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ヌナヴィク・イヌイットのハンター・サポート・プ ログラムの運用と社会変化

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(1)

ログラムの運用と社会変化

著者 岸上 伸啓

雑誌名 人文論究

巻 66

ページ 27‑41

発行年 1998‑09‑30

URL http://hdl.handle.net/10502/5796

(2)

ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・ サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

岸  上 伸  啓

1.は じめ に

  人類 の社 会 は つ ね に 変 化 して い るが 、 そ の 変 化 の過 程 や 特 徴 に つ い て は 時 代 や 地 域 に よ っ て 多様 性 が み られ る。 これ ま で 「 狩 猟採 集 民 」 と呼 ばれ て き た 人 々 は 、 大 航 海 時 代 以 降 、激 しい 社 会 変 化 を体 験 して き た 人 々 で あ る。 彼 らの 多 くは 消 滅 した り、 外 的 な力 に よ っ て 変 容 を余 儀 な く させ られ た。

  現 在 で も、 ロシ ア の シ ベ リア 、北 米 の極 北や 亜 極 北 地 域 、 オ ー ス トラ リア や ア フ リ カ に は 、 「 現 代 の 狩 猟 採 集 民 」 が 国 家 の 中 に 組 み 込 ま れ た り、 隣接 の グル ー プ と経 済 的 な 関係 を保 ち な が ら、 生 活 を続 け て い る。 か れ ら の 中 に は 、都 市 に移 動 した り、 農 耕 や 牧 畜 の仕 事 に 半 永 続 的 につ くな ど、狩 猟採 集 活 動 をや め た ポ ス ト ・フ ォー レー ジ ャー(post  foragers)の 数 も 近 年 増 加 しつ つ あ る。1998年 の 時 点 で 、 い わ ゆ る狩 猟 採 集 民 社 会 は 、 消滅 して い くか 、 そ れ と も形 を 変 え な が らも存 続 して い くか の 岐 路 に立

って い る とい え る。

  こ こで は 、狩 猟 採 集 民 の 事 例 と して カナ ダ 国 ケ ベ ッ ク州 極 北部 ヌ ナ ヴ ィ ク地 域 の イ ヌ イ ッ ト社 会 を紹 介 す る。 そ して そ の事 例 を 通 して 、私 は 、 国 民 国家 の 中 で 生 活 して い る狩 猟 採 集 民 社 会 が 存続 して い くた め に は 、 か れ ら と政 府 との 間 で協 議 され 策 定 さ れ る生 業 維 持 政 策 の 実 施 と、 彼 ら 自身 の能 動 的 な 生 業 活 動 の 実践 が必 要 で あ る こ と を 主 張 した い(岸 上1996a,  b)。

2.カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ ト社 会 の 変 化 と生 業 モ デ ル

  現 在 、 イ ヌ イ ッ トや ユ ッ ピ ッ ク な ど 「 エ ス ヘ モ ー 」 と一 括 して総 称 され て きた 人 々 は 、ロ シア 、合 衆 国 、カ ナ ダ とデ ン マ ー ク領 グ リー ン ラ ン ドの 国境 に 分 断 され て い る。

極 北 民 とい っ て も環 境 、 欧 米 社 会 との 接 触 の しか たや 主流 社 会 の 政 策 に違 い が み られ 、

彼 らの 社 会 変 化 に も地 域 的 多 様 性 が 見 られ る。 同 じカナ ダ 国 内 に住 む イ ヌ イ ッ トで あ

っ て も 、 ユ ー コ ン 準州 や 、 ヌ ナ ヴ ト(か つ て の北 西 準 州 の 中 部 お よび 東 部)、 ヌ ナ ヴ

ィ ク(ケ ベ ッ ク州 の 極 北 部)、 ラ ブ ラ ドー ル で は 、社 会 変 化 に違 い が 見 られ る し、 同

じ地 域 内 で も大 規 模 村 と小 規 模 な村 で は社 会 の 変 化 には 違 い が見 られ る(注1)。

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  これ ま で のイ ヌ イ ッ ト社 会 の変 化 に 関す る研 究 に は 、 社 会 変 化 を強 調 す るモ デ ル と 社 会 の持 続 を強 調 す るモ デ ル の2つ が存 在 す る(岸 上1994)。 前 者 の モデ ル は1960年 代 の研 究 に 多 く、 後者 の 研 究 は1980年 代 以 降 に 多 く見 られ る よ うに な っ た(注2)。

前 者 か ら後 者 へ の変 化 は 、 イ ヌ イ ッ ト社 会 が 大 き な 変 容 を 遂 げ つ つ あ る こ とを認 め た 上 で 、 生 業 の存 続 が社 会 の 再 生 産 的 変 化 を 可能 と し、 か つ 生 業 の 存 続 と商 品経 済 へ の 接 合 が 必 ず しも相 矛 盾 す る もの で は な い こ とが わ か っ て き た か らで あ る。

  カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ ト社 会 の 変 化 は 、そ の社 会 の 中 で の 生 業 活 動 の 活 力 や 衰 退 と深 く 係 わ って い る。 ウエ ン ゼル(1991)ら の研 究 か らイ ヌ イ ッ トの 生 業 とは単 な る食 料 獲 得

活 動 で は な く、 社 会 経 済 シ ス テ ムで あ る こ とが認 識 され る よ うに な っ た(注3)。

  イ ヌ イ ッ トの 生 業 とは 、 主 に 親 族 関係 や 狩 猟 パ ー トナ ー の よ うな特 別 な社 会 関係 に よ っ て組 織 され る食 料 獲 得 活 動 と分 配 か ら な る社 会 経 済 シ ス テ ム で あ る。 食 料 獲 得 活 動 は 、 特 定 の 社 会 関 係 に基 づ い て 組 織 され 、協 同 して行 わ れ る。 そ して そ の成 果 と し て 得 られ た 獲 物 は 特 定 の社 会 関係 に 沿 って 分 配 され 、 消 費 され る。 この よ うに社 会 関 係 と食 料 獲 得 活 動 と分 配 活 動 は 相 互 規 定 の 関係 に あ る。 す な わ ち この 関係 が保 たれ て い る 間 は 、 社 会 は 変 化 しつ つ も基 本 的 に は 再 生 産 され 続 け る こ と にな る の で あ る。 さ らに 生 業 活 動 に は 、 民 俗 知 識 や 世 界観 、 民 俗 技 術 が深 くか か わ っ て い る。 生 業活 動 の 実践 は 、 イ ヌ イ ッ トの 文 化 や 技 術 の 再 生 産 と も相 関 関係 に あ る とい え る。

  イ ヌ イ ッ トの 社 会 を大 き く変 え た と考 え られ て き た毛 皮 交 易 は 、 イ ヌ イ ッ トの生 業 と相 矛 盾 す る経 済 活 動 で は な く、 条 件 さ え整 え ば生 業 の維 持 に 貢 献 して きた と さえ い え る の で あ る。1960年 代 以 降 の アザ ラシの 毛 皮 交 易 を例 として あげ よう(Wenzel  1991)。

アザ ラ シ の 肉 は イ ヌ イ ッ トの 主 食 の 一 つ で あ る。 親 族 関係 を 基 に 組 織 され た 狩 猟 集 団 に よ っ て ア ザ ラ シ が 捕 獲 され た後 、 そ の 肉 は い くつ か の 決 ま った や り方 に した が って 、 拡 大 家 族 内や 間 で 分 配 され た り、贈 与 され た り した後 に 消費 され た 。 これ らの分 配 や 贈 与 を通 して特 定 の 社 会 関 係 が維 持 され た 。 、一 方 、 アザ ラ シ の 毛 皮 は 、 ハ ドソン湾 会 社 や 生 協 に売 る こ とが で き、 現 金 収 入 を え る こ とが で きた 。 こ の 現 金 収 入 を利 用 して 食 料 獲 得 活 動 に必 要 な ライ フル の銃 弾 や 、 ス ノー モ ー ビル 、船 外 機 の ガ ソ リン な どを 購 入 す る こ とが で き た 。 この よ うに現 代 の社 会 的 脈 絡 にお い て現 金 、 生 業 と社 会 関係 との 間 に あ る相 互 依 存 関係 が 、 社 会 関係 の 再 生 産 を可 能 に させ た の で あ った 。 こ の条 件 は 、1983年 に ヨー ロ ッパ 共 同 体 が 、絶 滅 の 恐 れ の あ る毛 皮 獣 の輸 入 を全 面 的 に禁 止

し、 毛 皮 交 易 が実 質 的 に 崩 壊 す る ま で続 い て い た と考 え られ る。

  毛 皮 交 易 の実 質 的 な 終 焉 は 、 生 業 従 事 者 の 現 金 収 入 の 激 減 を意 味 し、 ひ い て はそ れ に 依 存 す る食 料 獲 得 活 動 の 衰 退 が 社 会 関係 の 大 きな 変 化 を引 き起 こす こ と を予 想 させ る もの で あ る。

  こ こで は 、 カ ナ ダ の イ ヌ イ ッ ト社 会 で こ こで 述 べ た よ うな変 化 が 起 こっ て い るか ど

うか を 、 ヌ ナ ヴ ィ ク地 域(ケ ベ ッ ク州 極 北 部)の イ ヌ ク ジ ュア ク村 と ア ク リ ヴ ィ ク村

を 事 例 と して 検 証 して み た い 。

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ ト の ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

3.ヌ ナ ヴ ィク ・イ ヌ イ ッ トの 社 会 変 化

  イ ヌ ク ジ ュア ク村 は 、 ケベ ック 州 北 部 の ハ ドソ ン湾 に 面 した と こ ろ に あ るイ ヌイ ッ トの村 で あ る。 そ の 位 置 は 、 北 緯58度27分 、 西 経78度5分 で あ る。 この村 の 人 口は 、1 996年1月 の 時 点 で 、1178名 、 世 帯 総 数 は244世 帯 で あ る。 ヌ ナ ヴ ィ ク地 域 に あ る15の 村 と して は 、3番 目に 大 き な村 で あ る。

  ア ク リ ヴィ ク村 は イ ヌ ク ジ ュ ア ク村 か ら さ らに 北 に あ り、 そ の位 置 は 北 緯60度48分 19、 西 経78度8分 に あ る 。 この 村 の 人 口は 、1996年6月 の 時 点 で411名 、世 帯 総 数 は87 世 帯 で あ る。

  両 者 の 間 に は人 口的 な 差 以 外 に 、 後 者 は 狩 猟 ・ 漁 労 場 に近 いという大 きな 差 がみ られ る。

  3‑1歴 史 的 概 要

  ヨー ロ ッパ か らの移 民 が 新 大 陸 に移 住 す る 以 前 か らイ ヌ イ ッ トは 、森 林 限 界 以 北 の 植 生 の とぼ しい 寒 冷 ツ ン ドラ地 域 を 主 な生 活 領 域 と して きた 。 かれ らは極 北 の 自然 資 源 を フ ル に活 用 しな が ら 自給 自足 に近 い生 活 を 送 っ て きた 。しか し、毛皮 交 易 の 開 始 、 キ リス ト教 化 、 結 核 な ど伝 染 病 の 蔓 延 に よ る 人 口の 激 減 な ど を歴 史 的契 機 と して か れ

らの 生 活 は 大 き く変 わ っ て きた 。

  ヌ ナ ヴ ィ ク地 域 の 場 合 、1910年 代 に はイ ヌイ ッ トは 毛 皮 交 易 に深 くか か わ り、1930 年 代 ま で に は キ リス ト教 を信 仰 す る よ うに な っ て い た 。 ま た 、1930年 代 後 半 か ら1940 年 代 に か け て は 結 核 が 猛 威 を ふ る った た め に 、 カ ナ ダ 政 府 は 病 気 に苦 しむ イ ヌ イ ッ ト の 医療 救 済 に 乗 り出 した。

  イ ヌ ク ジ ュ ア ク村 周 辺 で は1950年 前 後 が ひ とつ の転 換 期 で あ った 。 す な わ ち1947年 に は カ ナ ダ 政府 の 看 護 所 が 建 設 され た。1948年 か らは家 族 扶 養 手 当が イ ヌ イ ッ トに 支 給 され る よ うに な り、1951年 に は 小 学校 が 建 て られ た。 これ らは 政 府 の 介 入 の本 格 的 な 開 始 で あ っ た。

  1950年 代 に入 り、 カ ナ ダ政 府 は行 政 の効 率 化 を図 る た め に 、 分 散 して 移 動 生 活 を 送 って きた イ ヌ イ ッ トを 特 定 の 村 に 定住 化 させ る政 策 を実 施 しは じめ た 。 そ して1972年 ま で に こ の地 域 の す べ て の イ ヌ イ ッ トは村 の 中 に 住 宅 を も らい 、 そ こで 生 活 をお くる よ うに な っ た。 現 在 の ア ク リ ヴィ ク村 の住 人 の 祖 父 母 は1950年 代 末 か ら1960年 代 の は じめ に 、 プ ヴニ ツ ック に 移 り住 み 、20年 あ ま り をそ こで 過 ご して か ら1970年 代 の半 ば に 現 在 の 場 所 に移 動 し、 新 しい 村 を設 立 した。

  1970年 代 ま で カ ナ ダ政 府 や ケ ベ ック州 政 府 に よ って 、 「 福 祉 植 民 地 主義 」 と よ ばれ る保 護 政 策 や 同化 政 策(国 民 化 政 策)が 強 力 に推 進 され た 。 しか し、1970年 代 に先 住 民諸 権 益 請 求 運 動 が本 格 化 し、 カ ナ ダ政 府 も先 住 諸 民 族 と政 治 的 な話 し合 い を持 つ よ うに な った 。

  1971年 に 当時 の ケベ ック 州 首 相 の ロベ ー ル ・ブ ラ ッサ が ジ ェ ー ム ス 湾 地 域 に お け る

水 力 発 電 開 発 計 画 を宣 言 した 。 これ が 契 機 とな りそ の 地 域 に 住 む イ ヌ イ ッ トと ク リー

と、 ケベ ッ ク州 政 府 の 間 で 、 土 地 権 をは じめ とす る 先住 民 権 につ い て の政 治 的 な 話 し

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合 い が は じめ られ 、1975年11月 に 「 ジ ェ ー ム ス 湾 お よび 北 ケ ベ ッ ク協 定 」 が 当 事 者 間 で 締 結 され た。 先 住 民 側 は 、一 切 の 先住 民 権 を 放 棄 す るか わ りに 、生 業 権 な ど特 定 の 権 利 、 一 部 の 土 地 の所 有 権 や 補 償 金 な どを 得 た 。 こ の 時 に 、ハ ンター ・サ ポ ー ト・プ ロ グラムが ケベ ック州 政 府 によって 制 定 され 、1983年 より実 施 され は じめた ので ある(注4)。

  く し く も同 じ1983年 に ヨー ロ ッパ 共 同体(EC)に よ るア ザ ラ シの 毛 皮 の輸 入 禁 止 が 実 施 され 、 毛皮 市 場 が 崩 壊 した た め に イ ヌ イ ッ トの 生 業 従 事 者 は 現 金 収 入 源 を ひ とつ 失 って しま っ た。 カ ナ ダ 全 体 の 経 済 不 況 とあ い ま っ て 、 イ ヌ イ ッ トの 生 活 は苦 し くな っ て きた 。ガ ソ リンや ライ フル の銃 弾 を満 足 の い く よ うに入 手 で き な くな っ た た め に 、 以 前 の よ うに頻 繁 に食 料 獲 得 活 動 に従 事 で き な くな っ た の で あ る。

  この 状 況 は、 社 会 の 大 変 化 を予 想 させ る もの で あ る。 で は 、 経 済 と社 会 の 変 化 は ど の よ うで あ ろ うか。

  3‑2経 済 構 造 の 変 化

  散発 的 な ヨー ロ ッパ 人 との 接 触 に よ り、イ ヌ イ ッ トと ヨー ロ ッパ 人(捕 鯨 者 、探 検 家 や 漁 民)と の 間 に は物 々 交換 に よ る交 易 が み られ た こ とは 事 実 で あ るが 、 イ ヌイ ッ

ト社 会 全 体 に きわ めて 大 き な影 響 を及 ぼ しは じめ た の は 、 ホ ッキ ョク キ ツネ や ア ザ ラ シ の 毛 皮 の 交 易 の 開始 で あ る。 ケ ベ ッ ク 北 部 の 森 林 限 界 地 域 で は 、イ ンデ ィ ア ン相 手 の 交 易所 が クー ジ ュ ア ラ ー ピク と クー ジ ュ ア ック に 開設 され て お り、19世 紀 の後 半 に はす で に ケベ ック の イ ヌ イ ッ トは何 らか の 形 で 毛 皮 交易 に係 わ っ て い た 。1910年 代 か らは極 北 の 各 地 に 交 易 所 が 開設 され た。 これ は イ ヌイ ッ トが 世 界 シ ス テ ム に 接 合 され は じめ た こ とを 意 味 す る。

  そ れ ま で の 生 業 活 動 に 加 え 、交 易 用 の ホ ッ キ ョク キ ツネ の 毛皮 を入 手 す るた めの 罠 猟 が イ ヌイ ッ トの 重 要 な 経 済 活 動 と して加 わ る よ うに な っ た。 しか し、 従 来 の 生 業 活 動 と罠 猟 は か な らず しも相 容 れ な い 活 動 で は な か っ た。 イ ヌイ ッ トは 、 食 料 獲 得 の た め の 活 動 を 罠猟 に優 先 して い た し、 毛皮 交 易 に よ っ て入 手 した道 具や 器 材 は か れ らの 生 活 や 狩 猟 漁 労 活 動 の 効 率 を よ く した。

  1940年 代 の終 わ りに は 、 家 族 扶 養 手 当 て の 導 入 、 滑 石 カー ヴィ ン グ の制 作 、 販 売 が 加 わ り、 ケベ ック の イ ヌ イ ッ トは 、貨 幣 経 済 に さ ら に深 く か か わ る よ うに な った 。19 58年 に イ ヌ ク ジ ュ ア ク で 調 査 を行 っ た ウイル モ ッ ト(Willmott  1961)は 、 生 業 経 済 の 領 域 と貨 幣 経 済 の領 域 が 併 存 して い る こ とを 報 告 して い る。

  1960年 代 にイ ヌ イ ッ トが 定 住 村 落 に一 年 を 通 して 住 む よ うに な り、村 内 で 賃 金 労 働 に つ く人 が 増 加 す る に した が い 、 ま た 国 民経 済 や 国 家 に経 済 的 に依 存 す る よ うに な る につ れ て 、 相 対 的 に貨 幣 経 済 の 重 要 性 は増 大 して い っ た 。 イ ヌ イ ッ トは 、政 府 が 支 給 す る福 祉 金 、 賃 金 労 働 か らえ た 賃 金 、滑 石 彫 刻 を 制 作 し、 売 って えた 現 金 、 ア ザ ラ シ や ホ ッキ ョ ク キ ツネ の 毛皮 を 売 って えた 現 金 が お もな 収 入 で あ った 。

  1983年 の 毛 皮 市 場 の崩 壊 は 、 生 業 従 事 者 の経 済 状 態 を悪 化 させ た。 ま た 、1990年 代

に は腕 の よい イ ヌ イ ッ トが 作 っ た カ ー ヴ ィ ン グ以 外 は 、 生 協 や ノー ザ ン ・ス トア ー(旧

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

ハ ドソン 湾 会 社)が 買 い と らな くな り、 多 数 の イ ヌ イ ッ トは 収 入 源 を 一 つ 失 うこ と に な っ た。

  1990年 代 に お い て もイ ヌイ ッ トの イ デ オ ロ ギ ー の 上 で は 、 生 業 経 済 が 貨 幣 経 済 よ り も勝 っ て い る が 、 現 実 に は貨 幣 経 済 の 方 が は る か に 重 要 に な りつ つ あ る。 しか しイ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 や ア ク リ ヴィ ク村 な ど現 在 のイ ヌ イ ッ トの 村 で は 、 貨 幣 経 済 が 重 要 で 現 金 収 入 の確 保 が イ ヌ イ ッ トに とっ て 関 心 事 で あ る に もか か わ らず 、村 の 中 に あ る定 職 数 は 限 られ て お り、 大 問 題 に な っ て い る。 例 え ば 、1995年 の 統 計 に よ る とイ ヌ クジ ュ ア ク 村 に は フル タイ ム の 定 職 が152、 パ ー トタ イ ム の 定 職 が80、 そ して 季 節 的 な 土 木 工事 の仕 事 が97あ る。人 口1200名 弱 の 村 で は 、フル タイ ム の 定職 数(152)が 世 帯 総 数(2 44)よ りもす くな い 。 イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 の 可 労働 者 の うち2人 に1人 は 仕 事 に就 きた

くて も村 の 中 に は 職 が な い の で あ る。

  1920年 代 か ら1990年 代 ま で の イ ヌ ク ジ ュ ア ク村 や ア ク リヴ ィ ク村 の イ ヌ イ ッ トの 経 済 構 造 の 変 化 を 要 約 す る と、 生 業 中心 の 経 済 か ら、 生業=貨 幣 経 済 へ 、 そ して 貨 幣 経 済 中 心 の経 済構 造 へ と変 化 して き た とい え る。 こ の経 済構 造 の 変 化 は 、 社 会 構 造 の 変 化 と どの よ うに 連 動 して い る の で あ ろ うか 。

  3‑3社 会 構 造 の 変 化

  イ ヌ イ ッ ト社 会 の 大 変 化 は 、 毛 皮 交 易 と定 住 化 に よ っ て もた ら され た とい っ て も過 言 で は な い。

  ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トが 本 格 的 に毛 皮 交 易 に か か わ り始 め る1910年 代 以 前 に は 、 他 の地 域 の イ ヌ イ ッ トと同様 に 、 冬 は海 氷 上 で アザ ラ シ を狩 猟 し、 夏 に は 海 岸 部 や 河 川 で ホ ッキ ョク イ ワナ を とっ た り、 内陸 で カ リブー 猟 を行 っ た り して い た 。 夏 に は 、 数 世 帯 か らな る拡 大 家 族 集 団 が キ ャ ンプ の 単 位 とな り、狩 猟 上 の 協 同 作 業 や 食 物 分 配 が行 われ て い た 。 冬 に は 、拡 大 家 族集 団 が い くつ か集 ま っ て キ ャ ン プ を 形 成 し、 そ の 中 の ハ ン タ ー が 協 力 して海 氷 上 で ア ザ ラ シ猟 に従 事 した 。 冬 の キ ャ ンプ で は 、配 偶 者 交 換 パ ー トナ ー 関 係 、 冗 談 パ ー トナ ー 関係 、 ダ ン スや 歌 のパ ー トナ ー 関 係 、 同名 者 関 係 や 助 産 人 関 係 な どの 自発 的 な パ ー トナ ー 関 係 が親 族 関係 が な い 人 間 同 士 や 拡 大家 族 集 団 間 を 結 び 付 け る社 会 的 に 重 要 な機 能 を果 た して いた(注5)。

  毛 皮 交 易 の た め の ホ ッキ ョ ク キ ツ ネ の 罠 猟 が盛 ん に な る1920年 代 か ら定 住 化 が始 ま

る1960年 代 の 初 頭 まで 、 イ ヌ イ ッ トは夏 と冬 の移 動 パ ター ン とキ ャ ン プ 集 団 の形 成 に

変 化 が 見 られ た 。 す な わ ち 、 夏 の 生 業 活 動 と キ ャ ン プ集 団 は 、 毛皮 交 易 期 の も の と大

差 が な い が 、 冬 に な っ て も海 氷 上 で アザ ラ シ猟 の た めの 大 型 キ ャ ン プ集 団 を形 成 せ ず

に 、 夏 キ ャ ンプ 集 団 単 位 で海 岸 部 に と どま り、 そ こ か ら内 陸 や 海 岸 部 で ホ ッ キ ョク キ

ツ ネ の 罠 猟 を行 った り、海 氷 上 へ 少 人 数 で 行 き アザ ラ シ を狩 猟 して い た 。 冬 に は近 く

の 交 易 所 を 訪 れ 、 ホ ッキ ョ クキ ツネ や ア ザ ラ シの 毛 皮 を売 り、紅 茶 、 小 麦 粉 、 ライ フ

ル と銃 弾 、 鉄 製 の や か ん 、布 地 な どを入 手 して い た 。 キ ャ ン プ生 活 の 基 本 単 位 は 、拡

大家 族 集 団 で あ った とい え る(岸 上1996b:734‑737)。

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  1960年 代 以 降 、 イ ヌ イ ッ トが村 落 で 定 住 生 活 を は じめたが 、 これ は 近 隣 の 複 数 の 拡 大 家 族 集 団 が1カ 所 に 集 合 して 生 活 を と もに す る こ とを 結 果 した。 生 業 活 動 も、 季 節 に応 じて 、村 か らキ ャ ン プ に い っ た り、 日帰 りで 狩 猟 ・漁 労 に行 っ た りす る よ うに な り、年 が た つ に つ れ て 村 が 生活 の 中 心 地 へ と変 わ って い った 。 社 会 構 造 の 変 化 で興 味 深 い の は 、 同名 者 関係 と助 産 人 関係 を 除 く 自発 的 な パ ー トナ ー 関係 が機 能 しな く な っ た り、 消 滅 して しま った こ とで あ る(岸 上1990、1996c、1997)。 一 方 、村 に集 ま って きた 拡 大 家 族 集 団 間 で は 通 婚 に よ っ て 関係 が結 ば れ た り した が 、各 拡 大家 族 集 団 は 相 互 扶 助 や 食 物 分 配 の 単位 で あ り続 け た。 狩 猟漁 労 活 動 の 集 団 は ス ノー モ ー ビル 、 船 外 機 付 きボ ー ト、 高 性 能 ライ フル 、 化 繊 漁 網 の導 入 に よ り、 小 規 模 化 し、個 人や 親 子 、 兄弟 、 い と こ ど う し(や 友 人 ど う し)か ら形 成 され る よ うに な った 。 世 帯 も核 家族 化 な い し小 世 帯 化 が 見 られ た が 、 社 会 経 済 的 に は 世 帯 の集 合 で あ る拡 大 家 族 集 団 が機 能 の 単位 で あ った 。 こ の こ とは 、1990年 代 のイ ヌ ク ジ ュ ア ク村 や ア ク リ ヴィ ク 村 に もあ て は ま る。 筆 者 の 両村 で の 調 査 に よ る と、拡 大家 族 関係 は 現 在 で も 、相 互 扶 助 や食 物 分 配 の うえ で機 能 して い る社 会 関 係 で あ る(岸 上1996b)。

  イ ヌ イ ッ ト社 会 で は 、 大 半 の 自発 的 なパ ー トナ ー 関係 が 実 質 的 に消 滅 した 一 方 で 、 拡 大 家 族(関 係)集 団 は 、定 住 化 以 前 の時 代 と変 わ りなく、重 要 な 単位 として 存続 している。

  こ こ で 、 次 の よ うな 疑 問 にぶ つ か る。 す な わ ち 、イ ヌ イ ッ トの 、 経 済 構 造 が変 化 し た に も か か わ らず 、 拡 大 家 族 関係 が なぜ 機 能 単 位 と して 存続 し続 けて い る の か 、言 い 換 えれ ば 、 社 会 関 係 が なぜ 基 本 的 に 再 生 産 され 続 け て き て い るの か で あ る。 この答 え は 、 ヌ ナ ヴ トの イ ヌ イ ッ トの場 合 は 、 従 来 の 食 物 分 配 が 実践 され て い る こ と以 外 に 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 導入 と実 施 に 関 係 が あ る と私 は 考 えて い る(岸 上 1993、1995a)(注6)。

4.ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の実 施 と社 会 の 再 生 産

  北 ケベ ック の イ ヌ イ ッ ト社 会 に お い て経 済 構 造 や 外 的 な環 境 条 件 が 変 化 して き た の に もか か わ らず 、 そ の 社 会 構 造 が 自発 的 パ ー トナ ー 関係 を 除 け ば 、 基 本 的 に維 持 され 続 けて い る の は 、従 来 通 りの 食 物 分 配 の 実 践 と と も に、 ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラム に よ る村 レベ ル で の 食 料 の 供 給 と食 物 分 配 の 実 践 の た め で あ る こ とを 例 証 してみ た い 。 さ ら に、 ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 実 施 が 生 み 出 しつ つ あ る変 化 につ い て も指 摘 した い 。

  4‑1ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ログ ラ ム に つ いて

  ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム は 、 「 ジ ェ ー ム ス 湾 お よび 北 ケ ベ ッ ク 協 定 」 の 締 結 の 結 果 、 ケ ベ ッ ク州 政 府 が1982年12月 に法 案83と して 制 定 した もの で あ る。 特 筆 す べ き 点 は 、 このプ ログラムはイヌイ ッ トが主体 的にケベ ック州政府 に提案 し、話 し合

い を経 て 作 り上 げ られ た もの で あ る こ とで あ る。

  こ の プ ログ ラム の 目的 は 、 イ ヌ イ ッ トの 狩 猟 や 漁 労 、 罠 猟 な ど食 料 獲 得 活 動 を促 進

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ ト の ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

し 、 長 期 的 に 維 持 さ せ 、 か つ そ の よ うな 活 動 か ら 得 られ る 産 物 を イ ヌ イ ッ トに 供 給 す る こ と を 保 証 す る こ と で あ っ た 。 そ の プ ロ グ ラ ム の 運 用 は 、 原 則 的 に 各 村 に ま か さ れ て お り 、 村 用 の 大 型 コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トや 大 型 冷 蔵 庫 を 購 入 し た り 、 魚 や 肉 を ハ ン タ ー や 隣 村 か ら 購 入 し 、 村 人 に そ れ を 無 償 で 提 供 す る こ と が 可 能 と な っ た 。   プ ロ グ ラ ム の 予 算 は 、 ケ ベ ッ ク 州 政 府 か ら カ テ ィ ヴ ィ ク 地 方 政 府 に 支 出 され 、 さ ら に 各 村 に 配 分 さ れ る 。 こ の 予 算 は 、 毎 年 、 必 要 性 、 イ ン フ レ 率 、 イ ヌ イ ッ トの 人 口増 加 率 に 基 づ い て 修 正 が 加 え られ て い る 。

  ち な み に 、イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 の 予 算 は 、1989年 が 約21万 ドル 、1990年 が 約26万 ドル 、 1991年 が 約30万 ドル 、1992年 が 約31万 ドル 、1993年 が 約40万 ドル 、1994年 が 約45万 ド ル 、1995年 が 約34万 ドル 、 そ し て1996年 が 約36万 ドル で あ っ た 。 一 方 、 ア ク リ ヴ ィ ク 村 の 予 算 は 、1989年 が 約11万5千 ドル 、1990年 が 約13万9千 ドル 、1991年 が 約14万2 千 ドル 、1992年 が 約15万 ドル 、1993年 が 約18万2千 ドル 、1994年 が 約13万5千 ドル 、 1995年 が 約20万8千 ドル 、1996年52万3千 ドル で あ っ た 。

  4‑2イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 の 事 例

  イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 で は 、 ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を い ろ い ろ な 活 動 の た め に 利 用 し て い る(岸 上1996b:745‑751)。 こ こ で 特 に 紹 介 し て お き た い こ と は 、2つ の 事 業 で あ る 。 ひ と つ は 村 が ハ ン タ ー を こ の プ ロ グ ラ ム で 雇 い 、 狩 猟 や 漁 労 に 派 遣 し 、 と っ て き た 獲 物 を 必 要 な 村 人 に 無 償 で 提 供 し て い る 。 も う一 つ は 村 の ハ ン タ ー か ら余 剰 の 獲 物(魚 や 肉)を 買 い 取 り 、 そ れ を 村 の 冷 凍 庫 に 保 存 し て お き 、 村 人 の 中 で 食 料 の 必 要 な 人 に は 、 無 償 で 提 供 し て い る 。1996年 の 前 者 の 年 間 予 算 は2万5千 ドル 、 後 者 の 年 間 予 算 は6万5千 ドル で あ っ た 。 こ の よ う な ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 し た 村 レベ ル で の 食 料 の 供 給 は 、 狩 猟 漁 労 活 動 が 衰 退 し て い る 現 在 の イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 で は 、 と く に 経 済 的 に 重 要 で あ る 。

  私 が1996年 の1、2月 に 観 察 した 事 例 を 紹 介 し て み た い 。

  1月 か ら3月 に か け て の 冬 場 に は 、 村 の プ ロ グ ラ ム 担 当 官 が 、 毎 月2千 ドル の 予 算 で 狩 猟 チ ー ム の 派 遣 を 行 っ て い た 。 カ リブ ー 猟 の 場 合 は 、6人 で1チ ー ム が 編 成 さ れ る 。 メ ン バ ー は 、 村 内 用 のFMラ ジ オ 放 送 を 通 じ て 村 人 か ら公 募 に よ っ て 集 め られ る 。こ の 狩 猟 チ ー ム の 構 成 員 は 、 募 集 の た び に 異 な る 。 ま た 、 親 族 に よ っ て 編 成 さ れ る こ と も な い 。

  1996年2月1日 に カ リ ブ ー 狩 猟 チ ー ム が 派 遣 さ れ 、2月5日 の 午 後 に30頭 あ ま り の カ リ

ブ ー を し と め 、 帰 村 し た 。 カ リ ブ ー は 狩 猟 場 で 解 体 さ れ 、 肉 、 枝 角 、 毛 皮 に 分 け られ

て 、 そ り に 乗 せ られ て 村 に 持 ち か え られ た 。 こ れ ら の 獲 物 は 、 一 度 、 村 役 場 の 隣 に あ

る 冷 凍 庫 に 運 び 込 ま れ た 。 ま た 、 途 中 か ら村 の 担 当 官 が 肉 を トラ ッ ク の 荷 台 に つ み は

じ め 、 彼 は トラ ッ ク の 荷 台 が い っ ぱ い に な る と 、 そ れ を 運 転 し 、 老 人 や 身 体 障 害 者 が

い る 世 帯40件 に 配 っ て ま わ っ た 。 一 方 、 村 のFMラ ジ オ の 放 送 を 通 し て 、 カ リ ブ ー 肉

の 必 要 な 人 は 村 の 冷 凍 庫 に 取 り に 来 て も よ い と 告 げ た 。 村 人 は 、 徒 歩 や ス ノ ー モ ー ビ

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ル で 冷 凍 庫 に や っ て き て 、1人 あ た り5〜10kgく ら い ず つ 持 っ て い っ た 。 放 送 か ら 1時 間 も し な い う ち に 村 の 冷 凍 庫 か ら 肉 が な く な っ て し ま っ た 。

  ま た 、 ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 し て1993年 こ ろ か ら秋 に ハ ド ソ ン 湾 の マ ン セ ル 島 に4人 の イ ヌ イ ッ トを 飛 行 機 を チ ャ ー タ ー して 派 遣 し 、2ト ン 以 上 の ホ ッ キ ョ ク イ ワ ナ を 毎 年 と り に 行 か せ て い る 。 こ の 魚 は 村 人 に 無 償 で 提 供 され る が 、 約1 週 間 分 の 食 料 に な る と い う。

  こ の ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 し た 食 料 の 無 償 提 供 は 、 も っ と も 効 率 よ く こ の 制 度 を 現 行 の ま ま で 運 用 す れ ば 、 通 年 で 最 大150日 分 の 村 人 の 食 料 を 供 給 で き る と 私 は 見 積 も っ て い る(岸 上1996b:752)。 一 度 食 料 が 村 人 に 供 給 され る と 、 そ れ は さ ら に イ ヌ イ ッ トの 間 で い ろ い ろ な機 会 に 分 配 さ れ る の で あ る 。

  4‑3  ア ク リ ヴ ィ ク 村 の 事 例

  1984年 か ら1986年 ま で の ア ク リ ヴ ィ ク 村 の ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム に つ い て は す で に 報 告 し た こ と が あ る(岸 上1993)。 こ の 村 で は1989年 以 降 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トを 利 用 した カ リ ブ ー 狩 猟 遠 征 な ど は 取 りや め られ て お り 、変 化 が 見 ら れ た 。

こ こ で は1997年 の プ ロ グ ラ ム 実 施 例 を紹 介 す る 。

  現 在 の こ の プ ロ グ ラ ム を 利 用 し た 主 要 な 事 業 は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トの 利 用 ・ 管 理 、9月 後 半 か ら10月 初 め に か け て 約1週 間 の 期 間 で 実 施 され る セ イ ウ チ 猟 、10月 に 約1週 間 実 施 さ れ る シ ロ イ ル カ 猟 、 ハ ン タ ー か ら ア ザ ラ シ 、 カ リ ブ ー 、 ラ イ チ ョ ウ 、 二 枚 貝 を 買 い 取 り 、 村 人 に 分 配 す る こ と な ど で あ る 。

1月 と2月 に は 、 村 は こ の プ ロ グ ラ ム を 利 用 して ア ゴ ヒ ゲ ア ザ ラ シ と ワ モ ン ア ザ ラ シ を1ポ ン ド(453グ ラ ム)2ド ル50セ ン トで 村 の ハ ン タ ー か ら 買 い 取 り、 老 人 、 寡 婦 の 世 帯 に 配 布 す る 。 肉 が 大 量 に あ る 場 合 に は 、 一 般 世 帯 に も 分 配 され る 。1世 帯 に つ き1 5ポ ンド 余 り を 配 布 す れ ば 、2、3日 の 食 料 に な る 。 村 は 、1ヶ 月 平 均 ア ゴ ヒ ゲ ア ザ ラ シ

5頭 と 、 ワ モ ン ア ザ ラ シ10頭 あ ま り を 購 入 し、 村 人 に 提 供 し て い る 。

  3月 と4月 に は 、 カ リ ブ ー と ア ザ ラ シ が こ の プ ロ グ ラ ム に よ っ て 村 の ハ ン タ ー か ら 買 い 取 ら れ 、 老 人 と寡 婦 の 世 帯 を 中 心 に 分 配 さ れ る 。3月 の 初 め に は ア ザ ラ シ が 、3、4 月 に は カ リブ ー が プ ロ グ ラ ム の 対 象 と な る 。 カ リ ブ ー は1頭 単 位 で 村 の ハ ン タ ー か ら 買 い 上 げ られ る 。 メ ス は1頭110ド ル 、 若 い オ ス は1頭110ド ル 、 成 獣 の オ ス は1頭100

ドル で あ る 。1ヶ 月 あ た り40頭 ほ ど の カ リ ブ ー を 村 は 買 い 上 げ る 。10か ら15頭 の カ リ ブ ー が あ れ ば 、 村 全 体 の 世 帯 に 肉 を 分 配 で き る。

  5月 か ら8月 に か け て は 、 ア ク リ ヴ ィ ク 村 の 周 辺 で は 、 多 数 の カ ナ ダ ・ガ ン や 白 ガ ン が 飛 来 す る う え に 、 多 数 の 魚 が 湖 や 沿 岸 部 に お り 、 食 料 が 豊 富 な 時 期 で あ る 。 こ の 時 期 に は ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 し た 村 人 へ の 食 料 の 供 給 は 行 わ れ て い な い 。

  9月 に は 、 予 算 が あ る か な い か に も よ る が 、 プ ロ グ ラ ム を 利 用 し た 獲 物 や 魚 の 買 い

取 り は 頻 繁 で は な い 。 ホ ッ キ ョク イ ワ ナ や ホ ワ イ ト ・フ ィ シ ュ を1ポ ン ドあ た り2ド

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

ル50セ ン トで 購 入 し 、 必 要 な 村 人 に 提 供 す る 。 ま た 、 ア ザ ラ シ の 肉 を ハ ン タ ー か ら 購 入 し 、 村 人 に 提 供 す る こ と も あ る 。

  9月 中 旬 か ら10月 の 初 め ま で の1週 間 、 セ イ ウ チ を と る た め に 村 は 、 ハ ン タ ー6人 を こ の プ ロ グ ラ ム を 利 用 し て ノ ッ チ ン ガ ム 島 へ 派 遣 す る 。 ハ ン タ ー の う ち2人 は コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トを 動 か す キ ャ プ テ ン と 副 キ ャ プ テ ン で あ る 。 残 りの4人 は 、 村 の ハ ン タ ー の 中 か ら村 長 や 村 会 議 員 に よ っ て 選 ば れ る 。1997年 に は 、 村 人 の 一 人 が 所 有 す る 大 型 ボ ー トも セ イ ウ チ 猟 に 参 加 し た 。 村 は ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 して こ の2隻 の 大 型 ボ ー トに そ れ ぞ れ200ガ ロ ン(約760リ ット ル)の ガ ソ リ ン 、1000ド ル 分 の 食 料 と銃 弾 を 提 供 し た 。 ま た 、 乗 組 員 に は 賃 金 を 支 払 っ た 。 村 所 有 の ボ ー トの 場 合 に は 、 キ ャ プ テ ン に1週 間 で800ド ル 余 り 、 そ の 他 の 乗 組 員 に は1日50ド ル か ら100ド ル の 日 当 が 支 払 わ れ た 。 個 人 所 有 の ボ ー トの 乗 組 員 の 場 合 は 、 す べ て 一 律 に50ド ル か

ら100ド ル の 日 当 が 支 払 わ れ た 。

  こ の セ イ ウ チ 猟 で は 、 参 加 し た ハ ン タ ー は セ イ ウ チ の 牙 し か と る こ と が で き ず 、 肉 に 関 し て は 他 の 村 民 と 同 じ 分 量 を 受 け 取 る 。 少 な く と も5頭 の セ イ ウ チ が 村 に 持 ち 帰 ら れ る と 、1世 帯 あ た り100ポ ン ド余 りの 肉 を 分 配 す る こ と が で き る 。 ま た 、 ボ ー ト が 村 に 帰 っ て く る と 、 近 く の 海 岸 で 村 人 全 員 で 宴 会 が 行 わ れ る 。

  10月 に は 、1週 間 く ら い か け て シ ロ イ ル カ 猟 遠 征 が コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トを 利 用 し て 行 わ れ る 。 か っ て は ハ ド ソ ン 湾 の 南 東 の 奥 に あ る リ ッ チ モ ン ド湾 ま で 遠 征 し て い た が 、1994年 こ ろ か ら狩 猟 場 を イ ヴ イ ヴ ィ ク(lvujivik)の 近 く に 変 更 し た 。1997年 に は 予 算 が な か っ た の で 、 村 の ボ ー トを 派 遣 す る こ と は で き な か っ た 。 そ の 代 わ り に 村 に2隻 あ る 個 人 所 有 の 大 型 ボ ー トが 出 猟 し た 。 村 で は ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム か ら ガ ソ リ ン と500ド ル の 食 料 と銃 弾 を そ れ ぞ れ の ボ ー トに 提 供 し た 。1997年 に は 、 こ の 遠 征 狩 猟 に 参 加 し た ハ ン タ ー 一 人 ず つ に ア ク リ ヴ ィ ク 生 協 が100ド ル の 現 金 を 支 払 っ た 。

  こ の 猟 に 参 加 し た ハ ン タ ー に は 、 優 先 的 に シ ロ イ ル カ の 脂 肪 の つ い た 皮 の 部 分(マ ッ タ ッ ク)の5%が 配 分 さ れ る 。 残 り の マ ッ タ ッ ク と 、 肉 が84世 帯 全 部 に 平 等 に 分 配 され る 。1ヶ 月 間 く ら い シ ロ イ ル カ の マ ッ タ ッ ク や 肉 を 村 人 は 楽 しむ こ と が で き る 。   11月 に は ク ー ヴ ィ ク で2週 間 あ ま り の ホ ッ キ ョ ク イ ワ ナ 漁 が 行 わ れ る 。 最 近 は 、 村 が 村 人 を 派 遣 す る の で は な く 、 そ こ に 漁 に 行 っ た 人 か ら余 剰 の 魚 を 買 い 取 り 、 村 全 体 に 分 配 す る 。 村 は5000ド ル の 予 算 で2000ポ ン ドの 魚 を 買 い 取 る。10人 ほ ど の 村 人 が 、 4、5匹 の 自家 用 分 を 除 い た 獲 物 を 村 に 売 る 。 村 は そ れ を 全 世 帯 に 分 配 す る 。1世 帯 あ た り10匹 程 度 の ホ ッ キ ョ ク イ ワ ナ を 分 配 す る こ とが で き る 。 ま た 、 同 月 に は カ リ ブ ー が 買 い 取 られ 村 人 に 提 供 さ れ る こ と が あ る 。

  12月 に は ク リ ス マ ス の 祝 宴 の た め に 村 は ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム を 利 用 し て ホ ッ キ ョ ク イ ワ ナ を500ド ル 分 買 い 取 る 。

  以 上 が 、 ア ク リ ヴ ィ ク 村 の ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の1年 で あ る 。 こ の プ

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ログ ラム は 、 村 人 へ の 食 料 の 供 給 以 外 に 、遭 難 救 助(年 間 予 算1万 ドル)、 コ ミュ ニ テ ィ ー ・ボ ー トの 修 理 、ス ノー モ ー ビル 用 や 四 輪 駆 動 の バ ギー 用 の狩 猟 用道 を 作 る こ と、

カ ヌ ー の 水 路 を 深 くす る こ と、 若 者 に老 人 が イ グル ー の 作 り方 や サ バ イ バ ル 術 を 教 え る こ とな どに も利 用 され て い る。

  ア ク リ ヴ ィク 村 の 場 合 も 、 イ ヌ ク ジ ュア ク村 の場 合 と同 じ く、 この プ ロ グ ラ ム に よ る村 人 へ の 食 料 の 無 償 提 供 は 、 寡 婦 、 老 人 や 賃 金 労働 従 事 者 に と って は 特 に有 効 に機 能 して お り、村 人 か ら高 い評 価 を得 て い る。 一 方 で 、 こ の プ ロ グ ラム に イ ヌ イ ッ トが 依 存 しす ぎ る こ とに 由来 す る弊 害 も指 摘 され 始 め て い る。 か つ て は イ ヌ イ ッ ト同 士 で み ん な が食 物 分 配 を 行 っ て い た が 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラム は 分 配 や 相 互 扶 助 の パ タ ー ンに 変 化 を生 じ させ 始 め て い る。 それ は家 族 関係 や 親 族 関 係 の変 化 に っ な が っ て き て い る とい う。 食 料 が な い 時 に は 、イ ヌイ ッ トは み ん な で 助 け合 い 、食 物 分 配 を して い た。 と こ ろ が 、現 在 の 村 人 は 食 料 が な い 時 に は ハ ン ター ・サ ポー ト ・プ ロ グ ラ ム に依 存 す る よ うに な っ て き て い る。 また 、遭 難 した 時 の 救 助 で も 、例 え ば 、村 か ら20マ イル 離 れ た 所 で ス ノ ーモ ー ビル が 故 障 して村 に帰 れ な くな った 時 に は 、 昔 な らば そ の 人 の 兄 弟 や 親 族 が助 け に い って い た が 、現 在 で は 、 遭 難 救 助 は ハ ン タ ー ・サ ポー ト ・プ ロ グ ラ ム に よ っ て な され て い る。 こ の よ うにハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ログ ラ ム は村 の食 物 分 配 を 衰 退 させ た り、 社 会 関係 を変 化 させ た り して い る とい う問題 を は らん で い る。 しか し、 ハ ン タ ー の 生 業 活 動 や 村 人 の生 活 を補 助 す る とい う機 能 が あ り、必 要 な もの とい う認 識 が村 人 の 間 で 共 有 され て い る。

  4‑4ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム と食 物 分 配 、 社 会 の 再 生産

  ヌ ナ ヴィ ク地 域 の イ ヌ イ ッ トの村 で は 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム に よる食 料 の村 人 へ の分 配(供 給)、 ハ ン タ ー 間 の 獲 物 の 分 配 、ハ ン タ ー と村 人 の 食 物(獲 物) の 分 配 、食 事 を通 して の 食 物 分 配 な どが 見 られ る。 これ らの 実 践 と社 会 関 係 とは どの

よ うな 関係 に あ る の だ ろ うか。

  イ ヌ ク ジ ュ ア ク村 に お い て もア ク リ ヴ ィ ク村 にお いて もハ ン ター は 猟 場 で 獲 物 の分 配(ningiqtuq)を 行 っ て い る。 例 え ば 、 あ る ア ク リヴ ィ ク村 のハ ン タ ー は1998年 の1 月 に猟 場 の 近 くで 出 会 っ た4人 の ハ ン タ ー とい っ し ょに ア ザ ラ シ猟 を行 っ た 。 そ の 時 には 彼 だ け が ア ゴ ヒゲ ア ザ ラ シ1頭 し とめ た。 ア ザ ラ シ の 肉 と脂 肪 は5人 が ほ ぼ 平 等 に 分 配 し、そ の 毛皮 は ほ しい 人 が持 っ て い った 。 し とめ たハ ン タ ー は 心 臓 の 部 分 を取 っ た が 、小 腸 な どは平 等 に 分 配 した。 この よ うに ハ ン ター の 間 で は 獲 物 の 分 配 は実 践 さ れ て い る。

  問 題 は 、狩 猟 具 の機 械 化 と効 率化 に よっ て 複 数 で 狩 猟 に で か け る必 要 が な くな っ た こ と、 す な わ ち狩 猟 単 位 の 個 人 化 、若 者 の 生 業 離 れ で あ る。 ハ ン ター 問 の 獲 物 の分 配 の 頻 度 は減 少 しつ つ あ る とい え る。

ア ゴ ヒゲ ア ザ ラ シ を し とめ た そ のハ ン ター は 、村 に 帰 っ て か ら、FMラ ジ オ 放 送 を

通 して 村 人 に彼 が ア ゴ ヒゲ アザ ラ シ を 取 った こ と 、そ の 肉 の欲 しい 人 は 彼 の 所 ま で 取

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

りに 来 る よ うに告 げ た 。 この 知 らせ に よ っ て村 人 の 何 人 か は彼 の家 を訪 れ 、 肉 を も ら っ て 帰 った(aitsijuk,  minartuq)。 さ らに彼 は 近 所 の 親 戚 や 友 人 の所 に 肉 を持 って い っ た(paruttuq)。

  私 が 下 宿 した 家 で は 、 主 人 が ライ チ ョウや ホ ッキ ョク イ ワナ を多 量 に獲 って 帰 って くる と、息 子 に獲 物 の 一 部 を 近 所 の 寡 婦 、老 人 、兄 弟 姉 妹 の所 に持 っ て い か せ て い た。

中 高 年 の ハ ン ター の世 帯 で は 、 こ の よ うな食 物 分 配 は 日常 的 に行 われ て い る。

  さ らに ハ ン ター は 、他 の 人 を食 事 に招 い た り(kaikurik)、 他 の人 が彼 の 家 に食 事 に 来 た りす る(nirigiaqtutuk)。 ハ ン タ ー が 獲 物 を あ げ た り、食 事 を通 して獲 物 を分 配 して い る関 係 は 、 兄弟 姉 妹 、 両 親 、 オ ジ オバ な ど拡 大 家 族 関係 に あ る 人 、 近 所 の 引退 した 老 人 や 寡 婦 な どで あ った 。

  ア ク リヴ ィ ク村 に お い て は1998年1月 か ら2月 に か け て の 調 査 に よ る と、 ハ ン ター の 世 帯 にお い て は1990年 の12月 に 観 察 され た 事 例(岸 上1992)と 同 様 に 、 拡 大 家 族 内や 近 隣 の 世 帯 間 で食 物 分 配 が 実 践 され て い た。

  私 が観 察 した 限 りで は 、 中 年 以 上 のハ ン タ ー が い る世 帯 で は 、獲 物 の 分 配 や 食 事 を 通 して の 食 物 分 配 は 実 践 され 続 けて い た が 、 ハ ン ター の 絶 対 数 が減 少 して い る現 在 、 従 前 通 りの 食 物 分 配 で 、 す べ て の 社 会 関係 が 再 生 産 され る とは考 え られ な い 。   現 在 の イ ヌ ク ジ ュ ア ク村 で は 、 狩 猟 ・ 漁 労 活 動 は か つ て ほ ど盛 ん で は な い 。 個 人 の ハ ン タ ー が 村 の 中 に持 ち込 み 、 分 配 され 、 消 費 され る肉 や 魚 の 量 は減 少 して い る。 こ の た め 、 従 来 の 拡 大 家 族 関係 の ライ ン にそ っ た食 物 分 配 の 頻 度 や 量 も減 っ て い る。 と こ ろ が 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム に よ る 食 料 の 村 人 へ の無 償 提 供 は 、 個 人 レ ベ ル の狩 猟 ・漁 労 活 動 の低 下 を 、補 な うこ とにな り、一度、村人 に分配 された 肉や魚 は 、 主 に イ ヌ イ ッ トの拡 大家 族 関 係 の ライ ン に そ っ て 分 配 され 続 け て い る。 こ の こ と は 、 ア ク リヴ ィ ク村 の場 合 に もあ て はま る。 個 人 レベ ル の 狩 猟 ・漁 労活 動 は 衰 退 した の に か か わ らず 、村 レベ ル で の 食 料 の供 給 に よ り、 二 次 的 な食 物 分 配 は 実 践 され つ づ けて い る の で あ る。

  こ の村 レベ ル の 食 料 の供 給(分 配)は 、 一 種 の村 レベ ル で の 食 物 分 配 で もあ るが 、 親 族 関係 に 基 づ い て い る とい う よ りは 、 村 人 で あ る こ とに 基 づ い て実 践 され て お り、

村 人 意 識 や イ ヌ イ ッ トは お互 い に 助 け合 う人 間 だ とい うイ ヌ イ ッ ト意 識 の 高 揚 に貢 献 して い る。

  ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ログ ラム で は 狩 猟 や 漁 労 と、 そ の 獲 物 の第 一 次 分 配 が 、 特 定 の社 会 関係 に 則 らな くな っ て きて い る。40歳 以 上 の イ ヌ イ ッ トは 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム が 村 人 全 員 の 生 活 に 貢 献 す る よ うな経 済 効 果 が あ る こ とを認 めつ つ も 、食 物 分 配 の や り方 が変 化 しつ つ あ る こ と に危 惧 を 表 明 して い る。彼 らに とっ て は 、 食 物 分 配 とは 彼 らが 生 き延 び る た め の唯 一 の 方 法 で あ る と い う認 識 を強 く持 ってい る。

と こ ろ が この プ ロ グ ラ ム に よ っ て 村 人 は 肉 や 魚 を 、 特 定 で きな い し見 え な い 個 人 、 す

なわ ち村 か ら受 け 取 る よ うに な っ た た め、 肉や 魚 を も らっ た 人 は 、 それ らを くれ た 人

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に対 食 物 分 配 す る責 任 や 義 務 感 か ら解 放 され る よ うに な っ た の で あ る。 さ らに 生 業 活 動 に従 事 しな い若 者 の 一 部 は 、 肉や 魚 を プ ロ グ ラ ム に よっ て も ら う一 方 で 、他 の 人 に 肉や 魚 を 分 配 しな い 人 が 出 現 し始 め て い る の で あ る。

  しか し、私 が観 察 した 限 りで は 、ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラム に よ っ て個 人 や 世 帯 が 一 度 、入 手 した 肉 は 、 さ ら に二 次 分 配 され て い る。 この 場 合 に は、 従 来 通 りの 社 会 関 係 の線 に 沿 っ て 食 物 分 配 が 行 わ れ て い る の で あ る。 ま た 、 中高 年 のハ ン タ ー は 従 来 どお りの食 物 分 配 を 実 践 して お り、 彼 らに か か わ る社 会 関係 は あ る程 度 、維 持 さ れ 、 再 生 産 され て い る。 食 料 が 十 分 に村 人 に供 給 され て い る 限 りは 、 彼 らが狩 猟 ・漁

労 に 従 事 しな く な っ て い て も、食 物 分 配 は 行 わ れ 、 そ の 実 践 を 通 して 社 会 関 係 は再 生 産 され る と思 わ れ る。

  ア ク リヴ ィ ク村 や イ ヌ ク ジ ュ ア ク 村 に お い て は 中高 年 の ハ ン タ ー の 間 で は 、ハ ン タ ー 間 の 獲 物 の 分 配 、ハ ン タ ー と村 人 との 獲 物 の 分 配 、食 事 を 通 して の 食 物 分 配 は 、 そ の頻 度 や 量 は 減 少 して き て は い る が 、 現 在 で も実 践 され て お り、 ハ ン ター を め ぐる社 会 関係 は維 持 され 、 再 生 産 され て い る。 しか し、 若 者 の 生 業 離 れ に よ っ て ハ ン ター の 絶 対 数 が減 少 して い るた め 、一 部 の 食 物 分 配 の み で は村 の 中 に あ る社 会 関 係 をす べ て 維 持 、再 生 産 させ る こ とは 困難 に な りつ つ あ る。

  ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム に よ る食 料 の 供 給 は 、 従 来 の 食 物 分 配 とは 異 な り、

社 会 関 係 に もす で に 指 摘 した よ うな 変化 を 生 み 出 しつ つ あ る。 しか し、 私 の 観 察 に よ れ ば 、 そ の制 度 に よ って 一 度 、 個 人や 各 世 帯 に 提 供 され た 肉や 魚 は 、 さ らに 拡 大 家 族 関 係 の 線 に沿 っ て 、 二 次 分 配 が 繰 り返 され る。 した が って 、 こ の プ ロ グ ラ ム に よ る 肉 や 魚 も 日常 の食 物 分配 の 実 践 に貢 献 して い る と言 え る。 す な わ ち これ らの 村 で は 、 日 常 の 食 物 分 配 の実 践 を 通 して 、 村 の 中 の社 会 関係 が 維 持 され 続 け て い る の で あ る。 そ の よ うな 実 践 を可 能 に させ る条 件 は 、急 激 な 変 化 の ま っ た だ 中 にい るイ ヌ イ ッ トに と っ て は 変 化 の 緩 衝 剤 とな る と言 え る だ ろ う。

5.結 論

  イ ヌ ク ジ ュア ク村 の事 例 は 、 個 人 レベ ル の食 料 獲 得 活 動 が 衰 退 して き た の に もか か わ らず 、 ハ ン ター ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の制 定 、 運 用 に よ って 村 レベ ル で の 食 料 供 給 が 可 能 とな り、 拡 大 家 族 関係 に 基 づ く食 物 分 配 の 実践 の維 持 に よ って 拡 大家 族 関係 が 再 生 産 され て きた こ とを示 して い る。 ま た 、 こ の プ ロ グ ラ ム の 実 践 に よ っ て あ らた に村 人 意識 や イ ヌ イ ッ ト意 識 が 顕 在 化 して き て い る。社 会 は変 化 を続 け て い る一 方 で 、 拡 大 家 族 関係 は 再 生 産 され 続 け て い るの で あ る。

  ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラム は 、 生 業 に従 事 しな い若 者 に 対 して は食 料 を 与 え るだ け で 、 それ らの 若 者 自身 は それ 以外 の 人 と は食 物 分 配 を しな い とい う弊 害 が 出 て きて い る。こ の プ ロ グ ラ ムへ の依 存 化 は 、従 来 の 食 物 分 配 の 制度 に 変 化 を迫 って お り、

ひ い て は社 会 関係 の 変 化 を生 み 出す 要 因 の 一 つ に な って い る と言 え る。

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ヌ ナ ヴ ィ ク ・ イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

狩 猟 や 食 物 分 配 の実 践 に 関 して 若 者 層 に変 化 の 兆 しが 見 られ るの で 、イ ヌ イ ッ ト自身 が集 団 的 に 意 図 的 な努 力 を し な い 限 りは社 会 関係 は 大 き く変 わ っ て行 くだ ろ う。 しか し、 ハ ン ター ・サ ポー ト ・プ ロ グ ラ ム の よ うな 制 度 の 創 出 と運 用 は 、社 会 の維 持 や 緩 や か な 変 化 を可 能 に させ る。 イ ヌ イ ッ トの こ の よ うな 制 度 の 意 図 的 な利 用 は彼 らの 将 来 を 大 きく左 右 す ると私 は 考 えてい る。

  ヌ ナ ヴ ィ ク地 域 の イ ヌイ ッ ト社 会 の事 例 は 、物 理 的 な 社 会 の 消 滅 や 強 制 的 な社 会 変 革 を 除 け ば 、 先 住 民(狩 猟 採 集 民)社 会 が お か れ る条 件 しだ い で は 、 国 家 や 世 界 シ ス テ ム に と りこま れ よ う と も、社 会 の 独 自性 の持 続 な い し独 自の 社 会 関 係 の通 時 的 な 再 生産 が 可 能 で あ る こ とを示 して い る。 そ の 条 件 とは 、 先 住 民 との 協 議 に よ っ て つ く ら れ る政 府 の 先 住 民 の 生 業 政 策 の 実 施 で あ り、先 住 民 自身 の 主 体 的 か つ 能 動 的 な 生 業 の 実 践 で あ る と考 え る。

  私 は 、 カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ ト社 会 の 研 究 に も とつ い て 、 国 民 国 家 の 中 で 暮 らす 狩 猟 採 集 民 の社 会 変 化 に つ い て 次 の よ うな 仮 説 を 提 起 した い(注7)。

  カナ ダ ・イ ヌ イ ッ トの よ うな 国 民 国 家 の 中 に組 み 込 まれ て い る 先 住 民 族 は 、 主 流 側 と の 間 に 明確 な 政 治 経 済 力 の差 が 存 在 す る場 合 に は 、 主流 側 の 政 策 の影 響 を受 け る に した が い 、 政 治 経 済 的 に国 家 や 国 民 経 済 へ の 依 存 度 を 高 め る。 しか し、 この 変 化 は必 ず し も先 住 民 族 の 社 会 関 係 お よび 民 族 意 識 の 消 滅 や 弱 体 化 を結 果 す る とは か ぎ らな い 。(主 流 社 会)国 家 の 先 住 民 政 策 や 、 先 住 民 の 能 動 的 な 政 治 お よび 経 済 的 な 実 践 に よ り経 済 活 動 が社 会 的 に 構 成 され つ づ け て い る限 りは 、 も ろ も ろ の変 化 を被 りつ つ も 先 住 民 独 自の社 会 経 済 関 係 を再 生 産 し続 け る こ とが で き る(岸 上   1996a,  b)。

(*)本 研 究 は 、1998年1月 か ら2月 に か け て カ ナ ダ 国 ケ ベ ック州 ア ク リヴ ィ ク 村 に お い て 実 施 した調 査 の 成 果 の 一 部 で あ る。 この 調 査 は 、大 阪 大学 言 語 文 化 部 の 大 村 敬 一 氏 を代 表 とす る 平成9年 度 国 際 学 術 調 査 「 イ ヌ イ ッ トの社 会 ・文 化 の変 化 に 関 す る 民 族 学 的研 究 」(課 題 番 号07041026)の 一 部 と して 実 施 され た。 ア ク リ ヴ ィ ク 村 に お い て は 、AdamieとAmalyのAnautak夫 妻 か ら格 別 の 助 力 を得 た 。 記 して感 謝 す る次 第 で あ る。 ま た 、 この 調 査 を可 能 に して くれ た 大 村 敬 一 氏 と 日本 国 文 部 省 に 対 し 感 謝 の 微 意 を表 す も の で あ る。

        注

(注1)こ の ほ か 欧 米 人 と の 接 触 の 期 間 や や り 方 、 村 の 地 理 的 位 置 、 村 の 中 の 白 人 の 人 口 数 な ど の 条 件 の 違 い に よ っ て も 社 会 変 化 の 多 様 性 が 生 み 出 さ れ る。

(注2)社 会 変 化 モ デ ル に は 、Graburn(1969,1971)やBalikci(1960,1964)ら の 研 究 が

あ る。 一 方 、1970年 代 後 半 以 降 の ア ラ ス カ 、 カ ナ ダ や グ リ ー ン ラ ン ドの 極 北 社 会 の 研

究 か ら は 、Fienup‑Riordan(1983)、  Nuttall(1992)、  Wenzel(1991)ら の 社 会 の 再 生 産

モ デ ル が あ る 。

(15)

(注3)イ ヌ イ ッ トや ユ ッ ピ ッ ク の 生 業 に 関 す る 諸 研 究 に つ い て は 、 岸 上(1994:74‑

79)を 参 照 さ れ た い 。

(注4)1970年 代 は じ め に は 、 ホ ッ キ ョ ク キ ツ ネ や ア ザ ラ シ の 毛 皮 の 価 格 が 低 迷 し て い た た め に 、 イ ヌ イ ッ トは 獲 物 の 毛 皮 を 売 っ て 現 金 を 手 に 入 れ 、 そ れ を 利 用 して 狩 猟 や 漁 労 を 続 け る こ と は 難 し く な っ て い た 。 し か し 、 当 時 の イ ヌ イ ッ トは 、 生 業 の 維 持 を 強 く 望 み 、 ジ ェ ー ム ス 湾 協 定 の 中 で 、 イ ヌ イ ッ トの 生 業 を 促 進 す る よ う な 生 業 プ ロ グ ラ ム の 創 設 が 提 案 され た 。

(注5)カ ナ ダ の 中 部 極 北 地 域 の ネ ツ リ ッ ク ・イ ヌ イ ッ トや コ パ ー ・イ ヌ イ ッ トの 間 で は ア ザ ラ シ 肉 の 分 配 パ ー トナ ー が 存 在 し て い た が 、 北 ケ ベ ッ ク の イ ヌ イ ッ ト社 会 に は そ の よ うな 特 殊 な パ ー トナ ー 関 係 は 存 在 し て い な か っ た 。

(注6)ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・プ ロ グ ラ ム の 実 施 さ れ て い な い ヌ ナ ヴ トの ペ リ ー ベ イ 村 の よ う な 場 合 に も 、 私 は す く な く と も1990年 代 半 ば ま で は 、 生 業 活 動 の 維 持 に よ っ て 拡 大 家 族 関 係 は 基 本 的 に 再 生 産 され て き た と 考 え て い る(岸 上 、 ス チ ュ ア ー ト199 4、 岸 上   1995b,1996a)。

(注7)こ の 仮 説 は 、 ピ ー タ ー ソ ン の 仮 説(Peterson  1991:2) を イ ヌ イ ッ トの 事 例 に も と つ い て 特 殊 化 し た も の で あ る 。

引用文献

Balikci, A.

1960 "Some Acculturative Trends among the Eastern Canadian Eskimos". Anthropologica(n.$).2(2):139-153.

1964 "Development of Basic Socioeconomic Units in Two Eskimo Communities". Antropological Series 69. National Museum of

Canada Bulletin 202. Ottawa.

Fienup—Riordan, A.

1983 The Nelson Island Eskimo. Anchorage:Alaska Pacific University Press.

Graburn, N. H. H.

1969 Eskimos Without Igloo. Boston:Little,Brown.

1971 "Traditional Economic Institutions and the Acculturation of the Canadian Eskimos". In G.Dalton(ed.), Studies in

Economic Anthropology, Washington,D.C. :American

Antropological Association. pp. 107-121.

岸上伸 啓

1990  「カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ トの 人 名 、 命 名 方 法 お よ び 名 前 に 基 づ く 社

        会 関 係 に つ い て 」 『民 族 学 研 究 』54(4):485‑495.

(16)

ヌ ナ ヴ ィ ク ・イ ヌ イ ッ トの ハ ン タ ー ・サ ポ ー ト ・ プ ロ グ ラ ム の 運 用 と 社 会 変 化

1992    「現 代 カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ ト社 会 に お け る 食 物 分 配 を め ぐ る 社 会 関 係         に つ い て 」 『人 文 論 究 』54(別 冊):181‑198.

1993    「イ ヌ イ ッ ト社 会 に お け る 食 物 分 配 の 一 形 式 に つ い て 」 菊 池 徹         夫 ほ か 編pp.309‑317.『21世 紀 へ の 考 古 学 』 雄 山 閣 出 版 1994    「北 米 に お け る イ ヌ イ ッ トお よ び ユ ッ ピ ッ ク に 関 す る 文 化 人 類         学 的 研 究 の 最 近 の 動 向 と現 状 に つ い て 」 『人 文 論 究 』58:53‑105.

1995a    「カ ナ ダ 国 ヌ ナ ビ ッ ク ・イ ヌ イ ッ トの 社 会 経 済 変 容 」 『人 文 論         究 』60:81‑99.

1995b "Extended Family and Food Sharing Practices Among the Contemporary Netsilik Inuit". Journal of Hokkaido

Univerisity of Education 45(2)1-9.

        1996a  「カ ナ ダ 極 北 地 域 に お け る 社 会 変 化 の 特 質 に つ い て 」 ス チ ュ ア       ー トヘ ン リ編 『採 集 狩 猟 民 の 現 在 』 言 叢 社   PP.13‑52.

        1996b  「カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ トの 社 会 ・経 済 変 化 」 『国 立 民 族 学 博 物 館       研 究 報 告 』21(4):715‑775.

        1996c  「カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ トの 名 前 、 名 前 の 霊 魂 と社 会 変 化 」       『北 海 道 教 育 大 学 紀 要 第1部B』46(2):27‑37.

        1997    「カ ナ ダ ・イ ヌ イ ッ ト の 助 産 人 と 社 会 変 化 」 『民 博 通 信 』75:

       107‑122.

岸 上 伸 啓 、 ス チ ュ ア ー トヘ ン リ

        1994    「現 代 ネ ツ リ ッ ク ・イ ヌ イ ッ ト社 会 に お け る 社 会 関 係 に つ い て 」       『国 立 民 族 学 博 物 館 研 究 報 告 』19(3):405‑448.

Nuttall,M.

1992 Arctic Homeland. Toronto:University of Toronto Press.

Peterson, N.

1991 "Intoroduction". In N. Peterson and T. Matsuyama (eds.), Cash, Commoditisation and Changing Foragers, Senri

Ethnological Studies. 30:1-16.,Osaka:National Museum of Ethnology.

Wenzel, G.

1991 Animal Rights, Human Rights.Toronto:Univeristy of Toronto Press.

Willmott, W. E.

1961 The Eskimo Community at Port Harrison, P. Q. (NCRC-61-1).

Ottawa:Dept. of Northern Affairs and Natural Resources,

Northern Coordination and Research Centre.

参照

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