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桜蒔絵器局

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(1)

桜蒔絵器局

図書名 在外日本古美術品修復協力事業修理報告書 : 工芸

品I[平成10年度実施事業] : Project for Conservation of Works of Japanese Art in Foreign Collections I 

開始ページ 43

終了ページ 58

URL http://id.nii.ac.jp/1440/00005403/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

桜蒔絵器局

平成10年度修1如Ii業

No.66

The numbers indical しhe photos· numlぬrs.

No.72

No.76~79

品名:桜iiふ絵悩),,j (江戸時代17-18c) 所蔵:ケルン束計

':

・美1扉fi ドイツ 品質梢辿:木製!且漆塗り

高絵

梨地 所蔵番号: E-18

訥負行 修理担当名 原柏執ざ(i:

奥窪聖災 奥窃聖美 加藤党

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(3)

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桜蒔絵器局

桜蒔絵器 ..(修 理後)

Sakuram /¥loloJ{i! Kikyoku (aflcrestoration)

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¥1i¥  (修理 前)

Salm ra Ma/.:ic J{i!‑.:yolw (before restoration

(4)

Ll

はじめに

桃,1111、I):代以降、 1父がI 叶から輸出された枇多しい数贔.:の漆公',んは、 欧米人に漆徐料独特の艶や繊

訓な加飾技術で、 き をりえ、 f1,,'111,i'I 休のもつ枇ilX欠人を共感させうる訊辿の美邸識で魅 (し 艮 い作)l人・り)にされてきた。 しかし漆 I技術の無い 「地においては、 その手人れ法は r-1分逹が I'I 

1~1で,u.i:J図'11',に施していること しか Wd應かった。 Llllち、ワッ クスをかけて)弁< こ とであった。

祈しい漆悩が枯つ艶を兄るにつけ、 その艶に近づけるべく、ワックスを爪ね、 )悦き11'(したこと だろう。 しかし、 そのワックスが経り変化して荼色に変色してしまうとは、 (-想だにしてなか

ただろう 。

西ifの美術館で、茶色に変色した リ、仝休に訊色味がかった状態になってしまったイ11:i',心をよ

II にする。 愉人:化はかな リの数だったとはいえ、 ,•,':j 価であ リ 、 他に比べれば希少 f1lli 介,'(であっ た漆公',介は ひとたび吸机すiしば、 すぐに修 Jり!の 「:_が加え ら i してしヽった。 漆の技術を持たなし、

冷装修炭家が、琢具修似でJ/iった)j法を)llしヽた り して。

|土ぷ'"\修似のI 噌祭仝議におしヽて、 しばしば漆のイ..;11]逆性が論,,,',,:になる。 Ullち 硬化後はしヽか なる浴剤でも裕解することが出米ないと い う冷料としての長)iJ↑が、ここでは修J用をするII寺に迎 けるべき材料としてあげら札るのである。 漆を川いると修J 用をした,:111 分が他の部分よ りも丈夫 にな リ過ぎるとか、漆悩製辿 げ閑におしヽて喰りが紐 リ追さ i しることから人:111闊な喰 り替えをされ て しまうなどの閣解からである。 将米、祈索材を使って修J吼する際に容易に溶解する ことが出 米るようにと名えてパラ ロイドなどのII 「逆性のある合成樹脂での処;;りがj:_りkされるのである。 補彩もアク リル系の絵具を川いての色合わせで終 (する。

大 llli',';な冷り杵えこそが修 Jlj!_ の、忍味だととるぢ・え)jは、 '必は我:Ii;」の漆 I 洲各J・用に対する名:え)jに も兄ら i しることだ。 ,!''\質の和炭),:·;はイ iるが、おしなべて 1·. 公は外苅i ,u,';JJ文やイ 1-:岱と して 11 ;常の1史 川に仇せらi しる状態を糾粘さ1してきたからである。 そんな中から、 文的、 )餅史的価イ11\から11'1:核 の1史川と爵尉して1呆介されるものが出てくると、 これら文化財の修J叶!.はオ リ ジナルの保没に韮点

、)に入術ftf,;の収)l泌,'11\となi しば 「『濫買」 つま リ 「兄られる」 ことも ない。 枯泌i 卜の安巫を図ることもその •つである。 しかしオ リ ジナ ルを似さずに破祖箇所のみ処;t,: をしていかなければならない。 古文化財の漆 I修J.用のI瓜則であ る。 1JLj欧の修復家が漆 1·.公,’,心を 1ij逆Itのある材料で修JII!_していることは、 漆公,111',は漆で修J州す るという 牧IF.Iの朽え)jと、 ー兄仝 く 逆の·J·,のよ う に兄えるのだが、天はオリ ジナルを餃さない と しヽう )j 針では、 我々と一致してい ることなのである。

束瓜 1,q

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文化財1iJI究所のイ[外11本古尖術i'11'1修似協力 ·J•;業におしヽて、 介欧米の漆 1・エ~,',んが11本 で漆公技法で修似されるこ とに千り、漆公の修埋に携わる一•人と して、 11 木の古文化財修埋の あリ カを洵外に ;J~せる好機と して受けとめていた。 さらに 今1111、私1'1身がケルン束虐f美術館

の 「桜·I討絵岱), ,i 」 を初\1,1する こととなり、洵外で11木の漆芸,11111がどのよう に糸w持されてきたの

かを詳し く兄られる機会となった。 1' 修理前の調査

(1)  名称 桜d対絵悩 }r,J 17   1s-1仕紀 (2)  所)1泌 ケル東洋美術飴: (ドイツ)

(5)

桜蘭絵悩).,45 

(3) 

i L  

l, し 孫従 28.3cm か貨55.4cm ,·,·,•i4 l. 9cm  (,1) JI多斗犬

本辿の、'且漆喰リ にii、怜絵が施さi した、 1 い (ijにケン ドン式の益を4、'j:つ」乏力形の悩),りでる。 t;J';

ト)j左れに付けら i した波叫形の太納(突起)令具が本1本]氏部の人朴l穴に),'... :し込まれ、)

J f ¥     ,  . . , , ,  

央の法螺具形の鍵令具で本1本に佑められる村炸辿である。 )ゞ板には波叫をかたどった)'、h令に辿 した提令具を梢:ノ。

1紺絵は金銀の平'.i/、'/絵に1iHi'I',梨地がiJ!:JI lされ、 )\n"i のJ,・・ ト)jにす,\\かれた 1-.J)文に根つ‘`しヽた桜樹が 犬板と、 向かって),: 側血へと枝を広げ、枝先は背1(1iに1111り込んでい、o/

j] 而からの」賊は何かって左側血へと紐き、背1r1iでは流れの;;1 辺となる。 その流れは、 向 かって右側血と背血との1裟合灼部 I·.に頂きを持つ応·什 lから洛ちる滝が流注ぐ)11 と合流 向かって右側而の宕ii Iには、枝振りの良い松が札'jか几、辿鉗には杉や楓の姿も ある。 近屎に は笹や若松などが生えている。 背血は水辺に 2羽の島 1·.Jiには飛びIゲ.つ 2羽の島を枯'j ヽ o (5) 破損の状況

底裏を除く表令体にワッ クスがかけらi し茶筑に変色してい'oJ゜

《釜扉》 木収り は横イ立;;',: に地I]ぎ介わせた板を)r・ぷ両側に糾益食をつけて快んでいる ことが木疫

せから解る。 その横)j 向中央の剥ぎII付近に札iLbもの亀裂が人り、後Ill:修J・用で充壌接稽され 補彩が加えらている。 令1本に訓かな筋割u しとH艇が兄られる。

《伽かってれ側血》 背1(1jとの桜合而となる1り卜は本地の狂いによ り 亀裂がおこり 、後-111:修即 がかなり人っている。 ii、'i 絵を販したと忍わ九る補彩がIIだっている。 )JJII部と なる判形付近 にも縦力向の ',i/lJれが兄ら i しる。

《背1(1i> ,,,火雨洲()j 向に災1(1jに送する長しヽ胄I]i しが人っている。 合成接芥剤を川いて内側か

如展し}心、急修 j用をしていることが確認出米る。 )ゞ板との桜合部は横)j 向に出裂か人り、右

I

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の'芸の枯'i かれてい る付近に喰)l知の坪きがあ "ol

j11)かって左側而1(1iとの接合而の 1く)jに本地のff ぃで縦',1;-1]れが人り、起き」..がつてい る。 人:11又との桜合部に横筋の割l れが人ってしヽる 右 I" 力のii:_1 1(jとの1りに梨地を擬した袖彩 があり い (1jへ紐く 。 喰り)jJ しにはワックスを透かして他Ii数の泡状のものが兄える。

《人板》 令体に摩滅が激し く、 I淋絵の付け枯'jき(化必や菜脈などの糸Ill 部を枯'jき込んだ部分)

もあま り残っていない。 衣而の透漆をd、I/ 絵をよけて削り と り、 中冷りの児漆が出された部

分もあ "o/

《狐部》 }氏災令1本に擦り似や喰膜の剥}雅が兄られ、 側板の 1,·)jを1Jljって作った肱II部となる部 分の 1り も1蒻みが激しし 。

《内部》 各板の桜合部が本地の疫せで猿l]ll:rf;して隙間ができている。 Ji( 板とり[lj板の扱する 1りに 釘の突がある。 左右側板に付けられたりjjj受けの伐本は外れかかり浮いてしヽる。 取り外し 武になっていたりj)j 板は失 くなっている

(G) 修郎の)j 針

の岱), ,Jは 接合部の依ll/li!H からくる村札辿 I·.の弛みについて 1 り扱合が行わ i しているので、特

脱弱な状況にはなかった にも拘らず」[又リオJ文しヽでイ況妙しなJ:iJ象を りえてし\

けら i してい る令具に拠るものであった まず、鍵令具の,,r1リl式の必.. :し Iげ'f((め 具が{1))かず、在んだままで、 )'.;(を1射める11、『は 1ヽ・カ.のダポを本体の穴に),賛し込み、」憎II の森と 本体のJ汰をn しヽて),;::すl"·lで佑めなけ i しばならなかった。 付)成 してしヽるI"」は他の部分と材質も

(6)

46 

異なり、 短く 釧い代用のものである。 まず、この差し上げ式の留め具を修理することが、本 休の1尿合を図る」こで必要と考えられた。 又、令具の周圃には茶色い素材がかなり 犀 く付着 し、 付近には痢j~~の浮きも見られた。 釦の一frn に弛みがあり、金具が本体から浮き上がるお それもあった。 以」のこ とから、今!11!の修 l用は、令具を外せる範圃lで外して行う事とし、同 時に鍵令具の改苓[を図る珀とした。

野地,~-J也(漆分のないト地) や計’ー:1食料で賂形された後祉]は収り除き、漆を使って 1及冗する とにした

1/ふ絵I 11の)f,キ 々に祉j合化がられるが、総じて金が,Ji,し\ij Iでも1 川て右側 1(1 iと背柏 l との稜部、 1川て左佃lのii:_ (1

i  l f ) ‑ l 

Iへつながる1りには、 赤い 卜.付けによる梨地を販した部 分がIIていた。 鑑 'l't 」.この部分は本1本に木IIJ心しい修 JII!_では1!',「、i いと判断·し、これを収り除

<.:'、オ リ ジナルの梨地と晶HIIを図った似;cをすることにした。 2' 修理の経過をたどって

修 JIJ!.111は、 I應されてしヽた i)\Iの情報が糾らi しる 以 ド、 1キ. 程をた り つつ確認、米た、点に

てもl,i]II、'j:出録する

(1) 1¥1¥キ 除

愉出された漆器を漆を 1史川し ‑1‑ "  i黍の屹媒を女)j'y,,.,,' カどの除L を打えねばならない。ワ ックスは、長い間にく り返しかけら i していることが多いので、硬化

したものは落としにくい

の悩局では、まず、埃と糾れを取る為にi贔らせたイIiで水拭きを1J"った。 )く板は、 !'IいイJi を荼色に しながらヤニ状のi1)れがゆるんできた しかし、 他の部分は水分は表の埃が払 われる程度で、荼色の付オ<'(-はなかった。 次にワックスをアルコ ールで落と していったが、表 )1けはなかなかゆるまなかった 竹業を紐り返す内に硬化した部分がとれ、水分に)又}心すると '-っもリしれた。 布に付く 荼色のものが粕り 氣を濶·びてきた 喰膜のやっi した;·111 分に染み込ん だワックスや、 rl対絵粉の間に人った物は、元令に落としき九ないと判 I祈し、よ伯 iに漆囚めが できると息われる程度で、 ワックス除ームイ乍業を終えた

(2) 令具外し

釘の中には、頭を指で挟んでリ 1 くだけで、容易に抜けてしまう物もあたが、 ゴム板を,,,, てながら全具を保護して釦を抜いた。 一番 nw 単に外すことができたのは、)井の公而ド側の令 具、 つまり波頭形の裏金であった。 扉の」.中央の鍵の表災の法螺具形令具を外した時、点でオ リ ジナルの金具の形状か明らかになった。 人/l関の丸艮)j形の令具の廿亦があり、釘穴も別に窄 いていた。 刷査の段階で、 形状が本体に合わず、金具の工ッジの処迎が製作当時の技法と 9 息われないので、ヨーロ ッパで、後年付け特え られたのではないかと椎測 していたが、これ により確認出米た。 特に法螺貝形鍵金具の下は、椒を切り抜き、社ふを作 り現金具を収めて

り、又、オリ ジナルの金具の錠のためと思われる切り取り もあった。 蒔絵の部分は、入I淵}丸 技方形の金具の姿を黒ヌキにして残して描かれており、法螺貝形は大振りで蒔絵の一部を裂 い閉していることが解った。 ワックスの茶色の変色は、現金具の縁までではなく、オ リ ジナ ル金具の姿を黒ヌキにしたところまで及んでいた。 このことから、オリジナルの金具が付い ていた当時に、既にワ ックスの手入れがなされていたことが解る。天板の手前中央に鍵を支

(7)

¥妥'.11灯糸全器H,1 47 

ける金具が付けられてい るが、その 卜からも、オ リ ジナルの金具の黒ヌキが出て米た。 天板の中火には、波虹をかたどった沖令に提げ金具が辿されているが、 i+~令の足は人板 裏で折り 1111げられて固巫さ iしているので、 外して付け伯すと折れII に彼労が米て、 切れてし

まう 可能1竺「がある。 この付近は喰膜の損傷がIi予いので、今1111は外さずにおくことにした。 扉表下方左右の波珀令具は、釘を令部抜いたにも拘わらず本1本からすぐには外れな力 た。 アク リル枠を金具の利に当てて軽く打つと衝撃で外れた。 この令具は L字になった 1渭',}

に突起があり、これを扉の下端の穴に差し込んで取り付けるのだが、釘が効かなくなった為 に金具の裏に接着剤が塗られていた。塗面と接オ'『剤の食いっきが小艮だったので、 取り I' ヽ••

すことができた。接着剤は分析の結果、 ポキシであることが°Pl]IIJ j した。

抜いた釘は オリ ジナルであれば元に戻されるべきであるが、本件では、艮い釘を切り )j父 したまま転用していたり、 本体の板厚が 9mmから 10mmのところを釘、 を長いままに打 つけ、 突き,'廿た先端が裏金に‘片たって1111がつている物、令具の穴よ り細い釦を打っている部 分があり、 全1本に状態が悪かった。金具を本 1本に‘久定させる為、令ての釘を祈訓することに

した。

(3)  後Ill:修叫の ;~:11 分(I勺除 L

背而の衣災を且<胄ljれは、 内側から桜杓剤をJIit めてふさいであった(分析の結果、エポキ シであると判明) が、表側からは灰色の 卜地状のものが人れられていた。 しか しその間は窄

~j,ijになっており、表側から 1·.状の ,,・地を押すと、 11((1没し分解して取り除くことが出米た。 内 側の工ポキシは溶解出米ないので、針状の})物で1蚤き取って礼'i.を比追させた。 溝の土方に(

塗)l如の浮きがあるが、浮いたままでエポキシに固められた状態となっており 平らに戻すこと は米なかった。

背 1(1iのけれにJIil.められていた灰色の Iヽ・地状の物は、 イ i

 

I

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の雲のdふ絵に米た亀裂の上にも被 せられていた。 浴剤に)又)心しないのでガ物で 1序にこさげ裕としていき、 i翡膜となったと­

ろで、綿枠に水を付けてこす リ取って 1jキ くと、 ii、1,1絵がりけれた 'j講際の1幼よりもきめに下地 で投っていたのであった。 i1h1 付近は1/、\i絵が掠れており ,Ji';I,, ヽ ド付けが iぷ閏していた。 修皿と 判断される部分以外でこれ和赤い卜付け漆がこすれ出ている所が兄‘りたらない。雲の絵は背 面のみで、 他の1(1iと続かないのでオ リ ジナルの1/、\i絵なのか判断しにくい所であるが、この赤

い下付けが論、,,':(となるかもしれない。

前扉の端食の間に人った横艮のit~にJII!.められていた、'.,1,\い冷料には金色のまだらの補鉛があ った。蒔絵が続く ようにみせたのだろうか、 itjんでIJ廿いた隙間に令の1/ぷ絵が残るはずもカ

く、却って傷があるこ とを 11 ,·r たせる印象を りえていた。 )~~1'11本に)又り がきて右」 .1りが起 上がっていた。裏面の汁';-.には、 背1(1ij,i園~ に灰色卜地状の如旗があったが、針状のガ物で1蚤

き取って除去した。

扉の上角は、 黒い詳喰料の I·.唸りがあったが、ワッ クスの除ムの作業段階で、アルコール で落とす事がリー\来た。 その 卜からは、 I'Iい 1幻じ部分が視れた。 分析の結呆、炭酸カルシウ が主成分であることが解り、ヽ牝行 して分析したアク リ ルl』に川いるモデリングペース ト に近 い結果が出た。 これもアルコールで容易に除ム米た。

背面の力別と その側血に紐<

< ' ‑ ; キ I 

ii、1,;絵のある稜綜には後補の手が甚だしかった。 」·.Ji、木 地割れを1偲す為に補,\'(l:されたと息われる部分の横で、新たに起きた本地内I]れを灰色の 卜地状 の物で坪めている。 中和から 卜方には、梨地の倣机部分に赤い梨地を擬した補筍が続く 。 赤

(8)

い塗料は分析の紺,・朱セルロースか認められ、 ラッカー系の洋塗料であることが解った。 この 祢い梨地状の部分の中で穴を灰色の下地状のもので埋めている所があった。つまり、灰色の 修叫の方が朴い修理よ り も後の時期のものという恥になる。 上方の灰色の修理を取ってい<

と、亦砥の粉の野地卜.地が視れ、 i似り 気を与えながらゆるめ収っていくと、 木地に虫穴が西 いていた ,Ji, い梨状の部分は、下が野地の別各形似元がされた所は、ブロ ックとなってれ やすかったが、扉(1iを兄て―|、地が兄えないと ころは 卜の J'-測がつかないので、 1具瓜に落と し ていった。 かい礼り)]如の下からオ リ ジナルの梨地が出てくる部分があった。 1りの稜線」に蒔絵 が探 i して舟應くなったり、打ち似がII 立ったりすると、 )ムい範囲に赤い梨地状の加箪を してし たようだ。 扉の左―卜の1り付近や、 向かって)

I : 

側血のイ i 角から正面にまわる部分にも 同様 の赤い/JII鉛があり、 特に後名にはオ リ ジナルのd、'i絵が艮 く残っていた。

その他、 野地 ド地によ って1りが似)じされていたところは除去した。 (1) いる修

令休を漆囚めした。 これは、希釈した漆をひびや亀裂に染み込みませ、あわせて飲)]災の内 血を強化する 11的のもので、衣血は浴剤で漆を拭き 切り、漆)j~ を残さない。

次に 朴り辿上不安定な部分から1 り接イt'j:を した。 )氏似の111]かって右の人朴l穴の横から側板に

かけて、店ljれか入り、 手廿りが沈み込んで1)1いていた。 X、),: i 内側 1(riにつれた伐も かかり浮き 卜がつていた。 文漆を亀裂に人れ、 II・・・イ咋した。

後111.修則を取り除いた席II 分で、 必災なところは刻'j'; (文漆に木粉と麻粉を純り込んだ物)

で閉各)診、似元した。 この際、木地の収紛で段匁が出米て いて化の形がくずれているところ は、繋ぐ部分がなだらかな斗人態で続〈4巣にした。 刻『の Iは1/、'ii地や鈷で)lJLを照えた。

木地の桜合部分が開いて化米だ構iや、 11w;の秋い亀裂には必漆を合浸した。 硲/j応が浮いてい ところは 麦漆を希釈して除)j災 卜に人れ、 I,:オ'iした。 4如'?後は除)j羹に段牙があるので、

わ納 (I際鈷。 溝や段差上に漆と砥の粉を枇ぜた鈷漆をつけ、浴剤で拭き」収ると、 わずかに段

2 :  

のI 間に鉛漆が残る。) をして手掠れをなだらかにした。

保イ[修J州の場合、 原則として、 虫穴、 打:)艮、 本地',りl]i,しについては席り 11'1:ししない。 今1111も

Iii]様にした。墜り直しは、 iiり修J川の1幻じを一度除き、 I

i I   : ‑

照)1多 した部分については行った。 角 部である為鑑買上の理由のみならず、 強炭を りえるため必災と名えた。 オ リ ジナルの墜 り は、衣側は黒漆の中塗の」に透漆がかけられているので、 l1i]1I: 様にした。 透漆は経年により ,Ji、く 兄える ことがあ り、 しばしば赤い顧料を)llいた修J叫を兄かけるが、修J:り1部分の透けが進 むと透漆に人れられた赤が鮮やかになり、後補が赤<

I  I  , 1 

り先を兄越した修理がなされるべきだろう。

梨地を販した赤い部分を取り 除いてオ リ ジナルが残っていなかったところは、梨地の前の 程である黒中塗りで修理を終えるとすると、 修埋前の祉)彩のあった印象と変わって しま う。 そこで梨地を一部復元することに した。 金沢と京瓜から梨地粉を 5 段階の粗さに取り寄 せ、 サンプルを作り、 実体顕微銭を使って本体の梨地粉と比較した紺';果、 金沢粉の 2 ・ 3 • 4号を配合した粉が適当となったので、これを用いた。 1誌元部分がオ リ ジナル部分と区別が つかなくならぬよう に、 わすかに低く して蒔絵をした。

(5) 金具の修理と取り付け

漆工修理と並行して、鍵金具の差し上げ式の留め具を修理して、 小さな貝の上げ下げで可 いることがある。 修理直後よ

励するよう になった。

(9)

桜蒔絵器同 49

鍵は失われて 代川の枠令具が付随しているか 細くり泣かくて扱いにくい。 そこで鍵を新 粛lすることにした。 見'[初の鍵は想像するしか術は1應いが 提げる形状では 社、こ螺具にかカ てしまう。1判に近く 鍵がかかる形ということで 中平;の突起が訓転して外怜のり)り込みに

人り止まるという枯'{:辿となった。

の沿),,jの}氏椒は度外れかかって釦で打ち柏していることが 1,1,j側l川の1ヽ方の例)診樅に 残る槌b'亦のような円形の1幼の中心に兄える釦の芯からFlがる。しかし 打ち11'1:しの際に底板を じの高さに戻さないままにしたため 内部の底板には柚からの釦が船り」がつて出てしまつ ている。 つまり 111--l I I部の伯jさは 実際の高さよりも3- 5 rnmJ\りえてしまつているのだ。

これによって 波頭形の太柄金具が しっかり太柄穴に沈ます 3ぬを辿すためのI判も糸Ill <

なければならなかった。 差し」げ式の留め具か土がつても受け穴に屈かないことになるし

逆に下方の太柄が空振りすることもあるかもしれない。 )井を本1本に安足させる方法は 3 の突起がそれぞれ受け穴に収まることである。 検ふlの糾朱 波頑)1多令具に下味をはかせ し下げることが最柑となった。 である。 金具の11w; と詞じで )見さ2mmの小板2枚を用、?立、

し、 木地の中に差し込まれる)jの突起にリlっ掛かるように穴をあけて!!、[漆冷りをした。 再収 り付けの際には''/1然釦穴がずれてしまうが 況令具j'I体 後1化の新袖でありオリジナルの釘 穴があいたままにされ しかも長い釦が闘辿して作ってしまった穴も兄受けられたので、 扉 の保全からも この処訊に踏み切ることにした。

今回釘を仝て新,加lすることにしたが 視令具の釘穴を調べると、 場所によって太さが異な っており、 1.1mm 1.2mm 1.5mmの釘が,111てはめられた。オリジナルの釘穴や曲がった 釘穴は 木地の内爵IIに空隙を残したままにしておくと 本地が割lれ易くなるので、 古い穴i 埋め木をし 刻苧をして きわ鈷でふさいだ。 現令具の釦穴は既に弛んでいたり、 斜めに穴 が進んでいるところもあったので 釦の効きを長くする為 即め木をした。 少し下げる金 の他は 九の釘穴に位j;りをあわせながら1り取り付けをした。

(6) ti」口け

どうしてワックスがかけられたのかを考えれば 紫外綜や他のダメージを受けて荒れた登 而を冗の状態にしようとした為にほかならない。 従って ワックスを収り除いて現れる釦(ii がかなり損似が進んでいることは人·いにイiり得る。 この悩),,jについても削扉 向かって方側

天板がかなりやつれている。 小さな泡状になって透漆の肌が荒れている。

保存修理は オリジナルの喰)j如のよ血に漆冷りを残さないのを肱則とするが 紫外綜など でかせて艶の舟息くなった表1(Jiは例外だろう。摺り漆虹;;の保護)j災が適切な楊合もある。

かせたままにされている表血であれば 摺り爪ねることで均質な/jJしがl噌以されてくるが

この恭間のオ晶に かせた!·.にワックスがかけられてしまうと取りきれないワックスが「lに兄 えない)j災を作っていることも名えられる。 祢)l葵の吸い込み))にむらが出米ているので 摺り

而ねても均質になりにくい。

今111Iは肌が4、『に泣几ているところは部分的に摺り漆をして保邸l岱をつけた。

3' 終了にあたって

作業が終棉に近付いてくると

1

清心に対する祝1仄が変わってくる。 1ii'i半は

1

幼んだところを兄

カがら 段取りが頻を古めているのだが だんだん視附''が)ムくなってい<。 この協局では 11ぶ

' ‑ , 

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(10)

50 

絵のオ贔き分けや、桜樹の位閤構成などを兄るようになった。

1(1 jの 4羽の烏は、水辺の島の姿は付け描きで細部までびっ しりと描き込んでいるが飛びs·

島は針枯\きで表現されている。 山の樹木の枯\き分けと考え合わせると、作者は意図的に、辿 批を針耕iきに、近鉗を付け拙きにしているようである。

桜樹の配;;りだけを写してみる と、 ·yに‘;代々 と化怜闊を毅っている。 背l虹のバ·11Iの1j1Jj及に辿訊と して」胄iかれた杉があるが、その横手には桜のオ·.=1文のような物が),'i突に牛えているが、人き さも 形も Iからあるいは右からまわり込んでいる桜の枝先とよく似ている。 卜図を作っている段附

れて しまったのか。

店突に変わるといえば、流水のd、'i絵である。 沌を合め流水は人概、銀d、'i 絵なのだが、 111]力 て)

I : 

側 1(1iは何故か金麻絵である。

雲の模様が、背面以外の1(1iに辿絡してないことは修J咆 1iii から氣にかかっていた。 れ端は·;じ令 に後補とみていいが、さて、他の‘よはどうなのか 修 J用の 卜·地の ドから出て米たdi,し、 ド付け椅 はオ リ ジナルのものなのか、修 J用の乱詞}絵なのか。 』刈杏の段階でこの雲は児質なものとしてし か受け収れなかった。 しかし修 J用を終える煩に力

と、大樹のドで枝の間から窄を兄 ,-_げたとした

て桜樹を中心に作祉冷体を兄るようになる 土ははるか辿<枝菜の向こうに兄えるに過

• :キ ず、他の1ui の桜の大樹のそばに-t,','jかれる必然性はないとも芳えらi

掘り 1くげて図様が見られるようになるのは、 l れに11、'j:間をかけて兄ているカ その 作心h が、修理をされたことで、破柑してい る物から、鑑 -n される物へと似帰してきたからだと 息う。 今終わったばかりの修即.が、修 J刑した場所は明らかにされているのにfl計州の邪炭をせ にいること。 修理箇所より も本休のポ'j:つオ リ ジナルの災索へ闊心を向けることが出米れば、作 i

' ,

 んは順訊',']な1111復を遂げたということになろう 。 修 f'i!.打の且う 所を名:えると、身のり 1き締ま る息 いである。

(11)

I灼絵岱/,,\ 51 

〇n

t h e  R e s t o r a t i o n  o f  "Sahura Mal z i e  J ( i / z y o k u "  

K i y o r n i  Okukub 

I n t r o du c t i o n 

"でakura 刀iakie kikyok正 'is

a  c h e s t  w i t h  a  d e s i g n  o f  a  c h e r r y  b l ossom  t r e e .  I t   i  ow n e d  by  t h e  East  Asian Art Museum  i n  Colo g n e ,   Germany, and  i s  b e l i eve d  t o  ha v  b e e n  manufactured  s o me t i m e  b e tw e e n  t h e  l a t t e r  h a l f  o f  t h e  1 7 t h  c e n t u r y  a nd t h   b eg i n n i n g o f  t h e   1 8 t h  c e n t u r y .  I t   i s  a  b o x ‑ s h aped c h e s t  w i t h   a  door  t h a t  ope n  upward  on  i t s  f r o n t  f a c e .  On t h e  i n n e r   s i d e s  o f  t h e   c h e s t  a r e   r eg u l a e  f o r  a  s h e l f  board  a n d ,  a l t h o u g h  t h e  s h e l f   i s  m i s s i n g  t o d a y ,  i t   i s  c l e a r   t h a t  t h e  c h e s t  wa s  u s e d  t o  s t o r   t e a  ceremon y 

goodツ

D e s c r i p t i o n  

The ch e s t  i s  mad e  o f  w h a t  appears  t o  b e  J apanese c y p r e s s .  A v e r y  t h i n  u r u s h i  f o u n d a t i o n  i s  app l i e d  o v e r   t h i s  s ub s t r a t e  a n d   t h e  e n t i r e  s u r f a c e  o f   t h e   c h e s t   i s  c o a t e d  w i t h  b l a c k  u r u s h i .  T h e  o u t e r  f a c e  o f  t h e  c h e s t ,  exce p t   f o r  i t s   bottom ,  i s  d e c o r a t e d   w i t h   c h e r r y  b l ossoms and a  J apanese garden i n   m a l i i e .  A c h e r r y   blossom t r   grow i n g  on an  e mb ankment  i s  d e p i c t e d  o n  t h e  f r o n t   l i d  a nd  t h e  t o p  boa r d   and  o n t o   t h e  r i g h t  a n d   l e f t   s i d e s .  On t h e  back s i d e o f   t h e  c h e s t  a r e  f o und an i m i t a t i o n  

veral mal,£e

t e c h n i q u e s  a r e   u s e d ,   i n c l u d i n g  n a s h i j i ,  k i r i l e a n e ,  t o g i d a s h i  maki e  an d 

hがra切akie.

S i n c e  t o g i d a s h i  m a l e i e  wa  u s e d ,  t h e  upp e rmost  u r u s h i   c o a t i n g  f i l m  i s  n o t  b l a c k  u r u s h i  b u t  

sulei-u1祝shi.

On b o t h 

i d e s  o f  t h e  door ( f r o n t  and b a c k )  a r e  i n s e r t e d wav e ‑ s h ape d b r a s s  f i t t i n g s  and a  s h e l l ‑ shaped  m e t a l  f i t t i n g  w i t h  a  k e y h o l e ;   a t  t h e  c e n t e r  o f   t h e  t o p  board  i s  a  h and l 

P r e s e n t  c o n d i t i o n  

There were t r a c e s   o f   European  l a c q u e r .  The  e n t i r  

v e r a l  r e p a i r s  ha v i n g  b e e n mad e  w i t h   uru s h i   a nd 

u r f a c e   o f   t h e  c h e s t ,  w i t h   t h e  e x c e p t i o n  o f  t h e   b ottom 

b o a r d ,  had been c overed with wax  o r  s h e l l a c ,  a t  l e a s t  i n  t h r e e   l a y e r s .  T h e r e  wer 

h o r i z o n t a l  c r a c k s   o f   t h e  s ub s t r a t e  c l o s e  t o  t h e  c e n t e r  o f  t h e  d o o r .  The  j o i n t  p o r t i o n 

o f  t h e  bottom board and  t h e  s i d e  h ad  b e e n  n a i l e d ,   b u t  n o t  j o i n t e d  proper l y  du e  t 

p a s t  r e p a i r .  There  were  a l s o  t r a c e s   o f  p a s t  repa i r s  o n  t h e  e dg e s   o f  t h e  c h e s t  wher 

c r a c k s  had been f i l l e d ,   and t h e  s u r f a c e  c o a t i n g s  h a d  t u r n e d  r e d .  Th e  s h e l f   b o a r d 

i n s i d e  had been l o s t ,   and  t h e  r e g u l a e  f o r  t h e  s h e l f  h a d  b e c o m e  detached from  t h  

s i d e s   because  o f   t h e  d i s t o r t i o n  o f   t h e   s i d e  b o a r d s .   F u r t h e r mor e ,   s i n c e   t h e   back board 

had cracked a t  t h e  c e n t e r ,   i t  was p o s s i b l e  t o  s e e  l i g h t  from  b e h i n d .   A l l   t h e  m e t a l  

f i t t i n g s  were  E u r opean ‑m a d e  and  had b e e n  adde d  l a t e r  

(12)

52 

R e s t o r a t i o n  p o l i c y  

i n c e   t h e  c h e s t  h ad  b e c o m e  d i s t o r t e d  b y  p a s t  r e p a i r s  and t h e  metal f i t t i n g s  o f   t h e  door  wo u l d  n o t  f i t  p r o p e r l y ,   i t   was  d e c i d ed  t o  r e mov e  t h em  t e mporarily  an d  t o  r e p a i r  t h em .  I t   was a l so  d e c i d e d  t o  r e mov e  t h e  E u r opea n  c o a t i n g  mat e r i a l  t h a t   h a d  b e e n  app l i e d  on t h e  s u r f a c e  a s  we l l   a s  t h e  n o j i  

shit碩 and

c a l c i u m  ca r b o n a t e  w h i c h  had b e e n  u s e d  i n  p a s t  r e p a i r s   and t o  u s e   u r u s h i  f o r  r e p a i r .   Decorativ e  p a r t s  t h a t   h ad  b e e n  added l a t e r  were a l s o  t o  b e  r e mov e d  and r e p l ace d  with r ep r o d u c t i o n s  made  w i t h  o r i g i n a l  mat e r i a l s .  Th e  m e t a l  f i t t i n g s  were  t o  be  r epa i r e d  f o r  r e ‑ u 

P r o c e s s  o f  r e s t o r a t i on 

T h e  m e t a l   f i t t i n g s  were  r emoved  by  expe r t  meta l  c r a f t s m e n .  Each  m e t a l  f i t t i n g  had b e c ome grea t l y  d i s t o r t e d  and t h e  n a i l s   t h a t   h a d  b e e n  u s e d  h ad  a l s o  b eco me  b e n t   i n s i d e  t h e  b o a r d s .  So  a  r e q u e s l  was made t o  h ave  t h e  d i s t o r t e d  m e t a l  f i t t i n g s   f i x e d  and t h e  n a i l s  changed w i t h  n ew  o n e s .   Trac e s  o f  t h e  o r i g i n a l  m e t a l  f i t t i n g s  were  f o und whe n  t h e s e   metal f i t t i n gs were r e mov e d ,  and i t   was d i s c o v e r e d  t h a t  t h  

r i g i  n a  

mahi e  d e c o r a t i o n s   h ad b e e n  h i d d e n  aro und t h e s e  f i  t t i n  

T h e  E u ropea n coa t i n g  mater i a l  t h a t  h ad  b e e n  app l i e d  o n  t n e  s u r r a c e   was  remov e d  w i t h   a l c o h o l .   B u t  i t  wa s  v e r y  c l i f f i c u l l   t o   remov e  t h e  c o a t i n g mater i a l  t h a t   h ad been a p p l i e d  i n   s e v e r a l   l a y e r s .  Var i o u s  t y p e s  o f  s o l v e n t s  were u s e d  f o r  

l e a n i n g  i n   a d d i t i o n  t o a l c o h o l  a nd ,  a s  a  r e s u l t ,  t h e  o r i g ‑ i n a l  u r u s h i  c o a t i n g ‑f i l m   was  un cove r e d .  

R e mova l  o f  p a s t   r e s t o r a t i o n 

T h e  e poxy r e s i n  t h a t   h a d  been u s e d  t o  f i l l   t h e  c r a c k s  on  t h e  door and  t h e  back  board was  removed. Aft e r  u s i n g 

mugか urush£for

adh e s i o n ,  t h e  cracks were f i l l e d   w i t h  l whuso a nd  f o u n d a t i o n .  Traces o f  pa s t  r e p a i r s   found o n  t h e  e d ges were a l s o   r e mov e d .   S i n c e  p a s t  r e p a i r s   h ad  b e e n  mad e  o v e r  a r e a s   l a r g e r   than t h e  a c t u a l  a r e a   o f   c r a c ks  a nd  m i s s i n g   p a r t s ,  i t  was  pos s i b l e  t o  un cove r  o r i g i n a l  mak」 e  p o r t i o n s  t h a t   h ad b e e n  h i d d e n  und e r  t h e s e  r e p a i r s .   I n   a d d i t i o n ,  m i s s i n g  p a r t s  were f i l l e d   w i t h  

!wk祝so

an d  f o und a t i o n ,  a nd o r i g i n a l  m a t e r i a l  was  u s e d  t o   r e produce t h e  n a s h 」 j 」 .  V i s u a l  damages were r e p a i r e d .  

Beca u s e   t h e   s u r f a c e  o f   u r u s h i  b eco m e s   covered  w i t h  c r a c k s  a nd  rough  with t h e  

pas sage  o f   t i m e ,  although t h e s e  may n o t   b e  v i s i b l e ,   i t  i s   n e c e s s a r y  t o  r e i n f o r c e  t h e  

o r i g i n a l  s u r f a c e .  So  t h e  e n t i r e  s u r f a c e  o f   t h e  c h e s t  was  r e i n f o r c e d   w i t h  u r u s h i :  a f t e r  

app l y i n g  uru s h i   d i l u t e d  w i t h  a  s o l v e n t ,  t h e  s u r f ace was  c o m p l e t e l y   w i p e d  s o  a s   n o t  

t o  l eave a n y  unwanted u r u s h i .   Urushi was  rubb e d  i n  ( s u r 」 ‑ u r u s h 」 )  t o  p l a c e s   where 

t h e   coated s u r f   a c e  had b e c o m e  e x t remely r o u g h .  

(13)

桜蒔絵器)';;J 5 

f  m e t a l  fittin ~

h e s t  b a d b e c o m e  d i s t o r t e d  c l u e  t o  pa s t  r e pa i r s ,   pos i t i o n  f i t t i n g s  were ad j u s t e d b y  p l a c i n g  h a r d  rubb e r  board s  o n  t h e  i n n e r  s i   c !

i n s e r t e d  m e t a l  f i t t i n g s  o n  t h e  d oor .  Th e  m e t a l  f i t t i n g s   wer e  r e a t t a c h e d  by f i x i n g  t h   d i s t o r t i o n   a nd u s i n g  n a i l s  w i t h  app r op r i a t e l y  a d j u s t e d  l e n g t h s .  As  t h e  h o l e s   m ade  b y  n a i l s  i n  p a s t  r e p a i r s  wer e  l a r g e ,  t h ey  were  f i l l e d  b e f o r e  n a i l i n g  t h e  f i t t i n N 

Concluding remarks 

When  one spends o v e r  a  year on  r e s t o r i n g  a n  o b j e c t ,  o n e  o b s e r v e s   t h e  d e s i g n . , .  and maki e  w e l l .  I t   was p o s s i b l e  t o  l e a r n  many  ways  o f   ex p r e s s i o n  b y  l oo k i n g  a t  t h   t e c h n i q u e   o f  maki e  u s e d  o n  t h i s  c h e s t .  For  i n s t a n c e ,  d i f f e r e n t  way s  o f   ex p r e s s i o n  a r  used t o  d e p i c t   wat erfow   Tw l . o  k i n d s  o f  wat e rfow l  a r e  d e p i c t e d  o n  t h e  b a c k  s i d e  o f   a nd  t h o s e  t h a t   a r e   about t o  t a k e  f l i g h t .   f  t h e  f i r s t 

a r t i s t ' s  a t t empt t o  d i f f e r e n t i a t e  b i r d s  w h i c h  a r e  c l o s e   a t  h a nd  from t h o s e   which  a r   f a r  o f f .  Oth e r  exa mp l e s  m ay a l s o  b e  m e n t i o n e d :   a l t h o u g h  t h e  wat e r f a l l   a nd  m o s t  o f   t h e  stream  a r e  d e p i c t e d  i n  

silver 竹iakie,

f o r  s o m e  r e a s o n 

gold 切akie

i s  u s e d  o n  t h  l e f t  s i d e ;  t h e  c l o ud o n  t h e  upp e r  p o r t i o n  o f  t h e  b a c k  s i d e  i s  n o t  c o n t i n u e d  u n t o  t h   s i d e .  Thr ou g h  t h e  work  o f  r e s t o r i n g  t h e  c h e s t ,  i t  wa s  po s s i b l e  t o   n o t i c e  d e t a i l s  o f   d e s i g n s  t h a t  a r e  n orma l l y 

Thnumberincl心Ile thphotos'number

(14)

54 

64  桜蒔絵恭), ,j (修 Jli!_iiij)

akura Makie Kil,yoku (before restoration) 

66  後補下地(修理前)

Foundation applied in the past treatment  (before restoration) 

69  復元部分(修理後)

Partial reconstruction 

(15)

桜蒔絵器局 55 

70  後世修理の露出(修理ヰ)

Old gesso fill (during restoration) 

ヽ凰

〇 10gesso 

D ャ ooerngm oacK toD corna  a rP<::rQ[a[tQ  0. ro  plate 修刑(du11rIing restoration) 

(16)

56 

77  同後世修理の露出(修理中)

Nojがshitajiapplied in a past treatment on the edge  of the right side and the back (during restoration) 

`

79  梨地の復元(修理後)

Retouching of nashiji  (after restoration) 

(17)

わ裟濯対糸全器杓/訂J 57 

80  波形の金具正面扉左下 (修理1 廿j)

Metal fitting (before restoration) 

令の澗]整 (修II

Treatment of the back of the metal fiLLin 

 

~.、り、?:~•

. .

V 曹.、·

~•--·

.、. ,.、"ヽ.

. . .  

.. 

、~. .. . 

 

.

.

..

.

.

.

  I 

‑‑キ 雫•一... ,.•• ご. ....、 4. ・.箪~- I ' ~;: .

~

F 5   \ゞ/

/V 

81  接省剤イ''i・・ (修Jり嘩j)

Adhesive on the back of the metal fittin  (before resLoraLion) 

釘と鍵後補新袖 Remade lock pin 

82  金具の下の修理(修狸

Cleaning where the metal fitting wa  Re‑fixinmet収付al fittin 

(18)

58 

・へ

FJtr。袷‘

••

9

,

`••

`—.,

"

' r   ' ( , ' 0  

88  蒔絵復元部分(修理後)

Retouching of makie  in 

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