ソフトテニスは,テニスが英国から日本に持ち込まれ たときに考案された競技である。国内でテニスボールを 入手するのが難しかったので,柔らかいボールを使った ことに始まる。軟式テニスと呼んでアジアを中心に広 まったが,近年,国際化を意識してソフトテニスへと呼 称を変えている。世界的にみるとソフトテニスの競技人 口は硬式テニスのそれに遥かに及ばないが,発祥国であ る日本ではかなり多い。特に,中学校や高校では課外活 動に取り入れられるなどして,硬式テニスよりソフトテ ニスの競技人口の方が圧倒的に多いのが現状である。
他のスポーツと同様に,ソフトテニスにおいてもリク レーションや競技,あるいはトレーニングを通じて実施 者には外傷・障害のリスクがともなう。スポーツを行っ て生じる外傷・障害はパフォーマンスを低下させるだけ でなく,スポーツそのものの実施を諦めなければなら ないこともある。テニス一般の外傷・障害については,
発生率,原因論,予防方法をレビューしたものが既に Pluim…et…al.(2006)により示されている。彼らは 1966 年以降の事例研究,実験室実験,疫学研究など約 200 編
の資料をもとに,報告されているけがの発生率は様々で あること,多くのけがは下肢に発生し,それに続いて上 肢,体幹のけがをしていること,急性のけが(外傷)は 下肢に多く,慢性のけが(障害)は上肢に多いことを指 摘している。ただし,これらの外傷・障害はいわゆる硬 式テニスについてみたものであり,ソフトテニスについ てはほとんど調べられていない。
ソフトテニスにおける外傷・障害の調査研究が少ない 理由として,この種目の普及が日本を中心とした一部地 域に限られていることや硬式テニスと同類視されること が大きいと思われる。しかし,まったく検討されていな いわけではなく,永野と福林(2011)は大学生男女の ソフトテニス選手を対象にして既往歴を調査し,外傷・
障害は女子選手や競技歴が長い選手でその割合が高いこ と,部位別では上肢で割合の高いことを示している。硬 式テニスの外傷・障害との相違点については,女子選手 において外傷・障害の発生が多かったこと,下肢よりも 上肢の外傷が多かったこと,外傷・障害の発生部位に性 差が見られたことなどをあげている。
ソフトテニスの外傷・障害に関する実態調査
伊 藤 慎 吾・高 崎 裕 治
秋田大学教育文化学部Survey on sports injuries in soft-tennis players
ITO, Shingo; TAKASAKI, Yuji
Department of Sport and Health Education, Akita University Abstract
A questionnaire survey was carried out in soft-tennis players to clarify the prevalence of acute and chronic injuries.
Subjects consisted of 393 junior and senior high school students, college students, and workers playing soft-tennis in their daily life. On average, 43.9 percent of them experienced sports injuries from playing soft-tennis, and of course the older the age, the higher the percentage. They showed a preponderance of injuries of the lower extremity compared with the upper extremity, and especially there were many ankle sprains in their responses. Injuries tended to be more severe in older age groups. Relatively larger prevalence rates of sports injuries were found in female junior and senior high school students, male college students and male workers. Although female senior high school students had a greater injuries severity, there was no difference between both sexes for all ages. The percentage of people experiencing sports injuries was relatively higher in forward players than in back players. Based on the calculations of incidence and prevalence rates, sports injuries in soft-tennis players were estimated to be less than those in hard-tennis players.
Keywords : soft-tennis, sports injury, questionnaire survey, sprain, tennis elbow ソフトテニス,スポーツ外傷・障害,アンケート調査,捻挫,テニス肘
(
Memoirs…of…the…Faculty…of…Education…and…Human…Studies)
Akita…University(Natural…Science)
72,9− 16(2017)
いずれにしても,ソフトテニスの外傷・障害について はほとんど調べられていないのが現状であり,より安全 に実施するための調査研究を行っていく必要がある。本 研究では,まず,ソフトテニスにおける外傷・障害の実 態とその特徴を明らかにするために,中学生,高校生,
大学生,及び社会人を対象としてアンケート調査を実施 したので報告する。
方法
ソフトテニスを行なっている中学生,高校生,大学生,
及び社会人に対して 2015 年から 2016 年にかけて外傷・
障害に関するアンケート調査を実施した。アンケート用 紙を作成し,対象者に直接手渡すか指導者から配布して もらうことにより質問項目に回答してもらい,当日また は後日,回収した。外傷・障害をどのように定義するか が回答に影響するが,本研究では固定した定義を用いる のではなく,質問項目の一つとして外傷・障害の重症度 を尋ねた。質問項目の全体は以下の通りである。
1)性別,2)ポジション(前衛,後衛の別),3)種 別(中学生,高校生,大学生,社会人の別),4)年齢,
5)競技歴(年数),6)最高の競技成績,7)現在の ソフトテニスの練習頻度(週または月に何回,及び 1 回 につき何時間),8)練習前のウォーミングアップにか ける時間(分),9)練習時間以外でのストレッチの実 施状況(しない,ときどき,ほぼ毎日の別),10)過去 のソフトテニスの練習時間(週または月に何回,及び 1 回の練習時間),11)ソフトテニスをしたことにより外 傷・障害を負った経験があるか(はい,いいえの別),
12)経験がある場合,その時期,外傷・障害の別,外傷・
障害の内容(記述),部位(提示部位から選択),重症度(A.
ソフトテニスのプレイに影響はなかった,B.ソフトテ ニスのプレイは可能だったが影響があった,C.ソフト テニスのプレイが不可能であった,の3段階)
各質問項目について得られた回答を表計算ソフト ( エ クセル,マイクロソフト社 ) に入力し,記述統計と推測 統計の処理を行なった。記述統計では各質問項目に対す る回答の平均値と標準偏差,または選択肢ごとの度数と 相対度数を求め,推測統計ではそれらの度数について群 間でカイ自乗検定を行ない,有意差を検討した。有意水 準は5%とした。
結果
表1にアンケート調査により回答が得られたソフトテ ニス実施者の特徴を示している。筆者が指導する学校や 他の指導者へ依頼することにより,了解が得られた中学 生 97 人,高校生 101 人,大学生 111 人,社会人 84 人,
合計 393 人からアンケート用紙を回収した。回答者の平
均年齢をみると,中学校2年生,高校2年生,大学2年 生,社会人では就職後 10 年程度経過し,各群でソフト テニス選手としての中堅的存在と考えられる年齢に相当 した。各群における競技歴の平均年数から,多くの回答 者は中学校からソフトテニスを実施していることが伺わ れた。競技成績については,回答内容から県大会ベスト 8以上を上級,県大会ベスト 16 ~ 32 を中級,それ以 外を初級に分類した。回答者には,中学校から社会人ま で初級に分類される競技成績の者が比較的多かった。
現在の練習状況についてみると,中学生と高校生では 練習頻度が多く,毎日練習している者が多い。大学生で は2日に1回程度,社会人では週に1~2回程度の練習 頻度である。1回の練習時間は中学生,高校生,大学生 で 3 時間,社会人で2時間半程度である。ウォーミング アップに費やす時間は中学生と高校生で 14 分程度であ るのに対して,大学生と社会人ではその半分程度である。
ストレッチを毎日行っている者は各群とも少ない。過去 のソフトテニスの練習状況に関する回答をみると,現在 の中学生,高校生,大学生の練習頻度,練習時間と大き く異ならなかった。
表2はソフトテニスによる外傷・障害の経験について の回答結果である。外傷・障害の経験がある者の割合は,
当然のことながら中学生から社会人まで年齢が高い群ほ ど高かった。全体では 43.9%であった。社会人では半数 を超える者が外傷・障害を経験していた。外傷・障害の いずれであるかをみると,各群ともに外傷よりも障害の 方が多く,中学生で 1.3 倍,高校生で 2.5 倍,大学生で 2.0 倍,社会人で 2.7 倍,全体では 2.1 倍であった。
外傷・障害を部位別にみると,比較的多い部位は中学 生で足首と肩,高校生で足首,膝,腰,手首,大学生で 手首,足首,腰,肘,膝,肩,社会人で腰,肘,肩,膝,
足,全体では足首,腰,手首,膝,肘,肩であった。各 部位を上肢(肩,手首,手,手指),下肢(股関節,膝,脛,
足首,足,足指),体幹(背中,腰)に分類してみると,
外傷・障害の部位は中学生を除いて下肢が最も多く,そ の次に上肢が多く,体幹は少なかった,
外傷・障害の重症度については各群ともに「プレイは 可能だったが影響があった。」とする者が最も多く,そ の割合は中学生や高校生で比較的高かった。重症度が重 い「プレイが不可能だった。」とする者の割合は逆に大 学生や社会人で比較的高かった。年齢が高い群ほど重症 度の重い外傷・障害を経験している者の割合が高い傾向 が示された。
表3はソフトテニスによる外傷・障害の内容について,
回答者が記述しているもので比較的多いものを列挙して いる。中学生,高校生,大学生では捻挫が最も多く,2 番目がテニス肘となっている。社会人ではテニス肘が最
表1 ソフトテニス実施者の特徴.
度数 % 度数 % 度数 % 度数 % 度数 %
男 㻞㻜 㻠㻤 㻣㻞 㻢㻞 㻞㻜㻞
女 㻣㻣 㻡㻟 㻟㻥 㻞㻞 㻝㻥㻝
前衛 㻠㻡 㻠㻢㻚㻠 㻠㻢 㻠㻡㻚㻡 㻡㻜 㻠㻡㻚㻜 㻟㻡 㻠㻝㻚㻣 㻝㻣㻢 㻠㻠㻚㻤 後衛 㻡㻞 㻡㻟㻚㻢 㻡㻡 㻡㻠㻚㻡 㻢㻝 㻡㻡㻚㻜 㻠㻥 㻡㻤㻚㻟 㻞㻝㻣 㻡㻡㻚㻞
M 㻝㻠㻚㻜 㻝㻢㻚㻜 㻝㻥㻚㻥 㻟㻟㻚㻠 㻞㻜㻚㻟
SD 㻜㻚㻣 㻜㻚㻤 㻝㻚㻣 㻝㻣㻚㻟
M 㻞㻚㻡 㻡㻚㻠 㻣㻚㻝 㻝㻢㻚㻣 㻣㻚㻢
SD 㻝㻚㻢 㻞㻚㻞 㻞㻚㻡 㻝㻝㻚㻣
上級 㻠 㻠㻚㻝 㻝㻜 㻥㻚㻥 㻞㻞 㻝㻥㻚㻤 㻟㻝 㻟㻢㻚㻥 㻢㻣 㻝㻣㻚㻜 中級 㻥 㻥㻚㻟 㻝㻣 㻝㻢㻚㻤 㻞㻟 㻞㻜㻚㻣 㻝㻢 㻝㻥㻚㻜 㻢㻡 㻝㻢㻚㻡 初級 㻤㻠 㻤㻢㻚㻢 㻣㻠 㻣㻟㻚㻟 㻢㻢 㻡㻥㻚㻡 㻟㻣 㻠㻠㻚㻜 㻞㻢㻝 㻢㻢㻚㻠
M 㻞㻢㻚㻣 㻞㻡㻚㻞 㻝㻠㻚㻥 㻢㻚㻥 㻝㻤㻚㻣
SD 㻞㻚㻠 㻞㻚㻜 㻡㻚㻟 㻢㻚㻜
M 㻟㻚㻞 㻟㻚㻝 㻞㻚㻥 㻞㻚㻠 㻞㻚㻥
SD 㻜㻚㻣 㻜㻚㻡 㻜㻚㻣 㻝㻚㻜
M 㻝㻟㻚㻥 㻝㻟㻚㻥 㻢㻚㻥 㻣㻚㻥 㻝㻜㻚㻢
SD 㻥㻚㻞 㻣㻚㻢 㻢㻚㻟 㻣㻚㻣
しない 㻞㻜 㻞㻜㻚㻢 㻝㻢 㻝㻡㻚㻤 㻡㻠 㻠㻤㻚㻢 㻟㻜 㻟㻡㻚㻣 㻝㻞㻜 㻟㻜㻚㻡 ときどき 㻠㻤 㻠㻥㻚㻡 㻢㻟 㻢㻞㻚㻠 㻠㻠 㻟㻥㻚㻢 㻠㻞 㻡㻜㻚㻜 㻝㻥㻣 㻡㻜㻚㻝 ほぼ毎日 㻞㻥 㻞㻥㻚㻥 㻞㻞 㻞㻝㻚㻤 㻝㻟 㻝㻝㻚㻣 㻝㻞 㻝㻠㻚㻟 㻣㻢 㻝㻥㻚㻟
M 㻝㻠㻚㻠 㻝㻝㻚㻥 㻥㻚㻟 㻝㻜㻚㻥 㻝㻝㻚㻢
SD 㻥㻚㻢 㻢㻚㻟 㻢㻚㻢 㻣㻚㻥
M 㻞㻚㻠 㻞㻚㻠 㻞㻚㻤 㻞㻚㻠 㻞㻚㻡
SD 㻜㻚㻢 㻜㻚㻡 㻜㻚㻤 㻜㻚㻤
M 㻙 㻞㻡㻚㻡 㻞㻠㻚㻟 㻞㻠㻚㻣 㻞㻠㻚㻤
SD 㻙 㻞㻚㻢 㻟㻚㻣 㻟㻚㻥
M 㻙 㻟㻚㻝 㻟㻚㻞 㻟㻚㻢 㻟㻚㻟
SD 㻙 㻜㻚㻥 㻝㻚㻝 㻝㻚㻡
M 㻙 㻙 㻞㻠㻚㻠 㻞㻠㻚㻢 㻞㻠㻚㻡
SD 㻙 㻙 㻟㻚㻢 㻡㻚㻜
M 㻙 㻙 㻟㻚㻠 㻠㻚㻜 㻟㻚㻣
SD 㻙 㻙 㻝㻚㻟 㻝㻚㻣
M 㻙 㻙 㻙 㻝㻢㻚㻟
SD 㻙 㻙 㻙 㻥㻚㻡
M 㻙 㻙 㻙 㻠㻚㻝
SD 㻙 㻙 㻙 㻝㻚㻤
競技成績は,県大会ベスト8以上を上級,県大会ベスト16~32を中級,それ以外を初級に分類.
#平均の部分は表中の数値から重みづき平均を計算.
全体#
n
1回の練習時間(時間)
中学生 高校生 大学生 社会人
ポジション
年齢(歳)
競技歴(年)
競技成績(人数)
現在の練習頻度(回/月)
高校生のとき 練習頻度(回/月)
〃 1回の練習時間(時間)
大学生のとき 練習頻度(回/月)
〃 1回の練習時間(時間)
ウォーミングアップ(分)
ストレッチ(人数)
小学生のとき 練習頻度(回/月)
〃 1回の練習時間(時間)
中学生のとき 練習頻度(回/月)
〃 1回の練習時間(時間)
表2 ソフトテニスによる外傷・障害の経験.表中の数値は延べ度数と相対度数.
回答者
度数 % 度数 % 度数 % 度数 % 度数 %
n 㻥㻣 㻝㻜㻝 㻝㻝㻝 㻤㻠 㻟㻥㻟
あり 㻞㻢 㻞㻢㻚㻤 㻠㻢 㻠㻡㻚㻡 㻡㻞 㻠㻢㻚㻤 㻠㻤 㻡㻣㻚㻝 㻝㻣㻞 㻠㻟㻚㻤 なし 㻣㻝 㻣㻟㻚㻞 㻡㻡 㻡㻠㻚㻡 㻡㻥 㻡㻟㻚㻞 㻟㻢 㻠㻞㻚㻥 㻞㻞㻝 㻡㻢㻚㻞
小学生 㻞 㻝 㻞 㻝 㻢
中学生 㻟㻥 㻡㻠 㻞㻥 㻝㻞 㻝㻟㻠
高校生 㻙 㻟㻡 㻡㻞 㻟㻝 㻝㻝㻤
大学生 㻙 㻙 㻞㻠 㻝㻞 㻟㻢
社会人 㻙 㻙 㻙 㻟㻥 㻟㻥
外傷 㻝㻤 㻠㻟㻚㻥 㻞㻢 㻞㻤㻚㻥 㻟㻢 㻟㻟㻚㻢 㻞㻢 㻞㻣㻚㻠 㻝㻜㻢 㻟㻝㻚㻤 障害 㻞㻟 㻡㻢㻚㻝 㻢㻠 㻣㻝㻚㻝 㻣㻝 㻢㻢㻚㻠 㻢㻥 㻣㻞㻚㻢 㻞㻞㻣 㻢㻤㻚㻞
1 首 㻜 㻜 㻝 㻞 㻟
2 肩 㻢 㻣 㻝㻜 㻝㻝 㻟㻠
3 背中 㻜 㻡 㻝 㻝 㻣
4 腰 㻟 㻝㻞 㻝㻟 㻝㻤 㻠㻢
5 肘 㻟 㻣 㻝㻟 㻝㻠 㻟㻣
6 手首 㻠 㻝㻝 㻝㻥 㻤 㻠㻞
7 手 㻟 㻞 㻝 㻜 㻢
8 手指 㻟 㻟 㻝 㻜 㻣
9 股関節 㻝 㻟 㻢 㻟 㻝㻟
10 膝 㻠 㻝㻟 㻝㻝 㻝㻝 㻟㻥
11 脛 㻝 㻡 㻠 㻡 㻝㻡
12 足首 㻝㻜 㻝㻡 㻝㻢 㻤 㻠㻥
13 足 㻝 㻠 㻥 㻝㻞 㻞㻢
14 足指 㻝 㻞 㻜 㻜 㻟
15 その他 㻝 㻜 㻟 㻞 㻢
上肢 㻝㻥 㻠㻣㻚㻡 㻟㻜 㻟㻟㻚㻣 㻠㻠 㻠㻞㻚㻟 㻟㻟 㻟㻢㻚㻟 㻝㻞㻢 㻟㻤㻚㻥 下肢 㻝㻤 㻠㻡㻚㻜 㻠㻞 㻠㻣㻚㻞 㻠㻢 㻠㻠㻚㻞 㻟㻥 㻠㻞㻚㻥 㻝㻠㻡 㻠㻠㻚㻤 体幹 㻟 㻣㻚㻡 㻝㻣 㻝㻥㻚㻝 㻝㻠 㻝㻟㻚㻡 㻝㻥 㻞㻜㻚㻥 㻡㻟 㻝㻢㻚㻠 A 㻡 㻝㻞㻚㻞 㻢 㻢㻚㻣 㻝㻟 㻝㻞㻚㻝 㻡 㻡㻚㻟 㻞㻥 㻤㻚㻣 B 㻟㻜 㻣㻟㻚㻞 㻢㻡 㻣㻞㻚㻞 㻢㻜 㻡㻢㻚㻝 㻡㻢 㻡㻤㻚㻥 㻞㻝㻝 㻢㻟㻚㻠 C 㻢 㻝㻠㻚㻢 㻝㻥 㻞㻝㻚㻝 㻟㻠 㻟㻝㻚㻤 㻟㻠 㻟㻡㻚㻤 㻥㻟 㻞㻣㻚㻥 重症度は,A:ソフトテニスのプレイに影響はなかった,B:プレイは可能だったが影響があった,
C:プレイが不可能だった.
高校生 大学生 社会人 全体
外傷・障害の経験
〃 時期
外傷・障害の別
〃 部位
〃 重症度
中学生
表3 ソフトテニスによる外傷・障害の内容.記載されているまま,比較的多いものを記す.
中学生 高校生 大学生 社会人 全体
捻挫(9) 捻挫(13) 捻挫(16) テニス肘(13) 捻挫(45)
テニス肘(3) テニス肘(6) テニス肘(10) 肉離れ(10) テニス肘(32)
骨折(3) 骨折(5) 肉離れ(7) 腰痛(8) 肉離れ(17)
腱鞘炎(5) 骨折(4) 捻挫(7) 骨折(16)
オズグッド(3) 腱鞘炎(4) シンスプリント(6) 腱鞘炎(9)
シンスプリント(3) 骨折(4) シンスプリント(9)
ジャンパーズニー(3) 腰痛(8)
( )内は回答者数.
回答者
も多く,次いで肉離れ,腰痛,捻挫の順になっている。
全体では捻挫が一番多く,次いでテニス肘,肉離れ,骨 折,腱鞘炎,シンスプリント,腰痛の順であった。…
表4は男女別に外傷・障害の経験をみたものである。
外傷・障害の経験がある者の割合について,中学生や高 校生など年齢の低い群では女子で割合が高く,大学生や 社会人など年齢が高い群では男子での割合が比較的高 かった。各群で度数の検定をすると,中学生から社会人 までのいずれの群にも男女間の有意差は認められなかっ たが,全体では有意水準に近い差がみられ,男子で外 傷・障害の経験が多い傾向がみられた。外傷・障害の別 を全体的にみると男女とも外傷より障害の方が2倍程度 多く,男女間で外傷と障害の割合に有意差は認められな かった。外傷・障害の部位については男女とも上肢と下 肢に多く,体幹は少なかった。全体では男女の度数に有 意水準に近い差がみられ,下肢の外傷・障害が女子で多
く,体幹の外傷・障害が男子で多い傾向がみられた。重 症度については高校生の女子で「プレイは可能だったが 影響があった。」や「プレイが不可能だった。」という比 較的重い重症度の者が男子よりも有意に多かったが,全 体では男女差が認められなかった。
… 表5はソフトテニスのポジション別に外傷・障害の 経験をみたものである。中学生から社会人までの各群,
及び全体でポジション間に有意差は認められなかった が,社会人をはじめとして外傷・障害を経験した者の割 合は前衛の方が後衛よりも比較的高い傾向がみられた。
外傷・障害の部位については,前衛と後衛ともに上肢と 下肢で多く,体幹は少なかった。中学生から社会人まで の各群においてポジション間で外傷・障害の部位差は有 意でなかったが,全体では有意水準に近い差がみられ,
後衛で体幹の外傷・障害が多い傾向がみられた。重症度 について,中学生から社会人まで前衛と後衛ともに「プ
表4 男女別にみた外傷・障害の経験.表中の数値は延べ度数と相対度数.
男 女 男 女 男 女 男 女 男 女
n 㻞㻜 㻣㻣 㻠㻤 㻡㻟 㻣㻞 㻟㻥 㻢㻞 㻞㻞 㻞㻜㻞 㻝㻥㻝
あり 㻠 㻞㻞 㻞㻜 㻞㻢 㻟㻢 㻝㻢 㻟㻣 㻝㻝 㻥㻣 㻣㻡
㻑 㻞㻜㻚㻜 㻞㻤㻚㻢 㻠㻝㻚㻣 㻠㻥㻚㻝 㻡㻜㻚㻣 㻠㻝㻚㻜 㻡㻥㻚㻣 㻡㻜㻚㻜 㻠㻤㻚㻟 㻟㻥㻚㻟
なし 㻝㻢 㻡㻡 㻞㻤 㻞㻣 㻟㻡 㻞㻟 㻞㻡 㻝㻝 㻝㻜㻠 㻝㻝㻢
㻑 㻤㻜㻚㻜 㻣㻝㻚㻠 㻡㻤㻚㻟 㻡㻜㻚㻥 㻠㻥㻚㻟 㻡㻥㻚㻜 㻠㻜㻚㻟 㻡㻜㻚㻜 㻡㻝㻚㻣 㻢㻜㻚㻣 χ2㻌㻔㼜㻕
外傷 㻞 㻝㻢 㻝㻜 㻝㻢 㻞㻝 㻝㻡 㻞㻞 㻠 㻡㻡 㻡㻝
㻑 㻠㻜㻚㻜 㻠㻠㻚㻠 㻟㻝㻚㻟 㻞㻣㻚㻢 㻞㻥㻚㻢 㻠㻝㻚㻣 㻞㻤㻚㻢 㻞㻞㻚㻞 㻞㻥㻚㻣 㻟㻠㻚㻡
障害 㻟 㻞㻜 㻞㻞 㻠㻞 㻡㻜 㻞㻝 㻡㻡 㻝㻠 㻝㻟㻜 㻥㻣
㻑 㻢㻜㻚㻜 㻡㻡㻚㻢 㻢㻤㻚㻤 㻣㻞㻚㻠 㻣㻜㻚㻠 㻡㻤㻚㻟 㻣㻝㻚㻠 㻣㻣㻚㻤 㻣㻜㻚㻟 㻢㻡㻚㻡 χ2㻌㻔㼜㻕
上肢 㻟 㻝㻢 㻝㻞 㻝㻤 㻞㻤 㻝㻢 㻞㻤 㻡 㻣㻝 㻡㻡
㻑 㻢㻜㻚㻜 㻠㻡㻚㻣 㻟㻣㻚㻡 㻟㻝㻚㻢 㻠㻝㻚㻞 㻠㻠㻚㻠 㻟㻣㻚㻤 㻞㻥㻚㻠 㻟㻥㻚㻣 㻟㻣㻚㻥
下肢 㻞 㻝㻢 㻝㻝 㻟㻝 㻟㻜 㻝㻢 㻞㻥 㻝㻜 㻣㻞 㻣㻟
㻑 㻠㻜㻚㻜 㻠㻡㻚㻣 㻟㻠㻚㻠 㻡㻠㻚㻠 㻠㻠㻚㻝 㻠㻠㻚㻠 㻟㻥㻚㻞 㻡㻤㻚㻤 㻠㻜㻚㻞 㻡㻜㻚㻟
体幹 㻜 㻟 㻥 㻤 㻝㻜 㻠 㻝㻣 㻞 㻟㻢 㻝㻣
㻑 㻜㻚㻜 㻤㻚㻢 㻞㻤㻚㻝 㻝㻠㻚㻜 㻝㻠㻚㻣 㻝㻝㻚㻝 㻞㻟㻚㻜 㻝㻝㻚㻤 㻞㻜㻚㻝 㻝㻝㻚㻣 χ2㻌㻔㼜㻕
A 㻜 㻡 㻡 㻝 㻣 㻢 㻠 㻝 㻝㻢 㻝㻟
㻑 㻜㻚㻜 㻝㻟㻚㻥 㻝㻡㻚㻢 㻝㻚㻣 㻥㻚㻥 㻝㻢㻚㻣 㻡㻚㻞 㻡㻚㻢 㻤㻚㻢 㻤㻚㻤
B 㻠 㻞㻢 㻞㻝 㻠㻠 㻠㻟 㻝㻣 㻠㻡 㻝㻝 㻝㻝㻟 㻥㻤
㻑 㻤㻜㻚㻜 㻣㻞㻚㻞 㻢㻡㻚㻢 㻣㻡㻚㻥 㻢㻜㻚㻢 㻠㻣㻚㻞 㻡㻤㻚㻠 㻢㻝㻚㻝 㻢㻝㻚㻝 㻢㻢㻚㻞
C 㻝 㻡 㻢 㻝㻟 㻞㻝 㻝㻟 㻞㻤 㻢 㻡㻢 㻟㻣
㻑 㻞㻜㻚㻜 㻝㻟㻚㻥 㻝㻤㻚㻤 㻞㻞㻚㻠 㻞㻥㻚㻢 㻟㻢㻚㻝 㻟㻢㻚㻠 㻟㻟㻚㻟 㻟㻜㻚㻟 㻞㻡㻚㻜 χ2㻌㻔㼜㻕
重症度は,A:ソフトテニスのプレイに影響はなかった,B:プレイは可能だったが影響があった,
C:プレイが不可能だった.
回答者 中学生 高校生 大学生 社会人 全体
㻜㻚㻤㻡㻔㻜㻚㻟㻢㻕 外傷・障害の経験
㻜㻚㻡㻥㻔㻜㻚㻠㻠㻕 㻜㻚㻡㻡㻔㻜㻚㻠㻢㻕 㻜㻚㻥㻡㻔㻜㻚㻟㻟㻕 㻜㻚㻢㻞㻔㻜㻚㻠㻟㻕 㻟㻚㻞㻝㻔㻜㻚㻜㻣㻕
外傷・障害の別
㻜㻚㻜㻥㻔㻜㻚㻣㻣㻕 㻜㻚㻝㻟㻔㻜㻚㻣㻝㻕 㻝㻚㻡㻢㻔㻜㻚㻞㻝㻕 㻜㻚㻜㻢㻔㻜㻚㻤㻜㻕
㻝㻚㻝㻢㻔㻜㻚㻡㻢㻕
〃 部位
㻜㻚㻢㻡㻔㻜㻚㻣㻞㻕 㻠㻚㻜㻤㻔㻜㻚㻝㻟㻕 㻜㻚㻞㻥㻔㻜㻚㻤㻣㻕 㻞㻚㻟㻡㻔㻜㻚㻟㻝㻕 㻡㻚㻟㻠㻔㻜㻚㻜㻣㻕
〃 重症度
㻜㻚㻤㻠㻔㻜㻚㻢㻢㻕 㻢㻚㻠㻝㻔㻜㻚㻜㻠㻕 㻝㻚㻥㻥㻔㻜㻚㻟㻣㻕 㻜㻚㻜㻢㻔㻜㻚㻥㻣㻕
レイは可能だったが影響があった。」とする者が最も多 かった。重症度が重い「プレイが不可能だった。」とす る者の割合は各群で前衛が高かったり後衛が高かったり するが,全体でみると前衛と後衛とも同程度であった。
また,各群においてポジション間で重症度に有意差は認 められなかった。
考察
テニスの外傷・障害についての実態調査は多いが,そ のほとんどが硬式テニスを対象としている(原田ら,
2005;長谷川ら,2005;岩本ら,2011)。ソフトテニス については競技人口の少なさや硬式テニスと同類視され ることで,外傷・障害の調査研究はほとんど行われてい ない。しかし,硬式テニスとソフトテニスには実施上の 幾つかの相違点があり,必ずしも同様の外傷・障害が生 じているとはいえない。
相違点の一つとしてまず考えられるのは,用具の違い である。テニスの名称を「硬式」と「ソフト」に区別し ているように,対象となるボールの違いがあげられる。
ソフトテニスでは重さ 30 ~ 31g で直径 6.6cm の軽くて 柔らかいゴム製のボールを使用するのに対して,硬式テ ニスでは重さ 56 ~ 59.4g で直径 6.54 ~ 6.86cm のゴム とフェルトで構成された固いボールを使用する。直径に 差はないが,重さには大きな違いがある。ソフトテニス はボールが軽いのでコートに入ってきたボールは空気抵 抗で減速しており,インパクトの瞬間にプレイヤーの腕 や手首にかかる衝撃はあまり強くない。しかし,硬式テ ニスではボールが重く減速しにくいので,インパクトの 瞬間にプレイヤーにかなり衝撃がかかる。そのため,ソ フトテニスは硬式テニスよりもインパクトしたときの衝 撃による手首の負担が軽いと考えられる。一方,硬式テ ニスのボールは硬くてよく弾むので飛びやすいが,ソフ 表5 ポジション別にみた外傷・障害の経験.表中の数値は延べ度数と相対度数.
前衛 後衛 前衛 後衛 前衛 後衛 前衛 後衛 前衛 後衛
n 㻠㻡 㻡㻞 㻠㻢 㻡㻡 㻡㻜 㻢㻝 㻟㻡 㻠㻥 㻝㻣㻢 㻞㻝㻣
あり 㻝㻠 㻝㻞 㻝㻤 㻞㻤 㻞㻞 㻟㻜 㻞㻠 㻞㻠 㻣㻤 㻥㻠
% 㻟㻝㻚㻝 㻞㻟㻚㻝 㻟㻥㻚㻝 㻡㻜㻚㻥 㻠㻠㻚㻜 㻠㻥㻚㻞 㻢㻤㻚㻢 㻠㻥㻚㻜 㻠㻠㻚㻟 㻠㻟㻚㻟
なし 㻟㻝 㻠㻜 㻞㻤 㻞㻣 㻞㻤 㻟㻝 㻝㻝 㻞㻡 㻥㻤 㻝㻞㻟
㻑 㻢㻤㻚㻥 㻣㻢㻚㻥 㻢㻜㻚㻥 㻠㻥㻚㻝 㻡㻢㻚㻜 㻡㻜㻚㻤 㻟㻝㻚㻠 㻡㻝㻚㻜 㻡㻡㻚㻣 㻡㻢㻚㻣 χ2㻌㻔㼜㻕
外傷 㻥 㻤 㻥 㻝㻣 㻝㻤 㻝㻤 㻝㻡 㻝㻝 㻡㻝 㻡㻠
㻑 㻠㻞㻚㻥 㻠㻜㻚㻜 㻞㻣㻚㻟 㻞㻥㻚㻤 㻠㻝㻚㻥 㻞㻤㻚㻝 㻟㻝㻚㻟 㻞㻟㻚㻠 㻟㻡㻚㻞 㻞㻤㻚㻣
障害 㻝㻞 㻝㻞 㻞㻠 㻠㻜 㻞㻡 㻠㻢 㻟㻟 㻟㻢 㻥㻠 㻝㻟㻠
㻑 㻡㻣㻚㻝 㻢㻜㻚㻜 㻣㻞㻚㻣 㻣㻜㻚㻞 㻡㻤㻚㻝 㻣㻝㻚㻥 㻢㻤㻚㻤 㻣㻢㻚㻢 㻢㻠㻚㻤 㻣㻝㻚㻟 χ2㻌㻔㼜㻕
上肢 㻝㻜 㻥 㻝㻝 㻝㻥 㻝㻣 㻞㻣 㻝㻤 㻝㻡 㻡㻢 㻣㻜
㻑 㻡㻜㻚㻜 㻠㻡㻚㻜 㻟㻟㻚㻟 㻟㻟㻚㻟 㻠㻝㻚㻡 㻠㻟㻚㻡 㻟㻤㻚㻟 㻟㻠㻚㻝 㻟㻥㻚㻣 㻟㻤㻚㻟
下肢 㻥 㻥 㻝㻤 㻞㻡 㻝㻥 㻞㻢 㻞㻟 㻝㻢 㻢㻥 㻣㻢
㻑 㻠㻡㻚㻜 㻠㻡㻚㻜 㻡㻠㻚㻡 㻠㻟㻚㻥 㻠㻢㻚㻟 㻠㻝㻚㻥 㻠㻤㻚㻥 㻟㻢㻚㻠 㻠㻤㻚㻥 㻠㻝㻚㻡
体幹 㻝 㻞 㻠 㻝㻟 㻡 㻥 㻢 㻝㻟 㻝㻢 㻟㻣
㻑 㻡㻚㻜 㻝㻜㻚㻜 㻝㻞㻚㻝 㻞㻞㻚㻤 㻝㻞㻚㻞 㻝㻠㻚㻡 㻝㻞㻚㻤 㻞㻥㻚㻡 㻝㻝㻚㻟 㻞㻜㻚㻞 χ2㻌㻔㼜㻕
A 㻝 㻠 㻟 㻟 㻟 㻝㻜 㻞 㻟 㻥 㻞㻜
㻑 㻠㻚㻤 㻞㻜㻚㻜 㻥㻚㻝 㻡㻚㻟 㻣㻚㻜 㻝㻡㻚㻢 㻠㻚㻞 㻢㻚㻠 㻢㻚㻞 㻝㻜㻚㻢
B 㻝㻡 㻝㻡 㻞㻢 㻟㻥 㻞㻟 㻟㻣 㻟㻞 㻞㻠 㻥㻢 㻝㻝㻡
㻑 㻣㻝㻚㻠 㻣㻡㻚㻜 㻣㻤㻚㻤 㻢㻤㻚㻠 㻡㻟㻚㻡 㻡㻣㻚㻤 㻢㻢㻚㻣 㻡㻝㻚㻝 㻢㻢㻚㻞 㻢㻝㻚㻞
C 㻡 㻝 㻠 㻝㻡 㻝㻣 㻝㻣 㻝㻠 㻞㻜 㻠㻜 㻡㻟
㻑 㻞㻟㻚㻤 㻡㻚㻜 㻝㻞㻚㻝 㻞㻢㻚㻟 㻟㻥㻚㻡 㻞㻢㻚㻢 㻞㻥㻚㻞 㻠㻞㻚㻢 㻞㻣㻚㻢 㻞㻤㻚㻞 χ2㻌㻔㼜㻕
重症度は,A:ソフトテニスのプレイに影響はなかった,B:プレイは可能だったが影響があった,
C:プレイが不可能だった.
回答者 中学生 高校生 大学生 社会人 全体
㻝㻚㻡㻤㻔㻜㻚㻞㻝㻕 外傷・障害の経験
㻜㻚㻣㻥㻔㻜㻚㻟㻣㻕 㻝㻚㻠㻜㻔㻜㻚㻞㻠㻕 㻜㻚㻟㻜㻔㻜㻚㻡㻥㻕 㻟㻚㻞㻜㻔㻜㻚㻜㻣㻕 㻜㻚㻜㻠㻔㻜㻚㻤㻠㻕
外傷・障害の別
㻜㻚㻜㻟㻔㻜㻚㻤㻡㻕 㻜㻚㻜㻣㻔㻜㻚㻤㻜㻕 㻞㻚㻝㻣㻔㻜㻚㻝㻠㻕 㻜㻚㻣㻠㻔㻜㻚㻟㻥㻕
㻞㻚㻝㻤㻔㻜㻚㻟㻠㻕
〃 部位
㻜㻚㻟㻥㻔㻜㻚㻤㻞㻕 㻝㻚㻣㻢㻔㻜㻚㻠㻝㻕 㻜㻚㻞㻟㻔㻜㻚㻤㻥㻕 㻠㻚㻜㻝㻔㻜㻚㻝㻟㻕 㻠㻚㻤㻡㻔㻜㻚㻜㻥㻕
〃 重症度
㻠㻚㻠㻠㻔㻜㻚㻝㻝㻕 㻞㻚㻣㻣㻔㻜㻚㻞㻡㻕 㻟㻚㻜㻟㻔㻜㻚㻞㻞㻕 㻞㻚㻟㻥㻔㻜㻚㻟㻜㻕
トテニスのボールは柔らかくて軽いので飛びにくい。し たがって,ソフトテニスではボールを飛ばすよう強くラ ケットをスウィングしなければならない。また,ソフト テニスのボールは柔らかいのでプレイヤーの身体にボー ルが直接当たっても硬式テニスの固いボールよりも外傷 を負う危険性は少ない。
ラケットの違いもある。硬式テニスではボールをイン パクトするときの衝撃に耐えられるよう頑丈にしなけれ ばならず,フレームやシャフトはソフトテニスのラケッ トよりも厚く作られている。したがって,一般的にソフ トテニスのラケットは硬式テニスのラケットよりも軽い ので,スイングする際に腕や手首にかかる負担が硬式テ ニスよりも小さい。このような用具であるボールやラ ケットの違いは,ストロークやサービスなどの技術,さ らには戦術の相違をもたらしている。
ゲーム方式の違いについてみると,近年,ソフトテニ スにはシングルスも導入されたが,長年にわたりダブル スを主体としてきたことがあげられる。一人よりも二人 で攻守に動き回る方が負担は少ないのは自明である。硬 式テニスにおいてもダブルスは行われているが,どちら かといえばシングルスが主体である。さらに,試合時間 についてはソフトテニスの場合,4ゲーム先取や 5 ゲー ム先取で実施することが多く,30 分程度でほとんどの 試合が終了する。硬式テニスの場合は1セット6ゲーム 先取で2セットや3セットを実施するため,試合時間が はるかに長くなる。試合時間の違いはプレイヤーの身体 に与える負担に大きな違いを生むと考えられ,短時間で 終了するソフトテニスの方が負担は小さく,外傷・障害 のリスクは少なくなる。このようなゲーム方式の違いは 試合中に限らず,試合に備えての日常的な練習内容にも 影響し,身体への負担の相違をもたらしていると考えら れる。
ソフトテニス選手で外傷・障害を経験している割合に ついて永野と福林(2011)は大学生で調査し,全体の 43.2%に既往歴があることを示している。今回の調査で 回答した大学生では 47.3%,中学生から社会人までの全 体では 43.9%に外傷・障害の経験があり,大きくは異 ならなかった。Pluim…et…al.(2006)が硬式テニスについ ての文献をレビューしたものでは外傷・障害の発生率が 0.05 ~ 2.9 回/1人/年の範囲にあった。本調査におい て外傷・障害の述べ回数と平均の競技年数を用いて中学 生から社会人までの全体の発生率を概算すると 0.06 回
/1人/年と算出され,ソフトテニスでの発生率は低い と推察される。前述したように,硬式テニスと比較して ボールやラケットなど用具の違いやゲーム方式の違いが 試合や練習の全体に影響し,外傷・障害のリスクを低減 していると考えられる。
外傷・障害を部位別にみると,永野と福林(2011)が 大学生で行った調査では上肢に多かったが,本研究では 下肢が最も多く,次いで上肢,体幹の順であった。ただし,
大学生では上肢と拮抗していた。Pluim…et…al.(2006)の レビューにおいては,硬式テニスの大部分で外傷・障害 の部位は下肢が多いことを示している。今回の調査では 下肢の中でも足首の外傷・障害が最も多く,その内容に 関する回答から捻挫が多かった。上肢についてはテニス 肘が最も多く,延べ回答数は回答者数の 11.5%であった。
硬式テニスでのテニス肘の有病率は 14 ~ 41%程度であ ることが示されており(Pluim…et…al.2006),ソフトテニ スにおけるテニス肘の発生は比較的少ないようである。
男女別に外傷・障害を経験している割合をみると男女 間に有意差はなかったが,男子で外傷・障害を経験して いる割合が高い傾向にあった。永野と福林(2011)の大 学生の調査では女子で外傷・障害を経験している割合が 高いことを示している。本研究では中学生や高校生など 低年齢群の女子で割合が高く,それ以降は男子で割合が 高かった。大学生はその端境期にあたるので微妙に異な る結果になったことが考えられる。外傷・障害の部位に ついて,男子よりも女子で下肢に多い傾向は永野と福林
(2011)の結果と同様である。重症度については高校生 の男女間に有意差が認められ,女子では重いものが比較 的多かった。外傷・障害を経験している割合が中学生や 高校生の女子で比較的高いことと考えあわせると,低年 齢群の女子において運動負荷に対する身体的な弱さが伺 える。中学生から社会人までの全体でみると男女間に重 症度の違いは認められないが,加齢とともに男子の力強 さや強引さが重症度を高め,低年齢群での男女差を相殺 しているように思われる。
ソフトテニスのダブルスでは,基本的にベースライン 付近での打ち合いを行う後衛とネット付近での攻撃や防 御を行う前衛とにポジションが分かれている。それにと もない,前衛と後衛では求められる能力や動きが大きく 異なる。後衛は後方での打ち合いのための持久力やワン バウンドしたボールを打つストロークの技術,前後左右 への動きが求められる。前衛はネット際でボールに追い つく瞬発力,ボレーや浮いたチャンスボールを決めるス マッシュなどの動きが求められる。このような違いから ソフトテニスの場合,後衛ではストロークの際の肘への 負担,前衛ではラケットを持ち上げたり強くスウィング したりする動作による肩への負担が多くなり,ポジショ ンによっても外傷の内容や部位に差が出る可能性があ る。外傷・障害を経験している割合をポジション別にみ ると有意差はみられなかったが,全体的に前衛で割合が 高い傾向にあった。外傷の割合が前衛で比較的高く,瞬 発的な力強い動きが外傷につながりやすいのではなかろ
うか。外傷・障害の部位を比較すると,有意差はなかっ たが後衛で体幹の外傷・障害が比較的多かった。ソフト テニスの前衛と後衛で運動強度に違いのないことが示さ れているが(伊藤と高崎,2015),後衛のストローク主 体の全身的な動きが体幹に負担をかけていることが考え られる。
まとめ
ソフトテニスを実施している中学生,高校生,大学生,
および社会人を対象に外傷・障害の経験を中心にアン ケート調査した。全体でみると,外傷・障害の経験をし ている者は 43.9%いた。障害が外傷の 2 倍程度であった。
外傷・障害の部位は下肢が多く,足首を捻挫している例 が多くみられた。重症度については年齢が上がるにつれ て増していた。男女別にみると,外傷・障害を経験して いる割合は中学生や高校生では女子が多く,大学生や社 会人では男子が多い傾向にあった。高校生の女子は男子 より重症度の高い者が多かったが,中学生から社会人ま での全体では重症度に男女差がなかった。ポジション別 にみると,外傷・障害を経験している割合は前衛の方が
後衛よりも比較的高かった。ソフトテニスの外傷・障害 の発生率やテニス肘の有病率を概算すると,硬式テニス の場合よりも低いと推察された。
引用文献
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障害発生および練習状況の現状,日本臨床スポーツ医学会 誌,19(1):36-42,2011
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4-9,2011
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occurrence,…aetiology,…and…prevention,…Br…J…Sports…Med,…
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