Ⅰ.はじめに
領域「表現」の「感じたことや考えたことを自 分なりに表現し、豊かな感性や表現する力を養い、
創造性を豊かにする」
1ねらい達成のためには、音 楽、造形、劇、舞踊などの専門的な分野ごとの指 導ではなく、子どもたちの気持ちの表れや表しを あるがままに受け止め、受容・共感することが大 切である
2。また子どもたちの表現を保障するた めには一つの表現方法に偏ることなく、多様な方 法に触れることが重要である。歌唱、演奏、描画、
製作、ダンス、オペレッタ、劇など様々な表現方 法がある中で、 「からだであらわす」身体表現は表 現の基本であり、 「身体表現」が十分実践される機 会や場が必要である
3。しかしながら、幼児教育や 保育の現場では、 「表現」と関わる保育内容が長い
間「音楽リズム」、「絵画制作」と示されてきたこ とから、音楽や造形表現に偏りがちで
4、身体表現 活動は音楽の下位に位置付けられものと捉えられ るなど、身体表現あそびが十分に実践されてきた とはいいがたい。
身体表現あそびが保育現場で十分実践されるた めにはどうしたらいいのか。本研究では、表現あ そびや身体表現あそびの実践状況をまず把握す ることから始めたい。実践状況は保育歴の違いに よって分析していく。
語義規定
本研究における「身体表現あそび」は、「感じた ことや考えたことを動きで表現したり、演じて遊 んだりするあそびや活動」
5示す。
先行研究
「身体表現」と「保育歴」については、本山益子 他(2003) 「保育における身体表現Ⅲ-保育歴によ
― 保育歴による違いから ―
多胡 綾花
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湘北短期大学保育学科
【抄録】
身体表現あそびが保育現場で十分実践されるためにはどうしたらいいのか。表現あそびや身体表現あそびの 実践状況をまず把握することから始めたい。身体表現活動実践にむけた具体的な手立てや課題を明らかにする ことを本研究の目的とする。
【キーワード】
保育内容「表現」 身体表現あそび 幼稚園
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――――――――――――――――――――――
<連絡先>
多胡 綾花 [email protected]
る違い」がある。この研究では、身体表現をA[イ メージを中心とした表現]、B[音やリズムを中心 とした表現]、C[日常的に自然にあらわれる表現]
の3種類に分類し、それぞれついての保育者の意 識(日常保育・年間計画・養成校教育・得意意識・
望ましさ)について保育歴別(0~ 4年・5~ 9年・
10~ 14年・15~ 19年・20年以上)に検討をした。
結果、3種類の身体表現の特性、得意意識につい ては保育歴による違いは認められなかったとい う。しかし、身体表現活動の望ましさについて積 極的に認める回答が15年未満と15年以上の間に 差があり、保育歴の浅い保育士ほど、その活動と しての望ましさを積極的に認める傾向があるのに 対し、保育歴の長い保育士は「身体表現」の望ま しさを積極的に認める傾向が弱くなっている様子 が伺えたとある。1990年における「保育指針」改 定による「保育内容」の再編成が関係しているの ではないかと考察している。
Ⅱ.研究目的
身体表現の実技講習に参加した現任幼稚園教諭 46名(保育歴1年目~ 20年以上)を対象に表現あ そびおよび身体表現あそびの実践状況と内容の質 問紙調査を行った(有効回答数37名:97.8%)。こ の実技講習参加者は自発的な講習の参加であった ことから、比較的「身体表現」についての意識の 高い保育者といえる。
調査項目は、①領域「表現」を元にした内容8項 目の実践状況と実践内容、②身体表現あそび実践 上で苦労している点、③子どもたちが進んで取り 組みやすい身体表現あそびの題材、④保育者が取 り組みやすい身体表現あそびの題材、⑤子どもた ちがなりきって表現しているエピソードについて 調査した。
これにより、身体表現あそび実践にむけた具体
的な手立てや課題を明らかにすることを本研究の 目的とする。
Ⅲ.研究方法
1.調査方法・対象・時期 ① 方法 質問紙調査法
② 調査時期2011年8月(神奈川県)
③ 調査数
有効回答37名(97.8%)/全回答者46名 2.協力者の属性
幼稚園教諭37名(男性0名、女性37名)
3.内訳
① 保育歴 表1 保育歴
保育歴 人数 人数
新人期 0年 5
1~ 3年 8 13 中堅期 4~ 6年 10 7~ 9年 5 15 ベテラン期 10年以上 7 20年以上 2 9
合計 37 37
本研究では、保育歴を0~ 3年までを「新人期」
(13名)、4~ 9年を「中堅期」 (15名)、10年以上を「ベ テラン期」 (9名)とする。
② 担当クラス 表2 担当クラス
新人 中堅 ベテラン 計
年少 4 5 3 12
年中 6 6 3 15
年長 3 3 2 8
フリー 0 1 0 1
主任 0 0 1 1
計 13 15 9 37
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4.質問内容
質問内容は以下の通りである。
表3 質問内容
設問 調査内容
1 領域「表現」内容の実践状況(5段階)と実 践内容(自由記述)
2 身体表現あそび実践上で苦労している点
(自由記述)
3 子どもたちが進んで取り組む身体表現あそ び(自由記述)
4 保育者が取り組みやすい身体表現あそび
(自由記述)
5 子ども達がなりきって身体表現しているエ ピソード(自由記述)
Ⅳ.結果
1.領域「表現」の実践状況と実践内容 (1) 領域「表現」の実践状況
幼稚園教育要領の領域「表現」8項目の実践状 況について、「5.よくする」、「4.する」、「3.たま にする」、「2.あまりしない」、「1.しない」で数値 化し、各群の平均値を算出した。これを各群の実 施度と捉え、 「5」に近い値を実施度が高いとした。
新人群で実施度が高いのは「⑥音楽あそび」
(4.38)、「⑦造形あそび」(4.23)の順番であり、実
施度が低いのは「⑧イメージの表現あそび、演 じて遊ぶ」(2.92)であった。中堅群では、実施度 が高いのは「⑦造形あそび」(4.2)、「⑥音楽あそ び」 (4.13)、「⑤いろいろな素材あそび」 (4.07)で、
実施度が低いのは「③感動したことを伝え合う」
(3.47)である。ベテラン群で実施度が高いのは「⑦ 造形あそび」 (4.44)、 「③感動したことを伝え合う」
(4.22)、 「⑤いろいろな素材あそび」 (4.22)であり、
ベテラン群の中で実施度が低いのは「①音、色、形、
手触り、動き」 (3.89)である。
以上から、 「⑦造形あそび」、 「⑥音楽あそび」、 「⑤ いろいろな素材あそび」の実施度が高いというこ とが分かった。
図1 表現あそびの実施度
表4 表現あそびの実施度
内容 新人 中堅 ベテラン 全体
①音、色、形、手触り、動き 3.46 3.62 3.89 3.66
②美しいもの心動かす出来事 3.08 3.67 4 3.58
③感動したことを伝え合う 3.42 3.47 4.22 3.7
④感じたことの表現 3.54 3.73 4 3.76
⑤いろいろな素材あそび 3.54 4.07 4.22 3.94
⑥音楽あそび 4.38 4.13 4.11 4.21
⑦造形あそび 4.23 4.2 4.44 4.29
⑧イメーシの表現あそび、演じて遊ぶ 2.92 3.79 4.11 3.61 平均値 3.57 3.83 4.12 3.84
3
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次に、項目ごとに各群の比較をしていく。棒グ ラフで示したのが図1である。
グラフより、「⑥音楽あそび」以外の7項目にお いて、新人群→中堅群→ベテラン群という順番に 実施度が高くなっている。経験を重ねるにつれて 領域「表現」の内容がしっかり実践できていると いうことが分かった。一方、「⑥音楽あそび」は新 人群(4.38)が最も実施度が高く、中堅群(4.13)、
ベテラン群(4..11)となっていく。このことから 新人保育者ほど⑥の音楽活動をよく実践している ということが分かった。
次に、各群の比較を行う。新人群と中堅群さら にベテラン群と差が大きかったのは、「⑧イメー ジの表現あそび、演じてあそび」内容である。イ メージの表現あそびは経験を重ねるうちに十分実 践できるようになると分かった。次に、新人群・
中堅群ともにベテラン群と差が大きいのは、「③ 感動したことの伝え合い」である。日々の生活や 活動を振り返り、感動したことを伝え合うという 活動はベテランほど実践できていると分かった。
続いて、各内容の実践のバランスについて保育 歴ごとに比較していく。
この結果をグラフにしたものが以下である。
図2 表現あそび実施バランス
新人群では実施度の八角形に歪みがあるが
6、 ベテラン群になるほど、各項目の実施度が上がり、
綺麗な八角形になっている。ベテラン群になるほ どバランスよく各内容を実践していると分かっ た。
(2) 領域「表現」の実践内容
①領域「表現」の実践内容
領域「表現」内容として、具体的にどのような 活動を実践しているのかを自由記述で回答しても らった。全回答をまとめたものが表5である。表5 より、多岐にわたる内容が実践されているという ことが分かった。
新人保育者が実践できていないとした「⑧イ メージの表現あそび、演じて遊ぶ」については、
「劇ごっこ」 (4件)が多く実践されており、保育歴 10年以上の保育者の記述によると、劇ごっこを普 段のあそびから発表会に展開しているとあった。
日々のあそびから発表の場へと繋げている様子が 伺われた。
新人・中堅保育者において実践が弱かった「② 感動したことの伝え合い」については、 「一日の発 表を最後にする」(保育歴10年以上)、「帰りの会 などで、伝え合う」 (保育歴10年以上)と、毎日必 ず一日を振り返る時間や場を設け、驚きや感動し たことを子どもたちと共有しているようである。
②身体表現あそびの抜粋
次にこの表から、身体表現に関わる内容と思わ れるものを抽出した。
3
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表6 抜粋 身体表現あそび
項目 内容
①音、色、形、手触り、動き 体操(3)、リトミック、ダンス、動物の表現、音を使った表現あ そび、運動あそび
②美しいものや心動かす出来事
③感動したことを伝え合う
④感じたことの表現 リトミック、リズムあそび、発表会(劇ごっこ)、お店屋さんごっ こ、レンジャーごっこ、散歩で見つけた生き物の動きの真似
⑤いろいろな素材あそび お店屋さんごっこ(廃材を使って)
⑥音楽あそび 体操
⑦造形あそび ごっこあそび
⑧イメージの表現あそび、演じて遊ぶ 劇ごっこ(4)、発表会(2)、忍者ごっこ、ごっこあそび、ままご と(自由あそび)
表7 身体表現あそび実践上の問題点
新人群(保育歴0~ 3年) ......................13人
・ 手あそびやダンスはとても大好きで喜んでやっているが、やろうとしない子どもが何人か見られる。
その子どもへの声かけが難しい(保育歴1~ 3年)他6人
・ 年少の子どもたちに説明する時の言葉かけが難しい(保育歴0年)。
・ 細かな動きではなく、身体を大きく動かせる表現へつなげられるような表現あそびの指導(保育歴1
~ 3年)
・ 部屋が狭くのびのびできない(ホールがない)。 (保育歴1~ 3年)
中堅群(保育歴4~ 9年) ......................15人
・ あまり関心のない子、苦手な子、消極的な子にどのように援助すればよいのか苦痛になっていないか、
心配です。 (保育歴4~ 6年)他6人
・ 自身のレパートリーが少ないので、指導が偏る(保育歴4~ 6年)
・ 遊びの中で指導・援助となると難しい。 (保育歴4~ 6年)
・ やる時間とスペースがない。 (保育歴4~ 6年)
・ 自分の知識がなく、なかなか挑戦しようと意欲が持てない(保育歴4~ 6年)
・ 保育者のセンスが問われてしまうこと。 (保育歴7~ 9年)
ベテラン群(保育歴10年以上) ..................9人
・ 表現したがらない子への働きかけ(保育歴20年以上)他3人
・ 遊びの中で自由に表現している時は良いが、運動会などみんなで一緒にしなければならない時の苦 手な子への指導(保護者理解を求めたり、個別対応、その子なりの成長・・・でやっています)。 (保育 歴20年以上)
・ 恥ずかしがる子が昔より増えた。 (保育歴10年以上)
・ 表情や動きのない子には苦労している。 (保育歴10年以上)
・ 子どもの自発的な意見と声かけ・補助のバランス。 (保育歴10年以上)
合計37人
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表6から、項目「①音、色、形、手触り、動き」に たくさんの身体表現活動が回答されている。体操 からリトミック、ダンス、音の表現、運動あそび、
ゲームとその種類も多く、子どもたちが全身を 使って活動し、様々な動きに気付いたり、感じた りすることにつながると考えられる。また「ごっ こあそび」は前述の①はもちろんのこと、 「④感じ たことの表現」、「⑤いろいろな素材あそび」、「⑦ 造形あそび」、「⑧イメージの表現あそび、演じて 遊ぶ」にも挙げられている。
2.身体表現あそび実践上の問題点
次に身体表現あそびについて、見ていく。
身体表現あそびを実践する上で問題に感じるこ とを自由記述で回答してもらった。その回答をま とめたものが表7である。
下線で示したように、どの群からも身体表現あ そびへ積極的に参加できない子への対応が挙げら れた。身体表現あそびを進んでやろうとしない子 どもへの対応や働きかけなど、これが身体表現あ そび実践上の非常に大きな課題といえる。
また「進んでやろうとしない子どもへの対応」
と回答した18件の分析を行った。身体表現あそび に消極的な理由は以下の通りである。
表8 「身体表現あそびの消極的な理由」 18件
・自分を表現することが苦手である(4件)
・身体表現あそびに興味・関心がわかない(3件)
・みんなと一緒にできない、中に入れない(2件)
・あまり身体表現あそびが好きではない
・他のことに興味がある
・動きたくない(最初から「疲れた」という)
・どう表現していいか、分からない
・人前で表現したがらない
・「消極的」のみ記述(4件)
以上にように、ひとまとめに身体表現あそびが 消極的といっても、その状況はいろいろであると 分かった。最も多かったのが、自分を表現するこ とが苦手とした保育者の意見であったが、「苦手」
とはどういうことか、身体表現の経験が少ないの か、身体表現が好きでないないのか、表現をしよ うと思ってもどう動いて分からないのか、子ども によって異なるであろう。この問題について、さ らに考える必要がある。
次にすべての群に身体表現あそびの指導内容に ついての記述があった。新人群では「細かな動き ではなく、身体を大きく動かせる表現へつなげら れるような表現あそびの指導」(保育歴1~ 3年)、
「年少の子どもたちに説明する時の言葉かけ」(保 育歴0年)と、基本的な指導方法についての問題 を挙げている。中堅群では日々ダンスや手あそび は取り組んでいるが、 「遊び中で指導・援助となる と難しい」(保育歴4~ 6年)、「どう発展させてい くのか、そのためにどんな環境を用意すればよい のか」(保育歴7~ 9年)、「子どもたちのイメージ を広げられるような言葉かけが難しい」(保育歴7
~ 9年)と、自由あそび場面での身体表現あそび での援助の方法や、子どもたちの身体表現あそび を広げていくことのできる環境づくり、活動の展 開、イメージの耕しについて、考えている様子が 分かる。さらにベテラン群になると、 「子どもたち の自発的な意見と声かけ」(保育歴10年以上)と あるように、指導者主導で保育を展開するのでは なく、子ども達が主体的に身体表現あそびを行う ためにどうしたらいいのかを考えている様子が推 察される。
また指導方法以外については、中堅群やベテラ ン群に以下の問題が見られた。中堅群では「自身 のレパートリーが少ないので、指導が偏る」 (保育 歴4~ 6年)、「自分の知識が少なく、なかなか挑 戦しようという意欲が持てない」 (保育歴4~ 6年)
- 27 -
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表 9 取り組みやすい身体表現あそびの題材 ― 子どもたちと保育者 ―
- 28 -
とあるように、自分の保育にマンネリ化や行き詰 まりを感じているようである。また保育経験が豊 かなベテラン群においては、「恥ずかしがる子が 昔より増えた」(保育歴10年以上)、「表情や動き のない子には苦労している」(保育歴10年以上)
と昔と比べて、現代の子どもたちの表現について 心配する意見があった。
またどの群でも、「部屋が狭くのびのびできな い(ホールがない)」 (保育歴1~ 3年)、「やる時間 とスペースがない」(保育歴4~ 6年)、「身体表現 やリトミックを入れる時間を作るのが難しい」 (保 育歴10年以上)と、空間的・時間的制約を問題点 として挙げている。身体表現を行う場合は、音楽 や造形のように保育室で座って行う訳にはいか ず、全身を動かすスペースが必要となる。また継 続的に身体表現あそびを行う時間を設けている園 も少ない。そのような中で、身体表現あそびをど う実践していくのか、これらをふまえて考えてい く必要がある。
以上の身体表現あそびの実践上の問題点を図化 すると以下のようにまとめられる。
図3 身体表現あそびの実践上の問題点
また「運動会などみんなで一緒にしなければな らない時の苦手な子への指導」 (保育歴10年以上)
が難しいとあり、 「発表」という形によって身体表 現あそびが強制され、自由に表現する楽しさが奪 われてしまうのではないかと考えられる。
3.身体表現あそびの題材
子どもたちが取り組みやすい身体表現あそびの 題材と保育者が取り組みやすい題材について、質 問した。各群にまとめたものが表9である。
保育者本人が回答しているから当然といえばそ うであるが、子どもが取り組みやすい題材と保育 者が取り組みやすい題材が同じ回答は43.2%(16 件/全37件)あった。
(1)子どもたちが進んで取り組みやすい題材 子どもたちが進んで取り組みやすい題材につい て、まとめたものが表10である。
表10 子どもたちが進んで取り組みやすい題材 題材 新人 中堅 ベテラン 計
動物・生き物 4 7 2 13
体操 1 2 3 6
リトミック 1 1 3 5
ヒーローごっこ 2 2 1 5
ダンス 1 0 3 4
好きな曲・歌 2 1 0 3
手あそび 1 0 2 3
ごっこあそび 1 1 1 3
絵本・紙芝居 1 1 0 2
ままごと 1 0 1 2
リズムあそび 1 0 0 1
劇ごっこ 1 0 0 1
オペレッタ 1 0 0 1
警察ごっこ 1 0 0 1
音に合わせてイメージで体
を動かす 1 0 0 1
天気 0 1 0 1
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- 29 -
リズムのある曲 0 1 0 1 ちょっと変わったもの 0 1 0 1
運動会の踊り 0 1 0 1
簡単に動けるもの 0 1 0 1
発表会 0 1 0 1
身体全体で経験したこと 0 1 0 1
絵 0 0 1 1
歌あそび 0 0 1 1
縄跳び 0 0 1 1
まねっこあそび 0 0 1 1
新人群では「動物・生き物」(4件)、「ヒーロー ごっこ」・「好きな曲・歌」 (2件)となる。中堅群で は突出して「動物・生き物」(7件)が多く、次に
「ヒーローあそび」・「体操」(各2件)となった。ベ テラン群では「体操」 ・ 「リトミック」 ・ 「ダンス」 (各 3件)が多く、次に「動物・生き物」 ・ 「手あそび」 (各 2件)となった。
全体で見た時は「動物・生き物」 (13件)が圧倒 的に多く、次に「体操」(6件)となり、「ヒーロー ごっこ」・「リトミック」 (各5件)、 「ダンス」 (4件)
となる。
以上のように、新人群・中堅群では「動物・生き 物」が子どもたちの表現しやすい題材であるとし ている。
(2)保育者が取り組みやすい題材
次に保育者が取り組みやすい身体表現あそびの 題材について見ていく。保育者が取り組みやすい 題材についてまとめたものが表11である。
表11 保育者が取り組みやすい題材
題材 新人 中堅 ベテラン 計
体操 4 3 2 9
リトミック 3 3 3 9
ダンス 3 4 2 9
手あそび 2 1 3 6
動物・生き物 1 2 0 3
歌から表現 1 0 1 2
歌あそび 0 2 0 2
変身あそび 1 0 0 1
オペレッタ 1 0 0 1
すぐできるあそび 1 0 0 1
保育者も一緒にできる 1 0 0 1
ゲームあそび 0 1 0 1
自然を使ったあそび 0 1 0 1
組み立て体操 0 1 0 1
ちょっとした時間にできる 0 1 0 1
絵本から 0 1 0 1
動物 0 1 0 1
簡単に動ける 0 1 0 1
身体全体で経験しtこと 0 1 0 1
変化のある曲 0 1 0 1
ごっこあそび 0 0 1 1
リズムあそび 0 0 1 1
まねっこあそび 0 0 1 1
音楽のつけやすいもの 0 0 1 1 各群では、新人群は「体操」 (4件)が一番で、 「リ トミック」・「ダンス」(各3件)が次に続く。中堅群 では、 「ダンス」 (4件)が一番で、 「体操」 ・ 「リトミッ ク」(各3件)が次になる。ベテラン群では、「リト ミック」 ・ 「手あそび」 (各3件)が一番多く、 「体操」 ・
「ダンス」・「歌あそび」 (各2件)となる。
次に全体で見ていく。 「体操」 ・ 「リトミック」 ・ 「ダ ンス」 (各9件)で、次に「手あそび」 (6件)となる。
以上から、各群で順位は違うものの、 「リトミッ ク」、「体操」、「ダンス」が保育者にとって取り組 みやすい身体表現あそびの題材であるということ が分かった。音楽やリズムに合わせて動く「リト ミック」、動きが決まっている「体操」、決まった 振りをすることが多い「ダンス」は保育歴に関係 なく、保育者が取り組みやすい題材である。
また少数意見であるが、以下の回答があった。
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表12 保育者が取り組みやすい題材(少数意見)
・「準備がいらず、すぐできる遊び」 (保育歴0年)
・「保育者も一緒にできるもの」 (保育歴1~ 3年)
・「帰りの会でちょっとした時間にできるもの」
(保育歴4~ 6年)
・「音楽がつけやすいもの」 (保育歴10年以上)
身体表現あそび実践を考える上で、大切な視点 かもしれない。
4.子どもたちの身体表現エピソード
子どもたちがなりきって表現している印象に 残っているエピソードをまとめたものが表14で ある。集まった35件のエピソードから子どもたち が表現しているテーマは何かを抽出し、また文脈 を読み込み、以下のカテゴリーに分類した。
表13 身体表現エピソードのカテゴリー
「なりきり」…子どもたちがなりきって表現している様子
「自由表現」…即興的に自由に表現している様子
「条件反射」…思わず踊りだしてしまう、演じてしまう様子
「発想力」…子どもたちの発想豊かな様子
「主体性」…子どもたちが主体的に活動する様子
「自分なり」…自分なりに表現している様子
「広がり」…あそびが他の活動に広がっていく様子
「創造」…子どもたちが自ら振りや踊りを考え出す様子
「役割分担」…子どもたちが役割分担して演じている様子
表14より、保育歴による違いはなく、保育者た ちが子どもたちのいきいきとした身体表現を捉え ていると分かった。題材については、子どもたち の身近なもの(家族・動物・生き物・自然)や好き なもの(ヒーロー・お化け)、音楽(歌や曲)、劇の 登場人物、体操、ダンスなどであることが分かっ た。さらに好きな身体表現あそびであると、自分 達で集まって勝手に踊り出すなど主体的に活動し
たり、さらに新しい場面を作り出したり、振付を 考え出したりするということが分かった。また気 に入った身体表現あそびの活動であると、自由あ そびの場面にもあそびが広がっていくようであ る。
以上の35件のエピソードから、子どもたちの身 体表現を図化したものが以下である。
図4 子どもたちの身体表現エピソード
子どもたちの「主体的な活動」や「創造」、 「あそ びの広がり」を生み出すためには、まず身体表現 あそびを誘発する身体表現の題材が大切であると 分かる。それはよく論じられることであるが、家 庭や園などの子どもたちの身近にあり、子どもた ちが興味・関心を持っているものでなければなら ない。子どもたちの心に響く題材があれば、子ど もたちは条件反射のように踊り出し、自発的に表 現を始める。この身体表現あそびへとつながる矢
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表 14 子どもたちの身体表現の様子(なりきって身体表現しているエピソード)
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