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3. 結果と考察

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018 年 2 月 8 日

メロンの成熟度を可視化:

メイラード反応を用いた温度インジケータの開発

環境資源学専攻 生物生産工学講座 食品加工工学 森田 茜

1. はじめに

青果物の保存特性は収穫時における成熟度に大きく影響されるため,栽培過程で成熟度が推定で きれば,流通方法に適した青果物を収穫することができる。メロン等の果実成熟度の客観的な指標 として,開花日からの日平均気温を加算した積算温度が挙げられ,積算温度を簡易的に示すことが できるラベルがあればメロンを個別に管理することが可能となる。

積算温度を簡易的に示すラベル,すなわち積算温度インジケータは,食品や医薬品の流通,殺菌 などへの応用を目的として研究・販売されている。しかし,使用前の冷蔵保存の必要性,短い反応 時間,価格などの点においてメロンの栽培のような長期間の過程に適用できるものは存在しない。

そこで,本研究ではメイラード反応に着目し,メイラード反応を利用した積算温度インジケータを 開発して,メロンの成熟度を簡易的に予測可能とすることを目的とした。

2. 方法

反応性の高いキシロース(2.0 – 3.5 mol/kg)とグリシン(1.0 – 2.0 mol/kg)の組合せによって,メ イラード反応を進行させる積算温度インジケータを作成した。メロンの成熟条件に基づき,25°C•50 日の条件下で反応終了となるように水溶液の濃度条件を設定した。2016年,2017年の2カ年に渡 り,北海道立総合研究機構 花・野菜技術センターのビニールハウス内で栽培されたメロン(品種:

レッド113)を対象とし,メロンの開花日にメイラード反応を開始させた。インジケータと温度デ ータロガーをビニールハウス内に設置し,試験開始後は一週間間隔でインジケータの写真を撮影し た。試験終了後,統計解析環境R(Ver. 3.2.0)を用いて撮影した写真からRGB値を算出した。ま た,本研究室既往のメイラード反応の色変化予測モデルを用いて,設定した濃度条件において,得 られた温度履歴における色変化の予測値を算出した。さらに,様々な積算温度におけるメロンの品 質を調べるため,複数の日程でメロンを収穫し,収穫日にメロン果肉の色,糖度,硬度を測定した。

3. 結果と考察

ビニールハウス内に設置したインジケータは,メロンの開花日からの経過に伴い無色から褐色,

濃褐色へと変化しており,温度履歴から色変化予測モデルを用いて予測される色とほぼ同様な変化 を示した。また,同一のハウス内において目視で色の異なるインジケータがあり,これらのインジ ケータ付近では平均気温の差が1°C以上,開花後50日の積算温度の差が50°Cd以上あった。この ことから,試作したインジケータはビニールハウス内の不均一な温度分布による積算温度の違いを 色の違いとして示しており,メロンの個体管理に有用であることが示された。メロンの品質につい ては,果肉の色は積算温度との相関関係が見られなかったが,糖度は正の相関,硬度は負の相関が 見られ,積算温度が高くなるほど糖度は増加し,硬度は減少することが示された。

4. まとめ

作成したインジケータは,実際の栽培現場においても予測通りの色変化を示し,積算温度の違い を色変化として示すことが確認された。また,メロンの糖度と硬度は積算温度と高い相関関係が認 められたことから,メイラード反応型積算温度インジケータを用いることで,個体ごとに簡易的に メロンの成熟度を予測することができると考えられる。

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