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画像処理による凝着点成長解析

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Academic year: 2021

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(1)

画像処理による凝着点成長解析

浦 晟* ・森高 秀四郎**

江頭 嘉勝**

An Analysis of Junction Growth in Friction          through Image Analyzer

      by

Akira URA*, Hideshiro MORITAKA**

    and Yoshikatu EGASHIRA**

  In present paper, the authors have reported a few results obtained from the experimentS on the junc−

tion growth by observing the junction of the contact point using image ahalyzer.

  Aluminium was used as test material because of its soft hardness easy to be deformed plasticany. Its

shape is conical with an angle 900 in order to investigate the effect of deformation on junction growth. The

conical specimen was slid against the transparent Pyrex Glass. An apex deformed under a Ioad and also a process of stretch and growth during sliding have been observed through CCD video Camera, Camera followed on the deformation until a contac‡point stopped stretching continuously without macro slip.↑he increased area and variation of the contact part taken through CCD camera have been analysed exactly us・

ing image analyzer. As a coefficient of friction corresponding to each point deformed could be obtained, we could estimate the values of normal stress p and shear stress s, accordingly a relation among those two and yield stress Y of the material property.

  As the results of the experiments we could determin the value ofαfrom the observation. Generally,α

is much larger in three dimensional deformation than 30r 4 in Tresca or Mises theory. Although it is def−

ficult to identify the exact value ofαexperimentally, we could get some values ofαby measuring the real area of contact part through image analyzer.

1.はじめに

 摩擦をうける接触面での三次元的変形挙動をヴィジ ュアルにとらえて,観察し画像処理を行なうことによ って理論的には捕捉できていない部分を解析すること が本論の目的である。

 固体が接触してすべる時には必らず摩擦が生じるが 通常我われが理解している摩擦の物理的記述は極めて

単純である。しかし摩擦の現象となると,摩擦の物理 的記述がたとえば垂直力とすべり抵抗力の比を摩擦係 数と定義するというように表現される程.単純ではな い。その起因する影響因子が二義的に確定できないか らである。機構的には摩擦力は物体がすべるときに,

その前面を変形させるときに受ける抵抗力(ほりおこ

       

しの項)ともう1つ接触している界面で必らず形成さ

平成5年9月30日受理

   *機械システム工学科(Department of Mechanical System Engineering)

  **機械工学第2専攻(Graduate school of Mechamical Engineering■)

(2)

れる接着点(凝着点)のせん断力り和とされている1)。

摩擦現象の記述については18世紀以降,イギリスやフ ランスで多くの議論があったがの現在ではこの考え 方がほぼ定説になっている。

 そしてこのうちほりおこしの項,すなわちすべり前 面の土手をかきわけていく.力はレコード針のように鋭 い貫通をするもの以外は一般に小さい%すべり摩擦 の機構上の第1因子は接触点(凝着点)のせん断によ るとして大きな誤りはない。せん断をうける真実の接 触面積をAoとするとせん断応力Zとの積Ao xτが摩 擦力Fになる。理想的な塑性材では金属の限界せん 断応力をτmとすると局所的な降伏応力Yo=5τm 4)

とされるので,摩擦係数は第一次近似的にはμ=τm/

Yo≒0.2となり通常の金属間の摩擦係数の値を示す。

 しかし数値上の値がどうなるかという議論はひとま ずおくとして,この単純理論における大きな欠陥の一 つは,「真実接触点での垂直応力と接線応力とがそれ ぞれ独立した材料の強さ特性である」と仮定している ところにある。周知のように塑性理論では接着点(凝 着点)の塑性降伏は垂直応力と接線応力の組合せ応 力としておこると考える。単純な二次元モデルを考え ることによってこの問題はトレスカやミゼスらによっ てよく知られた解が以下にのべるように得られてい る5〜6もしかし,接触している物体がすべり方向やそ れと直角方向にもいわゆる三次元的変形を伴なって動 くとき,この理論の適用はたちまちあやしくなる。し かしながら巧みな計測方法で三次元的変形を同定でき れば二次元問題として得られている式の上の一つの係 数決定の問題として解決できる。本報告では繰り返し 実験をいろいろな条件の下で行ない三次元変形下での 未知とされている係数値を以下のように得た。

2.凝着点成長の基本式

 やわらかい物体が硬い平面上に接触して,すべる時,

それぞれ主応力をσ1,σ2,σ3,とするとVon Mises の条件では塑性変形に無関係な静水圧相当応力(σ1,

σ2,σ3)/3を各応力から差し引いて

 {σ1一(σ1十σ2十σ3)/3}2→一{σ2一(σ1十σ2十σ3)/3}2

       十{σ3一(σ1十σ2十σ3)/3}2==const.  (1)

 .●.{(σ1一σ2)2十(σ2一σ3)2十(σ3一σ1)2}/3=const. (2)

一軸方向で考えて,σ2=σ3=0 σ1=Yとおくと       const=2Y2/3

 ∴(σ「σ2)2十(σ2一σ3)2十(σ3一σ1)2=2Y2 (3)

この面に作用している応力成分は軸重応力p とせん 断応力sだけとすると主応力を求める式と(3)式より   P2+3s2=一定       (4)

となる。この条件下で接触面がすべるとき塑性変形が 開始する。トレスカの降伏条件では,S2の係数が4 になる。ここで既に述べたように3次元接触条件下で

も(4)式の表示が仮定できるとしたのがD.Tabor 7)の 考えである。即ち

  P2十αs2=K2      (5)

の条件下で3次元でも塑性流動を開始する。

K2は定数で金属の一軸応力状態ではその降伏点に相 当する。即ちすべりのないS=0のときのpをYoと おくとK2=Y召,さらに接線力が作用するときのp

をPfとおくと(5)式は,

  P〜十αs2=Y&      (6)

とかける。ここで明らかのように接触点の流動条件を きめるのはPfとSの双方が大きな役割を示すことが わか乱また垂直荷重をW,すべりによって変化して いく面積をAfとすると, Pf=W/Af,接触したままで すべりのないときの面積をAsとするとYo=W/A,,

また,s=F/Afとすると

Af= (1十αμ2)

(7)

をうる。ここでμは摩擦係数。

 この式から接触してすべる前の面積As,摩擦力が 加わったときの面積Af,更に摩擦係数μの実測値か

らこの係数αが求まることになる。

 そして本論文ではAfの面積測定を画像処理によっ て精確に求めることを試みた。

3、実  験 1)実験の方法

接触面の面積が凝着を伴なって成長する状況を正確 にとらえるために上部試験片として微小突起をシュミ レートした円錐を使用した。また下部の試験片として は接触点の成長をCCDカメラを通して観察するため にパイレックスガラスを使用した駄

 試験片の諸元はTable 1に示している。試験片用材

   Table l Properties of Test Pieces

a)UpPer Test Piece

Material

Tensile Stress(kg/㎜2)

Hardness(Hv) Remarks

A1 9−10 41 99%

b)Lower Test Piece

Material Hardness(Hv)

Classification

Remarks Pyrex Glass 408 Borosilicate Transparency

(3)

料としては先端が変形し易匝占うに軟力}い材料である アルミニウムを使用,形状は突起の円錐角を90。とし た。実験装置とその手順の概略をFig.1に示す。

5

Table 2 Experimental Condition

4

⑩ロ==コ

1  2 3

UpPer Test Piece A1

Lower Test Piece Pyrex Glass

:Normal Load 20N,30N,40N,50N,60N Conical Angle 90。

Slid. Distance 2.5㎜

Velocity

0.01㎜/s

Atmosphere Atmospheric Pressure

No. Name

1

UpPer Test piece 2 Lower Test Piece

3

Strain Gauge 4 Load

5 Counter Weight 6 StepPing Motor 7 Personal Computer 8 Microscope for Meta1 9 CCD Camera

10 Video Tape Recorder 11 Moniter

12 Video Printer 13 Image Processor 14 Monitor

15 Personal Computer

Fig.1 0utline of Test apparatus and measuring

   system

接触面で得られた摩擦力は③の部分のアーム支柱に 取り付けた歪ゲージによって得られた値をパーソナル

コンピュータ⑦で処理して摩擦係数を得る。

また,ジャンクショングロース(Junction Growth)

の状況はFig・2に示しでいるが,この際の接触点の 微細な面積変化を⑪のモニタテレビで観察し⑫⑬⑭の 画像処理を使用して解析を行なう9〜10)。実験に用い た荷重,すべり速度,すべり距離ふん囲気などは一 括してTable 2に示している。

2)実験手順

試験片は実験を行なう前にエタノールで洗浄して,

アセトン液の中で超音波洗浄を行なう。垂直荷重をか けて上部試験片の先端の塑性変形が飽和するまで十分 に時間をかける。実験開始と同時に凝着点成長の過程 が画像として記録され,画像処理されて凝着点の面積 が測定される。いま接合部における凝着点が接線力を うけているときの垂直応力Pfと接線応力Sの関係はα を介して(6)式で表示される。

Wを垂直応力,Fを接線力, Ao, Afをそれぞれ接 線力が作用しない場合と,する場合の接触点の面積と すると,

  (W/Af)2十α(W/Af)2;(W/Ao)2     (8)

とかける。

 ここでは増加面積Afを画像処理を使って随時,正 確に求めることができる。

4.実験結果及考察 1)観察

−0.30

§・ゐ 竃。⑳

⊇。15

婁。1。

§。。5

Upper Tbst Piece=Al Lower Test Piece=Pyrex

   Angle=90(deg)Load=30.0(N>

   V=0.01(mm/s)D=2.5(mm)

0.00 b

d

e

f 9

C

a

0.0

Fig.3

0.5        1.0        1.5        2.0        2.5

     Distance(mm)

Variation of Coefficient of Friction

Fig.3に摩擦係数の変化の様子を示している。 a点 では接線力は作用してなく,初期垂直応力が得られる

ところでPhoto−aに相当する。 a点からb点にかけて は接合点のマクロなすべりはなく,ミクロな変位が単

(4)

Fig.2 Each Step of Deformation of Contact Surface

(5)

調に推移する。D. Taborはこのa−b間の移動を接 線力係数と呼んでいわゆる静摩擦係数と区別してい る11も静摩擦係数μは,ミクロなすべりからまさにマ クロなすべりに移行する瞬間の摩擦係数をいい,Fig.

3ではb点での値をいう。従ってa−b間は静摩擦係 数の変化とはみなさない。本論文では従ってb点での 値を静摩擦係数としている。動摩擦に移ると瞬間摩擦 は。点に示されるように一旦,下り,d点にかけて接 合部は微小な凝着を伴なってマクロな移動をはじめ,

移動により面積は更に増大をつづける。d点からe点 までは,スティックスリップを伴ない摩擦は大きく変 動する。Fig.3の摩擦を示す各点に相当する接触点の 現象写真はそれに相当する記号を付してFig.2に示

している。

2)結果及び考察

ど・・

§。4

ち。.3 蓄 冒δ0.2

80.1

Upper Tbst Piece=Al Lower Tbst Piece=Pyrex

   Angle=90(deg)Load=60.0(N)

   V=0.01(mm!s)D=2.5(mm)

が続く。垂直応力Pf は徐々に減少しそれに対応し接 線応力sは増加している。Fig.6に示すようにスティ

ックスリップが起っているところではαの値がほぼ 一定となっている。ここでαの値が定まらないのは,

第一には,ある接触すべり条件の下で十分な三次元的 変形をしているかどうかという点ともう1つは,接触 面において凝着を伴う理想的な変形をしているかどう かということである。

 35 30  25 ご20  15  10

 5  0

0,0

0.5

1.O      t5

 Distance(mm)

0.0        α5        tO        1.5・       2.0        2.5

         Distance(mm)

 Fig.6 αvalue agaillst Sliding Dis毛ance.

0.0 2.0

Fig.4  Coefficient of Friction against Sliding

   Distance

30

2.5

ξ20

9

a

 10

0

+P:Normal Stress

一一

ョ一s:τlangential Stress

0,0 0.5  ロ        ロ 

 Distance(mm)

2。0 2.5

Fig.5 Variatioll of Normal Stress and Tangential     Stress against Sliding Distance

Fig.4〜5に評点に伴う摩擦係数μ,摺動距離に対 応する垂直応力Pf及接線応力sと高和係数αを示し た。Pfとsの値はすべり距離に対してステップ0.1㎜

毎に摩擦係数μをとり求めている。摺動距離が長く なって接触面積が増加していき,スティックスリップ

 塑性変形の状態については本論文では円錐形先端の 変形に限られる。円錐形以外の接触モードによってよ

り理想的な三次元変形は得られることが考えられる が,その検討は後に譲る。

 ここでは,ガラス面上に残る汚染膜のため接触面が 十分に凝着しないことが考えられるので,その補正を 試みることによってαの値の変化をみた。

 即ち,表面が全く清浄で強い凝着が生じ接着点とす べり面のせん断応力それぞれSi, Smが等しいときと,

接着点のせん断応力がすべり面のほんの一部の強さし か示さないときを考える。その比をkと表示すると   Si=kSm9)と示される。

即ち(7)式はまた

  μ一k/{石・(1−k・)}    ⑩

であらわされる。

 むロ  

置、。

是。.35

広030

ち0.25

壼。、。

§。.15

8

00・10

 0.05  0.00

Upper 1「est Piece=Al Lower艶st Piece=Pyrex    Angle=90(deg) Load=60.0(N)

   V=α01(mmls)D=2.5(mm)

一一一一一一

@α=10

一α=20

一一一一 ソ=30

     ▽ ,,ノ

  ・//;≧,!

  げ ノ     ノ

▽  法,アノ

       〆 /       ノ! /      /  /     ノ   /   /ず!や   /       /,イず  /!

罵v   ,/

 ,,//

0.0   0.1   0.2   0,3   0.4   0.5   0.6   07   0.8

      k

 Fig.7 A Relation between k andμ

0.9  tO

(6)

 Fig.7に示すようにk=1,すな:わち全く汚染膜の ない面ではμ→・。となる。またこの図からみる限り,

μとkの関係はα=10において理論計算値と非常に一 致している。

,αの値が三次元的にはどのぐらいの値を示すかは明 らかになっていないが本研究で得られたα=10近辺の 値を示すと考えることは大きな誤はないと考える。

35 30 25  20

 15  10

 5  0

  ●3   ●

0     10     20     30     40     50     60     70     80

      W(N)

  Fig,8 Dependence ofαon a Load

Fig.8はαの荷重依存性を示しているが本研究で特 に検討したN=60Nほどでほぼ一定値を示す6こめ ことは一般にFig.912)に示すように接触時間が増す と静摩擦係数が増加していき接触時間0近傍では動摩 擦と大差ない値を静摩擦が示すことからみて,荷重が 大きくなって十分に塑性変形が飽和した状態での三次 元変形下で,αがほぼ10に近い値を示すということは,

その値がほぼ三次元下の値としてよいことを示すもの と考える。

μs

μk

5.おわりに

 凝着点成長における三次元的挙動は実験的には接線 力がかかった場合の接触面の変化を正確に観察しなけ ればならない。即ち観察した画像を処理することによ って比較的正しく,いままで未知とされていた面積の ミクロな変化,スティックを伴なっているときの変化,

双方を見積ることができた。上にみたように接線力が 作用している場合のPfの減少と接線応力sの増加が よい一致でみられたが,加工硬化の問題をさらに考慮 することが残されている。これらの結果を総合して十 分に変形がすすんだ面の凝着も伴なっている場合,α の値がほぼ10近くであることが推測できた。

     t

Fig.9 Friction−time curve

        参考文献

1)URA, A., NAKASHIMA,八;EFFECT OF

DEFORMATION OF THE CONTACT SURFACE

ON WEAR AND FRICTION, Wear,110(1986)

 409,Elsevier

2)Dowson, D.;History of Tribology.(1979)495,

 Longman

3)浦  晟;アブレシブ摩耗に及ぼす接触面変形の 影響,潤滑,32,4(1987)235

4)TABOR, D.;THE:HARDNESS OF MET−

 ALS,(1951)29,0XFORD CLARENDON PRESS 5)Chaudhri;M. M.;The junction grouth eguation  and its apPlication to explosive crystals, Jour

Material Sci. Let.,3(1984)565

6)榎本富加;すべり摩擦による硬直材料の変形・破 壊挙動の研究,機械技報告,158(1992)15 7)BOWDEN, F. P. and TABOR, D.;THE FRIC−

 TION AND LUBRICATION OF SOLIDS(PART  皿),(1964)55,0XFORD CLARENDON PRESS 8)URA, A., YAMAMOTO, Y. and NAKASHIMA,

 A.;Analysis of Friction through Image Analyzer,

 Proc. of 6 th Inter. Congr. on Tribolozy 3 (1993)

 453

9)高本,下田監修;画像解析ハンドブック,(1991)

 502,東京大学出版会

10)南・中村;画像工学(画像のエレクトロニクス),

 (1989)84,コロナ社

11)BOWDEN, F. P. and TABOR, D;ibid. P58 12)BOWDEN, F. P. and TABOR, D;ibid. P79

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