターサービスといったバ リューチユーンを一社が全て行なうことをい う。顧客に対 してこれ らの業務をセ ットで販売することができるのは,メ ーカ∵が顧客に比バ て圧倒的な技術や情報を保有 している場合であり,ク ロ∵ズ ドなシステムを提供にすることに
よつてバ リューチェーンを持つた企業は多額の利益を享受していた。
バ リュ‐チェーン企業の多くが巨大企業であり,ヒ ト・モノ・カネ・情報など莫大な資産を 持ち,強大なブラン ド企業べと成長 していた。経営資源を集中的に投下することができたため,
新製品の開発を行ない易く,また新規企業の参入を阻止することも可能であつた.しかし,企
業規模が巨大になるにしたがつて,意思決定に多くの時間を要 したり,1時代の変革に遅れるこ ともあつた。それは,過去の成功経験にしがみついたり,企業に大きなイノベーションが起こ ればそれまで保有 していた経営資源が無駄になってしまう恐れがあったからである。
‑10‑
バ リューチェーン解体からり・バン ドリング経営ヘ
バン ドリングを行な う企業体型は現在においても存在する:たとえばユニクロは自ら商品開 発 を行ない,中国での生産工場を持 ち,多数の小売店で商品を販売 している。一方,エレベニ
タ業界では独立系のメンテナンス専門業者が幾つか存在するものの,ェレベ∵夕の研究開発か ら製造,販売,アフターサー ビスとしてのメンテナンスまでを大手メ‐力こならびにその系列 会社で総合的に行なっている。それはエレベータが故障した時には緊急に復旧させないといけ ないため,製造メーカァの方が早く対処することができると多くの顧客が思っているからであ る。
)
(Potter(1980)をもとに作成)
図
1
バ リューチ土―ン 2T2.アンバンドリング先述したように,バンドリングの時代にはメ∵カーと比べて消費者の知識量は相対的にきわ めて少なかったが,次第に消費者の知識量が増し,消費者は商品 (部品)やサービスを自ら組 み合わせてバリューチェーンを組み立てることが可能になった。
クローズ ドなシステムであれば,消費者は特定の企業から全てをセットで購買せぎるを得な いし,消費者の知識量が少なけれ│£ 特定の企業からセットで購買した方が情報探索コス トを 低く抑えられたり,規格などが合わない商品を買うリスクを避けられるため得策である: しか し,消費者の知識量増加に伴し、 消費者はコス トに敏感にもなつた。その結果,消費者はオー プン化を求め:企業はそれに対応せぎるを得なくなった。オァプンとはアーキテクチキ (基本 的設計思想)が公開され,それらを組み合わせて独自のシステムを作ることができる状態をい
ぅ2 c書尾 1994)◆
2岩尾 (1994Jによると,オープン化に必要な条件は,①互換性 (複数のシステムで共通にデータが利用 できる),②移植性(あるシステムで使われるソフトなどが他のシステムで容易に利用できる),C相互運 用性 (消費者が行なう操に 運用が統一している),④拡張性(規模の違うシステム間でデータなどを共有 することができる),の4つである。
‑11‑
│オ‐プン化によつてアーキテク│チャが公開されると,1各コンポ‐ネン ト(部品)をつなぐイ ンタアフェイスの部分が標準化され,コンポエネン トもモジ三‐ノL/rヒされる:同時に:ア■キ テ
iク
チヤが公開されることによつて,あるコンポ■ネシ トだけに特化 した専F句業者が生まれる。オ‐プン化に伴 うこの2つの現象により,さらにモジユ‐ノL/fヒは進み,専門業者の勢いが増 し てくる。 ・ 11 ・ 1 ■ .
バ リューチェ■ンの抱え込みとは,たとえばパ ソ事ンではハ■ ドウェア,ソiフ トウェア,.組 立て,据付け:メ ンテナンスまでを―社,あるいは系列会社で行なうことで,かつてのパソニ
ン業界の多くの企業がそのような形を取つていた。バ リューチェァンをボラックボックスの形 で持うことができていたため,企業は高し輝1益率を持つことができた。業界全体が同様のバ リ ュ‐チェ∵ンの抱え込みをしていたため,多額の資本を持たない企業は新規参入することがで きなかった (山田1997)。
ところが,オ∵プン化が進めば,それまでタテ型だった事業構造がヨコ型へと移行する (図 2)。 たとえばCPUに強いインテル,OSに強いマイクロソフ トのような企業が現れ,各事業 で圧倒的なシェアを取るようになった。'それに伴い,ヨ コ型企業は多額の利益を得ることがで き,パワーを増していった。反対に多くのバ リューチェーン企業はヨF型企業に参入され,利 益を失し、 パワーも低下してしまった。ヨコ型企業が参入できたのは,ヨ コ型企業の方が高い 技術力を持っているからである。
また,ヨ コ型構造は自分で組み立てることができる消費者にとって利便性が高いため,よ り いつそ うヨコ型構造は加速している:そして,このタテ型からヨコ型べの事業構造変化はさま
ざまな業界で業界の進歩につれて進んでいく:これにより,タテ型の大企業はヨコ型の企業に 対して劣位な戦いを強いられている。
ヨコ型企業がそれぞれに得意な事業を行ない,タテ型の事業構造 (バリューチェーン)を解 体していく現象をアンバンドリングという(Hagel and singer 1999)。 そして,アンバンドリ
ングは製造メ‐カーだけの現象でなく,電力,ガス,広告などさまざまなサニビス企業でも行 なわれている。
タテ型
バ リューチェーン解体からり・バン ドリング経営ヘ
ヨコ型
アフ゜ リケーション
据付け
メンテナンス
アフ゜ リケーション
据付 け│
メンテナンス
(出所:山田(1997)、 P163を改良) 図2タテ型 とヨコ型の事 業構造 ‐
2‑3.バン ドリング企業の対応
延岡 (2002)は 製品アーキテクチャ特性と企業間関係 とぃう二軸によつて図3の 関係を示 し ている。組み合わせ型部品の例 とし│てパソョンが挙げられ,すり合わせ型部品の例 として自動 車が挙げられる。彼は,二般的な傾向としてなるべく部品:を標準化0モジューノ1/4ヒし,オープ
ンな部品調達ネットワ∵クを活用する方向に移動することを指摘 している。なぜなら組み合わ せ型部品であれば,イ ンタTネットに よる入札などの手段により,世界中から最適な部品を探 すことが可能になるからである。
しかし;組み合わせ型の部品ばかりで製品を開発 しても,企業としての差異性を出すことが 難 しくなることも指摘している。つまり,アンバンドリングにより虫食い状態となつたバン ド
リング企業が単なる組立てだけの業務に陥つてしまうと,差別化できなくなつてしま う。競争 力を持つためには自社内で核 となる部品を内部開発 し,あるいは特定の部品企業と協力 し,独
自の部品を開発することが必要と:なる。
、また,タテ型 とヨ=型の事業構造の関係でいえば山田 (2003)は ,タ ア型企業が多くの経営 資源を持っていることから,次の2つの方策を提示 している。 1つ は,タテ型 とヨコ型のビジ
アフ゜ リケーション
据付 け
‑13‑
ネろを同時に行なう戦略である。たとえl£ IBMはソフ トにおいて世界規模でデファク ト・ネ
′タンダニ ドを獲得するために口‐タス・ディベロップメン トを買収した。さらに,顧客ニニズ を総合的に満たすことに目を向け,コンサルティングを行なうことの重要性を考え,事業を一 括受注する複合形態のソリュァション・ ビジネスを行なう動きとして,プライ不ウォ早ターハ ウス・ クーパ■ズのコンサルティング部門を買収 した.このようにソフ トの強化というヨ=型 と顧客ソリューションとい うタテ型のビジネスを同時並行的に行なう戦略がある。
もう1つ は,ヨ コ型企業に取られた高付加価値部分を取 り戻す戦略である。たとえば,パソ
コン業界ではOSにウィン ドウズを使わずにLinuxを 用いる動きがある。
組み合わせ型部品
すり合わせ型部品
統合一体型 モジ三―ル 型
製品アーキテクチャ特性
. (出 所:延岡(2002))
図3製品アTキテクチャ特性と企業間関係
/2‑4。 り・バン ドリング
バ リューチェーンがアンバン ドリングされると顧客にとってコス トを低減できるといったメ リットがあるが,反面,情報探索コス トや管理コス トがかさむといったデメリットもある。そ のため,先述のソリ■―ション‐セ リングにビジネスチャンスが生まれる│つまり,顧客ニァ ズが情報探索コス トや管理コス トの削減も含めた総コス トの削減にあるのなら,顧客に代わつ て最適な選択を行なうことで転機を見出す戦略である。たとえ│£ Energy Servioe Company
オ ープ 型ン
一 ク ーロ ズド 型 企・ 業 間 関 係
‑14‑
バ リュ‐チェーン解体からり・バンドリング経営ヘ
は工場を保有する製造メーカニなどの省エネ・■∵ズに目を向け,顧客企業が自分で小割 り購 買するのにかかる総コス トよりも低い価格でエネルギーを提供 している。
顧客にとつて情報探索コス トが高い場合,あるいは全体のシステムを把握することが難 しい 場合に,バン ドリング企業が り・バン ドリングする意義が生 じる。それはバン ドリング企業は バ リュニチェニンを構築する技術や情報などの資源を持ちえているか らである。
しかし, り・バンドリングは従来型のバンドリングとは大きく異なる点がある。それは顧客 ソリューションという視点でバリュ■チェァンを考えるため,必要に応じて他社商品を組み込 まなければならない点である。ところが,競合関係にある他社の商品を組み込むことは社内的 に大きな問題となることも多い。そのため, り・バンドリングは多くの企業にとって模索中の 段階にあると言えよう。
Ⅲ.事例
本説では文具業界:写真業界,ガス業界を提え,それぞれがバン ドリング,アンバン ドリン グ, り・バ ン ドリングのどの段階にあるのか,その要因となっているのは何か,企業の具体的 な戦略,そして り・バン ドリング化へ向か う鍵について順に考察 していく.
3‑1.文具業界
3‑1‑1。 文具業界の概要
文具業界において,売上の約75%を占める企業向け文具商品の販売体型は大きく2つに分け られている。その区分は顧客企業の規模が大中規模 と小規模 とである。大中企業の中でも特に 大企業に対 しては,文具メーカ∵の営業員が 日夕訪問 し,注文をとつた り,割引など手厚いサ ァ ビスを提供 している。また,大中企業に対 しては,納品店が文具メーカーや卸売業者 との間 に立ち,商品情報や提案などの提供 とともに,発注 された商品を納入 している (図4上段
)。
そ の際,顧客である大中企業のニーズは購買総 コス ト削減にあるため,納品店が購買代理店の役 割を果た し,効率的購買管理に努めている (図4下段)。
‑15‑
販 売店が商 品情 報・提 案等の 提供 とともに二発 注された商:品を納 品する
│●顧客の顕在二Tズ :効率 的購買管理
●大中規模企業納品ではtBpR他で購 買『総コスト』の削減への三―ズ
図
4大
中企業との関係一方,小企業に対する販売体型に着 目すると,文具メーカ■から流通業者と商品が流れる先 には,多くの消費財の流通システムと同様に小売業者が存在 してお り,小企業は自ら小売店ヘ 来店 とい う購買行為を起こさなければならない。かつ,こ うした小企業は来具を定価で購買し なければならない。そして,小企業は自ら店頭などから商品情報を入手した り,購買商品を持 ち帰らなければならず,顧客ニーズは購買単価の引き下げと物流サービスの充実にある (図5 上段).特に,店頭での購買に伴 う従業員の時間的,金銭的コス トを削減するために,通販型の 納品モデルに対するニーズは高い (図5下段).
つま り,従来の流通システムでは,購買量の多い大中企業に対 しては文具メーカーや流通業 者が手厚い営業活動と割引サービ不を行なっていたが,小企業に対 して│ま特別な営業活動や割 引サービスは行なわれていなかつた。
‑16‑
バ リューチ ェー ン解体か らり・バ ン ドリング経営ヘ
小規模 な顧 客が 店頭か ら商 品情報 を入手 し、購 入商品を自ら持ち帰る
●顧客の顕在ニーズ :購買『単価』の引下げ、物流サ‐ビスの充実‐ :
●小規模企業の店頭市場では、通信販売型納品への二■ズが高まつている
図5Jヽ企業との関係 :
ここに目を付けたのがアスクルである。アスクルとは,1993(平成6)年3月に大手文具総 合メーカーであるプラスの通販事業部 としてスター トした企業で3,「明日来る」とい う企業名 が示すように,顧客がオフィスに必要なモノやサ‐ビスを注文すると翌日には配送する トニタ ル・オフィス0サポニ トサービスの会社である。従業員 30名 以下の中小事業所の顧客をメイン ターゲットとし,オフィスで必要なものを届けるサ‐ビスを展開している:「オフィスとい うひ とつの生活空間の中で必要なものが全てそろう」をコンセプ トに,全国 620万事業所の うちの 95%を占める中小事業所の顧客に「民適」と「便利」を届けている。当初は90%以上がプラス の商品だらたが,:現在ではプラス以外の商品も扱っている。カタログの取 り扱い商品数は約 13,700アイテムにまで拡大してお り,1企業だけでなく個人も購買可能である4.
アスクルが顧客に提供する価値として重視 しているのは次の 2つ である。 1つ は,ある特定 の文具メーカー商品のみを扱 うのではなく,多数のメニカーの商品, さらには顧客の視点から
3その後1997年5月 に分社独立 した。
112004年1月より,医療・介護施設向け用品の専
Fヨ
カタログ「アスクル.メデイカル&ケ ア カタログ」を 発行し:メディカル&ケ ア事業に新規参入した。医薬品,医療用具等を除く商品構成で,医療介護施設で 使用される消耗品(「
おむつJ‐
などの介護用品や,「カルテフォルダー」な.どの医療議 用品)を 中心とした品揃え (約1,200アイテム)を持つている。オフィス用品と同 じビジネスモデルにより,酉己送サこ ビス を開始 した。 │‐ ̀ ‐ 1 ‐
‑17‑
オフィスで必要なOA機器から生活用品までの商品が一箇所で購買できる品揃えの確保である。
文具・事務用品の売上比率は 2∞3年で約 26%と さほど高くなく:コーヒーやお茶,コンピュ ータサプライ用品: トイレジトペーパーなどの商品も扱うている。
商品の仕入れに関して,アスクルはマ ケテイング0パー トナーシップという考え方を取 り 入れている。どのような顧客がどのような商品を,いつ,いくらで購買したか,次回も同じ商 品をリピー ト購買したか,それともブラン ド・スイッチをしたか,さらには顧客からの要望や 意見などさまざまな情報をアスクルは所有 している。このような情報をサプライヤーと共有す ることにより,商品の開発や改良,価格設定を共に行なっていくことが可能 となる (図6)。 従 来,メ ーカー→卸売→小売→顧客といつたモノや情報の流れは一方通行だつたが,アスクルは オァプンなプラットホニムとい う新 しい考え方を導入 し,双方向に情報が流れるシステムを取 り入れた。この目的は顧客とサプライヤーをより近づけることにあり,自らをサプライヤーの マーケティング部門と位置付け,常に顧客の視点で物事を見つめ,サプライヤーとともに新 し い価値を提供できるようなシステムを構築することにある。
顧客の声 要望 目指摘
ニ ム
新 しい価値 品揃 え・商 品
―ビス
図6マーケティング・パートナーシップ
アスクルが重視する価値のもう1ら は,時間を約束した配送サービスの提供である。「今自注 文すると明日来る」というサービスは, ビジネス上大きな差別化であり,新たな市場の創造を 狙つてぃる。「明日必ず届けます」と約束できることは顧客の信頼を得る重要なポイントとなる。
‑18‑
バ リューチェーン解体からり・バン ドリング経営ヘ
2003年に,アスクルは商品の突発的な需要変動に対応 し,生産計画や流通計画の調整が可能 な 「需給調整業務支援システム」を開発 した:これは,アスクルにとつて品切れによる販売機 会の損失を抑えることができ,また仕入先企業にとつて迅速に生産計画の見直 しを行なった り,
需要を優先的に満たす商品や地域を素早 く判断できるようになるため,双方にとってメリッ ト がある。
業界最大手のコクヨでは卸売を行な う専売販社 を持ち,納品店へ と商品を届けている。これ に対 し,バリューチェニンのプロセスの中でアスクルでは通信販売 とい う流通の部分を主に行 なっているが,近年オ リジナル商品の開発や販売 も行なっている。アスクルの売上高,経常利 益,カタログアイテム数の推移は表1, 2, 3に示 される。3項目とも順調に推移 しているた め,アスクル・モデルを模倣す る企業もある.
こうした業界の流れを受けてコクヨは,顧客にとらての利便性を高めるために,インターネ ッ トによる受注を可能にした。図7のように,べん りねつと,@オフィス,カウネ ッ トと3つ の事業を立ち上げ区別 した。まず,べん りねっとは大企業向けで,文具だけに限 らず,大企業 が発注するシステムを販売 している。顧客企業が各部署ごとに発注 したものを,一箇所にまと めて発注す るシステムで,商品はユーザーごとに異なつたものを調達す ることができる。これ により顧客企業は購買コス トを削減でき,またカスタマイズ したサー ビスを享受す ることがで きる。
次に,@オフィスは中規模企業向けで,カタログ訪販システムをとっている。このカタログ を作成するのはコクヨであるが,カタログには販売店の名前が出てお り,価格は販売店が決め ることができる:発注では顧客からコクヨが直接注文を受けるが,商流は販売店が行なう.そ して,13,000の 製品を取 り扱っている (2003年 6月現在).
最後に,カ ウネットは小規模事業所やSOHO向けのため,ア スクルと同じ市場で競争するカ タログ通販事業である。アスクルと同様で24時間発注可能などの利便性がある。そして,18,000 の製品.を扱っている (2003年6月現在
)。
却 ア増 りИ亮 塙
鵜(鯛
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
認 刀 吻 昭 鰐 新 喘
鞭 軸
数
バ リュァチェーン解体からリ ニバン ドリング経営ヘ
表3アスクルの取扱アイテム数・
:
警壽 額露 願 麟 銀脚彫 摯秘酵 紳難 摯輿織 孝亀轄 幸佛 鱗 盤澤摯 機輝職 ‐鰯 素1報 縫 軸 無 締 編 報 紳 輔 麟 黎 峰お鐵 彎
出所:httpsi′′
… .askul.cOjp/kaisya/c6mpany/g̲suii.html
図7コクヨのインタ=ネット新事業
機締 標雛 縫輔
糠勲 鱗経 麟紳 鱗鱒
― ― ・ ― ―・ 子騨
lMポ響│勁
整卿 鞭菫 ■腱
勒 輻 整
躙 錦 轟 整
■
■
■
L鳳善Ψ理理
壼
≡
≡ 覆 理 甕 理 避 菫
ヨ瀞
雛菫 難聾 鰤難
夕小
‑21‑
3‑1‑2。 文具業界の考察 :
文具業界は従来,メ■カー→販社→納品店の順に製品が流れてお り,バン ドリングされてい た.そして,大企業を対象にメ‐カーが直接営業を行なっていた。ところが,アスクルの参入 によリバ リ■―チェマンは解体 した。アスクルは通信販売,小規模事業所をメインタ■ゲ シ ト として設定 というた2つの革新性を見出 し,顧客に受け入れ られていった。これによリアンバ ン ドリング化 された。
そこで,まず先にアスクールの戦略の卓越性を考察すると,通信販売型 と地域密着型により流 通構造を変化 させたことを指摘できる。メTカー→販社→納品店 といった流通システムではな く,自 らを流通代行業者 として位置付け,卸売 と小売 と2つの機能を受け持つ こととい うた流 通簡素化による新たなビジネスモデルの構築を卓越性の1つとして挙げることができる。
次に,通信販売によつてこれまで顧客層からもれていた小規模事業所に対 してカタログを配 布す ることによつて潜在ニーズを発掘 したことも卓炒性として挙げられる。これまで注 目され なかつた顧客層に注 目し,そして確実に 「明 日来る」システムを徹底化 し,顧客の信頼を得た ことは大きい。
もう1つ,他社商品を扱ったことも卓越性 として考えられる。アスクルはもともとプラスの 子会社だつたため,プラス商品しか扱わない選択肢も考えられた。しかし,顧客視点に立ち,
オフィスのためのフンス トップ0ショッピングこそ利便性があると考え,他社商品も扱ったこ とは大きい。顧客視点という観′点から,アスクルでは現在,流通のバイイングパワーが強化す るに従い,自 社商品の開発も行なっている。
以上 3つ挙げたアスクルの戦略の卓越性をもとに,ァンバン ドリング化の要因を考察すると,
流通構造の変化,企業視点 (対象顧客)の変化,商品サービスの変化を指摘できる。これ らに 共通するのは顧客志向であり,メ ーカー発想から流通発想べの変化である。顧客接点を持つ流 通業者だからこそ,顧客志向を追及することが可能 となった。
さらに,アンバン ドリング化は文具とい う代替可能な商品,つまり顧客がブラン ド:スイッ チ し易い商品特性であるも大きな要因として挙げられよう。そして,このアンバン ドリング化 は小規模顧客市場で最初に浸透 し,徐々に大規模顧客市場へと浸透している。こうして顧客の 購買行動は大きく変化 している。
. さて,アンバン ドリング化によつてバ リユーチェ‐ンを解体されたコクヨの対策は, 1つ は カウネット事業でアスクルと同様のビジネスを展開することである。もう1つ は,べんりねっ と事業で文具商品の販売だけでなくビジネスシステムを販売することである。新 しい購買形態
‑22‑
バ リューチェーン解体からり0バン ドリング経営ヘ
に対応した仕組み を提供することによつて,購買に伴 う総 コス ト削減 とい う顧客ニーズを満た したビジネスモデルを展開 している。
3‑2.写真 線
3‑2‑1.写 真業界の事例
アナログ (銀塩)写真のビジネスモデルは図8に示される。消費者が写真を撮影 してからそ れを保存するにいたるまでの行為のうち,現像と編集加工を写真業者が行ない,この部分で利 益を得てきた。これは替え刃モデルに似ている。替え刃モデルとはT型髭剃 りの場合,T型髭
剃 り本体の価格はできるだけ低 く抑えて,その代わり替え刃で利益を得ていくモデルのことで ある。替え刃は定期的に髭剃 り本体と同一メーカーのものに買い換えなければならいため,高 い販売価格を設定することができた。替え刃の原価はきわめて低いため,メ ーカーは高い利益 率を定期的に得ることができる。
行 為
業 者
路 回 回
プレイヤニ 消費者
路
11琢
會會i!:l!llll12蓄
力: ・銀塩プリント(4X6が主流)
・ネカ゛ 投影
・郵送
じ写真アルだム
・フォトカード
・フレーム・
・写真立て ロスクラツフリつク
図8アナログ(銀塩)写真のビジネス・モデル
これ と似た現象が写真業界に見 られる。た とえば,コダックはカメラとフイルムとを販売 し ているが,カメラの使用に際 して生 じる消耗品の交換 とフイルム,フイルムの現像,編集加工 がコダックにとつての収益源 となっている̀写真の現像場所にはDPEショシプの店頭 とDPE
ラボの集約センター とがあ り,特に後者の集約センターを効果効率的に機能 させ,現像や編集
‑23‑
加工を一貫 して行な うことにより,規模の経済性によるコス トダウンを図ることがこのモデル においての課題であ り,禾J益の源泉であった。
ところが,カメラの出荷台数を見ると,近年デジタルカメラ (以下,デジカメと表記)が飛 躍的な成長を遂1尤 従来のアナログカメラの出荷台数を2002年に逆転 した (表4):.こ の現象 により,写真業界のビジネスモデルは大きく変化 した。それは,銀塩写真において利益の源泉 だつた現像,編集加工を消費者が自ら行なうことが可能になったからである(図9)。 これに対 する企業の対策は図 10の ように2うに分類される。
表4カメラの出荷台数の推移
単位:千台
35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000
0 2000 2001 2002 2003
出所:がラ映像機器工業会
出荷台数逆転
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バ リューチェー ン解体か らり・バ ン ドリング経営ヘ
行為
プレイヤー 消費者
ロモニター ロプロジェクター ロインクジェット
用紙 甲インターネット
消 費 者
・サーバー
・オンライン
フ
Pルバ ム
オンラインアフレパム
シフト
図9デジカメによるバ リュニ・チェニンの崩壊
図10写真業界の対策
アナ ログ
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まず,デジカメを使用する際フイルムは必要ないため,フイルムメ∵カーはアナログカメラ における利益の源泉を失らてしま う恐れが出てきた。そのため,たとえば富士フイルムでは,
消費者がデジカメのメモ リをDPEショシプに持ち込めば簡単に現像や編集加工ができるよう なデジタル ミ■ラボを整備 した り,コダックではインターネ ット上に顧客が画像を取り込んで 現像依頼すればプリン トアウトした画像を配送するサービスを展開している。そして,こ うし たフイルムメーカーは消費者に対 し「現像はプロに任せて」といった内容の広告プロモーショ ンを行なっている。つまり,ラィルムメーカニが取うた戦略は,DPEショップやDPRラボな ど既存の資源を用い,禾U益を得るビジネスモデルは銀塩モデルの場合と同じである(図10中 段).
一方,デジカメの現像に際し,新しい業界の参入が可能になった。それはキヤノンなどプリ ンタメーカーの参入である。パソコンの普及にうれ,自宅でプリンタを使つて現像や編集加工 を行なう消費者の数は増加 してお り,最近ではパソコンを介さず,デジカメどプリンタとを直 接つないでの現像も可能になり,自 ら現像を行な う消費者の数は飛躍的に増加 している。その ため,プリンタメーカーはホームプリンタの開発0発売に注力 し,印画紙やインクなどの消耗 品に利益の源泉を見出している。つまり,これも先述の替え刃モデルと言えよう(図 10下 段).
3‐2‑・2.写真業界の考察
写真業界では従来,カメラの消耗品と共に,フイルムとその現像 といった替え刃モデルに利 益の源泉があった。フイルムを販売 して現像,編集加工を受け持つバン ドリングの中でいかに 効果効率的に現像するかがビジネスの課題であつた。ところが,デジカメの開発により,この バ リューチェーンは大きく崩れた。デジカメはフイルムを必要とせず,顧客自身が現像,編集 加工を行なうことも可能だからである。よらて,バリューチェーン解体の要因はデジタノL/fヒ,
つまり技術的イノベマションである。 │
そして,バ リュニチェニン解体に対する企業の対策は2つある。1つはフイルムメーカこの 対応である:フイ:ルムメ■カニはできるだけバリュ■チユーンを持ち続けたいため,DPEショ
ップやDPEラボといつた現在の資源を土台に,デジカメでも同様のサービスができるような
システムを提供 している。もう1つはプ リンタメーカーの参入であ り,顧客 自身の現像を容易 で低価格にし:かつ綺麗な写真を現像できるプ リンタや周辺機器を販売 している。
デジカメユニザこの女性比率ア ップとい う顧客の変化により,特にフイルムメーカーの対策 が後押 しされている。従来のアナ ログ写真の場合,記念写真の用途で用い られることが多かっ たが,デジカメでは 日常写真の用途で用い られることが多い。若い女性の間ではポラロイ ド写
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バ リューチェーン解体からり・バンドリング経営ヘ
真やプ リクラが流行 した。街中で友達 どうし, 日常のスナ ップ写真を撮うてす ぐに現像 してマ ジックペ ンで落書きをする消費スタイルである。このような消費スタイタレを持つた顧客には DPЁプ リン トサー ビスは街中です ぐにデジカメ画像を現像できるため利便性が高い。
そ して,DPEでのデジカメ画像の現像は写真付き携帯市場の拡大にも後押 しされている。近 年,デジカメよりも携帯で撮影す る消費者が増加 しているが,これにより写真 を撮 る枚数が増 えれば現像 したい枚数 も増える。そのため,フイルムメーカーはDPEショシプでデジタル画 像を簡単に現像できること,専門化が印刷 した方が綺麗に印刷できることを伝えるプロモーシ
ョン戦略を取つている。
女性ユーザーが増え,写真を撮 る枚数が増加すれば現像枚数も増加するといった現象は,自 宅において 自分で現像する場合においても追い風 とな り,プリンタメーカーはパ ソコンとプ リ
ンタをつなぐのではなく,デジカメと直接つないで現像することができるプ リンタの発売や, メモ リを差 し込むことができるプ リンタを開発す ることによつて,より利便性に訴えた戦略を 取つている。そ して,よ り鮮明に印刷できるインクや印画紙に利益の源泉を見出 している.
以上のように,技術的イノベーション,顧客の変化,顧客使途の変化,外部環境の変化によ ってアンバン ドリング化は進んだ。 しかし:収益の源泉はアナログでもデジタルでも現像部分 にあるため,フイルムメーカー とプ リンタメーカ‐は既存の資源 を武器にこの現像部分でいか にして利益を得るかが戦略のポイン トとなつている。
また, り・バン ドリング化の鍵は画像の共有や画像の管理にあると思われる。顧客にとつて 画像の現像,編集加工,保管はできるだけ手間や コス トを最小限に抑えたい と考える。そのた め,統合型 ソリューシ ョンが企業の戦略課題 となる。
3‑3.イギリス・ガス業界
3‑3‑1.イ ギリス・ガ不業界の事例
ガス業界において規制緩和が進んでいる国はイギリスである。たとえば家庭用市場の自由化 はイギ リ不が先行 してお り,他の国々はこれか らといつた段階にある。そのため,本稿ではイ ギ リスのガス業界を取 り上げることにする。
イギリスにおける規制緩和は 1982年に始ま り,順じその内容が拡大 している。た とえば,
表5に示 されるように1982年における超大 口市場の自由化から,1986年,1992年と段階的 に小 さな市場 も自由化 されている.こ うした規制緩和の流れを受けて,イギ リ不ではそれまで 国営企業であつたBritish Gas C∝ porationを民営化にし,British Gas plcを設立 した。その
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後,1997年のガス事業法改正により,輸送 と―販売との分離が義務付けられたため,British Gas plcは輸送部門のB甜由hoaSplcと販売部門のCentricaと に分社化 された (図11).本事例で は後者のCenticaに焦点を当てていく。 , │ :
表5イギリスにおける規制緩和の流れ
1982 石油・ガス法
消費量200万サーム(458万 品3)/年超の市場自由化、託送の導入
1986 ガス法、BHush Gas民営化 │
: 消費量25,000サァム(5■250m3)/年超の市場 自由化
1992 消費量2,500サーム(5,725m3)/年超の市場 自由化
1995 95年ガス法
トランスポニター・サプライヤー・シッパーのライセンスを規定 1996 家庭用市場二部 自由化
1997 BHIsh Casが日G pll(輸送部門等)とCeht面ca ttc(販売部門等)に分社化
1998 家庭用市場 自由化終了、市場の完全 自由化完了(5月)
図1l British Gasの分社化
BC hLermttbnal Do―ham
(海外下流事業
)
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バ リューチェーン解体からり・バンドリング経営ヘ
Centricaの 市場シェア推移は対大 口が表 6と なっている。超大 口市場ではBPやShenな ど のメジャ‐ (生産会社)系が新規参入 してお り:井戸を抑えていること,つま り原料を抑えて いることや
,‐
親会社が石油など他燃料を販売 してお り顧客に対 して燃料選択のフレキシビリテ ィを トータルで提供できることの禾J点があ り,低価格で販売することができる。このため,超大 口顧客の中にはこ うした メジャー系の新規参入業者 と長期契約 を結ぶ ところも多 く, CentFiCaの大 口市場シェアは20%弱と低下 している。
表6大 口市場 におけるCentricaのシェア推移
シェア(%)
大 口市場 :約5夕27M'/年 超 60
50
□ 供 給 量 シェア 囲 サ イ ト数 シ ェア
鰊
笏
―
…
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97年10月 〜98年9月 98年10月 〜99年9月 99年 10月〜99年12月
丁方,家庭用市場でも多 くの新規参入業者が現れ,競争が激化 している。そのため,各企業 は顧客を獲得するために,表7のようなさまざまな戦略をとり,差別化に努めている。たとえ ば,Centricaでは力∵ ド会社を設立 し,その利用額によるガス料金の割引サー ビスを実施 した り,大手スーパーマーケッ トと提携を行なった り,電力事業へ参入 しガスと電気の両方を契約 した顧客に対する割引サービスを提供 している。その結果,家庭用市場シェアは独 占時か ら比 べ ると当然低下 したが,約 70%と高い市場シェアを獲得 している。家庭用市場 において,
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