「振り返り」に関する実践研究
篠原嶺
深圳日本人学校(原籍校:奈良県生駒市立光明中学校)
A Practical Study on the Reflection of the Attitude Toward the Learning Ryo Shinohara
Shenzhen Japanese School
(Ancestral Home: Ikoma City Komyo Junior High School
)<あらまし> 本研究は「主体的に学習に取り組む態度」を見取る「振り返り」に関する実 践研究である。
2019
年度、1
年間を通して振り返りを組み込んだ国語科の授業実践を行った。その授業実践における生徒の振り返りの変容を分析し、評価方法としての振り返りの可能性 と限界を明らかにした。結果として、「主体的に学習に取り組む態度」を見取るために振り 返りを用いることは有効だと認められた。しかし、振り返りは生徒の書く能力との関連があ るため、評価方法として振り返りを採用する場合、書くことを苦手とする生徒への支援が必 要だということがわかった。また「主体的に学習に取り組む態度」を見取る評価方法は、課 題に取り組む生徒の観察など様々な評価方法があるので、振り返りだけで見取ろうとするの ではなく、別の評価方法と併用するのが望ましいとわかった。
<キーワード> 主体的に学習に取り組む態度 振り返り 評価方法 1.はじめに
2017
年3
月に「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の三本柱 で整理された新学習指導要領が告示された。真新し い文言として、「学びに向かう力・人間性等」が挙げ られる。
国立教育政策研究所によると、「学びに向かう 力・人間性等」には主体的に学習に取り組む態度と して見取る部分と感性・思いやりといった観点別評 価や評定になじまず個人内評価を通じて見取る部分 がある。また、前者は粘り強く学習に取り組もうと する側面と自らの学習を調整しようとする側面の二 つに分けられる。さらに、自らの学習を調整しよう とする側面を「自らの学習状況を把握し、学習の進 め方について試行錯誤するなどの意志的な側面」と 定義している。これらのことから「主体的に学習に 取り組む態度」とは、自らの学習状況を把握するこ と、学習の進め方について試行錯誤すること、粘り 強く学習に取り組むことの三つで構成されていると
分かる。
では、この「主体的に学習に取り組む態度」は、ど のような方法で評価できるのだろうか。この観点は、
「関心・意欲・態度」と同じ目的で据えられたもの である。しかし、安易に従来の評価方法を採用する わけにはいかない。「関心・意欲・態度」の評価方法 に関して、「学習評価の在り方ハンドブック小・中 学校編」(
2019
)では「挙手の回数や毎時間ノート を取っているかなど、性格や行動面の傾向が一時的 に表出された場面を捉える評価であるような誤解が 払拭し切れていない」(国立教育政策研究所2019
) と指摘されている。具体的には、授業において積極 的に挙手または発言する児童生徒、思考することな く教師が黒板に書いたことをノートに写す児童生徒 はA
評価がつき、黙って熟考しているが挙手しない 児童生徒はC
評価がつく現状があると推測できる。また別の評価方法として、筆者は授業等で出された 課題などを締め切りまでに提出しているかで判断す る同僚を見た。これは児童生徒が家庭などで学習で
きるか否かを見取っている。もちろん、このように 教師から出された宿題や課題に取り組む力は重要で ある。しかし、「主体的に学習に取り組む態度」や
「関心・意欲・態度」の観点で評価しようとしてい る本来の趣旨と合致しているとは言い難い。これら のことから、各学校や各教師が本観点の評価方法を 模索しており、いまだ確立されていないといえるだ ろう。
2.本研究の目的と意義
筆者は主に中学生の国語科の授業を担当してお り、本観点の評価方法を模索する教師の一人である。
先述したように各学校や各教師によって模索される 中で、一部の学校や教師によって具体化された評価 方法が提案されている。
「主体的に学習に取り組む態度」の評価方法に関 する先行研究を確認するため、
2018
年12
月にCiNii
で「主体的に学習に取り組む態度」をキーワー ドに据え検索したところ、35
件が該当した。算数科 や数学科、特別活動や生徒指導を領域とする論文で あり、中学校国語科を領域とする論文はなかった。また授業を扱った論文は、一つの単元を扱っており、
1
年間の実践を取り扱ったものはなかった。次に、本 文の閲覧が可能な論文を検索したところ19
件が該 当した。最も新しい論文は宮崎樹夫ら(2018
)の「教科の内容・活動に固有な非認知的スキルを評価 する
:
証明の学習に関する『主体的に学習に取り組 む態度』」であった。これは教科の内容および活動に 固有な非認知的スキルを明らかにし、「主体的に学 習に取り組む態度」の評価を試みた実践研究である。数学の証明の授業における非認知スキルを踏まえ、
計
60
項目にも及ぶ「主体的に学習に取り組む生徒 像」を具体化した。それらの項目を評価の観点に据 え、複数の教員が生徒を観察し、五段階で評価した。この実践研究の新規性は二つ挙げられる。一つめ は数学の証明における主体的に学習に取り組む生徒 像を明らかにして、評価を試みたことである。二つ めは複数の教員で観察を行うことで、「主体的に学 習に取り組む態度」の評価における妥当性や公平性 を担保したことである。一方で、新規性として挙げ た二つめの点は、普段の授業での実行可能性という 観点から考えると課題がある。日常的に行われてい る授業で、複数の教員が常に授業に入り、観察でき るのかという点である。学校の実情を踏まえると、
それぞれの教師に授業のない空き時間は割り振られ ていても、授業を抜けようとする生徒の対応や情報 共有を目的とした保護者との連絡、さらに多様な校 務分掌業務など時間がまるまる空いているわけでは ない。また学校の規模によって
1
日の空き時間は多 くて1
コマなど、僅かな空き時間しか捻出できない学校もあるだろう。複数の教員による観察を通して、
評価の妥当性や公平性を担保することは重要ではあ るが、先述した学校の実情を踏まえると持続可能で はない。また、この評価方法では
1
章に述べた「主 体的に学習に取り組む態度」を構成する三つのうち、自らの学習状況を把握することは達成できない。な ぜなら、あくまでも教員が生徒の学習に取り組む姿 や様子を把握しているだけであり、生徒自身がそれ らを認識する、つまりメタ認知する場面が設けられ ていないからである。
以上のことから、「主体的に学習に取り組む態度」
を見取るためには、次の三つの条件を満たした評価 方法が適切だと考えられる。一つめは「主体的に学 習に取り組む姿」を具体化し生徒に示すこと、二つ めは生徒が自身の学習状況を把握する場を設けるこ と、三つめは普段の授業から無理なく活用できるこ とである。これらを満たした評価方法として、振り 返りが挙げられる。一つめの条件は振り返りを書か せる際に、「主体的に学習に取り組む姿」として評価 に値する記述の模範や記述の仕方を生徒に提示する ことで、満たせる。二つめの条件は振り返りそのも のが生徒に自身の学習状況を把握し分析する活動で あるので、満たせる。三つめの条件は授業内で振り 返りを書かせる時間さえ確保できれば、満たせる。
これらを踏まえて、筆者は
2019
年度に中学1
年生 から中学3
年生を対象とした国語科の授業において、「主体的に学習に取り組む態度」を見取るために振 り返りを活用した実践を
1
年間積み重ねた。本論では、
2019
年度に取り組んだ実践および生 徒の変容をもとに「主体的に学習に取り組む態度」を見取る方法としての振り返りの可能性と限界を明 らかにする。本研究の新規性は次の三つにある。一 つめは中学
1~3
年生の3
学年を研究対象とし変容を 追ったこと、二つめは1
年間の実践研究であること、三つめは「主体的に学習に取り組む態度」を見取る 評価方法としての振り返りの成果と課題を明らかに したことである。
3.実践の概要
筆者は
2018
年度から在外教育施設に勤め、中学1
年生から中学3
年生の国語科を主に担当している。本章では
2019
年度に取り組んだ実践の概要を記述 する。3. 1.生徒の実態
2019
年4
月にアンケートを行い、生徒の学習状況 等を把握した。アンケートには「なぜ、学習・勉強 するのか」という質問を設けた。その質問に対する 回答(自由記述)は、表1
のように9
つに分類でき た。「世界に貢献する」といった在外教育施設で学ぶ生徒ならではの回答がある一方で、「就職・会社・
仕事で役立てるため」や「受験・成績・資格のため」
といった回答も多かった。さらに、他律的な「義務 教育であるため」といった回答もあった。こういっ た学習観・勉強観は間違いではない。しかし、先述 した「主体的に学習に取り組む態度」には程遠いと いえる。生徒がこのような見方・考え方になるよう な授業をしてしまった筆者の力量不足である。表
1
の番号2
や番号4
のように学習に知的な面白さを感 じ、自ら学ぼうとする生徒が増えて欲しいと考えた。表1 回答の分類と割合
番号 記述内容 %
1 就職・会社・仕事で役立てるため 24.6 2 学ぶことが好き/知識を得て、能力を伸ば
すため 19.5
3 受験・成績・資格のため 18.6 4 自分の個性を磨き、可能性を広げるため 9.3 5 社会性を獲得するため 7.6 6 義務教育であるため 7.6 7 伝統を守りつつ、社会や世界に貢献する
ため 5.9
8 その他 4.2
9 生活や日常を豊かにするため 2.5 3. 2.本実践における振り返りについて
生徒の「主体的に学習に取り組む態度」を見取る ために、振り返りを次のようにカリキュラムへと組 み込んだ。用いた教科書は光村図書のものである。
①単元ごとの振り返りをプリントに書かせる。
②
A
評価の振り返りを学級で読み合う。③国語の紙ファイルに振り返りのプリントや授業 で用いたワークシート等を綴じさせ、ポート フォリオとする。
④学期ごとにノートやポートフォリオなどから自 己の変容をレポートに書かせる。
このカリキュラムのイメージを図に表したものが 図
1
である。ノートやワークシートなどの学習の軌跡を蓄積する
図1 カリキュラムのイメージ図
次に、本実践における振り返りの役割について述 べる。振り返りでは、単元における自分自身の学習 を思い返し、気になったことや疑問に感じたことと それに対する自身の考えを書き、自己の変容を言語 化するよう指示した。また、単元の概要は書かない よう伝えた。その理由は三つある。一つめは、単元 を通して筆者が生徒に投げかけた問いや教授したこ とは筆者自身が分かっているからである。二つめは、
それらはパフォーマンス評価や定期テストなどを通 して定着の程度が分かるからである。三つめは、
1
章で述べた「主体的に学習に取り組む態度」のうち、自らの学習状況を把握すること、学習の進め方につ いて試行錯誤することの軌跡を振り返りから把握し たかったからである。以上を踏まえて、生徒に振り 返りを書かせた。
最後に評価基準について述べる。評価基準は表
2
のように設定し、これらを「関心・意欲・態度」の 評価資料とした。表2 振り返りの評価基準
評価 基準
A 各単元で生徒自身が「問い」(気になったことや 疑問に感じたことなど)をたて、その「問い」の 答えを言語化し、自己の変容を捉えている。
B+ 各単元で生徒自身が「問い」(気になったことや 疑問に感じたこと)をたてられているが、その
「問い」の答えを十分に言語化しきれていない。
B 単元の学習内容を要約している。
C+ 単元の学習内容を箇条書きでまとめている。
C まったく書けていない。
3. 3.振り返りの指導
学習の進捗状況によって、振り返りを授業で書か せる場合や、宿題として家庭で取り組ませる場合が あった。しかし、前者と後者では仕上がりに違いが 表れた。家庭で書かせた場合、書くことを苦手とす る生徒は、「父親が優しいなと思いました。」(「字の ない葉書」の振り返り)のように授業を受けた感想 を箇条書きで表していた。自分が学んだことを書き 表す術を分かっていないようだった。これに気付い てからは、必ず授業中に書かせるようにした。また、
鉛筆が動いていない生徒とは単元を通して考えたこ とや学んだことについて、筆者と個別に話し合う場 を設けた。その際、生徒にはポートフォリオやノー トをもとに、学習の事前事後を見比べ自分の変容を 見つけさせた。もしくは、気になったことや疑問に 感じたことなどをノートやプリントなどから探させ、
学習を通してそれをどのように解釈したか語らせた。
この個別指導は別の効果もあった。在外教育施設 には国際結婚家庭の児童生徒がいる。幼少期から日
本語以外の言語に触れ、育ってきた子どもたちだ。
そのため、現地の学校と行う交流活動等で活躍して くれる。一方で、日本語の語彙力が乏しいという課 題が見受けられる。そういった生徒が自ら振り返り の内容について相談に来る場面が増えた。「日本語 で、どう表せばいいのか分からない。」「○○と書い たけど、違和感がある。」など自分の考えを言葉で形 にすることができない生徒には、まずどのようなこ とを書き表したいのか語らせた。その上で辞書など を使って言葉の意味を整理させた。また、漠然とし た考えはあるものの、言葉に書き表すことへ苦手意 識を抱えている生徒には自分が学んだことや考えた ことなどを図式化するよう助言した。
3. 4.具体の実践
ここでは、「字のない葉書」(光村図書『国語
2
』)における生徒の学習の様子を記す。表
3
は、学習計 画である。表3 「字のない葉書」の学習計画
時数 学習活動
第1時 ○作品を一文でまとめる。
○気になった部分や疑問に感じた部分を書き、学 級で共有する。
第2時 ○言動に着目し、人物像を読み取る。
第3時 ○言動に着目し、心情を読み取る。
第4時 ○作品を一文でまとめる。
○単元の振り返りを書く。
授業で文学的文章を読む際、学習前と学習後に
「
A
がB
する話」「A
がB
になる話」という形式で作 品を一文にまとめさせている。その変容が読みの深 まりを表し、振り返りを書く一助を担う。また第1
時で共有した気になった部分や疑問に感じた部分は 授業で扱うものを選定し、第2
時と第3
時に全員で 考え、解決を試みた。図
2
は第4
時に生徒が書いた振り返りである。振 り返りは三部で構成されている。最初に、初読の時図2 単元の振り返り
に考えた一文を書く。次に、単元の学習を終えて考 えた一文を書く。最後に、表
2
の振り返りの評価基 準を踏まえて、一文の記述が変容した理由やポート フォリオまたはノートを振り返り、学んだことを言 語化する。後日、A
評価のレポートを学級で読み合 い、感想を発表する。表
4
は生徒の一文に用いられた主語を整理したも のである。表4 主語の変容
私 父 末妹 向田 家族 私や妹 事前(%) 25.0 18.8 18.8 25.0 12.5 0 事後(%) 12.5 43.8 0.0 18.8 18.8 6.3
初読の一文の主語を「私」または「向田」にして いる生徒が
25
%ずついた。学習後に書いた一文で は「父」を主語にした生徒が43
%おり、初読の一文 と比べ25
%の上昇が見られた。その次に多かった のが「私」や「向田」を主語とする一文であった。初 読時に「末の妹」を主語にした生徒は18
%ほどいた が、学習後は0
%になった。「父」を主語に据えた一 文が増えた原因として、「字のない葉書」の特徴があ げられる。本作品は筆者である向田邦子の視点から 捉えた父親像の変容が描かれている。また、作品の 山場である厳格な父が末の娘を抱きかかえて号泣す る場面は印象的である。そのため、おのずと父親に 意識が向いたと考えられる。学習後に作った生徒の 一文は「父が」のあとに「後悔」「末の妹への申し訳 なさ」など最後の場面で泣く父の姿から読み取れる ことを記述した生徒が多かった。他には「父の優し さ」「父の想い」「作中の父と生徒自身の父の比較」について記述している生徒もいた。
次に、「私」「向田」について言及する振り返りを 紹介する。
単元の初めでは、筆者の中学生の時の体験は必 要なかったのではないかと考えていました。しか し、授業が進むうちに必要であると考えが変わり ました。(中略)このことを伝えることによって、
109頁の妹がやせて帰ってきたときに父が声立てて 泣いたことがどれだけ筆者にとって衝撃だったか ということを強調しているのはないかと思いまし た。授業を通してどんなに関係なさそうな文章や 登場人物でも何らかの役割があるということがわ かりました。
(生徒A)
「あの字のない葉書は誰がどこにしまったのか、
それともなくなったのか、私は一度も見ていな い。」という文から筆者はそもそも字のない葉書を 探そうとしていないと私は推測しました。理由は もし筆者が仮に探していたら、なくなったかが分 かるからです。
ではなぜ筆者は探さなかったのでしょうか。戦 争のせいで妹が疎開して、挙句の果てに下の妹が 百日ぜきをわずらうようになりました。そんな辛 い思い出をもつ筆者だから探さなかったのかなと 考えました。そう考えると、109頁の最後の文の
「私は一度も見ていない」という言葉も見てないの ではなく、わざと見ていないと私は考えました。
(生徒B)
生徒
A
は中学生の向田と父の葉書のやりとりを 描く意義について考察を深めている。この逸話を描 くことで父の人物像が読み取れるとともに、最後の 場面の父の大号泣が対照的に描かれると結論付けて いる。また、作品における文章や登場人物には役割 があると学んだようだ。さらに、学びを深めるため に、生徒A
には文学的文章における人物の役割を言 語化し、他の作品の登場人物と比べ、その役割を比 較・分類できるようになって欲しいと考えた。生徒
B
は字のない葉書の行方について考察を深 めている。「私は探そうとしていない」という仮説を たて、「私」にとっての字のない葉書はつらい戦争を 思い出すものだったのではないかと推測している。これらを踏まえ、最後の「見ていない」は目に入ら ないのではなく、あえて見ようとしていないと結論 付けている。このように本文を根拠として「見てい ない」を多様に解釈することで読みが深まる。さら に、学びを深めるため、生徒
B
には仮に後者のよう に捉えるとすれば、作品の前半部分にあった「最も 心に残るものをといわれれば、父が宛名を書き、妹 が『文面』を書いた、あの葉書」の「心に残る」と はどういうことなのか、解釈できるようになって欲 しいと考えた。振り返りにあった生徒
A
の「文章や人物の役割」や生徒
B
の「『見ていない』の解釈」は授業で取り上 げ、全員で一斉に学習したものではない。生徒A
や 生徒B
は自分自身の中で気になった部分や疑問に 感じた部分として、問いをたて、その「問い」の答 えを言語化し、自己の変容を記述していた。そこか らは、自らの学習状況を把握し、学習の進め方につ いて試行錯誤し、粘り強く学習に取り組もうとする 姿を見取ることができた。3. 5.学期ごとの振り返り
先述した学習活動を
1
年間積み重ね、振り返りはポートフォリオに綴じさせた。そして、長期休み前 などに、ポートフォリオやノートなどを踏まえて、
学期ごとの振り返りをさせた。ここでは、年度末に 書かせた振り返りを紹介する。
私はこの1年間を通して、広い視野を持ち文章を 読めるようになったと思います。今までは物語文 だとしたら主人公の言動は基本的にその主人公の 性格や今までの行動からその理由を分析していま した。また説明文も同様にその文章の一部分に書 かれてあることだけで判断していました。
そんな私がなぜ広い視野をもてるようになった かというとそこには大きな理由が一つあります。
それは「レジュメ」の作成です。それまでは文章 の流れでおおまかにしか理解できていなく、その 中で論旨をどうにか読み取っていました。しかし、
レジュメを作成することにより、明確な文章の流 れ、筆者がどのように主張を導き出しているのか の論理の展開までの道筋を的確に捉えられるよう になりました。そうすることで今までは読み取る ことのできなかった時代背景、立場など細かい点 から多角的に文章を読みすすめられました。
話は少し変わりますが、私は文章に限らず物事 を広い視野、多角的に考えるのは大切だと思える ようになりました。それは強い自分をつくれるか らです。人間は他者評価に依存しがちで、真に受 けすぎてしまう傾向があると思います。もちろん 客観的に評価されるのも重要ですが、自分を多角 的にみることによって、自分のなかで最適な改善 策を考え抜いたり、自分の良さを発見または再認 識することができます。そうすることで自分に自 信が持てたり、考え抜く力や1人で解決しようとす る前向きな姿勢が身につくと思います。
これらのことを通して私は読書が以前よりも好 きになりました。表現や構成が難しかったり、特 殊であればあるほど筆者の伝えたいこと・主張が はっきり分からず昔は近寄りがたいイメージがあ りました。しかし広い視野をもつことで、一見関 連性のないものにつながりがみえたり、読みお わったあと様々な捉え方があるため、それらを共 有することで自分の視野をより広くそして深めら れました。
高校に入学したらやることが多かったり、人間 関係が複雑になったり、大変なこともあると思い ますが、自分中心でなく広い視野をもつことでそ れらを解決していきたいです。
(生徒C) ここにある「『レジュメ』の作成」とは、
2019
年10
月・11
月に行った学習活動である。学級で読書 会を行うためにレジュメを作成させた。読書会にお ける課題図書は小論文を指定した。レジュメには本 文の概要をまとめ、本文を読んで気になった部分や疑問点、それに対する解釈や納得解などを書かせた。
それらを学級で共有し、質疑応答を交わした。
この振り返りによると生徒
C
は、レジュメの作成 を通して広い視野で文章を読み取ること、物事を考 えることを学んだようだ。「明確な文章の流れ、筆者 がどのように主張を導き出しているのかの論理の展 開までの道筋を的確に捉えられるようになりました。そうすることで今までは読み取ることのできなかっ た時代背景、立場など細かい点から多角的に文章を 読みすすめられました。」から、広い視野で読むとい うことは書き手の思考に沿って読み、文字に表され ていない部分、つまり行間を読むということを指し ているのではないかと思われる。後半部分では、自 分自身の捉え方(自己認識)あるいは人間観、読書 観に言及している。「人間は他者評価に依存しがち で、真に受けすぎてしまう傾向があると思います。」
とあるが、ここでいう人間とは自分自身のことを指 しているのではないかと思われる。
この振り返りを「主体的に学習に取り組む態度」
という観点から分析すると、第
1~2
段落では自らの 学習状況およびレジュメの作成における試行錯誤が 読み取れる。第3~4
段落では授業や単元を通して得 た学びを生活に援用している。この振り返りから、生徒
C
の主体的に学習に取り組もうとする姿が見 取れる。4.成果と課題
ここまで、「主体的に学習に取り組む態度」を見取 る方法として振り返りを活用した実践を概観した。
本章では、その成果と課題を分析する。分析方法と して、量的調査と質的調査を用いた。
表
2
にあげた評価基準をもとに、1
年間の生徒の 振り返りを、A
を10
点、B+
を7
点、B
を6
点、C+
を
4
点、C
を3
点として数値に直した。全生徒と学 年ごとの学期の平均と差異を出したのが表5
である。また、生徒ごとに前期と後期の平均点を出し、数値 の推移と差異を表したのが表
6
である。表5
からも わかるように、前期の平均と後期の平均を比べると+1.3
となっている。このことから、表2
の評価基準 を踏まえて振り返りを書く力が全体として僅かなが ら高まったといえる。また、表6
の各生徒の評価の 推移に着目すると、推移の仕方は三つに分類できる。一つめは前期と後期でわずかながらでも、数値が上 昇した生徒たちである。表
6
の1
や2
の生徒たちが 該当する。二つめは前期と後期であまり変容のな かった生徒たちである。表6
の9
や13
の生徒が該当 する。三つめは前期と後期でわずかながらでも、数 値が減少した生徒たちである。表6
の7
や12
や15
や35
の生徒が該当する。この
4
名の生徒たちは、さらに二つに分けられる。前期の平均が
8
点以上だった生徒たちと前期の平均 が5
点以下だった生徒である。前者は12
・15
・35
の生徒たちである。この3
名は、振り返りの記述に 定評があり、前期においてB+
以上が常についてい た。35
は後期に入り、学習内容が難化したことに よって数値が減少したと考えられる。一方で、7
の 生徒は5.0
から4.6
に減少している。これらを踏ま えて、著しく数値が上昇した2
・25
・32
・42
の生徒 たちと前期の数値が低く1
年間を通して数値の変化 量が少なかった7
・9
・33
・44
の生徒たちを抽出す る。彼ら8
名の振り返りの変容を辿り、成果と課題 を分析する。表5 中学生全体および学年ごとの平均と差異 前期平均 後期平均 差異 全体 6.1 7.4 1.3 中3 7.3 9.1 1.8 中2 7.1 7.7 0.6 中1 5.0 6.8 1.8
1 7.5 8.0 0.5 23 5.5 6.0 0.5
2 6.7 10.0 3.3 24 4.0 6.0 2.0
3 6.8 8.5 1.8 25 3.0 8.7 5.7
4 6.3 8.0 1.8 26 5.5 6.3 0.8
5 8.3 10.0 1.8 27 7.5 10.0 2.5
6 8.3 10.0 1.8 28 6.0 8.7 2.7
7 5.0 4.6 -0.4 29 5.5 7.0 1.5
8 6.0 7.0 1.0 30 7.5 7.7 0.2
9 4.0 4.0 0.0 31 4.0 7.0 3.0
10 3.5 5.3 1.8 32 4.0 7.3 3.3
11 7.0 8.4 1.4 33 4.0 4.5 0.5
12 10.0 9.4 -0.6 34 4.0 6.0 2.0
13 10.0 10.0 0.0 35 8.0 6.3 -1.7
14 6.0 6.2 0.2 36 5.0 6.7 1.7
15 10.0 9.4 -0.6 37 5.5 6.3 0.8
16 8.0 8.6 0.6 38 4.5 6.0 1.5
17 8.5 8.6 0.1 39 4.5 6.0 1.5
18 8.5 8.6 0.1 40 4.5 6.0 1.5
19 6.5 9.2 2.7 41 4.5 6.3 1.8
20 6.5 7.6 1.1 42 5.5 9.0 3.5
21 7.0 7.0 0.0 43 5.5 7.3 1.8
22 6.5 9.0 2.5 44 3.0 3.3 0.3
前期平均 後期平均 差異 番号
前期平均 後期平均 差異
表6 各生徒の評価の推移
4.1.成果
成果を明らかにするために、
2
・25
・32
・42
の生 徒たちが書いた振り返りに、どのような変容があっ たかを辿る。著しく数値が上昇した生徒たちに共通 する特徴があった。その特徴が顕著に表れている25
の生徒が前期に書いた振り返りを引用する。文芸批評家ロラン・バルトやこの話が工夫され ている意義などの理解のし方を知った。文学作品 でも以下のことを気にしながら(理解しながら)
見ていきたい。
(25:生徒D)
これは「花曇りの向こう」という教材で学んだ後 の振り返りである。授業でロラン・バルトを紹介し、
先述したように作品を一文でまとめさせた。また、
作中にある情景描写を説明した。おそらく「話が工 夫されている意義」は、この情景描写のことを指し ていると思われる。このように、前期の振り返りは、
授業で学習したことをまとめたような内容がほとん どであった。また、具体的な記述ではなく、「理解の し方」のように何を示しているのか分かりにくい記 述が多かった。これは、
25
以外の生徒にも見られる 傾向である。そのようなレポートに対して、「気に なった部分や疑問に感じた部分はなかったか。」「情 景描写を理解する前と理解した後では、どのような 読みの違いが生まれたか。」「『理解のし方』とある が、具体的にどのようにすれば理解できるのか」な ど思考を促すフィードバックを振り返りに書き加え、返却した。次は、
25
の生徒が書いた後期のレポート を引用する。僕がこの話を通して、「私」の考え方などの変容 をより詳しく僕たち(読み手)に読みとらせるた めに、様々な表現が用いられていることに気づき ました。例えば3の「そして秋になったら新しい 花を拾って、それでポプリなんかも作ってみよう
…」や「あの、夏実―」などの「…」や「―」で は悲しみ、ショックなどの気持ちが分かります。
しかし、戸部君との会話を通して、私の心情が大 きく変化しました。その理由として 4の最後、「私 はタオルを当てて笑っていた。涙がにじんできた のはあまり笑いすぎたせいだ、たぶん」と書いて ありました。一重線部は今の戸部君との会話の気 持ち、そして二重線部は夏実との仲直りでの失敗 を思い出し、戸部君との会話の楽しさ、面白さ、
そして夏実との仲直りの失敗への悲しみが混ざり あった気持ち、それが分かったのは点線部の存在 だなと思いました。もし二重線部だけであれば、
これは笑い涙だと確信してしまいます。しかし、
点線部の存在で二重線部の笑い涙という気持ちを 弱くして半々の気持ちというような感情を連想さ せられます。
(25:生徒D) これは「星の花が降るころに」という教材で学ん だ後の振り返りである。ここに記述されたことは授
業で取り上げた内容ではない。
25
の生徒が、教材の 記述に着目し、自分なりに解釈したことを書き表し ている。その解釈における思考の過程が丁寧に言語 化されていることが分かる。後期になると、このよ うな振り返りが少しずつ増えていった。疑問に感じたことや気になったことを取り上げ、
その納得解(解釈)を導き出そうとする記述は、数 値が上昇した生徒たちの振り返りに散見する。また、
別の特徴も見受けられた。その特徴が端的に表れて いる
2
の振り返りを引用する。私は太平洋戦争と原爆について社会の授業で学 んだとき、「25万人もの人々が亡くなるのは悲惨な ことだが、原爆が落とされたからこそポツダム宣 言を受け入れ平和になってよかったのではない か。」と思いました。しかし、この詩を読んで、
「国と国の争いなどの複雑な背景は別として、ただ この広島にいた人たちの恐怖、悲しみを考えてみ てほしい。」というメッセージが含まれているよう な気がしました。今でも、まだ私は「原爆が落と されたのはしょうがないことだったのかもしれな い。」とも思いますが、この詩を通して巻き込まれ た人々の気持ちを深く考えさせられるようになり ました。よけいに日本とアメリカ、どっちがどれ だけ悪かったかが分かりにくくなってしましまし たが、それだけ難しい問題だということを感じま した。
(2:生徒E) これは前期の学習を振り返ったレポートの一部で ある。その中で
2
の生徒は「挨拶―原爆の写真によ せて」という教材で考えたことを取り上げ、記述し ている。この記述から、原爆の死者数を数字でしか 考えてられなかったが、その死者たちがそれぞれ個 別で抱えていた思いや心情を考えられるようになっ たことが読み取れる。数値が上昇した生徒たちの振 り返りには、このような国語科における学びを他教 科の学びや日常生活での経験と関連づける記述が散 見できた。これらを踏まえると、「主体的に学習に取り組む 態度」を見取る評価方法としての振り返りの成果は 四つ挙げられる。一つめは、「主体的に学習に取り組 む態度」を見取る方法として振り返りは有効である ことが分かった。主体的に学習に取り組む生徒像を 表
2
のような評価基準に表し、共有することで、生 徒の主体的に学習に取り組む態度を見取ることが可 能である。これは生徒A~E
の振り返りから実証さ れた。二つめは疑問に感じたことや気になったこと を取り上げ、その納得解を導き出す力を養えること、三つめは他教科での学びや日常生活での経験と関連 づけ力を養えることである。おそらく、これら二つ
めと三つめの成果は振り返りだけがもたらした成果 ではないと考えられる。授業では、疑問に感じたこ とや気になったことをノートのメモ欄に記すよう指 示している。自分なりの問題意識をもって文章など を読んで欲しいからだ。普段の授業におけるメモの 活用、単元と学期の振り返りを通して、各生徒がそ れぞれの問題意識を明らかにして、納得解を言語化 する。この一連の過程が先述した成果を生み出して いる可能性がある。つまり、振り返りの記述を通し て探究する力を高められる。最後に、四つめは、振 り返りの記述から生徒が抱えている問題意識や見 方・考え方を授業者が読みとれることである。生徒
E
の原爆に関する記述は、その典型例である。問題 意識が読み取れることで、生徒理解を深められ、生 徒の実態に即した学習活動を展開することが可能と なる。例えば、生徒E
のレポートにあった「よけい に日本とアメリカ、どっちがどれだけ悪かったかが 分かりにくくなってしましましたが、それだけ難し い問題だということを感じました。」という記述か ら、生徒E
は二項対立で物事を捉えていることが分 かる。戦争は、なぜ起きるのか。どちらの国がどの 程度悪いのかということを誰が判断するのか。ある いは、そもそも判断できるものなのか。このような 戦争観を深めるテキストを読む必要がある。以上が 成果として挙げられる。4. 2.課題
課題を明らかにするために、
7
・9
・33
・44
の生 徒たちが書いた振り返りに、どのような変容があっ たかを辿る。前期の数値が低く1
年間を通して数値 の変化量が少なかった生徒たちに共通する特徴が あった。その特徴が顕著に表れている33
の生徒が 前期に書いた振り返りを引用する。一番最初は宮下君は転校して慣れないだけだっ たけど終えて宮下君は慣れないではなくて仲良く したいと思っていると思う。
(33:生徒F)
これは「花曇りの向こう」という教材で学んだ後 の振り返りである。授業で、宮下君は心の奥底で友 達が欲しいと思いつつもうまくいかない友達作りに 諦めの気持ちが芽生えつつあることや駄菓子屋さん での川口君とのやりとりを通して友達作りに対して 前向きな気持ちになったことを読み取った。「一番 最初は宮下君は転校して慣れないだけだった」や
「宮下君は慣れないではなくて仲良くしたい」から、
授業中に取り上げ、全員で一斉に学習したものを生 徒
F
の言葉でまとめていることがわかる。しかし、これはあくまでも授業で読み取った内容であり、生 徒
F
が独自に考えたことではない。表2
の評価基準 に照らし合わせるとB
評価に値する単元の学習内 容を要約した振り返りである。生徒D
と同様に、思 考を促すフィードバックを書き加え、返却した。次 は、生徒F
が書いた後期の振り返りを引用する。僕はこの話には3つの「美しさ」があると思いま した。まず一つを「美しい顔」で子どもを必死に 守る母の顔。次は「美しい青空」はあゆや桃源郷。
最後は「美しく輝く機体」爆弾を落とすB29。戦 争という灰色の色でなく、美しさで何を示してい るのだろうと思った。
(生徒F) これは「大人になれなかった弟たちに…」という 教材で学んだ後の振り返りである。「母の美しい顔 とは、どのような顔か」と授業で発問した。しかし、
顔以外の「美しい」という言葉に込められた意味に ついては授業で取り上げなかった。生徒
F
は気に なった部分や疑問に感じた部分を少しずつ言語化で きるようになってきたが、その疑問点などを言語化 したところで思考が留まっており、それに対する納 得解を考えるまでには至っていない。このように、7
・9
・33
・44
の生徒たちは、テキストに対する感 想を箇条書きで記述したり、授業で教員から伝えら れたことや単元の概要を記した振り返りが多かった。時には、各単元で生徒自身が気になったことや疑問 に感じたことなど問いをたて、その問いに対する納 得解を言語化し、自己の変容を捉えている振り返り もあった。しかし、それは稀であった。
その原因を探るべく抽出生徒
8
名の成績を見比べ た。それをまとめたのが表7
である。A
を3
点、B
を2
点、C
を1
点とし、それぞれの平 均を数値化した。
ま た
2
・2 5
・32
・42
の平均と7
・9
・33
・44
の 平均の差異を数 値化した。最も差 異が大きかった のが、書く能力で ある。この表7
か ら、書く力と振り 返りに関連が見 出せる。書くこと を得意としてい る生徒は振り返 りも得意としており、一方で書くことを苦手としている生徒は振り 返りも苦手としていることがいえるだろう。
これらを踏まえると、「主体的に学習に取り組む 態度」を見取る評価方法としての振り返りの最も大 きな課題は書くことを苦手とする生徒への支援が挙 げられる。先述したように前期の数値が低く
1
年間 を通して数値の変化量が少なかった4
名の生徒たち の振り返りは、教材や授業の感想を箇条書きで記述 する、授業や単元の概要を記述するといった特徴が あった。そのため、振り返りに取り組む前に自分自 身の考えを語らせる、あるいは疑問点などを絞らせ て、それらについて記述するよう指示するといった 個別支援を行った。しかし、それらの支援では成長 を促せなかった。生徒が自力で振り返りに取り組め るように、表2
の評価基準に則したワークシートの 開発等、別の支援が必要である。5.おわりに
以上本論では、
2019
年度に取り組んだ実践およ び生徒の変容をもとに「主体的に学習に取り組む態 度」を見取る方法としての振り返りの可能性と限界 を明らかした。「主体的に学習に取り組む態度」を見取るために 振り返りを用いることは有効だと認められる。しか し、生徒の書く能力との関連があるため、振り返り を評価方法として採用する場合、書くことを苦手と する生徒への支援が必要だということがわかった。
「主体的に学習に取り組む態度」を見取る評価方法 は、課題に取り組む生徒の観察など様々な評価方法 があると思われる。そのため「主体的に学習に取り 組む態度」を振り返りだけで見取ろうとするのでは なく、別の評価方法と併用するのが望ましい。振り 返りとの併用に適している評価方法については今後 の研究の課題としたい。
終始、本論では見取ることや評価することについ て言及した。しかし、学習活動において見取ること や評価することが第一義でない。新学習指導要領に 示された「知識・技能」「思考力・判断力・表現力 等」「学びに向かう力・人間性等」を踏まえて、生徒 の能力や力などを伸ばすことが第一義である。言い 換えれば授業改善のために見取るまたは評価するの である。今回の研究では扱えなかったが、「主体的に 学習に取り組む態度」を育成するためにはどのよう な学習活動が必要なのか、または「主体的に学習に 取り組む態度」にはどのような階層性が存在するの か、あるいは、それらは発達段階とどのように関係 があるのかなど明らかにする必要があると考えてい る。これらを踏まえて、新学習指導要領に対応した カリキュラムの作成に取り組みたい。
表7 抽出生徒の観点別評価
2 A B A B B
25 A B B B B
32 A A A B B
42 A A A B B
平均 3 2.5 2.75 2 2
7 A B B B B
9 B C C B C
33 B C C C C
44 B B B B B
平均 2.25 1.5 1.5 1.75 1.5 差異 0.75 1 1.25 0.25 0.5
関心
・意 欲・ 態度
話す
・聞 く能 力
書く 能力
読む 能力
知識
・理 解・ 技能
6.謝辞本研究は
2019
年度言語教育振興財団より研究助 成を受けたものである。中でも事務局鷲巣学氏には、事務手続きなど大変お世話になった。この場を借り て、感謝の意を表したい。
参考文献
John Hattie
(2018
)教育の効果:メタ分析による 学力に影響を与える要因の効果の可視化.
図書 文化社国立教育政策研究所(
2019
)学習評価の在り方ハン ドブック小・中学校編宮崎樹夫ほか(
2018
)教科の内容・活動に固有な非 認知的スキルを評価する:
証明の学習に関する「主体的に学習に取り組む態度」
.
日本数学教育 学会春期研究大会論文集6
西岡加名恵ほか(
2015
)新しい教育評価入門.
有斐 閣佐藤学ほか(