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波の屈折と全反射の応用による港内静穏度の向上に 関する研究

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Academic year: 2021

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波の屈折と全反射の応用による港内静穏度の向上に 関する研究

著者 國田 治

著者別名 Kunita, Osamu

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成21年6月

ページ 75‑81

発行年 2009‑06‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/26913

(2)

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目 論文審査委員(主査)

論文審査委員(副査)

國田治 博士(工学)

博甲第1058号 平成20年9月26日

課程博士(学位規則第4条第1項)

波の屈折と全反射の応用による港内静穏度の向上に関する研究 石田啓(理工研究域・教授)

由比政年(理工研究域・教授),松本樹典(理工研究域・教授),

斎藤武久(理工研究域・准教授),楳田真也(理工研究域・講師)

Abstract

Theportentranceisanopenmouthoftheshelte]Gwhichisexposedtooceanwaves Forthepurposeofattainingahighleveltranquilityintheportwithouthindermgships’

navigation,somenewwavecontrolmethodsareproposedandexaminedintheprese、t study5Oneofthekeymethodsiscreatingadeepandlongtrenchintheseabottom,

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Thenumericalsimulationsareconductedatthe‐l5mdeptharea,withal4second waveperiod,andalimitedrangeofwavedirections

Asaresultofthenumericalsimulations,itwasfbundthattheVshapedchannel,the totalrenectiontrench,andthecombinedmethodnamed`UnderwaterBreakwater,was highlyapplicabletoarealportentrancefbrthepurposeofattenuatingincidentwaves.

論文要旨

近年地球環境の観点から,自然環境保全の重要性が強調されており,その趨勢は肯定さ れるものであるが,資源の少ない曰本の国では,外国貿易による外貨の獲得や国内産業の 振興のために環境保全をはかりつつ港湾の充実を図ることが不可欠となっている.この ような背景のもと,曰本の国では,今日に至るまで営々と港の構築・整備が行われてきた が,そのなかでも特に,泊地や岸壁の静穏化を目指す防波堤の建設には莫大な費用を費や してきた.それにより,多くの港において港内の静穏化が一応の水準にまで達成されてい る.しかし,まだ防波堤が建設途上の港も残されており,波の方向によっては,港の静穏 性が確保できていない港もある.それに加えて,最近になって長周期波による港内振動や 特異な屈折による港内への波の侵入などの問題もクローズアップされるなど,港内静穏度

-75-

(3)

の向上策は,今なお,海岸・港湾工学として重要である.

目を世界に転じ,東南アジアの国々をみると,これまで多くは河川を利用した河港や河 口港で貿易を行ってきたが,経済の発展とともに,また船舶の大型化とともに,外洋に面 した場所での港湾建設も必要となってきており,港内静穏を確保する技術は,より一層重 要となっている.

このような社会背景のもと,本研究では港湾の静穏化をより一層進める新しい工法につ いて考究するもので,対象の工法は,港湾の入口付近の海底を掘削し,人工的な海底地形 を形成し,波を屈折または全反射させ,それによって港内を静穏化することを目指すもの である.当該工法は,港口や港内の船舶航路を深くする,すなわち海底を掘るだけである から,船舶の航行の障害にならないのみならず,施工費用も比較的低廉であるという特徴 を持っている.また,これは過去において実施されたことのない全く新しい工法でもあ

る.

本研究では屈折または全反射の応用を図る工法を自ら発案し,それがどのような条件に おいて,どの程度の効果を発揮するかについて,数値シミュレーションおよび水理模型実 験を用いて効果評価したものである.

第1章において,静穏度の`性質,および目指すべき静穏度について詳しく考察した.

第2章では,静穏度を向上させる新しい工法の概要とその原理,周期と水深の関係におけ る適用限界についてスネルの法則を適用し,大局的考察を加えた.

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図l新しい工法Vチャンネル

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図2.Vチャンネルと周期の影響

-76-

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(4)

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図3.新しい工法全反射海底溝 図4.全反射海底溝の臨界角度

第3章では既往の研究についてその内容を概観し,第4章では基礎理論に立ち返り,海の 波の基本的」性質,特に長周期波の水粒子の運動を考察した.

第5章では港において係留されている船の動揺と長周期波の波高の関係を解明するため に,ある周期と水深の条件のもとでの水粒子の運動が船舶に及ぼす力,およびその力によ

る船舶の動揺について検討した.

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図5.水粒子の運動 図6船舶の移動量

-77-

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(5)

第6章では数値シミュレーションを用いて,Vチャンネルの効果を確認した.

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図7.-重防波堤とVチャンネルの配置 図8.波高分布

第7章では第6章で検討したものと同じ地形条件での水理模型実験による効果を観察し

た.

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図9.水理模型 図10.水理模型実験結果

第8章では,第6章の数値シミュレーション結果と第7章の水理模型実験結果の対比を行 い,両者とも妥当な結果が示されていることを確認した.

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図12.水理模型実験(V溝あり)

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図11.数値シミニルーション(V溝あり)

-78-

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第9章において,Vチャンネルの応用研究をさらに進め,実海域に応用できる汎用`性のある 工法として,「2重防波堤十Vチャンネル」の適用性を数値シミュレーションによって検討し,

有効であることを確認した.

波向き

008J0m

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図13.二重防波堤とVチャンネルの配置 図14.波高分布

第10章においては,さらに工費を減らし,かつ防波堤からの反射を低減する目的で,フレネ ル型海底レンズの適用`性を,数値シミュレーションで検討し,有効であることを確認した.

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通常のVチャンネル

フレネル型海底レンズ

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図15.フレネル型光学レンズ 図16.フレネル型海底レンズ

波向き30deg

10

図17.フレネル型海底レンズの配置 図18.フレネル型海底レンズありの波高分布

第’1章では,「全反射」の適用を試み,全反射海底溝工法を提案し,数値シミュレーション

によって有用であることを確認した.

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(7)

、●

図20.全反射海底溝ありの場合の波高分布 図19.全反射海底溝の配置

第12章では,防波堤の代わりに主波向き以外の成分波を全反射させる工法,すなわちVチ ャンネルを鞘(さや)のようにカバーする海底防波堤の工法にまで発展させた.

全(Z畑境界今反射防波胡 波堤〕

図21全反射海底溝とVチャンネルの複合断図22.全反射海底溝とVチャンネルの複合断 面(海底防波堤)面(海底防波堤)の配置

波向き30.09

図23.波向き0度の場合の波高分布図24.波向き30度の場合の波高分布 この工法は主波向き以外の成分の波を効果的に反射し,かつ入って来た波を反射すること なく外に逃がす特徴を持っており,場合により従来のソリッFな防波堤以上の効果を発揮 する可能性を有することを数値シミュレーションで確認した.

一連の検討結果を総括すると,屈折・全反射を利用した港内静穏度の向上は可能であり,

効果が十分期待できるものと思われる.

-80-

(8)

学位論文審査結果の要旨

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