社会教育施設と地域コミュニティとの関係構造
櫻 井 常 矢
A Case Study on the Change of Local Community Structure through Learning Created
by Adult and Community Education Facilities Tsuneya SAKURAI
要 旨
社会教育施設の民間運営が各地で進みつつある。近年は人口減少社会を前にして、自治体のコ ミュニティ政策との関連で公民館への期待が官民双方から寄せられている。一方で、当該地域に 根ざし、自治の拠点ともなる公民館の場合、地縁組織が運営主体となるケースが多い。しかし、
自治会等の共益団体が不特定多数の市民に供する公共施設の運営を委ねられる場合、市民ニーズ をふまえた開かれた施設運営は可能なのか。地縁組織が自ら公益性を求めてNPO化するケースも 見られるが、そこにはどのような可能性があるのか。本稿では、NPOが指定管理者となった2つ の公民館を事例として、地域コミュニティにどのような役割を果たしているのかについて考察し ている。事例からは、自治会等の地縁組織ではアプローチが困難な地域課題解決の実現、地域社 会に潜在する資源、人材の発掘と繫がりをつくる中間支援機能の発揮、開かれた施設運営による 地縁組織の活性化などが示唆された。
Abstract
Private management of adult and community education facilities is making progress in
Japan. In recent years facing a declining population, both the public and private sectors place
more expectations on local community center, Kouminkan, in relation to the community policies
by local government. On the other hand, many local organizations are responsible for operation
of Kouminkan rooted in the community and serving as a base for self-government. However,
when operation of a public facility used by many and unspecified citizens is assigned to a mutual
benefit organization such as a residents’ association, is open operation of the facility achievable?
What is the potential for some cases which a community-based organization establishes an NPO to pursue a public benefit?
This paper focused on two Kouminkan, which NPOs were designated as the operators and considered the roles they played in the local communities. The case study suggested NPO operations allowed solving local problems which were difficult for local organizations to approach, functioning as intermediary support service to discover and connect potential resources and people local communities had, and the openness of the facility operations allowed activating local organizations.
Ⅰ.はじめに
(1)自治体内分権と社会教育施設の再編
社会教育施設の民間運営が各地で進みつつある。それは、単に財政の効率化策としての意味合 いだけではなく、自治体のコミュニティ政策との関連で公民館への「期待」が官民双方から寄せ られていると言ってよい。全国的に言みれば、小学校区を基本範域とした地域運営組織(Region Management Organization:RMO)の設置が進んでいる。平成大合併、あるいは急速に進む高齢 化と人口減少のなかにあって、地域コミュニティとそこでの暮らしを持続可能なものにするため の取り組みとして、RMOをめぐる自治体政策の展開が注目されている
1。2016年度からは、地方 財政計画にRMOの財政支援策が新たに盛り込まれ、交付税措置がスタートしている。従来まで の支援策とは異なって、主にRMOの運営支援のための経費に充当できることが特徴であり、地 方創生政策の中でその重点化がさらに進んでいる。市町村自治体などでも独自にRMOに対する 財政支援策や人的支援策、あるいは中間支援施設の整備など多様なサポートプログラムを進めて いるが、住民主体の機運醸成に課題を残したり、RMOという組織の設置自体を目的化してしま うなど課題も多い。
そしてRMOの推進をめぐる論点の一つが、その拠点施設である。各地では主に公民館がその 役割を担うケースが多くみられるが、問題となるのはその運営のあり方についてである。例えば、
社会教育施設である公民館は教育行政の所管である一方で、RMOの推進を含むコミュニティ政 策は首長部局のものとなることがほとんどである。そのため、政策推進や指示命令系統の強化な どの観点から公民館を教育委員会から首長部局に移管する場合がみられる。これに加え、公民館 の管理運営を民間に委ねる方式をとる自治体もまた少なくない。公民館の民間運営には、その運 営主体として次の3つの形態が想定される。
a)当該地域の地縁団体
b)当該地域設立型法人
c)当該地域外法人
特に、住民自治の拠点施設ともなる公民館の場合、当該地域に設立したRMOが運営主体とな るケース(以下、地域運営)が多い実情もある(上記形態a)b))。しかし、設立間もない、あ るいは雇用管理等の経験のないRMOが指定管理者となって円滑に施設運営を進めることができ るのか。そして、さらに課題視されることは、広く市民に開かれた公共施設の運営を円滑に行う ことが可能なのかどうかである。
(2)公民館の地域運営への分析視角 ―共益性と公益性―
社会教育施設の民間運営をめぐっては、すでにいくつかの課題が指摘されている。地域に根ざ した社会教育施設が限定的な契約期間によって運営主体が交替するという継続性をめぐる課題、
あるいは事業評価やパートナーシップ運営が時間の経過とともに空洞化していくという行政責任 や役割の後退をめぐる課題
2、そして不安定な雇用条件によって職員の専門性が確保されるのか どうかなどである。こうした社会教育の公共性の揺らぎについて高橋は、特に社会教育行政の民 営化とその中でも指定管理者制度の導入について慎重な立場をとっている。高橋は、指定管理者 制度導入による運営(主体)の継続性の問題や行政責任の後退、そして雇用の不安定化を指摘し つつ、諸課題を乗り越える道筋として市民参加を強調する
3。重要なことは、「計画・意思決定、
実施、評価という一連の諸過程に市民が実質的に参加するガバナンス・ボディをつくることにあ る」とし、自治体内分権としての市民への権限の移譲の必要性を述べている。管理運営の評価や 課題解決の方向性をそうした市民参加のもとで議論することを求めているのである。
しかし、市民参加を実質化するガバナンスとは、現状の地域コミュニティでは必ずしも実現で きるとは言い切れない。高齢化と人口減少のなかで、地域活動への参加者の減少や担い手の不足 が顕著である。自治会等の地縁組織の現実は、これまで組織を支えてきた高齢世帯の退会、ある いは会長職を含む役員の輪番制などによって、いわば「こなし型」に陥るなどガバナンス機能の 弱体化が顕著である。参加型ガバナンスを強化する意味では、ボトムアップ等の組織構造だけで はなく課題解決力など暮らしに目を向けた自治機能の醸成が改めて求められる。こうした点に、
教育・学習機関としての公民館はどのように関与するのか。さらにこれが地域運営となった場合、
求められる施設運営はどのようにして可能となるのか。
地域運営とは、自治会等の共益団体が不特定多数の市民に供する公共施設の運営を委ねられる ことを意味するため、市民ニーズをふまえた開かれた施設運営が可能なのかといった課題が想定 される。住民自治と社会教育施設との関係について、実証的研究をもとに論じている松田武雄は、
公民館がNPO等の新たな市民組織と出会うことによって、公民館事業や地域コミュニティそのも
のの活性化を生みだすことの可能性を述べている
4。社会教育行政と民間団体との安易な連携に
警鐘を唱えつつ、公民館が民間活力との連携・協働へとより社会に開かれた施設になることに現
代社会教育の可能性を求めている。しかし運営主体となる地域コミュニティとは、その共同性の
強さゆえに排除性や無私性といった排他的性格を持ち合わせてもいる。同質性を前提とした地域
コミュニティの存立基盤のもとでは、外部との関係構築に慎重(あるいは無関心)になる。
RMOが、いわば自らの共益性に基づいた公共施設運営を進めようとすれば、その性格はかえっ て障壁とさえなることが指適できるのである。
これに関連して宮崎は、パットナムやコールマンのソーシャル・キャピタル論を取り上げ「両 者に共通する最大の難点は、媒介項として挿入されたソーシャル・キャピタルが外在的契機に留 まっている点にある」として批判的に検討している
5。そこに現れている信頼やネットワークは、
所与として措定されているだけであって、媒介項や社会構造の開閉を規定する条件は示されてい ないとしている。この点について石井山は、戦後社会教育制度の現代的意義と限界、あるいは高 齢化と人口減少という地域社会の現実を踏まえながら、可塑性の概念をもとに地域づくりの実践 を捉え直している
6。石井山は、RMOの具体的事例を根拠に外部への発信力に注目しながら、「外 部者との交流から実践のヒントを得るということ以上に、(中略)外部評価を得ることで、取り 組みへの自信を高めていく」ことを重視する。こうした人びとの自信や行動の原動力を高める教 育実践が、地域に暮らすヒト、あるモノを組み合わせることを通して実現される地域教育計画へ の発展性を強調するのである。
本稿はこうした社会的な教育機能について、公民館の地域運営という実践から明らかにしよう とする。共益性に基づく自治会等の地縁組織が、施設事業の組み立てにおいて地域を取り巻く多 様な人びとや団体等とのつながりを求める公益性を有した施設運営を進めることは可能なのか。
施設運営にあたって、地縁組織が自ら公益性を求めてNPO化するケースも見られるが、そこには どのような可能性があるのか。本稿では社会教育施設の地域運営が当該地域のコミュニティにど のような影響をもたらすのかについて、沖縄県那覇市においてNPOを指定管理者とした2つの公 民館を事例として考察する。尚、本稿において那覇市の事例を取り上げるのは、表のように市内 の自治会加入率の低さが顕著であることが理由である
7。加入率の低い地縁組織が公民館の運営 主体となった場合、既述の共益性と公益性に関連した課題がより浮き彫りになることが想定され る。那覇市の事例を通して、こうした地縁組織の「狭さ」を公民館の運営のあり方がどのように 乗り越えようとするのかに着目していくことになる。
表 那覇市管内別自治会数・加入世帯数の状況(2019年5月1日現在)8
管内 住民登録
世帯数 自治会加入
世帯数 自治会数 1自治会平均
加入世帯数 加入率 本庁 51,515 7,371 49 150 14.3%
真和志 50,749 5,835 44 132 11.5%
首里 24,370 7,130 41 173 29.2%
小禄 26,507 4,793 21 228 18.0%
計 153,141 25,129 155 162 16.4%
出典:『令和元年度版自治会活動の手引き』(那覇市まちづくり協働推進課)を参考に筆者作成
Ⅱ 公民館の地域運営の取り組み
(1)那覇市若狭公民館 a.若狭公民館の運営
那覇市西部の沿岸部、本庁管内(表参照)に位置する若狭地域は、人口約30,000人であり、
小学校6校、中学校2校、19の自治会を管轄エリアに含んでいる。こうした広域エリアにある 若狭公民館は、2015年より特定非営利活動法人地域サポートわかさ(以下、NPOわかさ)が指 定管理者となって運営している(資料1参照)。NPOわかさは、2005年3月開催の「地域のしゃ べり場」を契機に誕生したNPO法人であり、地元若狭小学校区の6つの自治会が設立した地域型 NPOである(2007年6月設立)。上記した運営主体の形態b)に該当するNPOわかさの誕生は、
公民館運営という公共施設運営に取り組むことに向けて、その母体となる6つの自治会が自らの 枠組みを越えた公益事業を展開するうえでの工夫と捉えることができる。
資料1 NPOわかさと若狭公民館の沿革
2005.6.1 若狭公民館地域サポートプロジェクト委員会(若狭が浦を住みよいまちにする会
(6自治会))発足
2007.6.14 特定非営利活動法人地域サポートわかさ設立総会 2007.11.28 特定非営利活動法人地域サポートわかさ法人認証 2004 ~ 09 民間からの公募による非常勤館長採用
2010.4 ~ 特定非営利活動法人地域サポートわかさへの一部業務委託 2015.4 ~ 特定非営利活動法人地域サポートわかさによる指定管理者運営へ
b.若狭公民館の事業活動 ―子どもの貧困問題―
若狭公民館では、独自の地域課題解決型事業を多彩に展開している。この前提として、若狭公 民館では当該地域の課題として、①自治会加入率が低く、高齢化が進んでいる、②地域内の情報 共有が乏しい、③ひとり親世帯、生活困窮世帯が多い、④子どもが安心安全でいられる放課後の 居場所が少ないことの4点をあげている。特に生活困窮世帯が多いことが若狭エリアのひとつの 特徴である
9。那覇市の歓楽街がある若狭エリアには、シングルマザーが多く暮らすこともあって、
特に夜間保育園のほとんどがこのエリア内に存在している。こうした状況に対して、若狭公民館 では子どもの貧困問題の中でも、「文化」的側面、あるいは子どもとその家族を取り巻く「関係」
の側面から社会教育としての課題解決に向けたアプローチを模索している。
【子どもジャズオーケストラ】
その一つが、子どもジャズオーケストラの取り組みである。徒歩圏内に公民館や児童館がなく、
放課後の居場所に不安がある曙小学校の児童を中心に、文化活動を通して居場所を提供しようと 公民館職員が立ち上がる。曙小学校ブラスバンド部を結成し、当初は公民館職員による手作りの トランペット演奏の練習から始まったのだが、より専門的な立場から指導を行うということから 那覇ジュニアオーケストラを指導している琉球フィルハーモニックに公民館が連携を求め、 「ジュ ニアジャズオーケストラ那覇ウエスト」として子どもジャズオーケストラの設立へと展開してい く。放課後の子どもたちは、地域内にある津波避難ビルを拠点に練習を重ね(左写真)、広く市 民に開かれた形での演奏会へと結びついていく(右写真)。公民館による他団体との連携が、単 に居場所を確保しただけではなく、子どもたちの文化活動の可能性を広げ、子どもとその家族の 社会的有用感を高めていくことになる。
【シングルマザー支援】
もう一つの取り組みがシングルマザー支援である。当初は、シングルマザー向け乳幼児学級を 公民館事業として開催する。しかし、既述のように夜間保育園を利活用する親たちの生活スタイ ルと公民館事業の時間帯が合わないことなどから思ったような参加を得られずにいたという。そ の後若狭公民館は、試行錯誤を重ねる中でNPOしんぐるまざあず・ふぉーらむ沖縄との連携にた どり着く。この連携を通じて、特に寡婦控除が適用されない非婚母子世帯の現状を取り上げ、公 民館での定期的な集いや学習会を重ねていく。徐々に当事者たちの参加や共感を得るなかで、こ の活動が後押しとなって那覇市では2012年度より非婚母子世帯の保育料が寡婦控除みなし適用 となるに至る。NPOとの連携を通じた公民館での学習活動の蓄積が、ひとつの運動をとなって具 体的な制度化を得るまでに発展したケースである。
c.若狭公民館の運営と地域づくり
こうした地元6自治会が設立した法人による若狭公民館の運営は、地域づくりにどのような影 響を与えているのか。第1に若狭公民館では、潜在化する地域課題への着眼とその解決に向けた 独自のアプローチを見せていた点が注目される。県内で最も賑わう歓楽街が位置づく若狭地域は、
そこで働く女性たちの暮らしをめぐる社会的、経済的困難が多く存在する。とりわけシングルマ ザーにとっては、自身の子どもの食生活や学習にかかわる課題など、いわゆる子どもの貧困問題 が顕著な地域でもある。しかし、一般的に自治会を典型とする地域コミュニティにおいては、こ
写真:練習風景(左)と初の演奏披露会(2017.1.14)(右)
うした格差や貧困にかかわる課題を正面から取り上げることは少なく、むしろ不可視な事柄とし て地域社会に潜在化してしまうことさえある。さらに地域コミュニティの拠点ともなる公民館に あっては、そこに集う住民たちの生活環境の違いから子どもの貧困といった地域課題が学習課題 とはなりにくい現実がある。地域に根ざす公民館であるがゆえに、かえって個人のプライバシー に関連した深刻化する生活課題を取り上げにくいという矛盾した状況がある。しかし若狭公民館 では、子どもの貧困問題を公民館の学習課題として正面から取り上げている。NPOとの連携に よって無料の英会話教室を実現したり、あるいはシングルマザーの生活実態に関する学習会の積 み重ねを通して寡婦控除みなし適用の実現に結び付けたり、さらには子どもジャズオーケストラ の設立など、子ども(あるいは子育て)をめぐる文化的貧困や関係の貧困に対して公民館独自の アプローチをつくり上げてきている。
第2は、巧みな情報発信とそれらを通した人材・団体の発掘である。若狭公民館は、ホームペー ジ、ブログ、フェイスブック、ツイッター、メルマガなど、SNSを駆使して多様な年齢層への情 報提供を意識的に進めてきている。現にこうした若狭公民館の情報発信をめぐる一連の取り組み については、全国的に高い評価を受けている
10。既述のように公民館は当該地域の拠点となって、
ややもすれば地域内部のみに閉ざされた指向性を含みもつ。他方、若狭公民館では情報発信を通 じて即時性や開放性を有した施設運営を可能にすると同時に、地域内外の人材や団体等の諸資源 をつなぐインターミディアリーとしての機能を発揮しているといえる。
第3は、上記の2点と関連して、地域運営による公民館が地域課題解決に向けた学習活動を展 開する社会教育施設としての役割を果たしていることである。このことは当然のこととも受け取 れるが、地域運営という地縁組織による施設運営をめぐる課題を乗り越えている点を強調してお きたい。その取り組みは、運営主体である6自治会の構成員はもとより若狭小学校区の範域を越 えた社会問題にすらアプローチをみせていた。それは、閉ざされた地域コミュニティではなく、
不特定多数の市民に広く開かれた公共施設運営の実現とも言い換えることができる。地元自治会 が設立した公益法人による運営がそのことを可能にしたわけだが、公民館の地域運営の可能性を 導くひとつの形として示唆を与えるものと捉えたい。
(2)那覇市繁多川公民館 a.繁多川公民館の運営
繁多川地域は首里城を間近にした那覇市南東部に位置し、真和志地区にある地域のひとつであ る。そのなかにある繁多川公民館は、繁多川自治会の中心にありながら、人口10万人(自治会 数44)の真和志地区全体の社会教育の拠点という役割も持っている(「表:那覇市管内別自治会数・
加入世帯数の状況」参照)。2005年4月の開館と同時に県内で初めてNPO(特定非営利活動法人
なはまちづくりネット)に業務委託された公民館でもある。2015年からは、特定非営利活動法
人1万人井戸端会議(以下、NPO井戸端会議)が指定管理者となって運営を進めている
11。繁多
川公民館の歴史は、その設立当初から今日まで、運営主体であるNPOと地元繁多川自治会との関 係の中で築き上げられてきたと言える。
資料2 那覇市繁多川公民館の沿革
2005,1 ~ NPO法人なはまちづくりネットへの一部業務委託 2005,4,1 那覇市繁多川公民館設立
2006,11,26 第1回繁多川公民館まつり開催
2010,11,2 第63回優良公民館として文部科学大臣表彰
2013,3,28 継続的な地域連携活動により「第14回朝日のびのび教育賞」受賞 2014,4 ~ NPO法人1万人井戸端会議への一部業務委託
2015,4 ~ NPO法人1万人井戸端会議による指定管理者運営
b.繁多川公民館の事業活動
NPO井戸端会議による公民館運営の始まりとなった事業が、公民館講座「繁多川見聞録」であ る。3年間にわたる同講座では、繁多川自治会エリアに暮らす中学生、大学生、女性団体、そし て一般公募など、多様な人びとを対象に戦前・戦後の食文化、伝統芸能、労働等についての聞き 取りを重ねている。聞き取りからは、戦時中の繁多川のガマ(自然洞窟)には
12、行政・警察機 能があり重要な役割を果たしたことなどが分かってきている。この講座での経験と蓄積が、戦後 の暮らしを支えた「繁多川豆腐」の復活、優れた地域人材の発掘と活躍を促す「すぐりむん認定」、
被災地への資金支援に取り組む「あたいぐゎー(家庭菜園)手づくり市」など、その後の公民館 と地域との事業展開を支えることに結び付いていく。
【GESHUKUプロジェクト】
その始まりは、ひとりの高齢の公民館利用者の孤独死であった。繁多川公民館長はこのことを きっかけに、地域の一人暮らし高齢世帯の見守りを公民館として実現することを模索し始める。
一方で、高校のない離島からの若者の進学事情を繁多川公民館では課題視している
13。若者たち
は、高校進学後は那覇市内に一人暮らしとなるため、頼れる大人もいないなかで高校生が安心し
て通学できる生活環境づくりが課題となっていた。繁多川公民館では、こうした二つの課題(資
源)をマッチングさせた事業を「離島・遠隔地進学支援:GESHUKUプロジェクト」としてスター
トさせる。公民館が仲介役となって、一人暮らし高齢者の自宅に高校生たちが下宿するこの取り
組みでは、高齢者は高校生の食事、生活環境を実現し、他方高校生たちは高齢者の孤独解消や生
きがい、生活安全の確保を実現している。現に沖縄では台風が多く、その度に高齢者たちは買い
物や片付け、網戸等の家財の修理などに苦慮していたが、これらの課題や不安を高校生たちが改
善していく。このプロジェクトは当初、県立沖縄工業高校の生徒6名と独居高齢者がモデルケー
スとなってスタートしている。プロジェクト終了後、独居高齢者の女性は公民館での料理教室を
主宰したり、近隣に対して高齢者の孤食を防ぐ場所として自宅を開放する活動を行ったりするな ど、人間的なつながりが豊富化すると同時に主体的・自立的な生き方を追求している。同プロジェ クトが、独居高齢者を単に見守りの対象とするのではなく、課題解決の主体へと導く教育的営み であることが理解される。
【あたいぐゎープロジェクト】
公民館講座「繁多川見聞録」での聞き取りを通して、繁多川地域には戦前から豊富な井泉の水 量と水質を活かした「繁多川豆腐」があり、最盛期には40 ~ 50軒ほどが豆腐作りを副業として いたことが明らかとなった。「当時は、在来大豆の青ヒグを自家栽培して豆腐を作っていたこと がわかり、昔の繁多川豆腐を再現したいとの話から探していたところ、唯一、沖縄県農業研究セ ンターに保管されているなかから数粒を提供いただき、これをあたいぐゎー(家庭菜園)で増や して、在来大豆による繁多川豆腐を再現する「あたいぐゎープロジェクト」へと繋がっていきま した」
14。在来大豆の栽培だけでなく、豆腐作りに必要な道具なども手づくりで再現されていく。
地元の識名小学校では、在来大豆の種まき、収穫、乾燥、脱穀、石臼挽きなど、昔からの豆腐作 りが総合学習でも取り入れられ、さらに県内各地の教育機関や団体との連携にまで広がっている。
2007年に始まった同プロジェクトは、現在、単に公民館事業として留めるのではなく自主組織 として立ち上げ、繁多川公民館、繁多川自治会、上間自治会、かりゆし友の会(真地小ボランティ ア)が連携して、子どもたちへの食文化の継承、そして地域住民の活躍の場づくりとして展開を みせている。
c.繁多川公民館の運営と地域づくり
NPO井戸端会議が指定管理者となって運営される繁多川公民館の取り組みを概観してきた。地 域外の法人による公民館運営が、当該地域の地縁組織とどのような関係をつくるのか。あるいは、
学習拠点として当該地域にどのような影響を与えているのか。第1に指摘できるのは、徹底した 地域の人材や資源の発掘を実現していることである。NPO井戸端会議による運営は、3年間にわ たる公民館講座「繁多川見聞録」がすべての始まりであったと言ってよい。その過程では、戦前、
戦後の食文化、伝統芸能、当時の労働など、地域の歴史と文化を掘り起こしただけでなく、こう した資源発掘を自治会関係者はもとより、多様な人びとへの聞き取りを通じて達成してきている。
それは、自治会関係者(自治会加入率15.3%)だけでは出会うことのできない、世代を越えた 人材の発掘へと結実している。これらの人材を「すぐりむん」として認定し、さらに地域での活 躍の場へと広げてもいる。こうした丁寧に時間をかけた資源発掘の過程はまた、NPO井戸端会議 と地元自治会との信頼関係を醸成した時間でもあり、その後の繁多川公民館と自治会との連携の 礎を築き上げている。その意味で、この事例は既述した運営主体の形態「c)当該地域外法人」
に該当するが、地元地域からの積極的な運営主体との連携の模索があることから、地域運営のひ とつの形「当該地域外法人・地域連携型」として新たに整理することができる。
第2は、繁多川自治会の構成員や範域を越えた地域課題の解決である。そもそも沖縄県内では、
自治会加入率の低さから地縁組織の代表性や公共性に正当性を与えることが困難な環境にある。
一方ではまた、貧困問題など地縁組織のエリアには限定されない、共通した社会問題が課題とも なっており、いずれも自治会という地縁組織のみで乗り越えていくことは困難なものでもある。
これに対して、繁多川公民館では独自の発想とネットワークによって地域課題解決にアプローチ していた。GESHUKUプロジェクトでは、県内の離島全体に共通した高校生の生活課題に対して、
繁多川地域に暮らす一人暮らし高齢者の生活課題を結びつけ、むしろ双方の特性を活かした課題 解決を創造的に実現していた。そこでは具体的な課題解決と同時に、公民館事業を結節点とした 自治会と自治会を取り巻く地域(人びと)との関係構築へと広がりをみせている。それは、自治 会との出会いから相互理解、そしてともに課題を解決する=地域のくらしを支える主体という共 通項によって支えられる関係でもある。
そして第3は、NPOと自治会相互の学びのプロセスがあることである。公民館講座「繁多川見 聞録」、自治会と公民館との共同事業‘すぐりむん’認定、GESHUKUプロジェクト、そしてあたい ぐゎープロジェクト等の一連の事業展開は、NPO井戸端会議と繁多川自治会がともに地域を理解 しようとする学びの姿勢が前提にある。相互に無知なものを知るという意味においては対等であ り、そこには運営主体と利用者、あるいは教育(者)と学習(者)という一方向的関係を越えた 共同的かつ創造的な関係が現れていた。NPOと自治会がともに地域に気づき、学ぶプロセスから は、地域外法人による運営でありながら、対等性や相互性を備えた地域連携型というもう一つの 運営形態を見出すことを可能にしている。
Ⅲ 公民館の地域運営の意義と検討課題
(1)公民館と地域コミュニティの関係構造
本稿では、公民館の地域運営について、①当該地域設立型法人(若狭公民館)、②当該地域外 法人・地域連携型(繁多川公民館)の二つの事例をもとに検討してきた。それぞれ、地域課題や 地域資源への着目、あるいは丁寧な課題解決に至るプロセスづくりを通して巧みな事業展開を進 めていた。これら2つの事例から見える公民館の地域運営の可能性について整理してみる。
第1に指摘できることは、いずれの事例においても地域課題や社会問題を発掘、あるいは可視 化しつつ、その解決に向けた取り組みを具体的に進めていたことである。特にそれらの課題が、
地縁組織とは一見無縁であったり、あるいは地域に潜在化していたりするものへの着眼である点
が重要である。離島出身の高校生への生活支援(繁多川公民館)などは、当該地域とは離れた別
の地域(離島)の課題であって、従来の発想に従えばそれを取り上げることへの疑問が公民館に
投げかけられても不思議ではない。あるいは自治会加入者ではないシングルマザーたちの生活支
援に対して地域に根ざす公民館が取り組むこともまた、これまでの手法や考え方とは異なるもの
と言える。公民館として正面から向き合うことが困難とも受け取れる子どもの貧困問題に対して、
音楽等の文化や人びととの関係構築という独自の視点から教育・学習を通じて課題解決に取り組 む姿にもまた新たな社会教育の展開を見出すことができる。このように地縁組織だけではアプ ローチが困難な課題解決を地域運営による公民館が実現していることが注目できる。
第2は、地域社会に潜在する資源、人材の発掘とそのネットワーク化である。従来、一般に地 域の担い手とはいわゆる地縁組織の役員、あるいは行政委嘱委員であるなど限定的に捉えられて いた向きがある。しかし本稿の事例では、公民館講座を通じて地域資源や人材を掘り起こし、さ らにこれらを地域社会に具体的に活かすという取り組み(繁多川公民館)や、地域内外の人材や 団体との連携のもと子どもの貧困問題にアプローチする取り組み(若狭公民館)などが見られた。
地域を取り巻く人びとや団体、資源を丹念に紡ぐこうした公民館の取り組みは、地域の中間支援 機能(インターミディアリー)として捉え直すこともできる。日本における近年の中間支援機能 については、従来までのNPO・市民活動を支援するものから地域コミュニティを支援対象とした ものへと、その機能の見直しが各地で課題とされている。むしろ本稿が取り上げた公民館の取り 組みは、地域コミュニティ支援型の中間支援機能の一つとして評価されるべきであり、分権時代 の社会教育施設が追求すべき社会的機能として再構築されるべきものと言える。
そして第三は、上記2点と関連して、地域内外に開かれた施設運営が足元の地縁組織の活性化 に結び付いていることである(図参照)。いずれの事例も、地域外とのつながりを重視している 点は共通であり、その目的は当該地域の学習活動を通じた地域の暮らしの実現にある。その手法 は、一定のエリアで括られた地域(住民)のみに向き合う従来型の社会教育施設(図A)から地 域を俯瞰した立ち位置に抜け出し(図B①)、むしろ地域の枠を越えた外部との連携・交流(図B②))
によって当該地域住民の気づきや学びを促し(図B③)、具体的な課題解決を進めるというやり 方である。こうしたなかで、地縁団体に関する地域の理解が広まることにより新たな自治会加入
図:公民館機能と地域コミュニティの関係図 (■:公民館)
者が現れたり、深刻化する地域課題の解決力が醸成されることなどが現実のものとなっている(図 B④)。公民館事業を通じた社会的ベクトルのあり様や巧みさが、こうした地域運営の可能性と なって現れてきている。
(2)今後の検討課題
最後に今後の検討課題として次の3点を指摘しておきたい。一つは、社会教育施設の民間運営 をめぐる運営主体の力量形成についてである。本稿が取り上げた事例には、NPOによる運営とい う共通性があると同時に、そのリーダー(公民館長)はいずれもかつて那覇市の直営時代に公民 館職員(嘱託職員等)であった経験を有している。むしろ、そうした社会教育の実践経験が理由 となって、その後のNPOの設立や新たな公民館運営の中心的役割を担うことに至った経過があ る。いわば結果として優れた公民館長がいたからこそ実現できた事例とも言え、そこでは公民館 職員の育成等がシステムとして整えられているわけではない。特に公民館運営の場合には、企業 等の民間事業者が積極的には参入しない領域ということもあって、民間の力量に依存した運営の 仕組みには不安定要素や課題が多く想定される。現実に公民館の地域運営で雇用された職員が、
しばしば交替するというケースは少なくない。また、民間に運営をゆだねる側の行政が、運営主 体の人材育成に取り組むことは矛盾であり、さらに行政がその事業・運営を評価するとは言って も、運営そのものから遠ざかっている行政(職員)からはその視点やノウハウが減退していくこ とも現実にある。その意味では、社会教育職員としての専門性をどのように継続あるいは構築し ていくべきなのか。すでに中間支援施設の民間運営をめぐっては、運営主体間のネットワークに よって能力形成を促進する動きなどがある。これを行政とのパートナーシップの中で展開するこ とや、県行政等の広域行政の役割を含め、運営主体の力量形成のシステム化を構想あるいは実践 していくことが今後求められる。
第2は、地域コミュニティの形成及び運営をめぐる課題である。本稿の事例が伝えていること は、公民館等の地域に根ざした拠点施設が、地域外の諸資源と連携することによって地域コミュ ニティの課題解決力を促進していくという構造である。自治会等の地域コミュニティは、特定の 会員によって構成される共益性に基づく任意団体である。つまり、一定のエリアのなかで完結す るという基本的性格があり、地域外との関係構築に消極的な側面をもつ。しかし、高齢化と人口 減少のなかにあっては、共益性に基づく限り地域コミュニティは縮小の一途を辿らざるを得ない。
これを、NPO運営によって地域の外に開かれた、いわば公益性を有した公民館が拠点機能を発揮 することによって地域コミュニティの課題を乗り越えようとしている。人口減少社会を見据え、
より発展的に構想すれば地域コミュニティ自体が共益性から公益性を有する組織に転化する必要 はないのか。あるとすれば、それはどのような方策の中に見出すことができるのか。引き続き具 体的実践に基づくケーススタディが必要である。
第3は、行政の役割についてである。まずは本稿が取り上げた那覇市行政に関する固有の課題
が指摘できる。那覇市は人口31万人余、小学校36校に対して、公立公民館(職員配置)は中央 公民館を含め7館である。全国的に見れば、小学校区ごとに公民館を配置する自治体も多くみら れる中で、公立公民館の設置数の少なさが顕著である。これに加え、本稿が事例とした2つの公 民館のみが民間運営であり、それ以外は直営となるため運営形態が混在したままの状態が今日ま で続いている。このことは、庁内との情報の共有あるいは人事異動を含めた施設運営の継続性の 観点から見ても、7館の諸条件が異なることから相互の連携や情報共有、あるいは合意形成その ものに課題があることが想定される
15。さらに民間運営の2館については、委託費の内訳として 事務管理費(間接費)がほとんどないという実態もあり、NPO等とのパートナーシップの観点か らみても、人件費や事業費のみで委託費全体を占めるという同市行政(あるいは民間)の契約行 為そのものにも疑問が残る。
さて、(那覇市固有の課題とは別に)本稿の事例が実現していたものは、貧困問題や高齢者独 居世帯への支援など社会問題や地域課題に社会教育の視点から果敢にアプローチする姿であっ た。しかしこれを行政に置き換えてみると、単に教育行政には止まらない、一般行政も含んだ部 局横断型の課題とも言い換えることができる。公民館の可能性を追求したウィングを広げた実践 は、これと向き合う行政側の分野・領域の狭さを露呈させている。今後、こうした民間運営の可 能性をさらに広げる意味でも、行政側がどのような枠組みで向き合うのか。地域包括ケアシステ ムなどに象徴されるように、地域を巻き込んだ多分野に及ぶ取り組みは一層求められる状況があ る。しかしそれは、教育施設の首長部局移管などの各地にみられる単純な措置ではなく、あくま でも教育・学習を通じた地域課題解決という意味において部局を越えた枠組みづくりを求めたい ところでもある。今後の研究課題として指摘しておきたい。
(さくらい つねや・高崎経済大学地域政策学部教授)
〔付記〕
本調査研究にあたっては、那覇市まちづくり協働推進課、那覇市若狭公民館、那覇市繁多川公 民館の皆様にヒアリングや資料提供等で複数回にわたりご協力をいただいたことに、この場を借 りて心より感謝申し上げる。尚、本稿については2018年度科学研究費補助金(課題番号 16K04557)、及び2019年度科学研究費補助金(課題番号:19K02453)の一部を活用している。
〔註〕
1 『平成30年度 地域運営組織の形成及び持続的な運営に関する調査研究事業報告書』2019年3月総務省地域力創造グルー プ地域振興室参照
2 特に地域運営の導入によって公民館、行政、指定管理者である自治組織の三者の間に自立的あるいは依存的相互関係が 現れることに要因が求められる。筆者は、これにより社会教育事業と地域づくり事業とが混同(もしくは後者への統合)
される実態があることを指摘している。詳細は、拙稿「コミュニティ・ガバナンスと社会教育」『日本地域政策研究』第 11号、日本地域政策学会、135-142頁、2013年3月参照
3 高橋満(2009)134-143頁参照 4 松田武雄(2007)127-140頁参照
5 宮崎隆志「ソーシャル・キャピタル論の批判的再構成の課題」松田武雄編著(2012)第2章、24-47頁参照。
6 石井山竜平「社会教育の評価とソーシャル・キャピタル」松田武雄編著(2012)第3章、48-63頁参照
7 現在の那覇市の自治会加入率は16.4%。加入率は微減傾向であるうえ、自治会が組織化されていない未組織地域も多く ある。第二次世界大戦後、復興が急速に進み、市街地が形成・発展していく中で寄り合い世帯的地域が形成される。そ の結果、流入人口の多かった地域(本庁地区、真和志地区)では、自治会の組織化が進まず、未組織地域が多い要因となっ ている。また、他市町村から移り住んだ人びとが自発的に結成した「郷友会」が、助け合い等のコミュニティ的な役割 を担っていることも自治会組織化に関係があるとされている。
8 ここでの自治会とは、那覇市行政と連絡事務受託契約を締結している自治会を指している。
9 若狭公民館エリアの生活保護率6.2%であり、全国1.7%、沖縄県2.4%、那覇市3.6%と比べても高い割合となっている。
数字は、NPOわかさによる運営開始時点(2014年度)のものである。
10 2018年度第7回全国公民館報コンクール最優秀賞、2017年度第2回全国公民館インターネット活用コンクール最優秀 賞、2013年度第5回全国公民館ホームページコンクール優秀賞等の受賞歴がある。
11 NPO井戸端会議は、以前から那覇市の公民館の嘱託職員として勤務していた職員らを中心に2014年に設立。人口1万人 規模を顔の見える関係が育める規模であるとして、生涯学習の観点から地域づくりを推進することを狙いとしている。
その目的について定款では「この法人は、すべての人に対して、社会教育、生涯学習、地域福祉に関する事業を行い、
生きる力を育み、生きがいの持てるまちづくりのため、地域を支える担い手の育成や地域資源の活用で人材や資源が循環・
継承される持続可能なしくみをつくり、地域社会に寄与することを目的とする」とされている。
12 第2次世界大戦の末期に起こった沖縄戦では、住民や日本兵の避難場所として、また野戦病院などとして利用された。
13 沖縄県内には160の離島があり、そのうち有人の島は39島ある。このなかで高校のある島は4島であることから、島に 暮らす若者の殆どは高校進学と同時に島を離れることになる。家族にとっては高い渡航費や教育費、生活費などの重い 負担(平均81,000円/月)となっている。兄弟が多く収入が十分でない場合、希望する高校への進学を断念するケース すらあるという。『館報2016別冊』那覇市繁多川公民館、9頁参照。
14 『館報2016別冊』那覇市繁多川公民館、7頁より引用。
15 那覇市行政には、民営化を含む社会教育施設の再編計画は特に存在せず、今後、公民館の民間運営が拡大することは予 定されていないという。
〔参考文献〕
佐藤智子(2014) 『学習するコミュニティのガバナンス』明石書店 高橋満(2003) 『社会教育の現代的実践』創風社
高橋満(2009) 『NPOの公共性と生涯学習のガバナンス』東信堂 立田慶裕他(2011) 『生涯学習の理論』福村出版
松田武雄(2007) 『現代社会教育の課題と可能性』九州大学出版会
松田武雄編著(2012) 『社会教育・生涯学習の再編とソーシャル・キャピタル』大学教育出版 松田武雄(2014) 『コミュニティ・ガバナンスと社会教育の再定義』福村出版
松田武雄(2015) 『社会教育福祉の諸相と課題』大学教育出版
松田武雄(2019) 『社会教育と福祉と地域づくりをつなぐ』大学教育出版