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へき地における算数・数学

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

へき地における算数・数学

著者 小川 庄太郎

雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要

巻 10

ページ 59‑72

発行年 1974‑03‑20

その他のタイトル A Study of Arithmetic and Mathematics

Education in Romote Mountain villages of Nara Prefecture

URL http://hdl.handle.net/10105/6316

(2)

へき地における算数・数学*

小 川 庄太郎**

(奈良教育大学数学数室)

      I   目   的

 奈良県下の児童・生徒の算数・数学の理解度の実態に関しては,昭和32年以降,奈良県算数数学 教清研究会の企画のもとに毎年調査報告され,貴重なデーターの集積が得られている。しかし,その報告 にはいわゆる「へき地」に限定されたデーターは含まれておらず,ましてへき地といわゆる「平坦」

との比較のデーターも抽出されていない。 (これに関しては,文献(1) (2)参照)

 本研究は,上述の調査をも背景にして,へき地における児童・生徒の算数・数学における理解度の 実態や潜在的な能力などを,次のようなカテゴリーで調査しようと試みたものである。

  11へき地と平坦との比較

  2、既習範囲における結果と,未習範囲における結果との比較

  3。算数・数学において,比較的に形式的・技能的な内容における結果と,比較的に論理的・応    用的な内容における結果との比較

  4.奈良県算数数学教育研究会の調査によるデーターとの比較

 このため設問の一部には昭和45・46年度の上記の調査におけるもの(今回の対象の児童・生徒 は経験しないもの)を加え,またこの調査時期において明らかに未習のものも加えた。

      皿   方   法  、.調査対象

 へ壱地からは,奈良県吉野郡十津川村,下北山村の小学校6校,中学校3校を選び,平坦としては,

奈良市,郡山市,桜井市,北葛城郡香芝町,同広陵軌吉野郡西吉野村,同下市町のように。吉野川 筋の学校も含めて小学校4校,中学校4校を選び,下記学年について各学校の児童・生徒の全員調査 を行なった。なお,人数は次のようである。

料A St♂y of Arithm巳tic and Mathematics Education in   RomoteMount aiIl Vill ages of Mra Prefect山e

そ半Shotaro Ogawa㊤epartment of Mathematics,Nara Uni versity

  of Education,Nara)

(3)

学   年 へき地 平  坦 付  中

小学校3年 95㈹ 128ひ○ 223ひ)

〃 5年 107 124 231

中学校1年 149 161 310 163(入)

〃 3年 115 153 268 169

 (特に中学1年,3年については,本学附属中学における調査も併せて行なったので,その結果も 付記しておいた。ただし,平坦としてのデーターには組み入れていない。)

 2.実施方法

 1972年10月中旬〜11月上旬に・次に示す設問を与えれ記入に要する時間は1時間弱で当 該学校の教官の指導のもとに実施してもらい,集められた回答の正誤の判定の処理はすべて小川の研 究室において数学専攻学生の援助をえて行なった。 (本文未尾参照)

 孔 調査内容

 各学年の設問は,それぞれ次に示すようである。

さんすう(3年)

1.つぎの口にあてはまる難いれなさい。

396+口=902 1364一口=491 7X[コ白63 1×1=1×1+口 42÷□;7

2.まさおくんのいえからがっこうまでいく         iす 加た

のに,いろいろの進み方があります。まさ       みち

おくんはいつもいちばんみじかくいける道 をあるきます。まさおくんは,いえがらが  っこうまで・ごうけい何mの道のりをある  きますか。

杉叩        、、い

      后          δ  185加

舳1んのいえ 々・り     が・こう         50刊 抄

脇ま.から.までの道のりをあらわし細

      ただ

aっぎのぷんの口に正し/かきいれ舳・。

 またこのぶんで_をひいてあることぱは,

 じかんをあらわすのかじこくをあらわすのか  をよくかんがえて・そのどちらであるかを・

 ()のなかにかきいれなさい。

「はなこさんは,けさ8時5分まえにいえをで

      1

ました。15分かかって,がっこうに口時    (  )      (

[コ分   )

につきました。

a のぼるくんには,にいさんがふたりといも  うとがひとりいます。きょうだいみんなでバ  スにのりました。バスちんはひとり45円ず

っでした。ぜんぷで何円かかりまし牟か。

7. 「よしこさんは,まさおくんよりがせがた

かくただしくんよりせがひくい。すみこさん

(4)

3.つぎのことは正方形についていえることで     榊、

す。この中で長方形についてもいえることに みんな○を()のなかにつけなさい。

①()四つの角はみんな直角です。

②()二つのおなじ直角三角形に分けられ      ます。

③()四つの辺の長さはみんな同じです。

④()むかいあっている辺の長さは同じで     す。

4.下の三角形のなかで,直角三角形であるも のはみんな(あ)のらんの()のなかにO

をつけなさい。また,二等辺三角形であるも のはみんな〔い〕のらんの〔〕のなかにO

 をつけなさい。

(あ)( )( )( )( )( )(

o l 〕/ 〕/ 〕1 〕1 〕(

とまさおくんはせのたかさが同じです。あき らくんはよしこさんよりせがひくい。」

上のぶんから,つぎの問いに答えなさい。

      ひと ①5人のうちでいちぱんせのたかい人はだ

 れですか。

②5人のうちでいちばんせのびくい人につ  いてはどうでしょうか。

& 1こ210円のセットをクラスで31こか

         旭もん

いました。ぜんぷの代金はいくらになるでし  ようか。

      オ州i

  この答えを考えましょう。答えがでたら,

 どのように考えたかをよくわかるようにせつ  めいしなさし・o

算数(5年)

1.つぎの計算をしなさい。

    1 2

①3万て

②1場9+(γ78−248)

③1a26−2.9×4

1.つぎの口.にあ.てはまる数を書き入れなさ

 い。

①999999.9より大きくて,これにい

  ちばん近い整数は[二二二二コである。

②100000.1より小さくて,これにい

①全体の面積を求めるために{ま,つぎのう  ちのどの長さがわかればよいですか。

 (正しいものに○をつけなさい。)

    ・ア ・イ ・ウ ・工

②全体の面積が52c茄であるとしたら,ウ

 の長さは何C面ですか。

6、おかあさんは,兄と弟のくつを買って  1100円はらったが,兄のくつは弟のくつ

の2倍より100円安かったそうです。 兄

のくつはいくらだったでしょうか。

(5)

ちばん近い整数は「1である。

3. コンクリートブロックが100こあります。

これを1りん車ではこぷことにしましナ㍍1 回に6こずつはこべます。ぜんぷはこぴおわ

るには、何回はこぺぱよいでしょうか。

4一まさお君の家から学校まで行くのに,いろ いろの進み方があります。まさお君はいつも     みじ

いちばん短かく行ける道を通ります。まさお 君は家から学校まで合計鰍mの道のりを通り

ますか。

益縮のき 学放

(数字は・から。までの道のりをあらわす)

5一つぎの形は・2つの長方形をくっつけて作  ったものです。

      工

/一一…5㎝一㌔、.1

一一 Eー..一

一制

3o¶

一イ..

一■■一一■・・一一 P0cm 一一一一一一一一一一一一

7. ○,△,口,◇,☆ の5つの数があって,

これらについてつぎの「」の中のことが成  り立ちます。

      2

 r○は虫の1.2部で,口の・一です。

      3

  与と ◇とは等しく, △ に3をた すとOになる。」

 この5つの数のうちで,いちばん大きいのは  どれですか。

8.つぎの問いに答えなさい。

①4c皿の長さは3  ㎝の長さの何倍で

  すか。

 計算の式と答えを

  下に書きなさい。

   4     3

②一㎝の長さは一㎝の長さの何倍になるで    7     7     4 3

  しょうか。このことを考えて一÷一の答え        7 7

 を求めてみましょう。

   5 1

③一÷一の計算のしかたと答えを考えてみ    6 3

  ましょう。

   2 5

④一÷一を計算してみましょう。

   3 7

(6)

数学(中学1年)

1.次の計算をせよ。

①一13一(一17)

②8−5×(一3)

③125+(6−8×2)}÷3

④2α十(一3o)

⑤(2κ斗3)一(4π一7)

2①24,36,42の3つの数の最大公

約数を求めよ。

②24,36,・42の3つの数の最小公き

  数を求めよ。

3 ∫は1から15までの自然数全体の集合,

 λ={κ1κは12の約数},B,け1κ  は8の約数}とするとき,次の集合の図に要

素をもれなく記入せよ。

4、全体集合σを,σ={1,2,3,4,5,

 6,7,8,9,}とし,P={1,3,5,

 7,9},Q={3,6,9}とするとき,

次のそれぞれの集合を,要素を書きならぺる 方法で示せ。

①P∩Q

②集合ρに属するか,または集合◎に属す   る要素全体の集合

③P∩Q  ④P∪Q

5 正方形の1辺の長さをκ㎝,面積をツC㎡

 とするとき,

6.下図は, (0)のあみ目のたて線をななめ にして, (0 )のあみ目をつくったことを 示す。このとき(α)上の点A,Cには(0

)上の点A ,C がそれぞれ対応している。

  (剛 ^      D

  (αI〕

AI

1≡一一一

E

①上にならって,(σ)上の三角形ABC,

  DE Fに対応する三角形A B C ,D   E F を, (0 )上に書け。

②三角形ABCと三角形A B C の面

  積は等しい。このわけを示せ。

③三角形DEFと三角形D E F の面

  積は等しいかどうかを考え,結論とそのわ   けを示せ。

④三角形ABCと三角形DEFの面積は等

  しい。このわけを示せ。

      o+か

7.2つの数0,5に対して,その平均一

       2  を、0・δで表わそう。

g (棚4・6=5(4と6の平均は5に等

     しい。)

①次の口に適する数を記入せよ。。

 (i)3・9=□

 (ii)(一4)・(一2)=1二1

(iii)(一1)・(1・1)定日  ②次のことが正しいわけを説明せよ。

 「0,5がどんな数であっても,σ・わ=5   ・oである。」

③次の口に適することばを記人せよ。

(7)

①次の数表の空らんに数を言己入せよ。

κ(m)

ツ(c〆)

1,5 2.5

② 1辺の長さ        洲㎝2〕

 が1cmカ、ら3  C皿までしだい  に変わるとき  の面積の変わ  り方を表わす  グラフを,右  に書け。

1 2 3 4(㎜)

 上の②のr」の中の性質は,次のように  いい表わすことができる。『0・5の計算

では,コ法則が成1立つ。1

④(0・5)・C=0・(あ・C)はいつも  成り立つだろうか。これについて調べ,そ  の結果を示せ。

⑤④でわかったことを,計算の基本法則に  関することぱでいい表わしてみよ。

数学(中学3年)

1.次の問いに答えよ。

①次の文章で正しいものには○,正しくな   いものには×をつけよ。

 (1)侭 は有理数でない。

2.

(・)汗は無理数であみ

 次の計算をせよ。

(1) 2πX何 (2  3何一 次の式を展開せよ。

       2  (3∬一5)

 (2α十3)  (20−3)

 (∬斗3) (∬一6)

3.次の式を因数分解せよ。

   2 ①κ一10κ一24

κ

6.次の連立方程式を解いて,κ,yを求めて

みよ。

rツ=π十1

しκ2・3ツー1−0

∫…ツ・一・

レにツ・一3

τ 直線の平行と垂直に関して,次の①,⑳

③のことが成り立つ。

①直線上のどんな点においても,この直線   に垂直な直線を引くことができる。

②Z2直線Zとmカ平行はらば,Zに垂直な

一64一

(8)

      2

②(o+わ)一6(o+わ)十9

③・Lα

4.変数ツは変数 の一次関数であって,κ=

 0のときツ=3,∬土2のときツ=2 であ

 る。

①ツはκのどんな式で表わされるか。

②ツの値が5より大きくなるようなκの値

  の範囲を求めよ。

5. 「二等辺三角ABC(AB;AC)におい て,どれか一つの角の大きさが60。である  ときは,この三角形は正三角形である。」

①上の定理で,仮定の部分の下にアンダー   ライン    を引け。また,結論の部分  の下に波線^^へ,。)を引け。

②上の定理の証明をかけ。

 直線nはmにも垂直である。

③2直線Z,mに直線nが交わるとき,Z  もmもともにnに垂直ならば, Zとm

 は平行である。

 以上の①,②,③のことがらをもとにして,

 次の2つの定理を証明せよ。

 (上のことがらをどのように使ったかがよ  くわかるようにかくこと)

 定理1  長方形(4つの角がすべて直角      である四角形)の対辺はそれぞれ      平行である。

 定理2  直線p,q,rにおいて, p      4q(P,qは平行),q〃rな      らば。P〃rである。

皿結果と考察

 (1) 正答者数と百分率

 各設間に対する正答者数とそれぞれの集団における百分率を,へき地・平坦(中学1年3年は付属 中学での結果も付記),昭和45,46年度の奈良県算数数学教育研究会による全県的調査について 表示すると下表のようである。

 なお・Aのカテゴリーは地域による区分仏ピ へき地・A2…平坦)を・Bのカテゴリーは 学習範囲による区分(B1… 既習範囲・B2…未習範囲)を・Cのカテゴリーは内容による区分(

C1 … 比較的に形式的・技能的な内容・ら … 比較的に論理的・応用的な内容)を示九

設        問 へき地(均)95入 平坦(砂128人 全県的習査

学年 百分率 45年 8091人

番 号 固・B2 C一・C2一 正答者教 百分率 正答者数 46年 5119人

1 ① B1 C1 37 39 64 50 46年  52㈲

② B1 C1 37 39 57 45 46年   48

③ 町 Cl 90 95 123 96 45年   91

④ 與 C1 38 40 77 60 45年   54

(9)

⑤ B1 C1 73 77 111 87

2 B1 C2 13 14 32 25

3 B1 C2 12 13 25 20 46年  21

4 ① B1 C2 12 13 34 27 45年  34

② Bユ C2 8 8 30 23

3 5 ① B1 Cl 19 20 31 24 Φ②

B工 C1 27 28 48 38

八時

6 B1 C2 41 43 81 63 時間

年 二

7 ① B1 C2 66 69 81 63 十時 分刻

② Bl C2 3 3 2 2

8 B2 C2 4 4 17 13

設    問 へき地(A1)170人 平坦(A2)124人 全県的調査

学年

番 号 国,B2 C1,C2 正答者数 百分率 正答者数 百分率 45年 7456人 46年 4543人

1 ① B1 CI 63 59 94 76

    一 ■ 一 一  一.         』

S6年  75鯛

② B1 C1 78 73 98 79 46年   77

③ B1 C1 40 37 79 64 46年  53

小 2 ① B1 C1 38 36 99 80

② B1 C1 52 49 94 76

3 B1 C2 55 51 104 84 45年  39

学 4 B1 C2 26 24 64 52

5 一① B1 Cl 93 87 113 91

⑫ B1 C1 30 28 78一 63

5

6 B1 C2 7 7 37 30 46年   26

7 B1 C2 48 45 83 67

年 8 ① B1 C1 20 19 55 44

⑦ B2 C2 10 9 29 23

⑤ B2 C2 16 15 24 19

Q B2 C2 5 5 21 17

設    問

学年 へき地(A♪149 平坦(助〕61人 全県的調査 付中

番 号 B1,B2 C1,C2 正答者数 百分率 正答者数 百分率

■一 

46年 2664人 163ノ

1 ① B1 Cl 100 64 123 76 46年  68鯛 91綱

② B1 Cl 35 23 91 57 46年   46 89

③ B1 C1 47 32 88 55 93

⑦ B1 C1 68 40 102 63 97

B工 C1 10 7 37 23 67

163人

(10)

2① Cl 49 33

ユQユ

63 46年 58 91

② B1 Cl 19 13 65 40 46年 32 66

中 3 Bl・ C2 19 13 61 38 61

4① Bl C2 C2 64

3ユ

43 21 130 84 81 52 46年 63 46年 34 96 90

③ B1 C2 19 13 83 52 46年34 83

④ Bl C2 23 15 80 50 46年31 86

5 ① B2 C1 36 24 94 58 91

1

② B2 C2 4 3 17 11 12

6 ① B2 C1 85 57一 124 77 95

② B2 C 5 3 32 20 84

I

③ B2 C 2 1 5 3 38

2

④ B2 C 2 1 4 2 31

2

7①(i) B2 C 109 73 138 86 85

1

⑪)

B2 C 94 63 133 83 85

1

(⑲

B2 C 29 19 68 42 85

1

② B2 C 5 3 22 14 71

2

① B2 C 26

工7

72 45 75

2

④ B2 C 4 3 23 14 82

2

①、 C2 1 1 3 2 21

設  問 へき地(へ)115人 平坦(幼153人 45年3776人 的調査 .付中

学年

一  一

番号一 a−B C.C 正答者 百分率 正答者 46年2610人 169人

1①(1) B1 C 1 74 64 133 87 46年 63㈲ 89

(2)

Bl C 1 52 45 93 61 46年 42 75

②(1) Bl C 45 39 89 58 82

1

(a

B, C 13 11 57 37 76

i

2 ① B1 C 1 41 36 98 64 46年 69 88

② B1 C1 64 56 106 69 46年 76 93

学 ③ B1 C1 67 58 l1l 73 46年 80 95

3① B1 C1 52 45 81 53 46年 64 84

② 均 C 3 3 36 24

1 46年 34 51

3

③ 巧 C1 5 4 46 30

45年 31 50

4 ① B1 C1 lO 9 54 35 80

② 均 C1 5 4 30 20

年 43

5 ① B1 C2 7 6 52 34 91

(11)

② Bl C2 3 3 23 15 20

6  ① B2 C1 2 2 27 18 56

② B2 C1 2 2 22 14 38

7 ① B2 C2 8 7 51 33 76

② B2 C2 2 2 29 19 46

以上の表から概ね次の傾向がうかがえる。

①全般的に・正答率は へき地<(全県)<平坦(<付中…中学のみ) の順にな?てい孔

②①における正答率の差は.小学三年においてはさほど決定的でなく,なかには僅かであるが,

 へき地〉平坦(7①,②)の順になっているものすらある。

③学年が進むに従って、①における差は開いていく。(次項κ2一検定参照)

④中学3年,2①②③,3①⑳③(式の計算)においては,へき地<平坦<全県という順  序になっている。これから,こうした形式的な算法において昭和46年度と比較して理解度カ掘  下しているのではないかの疑問カ精たれ孔

⑤当然予想されることではある狐 B1(既習)>B2(未習)・の傾向がこの設間の結果  からも明らかにうかがえる。

 また・ C1,(比較的に・形式的・技能的・学んだことを直接用いる内容)と・C2 (比較的に・

 論理的・応用的・アイディアを働かして発展的に考える内容)との間にも・C1>C2の傾向が  明らかである。 (下記分散分析参照)

⑥教育大付属中学の正答率机他に比して抜群に高いことは印象的である。

(2) 各設問の正答率の差の検定(A1・A2間)

各設問に対する正答率の差がA1 (へき地)・A2 (平坦)間において有意か否かを・月一検定 によって判定して,以下のような結果を得た。 (共 … 5%有意,¥共 … 1%有意.共¥¥

… O.1%有意)

     1       2 3 4   5  6 7  8

小学3年①②③④⑤   ①②①②  ①②

 戸 Z7α7α02ag a7431.9a5Hα62・O&909α1↓2

有意差     ¥¥  ¥  ÷¥米         共

(12)

     1

小学5年①②

 κ2 7.5 1,2 有意差 ¥半

   2

③  ①  ② 15,9 46,7 18.2

半¥朴  廿¥半  →←汁米

3  4

28,2  18.O

¥¥半 一井¥米 5

1.0

6  7

28,1 18・7 11.4 半半¥ 米¥¥ ¥半半

8

①  ④  ③ 1τ2 8.1 O・8

¥米¥  キ井

7.5

¥半

     1

中学1年 ①  ②  κ2 3.3 3.4 有意差

③  ④

16.8 9.8

¥¥米  井半

   2      3

⑤  ①  ②

I5,9  27,6 29,9 25.5

¥米→← ¥井¥  米¥共  ¥¥米

4

0  ②  ④  ④

47,2  32,6  52,8 40.9 半¥→← ¥→←¥  ¥¥¥  →←¥キ

5

①  ② 37.2 6.4 半共共  半

     6

    ① ②

 γ2 1ω1a6

有意差米兵半¥米¥

①  ④

O.4 0、工 7

①(i)(i) ㈹  ②

7,5   15,0  18,7   9.1

¥共  共料  半米米  半¥

③  ④  ⑤

26,6 11.7  0.2

¥共¥ 米兵半

     1

中学3年 ①(1)e)

 κ2 影O a4

有意差 半共栄 ¥

     2

②(1)¢) ①

9,6   22,9  21.2 半米  半→←¥  共¥¥

②  ③ 5,3 6.0

景   米

3

①  ②  ③ 1.56 21,4 26.5   米米米 ¥米¥

     4      5     ①  ⑦  ①

 π2 25.61Z22a2

有意差半半米井共半¥¥井

10.2

¥米

6      7

⑪  ②  ①  ②

I5,6  11,4  25.1  17.4

¥米¥ 半→←井 ¥米¥ ¥→←→←

 以上の検定で明らかなように,小学5年以降では大部分の設問に対して有意差がみられる。ただ,

小学3年では設問数の三分の一程度しか現われていないことは,教育上大切な視点を与えることと思 われ孔  ⊂1二述したように,A1>A2のものすら僅かながらもある。)

 つまり,小学1,2年では恐らくこの傾向はより明らかになることが予想される。いいかえれば、

(13)

へき地・平坦において小学校低学年では理解度において大差ないものが,学年と共に次第に差が生じ ると想像される。この差が何故に生じるのか,またこの差を生じさせないための具体的な対策は何か,

こうしたことの検討および方策実行が切に望まれるわけである。

(3) 正答率に対する分散分析

 4こ学年を総合して,A,B,Cの各カテゴリーに分類して,その正答率(%)を算出すると,下 表の左側のようになる。これを分散分析した結果が下表の右側のものである。

x品C島

A13S2228 4

A257出.

4./. M.∫. F。

τ

要因 ∫.∫.

A 561.125 1 561,125 179.56女 B 595.125 1 595.125 190.44半 C 820.125 1 820.125 262.44半

AXB 21.125 1 21.ユ25 6.76

B×C 551125 1 55.125 17.64 C×A 0.125 1 0.125 0.04

E 3.125 1 3−125

r F1 (O.∩ 5、 =  (6 1.5、

(・1(α05)=(6L5)

」τ

 この分析の結果から,A内(A1・A2間)l B内(B1・B2間)・C内(C1・C2間)にそ れぞれ有意差(水準5%)を認めることができる。 (^の値から・そのうちでも・C1・q間の 差がより顕著であるといえる。つまり,へき地・平坦での差,既習・未習での差よりも,技能的形式 的な内容に対する理解度と理論的発展的な思考を要する内容に対する理解度の差の方が著しいことが うかがえるわけである。少なくとも今回の設問に関する限りにおいて。)

 A X B ,BX C・C×Aの交互作用は認め難い。特に・ A×B・A×Cについて考察すると・

次のようにいえる。へき地における理解度はたしかに平坦におけるそれよりも劣るが・B2・C2,

において異常に劣るとはいい難い。

 このことは,へき地における潜在的な理解能力や,発展的に考察する能力が平坦に比して,甚だし く少っているとはいえない点で私たちに希望をいだかせるものである。

       v  要   約

奈良県下のへき地の児童C小学3年,5年),生徒(中学1年,3年)計466名に対し,小学算 数中学数学の教材に関する設問を与えた。(昭和47年10月〜11月)

設問には,一部昭和45年,46年度の奈良県算数数学教育研究会による調査問題を加えた。また。

当該学年の児童・生徒にとっては未習の範囲についての設問も若干加えた。

 ほぼ同じ時期に,同一の設問を平坦(吉野川下流域を含む)の同学年の児童・生徒計566名にも 与えた。なお,平坦としてのデーターとは別に,奈良教育大学付属中学の当該学年の生徒計332名

一70一

(14)

にも与えて,参考とした。

 要因をA1(へき地)とA2 (平坦)・B1 (既習範囲)とB2 (未習範囲)・C1 (技能的内容)

とC2(論理的内容)の,A,B,Cの3つに分け,それらについて統計的分析を行なって得られた 決論の主なものは,次のようである。

 1.A1,A2間では1各段聞に対する正答率において,小学3年では顕著な差は比較的少ないが・

  学年が進むにつれて,大部分の股間で0.1%で有意な差がみられる。

 2.全学年を総合して,A,B,C3要因についての分散分析(母数模型)において,A内,B内,

  C内はそれぞれ5%で有意な差が検出され乱しかし,A×B,B x C,C X Aのそれぞれの交   互作用は認め難い。

 3.45年度,46年度に奈良県算数数学教育研究会が施行した全県的な調果の結果と比較して,

  今回の調果の結果も,それらとほぼ以通った油向にあるとみられる。

 4.付属中学における正答率は,すべての設問にわたって,他のデーターに比較して極めて高いも   のである。

 以上のような分析から,へき地の児童は,その能力・可能性において元来は劣るものでないが,学 年が進むと共に,その外的環境に由る事由によって,算数・数学に対する理解力が平坦に比して劣っ ていくものと推察され乱

 <付記> 本調査にあたって,吉野郡十津川村,下北山村の各教育委員会,同調査実施校の各先生,

  平坦での実施校および付属中学校の各先生からいただいた御協力に対し深い感謝の意を表します。

   なお,平坦での実施および全資料の回答の正誤の判定と集計について協力していただいた本学   数学専攻学生塩谷節子,長田英,松下佳己の諸君にも厚く感謝します。

       参 考  文  献

(1)奈良県僻地教育総合学研究報告,奈良学芸大学教育研究所(1962).P173

(2)奈良県算数数学教育研究会会誌,昭和32年度〜46年度

(補訂) (1)においては,平谷地区と全県的に見た大・中・小規模校との比較がなされている。し

かし,検定等の統計的処理は省略されている。

(15)

参照

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