第
7章 有人システム維持機能技術~電気・通信系技術
1.
序 論
我 国 初 の 有 人 宇 宙 シ ス テ ム 「 き ぼ う 」 は 、 従 来衛 星 と は 異 なり 、長 期 間 、人が 生 活 す る た め に 高 い 信 頼 性 と 安 全 性 が 求 め ら れ る こ と か ら 、 シ ス テ ム が 複 雑 か つ 大 規 模 で あ る。
ま た、多 種多 様 な実 験 装 置 が 出入 り し て 運 用 さ れる た め、実 験装 置 が 要 求 する 電 力 と 通 信 回 線を 考 慮 し た 柔軟 的 運 用 が 必要 と な る 。こ れ を実 現 す る た めに は 、多 忙 な宇 宙 飛 行 士 の 手 を煩 わ せ る こ とな く 、容 易 に電 力 分 配 と 通 信 トラ フ ィ ッ ク の管 理 が 行 え、か つ 信頼 性 の 高 い ア ビ オ ニ ク ス 機 器 で 構 成 す る こ と が 重 要 であ る 。
本 章 で は 、「 き ぼ う 」 開 発 に お い て 獲 得 し た 電気・通 信 系 技術 、す な わ ちア ビ オ ニ ク ス の 設計 技 術 、お よび 、そ れ ら を統 合 し て シ ス テ ム と し て 成 立 さ せ る た め に 実 施 し た エ ン ジ ニア リ ン グ に つい て 報 告 す る。
2.
電 気 ・ 通 信 系 の 技 術
「 きぼ う 」を 構 成す る 電 気・通 信 系 は、電 力 系 、情 報 デ ー タ伝 送 系( 伝 送レ ー ト に 応 じ た 低速 、 中 速 、 高速 の
3種 )、 ビ デ オ系 お よ び 音声 系 か ら な る。
衛 星 と の 大 き な 相 違 は 、「 き ぼ う 」 は 大 型 有 人宇 宙 機 で あ るこ と 、長 期 間に わ た り 様 々 な 実 験 装 置 を 入 れ 替 え て 運 用 し て い く こ と 、 故 障時 は 修 理・交 換 、そし て 時代 の ニ ー ズ に 合 わ せ て ア ッ プ グ レ ー ド し て い く こ と を 前
提 とし た 宇 宙 機 であ る 点 で あ る。
「 きぼ う 」の 電 気・通 信 系 は、同 時 に 多 数 の 実 験 運 用 が 可 能 な 標 準 化 さ れ た イ ン タ ー フ ェー ス 、冗 長 系統 、安 全 化 装置 を も ち 、ま た ア ビ オ ニ ク ス 機 器 は 容 易 に 交 換 が 可 能 な 設 計と し て い る 。
2.1
電 力 系
「 きぼ う 」の 電 力系 は 、国 際 宇宙 ス テ ー シ ョ ン(
ISS) 第 二結 合 部 の
DC/DCコ ン バー タ(
DDCU)か ら、独 立 し た 直 流
120 V・最 大
12.5 kWを
2系 統 引 き 込 んで お り 、 シ ス テ ム 機 器 お よ び 実 験 装 置 に 分 配 す る ( 第
1図)。
直 流
120Vの 電 力系 は 従 来 衛 星で も 採 用 の
前 例 が な か っ た た め 、「 き ぼ う 」 の 電 力 系 を
構 成 す る 分 電 盤 (
PDU) と 配 電 箱 (
PDB)
は いず れ も 、リ レー で は な く 半導 体( パ ワ ー
MOS FET) ス イッ チ を 採 用 した 限 流 遮 断 機
能 付き の 電 力 遮 断器 を 組 み 込 んで お り、電 力
遮 断器 数 は 合 計 で
200個 を 超 える 。これ を 、
ISSの 電 力 事 情 に 応 じ て 筑 波 宇 宙 セ ン タ ー
か ら制 御 す る こ とに よ り、き め細 か な 電 力 配
分 管理 と 実 験 運 用 計 画 の 立 案 を 可 能 と し た。
第
1図 「 き ぼ う 」 の 電 力 系
2.2
低 速 デ ー タ 伝 送 系
低 速デ ー タ 伝 送 系( 別 名 、監 視 制御 系 )は 、 シ ステ ム 機 器 の 監視 制 御、お よび 実 験 装 置 の 実 験デ ー タ 通 信 の監 視 制 御 を 行う( 第
2図)。
シ ス テ ム 監 視 制 御 系 は 、「 き ぼ う 」 の 中 央 コ ンピ ュ ー タ(
JCP)の下 に 、米 国 規 格 の 通 信 バス シ ス テ ム であ る
MIL-STD-1553Bバ ス ( 以 下 、
1553Bバ ス と い う ) を 張 り 巡 ら し てお り 、下 流 のコ ン ピ ュ ー タ 、ラ ッ プ ト ッ プ 端 末 等 と 通 信 す る 。
1553Bバ ス は 海 外 の 航 空機・人 工 衛 星ア ビ オ ニ ク スシ ス テ ム と し て 実績 が あ り 、我 が 国 で「 き ぼう 」で 初 め て 本 格的 に 設 計 に 取り 入 れ 、そ の後 、日 本 の ロ ケ ット ・ 衛 星 に 応用 さ れ た 。 各
1553Bバ ス は 二重 冗 長 構 成 であ る 。各 コ ンピ ュ ー タ 下 の
各 サ ブ シ ス テ ム は 地 上 と の コ マ ン ド / テ レ メ トリ 授 受 に よ り制 御 さ れ る 。
実 験 装 置 の 監 視 制 御 は 実 験 デ ー タ 処 理 装 置 (
PDH) が 行 っ て い る 。 多 様 な 実 験 装 置 の 運用 に 対 応 す るた め 、実 験 デー タ 処 理 装 置 は、地 上 から 書 き換 え 可 能 な 通信 コ ン フ ィ ギ ュ レー シ ョ ン テ ーブ ル(
CCT)を基 に 実 験 装 置 か ら の デ ー タ 配 列 を 編 集 す る 機 能 を 有 す る。通 信 コン フ ィギ ュ レ ー シ ョン テ ー ブ ル は、
地 上設 備 で あ る 運用 手 順 検 証・訓 練 シス テ ム を 用 い て 通 信 ト ラ フ ィ ッ ク に 無 駄 の な い き め 細 か な 設 定 と 事 前 検 証 を 行 っ た 上 で 、
PDHに 送ら れ る。
第
7章 有人システム維持機能技術~電気・通信系技術
1.
序 論
我 国 初 の 有 人 宇 宙 シ ス テ ム 「 き ぼ う 」 は 、 従 来衛 星 と は 異 なり 、長 期 間 、人が 生 活 す る た め に 高 い 信 頼 性 と 安 全 性 が 求 め ら れ る こ と か ら 、 シ ス テ ム が 複 雑 か つ 大 規 模 で あ る。
ま た、多 種多 様 な実 験 装 置 が 出入 り し て 運 用 さ れる た め、実 験装 置 が 要 求 する 電 力 と 通 信 回 線を 考 慮 し た 柔軟 的 運 用 が 必要 と な る 。こ れ を実 現 す る た めに は 、多 忙 な宇 宙 飛 行 士 の 手 を煩 わ せ る こ とな く 、容 易 に電 力 分 配 と 通 信 トラ フ ィ ッ ク の管 理 が 行 え、か つ 信頼 性 の 高 い ア ビ オ ニ ク ス 機 器 で 構 成 す る こ と が 重 要 であ る 。
本 章 で は 、「 き ぼ う 」 開 発 に お い て 獲 得 し た 電気・通 信 系 技術 、す な わ ちア ビ オ ニ ク ス の 設計 技 術 、お よび 、そ れ ら を統 合 し て シ ス テ ム と し て 成 立 さ せ る た め に 実 施 し た エ ン ジ ニア リ ン グ に つい て 報 告 す る。
2.
電 気 ・ 通 信 系 の 技 術
「 きぼ う 」を 構 成す る 電 気・通 信 系 は、電 力 系 、情 報 デ ー タ伝 送 系( 伝 送レ ー ト に 応 じ た 低速 、 中 速 、 高速 の
3種 )、 ビ デ オ系 お よ び 音声 系 か ら な る。
衛 星 と の 大 き な 相 違 は 、「 き ぼ う 」 は 大 型 有 人宇 宙 機 で あ るこ と 、長 期 間に わ た り 様 々 な 実 験 装 置 を 入 れ 替 え て 運 用 し て い く こ と 、 故 障時 は 修 理・交 換 、そし て 時代 の ニ ー ズ に 合 わ せ て ア ッ プ グ レ ー ド し て い く こ と を 前
提 とし た 宇 宙 機 であ る 点 で あ る。
「 きぼ う 」の 電 気・通 信 系 は、同 時 に 多 数 の 実 験 運 用 が 可 能 な 標 準 化 さ れ た イ ン タ ー フ ェー ス 、冗 長 系統 、安 全 化 装置 を も ち 、ま た ア ビ オ ニ ク ス 機 器 は 容 易 に 交 換 が 可 能 な 設 計と し て い る 。
2.1
電 力 系
「 きぼ う 」の 電 力系 は 、国 際 宇宙 ス テ ー シ ョ ン(
ISS) 第 二結 合 部 の
DC/DCコ ン バー タ(
DDCU)か ら、独 立 し た 直 流
120 V・最 大
12.5 kWを
2系 統 引 き 込 んで お り 、 シ ス テ ム 機 器 お よ び 実 験 装 置 に 分 配 す る ( 第
1図)。
直 流
120Vの 電 力系 は 従 来 衛 星で も 採 用 の
前 例 が な か っ た た め 、「 き ぼ う 」 の 電 力 系 を
構 成 す る 分 電 盤 (
PDU) と 配 電 箱 (
PDB)
は いず れ も 、リ レー で は な く 半導 体( パ ワ ー
MOS FET) ス イッ チ を 採 用 した 限 流 遮 断 機
能 付き の 電 力 遮 断器 を 組 み 込 んで お り、電 力
遮 断器 数 は 合 計 で
200個 を 超 える 。これ を 、
ISSの 電 力 事 情 に 応 じ て 筑 波 宇 宙 セ ン タ ー
か ら制 御 す る こ とに よ り、き め細 か な 電 力 配
分 管理 と 実 験 運 用 計 画 の 立 案 を 可 能 と し た。
2.3
中 速 デ ー タ 伝 送 系
中 速 デ ー タ 系 は 今 で は 地 上 で 広 く 使 用 さ れ て い る イ ー サ ネ ッ ト の 規 格 を 基 本 と し た
10Mbps LANであ る ( 第
3図)。
「 きぼ う 」内 外 の実 験 装 置 は 、有線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 で あ る
PEHG(
Payload Ethernet Hub Gateway:
ISS共 通 品 。 リ ピ ー タハ ブ 機 能 、光 変換 機 能 を 搭載 )を 介 し て の 双 方 向 通 信 と 地 上 へ の デ ー タ ダ ウ ン リ ン ク が可 能 で あ り 、また 、出 力 先を 日 本 独 自 の 衛 星間 通 信 シ ス テム(
ICS)に設 定 す る こ と
に よ り 、
ICSか ら 衛 星 「 こ だ ま (
DRTS)」
経 由 で 地 上 に デ ー タ の ダ ウ ン リ ン ク が 可 能 で ある 。
「 きぼ う 」に 中 速系 を 導 入 し た当 時(
1990年 代半 ば )は 実 験ユ ー ザ に 歓 迎さ れ た が 、今 日 では 、イ ン タ ーネ ッ ト の 普 及と と も に 、実 験 デ ー タ の 大 容 量 化 の ニ ー ズ が 増 え た た め 、
100Mbps(
100Base-TX)の デー タ が 扱 え る ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 装 置 の 開 発 を 実 施 し て い る 。
PL US LAB
NODE 2
MIL-STD 1553Bバス
CB EXT-1 C&C MDM C&C MDM C&C MDM
CB EXT-2 Ground
船内保管室
DIUDIU
PLPL
PLPL PLPL
MDP
ACU JEUJEU
PLPL
PLPL
ロボットアーム 船内実験室
システムローカルバス1 システムローカルバス2
SLT
ConsoleRMS 機器
RLT
サブシステム制御装置 (電力系、熱制御系、環境制御系、実
験支援系、機構系、通信制御系)
電力ラック DIU-a
電力ラック DIU-b
(DPU)ICS
PDHPDH PROXPROX CBMCBM
PDB等 ESCESC
APE-C 等
ECU PAM
等
JCP-a JCP-b
センサー/
エフェクタ-(バルブ等) センサー/
エフェクタ-(バルブ等) センサー/
エフェクタ-(バルブ等)
JCP:管制制御装置
SLT:きぼうラップトップ端末 PDH:実験データ処理装置
DIU:データインタフェースユニット MDP:RMS管理計算機
ACU:アーム制御計算機 JEU:関節エレクトロニクス
ICS:衛星間通信システム DPU:データ処理装置 APE-C:アンテナ駆動装置
ESC:船外実験プラットフォーム制御装置 ECU:船外パレット制御装置
PAM:船外パレット装置交換機構 PL:実験ペイロード
MUX等
船外実験 プラットフォーム
船外パレット
センサー/
エフェクター(バルブ等)
第
2図 「 き ぼ う 」 の 低 速 デ ー タ 伝 送 系
2.4
高 速 デ ー タ 伝 送 系
高 速デ ー タ 伝 送 系は 、光 フ ァ イバ を 用 い た 高 速ネ ッ ト ワ ー クで あ り、実 験装 置 か ら 大 容 量 の 実 験 デ ー タ を 地 上 に 送 る こ と が で き る
( 第
4図)。 「 き ぼう 」の 実 験 デー タ は 、高 速 デ ータ 多 重 切 換 装置(
HRMS)によ り 多 重 化 ま た は 選 択 さ れ て 米 国 実 験 棟 経 由 で 地 上 に ダ ウン リ ン ク さ れる 。高速 デ ータ 多 重 切 換 装 置 で の チ ャ ネ ル 選 択 は 宇 宙 飛 行 士 が パ ッ チ
パ ネル に て 切 替 を行 う 。こ の ため 、コ ネ ク タ の 配 置 、 光 フ ァ イ バ の 取 り 回 し 等 、 視 認 性、
操 作 性 な ど の 宇 宙 飛 行 士 と の イ ン タ ー フ ェ ー スを 確 保 し た 設計 と し た 。
ま た「き ぼ う 」は 高速 デ ー タ 多重 切 換 装 置 を 介さ な い 系 統、衛 星 間通 信 シス テ ム に 繋 が る 系統 も 有 し て おり 、冗長 お よび 同 時 実 験 運 用 への 対 応 が 可 能と な っ て い る。
第
3図 「 き ぼ う 」 の 中 速 デ ー タ 伝 送 系
ロボットアーム
ISS本体
船内実験室
船内保管室
船外実験プラット フォーム
船外パレット 実験機器 実験機器
実験機器 PDH
PEHG APS
HRFM
PDH
ICS
実験機器 実験機器
(10台) (7台)
: 中速データ伝送系(イーサネット) : 高速データ伝送系
PEHG
ラップトップ端 末 略語
APS: 自動入力切替スイッチ ICS: 衛星間通信システム
PEHG: イーサネットハブ&高速出力ゲートウェイ
HRFM: 高速データ切換装置 PDH: 実験データ処理装置
イーサネット 通信
NASA経由 地上へのデータ ダウンリンク
ICS経由 地上へのデータ ダウンリンク
イーサネット 通信 ペイロードローカルバス (MIL-STD-1553B)
2.3
中 速 デ ー タ 伝 送 系
中 速 デ ー タ 系 は 今 で は 地 上 で 広 く 使 用 さ れ て い る イ ー サ ネ ッ ト の 規 格 を 基 本 と し た
10Mbps LANであ る ( 第
3図)。
「 きぼ う 」内 外 の実 験 装 置 は 、有線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 で あ る
PEHG(
Payload Ethernet Hub Gateway:
ISS共 通 品 。 リ ピ ー タハ ブ 機 能 、光 変換 機 能 を 搭載 )を 介 し て の 双 方 向 通 信 と 地 上 へ の デ ー タ ダ ウ ン リ ン ク が可 能 で あ り 、また 、出 力 先を 日 本 独 自 の 衛 星間 通 信 シ ス テム(
ICS)に設 定 す る こ と
に よ り 、
ICSか ら 衛 星 「 こ だ ま (
DRTS)」
経 由 で 地 上 に デ ー タ の ダ ウ ン リ ン ク が 可 能 で ある 。
「 きぼ う 」に 中 速系 を 導 入 し た当 時(
1990年 代半 ば )は 実 験ユ ー ザ に 歓 迎さ れ た が 、今 日 では 、イ ン タ ーネ ッ ト の 普 及と と も に 、実 験 デ ー タ の 大 容 量 化 の ニ ー ズ が 増 え た た め 、
100Mbps(
100Base-TX)の デー タ が 扱 え る ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 装 置 の 開 発 を 実 施 し て い る 。
PL US LAB
NODE 2
MIL-STD 1553Bバス
CB EXT-1 C&C MDM C&C MDM C&C MDM
CB EXT-2 Ground
船内保管室
DIUDIU
PLPL
PLPL PLPL
MDP
ACU JEUJEU
PLPL
PLPL
ロボットアーム 船内実験室
システムローカルバス1 システムローカルバス2
SLT
ConsoleRMS 機器
RLT
サブシステム制御装置 (電力系、熱制御系、環境制御系、実
験支援系、機構系、通信制御系)
電力ラック DIU-a
電力ラック DIU-b
(DPU)ICS
PDHPDH PROXPROX CBMCBM
PDB等 ESCESC
APE-C 等
ECU PAM
等
JCP-a JCP-b
センサー/
エフェクタ-(バルブ等) センサー/
エフェクタ-(バルブ等) センサー/
エフェクタ-(バルブ等)
JCP:管制制御装置
SLT:きぼうラップトップ端末 PDH:実験データ処理装置
DIU:データインタフェースユニット MDP:RMS管理計算機
ACU:アーム制御計算機 JEU:関節エレクトロニクス
ICS:衛星間通信システム DPU:データ処理装置 APE-C:アンテナ駆動装置
ESC:船外実験プラットフォーム制御装置 ECU:船外パレット制御装置
PAM:船外パレット装置交換機構 PL:実験ペイロード
MUX等
船外実験 プラットフォーム
船外パレット
センサー/
エフェクター(バルブ等)
第
2図 「 き ぼ う 」 の 低 速 デ ー タ 伝 送 系
2.5
ビ デ オ 系
ビ デオ 系 は 、船 内及 び 船 外 の ビデ オ 監 視 や 船 外 活 動 / ロ ボ ッ ト ア ー ム 操 作 時 の 映 像 提 供、或 い は実 験 装置 か ら の ビ デオ 信 号 を 伝 送 す るた め の ネ ッ トワ ー ク で 、テ レ ビ ジョ ン で 使 われ て い る
NTSC方 式を 採 用し て い る(第
5図)。
「 きぼ う 」に は 、シス テ ム 監 視の た め に 船 内 外に 合 計
11台 のテ レ ビ カ メラ と 、 船 内 に
4台 のテ レ ビ モ ニタ を 設 置 し てお り 、宇 宙 飛
行 士が テ レ ビ モ ニタ で 画 像 を 見な が ら ラ ッ プ トッ プ 端 末 か ら伝 送 経 路 設 定を 行 い、カ メ ラ 操作 パ ネ ル か らカ メ ラ を 駆 動す る 。こ の 操 作 は地 上 か ら も 可能 で あ る 。
第
4図 「 き ぼ う 」 の 高 速 デ ー タ 伝 送 系
ロボットアーム
ISS本体
船内実験室
船内保管室
船外実験プラット フォーム
船外パレット PDH
実験機器 実験機器 実験機器
APS HRMS
HRFM
PDH
ICS
実験機器 実験機器
Payload Local Bus (MIL-STD-1553B)
(10台) (8台)
: 高速データ伝送系(光ネットワーク)
PEHG
略語
APS : 自動入力切換スイッチ HRFM : 高速多重化装置(米国)
PDH : 実験データ処理装置
HRMS : 高速データ多重切換装置 ICS : 衛星間通信システム
PEHG: イーサネットハブ&高速出力ゲートウェイ
NASA経由 地上へのデータ ダウンリンク
ICS経由 地上へのデータ ダウンリンク
2.6
音 声 系
「 きぼ う 」 に は
ISS各 棟 と 同様 に 、 オ フ ィ ス の ビ ジ ネ ス フ ォ ン に 似 た 端 末 と ア ン テ ナ( 船外 活 動 中 の宇 宙 飛 行 士 との 通 信 用 )を 複 数 機 設 置 し て お り 、 船 内 外 の 宇 宙 飛 行 士、
地 上 管 制 官 間 で の 同 時 通 信 や 別 々 の 会 話 が 可 能と な っ て い る( 第
6図 )。
第
5図 「 き ぼ う 」 の ビ デ オ 系
2.5ビ デ オ 系
ビ デオ 系 は 、船 内及 び 船 外 の ビデ オ 監 視 や 船 外 活 動 / ロ ボ ッ ト ア ー ム 操 作 時 の 映 像 提 供、或 い は実 験 装置 か ら の ビ デオ 信 号 を 伝 送 す るた め の ネ ッ トワ ー ク で 、テ レ ビ ジョ ン で 使 われ て い る
NTSC方 式を 採 用し て い る(第
5図)。
「 きぼ う 」に は 、シス テ ム 監 視の た め に 船 内 外に 合 計
11台 のテ レ ビ カ メラ と 、 船 内 に
4台 のテ レ ビ モ ニタ を 設 置 し てお り 、宇 宙 飛
行 士が テ レ ビ モ ニタ で 画 像 を 見な が ら ラ ッ プ トッ プ 端 末 か ら伝 送 経 路 設 定を 行 い、カ メ ラ 操作 パ ネ ル か らカ メ ラ を 駆 動す る 。こ の 操 作 は地 上 か ら も 可能 で あ る 。
第
4図 「 き ぼ う 」 の 高 速 デ ー タ 伝 送 系
ロボットアーム
ISS本体
船内実験室
船内保管室
船外実験プラット フォーム
船外パレット PDH
実験機器 実験機器 実験機器
APS HRMS
HRFM
PDH
ICS
実験機器 実験機器
Payload Local Bus (MIL-STD-1553B)
(10台) (8台)
: 高速データ伝送系(光ネットワーク)
PEHG
略語
APS : 自動入力切換スイッチ HRFM : 高速多重化装置(米国)
PDH : 実験データ処理装置
HRMS : 高速データ多重切換装置 ICS : 衛星間通信システム
PEHG: イーサネットハブ&高速出力ゲートウェイ
NASA経由 地上へのデータ ダウンリンク
ICS経由 地上へのデータ ダウンリンク
3.
エ ン ジ ニ ア リ ン グ
「 きぼ う 」は 、こ れま で 日 本 が経 験 し た こ と のな い 大 規 模 な有 人 宇 宙 機 であ り 、開 発 メ ー カも 多 様 、か つ 、多 極 各 国 機関 の 多 様 な シ ス テ ム と 結 合 し て 問 題 な く 協 調 運 用 す る 必 要 があ る 。ま た「 き ぼ う 」に 取り 付 け ら れ る 実 験 装 置 の 開 発 メ ー カ は 必 ず し も 宇 宙 機 器 の 設計 に 詳 し い メー カ と は 限 らな い 。
こ の た め 、「 き ぼ う 」 の 電 気 ・ 通 信 系 の 構 成 品は 、シス テ ムと し て 組 ん だと き に 長 期 的 に 維持・安 定 し て動 作 す る よ う 、開 発 仕 様 書 お よ び イ ン タ ー フ ェ ー ス 管 理 仕 様 書 (
ICD) に て仕 様 を 厳 密 に定 め 、か つ 段階 的 に 検 証 す る もの と し、そ のた め の 開 発 フェ ー ズ と 開 発
モ デ ル を 設 定 し た 。 開 発 フ ェ ー ズ と し て は、
大 別し て 、基 本 設計・詳 細 設 計・維 持 設 計 の
3フ ェー ズ を 基 本と し 、
Plan-Do-Check- Actionのサ イ クル を 回 し て いる 。
し かし な が ら 、そ れ で も「 き ぼう 」全 体 の 協 調動 作 を 担 保 する こ と は 難 しい 。なぜ な ら ば 、
ICDで の 定 義 自 体 に 、 解 釈 違 い の 可 能 性 があ る た め で ある 。よ っ て 、実際 に フ ラ イ ト 実 機 を 組 み 合 わ せ て の イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証 、お よ び 、そ の検 証 結 果 を元 に コ リ レ ー シ ョ ン を か け た シ ス テ ム 全 体 の モ デ リ ン グ と シミ ュ レ ー シ ョン が 重 要 と なる 。
そ こで 、電 気・通 信系 の イ ン ター フ ェ ー ス
検 証 と し て 、 ① 米 国 実 験 棟 (
USLAB) エ ミ
ュ レー タ と 第 二 結合 部(
Node2)に「 き ぼ う 」
第
6図 「 き ぼ う 」 の 音 声 系
を 接 続 し て の イ ン テ グ レ ー シ ョ ン 試 験
(
MEIT:
Multi-Element Integration Test)、
② 「き ぼ う 」 と
TKSC地 上 管制 装 置 を 結 合 し た
End-to-End形 態 で の 総 合 イ ン タ ー フ ェ ース 試 験( 全 体シ ス テ ム 試 験等 )を 行 っ た。
ま た 、試 験 で 取 得し た 各 種 特 性デ ー タ を「 き ぼ う」 の 数 値 解 析モ デ ル に 反 映し て い る 。
3.1
電 力 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス検 証
電 力系 は 、実 験 装置 も 含 め 不 特定 多 数 の 機 器 が 接 続 さ れ る 中 で 安 定 し て 維 持 し 続 け る こ とが 求 め ら れ る。同 時運 用 され る 機 器 の 数 は
100を 超 え る 。こ れら の 機 器 は
DC/DCコ ン バー タ を 有 し てお り 、不 安 定共 振 の 原 因 と な り う る 。 ま た 、 最 大 で
3kW(
25A) に 達 す る 機 器 の オ ン オ フ あ る い は モ ー ド 切 替 時 の ス テ ッ プ 的 な 負 荷 変 動 に 対 す る 安 定 性 の 確 保も 重 要 で あ る。
こ のた め 、各 開 発メ ー カ か ら 提示 さ れ た 数 値 解 析 モ デ ル を 電 子 回 路 シ ミ ュ レ ー タ で あ る
SABERに 組 み 込 ん で の 解 析 評 価 を 実 施 し 、かつ 、フ ラ イト 実 機 の 組 合せ 試 験 を 行 っ た。こ れ ら の 解 析・試 験 の 過 程で 、イ ン ピ ー ダ ンス 不 整 合 が いく つ か 見 つ かっ た が、す べ て シ ス テ ム マ ー ジ ン 範 囲 に 十 分 収 ま っ て い る こと を 確 認 し てい る 。
3.2
低 速 デ ー タ 伝 送 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証
低 速デ ー タ 伝 送 系は 、
End-to-Endで コ マ ン ド・ テ レ メ ト リ確 認 、
1553B適 合 性 確 認
(
1553Bバ ス ・ スタ ブ 電 圧 波 形評 価 ) を 実 施 して い る( 第
7図:
MEITで の ク ル ー デ モ ン スト レ ー シ ョ ン)。 計測 し たデ ー タ は 、 後 述 す る
1553B特 性解 析 モ デ ルに 反 映 し た 。
第
7図
MEITで の クルーデモンストレーション
3.3
中 速 デ ー タ 伝 送 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証
中 速デ ー タ 伝 送 系は 、米 国 モ ジュ ー ル と の イ ン テ グ レ ー シ ョ ン 試 験 で 中 速 系 の 接 続 確 認 を、ま た全 体 シス テ ム 試 験 で地 上 管 制 装 置 と
End-to-Endで の 接 続 確 認 を お こ な っ た 。
3.4
高 速 デ ー タ 伝 送 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証
「 きぼ う 」 は
20m程 度 の 長さ が あ り 、 か つ 中継 コ ネ ク タ が多 い 。こ の ため 、全 体 シ ス テ ム試 験 に お い て、 「 き ぼ う 」の
End-to-Endで の光 減 衰 特 性 を取 得 し、通 信リ ン ク 規 格 に 対 して の マ ー ジ ン評 価 、お よ び規 定 上 の 最 低 光 出 力 レ ベ ル で 送 出 し た 光 信 号 が デ ー タ エ ラ ー な し に 伝 送 さ れ る こ と の デ モ ン ス ト レ ー ショ ン 確 認 を 行っ た 。ま た 米国 モ ジ ュ ー ル と の イ ン テ グ レ ー シ ョ ン 試 験 で 米 国 実 験 棟 と 米国 ラ ボ を 接 続し て の 確 認、さ ら に高 速 系 ジ ョ イ ン ト 試 験 で 高 速 デ ー タ 多 重 切 換 装 置 お よ び 実 験 デ ー タ 処 理 装 置 を 米 国 に 持 ち 込 み、米 国 側機 器 との イ ン タ ー フェ ー ス 確 認 を 行 って い る ( 第
8図)。
3.
エ ン ジ ニ ア リ ン グ
「 きぼ う 」は 、こ れま で 日 本 が経 験 し た こ と のな い 大 規 模 な有 人 宇 宙 機 であ り 、開 発 メ ー カも 多 様 、か つ 、多 極 各 国 機関 の 多 様 な シ ス テ ム と 結 合 し て 問 題 な く 協 調 運 用 す る 必 要 があ る 。ま た「 き ぼ う 」に 取り 付 け ら れ る 実 験 装 置 の 開 発 メ ー カ は 必 ず し も 宇 宙 機 器 の 設計 に 詳 し い メー カ と は 限 らな い 。
こ の た め 、「 き ぼ う 」 の 電 気 ・ 通 信 系 の 構 成 品は 、シス テ ムと し て 組 ん だと き に 長 期 的 に 維持・安 定 し て動 作 す る よ う 、開 発 仕 様 書 お よ び イ ン タ ー フ ェ ー ス 管 理 仕 様 書 (
ICD) に て仕 様 を 厳 密 に定 め 、か つ 段階 的 に 検 証 す る もの と し、そ のた め の 開 発 フェ ー ズ と 開 発
モ デ ル を 設 定 し た 。 開 発 フ ェ ー ズ と し て は、
大 別し て 、基 本 設計・詳 細 設 計・維 持 設 計 の
3フ ェー ズ を 基 本と し 、
Plan-Do-Check- Actionのサ イ クル を 回 し て いる 。
し かし な が ら 、そ れ で も「 き ぼう 」全 体 の 協 調動 作 を 担 保 する こ と は 難 しい 。なぜ な ら ば 、
ICDで の 定 義 自 体 に 、 解 釈 違 い の 可 能 性 があ る た め で ある 。よ っ て 、実際 に フ ラ イ ト 実 機 を 組 み 合 わ せ て の イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証 、お よ び 、そ の検 証 結 果 を元 に コ リ レ ー シ ョ ン を か け た シ ス テ ム 全 体 の モ デ リ ン グ と シミ ュ レ ー シ ョン が 重 要 と なる 。
そ こで 、電 気・通 信系 の イ ン ター フ ェ ー ス
検 証 と し て 、 ① 米 国 実 験 棟 (
USLAB) エ ミ
ュ レー タ と 第 二 結合 部(
Node2)に「 き ぼ う 」
第
6図 「 き ぼ う 」 の 音 声 系
第
8図 高 速 系 ジョ イ ン ト 試 験
3.5
ビ デ オ 系 , 音 声 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証
ビ デオ 系 ジ ョ イ ント 試 験 ( 第
9図 )、 米 国 モ ジ ュ ー ル と の イ ン テ グ レ ー シ ョ ン 試 験 お よ び全 体 シ ス テ ム試 験 に お い て、ビ デオ 系 に つ いて は 、ビ デ オコ マ ン ド・テ レメ ト リ の 一 通 りの 確 認 お よ び 、入 出 力 チ ャネ ル 切 替・画 像 出力 確 認 、有 線音 声 系 に つ いて は 、通 信 確 認 と警 告 音 発 動 の確 認 、無 線 音声 系 に つ い て は、宇 宙 服 の ア ンテ ナ と「 き ぼう 」内 ア ン テ ナ 間の 通 信 特 性 と、電 波の 届 く距 離 の 確 認 を 実 施し て い る 。
第
9図 ビ デ オ 系ジ ョ イ ン ト 試験
3.6
総 合 イ ン タ ー フ ェ ー ス試 験
筑 波 宇 宙 セ ン タ ー で は 、「 き ぼ う 」 の フ ラ
イ ト実 機 に て 、全 体シ ス テ ム 試験 、統 合 シ ス テ ム 試 験 、 曝 露 実 験 装 置 組 合 せ 試 験 を 行 い、
こ の中 で 電 気・通 信系 に つ い ては 、大 分 類 し て
32から な る 、国際 間 検 証 を含 む イ ン タ ー フ ェー ス 確 認 及 び運 用 性 確 認 を実 施 し た 。本 試 験 は 地 上 管 制 装 置 を 含 む 最 終 的 な
End-to-End試 験で あ る 。
4.
サ ス テ イ ニ ン グ エ ン ジ ニ ア リ ン グ
情 報 通 信 テ ク ノ ロ ジ が 急 速 に 進 歩 し た 結 果 、「 き ぼ う 」 の 情 報 処 理 性 能 は 目 新 し い も の で は な く な り 部 品 も 製 造 中 止 と な っ た も の が多 く 、ま た 情報 処 理 性 能 に対 す る ユ ー ザ の 要求 も 増 大 し てい る こ と か ら、こ れら に 応 え る新 型 の 補 用 品を「 き ぼ う 」に 投 入 す べ く、
整 備作 業 を 行 っ てい る 。
ま た 、以下 に 示 すハ ー ド ウ ェ ア/ ソ フ ト ウ ェ アシ ミ ュ レ ー タの 整 備 を お こな い 、実 験 装 置 が「 き ぼ う 」に 搭 載 さ れ て も電 力・通 信 系 が 問 題 な く 稼 働 す る こ と を 事 前 に 確 認 す る 体 制を 構 築 し て いる 。
4.1
電 力 系 シ ミ ュ レ ー タ お よ び 電 力 系 安 定 性 解 析 モ デ ル
第
10図 電 力 系シ ミ ュ レ ー タ
第
11図 電 力 系安 定 性 解 析 モデ ル の 使 用 例
( 大 気 圏 / 電 離 圏 リ モ ー ト 探 知 シ ス テ ム 実 験 装置(
HREP)起 動時 イ ン ラッ シ ュ 電 流 が、
運 用中 の 全 天
X線 監 視装 置(
MAXI)の 電源 ラ イ ン に 及 ぼ す 影 響 を シ ミ ュ レ ー タ で 確 認 し てい る 模 様 )
ま た 、実 験 運 用 者が 設 計 段 階 で容 易 に「 き ぼ う 」結 合 時 の 安定 性 を 評 価 でき る よ う 、回 路 シ ミ ュ レ ー タ (
SPICE) を 使 用 し た 「 き ぼ う 」 電 力 系 の 卓 上 モ デ ル を 整 備 し て お り 、 静 的・動 的 な 応 答解 析 、安 定 性解 析 が 可 能 で あ る( 第
11図)。
4.2
運 用 手 順 検 証 ・ 訓 練 シ ス テ ム ( 低 速 デ ー タ 通 信 系 シ ミ ュ レ ー タ) お よ び
1553B特 性 解 析 モ デ ル
「 きぼ う 」中 央 コン ピ ュ ー タ 、実験 デ ー タ 処 理装 置 、ラ ッ プト ッ プ 端 末 の機 能 等 価 モ デ ル と 既 実 験 装 置 の 模 擬 を 組 み 込 ん だ 低 速 デ ー タ 通 信 系 シ ミ ュ レ ー タ を 構 築 し て お り 新 規 フ ラ イ ト 品 の イ ン タ ー フ ェ ー ス 確 認 に 使 用 する ( 第
12図)。 ま た 本 シス テ ム は 、 実 験 デ ー タ 処 理 装 置 用 の 通 信 設 定 テ ー ブ ル 作 成 機能・検 証 機 能を 有 し 、通 信ト ラ フ ィ ッ ク に つ い て 無 駄 の な い き め 細 か な 設 定 と 事 前 検 証を 行 う 。
1553B
通 信 の 品 質は 、バ ス 長 、スタ ブ 長 、 お よ び タ ー ミ ナ ル の イ ン ピ ー ダ ン ス に 左 右 さ れ る が 、 特 に イ ン ピ ー ダ ン ス に つ い て は
1553B基 準 値 を 下 回 る タ ー ミ ナ ル チ ッ プ を 搭 載し た 実 験 装 置が 多 い こ と から 、それ ら の 機 器 が 「 き ぼ う 」 に 結 合 し て も 、
1553Bバ ス の 成 立 性 の 評 価 が 可 能 な よ う に 、
SPICEを 使用 し た
1553Bバ ス 数 値 解析 モ デ ル を 整 備 し 、 卓 上 で の 解 析 を 可 能 と し て い る ( 第
13図)。
第
12図 運 用 手順 検 証・訓 練シ ス テ ム に よ る イン タ ー フ ェ ース 確 認 試 験
第
13図
1553B数 値 解 析 モ デル に よ る シ ミュ レ ー シ ョ ン
第
8図 高 速 系 ジョ イ ン ト 試 験
3.5
ビ デ オ 系 , 音 声 系 イ ン タ ー フ ェ ー ス 検 証
ビ デオ 系 ジ ョ イ ント 試 験 ( 第
9図 )、 米 国 モ ジ ュ ー ル と の イ ン テ グ レ ー シ ョ ン 試 験 お よ び全 体 シ ス テ ム試 験 に お い て、ビ デオ 系 に つ いて は 、ビ デ オコ マ ン ド・テ レメ ト リ の 一 通 りの 確 認 お よ び 、入 出 力 チ ャネ ル 切 替・画 像 出力 確 認 、有 線音 声 系 に つ いて は 、通 信 確 認 と警 告 音 発 動 の確 認 、無 線 音声 系 に つ い て は、宇 宙 服 の ア ンテ ナ と「 き ぼう 」内 ア ン テ ナ 間の 通 信 特 性 と、電 波の 届 く距 離 の 確 認 を 実 施し て い る 。
第
9図 ビ デ オ 系ジ ョ イ ン ト 試験
3.6
総 合 イ ン タ ー フ ェ ー ス試 験
筑 波 宇 宙 セ ン タ ー で は 、「 き ぼ う 」 の フ ラ
イ ト実 機 に て 、全 体シ ス テ ム 試験 、統 合 シ ス テ ム 試 験 、 曝 露 実 験 装 置 組 合 せ 試 験 を 行 い、
こ の中 で 電 気・通 信系 に つ い ては 、大 分 類 し て
32から な る 、国際 間 検 証 を含 む イ ン タ ー フ ェー ス 確 認 及 び運 用 性 確 認 を実 施 し た 。本 試 験 は 地 上 管 制 装 置 を 含 む 最 終 的 な
End-to-End試 験で あ る 。
4.
サ ス テ イ ニ ン グ エ ン ジ ニ ア リ ン グ
情 報 通 信 テ ク ノ ロ ジ が 急 速 に 進 歩 し た 結 果 、「 き ぼ う 」 の 情 報 処 理 性 能 は 目 新 し い も の で は な く な り 部 品 も 製 造 中 止 と な っ た も の が多 く 、ま た 情報 処 理 性 能 に対 す る ユ ー ザ の 要求 も 増 大 し てい る こ と か ら、こ れら に 応 え る新 型 の 補 用 品を「 き ぼ う 」に 投 入 す べ く、
整 備作 業 を 行 っ てい る 。
ま た 、以下 に 示 すハ ー ド ウ ェ ア/ ソ フ ト ウ ェ アシ ミ ュ レ ー タの 整 備 を お こな い 、実 験 装 置 が「 き ぼ う 」に 搭 載 さ れ て も電 力・通 信 系 が 問 題 な く 稼 働 す る こ と を 事 前 に 確 認 す る 体 制を 構 築 し て いる 。
4.1
電 力 系 シ ミ ュ レ ー タ お よ び 電 力 系 安 定 性 解 析 モ デ ル
第
10図 電 力 系シ ミ ュ レ ー タ
4.3
中 速 デ ー タ 伝 送 系 検 証 器 材
有 線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 の 補 用 品 を 中 核 と し、負 荷印 加 用装 置 と ア ナ ライ ザ を 付 加 す る こと に よ り 、今 後 開 発さ れ る実 験 装 置 を 接 続 して 、ス ル ー プッ ト 、デ ー タ衝 突 評 価 、お よ び 有 線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 の 高 速 ゲ ー ト ウ ェ イ と の イ ン タ ー フ ェ ー ス 整 合 確 認 が 行 え る器 材 で あ る ( 第
14図 )。 こ こ で取 得 す る デー タ を も と に、将 来の 実 験運 用 を 計 画 す る 。
第
14図 中 速 デー タ 伝 送 系 評価 器 材 に よ る ネ ット ワ ー ク 負 荷試 験
5.
軌 道 上 運 用 ( 電 気 ・ 通 信 系 )
2008
年の 打 上 げか ら 「 き ぼ う」 の 運 用 が 始 まり 、これ ま で絶 え る こ と なく 運 用 を 続 け て いる 。こ こ で は電 気・通 信 系に つ い て 、経 験 した 不 具 合 、工 夫し て い る こと 、追 加 し た 機 器な ど に つ い て紹 介 す る 。
5.1
過 電 流 発 生
「 きぼ う 」の シ ステ ム 機 器 は 分電 盤(
PDU) や 配 電 箱 (
PDB) を 経 由 し て 電 力 が 供 給 さ れ てい る 。下 流 機器 に 何 ら か の原 因 に よ り 短 絡 が 生 じ た 場 合 、 過 電 流 が 流 れ 、 分 電 盤
(
PDU) や 配 電 箱 (
PDB) に 組 み 込 ま れ た 半 導体 ( パ ワ ー
MOS FET) スイ ッ チ で 限 流 遮 断機 能( ト リ ップ と 呼 ぶ )が 働 く 。こ の 機 能 に よ り そ れ 以 上 の 過 電 流 を 防 ぐ こ と が で き るが 、短絡 の 原因 と な っ た 下流 機 器 は 遮 断 さ れ る こ と に な る 。「 き ぼ う 」 で は こ れ ま で
2回 、過 電流 に より ト リ ッ プ した 経 験 が あ る。
(
1) き ぼ う の 衛 星 間 通 信 シ ス テ ム (
ICS)
「 きぼ う 」に は 独自 の 通 信 イ ンフ ラ と し て、
こ だま(
DRTS)を 経 由 し た 衛星 間 通 信 シ ス テ ム(
ICS) が ある が 、
2011年
8月 に
ICSの 与圧 部 側 の 電 源系 に 過 電 流 が発 生 し た 。こ れ によ り 、上 流 側に あ る
PDUのス イ ッ チ で 設 計通 り 限 流 遮 断機 能 が 働 き 、結 果 、
ICSの 与 圧部 側 機 器 は 遮断 さ れ 、
ICSによ る 衛 星 間 通 信は で き な く なっ て し ま っ た。
ICSに は ア ン テナ な ど の 曝 露部 側 の 装 置 もあ り 、こ れ は
ICSの 与 圧 部 側 機 器 を 経 由 し て 制 御 し て い る ため 、衛 星 間 通信 だ け で な く 、
ICSの 曝 露 部 側の 制 御・モ ニタ も で き な くな っ て し ま っ た。そ こ で 、最 低 限
ICSの 曝露 部 側 の 制 御 ・ モ ニタ を 復 活 さ せる べ く、宇 宙飛 行 士 に よ る 復 旧作 業 を 行 っ た 。先 ず 、軌 道上 に 別 の 目 的 で 保管 さ れ て い たケ ー ブ ル に 加工 を 施 し 、こ デ ータ 衝 突 特 性 評価
供 試 体 : 超 伝 導 サ フ ゙ ミ リ 波 リ ム 放 射 サ ウ ン タ ゙
(
SMILES)
の ケー ブ ル を 利 用し て
ICSの 与 圧 部側 に あ る 制 御 装 置 (
DPU) に 直 結 給 電 す る こ と を 検 討 し た 。「 き ぼ う 」 の 高 機 能 化 の 一 環 で 、 現 在 の コ ン フ ィ ギ ュ レ ー シ ョ ン で は 使 用 す る こ と を 中 止 し た 右 舷 側 与 圧 部 外 壁 カ メ ラ 用 の 配 線 を 汎 用 の 電 源 と し て 整 備 し た も の が あり 、こ れ を 電源 と し て 使 用し た 。こ れ に よ り、
DPUの 起動 に 成 功 し た。
DPUが 起動 で き た こ と で
ICSの 曝 露 部 側 の 装 置 の 制 御・モ ニ タ も 可 能に な っ た 。残 念 な が ら 、こ の コ ン フ ィ グ レ ー シ ョ ン で は 衛 星 間 通 信 は で きな い が 、現 在 、故 障 し た 機器 は 地 上 で 改 修 およ び 新 規 に 製作 し て お り、こ れ が完 成 し、
軌 道上 に 打 ち 上 げ 、取 り 付 け られ 、再 び 衛 星 間 通信 が で き る その 日 ま で 、
ICS関 連機 器 の 制 御・ モ ニ タ を 継続 し て い る 。
(
2) 低 温 系 冷 却 ポ ン プ
「 きぼ う 」に は 低温 系 冷 却 ル ープ と 中 温 系 冷 却ル ー プ が あ り 、こ れ ら の
2つ のル ー プ は そ れ ぞ れ 独 立 し た ポ ン プ で 循 環 さ せ て い る 。
2012年
3月 に 低温 系 冷 却 ポ ンプ ユ ニ ッ ト に 過 電 流 が 発 生 し 、 上 流 で 配 電 箱 (
PDB) の 半 導体 ス イ ッ チ の限 流 遮 断 機 能が 働 い た 。結 果 、低温 系 冷 却 ルー プ は 循 環 を停 止 し た 。ト ラ ブル シ ュ ー ト の結 果 、ポ ン プ側 に 短 絡 が 確 認 され た た め 、そ の ポ ンプ に よる 復 旧 は あ き ら め、低 温系 冷 却ル ー プ と 中 温系 冷 却 の ル ー プ を
1つ の ル ー プ と す る コ ン フ ィ グ レ ー シ ョ ンに 変 更 し 、中 温 系 冷却 ポ ンプ だ け で 両 冷 却 ルー プ を 維 持 する こ と と な った 。約
4ヶ 月 後、軌 道 上宇 宙 飛行 士 に よ り ポン プ が 交 換 さ れ 、現 在 は 復 旧 して い る 。
5.2
機 器 の 更 新
(
1)
PEHGか ら
LEHXへ
「 き ぼ う 」 で は 中 速 系 中 継 装 置 と し て 、
PEHG(
Payload Ethernet Hub Gateway) を 使 用 し て い た が 、 ア ッ プ グ レ ー ド の た め 、
2011
年
4月 に 新 た に
LEHX(
Layer 2 Ethernet Hub and Multiplexer) へ換 装 し た 。
LEHXは 民 生 品 を ベ ー ス に 宇 宙 用 に 改 良 した も の で 、従 来 の
CCSDSの 中 速デ ー タ だ けで な く 、
TCP/FTP/UDPと い っ た プ ロ ト コ ルの サ ポ ー ト が可 能 で あ り、加 え て高 速 系
3chの 入力 ポ ー トも あ り 、こ れら す べ て の 多 重 化 が 可 能 と な っ て い る 。
LEHXへ の 入 力 制 限レ ー ト お よび
LEHXか らの 総 出 力 レ ー ト は変 更 が 可 能 であ り 、こ れ らは ユ ー ザ か ら の リク エ ス ト を 元 に
NASA側 と 調整 し て 計 画 し 、ユ ー ザ の 使用 に 合 わ せ て都 度 、設 定 を 変 更し て い る 。
LEHXの更 な る特 徴 と し て 、 そ の構 成 単 位 に「 きぼ う 」シ ステ ム 機 器 で 初 め て、
ORU以 下の 分 割 レ ベ ルが 導 入 さ れ 、
ORU全 体の 交 換で な く サ ブ コン ポ ー ネ ン ト レ ベル で の 保 全 が可 能 な 点 が 挙げ ら れ る 。
(
2) 船 内 カ メ ラ
「 きぼ う 」の 船 内に は ポ ー ト 側(ハ ッ チ よ り 入っ て 奥 側 )に 設 置 され た カメ ラ と 入 り 口 側 に設 置 さ れ た カメ ラ が あ り、こ の うち ポ ー ト 側の カ メ ラ が
2010年
8月 ごろ か ら 白 黒 画 像 にな っ て し ま った 。トラ ブ ルシ ュ ー ト を 実 施 した が 復 旧 し なか っ た た め、新 カ メラ に 換 装 した 。新カ メ ラは 民 生 品 を ベー ス に 宇 宙 用 に 改 良 し た も の で 、 従 来 の ア ナ ロ グ
NTSC出 力だ け で な く 、
High Definitionに よ る 出 力 も可 能 に な っ た。加 えて 、
High Definition仕 様 の
3Dカ メ ラも 新 た に 追 加さ れ た 。こ れ も 民生 品 ベ ー ス のも の で あ る 。
5.3
外 部 カ メ ラ の ラ イ ト 故 障
ISS
は 約
90分 で地 球 を 一 周 して お り 、 約
45分 間 隔と い う地 球 上 に 比 べて 頻 繁 に 昼 と 夜 がや っ て く る 。これ を 考 慮 して 、外 部 カ メ ラ には ラ イ ト が 装備 さ れ て い る 。ライ ト は
1台 のカ メ ラ に 対 し
2つ あ り 、
On/Offす る た び に こ の
2つ の ラ イ ト が 交 互 に 点 灯 す る こ
4.3中 速 デ ー タ 伝 送 系 検 証 器 材
有 線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 の 補 用 品 を 中 核 と し、負 荷印 加 用装 置 と ア ナ ライ ザ を 付 加 す る こと に よ り 、今 後 開 発さ れ る実 験 装 置 を 接 続 して 、ス ル ー プッ ト 、デ ー タ衝 突 評 価 、お よ び 有 線 ネ ッ ト ワ ー ク 中 継 器 の 高 速 ゲ ー ト ウ ェ イ と の イ ン タ ー フ ェ ー ス 整 合 確 認 が 行 え る器 材 で あ る ( 第
14図 )。 こ こ で取 得 す る デー タ を も と に、将 来の 実 験運 用 を 計 画 す る 。
第
14図 中 速 デー タ 伝 送 系 評価 器 材 に よ る ネ ット ワ ー ク 負 荷試 験
5.
軌 道 上 運 用 ( 電 気 ・ 通 信 系 )
2008
年の 打 上 げか ら 「 き ぼ う」 の 運 用 が 始 まり 、これ ま で絶 え る こ と なく 運 用 を 続 け て いる 。こ こ で は電 気・通 信 系に つ い て 、経 験 した 不 具 合 、工 夫し て い る こと 、追 加 し た 機 器な ど に つ い て紹 介 す る 。
5.1
過 電 流 発 生
「 きぼ う 」の シ ステ ム 機 器 は 分電 盤(
PDU) や 配 電 箱 (
PDB) を 経 由 し て 電 力 が 供 給 さ れ てい る 。下 流 機器 に 何 ら か の原 因 に よ り 短 絡 が 生 じ た 場 合 、 過 電 流 が 流 れ 、 分 電 盤
(
PDU) や 配 電 箱 (
PDB) に 組 み 込 ま れ た 半 導体 ( パ ワ ー
MOS FET) スイ ッ チ で 限 流 遮 断機 能( ト リ ップ と 呼 ぶ )が 働 く 。こ の 機 能 に よ り そ れ 以 上 の 過 電 流 を 防 ぐ こ と が で き るが 、短絡 の 原因 と な っ た 下流 機 器 は 遮 断 さ れ る こ と に な る 。「 き ぼ う 」 で は こ れ ま で
2回 、過 電流 に より ト リ ッ プ した 経 験 が あ る。
(
1) き ぼ う の 衛 星 間 通 信 シ ス テ ム (
ICS)
「 きぼ う 」に は 独自 の 通 信 イ ンフ ラ と し て、
こ だま(
DRTS)を 経 由 し た 衛星 間 通 信 シ ス テ ム(
ICS) が ある が 、
2011年
8月 に
ICSの 与圧 部 側 の 電 源系 に 過 電 流 が発 生 し た 。こ れ によ り 、上 流 側に あ る
PDUのス イ ッ チ で 設 計通 り 限 流 遮 断機 能 が 働 き 、結 果 、
ICSの 与 圧部 側 機 器 は 遮断 さ れ 、
ICSによ る 衛 星 間 通 信は で き な く なっ て し ま っ た。
ICSに は ア ン テナ な ど の 曝 露部 側 の 装 置 もあ り 、こ れ は
ICSの 与 圧 部 側 機 器 を 経 由 し て 制 御 し て い る ため 、衛 星 間 通信 だ け で な く 、
ICSの 曝 露 部 側の 制 御・モ ニタ も で き な くな っ て し ま っ た。そ こ で 、最 低 限
ICSの 曝露 部 側 の 制 御 ・ モ ニタ を 復 活 さ せる べ く、宇 宙飛 行 士 に よ る 復 旧作 業 を 行 っ た 。先 ず 、軌 道上 に 別 の 目 的 で 保管 さ れ て い たケ ー ブ ル に 加工 を 施 し 、こ デ ータ 衝 突 特 性 評価
供 試 体 : 超 伝 導 サ フ ゙ ミ リ 波 リ ム 放 射 サ ウ ン タ ゙
(
SMILES)
と で長 寿 命 な 設 計と な っ て い る 。とこ ろ が
2台 あ る 曝 露 部 カ メ ラ の 内
1台 の ラ イ ト が ま っ た く 点 灯 し な く な っ て い る こ と が 判 明 し た。ラ イ トの 消 費電 流 の テ レ メト リ を 頼 り に デ ー タ を 遡 っ て 確 認 す る と 数 ヶ 月 前 か ら 点 灯 しな く な っ て おり 、も う
1台 のカ メ ラ も
2つ あ る ラ イ ト の う ち の
1つ が 点 灯 し な く な っ てい た 。た だ 、残念 な が ら 運用 者 は こ の こ と に誰 も 気 付 け てい な か っ た。と い うの も 異 常 を示 す テ レ メ トリ が な い こ と、
ISSで は 常 に 通信 が 確 保 で きて い る 訳 で はな く 、ダ ウ ン リ ン ク さ れ て い る 画 像 の 見 え な い 期 間 が あ る こと 、また 他 のカ メ ラ か ら のラ イ ト も あ る こ とな ど か ら 、明 ら か に点 灯 して い な い と 言 い 切れ る 状 況 に なら な か っ た ため で あ る 。な お 、 故 障 し た ラ イ ト は 交 換 す る し か な い が 、 外 部に あ る た め、す ぐ に交 換 する こ と は で き な い。
運 用者 側 の 対 応 とし て 、以 前 はカ メ ラ 起 動 後、ラ イ トの 必 要性 の 有 無 に 関わ ら ず す ぐ に ラ イト も 点 灯 さ せて い た が 、現 在は 、必 要 時 の み点 灯 さ せ る よう に 変 更 し た( 点 灯/ 消 灯 回 数 が 増 え な い よ う 注 意 し て い る )。 ま た 、 す ぐ に 故 障 に 気 付 け る よ う ラ イ ト 点 灯 中 は ラ イ ト の 消 費 電 流 と 温 度 テ レ メ ト リ を 重 点 的 にモ ニ タ す る よう に し て い る。
5.4
軌 道 上 宇 宙 飛 行 士 の 動 き を 読 む
「 きぼ う 」の 船 内カ メ ラ で「き ぼ う 」船 内 の モニ タ が 可 能 であ る が、軌 道上 宇 宙 飛 行 士 の プ ラ イ バ シ ー 保 護 の 観 点 か ら 起 床 中 の み 映 像 を ダ ウ ン リ ン ク す る こ と が 許 さ れ て い る 。と は い え、起 床中 だ か ら と いっ て 常 時「 き ぼ う」船 内を モ ニタ す る こ と は通 常 し て い な い。ま し て や 就 寝中 は 一 切「き ぼ う 」内 を モ ニ タす る こ と は でき な い 。し かし 、こ の よ う に カ メ ラ で 船 内 を モ ニ タ し て い な い 状 況 下 で も宇 宙 飛 行 士 が「き ぼ う 」内 にい る か い な
い かと い っ た レ ベル で あ れ ば 、経験 上 、把 握 す るこ と が 可 能 であ る 。そ の 方法 は 、船 内 の 蛍 光 灯 と ラ ッ プ ト ッ プ の 消 費 電 流 の 動 き を 見 る こ と で あ る 。 た と え ば 、「 き ぼ う 」 船 内 の 蛍光 灯 の
On/Offテ レメ ト リは な い が 、消 費 電流 を 連 続 し たグ ラ フ で 見 れば 、付け 消 し が 分か る 。同 様 にラ ッ プ ト ッ プも 消 費 電 流 の 動 き か ら 今 そ の ラ ッ プ ト ッ プ を 操 作 し て い る かど う か が 分 かる 。就 寝 中 も「 き ぼ う 」の 蛍 光 灯 を 切 ら な い 宇 宙 飛 行 士 が い る こ と な ど も分 か り 、宇 宙飛 行 士 の 好 みも 分 か る 。宇 宙 飛行 士 が「 き ぼう 」内 に い る場 合 、何 ら か の コー ル ダ ウ ン がく る 可 能 性 があ る た め 、た と え 船 内 が 見 え な く て も 心 の 準 備 が で き る の であ る 。
6.
ま と め
「 きぼ う 」の 電 気・通 信 系 は フラ イ ト 品 製 造 から 約
10年、軌 道 上 運 用 か ら
4年 を 経 た 現 在 に お い て 順 調 に 稼 働 し て い る 。 こ れ は、
ア ビオ ニ ク ス の 高信 頼 性 設 計、お よ び緻 密 か つ 着 実 に 推 し 進 め た イ ン タ ー フ ェ ー ス 確 認 の 成果 で あ る の は間 違 い な い 。
JAXA
は 、現 在 、サス テ イ ニ ング エ ン ジ ニ ア リン グ の 段 階 に入 っ て お り、代 替 補用 品 の 整 備時 期 に 合 わ せて 、民生 品 の技 術 も 適 用 し、
長 期 運 用 に 向 け た 技 術 的 更 新 を 行 っ て い く と とも に 、整 備 した 各 種 の ハ ード ウ ェ ア / ソ フ トウ ェ ア シ ミ ュレ ー タ を 用 いて 、今 後「 き ぼ う 」に 搭 載 さ れる 補 用 品 、実 験装 置 の 組 合 せ 検証 を 行 い 、確 か な もの を 打上 げ に 供 す る。
我 が国 初 の 有 人 宇宙 施 設 で あ り
ISS中 、
最 大級 の 実 験 棟 と な っ た「 き ぼ う 」の 電 気 ・
通 信 系 が 堅 調 に 稼 働 し て い る と い う 事 実 は 、
米 露 が 先 行 し て い た 有 人 宇 宙 開 発 の 領 域 に
お いて 、我が 国 に対 す る 各 国 の評 価 を 大 き く
改 善し 、世界 の 一流 に 肩 を 並 べる こ と と な っ
た。こ れ を 達 成 でき た の は 、関 係 各 位 、す な わ ち シ ス テ ム イ ン テ グ レ ー タ か ら 小 部 品 メ ー カ ・ 素 材 メ ー カ に 至 る ま で の 開 発 メ ー カ 、 各 研究 機 関 、加 えて 、メ ー カ 間を 取 り 持 っ た 商 社、運 輸 業 者 等に よ る「 確 かな 技 術・物 づ く り・サ ー ビ ス を提 供 す る 心」が 協 調・連 携 す る こ と に よ り 開 発 事 業 を 進 め る こ と が で き たこ と に よ る 。
我 が国 の 誇 り で ある 関 係 各 位 、お よび 開 発 に あ た り 多 大 な る 助 言 と 協 力 を 頂 い た
NASA( アメ リ カ航 空 宇 宙 局 )と 宇 宙 飛 行 士 に 深く 感 謝 申 し 上げ る と と も に 、今 後 も 、国 民 の期 待 と 信 頼 に応 え る べ く、更 な る研 鑽 と 飛 躍を 行 う こ と を表 明 し て 、本 章 の まと め の 言 葉と さ せ て 頂 く。
と で長 寿 命 な 設 計と な っ て い る 。とこ ろ が
2台 あ る 曝 露 部 カ メ ラ の 内
1台 の ラ イ ト が ま っ た く 点 灯 し な く な っ て い る こ と が 判 明 し た。ラ イ トの 消 費電 流 の テ レ メト リ を 頼 り に デ ー タ を 遡 っ て 確 認 す る と 数 ヶ 月 前 か ら 点 灯 しな く な っ て おり 、も う
1台 のカ メ ラ も
2つ あ る ラ イ ト の う ち の
1つ が 点 灯 し な く な っ てい た 。た だ 、残念 な が ら 運用 者 は こ の こ と に誰 も 気 付 け てい な か っ た。と い うの も 異 常 を示 す テ レ メ トリ が な い こ と、
ISSで は 常 に 通信 が 確 保 で きて い る 訳 で はな く 、ダ ウ ン リ ン ク さ れ て い る 画 像 の 見 え な い 期 間 が あ る こと 、また 他 のカ メ ラ か ら のラ イ ト も あ る こ とな ど か ら 、明 ら か に点 灯 して い な い と 言 い 切れ る 状 況 に なら な か っ た ため で あ る 。な お 、 故 障 し た ラ イ ト は 交 換 す る し か な い が 、 外 部に あ る た め、す ぐ に交 換 する こ と は で き な い。
運 用者 側 の 対 応 とし て 、以 前 はカ メ ラ 起 動 後、ラ イ トの 必 要性 の 有 無 に 関わ ら ず す ぐ に ラ イト も 点 灯 さ せて い た が 、現 在は 、必 要 時 の み点 灯 さ せ る よう に 変 更 し た( 点 灯/ 消 灯 回 数 が 増 え な い よ う 注 意 し て い る )。 ま た 、 す ぐ に 故 障 に 気 付 け る よ う ラ イ ト 点 灯 中 は ラ イ ト の 消 費 電 流 と 温 度 テ レ メ ト リ を 重 点 的 にモ ニ タ す る よう に し て い る。
5.4
軌 道 上 宇 宙 飛 行 士 の 動 き を 読 む
「 きぼ う 」の 船 内カ メ ラ で「き ぼ う 」船 内 の モニ タ が 可 能 であ る が、軌 道上 宇 宙 飛 行 士 の プ ラ イ バ シ ー 保 護 の 観 点 か ら 起 床 中 の み 映 像 を ダ ウ ン リ ン ク す る こ と が 許 さ れ て い る 。と は い え、起 床中 だ か ら と いっ て 常 時「 き ぼ う」船 内を モ ニタ す る こ と は通 常 し て い な い。ま し て や 就 寝中 は 一 切「き ぼ う 」内 を モ ニ タす る こ と は でき な い 。し かし 、こ の よ う に カ メ ラ で 船 内 を モ ニ タ し て い な い 状 況 下 で も宇 宙 飛 行 士 が「き ぼ う 」内 にい る か い な
い かと い っ た レ ベル で あ れ ば 、経験 上 、把 握 す るこ と が 可 能 であ る 。そ の 方法 は 、船 内 の 蛍 光 灯 と ラ ッ プ ト ッ プ の 消 費 電 流 の 動 き を 見 る こ と で あ る 。 た と え ば 、「 き ぼ う 」 船 内 の 蛍光 灯 の
On/Offテ レメ ト リは な い が 、消 費 電流 を 連 続 し たグ ラ フ で 見 れば 、付け 消 し が 分か る 。同 様 にラ ッ プ ト ッ プも 消 費 電 流 の 動 き か ら 今 そ の ラ ッ プ ト ッ プ を 操 作 し て い る かど う か が 分 かる 。就 寝 中 も「 き ぼ う 」の 蛍 光 灯 を 切 ら な い 宇 宙 飛 行 士 が い る こ と な ど も分 か り 、宇 宙飛 行 士 の 好 みも 分 か る 。宇 宙 飛行 士 が「 き ぼう 」内 に い る場 合 、何 ら か の コー ル ダ ウ ン がく る 可 能 性 があ る た め 、た と え 船 内 が 見 え な く て も 心 の 準 備 が で き る の であ る 。
6.
ま と め
「 きぼ う 」の 電 気・通 信 系 は フラ イ ト 品 製 造 から 約
10年、軌 道 上 運 用 か ら
4年 を 経 た 現 在 に お い て 順 調 に 稼 働 し て い る 。 こ れ は、
ア ビオ ニ ク ス の 高信 頼 性 設 計、お よ び緻 密 か つ 着 実 に 推 し 進 め た イ ン タ ー フ ェ ー ス 確 認 の 成果 で あ る の は間 違 い な い 。
JAXA